JP5752237B2 - アリールアルキル界面活性剤前駆体の電気化学合成 - Google Patents

アリールアルキル界面活性剤前駆体の電気化学合成 Download PDF

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Description

本発明は、アリールアルキル界面活性剤前駆体を安価な出発物質から製造する方法に関する。本発明は電解脱炭酸処理(EDP)を利用して、触媒を用いずに低温で反応を行う。製造される一般的な界面活性剤は、幾つか挙げるだけでも、石油増進回収(EOR:Enhanced Oil Recovery)、合成モータオイル、フロキュレーション、採鉱、塗装、塗料、接着材、およびpHや温度の厳しい環境下の工業用途に関連する会社で用いられる可能性がある。
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第61/327,477号(2010年4月23日出願)および米国特許仮出願第61/353,724号(2010年6月11日出願)の優先権を主張する。本出願は、米国特許仮出願第61/228,078号(2009年7月23日出願)、米国特許仮出願第61/258,557号(2009年11月5日出願)、および米国特許仮出願第61/260,961号(2009年11月13日出願)の優先権を主張する米国特許出願第12/840,401号(2010年7月21日出願)の一部継続出願である。これらの特許出願および仮出願は、参照により本明細書に明示的に組み込まれるものとする。
石油増進回収(EOR)および他の工業用途において、5000万ポンドを超えるアリールアルキルスルホン酸界面活性剤が広く用いられているが、以下に示す従来の方法により製造すると高価である。
上に示したとおり、現行の方法では、現在1ガロン当たりおよそ6ドルと高価な長鎖アルファ−アルケンを用い、触媒の存在下でベンゼン環と反応させている。上の方法では、長鎖アルファ−アルケンのベータ炭素が反応性を有するため、不要なメチル側鎖を含む生成物が生じてしまう。
アルファ−アルケンと比較して低コストの出発物質を用いてアリールアルキル界面活性剤前駆体を調製することにより、当該技術分野の進歩が見込まれる。また、不要な側鎖を含む生成物の生成を防ぐ方法でアリールアルキル界面活性剤前駆体を調製することによっても、当該技術分野は進歩するだろう。
本発明は、アリールアルキル界面活性剤前駆体を安価な出発物質から製造する方法に関する。この方法によれば、アルファ−アルケンの代わりに低コスト(1ガロン当たり1.50ドル)の脂肪酸を用いてアリールアルキル界面活性剤前駆体が製造される。さらに、本発明は、触媒を用いずに低温かつ低圧で反応を行う電解脱炭酸処理(EDP)に関する。分割または非分割セルを用いたEDPにより、前駆体の製造コストを低減する方法を提供することができる。製造される一般的な界面活性剤は、幾つか挙げるだけでも、EOR、合成モータオイル、フロキュレーション、採鉱、塗装、塗料、接着材、pHや温度の厳しい環境下の工業用途に関連する会社で用いられる可能性がある。
電解脱炭酸処理の一つが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20110024288号に開示されている。
本発明は、電解法による、アレーン(芳香族炭化水素またはアリール炭化水素)またはアリールカルボン酸アルカリ塩出発物質と脂肪酸アルカリ塩出発物質との混合物の、アリールアルキル炭化水素への変換に関する。出発物質は植物、藻類、または動物由来のものであってもよい。この反応のために配置される電解セルは、選択的アルカリイオン伝導膜の技術を利用するものである。
本発明の第1の方法において、アリールカルボン酸とアルキルカルボン酸の混合物を、酸中和過程によりそれぞれのアルカリ塩に変換する。次に、これらのアルカリ塩を1つ以上の適当な溶媒と混合し、反応混合物を生成する。続いて、アリールカルボン酸塩およびアルキルカルボン酸塩の両方に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、混合物をアリールアルキル炭化水素に変換する。アルキルカルボン酸は脂肪酸であることが好ましい。
本発明の第2の方法において、アレーンおよびアルキル酸アルカリ塩を1つ以上の適当な溶媒と混合し、反応混合物を生成する。アレーン炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼン、エチルベンゼン、およびナフタレンが挙げられる。次に、脂肪酸カルボン酸塩に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、混合物をアリールアルキル炭化水素に変換する。
本発明の第3の方法において、アレーン炭化水素をアルカリ金属と反応させ、アルカリ金属−アレーン付加物(Ar)を形成する。この付加物を1つ以上の溶媒内で脂肪酸アルカリ塩と混合し、反応混合物を生成する。次に、脂肪族カルボン酸塩に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、混合物をアリールアルキル炭化水素に変換する。
本発明の実施形態は、添付の図面を参照することにより最もよく理解されるだろう。一般的に記載され、図面に示される本発明の構成要素は、広く様々な構成で配置、設計することができることは容易に理解されるだろう。それゆえ、図1および図2に代表される本発明の方法およびセルの実施形態についてのさらに詳細な記載は、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の好ましい実施形態の単なる例示である。
陽極脱炭酸によるアリールアルキル炭化水素の電気合成のための電解セルを示す図である。 安価な出発物質からアリールアルキル炭化水素を製造するための本発明の1つの方法の概略図である。 実施例1に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフである。 実施例2に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフである。 実施例3に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフである。 実施例4に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフである。
