JP5751096B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像の筋を目立たなくする技術に関する。
下記特許文献1には、LEDチップ間の距離に応じて、境界部における発光素子の光量を補正することで、白筋を目立たなくさせる技術が開示されている。また、下記特許文献2には、画像の階調を、斜め線の繰り返しパターンからなるディザパターンにより表すようにした技術が提案されている。
特開2001−080111公報 特開2004−364084公報
画品質を高めるには、白筋などの筋を極力目立たなくすることが好ましく、更なる改良が求められていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、画像の筋を目立たなくすることを目的とする。
本明細書によって開示される画像形成装置は、半導体基板上に複数の発光素子を形成し、主走査方向に並べて配置された複数の発光チップからなる発光アレイと、前記発光アレイにより露光される感光体と、前記感光体に形成される静電潜像を用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記発光アレイの前記発光素子に、前記画像の階調を示し、一方向に傾斜する規則性をもったドットの集合であるディザパターンを形成させる発光制御装置とを備え、前記発光制御装置は、前記各発光チップの発光素子が作るドットの集合体が一直線に近づくように前記発光チップを構成する発光素子の点灯タイミングを、発光チップ単位又は発光チップ単位より小さい制御単位で制御するタイミング制御を行う。
尚、「主走査方向に並べて配置」には、発光チップが主走査方向に一列状に配置されるパターンや、発光チップが主走査方向に千鳥状に配置されるパターンが含まれる。
尚、「各発光チップの作るドットの集合体が一直線に近づく」には、図20に示すように、複数のラインLa、Lbが一組の集合体UTを形成し、集合体UTを構成する各ラインLa、Lbがそれぞれ一直線に近づく場合が含まれる。尚、図中の白丸印は補正前の位置を示す。
本明細書により開示される画像形成装置によれば、各発光チップの作るドットの集合体が一直線に近づくように調整されるので、ディザパターン中にできる白筋や色筋を目立たなくすることが可能となり、画質を向上させることが可能となる。
上記画像形成装置では、以下とすることが好ましい。
・前記傾斜の方向が主走査方向に右下がりであり、かつ第1発光チップと前記第1発光チップの右隣りに近接する第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より大きい場合、又は前記傾斜の方向が主走査方向に右上がりであり、かつ第1発光チップと前記第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より小さい場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、前記発光制御装置は、前記第2発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングより遅くする。尚、「前記発光制御装置は、前記第2発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングより遅くする」には、発光タイミングを発光チップ単位で遅くする場合と、発光チップ単位より小さい制御単位で遅くする場合が含まれる。
・前記傾斜の方向が主走査方向に右上がりであり、かつ第1発光チップと前記第1発光チップの右隣り近接する第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より大きい場合、又は前記傾斜の方向が主走査方向に右下がりであり、かつ第1発光チップと前記第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より小さい場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、前記発光制御装置は、前記第1発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、前記距離が基準値である場合の基準発光タイミングより遅くする。尚、「前記発光制御装置は、前記第1発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングより遅くする」には、発光タイミングを発光チップ単位で遅くする場合と、発光チップ単位より小さい制御単位で遅くする場合が含まれる。
・前記発光制御装置は、前記2つの発光素子間の距離が基準値より大きくなるほど、前記正規発光タイミングに対する前記発光タイミングの遅延量を大きくする。
・前記発光制御装置は、前記傾斜の角度が大きくなるほど、前記正規発光タイミングに対する前記発光タイミングの遅延量を大きくする。
・前記発光制御装置は、第1発光チップと前記第1発光チップの右隣りに近接する第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値から外されている場合、2つの発光チップのうち、一方の発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングよりより遅くし、他方の発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを前記正規発光タイミングより早める。
・前記発光制御装置は、前記傾斜の傾きが所定値以下の場合、前記タイミング制御を実行しない。
