JP5752688B2 - 抗原賦活プロセスのための方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、抗原賦活プロセスのための方法及び装置に関する。
診断用細胞イメージングでは、細胞又は組織で産生された分子を、それらの細胞又は組織に特異的に局在化することができる方法を用いる。こうして、研究者は、それら所定の分子の産生部位又は活性部位に関する情報を得ることができる。日常的病理検査におけるタンパク質の特異的局在化のため、免疫組織化学(IHC)として知られる手法が常用されている。IHCでは、第1の段階として、特異的な抗原に対する抗体を、固定組織試料に加える。抗体は、既知の特定の分子を認識する。次いで、この抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素と化学的に結合させておいた二次抗体を用いて検出する。ジアミノベンジジン(DAB)のような発色基質とインキュベートすると、目的タンパク質の特異的部位の一次抗体と結合した二次抗体の部位で着色沈殿が生ずる。現在、この方法は、200種を超える抗体について臨床病理学研究その他数多くの研究環境で用いられている。
組織処理では、免疫染色に適した組織切片を得るためのパラフィン包埋及びミクロトームでのマイクロセクショニングの前に、試料を「固定」する必要がある。このプロセスでは、ホルムアルデヒド処理を用いてタンパク質が保存されるが、ホルムアルデヒド処理で化学的架橋が生じ、化学的架橋によって組織の細胞の特徴が保存される。ホルムアルデヒドは、主に、タンパク質の一級アミン基と、その近くのタンパク質又はDNAの窒素原子とを−CH2−結合を介して架橋することによって組織又は細胞を保存又は固定する。しかし、組織固定プロセスでは、診断及び予後診断のために検出が望まれる特定のタンパク質の抗原がマスキングされてしまうことが多い。通例、個々の標的分子の検出のために手順を最適化し、必要に応じて、追加の標的分子の検出のため一群の切片を様々な方法で処理する。単一の試料で複数の抗原を検出することができる能力の向上に伴って、複数のタンパク質の検出に適合した均質な組織処理が必要とされている。
YAMASHITA S et al., "Mechanisms of Heat-induced Antigen Retrieval: Analyses In Vitro Employing SDS-PAGE and Immunohistochemistry", 2005, vol 53, pages 13-21, Journal of Histochemistry & Cytochemistry; page 14, column 2, line 22 - line 26; page 14, column 2, line 52 - page 15, column 1, line 12
第1の態様では、本発明は、ホルムアルデヒド固定組織試料の抗原を賦活する方法であって、ホルムアルデヒド固定組織試料を第1の抗原賦活化溶液中で90℃超の温度でインキュベートする段階と、組織試料を第2の抗原賦活化溶液に移す段階と、組織試料を第2の抗原賦活化溶液中で90℃超の温度でインキュベートする段階とを含む方法を提供する。
第2の態様では、本発明は、ホルムアルデヒド固定組織試料中の抗原の賦活化用キットであって、試料中の未賦活抗原の少なくとも一部を賦活する第1の抗原賦活化溶液、及び試料中の未賦活抗原の別の部分の少なくとも一部を賦活する第2の抗原賦活化溶液を含むキットを提供する。
第3の態様では、本発明は、抗原賦活法を実施するための試料取扱装置であって、試料取扱サブシステム、試薬取扱サブシステム、及び信号検出サブシステムを含むデバイスを提供する。
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができるであろう。図面では、すべての図面で類似の部材には類似の符号を付した。
ホルムアルデヒド固定組織試料を抗原賦活化溶液と接触させるための代表的な試料取扱装置を示す図である。 一段階法に比べ、二段階法を用いた用いたときの染色の向上を示すモノクロ顕微鏡写真(倍率20×又は63×)である。 BrCA腫瘍の多重分析FISHに二段階法を用いたときの染色の向上を対比したモノクロ顕微鏡写真(倍率20×)である。 手動二段階抗原賦活法と自動化方法とを対比した定量分析の結果を示す棒グラフである。 手動二段階抗原賦活法又は2通りの自動抗原賦活プロセスの一方のいずれかで調製した試料での抗原S6染色に対する漂白作用を示すモノクロ顕微鏡写真(倍率20×)である。
特許請求の範囲に記載された発明の主題について明瞭かつ簡潔に記載・説明するために、本明細書の以下の記載及び特許請求の範囲で用いる特定の用語について、以下の通り定義する。
定義
「抗体」は、別の分子に特異的に結合する免疫グロブリンをいい、その分子の特定の空間及び極性構造と相補的なものと定義される。抗体は、モノクローナル抗体であっても又はポリクローナル抗体であってもよく、当技術分野で周知の技法、例えば、宿主の免疫化と血清(ポリクローナル)の回収、或いは連続ハイブリッド細胞系の調製と分泌タンパク質(モノクローナル)の回収)、或いは天然抗体の特異的結合に必要なアミノ酸配列を少なくともコードするヌクレオチド配列又はそれらの突然変異誘発型のクローニングと発現などによって調製できる。抗体は、完全な免疫グロブリン又はその断片を含むことができ、それらの免疫グロブリンとして、種々のクラス及びアイソタイプ、例えば、IgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b、及びIgG3、IgMが挙げられる。機能性の抗体断片は、完全長の抗体に類似する親和性で結合性を保持することが可能である抗体の部分(例えば、Fab、Fv及びF(ab’)2又はFab’)を含むことができる。さらに、免疫グロブリン又はそれらの断片の凝集体、高分子及びコンジュゲートも、特定の分子に対する結合親和性が実質的に維持される限り、適切な場合には使用することができる。
「抗原」は、抗体又は抗体断片に結合することができる物質をいう。抗原は、正常若しくは異常な細胞代謝の結果として又はウイルス若しくは細胞内細菌の感染のために、細胞内部で生成したことによって、内在性である場合がある。内在性抗原は、ゼノジニック(異種)抗原、自己抗原、及びイディオタイプ抗原又はアロジェニック(同種)抗原を含む。また、抗原は、腫瘍に特異的な抗原又は腫瘍細胞により提示される抗原であってもよい。この場合には、それらは、腫瘍特異的抗原(TSA)と呼ばれ、一般に、腫瘍に特異的な突然変異の結果生じる。また、抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)である場合もあり、これらは、腫瘍細胞及び正常細胞により提示される。また、抗原は、CD抗原も含み、これは、白血球が発現する幾つかの細胞表面マーカーのうちのいずれかをいい、これを使用して、細胞系列又は発生段階を区別することができる。そのようなマーカーを、特異的なモノクローナル抗体により同定することができ、それらの分化抗原群により、それらに番号を付ける。
