JPH05255878A - 芳香族化合物の電解還元法 - Google Patents

芳香族化合物の電解還元法

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JPH05255878A
JPH05255878A JP4088285A JP8828592A JPH05255878A JP H05255878 A JPH05255878 A JP H05255878A JP 4088285 A JP4088285 A JP 4088285A JP 8828592 A JP8828592 A JP 8828592A JP H05255878 A JPH05255878 A JP H05255878A
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JP
Japan
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electrodes
electrolytic
aromatic compound
electrolysis
arom
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JP4088285A
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English (en)
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Tatsuya Shono
達哉 庄野
Shigefumi Kashiwamura
成史 柏村
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Takasago International Corp
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Takasago International Corp
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  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 芳香族化合物のベンゼン環を1,4−シクロ
ヘキサジエン環に還元する電解還元方法において、無隔
膜電解槽中、陰極および陽極電極としてマグネシウムま
たはアルミニウムを用いて電解を行うことを特徴とする
芳香族化合物の電解還元法。 【効果】 本発明方法によれば、芳香族化合物のベンゼ
ン環を1,4−シクロヘキサジエン環に効率良く変換す
ることができるので、種々の1,4−シクロヘキサジエ
ン誘導体を合成する方法として極めて有利なものであ
る。 また、本発明で用いる装置は隔膜がない構成であ
り、電極間の距離を短くすることができるので還元反応
も低電圧で行えるという利点もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族化合物のベンゼ
ン環を電解還元により対応する1,4−シクロヘキサジ
エン環に変換する電解還元法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族化合物のベンゼン環を還元し、新
たな化合物を製造する方法は従来より、多数知られてい
る。例えば、液体アンモニア−アルコール中アルカリ金
属を使用するバーチ(Birch)還元、アルキルアミ
ン中アルカリ金属を使用するベンケッサー(Benke
ser)還元、ヘキサアンミンカルシウムによる還元、
遷移金属触媒存在下水素添加による還元などが知られて
いる(新実験化学講座第15巻「酸化と還元」;丸
善)。
【0003】しかし、これらの方法は、アルカリ金属が
水分に敏感であったり、反応時に発生する大量のアミン
類の処理に手間がかかるなどの問題点があり、工業的規
模の生産には向いていない。 また、遷移金属触媒を用
いる接触還元反応は、ベンゼン環をシクロヘキサン環ま
で還元してしまうおそれがあり、また高温高圧で反応さ
せなければならないなどの難点をかかえていることが多
い。
【0004】そこで、上記のような合成化学的な方法に
よらず電解還元法とよばれる電気的な還元法によって芳
香族化合物のベンゼン環を還元する方法も数多く報告さ
れている。例えば、特公昭46−11017号公報に
は、ベンゼンまたはその置換体による1,4−水素化物
の製造法が開示されている。 この方法は、グラスフィ
ルターやイオン交換膜などで分室された反応槽中、支持
電解質に第4級アンモニウム塩、水素源として水あるい
は低級脂肪族アルコール、反応溶媒として脂肪族ニトリ
ル、脂肪族エーテルあるいは脂環式エーテルなどを用い
た電解液で電解還元する方法である。 しかし、この方
法によると、陰陽両液中に含まれる支持電解質中の陰イ
オンがいわゆる陽極酸化を受けて電子を放出し、分子と
なって系外へ放出され、結果的に支持電解質の分解がか
なりの程度進行し、反応時間の経過に伴ない電解反応系
の電導度が低下してしまうという欠点がある。
【0005】また、特公昭47−40786号公報に
は、HMPA(ヘキサメチルホスホロアミド)のような
アルキルホスホロアミドと低級アルコールとの混合溶媒
中で、塩化リチウムなどの無機塩を添加する芳香族化合
物の1,4−ジエン類への電解還元法が開示されてい
る。 しかし、この方法は支持電解質などのほかにアル
キルホスホロアミドを加えなければならず、さらに陽極