・前記発光制御装置は、前記各発光チップの作るドットの集合体が一直線に近づくように前記発光チップを構成する発光素子の点灯タイミングを制御する前記タイミング制御と、前記発光チップ同士の継目に位置する発光素子の光量を、発光素子間の距離に応じて補正する光量制御とを併用する。
・前記発光制御装置は、画像に前記ディザパターンが含まれない場合、前記タイミング制御を実行しない。
本発明によれば、ディザパターンにできる筋を目立たなくすることが可能である。
実施形態1に係るカラープリンタの要部側断面図 LEDユニットおよびプロセスカートリッジの拡大図 LEDユニットを露光面側から見た図 発光制御部及び制御装置のブロック図 白筋の抑制原理を示す図(右下がりの傾斜時) 色筋の抑制原理を示す図(右下がりの傾斜時) 誤差Uと移動量Δと角度θの関係を示す図 誤差Uと移動量Δと角度θの関係を示す図 副走査位置の補正により出来る段差を示す図 白筋の抑制原理を示す図(右上がりの傾斜時) 色筋の抑制原理を示す図(右上がりの傾斜時) 複数線分の一括移動を示す図 光量補正の原理を示す図 補正値データを示す図 補正テーブルを示す図 電源投入時に実行される処理の流れを示すフローチャート図 印刷データ受信時に実行される処理の流れを示すフローチャート図 実施形態2において、印刷データ受信時に実行される処理の流れを示すフローチャート図 実施形態3における、副走査位置の補正パターンを示す図 ディザパターンの他の例を示す図
<実施形態1>
実施形態1について図1から図17を参照して説明する。
1.カラープリンタの全体構成
図1に示すように、電子写真方式のカラープリンタ1は、本体筐体10内に、被記録媒体の一例である用紙Sを供給する給紙部20と、給紙された用紙Sに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Sを排出する排紙部90と、これらの各部の動作を制御する制御装置100とを備えている。尚、以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、主走査方向を「X方向」とし、副走査方向を「Y方向」とする。
本体筐体10の上部には本体筐体10に対し相対的に開閉自在なアッパーカバー12が、後側に設けられたヒンジ12Aを支点として上下に回動自在に設けられている。アッパーカバー12の上面は、本体筐体10から排出された用紙Sを蓄積する排紙トレイ13となっており、下方には露光装置であるLEDユニット40が設けられている。
また、本体筐体10内には、各プロセスカートリッジ50を着脱自在に収容するカートリッジドロア15が設けられている。カートリッジドロア15は、左右に一対設けられた金属製のサイドプレート15A(片側のみ図示)と、一対のサイドプレート15Aを連結するクロスメンバー15Bが前後に一対設けられている。サイドプレート15Aは、LEDユニット40が有する露光ヘッドとしてのLEDアレイ41の左右方向の両側に配置され、感光体ドラム53を直接的または間接的に支持し、位置決めする部材である。LEDアレイ41の発光は、制御装置100及び発光制御部110により制御される。尚、制御装置100と発光制御部110が本発明の発光制御装置の一例である。また、感光体ドラム31が本発明の感光体の一例である。
給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、本体筐体10に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Sを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を主に備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24を主に備えている。
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Sが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、搬送経路28を通って後ろ向きに方向転換され、画像形成部30に供給される。
画像形成部30は4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備える。4つのLEDユニット40、4つのプロセスカートリッジ50はブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色に対応する。
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー12と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、図2に示すように、ドラムユニット51と、ドラムユニット51に対して着脱自在に装着される現像ユニット61とを備えている。サイドプレート15Aは、プロセスカートリッジ50を支持しており、プロセスカートリッジ50は、感光体ドラム53を支持している。尚、各プロセスカートリッジ50は、現像ユニット61のトナー収容室66に収容されるトナーの色が相違するのみであり、構成は同一である。
ドラムユニット51は、ドラムフレーム52と、ドラムフレーム52に回転可能に支持される感光体の一例としての感光体ドラム53と、スコロトロン型帯電器54とを主に備えている。
現像ユニット61は、現像フレーム62と、現像フレーム62に回転可能に支持される現像ローラ63および供給ローラ64とを備え、トナーを収容するトナー収容室66を有している。プロセスカートリッジ50は、現像ユニット61がドラムユニット51に装着され、これにより、現像フレーム62とドラムフレーム52との間に上方から感光体ドラム53を臨める露光穴55が形成される。この露光穴55には下端にLEDアレイ41を保持したLEDユニット40が挿入される。LEDアレイ41の詳細については後述する。