「FISH」及び「CISH」はそれぞれ、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(fluorescent in situ hybridization)及び色素インサイチュハイブリダイゼーション(chromagenic in situ hybridization)をいう。FISHは、染色体上の特異的なDNA配列又は転写部位及び細胞のその他の部分におけるRNA配列の存在の有無を検出し、それらを局在化するために使用する細胞遺伝学的技法である。FISHは、蛍光プローブを使用し、これらのプローブは、それらが高い程度の配列類似性を示す染色体の部分のみに結合する。CISHにより、遺伝子の増幅、染色体のトランスロケーション及び染色体数の検出が、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織に対して、明視野顕微鏡下で、従来の酵素反応を使用して可能になる。
「免疫染色」は、試料中の特異的なタンパク質を検出するための、抗体に基づいた方法をいう。免疫染色は、免疫細胞化学的染色及び免疫組織化学的染色の両方を含む。免疫細胞化学的(ICC)染色は、細胞上の抗原を標的にする抗体を使用する技法をいう。この技法を実施して、特定の疾患の存在、例えば、癌の型を決定することができる。免疫組織化学的(IHC)染色は、組織切片中の抗原を、標識抗体を特異的な試薬として使用することによって、抗原と抗体との間の相互作用を通して染色及び局在化することをいい、これらの相互作用を、マーカー、例えば、フルオロフォア、反応した酵素基質、放射性元素又はコロイド金により可視化する。
「プローブ」は、結合物質、及び標識、例えば、信号発生物質又は酵素を有する薬剤をいう。幾つかの実施形態では、結合物質及び標識(信号発生物質又は酵素)を、単一の実体として具体化する。本明細書で使用する場合、「結合物質」は、別の分子と反応する又は関わることが可能である分子、例えば、抗体に結合する抗原をいう。結合物質と標識とを、直接的に(例えば、結合物質中に組み込まれている蛍光分子を介して)、又は間接的に(例えば、切断部位を含むことができるリンカーを通して)つなぎ、単一段階で組織試料に加えることができる。代替の実施形態では、結合物質及び標識を、個別の実体として具体化する(例えば、標的に結合することが可能である一次抗体と、一次抗体に結合することが可能である、酵素又は信号発生物質で標識した二次抗体)。結合物質及び標識(信号発生物質又は酵素)が別個の実体である場合、これらを、組織試料に、単一の段階で加えても、又は複数の段階で加えてもよい。用語「蛍光プローブ」は、蛍光信号発生物質にカップリングさせた結合物質を有する薬剤をいう。
「信号発生物質」は、1以上の検出技法(例えば、スペクトル法、熱量測定法、分光法又は目視検査)を使用して検出可能な信号を発生させることが可能である分子をいう。検出可能な信号の適切な例として、光学信号及び電気信号又は放射性信号を挙げることができる。信号発生物質の例として、発色団、フルオロフォア、ラマン活性を示すタグ又は放射性標識のうちの1以上が挙げられる。幾つかの実施形態では、上記に記述したように、プローブに関しては、信号発生物質及び結合物質は、単一の実体(例えば、蛍光標識を有する標的結合タンパク質)として存在することができる。或いは、結合物質及び信号発生物質は、試料を導入する前又は試料を導入した時に相互に関わる個別の実体(例えば、受容体タンパク質と、その特定の受容体タンパク質に対する、標識抗体)であってもよい。
「フルオロフォア」又は「蛍光信号発生物質」は、特定の波長の光に露光されると励起されて、異なる波長の光を放射する化合物をいう。フルオロフォアは、それらの放射プロファイル又は「色」の観点から記載することができる。緑色フルオロフォア(例えば、Cy3、FITC及びOregon Green)を、一般に、515〜540nm域の波長におけるそれらの放射により特徴付けることができる。赤色フルオロフォア(例えば、Texas Red、Cy5及びテトラメチルローダミン)を、一般に、590〜690nm域の波長におけるそれらの放射により特徴付けることができる。フルオロフォアの例として、特に限定されないが、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’ジスルホン酸、アクリジン、アクリジンの誘導体及びアクリジンイソチオシアネート、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アミノ−N−[3−(ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5ジスルホネート(ルシファーイエローVS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントエロー、クマリン、クマリン誘導体、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7−アミノ−トリフルオロメチルクマリン(Coumaran 151)、シアノシン、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’,5”−ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)4−メチルクマリン、4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)、エオシン、エオシンの誘導体、例えば、エオシンイソチオシアネート、エリスロシン、エリスロシンの誘導体、例えば、エリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネート、エチジウム、フルオレセイン及び誘導体、例えば、5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、QFITC(XRITC)、フルオレスカミン誘導体(アミンと反応すると蛍光を発する)、IR144、IR1446、マラカイトグリーンイソチオシアネート、4−メチルウンベリフェロン、オルト−クレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローズアニリン、フェノールレッド、B−フィコエリトリン、o−フタルジアルデヒド誘導体(アミンと反応すると蛍光を発する)、ピレン及び誘導体、例えば、ピレン、ピレンブチレート及びサクシニミジル1−ピレンブチレート、Reactive