本明細書を通して、「一実施形態」、「ある実施形態」、または類似の言葉への言及は、その実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書を通して、「一実施形態では」、「ある実施形態では」、および類似の言葉による表現は、同一の実施形態を指しうるが、そうでない場合もある。また、以下の記載は、様々な構成要素および記載される発明の態様のいくつかの実施形態および実施例について示すが、記載されるすべての実施形態および実施例は、いかなる点においても単に例示的なものであり、何らの限定を加えるものではないと考えるべきである。
さらに、記載される本発明の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意で適切に組み合わせることができる。以下の記載において、本発明の実施形態を完全に理解できるよう、多くの具体的な詳細事項が説明される。当該技術分野の当業者であれば、その具体的な詳細事項の1つ以上を欠いたとしても、あるいは他の方法、構成要素、材料等を用いた場合であっても、本発明を実施することが可能であることを理解するだろう。他の例において、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるため、周知の構造、材料、または処理については示さないか、または詳しく説明しない。
ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態による電解セル100が示されている。電解セル100は、アルキルカルボン酸の電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合によりアリールアルキル炭化水素を生成する。ここで開示される方法では、電気化学セル100を2室、すなわち陽極液室112および陰極液室114に分割するアルカリイオン伝導膜110を用いる。電気化学的に活性な陽極116は酸化反応が起こる陽極液室112内に格納されている。電気化学的に活性な陰極118は、還元反応が起こる陰極液室114内に格納されている。アルカリイオン伝導膜110は、溶媒または陰イオンの2室間の輸送を防ぎつつ、ナトリウムイオン、リチウムイオン、およびカリウムイオンを含むがこれに限定されないアルカリイオン(M)120を、電位122の影響下で陽極液室112から陰極液室114に選択的に移送する。
アルカリイオン伝導膜110は、アルカリイオンを選択的に伝導し、水、水酸化物イオン、または他の反応生成物の通過を防ぐ、ほぼ全ての好適なアルカリイオン伝導膜からなりうる。アルカリイオン伝導膜110はセラミック、ポリマー、またはそれらの組合せからなりうる。1つの非限定的な実施形態において、アルカリイオン伝導膜はアルカリイオン超イオン伝導(MSICON)膜からなる。このような膜の非限定的な例として、NaSICON(ナトリウム超イオン伝導膜)およびNaSICON型膜が挙げられるが、これらに限定されない。アルカリイオン伝導膜は、多数のナトリウム超イオン伝導材料のいずれであってもよく、米国特許出願公開第2010/0331170号および2008/0245671号ならびに米国特許第5,580,430号に開示されているが、これらに限定されない。上記の出願および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の範囲内で他の非ナトリウムアルカリ化合物を用いる場合、LiSICON膜、LiSICON型膜、KSICON膜、KSICON型膜などの類似するアルカリイオン伝導膜を使用可能であることを理解されたい。いくつかの実施形態において、アルカリイオン伝導性イオン交換高分子膜を用いてもよい。ある実施形態において、アルカリイオン伝導膜はアルカリイオン伝導性ガラスまたはβアルミナを含みうる。
一実施形態において、アルカリイオン伝導膜は、約200ミクロン〜約2000ミクロンの厚さである。別の実施形態において、膜は約400〜1000ミクロンの厚さである。一実施形態では、枠組みに直径3インチのMSICONウェハを組み込む。
電気化学セル100は、図1に示すような、平坦な平板電極および膜が用いられる標準的な平行平板配置のものを採用することができる。管状の電極および膜が用いられる管状構造の電気化学セルを構成することは当該技術分野の技術水準内にある。
陽極116は、陽極・陰極間に電位が与えられる際に、陽極液室内での酸化(脱炭酸)反応およびこれに続くフリーラジカルの炭素−炭素結合を可能とする全ての適当な陽極材料を含みうる。適当な陽極材料の非限定的な例として、平滑白金、チタン、ニッケル、コバルト、鉄、ステンレス鋼、二酸化鉛、金属合金、これらの組合せ、および他の既知または新規の陽極材料が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、陽極116はKOVARまたはINVARなどの鉄−ニッケル合金からなってもよい。他の実施形態において、陽極116は、ホウ素ドープダイヤモンド、ガラス状炭素、および合成炭素などの炭素系電極からなってもよい。また、いくつかの実施例においては、陽極116は、チタン基板上の二酸化レニウムおよび二酸化チタンならびにチタン基板上の二酸化レニウムおよび五酸化タンタルを含みうるがこれらに限定されない、寸法安定性陽極(DSA)からなる。
陰極118は、セルが陰極液室内の水またはメタノールを還元して水酸化物イオンまたはメトキシドイオンおよび水素ガスを生成することを可能とする全ての適当な陰極材料で形成することもできる。陰極118は、陽極116に使用する材料からなってもよい。適当な陰極材料の非限定的な例として、ニッケル、ステンレス鋼、黒鉛、および既知または新規の他の適当な陰極材料が挙げられるが、これらに限定されない。
電解セル100は、陽極液124を陽極液室112に供給することにより動作する。陽極液124は、溶媒126、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩128、およびアリール化合物130からなる。いくつかの実施形態において、アリール化合物は、アリールカルボン酸のアルカリ金属塩からなってもよい。いくつかの実施形態において、アリール化合物はアレーン炭化水素を含んでもよい。ある実施形態において、アリール化合物は、アルカリ金属−アレーン付加物(Ar)からなってもよい。アルカリ金属−アレーン付加物はアレーン炭化水素をアルカリ金属と反応させることにより得られる。