転写ユニット70は、図1に示すように、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を主に備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム53に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム53との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム53に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の奥側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光体ドラム53の表面(感光面53A)が、スコロトロン型帯電器54により一様に帯電された後、各LEDアレイ41から照射されるLED光により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム53上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
また、トナー収容室66内のトナーが、供給ローラ64の回転により現像ローラ63に供給され担持される。現像ローラ63上に担持されたトナーは、現像ローラ63が感光体ドラム53に対向して接触するときに、感光体ドラム53上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム53上でトナーが選択的に担持されて静電潜像が可視像化され、反転現像によりトナー像が形成される。
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Sが各感光体ドラム53と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム53上に形成されたトナー像が用紙S上に転写される。そして、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙S上に転写されたトナー像が熱定着される。
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、手前側に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Sを搬送する複数対の搬送ローラ92を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Sは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ13に蓄積される。
2.LEDアレイの構成
図3に示すように、LEDアレイ41は、用紙の送り方向(図3の上下方向)に直交する主走査方向に複数の発光素子Pを配置したものである。具体的には、回路基板CB上に20個のLEDアレイチップCHを千鳥状に配置した構成となっている。各LEDアレイチップCHは半導体プロセスにより、半導体基板上に発光素子Pたる発光ダイオードを複数形成したものである。このLEDアレイ41は、後述する発光制御部110により発光の信号が入力されることで、主走査方向の走査開始側(例えば、図3の左側)から走査終了側(例えば、図3の右側)へ向けて発光し、感光体ドラム53を露光する機能を果たす。尚、この実施形態では、LEDアレイ41を構成する各発光素子Pは、LEDアレイチップCH内では制御単位で発光素子Pの発光タイミングが制御され、各LEDアレイチップCH間では同時点灯される。
また、この例では図3に示すように、回路基板CB上に各LEDアレイチップCHを主走査方向に直交する副走査方向にずらして千鳥配置しているが、これは製造上、発光素子Pをチップ縁まで形成できないからである。すなわち、千鳥配置することで、チップCH同士の継目における発光素子間の距離Dxを基準ピッチに一致させている。
3.制御装置100と発光制御部110の説明
制御装置100はカラープリンタ1の全体を制御するものであり、CPUなどから構成される演算制御部100Aと、RAM100Bと、ROM100Cとを含む構成となっている。発光制御部110は、制御装置100と共に、LEDアレイ41の各発光素子Pを発光制御するものである。発光制御部110は、図4に示すようにASIC120を備える構成となっている。発光制御部110には、4組のLEDアレイ41が共通接続されており、発光制御部110のASIC120が4組のLEDアレイ41を発光制御する構成となっている。
また、各LEDアレイ41には不揮発性の記憶手段としてEEPROM43が設けられている。このEEPROM43には、次に説明する発光タイミング制御、光量補正を行うのに必要な次のデータがそれぞれ記憶されている。
・チップ同士の継目部分における発光素子間の主走査方向のピッチ「Dx」のデータである(図3参照)。
・チップ同士の継目部分における発光素子間の副走査方向のピッチ「Dy」のデータである(図3参照)。
・補正値データX、補正値テーブルである(図14、図15参照)
4.発光タイミング補正
LEDアレイ41上の各発光素子Pは主走査方向において一定の基準ピッチDp、具体的には、画像の解像度が600dpiである場合は42μmのピッチで並んでいる。そして、各LEDアレイチップCHの継目についても、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpになるようにLEDアレイチップCHを配置している。継目部分の副走査方向の距離は52.3μmに配置されている。尚、基準ピッチDpが本発明の「基準値」の一例である。