Red 4(Cibacron(登録商標)ブリリアントレッド3B−A)、ローダミン及び誘導体、例えば、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、及びスルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(Texas Red)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、リボフラビン、ロゾール酸及びランタニドキレート誘導体、量子ドット、シアニン、ピリリウム染料、並びにスクアレインが挙げられる。
「標的」は、組織試料中に存在するならば検出することができる組織試料の構成成分をいう。標的は、天然に存在する特異的な結合物質(例えば、抗体)が存在する、又は特異的な結合物質(例えば、小型分子の結合物質若しくはアプタマー)を調製することができる任意の物質であり得る。一般に、結合物質は、標的の1以上の個別の化学的部分又は標的の三次元構造の構成成分(例えば、ペプチドの折畳みにより生じた3D構造)を通して、標的に結合することができる。標的は、天然若しくは修飾ペプチド、タンパク質(例えば、抗体、アフィボディ(affibody)若しくはアプタマー)、核酸(例えば、ポリヌクレオチド、DNA、RNA若しくはアプタマー)、多糖類(例えば、レクチン若しくは糖)、脂質、酵素、酵素基質、リガンド、受容体、抗原、又はハプテンのうちの1種以上を含むことができる。幾つかの実施形態では、標的は、タンパク質又は核酸を含むことができる。幾つかの実施形態では、標的は、タンパク質及び核酸の両方を含むことができる。
本発明は、一般に、分析、診断又は予後診断に応用し、例えば、分析対象の検出、組織化学的検査、免疫染色、免疫組織化学的検査、免疫細胞化学的検査又は免疫蛍光法において適用可能な方法に関する実施形態を含む。幾つかの実施形態では、本明細書において開示する方法は、免疫組織化学的検査及び免疫細胞化学的検査において特に適用可能であり得る。
一実施形態に従って、バイオマーカーを評価するためのタンパク質の検出に先立って、病理学的試料採取から得られた組織切片を処理する方法を記載する。一実施形態では、この方法は、複数のタンパク質抗原に適用でき、高いレベルで抗原を賦活することができる二段階法を含む。特定の実施形態では、これにより、臨床的に関連のある試料の診断を多重化することが可能になる。
幾つかの実施形態では、組織試料は、健常又は病的な組織に由来する組織切片(例えば、結腸、乳房組織、前立腺に由来する組織切片)を含む。組織試料は、組織切片の単一の部分又は小片、例えば、組織の薄片又は組織切片から切断した細胞を含むことができる。幾つかの実施形態では、組織試料の同じ切片を、形態学的レベル及び分子レベルの両方で分析することができる。
幾つかの実施形態では、組織試料を、最初に固定し、次いで、アルコールを段階的に増加させることによって脱水し、パラフィン又はその他の切片作製用媒体に浸透させ、包埋することができ、その結果、組織試料を切片化することができる。代替の実施形態では、組織試料を、切片化し、それに続いて固定してもよい。幾つかの実施形態では、組織試料を、パラフィン中で包埋且つ処理することができる。使用することができるパラフィンの例として、特に限定されないが、Paraplast、Broloid及びTissuecanが挙げられる。組織試料を、包埋したら、ミクロトームにより切片化し、切片を得ることができる。切片の厚さを、組織及び分析のタイプに基づいて変化させることができる。特定の実施形態では、切片は、約2μm〜約5μmの範囲の好ましい厚さを有し得る。
切片化したら、切片をスライドに接着剤を使用して付着させることができる。スライドへの接着剤の例として、特に限定されないが、シラン、ゼラチン、ポリ−L−リジンを挙げることができる。実施形態において、パラフィンを包埋材料として使用する場合には、組織切片を、脱パラフィンし、水中で水に戻すことができる。組織切片は、例えば、有機薬剤(例えば、キシレン、又はアルコールを段階的に徐々に減少させること)を使用することによって脱パラフィンすることができる。
その他の実施形態では、組織試料の分析、持ち運び、並びに調製及び撮像プロセスの間の移動を可能にするために、ホルムアルデヒド固定組織試料を固体担体に接着することができる。組織試料は、固体担体上に、物理的吸着、共有結合の形成又はそれらの組合せにより固定化することができる。固体担体は、高分子材料、ガラス材料又は金属材料を含むことができる。固体担体の例として、メンブラン、マイクロタイタープレート、ビーズ、フィルター、試験条片、スライド、カバーガラス及び試験管が挙げられる。
一実施形態では、ホルムアルデヒド固定組織試料を、第1の抗原賦活化溶液と接触させ、90℃超の温度まで10分超かけて、さらに好ましくは、約20分かけて加熱する方法を記載する。圧力釜、オートクレーブ、水浴、加熱板、マイクロ波又は蒸気加熱器を使用して加熱して、抗原賦活化溶液中に浸漬した組織試料を一様に加熱することができる。次いで、組織試料を、追加処理を行わず、90℃超の温度まで類似の時間をかけてあらかじめ加熱した第2の抗原賦活化溶液に移す。圧力釜、オートクレーブ、水浴、加熱板、マイクロ波、蒸気熱又はそれらの組合せを使用して、あらかじめ加熱することができ、これは、第1の抗原賦活化溶液を加熱する際に実施することができる。好ましくは、試料の、第2の抗原賦活化溶液中におけるインキュベーションは、大気圧で、加熱溶液中のみに浸漬することによって行う。こうすることにより、組織の損傷を予防することができる。
一実施形態では、第1の抗原賦活化溶液は、pH範囲約5〜約7の緩衝液である。第1の抗原賦活化溶液は、弱酸性乃至中性域のpHを維持するために使用する一般に使用されている緩衝液であってよい。特定の実施形態では、緩衝液は、クエン酸、リン酸二水素カリウム、ホウ酸、ジエチルバルビツール酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、又はそれらの組合せを含むことができる。その他の実施形態では、緩衝液は、高温で約6.0のpHを有するクエン酸−リン酸ナトリウムの緩衝液であってよい。