陽極液124は溶媒の混合物からなることもできる。陽極液の溶媒は、一相がイオン性材料を溶解することができ、他方の相は非イオン性材料を溶解することができる二相溶媒系からなってもよい。例えば、溶媒は非イオン性の非水溶媒などの有機相溶媒からなってもよい。無機性または他の溶媒を使用することもできる。このような溶媒の一例として、長鎖脂肪酸アルコール、または他の類似する有機溶媒が挙げられる。この有機相溶媒と、水またはイオン性液体などのイオン性溶媒または水性溶媒を混合する。この水/イオン性液体は、脂肪酸のアルカリ金属塩を溶解する。このような「2相」系を用いると、アリールアルキル炭化水素が形成された時、有機相内に容易に溶解し、水性/イオン性相からははじかれる。これは形成された炭化水素が、水性/イオン性相から容易に分離することを意味する。
一実施形態において、陽極液はG型溶媒、H型溶媒、および/またはこれらの混合物からなる。G型溶媒はジヒドロキシル化合物である。一実施形態において、G型化合物は、隣接する位置に2つの水酸基を含む。H型溶媒は炭化水素化合物または炭化水素を溶解することができる溶媒である。例えば、H型溶媒は炭化水素、塩素化炭化水素、アルコール、ケトン、モノアルコールならびにヘキサン、ガソリン、軽油、ドデカン、およびテトラリンなどの石油留分を含む。H型溶媒はまた、炭化水素生成物の一部として再利用される、脱炭酸処理による生成物であってもよい。これにより、さらなる溶媒を調達する必要がなくなり、処理工程の総合的な経済性が改善される。
さらに説明すると、G型溶媒は、2つの異なる酸素原子との水素結合により、カルボン酸のアルカリ金属塩の−COONa基を溶媒和するが、カルボン酸のアルカリ金属塩の炭化水素端は、H型溶媒により溶媒和される。あるG型溶媒では、H型溶媒中の炭化水素の増加とともに溶解力が増す。
下の表1は、G型およびH型溶媒のいくつかの非限定的な例を示す。
磁気撹拌されたガラスビーカー内でG型溶媒、H型溶媒、およびG型とH型溶媒の組合せを用いて、カルボン酸の種々のナトリウム塩の溶解度を常温で検査した。下の表は、種々の塩の溶解度検査の結果を示す。
陽極液は、必要であれば、溶媒に対し可溶性であるとともに陽極液の電解質伝導率を高める支持電解質を含んでもよい。支持電解質の非限定的な一例として、テトラフルオロホウ酸アルカリ金属が挙げられる。他の例として、六フッ化リン酸テトラメチルアンモニウムも挙げられる。他のイオン性固体を使用することもできる。
セラミックNaSICONおよびNaSICON型膜などの特定のアルカリイオン伝導膜は高温耐性があり、そのため陰極液の温度に実質的に影響を与えることなく、陽極液をより高い温度に熱することができる(またはその逆も可能である)。NaSICONおよびNaSICON型セラミック膜は熱することができ、また高い温度でも効果的に機能することができる。これは、高温で脂肪酸およびナトリウム塩を溶解する極性溶媒(または非極性溶媒)を陽極液内で使用することが可能であることを意味する。例えば、パルミチン酸を熱して液体にすることができ、この液体はパルミチン酸ナトリウムの優れた溶媒である。同時に、陰極液は温度に影響されない。すなわち、陰極液室内には異なる溶媒系を同時に用いることができる。あるいは、他の溶融塩または酸を用いて陽極液内のイオン性カルボン酸およびその塩を溶解してもよい。長鎖炭化水素、エーテル、トリグリセリド、エステル、アルコール、または他の溶媒でカルボン酸およびそのナトリウム塩を溶解することもできる。このような化合物は、陰極液に影響を及ぼさずに陽極液の溶媒として用いることができる。イオン液体を陽極液の溶媒として使用することもできる。これらの材料は大量の脂肪酸ナトリウム塩を溶解するだけでなく、高い温度での脱炭酸反応を容易にするよう作用することができる。イオン液体は、蒸気圧が非常に低く、溶解能力/溶解特性に優れた化学物質群である。多種多様なイオン液体を用いることができる。
電位122の影響下で、陽極116において電気化学的(陽極)脱炭酸反応が起こり、二酸化炭素132およびアルキルラジカル(R)が生じる。アルキルラジカルは、アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアリール化合物と反応し、アリールアルキル界面活性剤前駆体、さらに必要であれば生成流(product stream)134において陽極液室112から取り出すことができる他の反応生成物を形成する。
本発明のいくつかの実施形態において、陰極液供給流(feed stream)136は陰極液室114に供給される。この陰極液は、陽極液の溶媒と同じまたは別の溶媒からなってもよい。陽極液と陰極液の溶媒は異なっていてもよいが、それはアルカリ伝導膜により(隔)室112と114が互いに隔離されるためである。このように、陽極液および陰極液の溶媒は、個々の隔室における反応に合わせて(さらに/あるいは個々の隔室内の化学物質の溶解度を調節するために)別々に選択することができる。そのため、セル100の設計者は、溶媒の混合および/または他の隔室で起こる反応を意識する必要なく、個別の隔室で起こる反応のための陽極液および陰極液の溶媒を調製することができる。陰極液の溶媒は溶媒の混合物からなってもよい。
本発明の一実施形態において、陰極液は水からなる。少なくとも初めは、陰極液供給流136はアルカリイオンを含むことが好ましく、このアルカリイオンは不飽和アルカリ水酸化物溶液の状態にあるだろう。アルカリ水酸化物の濃度は、溶液の約0.1重量%〜約50重量%である。一実施形態において、陰極液供給流136はアルカリ水酸化物の希釈溶液を含む。動作中、アルカリイオン源は、アルカリイオン伝導膜110を介して陽極液室112から陰極液室114へ輸送されるアルカリイオン120により提供することができる。以下の議論においてはアルカリ水酸化物が用いられるが、アルカリメチラートを調製するための装置において、アルカリ水酸化物をメタノールに置き換えることができることは、当業者であれば理解するだろう。この場合、供給流136はメタノールを含んでもよい。
陰極118において、水の還元が起こって水素ガス138および水酸化物イオンが生じる(反応式(1))。水酸化物イオンは、反応式(2)に示すように、(アルカリ伝導膜110を介して陽極液室112から輸送される)利用可能なアルカリイオン(M)120と反応してアルカリ水酸化物を生じる。アルカリ水酸化物は陰極液生成流140中に回収することができる。