しかし、回路基板CB上に各LEDアレイチップCHをマウントする際に搭載位置が正規位置からずれることがあり、LEDアレイチップ同士の継目では、図3にて一点鎖線枠(A部、B部、C部の3か所)で示すように、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpに対して増減する場合がある。発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpに対して増減すると、図5、図6に示すように、各発光素子Pの形成するドットにより構成され、主走査方向に対して傾斜した線分の繰り返しであるディザパターンZを使用して画像を印字したときに画像に筋が発生し易くなる。
すなわち、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpに一致している場合(図3のA部の場合)には、図5、図6の左手に示すように、ディザパターンZに筋の発生はない。ところが、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより大きい場合(図3のB部の場合)、図5の中央に示すように、その部分だけ光量が低くなって白筋が発生し易くなる。また、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより小さい場合(図3のC部の場合)、図6の中央に示すようにその部分だけ光量が高くなって色筋が発生し易くなる。
そこで、本実施形態では、各LEDアレイチップCHの継目における発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpから外れている場合に、LEDアレイチップCHの発光タイミングを正規発光タイミングからずらして、ディザパターンZの継目を直線に見せることで、色筋や白筋の発生を抑える。尚、ディザパターンZを構成する各線分が本発明の「ドットの集合体」の一例である。
尚、ディザパターンZとは、画像に階調をつける時に使用されるものであり、4色のトナーに対応して4パターン、すなわち、主走査方向に対する斜線角度θが異なる4種のディザパターンZが設けられている。本実施形態では、主走査方向に対する斜線の角度θが「+27°」、「−27°」、「+63°」、「−63°」の4パターンのディザパターンZを使用する。尚、色ごとにディザパターンZを変えているのは、ディザパターンZ同士が重ならないようにするためである。
以下、画像に発生する筋の抑制方法を、ディザパターンZが主走査方向に対して右下がりに傾斜している場合と、右上がりに傾斜している場合に、場合を分けて説明する。
<ディザパターンZが主走査方向に対して右下がりに傾斜している場合>
図5に示すように、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより大きい場合、左右に隣合う2つのLEDアレイチップCHL、CHRのうち、右側のLEDアレイチップCHRの発光タイミングを、正規の発光タイミングから遅くする。これにより、右側のアレイチップCHRの作る線分LRの副走査位置が、正規の副走査位置に対して図中下側にずれるので、図5中の右側に示すように、左側のLEDアレイチップCHLの作る線分LLの延長線上に、右側のLEDアレイチップCHRの作る線分LRが重って、両線分LL、LRが同一直線上に並ぶ。
このようにすれば、2つのLEDアレイチップCHL、CHRが作る2つの線分LL、LRが一直線に近づく。そのため、白筋が目立たなくなる。
次に、図6に示すように、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより小さい場合、左右に隣合う2つのLEDアレイチップCHL、CHRのうち、左側のLEDアレイチップCHLの発光タイミングを、正規の発光タイミングから遅くする。これにより、左側のアレイチップCHLの作る線分の副走査位置が、正規の副走査位置に対して図中下側にずれるので、図6中の右側に示すように、右側のLEDアレイチップCHRの作る線分LRの延長線上に、左側のLEDアレイチップCHLの作る線分LLが重って、両線分LL、LRが同一直線上に並ぶ。
このようにすれば、2つのLEDアレイチップCHL、CHRが作る2つの線分LL、LRが一直線に近づく。そのため、色筋が目立たなくなる。
尚、正規の発光タイミングとは、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpである場合における、各LEDアレイチップCHの発光タイミングを意味する。そして、正規の副走査位置とは、正規の発光タイミングで各LEDアレイチップCHを発光させたときの、各線分の副走査位置を意味する。
また、ディザパターンZの角度θが同じであれば、基準ピッチDpに対する発光素子間の距離Dxの誤差Uが大きい程、正規発光タイミングに対する遅延量を大きくするとよい。また、誤差Uが同じであれば、ディザパターンZの角度θが大きい程、正規発光タイミングに対する遅延量を大きくするとよい。
これは、図7、図8に示すように、誤差Uと、ディザパターンZの角度θと、2つの線分LL、LRを一直線にするための移動量Δとの間には、次の(A)式の関係が成り立つ。
Δ=U×tanθ・・・・・(A)
そのため、角度θが同じであれば、誤差Uが大きいほど、移動量Δが大きくなるので、正規発光タイミングに対する遅延量を大きくする必要がある。また、誤差Uが同じであれば、角度θが大きいほど、移動量Δが大きくなるので、正規発光タイミングに対する遅延量を大きくする必要があるからである。