熱を加えると、第1の抗原賦活化溶液が作用して、架橋を加水分解することができる。この架橋は、試料を固定する間に、ホルマリンと抗原との間で形成された可能性がある。この結果、試料中の抗原のうちの少なくともいくらかの部分が賦活される。
一実施形態では、第2の抗原賦活化溶液は、約7.5〜約11の範囲のアルカリ性のpHを有する緩衝液である。第2の抗原賦活化溶液は、ややアルカリ性の範囲のpHを維持するために使用する一般に使用されている緩衝液であってよい。特定の実施形態では、緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(TRIS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(TAPS)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、又はそれらの組合せからなり得る。別の実施形態では、緩衝液は、高温で約10のpHを有するTRIS−HClの緩衝液であってよい。
第1の抗原賦活化溶液と同様に、第2の抗原賦活化溶液も、作用して、架橋を加水分解することができる。この架橋は、試料を固定する間に、ホルマリンと抗原との間で形成された可能性がある。賦活される抗原の部分は、試料中の未賦活抗原の別の部分の少なくとも一部である。
その他の実施形態では、第1の抗原賦活化溶液は、約7.5〜約11のpH範囲の緩衝液であってよく、第2の抗原賦活化溶液は、約5〜約7のpH範囲の緩衝液であってよいことが理解されるべきである。
第1及び第2の抗原賦活化溶液に曝露させることによって賦活した抗原は、免疫染色をより受けやすく、分析及び機能性の形態の両方のための研究を可能にし得る。免疫染色は、免疫組織化学的(IHC)染色及び免疫細胞化学的(ICC)染色の両方を含む。特定の実施形態では、改善は、陽性の染色の強度の増加及びバックグラウンドの染色の減少を含むことができる。
特定の実施形態では、第2の抗原賦活化溶液を加えた後に、試料の免疫染色を行うことができる。抗体溶液(例えば、プローブ)を、組織切片と、十分な期間にわたり、標識抗体が抗原に結合するのに適した条件下で接触させることができる。2つの、すなわち、直接的又は間接的な検出方法を使用することができる。直接的な検出では、信号発生物質標識一次抗体(例えば、フルオロフォア標識一次抗体)を、組織試料中の抗原と共にインキュベートすることができ、これを、さらなる抗体の相互作用を起こすことなく可視化することができる。間接的な検出では、コンジュゲートしていない一次抗体を、抗原と共にインキュベートすることができ、次いで、標識二次抗体を、一次抗体に結合させることができる。幾つかの二次抗体が、一次抗体上の異なるエピトープと反応することができる場合には、信号の増幅が生じ得る。二次抗体を、酵素標識にコンジュゲートさせることができる実施形態では、色又は蛍光を発生させる基質を添加して、抗原を可視化することができる。幾つかの実施形態では、2種以上(4種以下)の(標識又は未標識)一次抗体を、組織試料と接触させることができる。次いで、未標識の抗体は、対応する標識二次抗体と接触させることができる。幾つかの実施形態では、その他の方法、例えば、標識三次又は四次の抗体を使用することを利用して、信号を増強することができる。
抗原賦活プロセスの後の幾つかの実施形態では、核酸プローブを試料に加えて、FISH又はCISHを実施する。
プローブ中の信号発生物質からの信号を、検出システムを使用して検出することができる。使用する検出システムの性質が、使用する信号発生物質の性質によって異なる場合がある。検出システムとして、電子スピン共鳴(ESR)検出システム、電荷結合素子(CCD)検出システム(例えば、放射性同位体について)、蛍光検出システム、電気的検出システム、写真用フィルムによる検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡法(AFM)による検出システム及び走査トンネル顕微鏡法(STM)による検出システム(両方とも、例えば、マイクロビーズを検出する場合に使用する)、光学的検出システム、近接場検出システム、又は全内部反射(TIR)検出システムを挙げることができる。
上記の技法のうちの1以上を使用して、第1の信号発生物質からの第1の信号の1以上の特徴を観察することができる。幾つかの実施形態では、信号の強度、信号の波長、信号の場所、信号の周波数又は信号のシフトを、上記の技法のうちの1以上を使用して決定することができる。幾つかの実施形態では、1以上の、信号の上記の特徴を、観察し、測定し、記録することができる。幾つかの実施形態では、信号発生物質は、フルオロフォアを含むことができ、蛍光波長又は蛍光強度を、蛍光検出システムを使用して決定することができる。幾つかの実施形態では、信号を、インサイチュにおいて観察することができる。すなわち、信号を、組織試料中の標的に対する結合物質を通して、関係の信号発生物質から、直接観察することができる。幾つかの実施形態では、信号発生物質からの信号を、組織試料内部で分析することができ、別個のアレイに基づいた検出システムを必要としない。その他の実施形態では、プローブを結合させた後で、信号を、結合物質から分離し、生物学的試料から離して検出することができる。信号を分離するための方法として、特に限定されないが、ELISA及び質量分析、ハイブリダイゼーションマイクロアレイを挙げることができる。
幾つかの実施形態では、信号の観察は、組織試料の画像を獲得することを含むことができる。幾つかの実施形態では、撮像デバイスに接続されている顕微鏡を、本明細書において開示する方法に従って、検出システムとして使用することができる。幾つかの実施形態では、信号発生物質(例えば、フルオロフォア)を励起することができ、得られた信号(例えば、蛍光信号)を、デジタル信号の形態(例えば、デジタル画像)として観察し、記録することができる。試料中の、結合している異なる信号発生物質(存在する場合には)について、同じ手順を、適切な蛍光フィルターを使用して繰り返すことができる。
化学薬剤を組織試料に加えて、信号を改変することができる。幾つかの実施形態では、信号の改変は、信号の特徴の変化、例えば、信号強度の減少、信号ピークのシフト、共鳴周波数の変化、又は信号の除去に至る信号発生物質の切断(除去)のうちの1以上を含むことができる。