2HO+2e→H+2OH (1)
+2HO+2e→2MOH+H (2)
陰極液供給流136がメタノールを含む場合、反応式(3)に示すように、メトキシドイオンが利用可能なアルカリイオンと反応してアルカリメトキシドが生じる。
2M+2CHOH+2e→2MOCH+H (3)
アルカリメトキシドは陰極液生成流140中に回収することができる。
当然のことながら、陰極液生成流140は、アルキルカルボン酸を中和してアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩128を生成するために用いられる塩基を含む。このため、酸中和過程で消費される塩基は、陰極液室で生成して回収し、後の酸中和反応または他の化学処理過程において再利用してもよい。
本発明の製造方法および装置の一実施形態において、電解セル100は連続モードで動作させてもよい。連続モードの場合、まず、セルを陽極液および陰極液で満たし、作動中は、セルの動作を止めることなく追加溶液をセルに供給し、生成物、副生物、および/または希釈された溶液をセルから除去する。陽極液および陰極液の供給は連続的であっても断続的であってもよい。すなわち、どちらか一方または両方の隔室内を空にすることなく、溶液の必要に応じ、および/またはセルの隔室内の溶液濃度を所望に維持するべく、溶液の流れを開始/停止する。同様に、陽極液室および陰極液室からの溶液の除去も、連続的であっても断続的であってもよい。セルへの溶液の追加およびセルからの溶液の除去の制御は、適当な手段により行えばよい。そのような手段としては、例えば1人以上の人間による手動操作や、例えばコンピュータまたはアナログ制御下で動作するセンサ、電子バルブ、実験室ロボット等の使用による自動操作とが挙げられる。自動操作においては、タイマー、センサ出力または他の手段に基づいた、コンピュータまたは電子コントローラから受けた信号にしたがって、バルブや栓の開閉を行うことができる。自動システムの例は当該技術分野において周知である。手動操作と自動操作を組合せて使用してもよい。あるいは、任意のセルに対して、定常状態を維持するために単位時間当りに追加または除去される各溶液の量を実験的に決定し、システム内外への溶液流が定常状態の流れ条件を満足させることができる。
他の実施形態において、電解セル100はバッチモードで動作させる。バッチモードの場合、まず、陽極液および陰極液をセルに供給し、次いで、陽極液および陰極液において所望の濃度の生成物が生成されるまでセルを動作させる。続いて、セル内を空にして生成物を回収し、セルに再度溶液を供給してセルを再び処理を開始する。あるいは、連続モードとバッチモード生成を組合せて使用してもよい。また、いずれのモードにおいても、予め調製された溶液を使用するか、あるいはこの溶液をその場で形成する成分を使用して溶液の供給を行ってもよい。
なお、連続モードとバッチモードの両方は、動的な溶液流を有する。連続モード動作の一実施形態において、電解セル100の動作中にナトリウム濃度が所定の濃度または所定の濃度範囲内に維持されるように陽極液が陽極液室に供給される。バッチモード動作の一実施形態において、所定量のアルカリイオンはアルカリイオン伝導膜を介して陰極液室に輸送され、補充はされず、陽極液室内のアルカリイオン濃度が所定量まで減少するか、または陰極液室内の目的の生成物濃度が所定量に達すると、セルの動作を停止。
上述したように、陽極液124は、溶媒126、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩128、およびアリール化合物130からなる。アリール化合物は様々な形態をとることができ、アリール化合物を選択することにより所望のアリールアルキル界面活性剤前駆体を調製する方法が決まる。方法(1)は、アリール化合物がアリールカルボン酸のアルカリ金属塩からなる場合に適用される。方法(2)は、アリール化合物がアレーン炭化水素からなる場合に適用される。方法(3)は、アリール化合物がアルカリ金属−アレーン付加物(Ar)からなる場合に適用される。
方法(1):第1の工程では、アルカリメトキシド(反応式(4A)および(4C))またはアルカリ水酸化物(反応式(4B)および(4D))などの塩基を用いた酸中和過程によってアリールカルボン酸(ArCOOH)およびアルキルカルボン酸(RCOOH)をアルカリ金属塩に変換する。
RCOOH+CHOM→RCOOM+CHOH (4A)
RCOOH+MOH→RCOOM+HO (4B)
ArCOOH+CHOM→ArCOOM+CHOH (4C)
ArCOOH+MOH→ArCOOM+HO (4D)
ここで、Mはリチウム、ナトリウム、またはカリウムなどのアルカリ金属、RCOOHはカルボン酸、RはC−C24の炭化水素鎖をもつアルキル炭化水素、Arはアレーン(芳香族またはアリールとしても知られる)炭化水素である。いくつかの実施形態において、Rは脂肪酸に由来する。所定の油脂(トリグリセリド)の鹸化(アルカリ加水分解)によってアルキルカルボン酸塩を得ることは本発明の範囲内にある。
RCOOMおよびArCOOMを適当な溶媒と組み合わせて陽極液を調製する。陽極液は、必要に応じて、溶媒に可溶であるとともに陽極液の電解質伝導率を高める支持電解質を含んでもよい。陽極液は図1に示すセル100のような電気化学セルに供給される。
この本発明の方法において、電位の影響下で、陽極において電気化学的(陽極)脱炭酸反応が起こり、以下の反応式(5)および(6)により、二酸化炭素、アルキルラジカル(R)、およびアリールラジカル(Ar)が生じる。
R−COOM→R+CO+e+M (5)
Ar−COOM→Ar+CO+e+M (6)
アルキルラジカルは、アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアリールラジカルと反応し、アリールアルキル界面活性剤前駆体、および必要に応じて、他の反応生成物を生成する。以下に、フリーラジカル反応過程の非限定的な例を示す。
+Ar→R−Ar(交差二量化) (7)
+R→R−R(アルキル炭化水素二量化) (8)
Ar+Ar→Ar−Ar(アレーン二量化) (9)
なお、Arの場合のラジカルは、芳香族炭素上に存在するラジカルである(すなわち芳香環に関連する)。あるいは、芳香環に結合したアルキル基上にラジカルを形成することもでき、その場合、上に挙げたものとは異なる生成物が生じる。例えば、アルキルカルボン酸のアルカリ塩がAr−CH−COOMの場合に、起こりうるフリーラジカル反応の非限定的な例を以下に示す。