尚、ディザパターンZのうち、主走査方向に対する角度θが小さい(目安として30°前後)ものは、誤差Uが、例えば10μm程度であった場合、移動量Δはその約半分の5μmとなり、その値は小さい。すなわち、角度θが小さい場合、発光タイミングを補正したとしても、その効果は小さいので、発光タイミングを補正しないようにしてもよい。尚、「30°」が本発明の「前記傾斜の傾きが所定値以下の場合」における「所定値」の一例である。
一方、主走査方向に対する角度θが大きい(目安として60°前後)ものは、誤差Uが例えば、10μm程度であった場合、移動量Δは20μm程度となり大きい。すなわち、角度θが大きい場合、発光タイミングを補正すると、その効果は大きいので、発光タイミングを補正することが好ましい。
ただし、発光タイミングの補正は、印刷位置の副走査方向を正規の位置からずらすので、発光タイミング補正をそのまま適用して、ディザパターンZを含まない通常印刷を行うと、図9に示すように、水平線を引いた時に段差STが出来る。段差STの大きさは移動量Δに比例するので、移動量Δを大きくし過ぎると、通常印刷時の画質を低下させる問題が起きる。
そこで、移動量Δの上限値を1ドットの大きさの約1/4程度、例えば10μm程度とし、補正しきれない分は光量補正を行うとよい。尚、本実施形態では、図7や図8に示されているように、発光素子Pの作る受光スポットSを4つ副走査方向に重ねて1つのドットを形成しており、ドットを10μm単位で移動させることが可能となっている。
光量補正とは、LEDアレイチップ同士の継目に位置する発光素子の光量を補正することにより、筋を見立たなくする補正である。この光量補正に関しては、後に改めて詳しく説明を行う。
<ディザパターンZが主走査方向に対して右上がりに傾斜している場合>
図10に示すように、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより大きい場合、左右に隣合う2つのLEDアレイチップCHL、CHRのうち、左側のLEDアレイチップCHLの発光タイミングを、正規の発光タイミングから遅くする。これにより、左側のアレイチップCHLの作る線分LLの副走査位置が、正規の副走査位置に対して図中下側にずれるので、図10中の右側に示すように、右側のLEDアレイチップCHR作る線分LRの延長線上に、左側のLEDアレイチップCHLの作る線分LLが重って、両線分LL、LRが同一直線上に並ぶ。
次に、図11に示すように、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより小さい場合、左右に隣合う2つのLEDアレイチップCHL、CHRのうち、右側のLEDアレイチップCHRの発光タイミングを、正規の発光タイミングから遅くする。これにより、右側のアレイチップCHRの作る線分LRの副走査位置が、正規の副走査位置に対して図中下側にずれるので、図11中の右側に示すように、左側のLEDアレイチップCHLの作る線分LLの延長線上に、右側のLEDアレイチップCHRの作る線分LRが重って、両線分LL、LRが同一直線上に並ぶ。
このようにすれば、2つのLEDアレイチップCHL、CHRが作る2つの線分LL、LRが一直線に近づく。そのため、色筋が目立たなくなる。
<線分間の位置ずれ補正>
ところで、LEDアレイ41は例えば20個のLEDアレイチップCHを千鳥配置しており、一ラインが「20」の線分から構成される。
そのため、例えば、図12の上段に示すように、線分1と線分2との間に白筋の発生原因となる隙間がある場合、線分2のLEDアレイチップの発光タイミングを正規発光タイミングからずらして、線分2を線分1と同一直線となるように位置を移動させると、図12の中段に示すように、線分2と線分3との隙間を大きくする場合がある。
そこで、継目の隙間が小さい線分までを一つのグループとして、発光タイミングを一括してずらすようにするとよい。例えば、図12の例であれば、線分3と線分4の継目は隙間が小さい。そのため、線分2と線分3と一つのグループとして、両線分に対応するLEDアレイチップの発光タイミングを一括してずらす。このようにすれば、図12の下段に示すように、線分2と線分3が一括して移動するため、線分2と線分3との隙間を大きくすることはない。一方、線分3と線分4との間に、新たな隙間が出来るものの、その大きさは小さい。そのため、ライン全体が概ね直線に近くなるので、白筋や色筋が発生し難くなる。
5.光量補正
各LEDアレイチップCHの継目における発光素子Pの光量を補正することで色筋や白筋の発生を抑えることが出来る。例えば、図13に示すように、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより大きい場合に、継目中央の2つの発光素子Pa、Pbを対象に、発光時間を長くして光量を増加させる補正を行う。これにより、光量補正後には、図13の右側に示すように、継目中央部分はラインが繋がった状態となり、補正をしない場合と比べて白筋が目立たなくなる。
また、図13の例とは反対に、発光素子間の距離Dxが基準ピッチDpより小さい場合に、継目中央の2つの発光素子を対象に、発光時間を短くして光量を減少させる補正を行う。これにより、光量補正後には、継目中央部と周辺部との光量差が少なくなるので、補正をしない場合と比べて色筋が目立たなくなる。
尚、各発光素子Pの発光時間は、次に説明する補正値データXにて決められており、それぞれ設定値が異なっている。これは、LEDアレイ41の各発光素子Pは輝度ばらつきを持っており、発光時間や電流値などの条件を一律同じにして点灯させると、光量に差が生じる結果、露光むらが発生し画品質に影響を及ぼす。そこで、各発光素子Pの輝度値に応じて発光時間を変えることで、輝度ばらつきを補い、光量を均一化するためである。