幾つかの実施形態では、化学薬剤は、溶液の形態をとることができ、組織試料を、化学薬剤の溶液と、所定の長さの時間にわたり接触させることができる。化学薬剤の溶液の濃度及び接触時間は、所望する信号の改変のタイプによって異なる場合がある。幾つかの実施形態では、化学薬剤を接触させる条件を、結合物質、標的、組織試料、及び結合物質と標的との間の結合性が影響を受けることがないように選択することができる。幾つかの実施形態では、化学薬剤が、信号発生物質のみに影響を及ぼすことができ、標的/結合物質の結合性にも、結合物質の完全性にも影響を及ぼさない場合がある。したがって、例示の目的では、結合物質は、一次抗体、又は一次抗体/二次抗体の組合せを含むことができる。本明細書において開示する方法に従う化学薬剤は、信号発生物質のみに影響を及ぼすことができ、一次抗体、又は一次抗体/二次抗体の組合せは、影響されない状態を本質的に維持することができる。幾つかの実施形態では、結合物質(例えば、一次抗体、又は一次抗体/二次抗体の組合せ)は、試料を化学薬剤と接触させた後でも組織試料中の標的に結合している状態を維持することができる。幾つかの実施形態では、結合物質は、試料を化学薬剤と接触させた後でも組織試料中の標的に結合している状態を維持することができ、結合物質の完全性が、本質的に影響されない状態を維持することができる(例えば、抗体を、化学薬剤の存在下で、実質的に変性させることも、溶出することもできない)。その他の実施形態では、化学薬剤は、標的/結合物質の結合性又は結合物質/信号の接触/連結に影響を及ぼすことがない。
幾つかの実施形態では、複数の標的を、プローブをはぎ取り、試料中に再度プローブを加えることを通して検出することができる。はぎ取りは一般に、任意の方法、例えば、特に限定されないが、標識用でない溶液又はその他の物質、例えば、特に限定されないが、水、生理食塩水、緩衝生理食塩水若しくはエタノール中に浸漬するか又はそれらを繰り返し加えることによって洗い流すことをいう。その結果、試料からプローブを、解離させ、分散させ、除去するための媒体が提供される。幾つかの実施形態では、光を使用して、レポーター又は信号発生物質の蛍光を漂白して、信号発生物質を新しいプローブ上で再度使用することができることから、複数の標的を検出することができる。これらのプロセスを、再三反復して繰り返して、同じ試料の、プローブによる検出を複数回達成することができる。
幾つかの実施形態では、信号の特徴を、試料を化学薬剤と接触させた後で観察して、信号の改変の有効性を決定することができる。例えば、色を、化学薬剤を加える前に観察する場合があり、その色は、化学薬剤を加えた後には存在しない場合がある。別の例では、蛍光信号発生物質からの蛍光強度を、化学薬剤と接触させる前にも化学薬剤と接触させた後にも観察する場合がある。幾つかの実施形態では、信号の強度が所定の量だけ減少した場合、これを、信号が改変されたと呼ぶことができる。幾つかの実施形態では、信号の改変は、信号の強度が、約50%超の範囲の量だけ減少した場合をいうことができる。幾つかの実施形態では、信号の改変は、信号の強度が、約60%超の範囲の量だけ減少した場合をいうことができる。幾つかの実施形態では、信号の改変は、信号の強度が、約80%超の範囲の量だけ減少した場合をいうことができる。
幾つかの実施形態では、組織試料を、第2のプローブと、第1のプローブについて本明細書上記で記載した1以上の手順を使用して接触させることができる。第2のプローブは、第1のプローブが結合した標的とは異なる標的に結合することが可能であり得る。第1のプローブと接触させる段階において、複数のプローブを組織試料と接触させることができる実施形態では、第2のプローブは、第1のプローブセットが結合した標的とは異なる標的に結合することが可能であり得る。幾つかの実施形態では、第2のプローブと接触させる段階において、組織試料を、複数のプローブと接触させることができる。
本明細書上記の検出方法を1以上使用して、(次のプローブ中に存在する)第2の信号発生物質からの、次の(例えば、第2、第3等の)信号の1以上の特徴を観察することができる。幾つかの実施形態では、信号の強度、信号の波長、信号の場所、信号の周波数又は信号のシフトを、上記の技法のうちの1以上を使用して決定することができる。第1の信号と同様に、次に得られる信号(例えば、蛍光信号)も、デジタル信号の形態(例えば、デジタル画像)として記録することができる。幾つかの実施形態ではまた、次の信号の観察は、組織試料の光学像を獲得することを含むこともできる。
幾つかの実施形態では、試料を、次の(例えば、第2、第3等の)プローブと接触させた後で、薬剤による改変を行い、それに続き、プローブを投与することを、複数回繰り返すことができる。幾つかの実施形態では、第2のプローブから第2の信号を観察した後で、組織試料を化学薬剤と接触させて、第2のプローブからの信号を改変することができる。さらに、第3のプローブを組織試料と接触させることもでき、第3のプローブは、第1及び第2のプローブとは異なる標的に結合することが可能であり得る。同様に、第3のプローブからの信号を観察してから、化学薬剤を加えて、信号を改変することもできる。接触させる段階、結合させる段階及び観察する段階を、追加の標的に結合することが可能である第nのプローブを使用して反復して複数回繰り返して、多様なプローブ及び/又は信号発生物質を使用して、多様な標的についての情報を使用者に提供することができる。
幾つかの実施形態では、一連のプローブを、組織試料と順次に接触させて、組織試料の分析を多重化することができる。幾つかの実施形態では、一連のプローブセット(1つのセットに約4つのプローブを含む)を、組織試料と順次に接触させて、組織試料の分析を多重化することができる。分析の多重化は一般に、組織試料中の複数の標的を、同じ検出機構を使用して分析することをいう。
特定の実施形態では、抗原を賦活する上記の方法を実施するのに有用なキットを提供する。このキットは、抗原賦活化溶液の1種以上を含むことができる。また、このキットは、使用説明もさらに含む。
幾つかの実施形態では、キットは、免疫染色し、検出するための1種以上の追加の試薬も含む。例えば、幾つかの実施形態では、このキットは、信号発生物質、例えば、発色団、フルオロフォア、ラマン活性を示すタグ又は放射性標識を含むことができる。また、キットは、特に限定されないが、ポリメラーゼ酵素、その他の緩衝液、金属の陽イオン及び塩を含めて、上記したように検出を改善すること又は信号を増幅することができる試薬を含むこともできる。
一実施形態に従って、図1に示すように、ホルムアルデヒド固定組織試料15を、上記の抗原賦活化溶液並びにその他の洗浄溶液及び染色溶液と接触させるための、試料取扱装置10を記載する。試料取扱装置は、試料取扱サブシステム20及び試薬分注サブシステム30からなり得る。特定の実施形態ではまた、デバイスは、信号検出サブシステム40も含むことができる。実施形態のうちの1つでは、試料取扱装置を、分析用デバイス、例えば、自動ハイスループットシステムの構成成分として組み込むことができる。こうすることにより、1つのシステム中でホルムアルデヒド固定組織試料を染色し、撮像し、画像をその上さらに分析することが可能になる。