Ar−CH−COOM→Ar−CH +CO+e+M (10)
Ar−CH+R→Ar−CH +R−H(水素抽出) (11)
+Ar−CH→R−Ar(交差二量化) (12)
+R→R−R(アルキル炭化水素二量化) (8)
Ar−CH +Ar→Ar−CH−Ar(アレーン二量化) (13)
Ar+Ar→Ar−Ar(アレーン二量化) (9)
上記の脱炭酸およびラジカル生成反応は、典型的には高い電流密度で水性または非水性溶液内で行われる。一旦R−Ar界面活性剤前駆体が生成されてしまえば、さらなる処理のために生成物を回収してもよい。例えば、界面活性剤生成物(R−Ar−HSO)を生成するために、芳香環をスルホン化(好ましくはパラ位で)してもよい。
上記2室電解セルで、カルボン酸自体に代えてアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩を用いる本実施形態の利点をいくつか下に示す。
1.R−COOMは、R−COOHよりも強い極性をもつため、より低い電圧で脱炭酸が起こる可能性が高い。
2.脂肪酸のアルカリ金属塩は、脂肪酸自体よりも電解質伝導率が高い可能性がある。
3.陽極液および陰極液は完全に相違させて、各電極において好ましい反応を起こさせてもよい。
アルカリイオン伝導性固体電解質膜は、陽極液と陰極液が混ざるのを防ぎつつ、電位の影響下で、アルカリイオン(M)を選択的に陽極液室から陰極液室へ移送する。
陰極液の非限定的な例として、水性アルカリ水酸化物および非水性メタノール/アルカリメトキシド溶液が挙げられる。電気化学的に活性な陰極は陰極液室に格納され、そこで反応式(1)、(2)、または(3)にしたがって還元反応が起こる。酸中和反応に用いられる塩基は、陰極液室で再生してもよい。
方法(2):第1の工程では、アルカリメトキシド(反応式(4A))またはアルカリ水酸化物(反応式(4B))などの塩基を用いた酸中和過程によってアルキルカルボン酸(RCOOH)をアルカリ金属塩に変換する。
RCOOH+CHOM→RCOOM+CHOH (4A)
RCOOH+MOH→RCOOM+HO (4B)
式中、RおよびMは先に定めたとおりである。次の工程では、RCOOMおよびアレーン炭化水素(Ar)を適当な溶媒と混合し、陽極液を調製する。陽極液は、必要に応じて支持電解質を含んでもよい。
方法(1)で説明したとおり、陽極液は電解セルに供給され、そこで酸化(脱炭酸)反応およびこれに続く遊離炭素−炭素結合が起こる。アレーン炭化水素が例としてベンゼンである場合のフリーラジカル反応過程を以下に示す。
R−COOM→R+CO+e+M (5)
アルカリイオン(M)は、アルカリイオン伝導膜を介して陽極液室から陰極液室へ移動する。アルキルラジカル(R)は、反応式(14)に従って、ベンゼン(Ar)と反応して中間物を生成する。反応式(8)に従い、アルキルラジカル同士が反応しうる。
+C→[R−C ] 中間物 (14)
+R→R−R(アルキル炭化水素二量化) (8)
この中間物は以下の非限定的な反応のいずれかを起こす可能性がある。
[R−C ]+R→R−C+RH
(2つ目のRによる水素抽出)(15)
[R−C ]+[R−C ]→R−C+R−C(不均化)(16)
[R−C ]+[R−C ]→2R−C(アレーン二量化) (17)
の場合、ラジカルは芳香族炭素上に存在する(すなわち芳香環に関連する)。一方、ラジカルは芳香環に結合するアルキル基上に生成されることもあり、その場合、異なる生成物が生じるが、その非限定的な例は以下のとおりである。
−CH+R→C−CH +R−H(2つ目のRによる水素抽出)(18)
+C−CH →R−CH−C(交差二量化) (19)
+R→R−R(アルキル炭化水素二量化) (8)
−CH +C →C−CH−C(アレーン二量化)(20)
−CH +C−CH →C−CH−CH−C(アレーン二量化) (21)
一旦所望のR−Ar界面活性剤前駆体が生成されれば、さらなる処理のために生成物を回収してもよい。例えば、界面活性剤生成物(R−Ar−HSO)を生成するために、芳香環をスルホン化(好ましくはパラ位で)してもよい。
方法(3):第1の工程では、アルカリメトキシド(反応式(4A))またはアルカリ水酸化物(反応式(4B))などの塩基を用いた酸中和過程によってアルキルカルボン酸(RCOOH)をアルカリ金属塩に変換する。
RCOOH+CHOM→RCOOM+CHOH (4A)
RCOOH+MOH→RCOOM+HO (4B)
式中、RおよびMは先に定めたとおりである。次の工程では、Donald E. Paul, David Lipkin, S. I. Weissman著 "Reaction of Sodium Metal with Aromatic Hydrocarbons" J. Am. Chem. Soc, 1956, 78 (1), pp 116-120に記載されるように、アレーン炭化水素を等モル量のアルカリ金属と混合してAr付加物を生成する。
次の工程では、RCOOMとAr付加物を混合して陽極液を調製する。陽極液は、必要に応じて支持電解質を含んでもよい。
方法(1)で説明したとおり、陽極液は電解セルに供給され、そこで酸化(脱炭酸)反応およびこれに続くフリーラジカル炭素−炭素結合が起こる。アレーン炭化水素が例としてベンゼンである場合のフリーラジカル反応過程を以下に示す。
R−COOM→R+CO+e+M (5)
アルキルラジカルは電子を失って、以下のようにカルボカチオン(R)を形成する。
→R+e (21)
反応(21)は高電流密度で起こりうる。一実施形態において、反応(21)はおよそ100mA/cmを超える陽極領域の電流密度で起こる。
その後、カルボカチオン(R)はアルカリ金属アリールAr付加物と反応し、以下のようにアリールアルキル生成物が生じる。
+Ar→R−Ar+M (22)
アルカリイオン(M)は、アルカリイオン伝導膜を介して陽極液室から陰極液室へ移動する。一旦所望のR−Ar界面活性剤前駆体が生成されれば、さらなる処理のために生成物を回収してもよい。例えば、界面活性剤生成物(R−Ar−HSO)を生成するために、芳香環をスルホン化(好ましくはパラ位で)してもよい。