図14に示す補正値データXは、LEDアレイ上の各発光素子Pについて、補正階調のどのグレードを適用するか対応関係を定めるものである。図14の枠内の数字、例えば「2」、「1」、「3」等は補正階調のグレードを示している。一方、補正階調のグレードと発光時間(具体的にはクロックのカウント数)との対応関係は、図15の補正値テーブルで定められている。
そのため、補正値テーブルを参照することで、各発光素子の発光時間が得られる。今、図14に示す発光素子P1であれば、補正値データXは「2」である。この場合、補正階調のグレードは「2」となり、補正値テーブルに従って、クロックのカウント数が「29」回、すなわち発光時間は112.4secとなる。また、発光素子Pnであれば、補正値データXは「4」である。この場合、補正階調のグレードは「4」となり、補正値テーブルに従って、クロックのカウント数が「31」回、すなわち発光時間が120.1secとなる。尚、ここでは、発光時間を計時するクロックのクロック周期を「3.875」nsとしている。
図14に示す補正値データ「X1」は、補正値データXに対して色筋や白筋の発生を抑える光量補正を織り込んでものであり、補正値データ「X」に対して、継目中央に位置する2つの発光素子Pa、Pbの補正階調のグレードを変更している。
6.発光制御
続いてLEDアレイ41を構成する各発光素子Pの発光制御例を、図16、図17を参照して説明する。
<電源投入時の動作>
制御装置100は電源投入により立ち上がる。その後、制御装置100の演算制御部100Aは、各LEDアレイ41のEEPROM43からデータの読み出しを行う。具体的には、EEPROM43から、チップ同士の継目部分における発光素子間の主走査方向のピッチ「Dx」のデータ、チップ同士の継目部分における発光素子間の副走査方向のピッチ「Dy」のデータ、補正値データXのデータ、補正値テーブルのデータを読み出す(S10)。
その後、演算制御部100Aは、ディザパターンZの角度θと、発光素子間の主走査方向のピッチ「Dx」のデータと、基準ピッチDpのデータと、チップ同士の継目部分における発光素子間の副走査方向のピッチ「Dy」のデータとに基づいて、10μmを上限値として、ディザパターンを構成する線分の移動量Δを算出する。線分の移動量Δは、各LED発光チップCHごとに算出される。
尚、移動量Δを算出するにあたり、チップ同士の継目部分における発光素子間の副走査方向のピッチ「Dy」のデータを考慮しているのは、2つの線分LL、LRを一直線により近く出来るからである。すなわち、副走査方向のピッチ「Dy」も、主走査方向のピッチ「Dx」と同様に、基準ピッチ(一例として52.3μm)に対して誤差を持つため、その誤差分を考慮した方が、2つの線分LL、LRを一直線により近くすることが可能であるからである。
そして、求めた移動量Δが上限値を超えた場合には、補正値データ「X」から補正値データ「X1」を作成する。補正値データX1は各LEDアレイ41を一単位として作成される。そして、作成された移動量Δのデータ、補正値データX1は、制御装置100のRAM100Bに記憶される。この時点で、印刷データの受信がなければ、待機状態となり、処理は終了する。
<印刷実行時の動作>
その後、印刷データを受信すると、図17に示すフローに従って、印刷処理が実行される。具体的には、制御装置100の演算制御部100Aは、まず、RAM100Bから移動量Δと補正値データX1を読み出す。そして、読み出した移動量Δと補正値データX1を、印刷データと共に発光制御部110に送る(S40)。
すると、データを受けた発光制御部110のASIC120は、移動量Δから発光タイミングの遅延量を算出し、発光素子Pの発光タイミングの調整を、各LEDアレイチップ単位で行う。また、LEDアレイ41に搭載された各発光素子Pの発光時間を、補正値データX1に従って制御する(S50)。
これにて、ディザパターンZを構成する線分が一直線に近づくように副走査方向の位置が補正される。よって、白筋や色筋が目立たなくなる。また、副走査方向の位置補正だけでは不十分な場合、すなわち移動量Δが10μmを上回った場合、移動量Δを10μmに留め、不足分については発光素子Pの光量調整で補う。
そのため、図9に示すように、ディザパターンZを含まない通常印刷を行った時の副走査位置のずれ量、例えば図9に示すように水平線を引いた時に、ライン上に出来る段差が小さくなる。そのため、発光タイミング補正を、通常印刷に適用しても画質が低下しない、又は画質の低下を抑えられる。
また、実施形態1では、発光素子Pの発光タイミングを、正規発光タイミングに対して遅らせる方向に調整した。発光タイミングを遅くする制御は、早める制御に比べて制約が少なく簡単にできるので、制御がし易いというメリットがある。
<実施形態2>
実施形態1では、画像にディザパターンZが含まれる階調印刷の場合と、ディザパターンZを含まない通常印刷の場合の双方とも、発光タイミング補正を行う例を挙げた。
実施形態2では、画像にディザパターンZが含まれる階調印刷の場合だけ、発光タイミング補正を行い、画像にディザパターンZを含まない通常印刷の場合には、発光タイミング補正を行わないようにしたものである。
具体的に説明すると、図18に示すように、印刷データを受信すると、制御装置100の演算制御部100Aは、印刷データ中に、ディザパターンZが含まれているか、どうか解析を行う。
そして、演算制御部100Aは、印刷データにディザパターンZが含まれている場合(S110:YES)、発光制御部110に対して階調印刷のデータを送る(S120)。具体的には、印刷データと共に移動量Δのデータと補正値データX1を送る。