したがって、一実施形態では、このシステムは、分析するためのホルムアルデヒド固定組織試料を位置付け、移動させるための試料取扱サブシステム、並びに試料を、第1の抗原賦活化溶液、第2の抗原賦活化溶液及び免疫染色試薬のうちの1種以上と接触させるための試薬分注サブシステムを含むことができる。試料取扱システムは、複数の構成成分を含み、試料を1つの領域から次の領域に移動させることを可能にし得る。例えば、1つのデバイスを使用して、試料を、試薬と接触させること、移動させること、及び撮像するためのステージに付けることができ、ステージの移動は制御可能である。ステージを、顕微鏡に組み込むことができ、試料を、撮像視野を通して移動させることが可能である。
また、このシステムは、試料の画像を染色のプロセスを通して獲得するための、信号検出サブシステム(図示せず)を含むこともできる。画像は、種々の照明の供給源を使用して獲得することができる。特定の実施形態では、画像の獲得は、試料のデジタル画像を種々の倍率で獲得し、転送することが可能である結像型顕微鏡の一部でなされ得る。さらに別の実施形態では、自動システムは、コンピュータ可読媒体を含むことができ、この媒体には、染色したホルムアルデヒド固定組織試料を分析するための自動化された技法についての使用説明を含めることができる。
その他の実施形態では、試料取扱装置は、抗原の賦活、蛍光のタギング、撮像及び蛍光プローブのはぎ取りの複数の段階を繰り返すことが可能であり得る。また、染色は、免疫ペルオキシダーゼによる標識化も含むことができる。一実施形態では、アルコール溶解性ペルオキシダーゼ基質である3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)を使用し、続いて、AEC沈殿を除去し、任意選択でさらに、ペルオキシダーゼを軽度の過酸化物処理により不活性化し、染色を繰り返すことができる。その他の実施形態では、蛍光プローブを、化学的処理、熱処理又はそれらの組合せを通してはぎ取ることができる。
試料取扱装置は、複数のサイクルをインサイチュにおいて行うことができるように自動化して、試料の移し換えを最小限に留め、1つの組織のセクター又は細胞試料中の複数のマーカーのマッピングを援助することができる。
実験
方法
システムの感受性を反映する信号対ノイズの比に影響を及ぼす変数を、実験計画法(DOE)のアプローチを使用して分析した。変数には、温度、曝露時間、pH、及び洗浄の順序を含めた。画像を、Zeiss Axilmager Z1顕微鏡を使用して倍率20×又は63×で獲得した。画像を、GNU Image Manipulationプログラム(GIMP)ソフトウエアを使用して定量化して、未染色の領域からのバックグラウンドのピクセル強度を減じた後の、面積当たりの平均ピクセル強度を計算した。平均ピクセル強度を、同じ組織の10個の画像の平均として計算した。
以下の材料を、研究のために使用した。ヒト保存組織は、多様な供給源に由来し、乳房、前立腺、肺、結腸、胎盤、唾液腺、リンパ節、脳及び皮膚についての試料を含んだ。全ての試料を組織保管所から得た。使用された固定の詳細は、不明であり、標準的な病理学の手法に従ったと推測される。ARに対する抗体を、Lab Vision Corporation(Thermo Fisher Scientificの一部である)から得、社内で、Cy3蛍光色素及びCy5蛍光色素と標準的な手順を使用してコンジュゲートさせた。クエン酸に基づいた抗原賦活化溶液を、Vector Laboratoriesから得、1:20に希釈し、最終的なpH値を6.0とした。Trisに基づいた緩衝液は、10mM Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、1mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、1%Tween−20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)からなり、pH値8を示した(用時調製した10×保存液から作製した)。標準的な家庭用圧力釜を使用し、HI出力に設定して20分間加熱し、手作業でモニターした。
ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を、スライドを65℃で1時間焼き、ろうを、histochoice洗浄剤を用いて試料切片から除去することによって処理した。試料を焼くことは、必要でないことが見出されたが、標準的な手法として全体を通して使用した。
次いで、試料を、アルコール濃度を減少させた(典型的には、100、95、70、50%の)一連の洗浄、すなわち、各10分間2回洗浄することを通して処理し、次いで、PBS溶液中の生理食塩水条件下に10分間放置した。次いで、試料を、0.3%Triton X−100を含有するPBS中で手短に処理して透過処理し、続いて、賦活プロセスを行った。
賦活プロセスは、溶液A(1%Tween20を有するTris、pH8.0)中の試料を、圧力釜又はマイクロ波中に約20分間置くことを含んだ。この加熱サイクルが終了すると、試料を、加熱したチャンバー中であらかじめ加熱した溶液B(クエン酸溶液、pH6)中に置いたが、さらには加熱しなかった。試料を、2つの加熱溶液の間に冷PBS溶液に移すことも、第2の溶液中でさらなる熱に曝露させることもなかった。第2の溶液中の試料を室温に戻したら(約20分)、試料をPBS中で丹念に濯いでから、任意の追加の処理段階、例えば、封鎖処理又はペルオキシダーゼ処理(内在性ペルオキシダーゼを不活性化するため)を行った。
次いで、試料に対して、免疫検出を行うことができる。第1回の免疫検出を行った後で、試料から信号を除き、追加の抗原について再度プローブを加えることができる。
或いは、手動の処理条件と同様のプログラム設定を使用するDiscovery(登録商標)XT Autostainer(Ventana Medical Systems,Inc.)を使用して、スライドを処理した。試料にバーコードを付け、試薬を調製したら、スライドを、自動染色装置内に載せ、以下に従って処理する。試料を、加熱し、EZ−prep試薬(Ventana Discovery XTのためのろう除去溶液)中で濯ぐことによって脱ろうした。CC1溶液及びCC2溶液(Discovery XT自動染色装置上で使用するためにVentanaが供給する、抗原を賦活するための2つの溶液)、Tris溶液、並びにクエン酸に基づいた溶液それぞれを使用して、抗原を賦活した。手動の二段階の方法と比較するために、短い時間及び中間の時間をかけて抗原を賦活した。それらの条件は、Discovery XT自動染色装置プログラムでは軽度(mild)及び標準(standard)と記載されていた。自動システム上では、組織試料を、2つの抗原を賦活する段階の間に濯ぎ、これは、本明細書に記載する手動プロセスと自動化プロセスとの間の主要な差であることに留意すべきである。次いで、スライドを、二段階の手動の方法により処理した試料と並べて、手作業で染色した。