3つの方法に関し、上述した脱炭酸およびラジカル生成反応は、化学量論的であると考えられている。ただし、反応物質の化学量論比を変えることにより、生成物の組成を変化させることが可能である。例えば、上記の反応において過剰なAr−COOMを用いた場合、R−Rに比べ、Ar−ArおよびR−Arの生成量が増加する可能性がある。このように、反応処理を調整することにより望ましい生成物を最大にし、不要な生成物の形成を低減することが可能である。
脱炭酸が起こる電流密度を変えることにより、生成物比を変化させることもできる。例えば、ある種のラジカルの形成を他種に対して支配的に変更して(芳香環の炭素に関連するラジカルAr−CHと比べた、芳香族炭素に関連するアルキル基に関連するAr−CH 種のラジカル)、生成物の選択および組成を変えることができる。
図2は、安価な出発物質からアリールアルキル炭化水素を製造する、本発明の方法200の概略図を示す。この方法は、セルを陽極液室と陰極液室に分割するアルカリイオン伝導膜を用いて電気合成210を行う電解セルを利用する。電解セルは、陽極液212を陽極液室へ、また陰極液214を陰極液室へ供給することにより動作する。
陽極液212は、陽極液の溶媒216、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩218、および芳香族化合物またはアリール化合物220からなる。いくつかの実施形態において、芳香族化合物220は、芳香族カルボン酸222のアルカリ金属塩からなってもよい。いくつかの実施形態において、芳香族化合物は芳香族(アレーン)炭化水素224を含んでもよい。いくつかの実施形態において、芳香族化合物220は、アルカリ金属−アレーン付加物(Ar)226からなってもよい。いくつかの実施形態において、アルキルカルボン酸218のアルカリ金属塩は、油脂トリグリセリドの鹸化228により得ることができる。いくつかの実施形態において、アルキルカルボン酸218のアルカリ金属塩は、脂肪酸などのアルキルカルボン酸の酸中和230により得ることができる。このような場合、アルキルカルボン酸はC−C24の炭化水素鎖をもつアルキル炭化水素を含みうる。
陰極液214は、陽極液の溶媒と同じまたは別の溶媒からなってよい。本発明の一実施形態において、陰極液はメタノールまたは水232からなる。電位の影響下で陰極液が反応し、陰極液の組成に応じてアルカリメチラート(メトキシド)またはアルカリ水酸化物を含む塩基234が生じる。塩基234を回収してアルキルカルボン酸のアルカリ塩218の調製に用いてもよい。
電位の影響下で、陽極液に電気化学的(陽極)脱炭酸反応が起こり、二酸化炭素236およびアルキルラジカル(R)が生じる。アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアルキルラジカルが芳香族化合物220と反応し、アリールアルキル炭化水素238が生成される。アルキル−アルキル炭化水素およびアリール−アリール炭化水素を含むがこれらに限定されない、他の炭化水素生成物を生成することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明の範囲内の様々な実施形態を説明する。これらは単なる例として挙げられるものであり、以下の実施例は、本発明によって提供される本発明の多くの実施態様を網羅するものでも限定するものでもないことを了解する。
<実施例>
いくつかの実験を行うことにより、本明細書に記載された、安価な出発物質からアリールアルキル前駆体を製造し、触媒を用いることなく低温および低圧で合成反応を行う電解脱炭酸過程(EDP)の技術的実現可能性を実証した。これらの実験により、セラマテック社(米国ユタ州、ソルトレイクシティ)製のNaSelectによるNaSICON膜を利用した、電解セル内における芳香族および脂肪族カルボン酸のナトリウム塩の脱炭酸を実際に行い、芳香族−脂肪族の炭化水素生成物の混合物を生成した。
アリールカルボン酸塩およびアルキルカルボン酸塩の両方に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、アリールカルボン酸塩およびアルキルカルボン酸塩を含む混合物をアリールアルキル炭化水素に変換した。安息香酸ナトリウムとナトリウム酢酸塩の等モル混合物を20%の水および80%のメタノールからなる溶媒に溶解させ、陽極液を生成した。
およそ300mLの陽極液を、膜と陽極の間の間隔が最小の2室マイクロ電解反応器に導入した。陽極液の流量は60〜100ml/分であった。電解反応器は、直径1インチ、厚さ1mmのNaSelectによるNaSICON膜を備えるものとした。電解反応器では、平滑白金陽極およびニッケル陰極を用いた。陰極液室では15重量%のNaOH陰極液を使用した。電解反応器は、1平方メートル当たり200〜300mAの膜領域における電流密度で動作させた。動作温度はおよそ40℃であった。
電解反応器はバッチモードで動作させた。すなわち、40〜50%程度のナトリウム塩が陽極液室内で炭化水素に変換され、陰極液室内で水酸化ナトリウムが生じるまで陽極液および陰極液が再循環された。
所望量のナトリウム塩出発物質(例えば10%)が陽極液室内で炭化水素に変換されるまで陽極液および陰極液が再循環される半連続モードで電気分解反応器を動作させることは本発明の範囲内である。出発塩濃度を常に維持し、炭化水素生成物を連続的に取り出す、大規模な炭化水素処理には、連続処理が好ましい。
電解脱炭酸反応を以下に示す。
CHCOONa→CH +CO+e+Na
COONa→C +CO+e+Na
放出された二酸化炭素を赤外線センサを用いた石灰水分析により検出した。図3は、本実施例に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフを含む。アルキルラジカルは、アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアリールラジカルと反応し、以下の非限定的な反応に基づいて、アリールアルキル生成物および他の反応生成物が生成された。
CH +C →C−CH(交差二量化)
CH +CH →CH−CH(アルキル炭化水素二量化)
+C →C−C(アレーン二量化)
ドデカンを用いて反応生成物を抽出した。ガス・クロマトグラフィ(GC)で反応生成物を分析した。以下の生成物が観察された。
ベンゼン:70mg/kg
エチルベンゼン:270mg/kg
トルエン:50mg/kg未満
GCパターンにおける他のピークは未特定のままとした。エチルベンゼンの形成は予想されたものではなかった。理論に束縛されるものではないが、エチルベンゼンは、以下のメカニズムによりトルエンから生成された可能性がある。