すると、データを受けた発光制御部110のASIC120は、発光タイミング補正を実行する。すなわち、移動量Δから発光タイミングの遅延量を算出し、一部の発光素子Pについて正規発光タイミングから発光タイミングをずらして点灯する。また、LEDアレイ41に搭載された各発光素子Pの発光時間を補正値データX1に従って制御する。
これにて、ディザパターンZを構成する線分が一直線に近づくように副走査方向の位置が補正される。よって、白筋や色筋が目立たなくなる。また、副走査方向の位置補正だけでは不十分な場合には、発光素子Pの光量調整が実行される(S140)。
一方、演算制御部100Aは、印刷データにディザパターンZが含まれていない場合(S110:NO)、発光制御部110に対して通常印刷用のデータを送る(S120)。具体的には、印刷データと共に補正値データXを送る。すると、データを受けた発光制御部110のASIC120は、発光タイミング補正を実行せず、正規発光タイミングで各発光素子を点灯する。また、各発光素子Pの発光時間は補正値データXに従って制御する(S140)。
以上説明したように、実施形態2では、階調印刷時と通常印刷時で発光素子Pの制御パターンを分けており、発光タイミング補正を階調印刷時のみ実行し、通常印刷時には実行しない。そのため、通常印刷を行った時に、副走査位置のずれ量、例えば、図9に示すように水平線を引いた時に段差が発生しない。そのため、通常印刷時の画質低下がない。
<実施形態3>
実施形態1及び2では、各LEDアレイチップCHの継目における発光素子間の距離Dxが基準ピッチから外れている場合に、LEDアレイチップの発光タイミングを正規発光タイミングからずらして、ディザパターンZの継目を直線に見せることで、色筋や白筋の発生を抑えた。
具体的には、2つの線分LL、LRの間に、白筋や色筋が出来る場合、いずれか一方の線分をもう一方の線分の延長線上に一致するように副走査方向の位置をずらした。
実施形態3は、実施形態1、2に対して線分のずらし方を変更したものであり、2つの線分LL、LRの間に、白筋や色筋が出来る場合、両線分LL、LRを互いに接近させるように副走査方向の位置を変えるものである。例えば、図19の場合、線分LLについては、正規発光タイミングに対して発光タイミングを早めて、図19の上方向に副走査位置をずらす。一方、線分LRについては、正規発光タイミングに対して発光タイミングを遅らせて、図19の下方向に副走査位置をずらす。これにより、両線分LL、LRを互いに近づけることが出来、同一直線上に2つの線分LL、LRを配置できる。
このようにすれば、図19の中段に示すように、副走査方向の基準線Vに対する2つの線分LL、LRの位置ずれ量D1が小さくなる。そのため、ディザパターンZを含まない通常印刷をした場合に、画質の低下がない、又は画質の低下が少ない。
尚、図19の下段には、比較例として、2つの線分LL、LRのうち、LR側のみ副走査位置を補正した場合の、基準線Vに対する線分LRの位置ずれ量D2を示した。位置ずれ量D1は、位置ずれ量D2の約1/2倍に軽減されていることが理解できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、発光アレイの一例として、発光素子に発光ダイオードを用いたLEDアレイを例示したが、発光素子に有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を用いた有機ELアレイを用いることも可能である。
(2)上記実施形態では、各発光素子Pの発光時間を調整することで光量を補正するようにしたが、各発光素子Pに流す電流値を調整すること、すなわち輝度を調整することで光量を補正してもよい。尚、電流値を調整方法の一例として抵抗値を変更する方法がある。
(3)上記実施形態では、LEDアレイチップCHを構成する発光素子Pの発光タイミングを正規発光タイミングからずらして、ディザパターンZの継目を直線に見せることで、色筋や白筋の発生を抑える例を示した。また、発光タイミングについては、LEDアレイチップ単位(本発明の「発光チップ単位」に相当)で制御する例を示した。本発明は、LEDアレイチップCHを構成する発光素子の点灯タイミングを制御して、ディザパターンZの継目を直線に見せるものであればよく、点灯タイミングの制御を、LEDアレイチップ単位より小さい制御単位で行ってもよい。制御単位とは、LEDアレイチップを構成する発光素子のうち、点灯タイミングが一律に制御される発光素子のまとまりである。従って、例えば、制御単位を8個の発光素子から構成した場合、8個の発光素子を1単位として発光タイミングを調整することにより、ディザパターンZの継目を直線に見せてもよい。
(4)上記実施形態では、発光素子間の距離として、主走査方向の距離Dxを例示したが、主走査方向に限定されない。すなわち主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)の2方向(XY方向)に関する距離でもよい。
1…プリンタ(本発明の「画像形成装置」の一例)
30…画像形成部
40…LEDユニット
41…LEDアレイ(本発明の「発光アレイ」の一例)
53…感光体ドラム(本発明の「感光体」の一例)
100…制御装置(本発明の「発光制御装置」の一例)
110…発光制御部(本発明の「発光制御装置」の一例)
CH…LEDアレイチップ(本発明の「発光チップ」の一例)
P…発光素子
Z…ディザパターン

Claims (7)

  1. 半導体基板上に複数の発光素子を形成し、主走査方向に並べて配置された複数の発光チップからなる発光アレイと、
    前記発光アレイにより露光される感光体と、