結果及び観察結果
ヒト保存前立腺組織切片中のARを検出するためにアンドロゲン受容体の抗体を使用することを、最初に選択して分析した。この組合せは、エピトープのアンマスキングなしで染色すると、検出可能な信号が発生しない(図示せず)ことに起因して選んだ。抗原のアンマスキングのための2種類の一般的な緩衝液、すなわち、クエン酸又はTrisを使用し、試料を圧力釜中で20分間処理すると、蛍光色素を使用して中等度の強度の染色が得られた。用いたクエン酸アンマスキング条件は、様々な抗体によるARの検出に常用されているプロトコールである。クエン酸単独(セット1)、Tris単独(セット2)、順次Trisとクエン酸(セット3)、及び順次クエン酸とTris(セット4)を含めて、種々の条件を試験した。ベースラインの測定を確立するために10枚のスライドを染色した対照試料を除き、全ての条件を、スライド上で三つ組で試験した。
第1の一連の実験では、Lab VisionのAR抗体を使用し、続いて、ロバ抗ウサギCy3二次抗体を用いて検出した。全てのデータを、等しい曝露時間を使用して獲得し、画像を、染色の直後に収集した。図2に示すように、二段階のプロセスは、クエン酸単独又はTris単独のいずれかと比較した場合、ARについての染色に対する顕著な増強をもたらした。図2は、染色の単色像であり、右側に、二段階法を使用した場合、染色が増強されたことを示す。
一般に、各セットのスライドについて、二段階の方法を用いた場合、対照試料と比較して、2倍以上の染色強度の増加を、ARについて観察した。加熱した溶液への曝露時間を制御し、全てのスライドについて、曝露時間は総計50分間とした。第1の加熱段階を、全ての実験用スライドについて、家庭用圧力釜中の圧力下で行った。25分後に、セット1及びセット2からのスライドを、あらかじめ加熱した溶液の新しい瓶(第1の段階が進行している間に、別個の瓶中で加熱した、第1の段階と同じ溶液)中に入れ、圧力釜中で、(圧力をかけずに)さらに25分間放置して冷却した。次いで、スライドを、PBS中で洗浄し、一次抗体を用いて4℃で一晩染色した。セット3及びセット4からのスライドについては、溶液を、後期の25分間の処理の間は、上記したそれぞれの条件に変化させ、その他のセットと並行して処理した。
また、二段階法に対する幾つかの置換形態も試験した。一置換形態では、2つの溶液を使用した順序は、結果に影響しなかった。最初に酸性溶液を、続いて塩基性溶液を使用した場合も、逆の場合も、結果に差は観察されなかった。
この方法のその他の置換形態は、このプロセスに対して有害であることが証明された。これらには、第2の加熱の間に試料を再度加圧すること、及び第1の段階と第2の段階との間にPBS中で洗浄することがあった。これらの変化はいずれも、スライドから組織を劇的に喪失させ、したがって、これらの変化は回避した。
ARに対する一次抗体を用いて試験し、二次抗体を用いて検出した後で、Cy5を直接コンジュゲートさせたAR抗体を試験した。類似の結果が、直接的なコンジュゲートを使用しても見出された。その他の市販されている抗体を広く抜き取り、そうしたコンジュゲートにより試験したところ、染色の増強を観察した。また、このプロセスにより、幾つかの商用グレードのホスホ−エピトープ(phospho−epitope)を使用しても、染色の増強が生じた。これらのエピトープはしばしば、不安定であり、賦活プロセス中に分解する傾向がある。
また、この手順は、抗原賦活方法により、タンパク質の抽出及びリカバリーが増強されることが示されているその他の用途、例えば、FFPE組織からのタンパク質の単離にも適用することができる。また、この手順を、プロテオーム解析のために、タンパク質供給源としてのFFPE組織からのレーザーキャプチャー法(laser capture micro dissection)において使用することもできる。
別の実施形態では、本発明を、FISH分析又はCISH分析の前にFFPE試料に対して使用することができる。典型的には、FISH分析又はCISH分析を行うFFPE試料を加熱による前処理段階に曝露させてから、DNAを変性させ、プローブハイブリダイゼーションを行う。一実施形態によれば、この二段階法が、FISH分析又はCISH分析に先立って、組織試料を調製するために使用されている加熱による前処理段階又はその他の手順に置き換わることができる。図3は、種々の抗体を使用するBrCA腫瘍の多重化FISH分析において二段階法を使用した場合、染色が増強されたことを示すモノクロ顕微鏡写真(倍率20×及び63×)を示す。
方法の比較
また、自動化プロセスを、Discovery XT自動染色装置を使用しても評価した。自動染色装置と手動の二段階プロセスとの間には、機器の操作に関連して処理条件に差があった。例えば、自動染色装置は、試料を脱ろうするために熱及び洗剤を使用し、一方、手動プロセスは、無毒性のHistochoice(商標)ろう洗浄試薬(Amresco)を使用した。
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)LNCaP細胞(American Type Culture Collection(ATCC、Maryland))を、本明細書に記載する、手動により二段階で抗原を賦活することによってか又はDiscovery XT自動染色装置を使用する2つの類似の方法によって細胞を調製してから、S6、ホスホ−S6 ser235/236、又はホスホ−S6 ser240/244について染色した。抗原の賦活は、手動プロセス又は自動化プロセスを使用して達成されたが、信号の除去/改変及び再染色を順次に行った場合に、差を観察した。ほとんどの場合、染色の低下は、自動システムを使用して、信号を改変する段階を1〜5回行った場合に生じた。S6については、染色の完全な喪失が、自動化方法を使用したわずか1回の信号の改変の後に生じた。いずれの場合も、手動の二段階方法が、各抗原を最良に保存した。また、手動の二段階方法は、ホスホ−エピトープのいずれかを染色した場合には、感度のより少ない低下も示した。