電極として高価な白金を用いるなど経済的な方法とはい
えない。
【0006】更に、特公昭54−904号公報には、支
持電解質の消耗を抑制して、反応溶媒として従来の有機
溶媒ではなく水系溶媒を用いて、陽イオン交換膜により
反応セルを分室して同様の電解還元反応を行なう手法が
開示されている。 しかし、この方法は陰極電極に扱い
にくい水銀を用いることや、隔膜としてイオン交換膜を
用いるなど装置的にも簡便な方法とはいえない。
【0007】この他に、無隔膜セル中、支持電解質とし
て水酸化テトラアルキルアンモニウムを用いて陰極を水
銀、陽極を白金や炭素棒などとして同様の反応を行なう
方法も報告されている[J.Electrochem.Soc.,128巻,322
ー326頁,(1981)]。 しかし、この文献では陰極として
好ましくない金属としてアルミニウム、銅、鉛などの金
属が挙がっており、この方法自身、ジエン類への転化率
もけして良いものとはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、電解還元法に
おいて芳香族化合物を高い効率で還元することができ、
かつ、簡便で経済性等の問題もない技術の開発が要望さ
れていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、鋭意研究を重ねた結果、隔膜を用いず、陰陽極の
電極としてマグネシウムあるいはアルミニウムを用いる
ことにより、簡便な操作および反応装置で安価に収率良
く芳香族化合物のベンゼン環を対応する1,4−シクロ
ヘキサジエン環に還元し得ることをを見出だし本発明を
完成した。
【0010】すなわち本発明は、芳香族化合物のベンゼ
ン環を1,4−シクロヘキサジエン環に還元する電解還
元方法において、無隔膜電解槽中、陰極および陽極電極
としてマグネシウムまたはアルミニウムを用いて電解を
行うことを特徴とする芳香族化合物の電解還元法であ
る。
【0011】本発明方法においては、無隔膜電解槽を利
用し、電極として、マグネシウムまたはアルミニウムの
いずれかを用いることが必要である。 電極の形状は棒
状でも平板でも良く、通常の電解還元に用いられるもの
で良く、また、電極の表面積は反応槽の大きさに合せて
調整すればよい。また、陽極および陰極は同一金属であ
ることが好ましいが、異なる金属であってもよい。
【0012】本発明の電解還元法は、上記のように無隔
膜の電解槽を利用し、陰極および陽極にマグネシウムあ
るいはアルミニウムを用いる以外は、公知の方法によっ
て実施することができる。 例えば、まず電解槽に、溶
媒、支持電解質および水素源としてのアルコール類の混
合液を満たし、次いでこの混合溶液中に被還元物質であ
る芳香族化合物を加え、窒素気流下、電解すれば良い。
【0013】電解において使用される溶媒としては、原
料である芳香族化合物が溶解するものであることが必要
であり、例えば、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどの有機溶媒を挙げることができるが、
なかでもテトラヒドロフランを使用することが望まし
い。
【0014】また、支持電解質としては、塩化リチウ
ム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸
リチウムなどを例示することができるが、なかでも過塩
素酸リチウムが望ましい。 この支持電解質の添加量
は、被還元物である芳香族化合物に対して通常10〜5
00mol%の範囲とするのがよく、さらに好ましくは
50〜100mol%の範囲とするとよい。
【0015】更に、水素源として用いるアルコール類と
しては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、t−ブタノールなどが挙げられるが、なかでもt
−ブタノールを用いることが望ましい。 このアルコー
ル類の添加量は、被還元物である芳香族化合物に対して
100〜5000mol%の範囲とするのがよく、さら
に好ましくは500〜1000mol%の範囲とすると
よい。
【0016】上記の電解還元反応は、10〜100mA
の範囲内の電流で行なうことができるが、とくに40〜
60mAの範囲内の電流で行なうことが好ましく、定電
流で行うことがより好ましい。 また電流密度は、両極
について、それぞれ5〜20mA/cm2程度とすれば
良い。 還元反応に要する電気量は、理論的には2F/
molであるが、電流効率や、実際の転化率を考慮して
電気量を定めることが必要である。 電解条件にもよる
が、一般には芳香族化合物に対し、およそ4F/mol
程度でほぼ90%ないしそれ以上の転化率が見込まれる
が、原料化合物を完全に目的化合物に転化させるために
は7F/mol程度の電気量で電解を行うことが望まし
い。 なお、本発明で生成する1,4−ジエンは電気化学
的に安定であるので、理論以上の電気量で電解しても一
般にはそれ以上還元反応が進むおそれはない。
【0017】また、本発明の電解還元においては、電極
の溶出を抑制するため、陰陽極の極性を一定間隔、例え
ば15秒程度の間隔で切り替えたり、あるいは、一定の
超音波、例えば47MHz程度の超音波を照射する等の
処理を行なうことにより、電流効率や収率の向上を図る
ことができ、更に、通電の容易さを向上するなどの効果
を得ることもできる。
【0018】電解槽の温度は0〜50℃の範囲内であれ
ばよいが、とくに10〜30℃の範囲内とすることが好