    前記感光体に形成される静電潜像を用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記発光アレイの前記発光素子に、前記画像の階調を示し、一方向に傾斜する規則性をもったドットの集合であるディザパターンを形成させる発光制御装置とを備え、
    前記発光制御装置は、前記傾斜の方向が主走査方向に右下がりであり、かつ第1発光チップと前記第1発光チップの右隣りに近接する第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より大きい場合、又は前記傾斜の方向が主走査方向に右上がりであり、かつ第1発光チップと前記第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より小さい場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、前記各発光チップの発光素子が作るドットの集合体が一直線に近づくように、前記第2発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、発光チップ単位又は発光チップ単位より小さい制御単位で前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングより遅くするタイミング制御を行う画像形成装置。
  2. 半導体基板上に複数の発光素子を形成し、主走査方向に並べて配置された複数の発光チップからなる発光アレイと、
    前記発光アレイにより露光される感光体と、
    前記感光体に形成される静電潜像を用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記発光アレイの前記発光素子に、前記画像の階調を示し、一方向に傾斜する規則性をもったドットの集合であるディザパターンを形成させる発光制御装置とを備え、
    前記発光制御装置は、前記傾斜の方向が主走査方向に右上がりであり、かつ第1発光チップと前記第1発光チップの右隣りに近接する第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より大きい場合、又は前記傾斜の方向が主走査方向に右下がりであり、かつ第1発光チップと前記第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値より小さい場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、前記各発光チップの発光素子が作るドットの集合体が一直線に近づくように、前記第1発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、発光チップ単位又は発光チップ単位より小さい制御単位で前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングより遅くするタイミング制御を行う画像形成装置。
  3. 前記発光制御装置は、前記2つの発光素子間の距離が基準値より大きくなるほど、前記正規発光タイミングに対する前記発光タイミングの遅延量を大きくする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記発光制御装置は、前記傾斜の角度が大きくなるほど、前記正規発光タイミングに対する前記発光タイミングの遅延量を大きくする請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 半導体基板上に複数の発光素子を形成し、主走査方向に並べて配置された複数の発光チップからなる発光アレイと、
    前記発光アレイにより露光される感光体と、
    前記感光体に形成される静電潜像を用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記発光アレイの前記発光素子に、前記画像の階調を示し、一方向に傾斜する規則性をもったドットの集合であるディザパターンを形成させる発光制御装置とを備え、
    前記発光制御装置は、第1発光チップと前記第1発光チップの右隣りに近接する第2発光チップの継目に位置する2つの発光素子間の距離が基準値から外れている場合、前記各発光チップの発光素子が作るドットの集合体が一直線に近づくように、2つの発光チップのうち一方の発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを、前記距離が基準値である場合の正規発光タイミングより遅くし、他方の発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを前記正規発光タイミングより早めるタイミング制御を行う画像形成装置。
  6. 前記発光制御装置は、前記ディザパターンのドットの集合体の傾斜の傾きが所定値以下の場合、前記各発光チップの作る前記ディザパターンのドットの集合体が一直線に近づくように前記発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを制御する前記タイミング制御を実行しない請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記発光制御装置は、
    前記各発光チップの作る前記ディザパターンのドットの集合体が一直線に近づくように前記発光チップを構成する発光素子の発光タイミングを制御する前記タイミング制御と、
    前記発光チップ同士の継目に位置する発光素子の光量を、発光素子間の距離に応じて補正する光量制御とを併用する請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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