差を、図4に示す。図4は、2つの自動化プロセスと比較して、手動による二段階で抗原を賦活する方法は、より高いエピトープの安定性をもたらすことを示す定量分析を示すグラフである。抗原S6に対する漂白作用を評価する平均ピクセル強度を示す。スライドを、3つの異なる、脱ろうし、抗原を賦活する方法により調製し、漂白を0、1及び5回行ってから染色した。定量分析から、手動の二段階の方法が、抗原を最良に保存することが示された。同じタンパク質上の異なるエピトープが、漂白に対して示差的に応答した。これにより、タンパク質の喪失ではなく、主として、エピトープの作用を示すことができる。また、このことを、図5にも示す。図5は、手動二段階抗原賦活法と、2つの自動化プロセスとを比較した、抗原S6に対する漂白作用のモノクロ顕微鏡写真(倍率20×)である。
本発明を、本発明の精神又はその必須の特徴から逸脱することなく、その他の特定の形態で具体化することができる。したがって、前述の実施形態は、全ての点で、本明細書に記載する発明を制限するものではなく、例証とみなされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の記載ではなく、添付の特許請求の範囲により示され、したがって、特許請求の範囲の均等物の意味するもの及び範囲に属する全ての変化形態は、特許請求の範囲の内に包括されるものとする。
10 試料取扱装置
15 ホルムアルデヒド固定組織試料
20 試料取扱サブシステム
30 試薬分注サブシステム
40 信号検出サブシステム

Claims (15)

  1. ホルムアルデヒド固定組織試料の抗原を賦活する方法であって、当該方法が、
    ホルムアルデヒド固定組織試料を第1の抗原賦活化溶液中で90℃超の温度でインキュベートする段階と、
    ホルムアルデヒド固定組織試料を第2の抗原賦活化溶液に移す段階と、
    ホルムアルデヒド固定組織試料を第2の抗原賦活化溶液中で90℃超の温度でインキュベートする段階と
    を含んでおり、
    第1の抗原賦活化溶液がpH範囲5〜7の緩衝液を含んでいて、第2の抗原賦活化溶液がpH範囲7.5〜11の緩衝液を含んでいるか、或いは第1の抗原賦活化溶液がpH範囲7.5〜11の緩衝液を含んでいて、第2の抗原賦活化溶液がpH範囲5〜7の緩衝液を含んでおり、
    pH範囲5〜7の緩衝液が、クエン酸、リン酸二水素カリウム、ホウ酸、ジエチルバルビツール酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸又はそれらの組合せから選択され、
    pH範囲7.5〜11の緩衝液が、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(TRIS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(TAPS)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)又はそれらの組合せから選択され、
    第1の抗原賦活化溶液と第2の抗原賦活化溶液とを用いた処理が、第2の抗原賦活化溶液を用いずに第1の抗原賦活化溶液を用いた場合及び第1の抗原賦活化溶液を用いずに第2の抗原賦活化溶液を用いた場合に比べて、組織試料における抗原賦活化を増大させる、方法。
  2. pH範囲5〜7の緩衝液がクエン酸を含む、請求項記載の方法。
  3. pH範囲7.5〜11の緩衝液がTRISを含む、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. ホルムアルデヒド固定組織試料をパラフィン中に包埋する、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  5. ホルムアルデヒド固定組織試料が、組織の切片部分である、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  6. 第1の抗原賦活化溶液と共にインキュベートする段階及び第2の抗原賦活化溶液と共にインキュベートする段階が、加熱デバイス中で10分超かけてインキュベートすることを含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  7. 加熱デバイスが、圧力釜、オートクレーブ、水浴、加熱板、マイクロ波、蒸気加熱又はそれらの組合せである、請求項記載の方法。
  8. 抗原を免疫染色する段階をさらに含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  9. 免疫染色することが、免疫ペルオキシダーゼで標識すること及び標識を消去することを順次に行うことを含む、請求項記載の方法。
  10. ホルムアルデヒド固定組織試料に対して、FISH又はCISH分析を行う、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  11. 追加の処理を行わずに前記組織試料を第2の抗原賦活化溶液に移す、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. ホルムアルデヒド固定組織試料中の抗原の賦活化用キットであって、当該キットが、
    試料中の未賦活抗原の少なくとも一部を賦活する第1の抗原賦活化溶液、及び
    試料中の未賦活抗原の別の部分の少なくとも一部を賦活する第2の抗原賦活化溶液
    を含んでおり、
    第1の抗原賦活化溶液がpH範囲5〜7の緩衝液であって、第2の抗原賦活化溶液がpH範囲7.5〜11の緩衝液であり、
    第1の抗原賦活化溶液が、クエン酸、リン酸二水素カリウム、ホウ酸、ジエチルバルビツール酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸又はそれらの組合せを含んでおり、
    第2の抗原賦活化溶液が、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(TRIS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(TAPS)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)又はそれらの組合せを含んでいる、キット。
  13. 第1の抗原賦活化溶液がクエン酸を含む、請求項12記載のキット。
  14. 第2の抗原賦活化溶液がTRISを含む、請求項12又は請求項13記載のキット。
  15. 1種以上の免疫染色試薬をさらに含む、請求項12乃至請求項14のいずれか1項記載のキット。
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