アルキルカルボン酸塩に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、アルキルカルボン酸塩およびアレーン炭化水素(本実施例ではベンゼン)を含む混合物をアリールアルキル炭化水素に変換した。ベンゼンとナトリウム酢酸塩の等モル混合物をメタノールに溶解させ、陽極液を生成した。
陽極液を2室マイクロ電解反応器に導入し、実施例1に記載したように動作させた。電解脱炭酸反応を以下に示す。
CHCOONa→CH +CO+e+Na
放出された二酸化炭素を赤外線センサを用いた石灰水分析により検出した。図4は、本実施例に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフを含む。アルキルラジカルは、アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアリールラジカルと反応し、以下の非限定的な反応に基づいて、アリールアルキル生成物および他の反応生成物が生成された。
[CH−C ]+CH →CH−C+CH
(CH による水素抽出)
[CH−C ]+[CH−C ]→CH−C+CH−C
(不均化)
[CH−C ]+[CH−C ]→2CH−C
(アレーン二量化)
ドデカンなどの非極性抽出剤を用いて反応生成物を抽出した。ガス・クロマトグラフィ(GC)で反応生成物を分析した。以下の生成物が観察された。
エチルベンゼン:250mg/kg
メチル酢酸塩:220mg/kg
トルエン:150mg/kg
トルエンが生成され、アリールアルキル結合が生じたことを示している。理論に束縛されるものではないが、実施例1に記載したとおり、エチルベンゼンはトルエンから生成したと考えられる。メタノールと酢酸ナトリウムとの反応により酢酸メチルが生成された。GCパターンにおける他のピークは未特定のままとした。
アルキルカルボン酸塩に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、アルキルカルボン酸塩およびアレーン炭化水素(本実施例ではエチルベンゼン)を含む混合物をアリールアルキル炭化水素に変換した。エチルベンゼンとプロピオン酸ナトリウムの等モル混合物をメタノールに溶解させ、陽極液を生成した。
陽極液を2室マイクロ電解反応器に導入し、実施例1に記載したように動作させた。電解脱炭酸反応を以下に示す。
CHCHCOONa→C +CO+e+Na
放出された二酸化炭素を赤外線センサを用いた石灰水分析によりで検出した。図5は、本実施例に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフを含む。アルキルラジカルは、アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアリールラジカルと反応し、以下の非限定的な反応に基づいて、アリールアルキル生成物および他の反応生成物が生成された。
[(C)−C ]+C →(C)−C+C
(C による水素抽出)
[(C)−C ]+[(C)−C ]→(C)−C+(C)−C(不均化)
[(C)−C ]+[(C)−C ]→2C−C+H
(アレーン二量化)
ドデカンなどの非極性抽出剤を用いて反応生成物を抽出した。ガス・クロマトグラフィ(GC)で反応生成物を分析した。以下の生成物が観察された。
ブタン:120mg/kg
1,2−ジエチルベンゼン:438mg/kg
1,2,3−トリメチルベンゼン:120mg/kg
ベンゼン:360mg/kg
sec−ブチルベンゼン:57mg/kg
トルエン:190mg/kg
ジエチルベンゼンが生成され、アリールアルキル結合が生じたことを示している。1,2,3−トリメチルベンゼン、ベンゼン、sec−ブチルベンゼン、およびトルエンも生成された。理論に束縛されるものではないが、これらの生成物は複雑な再構成および結合開裂により生成されたと考えられる。GCパターンにおける他のピークは未特定のままとした。
アルキルカルボン酸塩に対する電解(陽極)脱炭酸およびこれに続くアリールアルキル炭素−炭素結合により、アルキルカルボン酸塩およびアレーン炭化水素(本実施例ではメチルナフタレン)を含む混合物をアリールアルキル炭化水素に変換した。メチルナフタレンとナトリウム酢酸塩の等モル混合物をメタノールに溶解させ、陽極液を生成した。
陽極液を2室マイクロ電解反応器に導入し、実施例1に記載したように動作させた。電解脱炭酸反応を以下に示す。
CHCOONa→CH +CO+e+Na
放出された二酸化炭素を赤外線センサを用いた石灰水分析で検出した。図6は、本実施例に対する、電圧および電流密度と時間との関係を示すグラフを含む。アルキルラジカルは、アリールアルキル炭素−炭素結合を可能とする条件下でアリールラジカルと反応し、以下の非限定的な反応に基づいて、アリールアルキル生成物および他の反応生成物が生成された。
[(CH)−C10 ]+CH →(CH)−C10+CH
(CH による水素抽出)
[(CH)−C10 ]+[(CH)−C10 ]→(CH)−C10+(CH)−C10(不均化)
[(CH)−C10 ]+[(CH)−C10 ]→2(CH)−C10+H
(アレーン二量化)
ドデカンなどの非極性抽出剤を用いて反応生成物を抽出した。ガス・クロマトグラフィ(GC)で反応生成物を分析した。以下の生成物が観察された。
11−C13アルキルナフタレン:170g/kg
2−ベンジリデンシクロペンタノン:261mg/kg
2−メチル−l−ナフタレノール:5.4g/kg
GCパターンにおける他の多くのピークは未特定のままとした。
本発明の具体的な実施形態および実施例を図示し記載したが、本発明の精神を著しく逸脱することなく多くの変更が想起され、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

Claims (20)

  1. アリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、
    陽極を含む陽極液室と陰極を含む陰極液室との間に配置され、アルカリ金属イオンを選択的に輸送するように構成されているアルカリ金属イオン伝導膜を含む電解セルを設ける工程と