ましい。
【0019】電解還元反応の終了は、通電電気量によっ
ても判断できるが、例えばガスクロマトグラフやその他
の分析手段で判断することもできる。
【0020】以上の如くして生成する還元生成物は、電
解液を重曹水溶液などで処理した後にジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの有機溶媒で抽出し、さら
に抽出液中より有機溶媒を除去することにより、得るこ
とができる。
【0021】抽出に用いる有機溶媒は、電解に用いる溶
媒と同じもの、例えば、ヘキサン、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフランなどを用いればよい。
【0022】叙上の本発明電解還元方法により、各種の
芳香族化合物、例えばアニソール類、ジ置換ベンゼン、
テトラヒドロナフタレン誘導体のベンゼン環を有利に
1,4−シクロヘキサジエン環に変更することができ
る。
【0023】
【実施例】次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるも
のでない。
【0024】実 施 例 1 4−イソプロピルアニソールから1−メトキシ−4−イ
ソプロピル−1,4−シクロヘキサジエンの製造:50
mlの無隔膜電解槽中に、溶媒である乾燥テトラヒドロ
フラン20mlに支持電解質として過塩素酸リチウム1
g(9.3mmol)を混合した溶液を取り、次いで4
−イソプロピルアニソール456mg(3mmol)と
水素源としてのt−ブチルアルコール2.22g(30
mmol)を加える。 この電解槽に、陽極および陰極
としてマグネシウム棒(長さ5cm、断面1×1cmの
直方状)を設置し、窒素気流下、浴温25℃、50mA
の定電流条件で電解還元反応を行なった。 電解は、陽
極および陰極の極性を15秒間隔で切り替え、また、超
音波(47MHz)を照射しつつ行なった。
【0025】4−イソプロピルアニソールに対して7F
/molの電気量を通電した後に、電解を終了し、反応
溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50ml)に加
え、この溶液をジエチルエーテル50mlで3回抽出し
た。 得られた有機層を減圧下で濃縮することにより、
1−メトキシ4−イソプロピル−1,4−シクロヘキサ
ジエンを91%の収率で得た(電流効率28.5%)。
【0026】IR(neat):2950,1660,1
220,1060,780cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:1.01(d,6H,J=
6.9Hz),2.11−2.31(m,1H),2.69−
2.78(m,4H),3.54(s,3H),4.60−4.
66(m,1H),5.38−5.42(m,1H)
【0027】実 施 例 2 1,4−ジメトキシベンゼンから1,4−ジメトキシ−
1,4−シクロヘキサジエンの製造:陽極および陰極を
アルミニウム棒に変え、超音波の照射を行わない以外は
実施例1と同様の操作で1,4−ジメトキシベンゼン4
14mg(3mmol)を電解還元した。 この結果、
1,4−ジメトキシ−1,4−シクロヘキサジエンを33
6mgを得た(収率80%;電流効率28.5%)。
【0028】IR(neat):2900,1660,1
220,1060,1030,790cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.78−2.83(m,
4H),3.53(s,6H),4.53−4.60(m,2
H)
【0029】実 施 例 3〜6 実施例1と同様にして、種々の芳香族化合物の電解還元
を行なった。 その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】以上の結果から明らかなように、芳香族化
合物は、本電解方法により効率良く種々の1,4−シク
ロヘキサジエン誘導体に変換された。
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、芳香族化合物のベ
ンゼン環を1,4−シクロヘキサジエン環に効率良く変
換することができるので、種々の1,4−シクロヘキサ
ジエン誘導体を合成する方法として極めて有利なもので
ある。 また、本発明で用いる装置は隔膜がない構成で
あり、電極間の距離を短くすることができるので還元反
応も低電圧で行えるという利点もある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物のベンゼン環を1,4−シ
    クロヘキサジエン環に還元する電解還元方法において、
    無隔膜電解槽中、陽極および陰極電極としてマグネシウ
    ムまたはアルミニウムを用いて電解を行うことを特徴と
    する芳香族化合物の電解還元法。
  2. 【請求項2】 電解を、両極の極性を切り替えながら行
    う請求項第1項記載の電解還元方法。
  3. 【請求項3】 芳香族化合物が、置換基を有していても
    よいベンゼンまたはテトラヒドロナフタレンである請求
    項第1項記載の電解還元法。
JP4088285A 1992-03-13 1992-03-13 芳香族化合物の電解還元法 Pending JPH05255878A (ja)

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