    陽極液を前記陽極液室に導入する工程であって、RをC−C24の炭化水素鎖をもつアルキル炭化水素、MをLi、Na、およびKから選択されるアルカリ金属として、前記陽極液はアルキルカルボン酸(R−COOM)のアルカリ金属塩およびアリール化合物を陽極液の溶媒に含む、工程と、
    をアルキルラジカルとして以下の反応式
    R−COOM→R+CO+e+M
    にしたがって前記陽極液を前記陽極にて電気分解し、前記アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩を脱炭酸する工程と、
    生成されたRを前記アリール化合物と反応させてアリールアルキル化合物(R−Ar)を生成する工程と、
    生成された前記アリールアルキル化合物を回収する工程とを含む製造方法。
  2. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩が前記アルキルカルボン酸の酸中和により得られる製造方法。
  3. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩がアルカリメトキシドまたはアルカリ水酸化物により中和により形成される製造方法。
  4. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、
    前記アリールアルキル化合物が界面活性剤前駆体であり、
    アリールアルキル界面活性剤が、前記芳香族基をスルホン化してR−Ar−HSOを生成することにより得られる製造方法。
  5. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記陽極液の溶媒がメタノールを含む製造方法。
  6. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記陽極液の溶媒が支持電解質を含む製造方法。
  7. 請求項6に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記支持電解質がテトラフルオロホウ酸アルカリ金属を含む製造方法。
  8. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、
    前記アリール化合物が、Arをアリールラジカルとして以下の反応式
    Ar−COOM→Ar+CO+e+M
    により前記アリールカルボン酸(Ar−COOM)の前記アルカリ金属塩を脱炭酸する前記電気分解工程を起こすアリールカルボン酸のアルカリ金属塩であり、ArがRと反応して前記アリールアルキル化合物(R−Ar)を生成する製造方法。
  9. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アリール化合物がアリール炭化水素を含み、該アリール炭化水素がRと反応して前記アリールアルキル化合物(R−Ar)を生成する製造方法。
  10. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アリール化合物がアリールアルカリ金属付加物(Ar)を含み、前記Rが電子を失ってRが生じ、前記アリールアルカリ金属付加物(Ar)がRと反応して前記アリールアルキル化合物(R−Ar)を生成する製造方法。
  11. 請求項10に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アリールアルカリ金属付加物がアリール炭化水素とアルカリ金属の反応により生成される製造方法。
  12. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アリールアルキル化合物に加えて、1つ以上のアルキル−アルキル化合物が生成される製造方法。
  13. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アリールアルキル化合物に加えて、1つ以上のアリール−アリール化合物が生成される製造方法。
  14. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アルカリ金属イオン伝導膜が、NaSICONの膜、LiSICONの膜、ならびにKSICONの膜から選択されたアルカリ金属イオン超イオン伝導膜である製造方法。
  15. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アルカリ金属がナトリウムである製造方法。
  16. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、
    水またはメタノールを含む陰極液を前記陰極液室に導入する工程と、
    前記陰極において前記陰極液を電気分解し、以下の反応式
    +2HO+2e→2MOH+H
    2M+2CHOH+2e→2MOCH+H
    のいずれかにしたがって前記陰極液を還元し、アルカリ水酸化物またはアルカリメトキシドを生成する工程と、
    をさらに含む製造方法。
  17. 請求項16に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アルカリ水酸化物または前記アルカリメトキシドを回収する工程をさらに含む製造方法。
  18. 請求項17に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、回収した前記アルカリ水酸化物または前記アルカリメトキシドを用いて前記アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩を調製する工程をさらに含む製造方法。
  19. 請求項1に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、前記アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩がトリグリセリドの鹸化反応によって得られる製造方法。
  20. 請求項17に記載のアリールアルキル(R−Ar)化合物の製造方法であって、回収された前記アルカリ水酸化物または前記アルカリメトキシドを用いてトリグリセリドと反応させることにより前記アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩を得る工程をさらに含む製造方法。
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