JP5750510B2 - 電解水製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塩素イオンを含有する原料水である電解質水溶液を電気分解して電解水を製造するための電解水製造装置に関する。
本願は、2011年8月24日に日本に出願された特願2011−182493号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、食品製造分野等では、電解水製造装置で種々の電解質水溶液(塩素イオンを含有する原料水)を電気分解して電解殺菌水(電解水)を製造し、この電解殺菌水を殺菌消毒などに用いている。例えば、塩化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液などの塩素イオンを含有する電解質水溶液を電気分解すると、電解酸化作用により塩素ガスが発生し、この塩素ガスが水に溶解して次亜塩素酸が生成される。生成された次亜塩素酸を含む電解殺菌水は、次亜塩素酸ソーダを水に溶解して調製した殺菌水と比較し、低塩素濃度であっても優れた殺菌効果を発揮し、また、使用する度に微妙な濃度調整を行う必要がないなどの多くの利点を有している。
電解水製造装置は、電解質水溶液を電気分解するための電解槽と、電解質水溶液を電解槽に供給する給水設備とを備えている。また、電解槽として、複数の電極板を直列配置した複極式(直列式)の電解槽が多用されている。この複極式電解槽は、複数の電極板がケーシング内に間隔をあけて並設され、軸線方向一端側の電極板に陽極の電極棒を、他端側の電極板に陰極の電極棒をそれぞれ溶接して配設し、一端側の電極板(陽極)から中間の電極板を経由して他端側の電極板(陰極)に向けて通電するように構成されている。
この電解水製造装置では、給水設備から電解槽のケーシング内に電解質水溶液を供給し、順次流通させながら塩化物を含む電解質水溶液に所定の電圧をかけることにより電流を流し、陽極側の酸化反応で塩素ガスを発生させる。この塩素ガス(又は塩素ガスが混濁した液体)を電解槽から取り出し、水と混合することにより、水中に次亜塩素酸が生成されて電解殺菌水が製造される。
一方、電解槽の電極間の電圧印加を遮断して電気分解を停止させ、また、電解槽に電解質水溶液を供給するためのポンプを停止させた際に、電解槽内には、高濃度の塩素ガスや次亜塩素酸、未電解の塩酸等が混在している電解液が残留する。なお、本発明においてはかかる電解槽の残留液を電解液と表記する。電解槽とポンプの稼動を停止させた際に、電解槽とポンプを接続する配管(チューブ)内に、電解槽の電解液が逆流する場合がある。電解液が逆流することによって、塩素ガス等によりポンプなどの構成部材に腐食が生じ、構成部材が短寿命化する可能性がある。
これに対し、従来、電解槽とポンプを接続する配管に逆止弁を設ける対策や、電解槽の電極間の電圧印加を停止させ、所定時間経過した後で電解質水溶液を供給するポンプの駆動を停止させるように制御する対策を講じて、電解槽からの電解液の逆流を防止している(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−299458号公報
しかしながら、逆止弁などの逆止機構によって電解槽の電解液の逆流を防止する対策を講じているにもかかわらず、電解水製造装置の運転停止後、直ちに、電解液が電解槽から配管内に侵入して、逆止弁やポンプ、配管(チューブ)、パッキン、Oリングなどの構成部材に腐食が生じる場合がある。
この現象は、電解液の逆流や、単なる濃度平衡に伴う拡散だけによって生じたものではないことが構成部材の腐食状態などから確認されている。このため、その原因を解明し、構成部材の腐食を防止する対策を講じることが強く求められている。
一方、電解水製造装置の運転においては、次の課題が存在する。従来、電解水製造装置の稼動中に電気分解の操作を一時停止した状態から再開(運転)した際、電解槽内に過電流が発生して装置全体が異常停止する場合がある。このような異常停止を予防することは、電解水製造装置を安定して運転するために不可欠である。このような異常停止の予防も電解水製造装置の課題となっている。
本発明の第1の態様によれば、電解水製造装置は、塩素イオンを含有する原料水を電気分解して電解水を製造する装置であり、電解槽と、前記電解槽に前記原料水を供給する原料ポンプと、前記原料水を吐出する前記原料ポンプの吐出口と前記原料水を流入させる前記電解槽の流入口とを接続する原料水配管と、前記原料水配管において前記吐出口と前記流入口との間に形成される電解液移流抑止部と、を備える。また、前記吐出口が前記流入口よりも上方に配されるように前記原料ポンプが設けられる。また、前記電解液移流抑止部の少なくとも一部に、前記吐出口側よりも前記流入口側を上方に配し、電解液が電解槽から原料ポンプに接続した配管内に移流することを抑止する勾配配管が設けられている。
本発明の第2の態様によれば、上記第1の態様において、電解水製造装置は、前記原料水が所定の電解質濃度になるように前記原料水を希釈するための希釈水を供給する希釈水ポンプと、前記希釈水を吐出する前記希釈水ポンプの第2吐出口と前記希釈水を流入させる前記電解槽の第2流入口とを接続する希釈水配管と、前記希釈水配管において前記第2吐出口と前記第2流入口との間に形成される第2電解液移流抑止部と、をさらに備える。また、前記第2吐出口が前記第2流入口よりも下方に配されるように前記希釈水ポンプが設けられる。また、前記第2電解液移流抑止部の少なくとも一部に、前記第2吐出口側よりも前記第2流入口側を下方に配した第2勾配配管が設けられている。
本発明の第3の態様によれば、上記第1の態様において、電解水製造装置は、前記電解液移流抑止部を形成した状態で前記原料水配管を固定する固定手段をさらに備える。
本発明の第4の態様によれば、上記第2の態様において、電解水製造装置は、前記第2電解液移流抑止部を形成した状態で前記希釈水配管を固定する第2固定手段をさらに備える。
本発明の第5の態様によれば、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている。
本発明の第6の態様によれば、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りで湾曲するU字状部及び逆U字状部の少なくとも一方を備えて形成されている。
本発明の第7の態様によれば、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記電解液移流抑止部が、鉛直方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている。
本発明の第8の態様によれば、上記第2または第4の態様において、前記第2電解液移流抑止部が水平方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている。
本発明の第9の態様によれば、上記第2または第4の態様において、前記第2電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りで湾曲するU字状部及び逆U字状部の少なくとも一方を備えて形成されている。
本発明の第10の態様によれば、上記第2または第4の態様において、前記第2電解液移流抑止部が、鉛直方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている。
本発明の第11の態様によれば、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記電解液移流抑止部が、前記吐出口から前記流入口に向かうに従い上方に傾斜する段部を備えて形成されている。
本発明の第12の態様によれば、上記第2または第4の態様において、前記第2電解液移流抑止部が、前記第2吐出口から前記第2流入口に向かうに従い下方に傾斜する第2段部を備えて形成されている。
本願の発明者は、後述の通り、逆止機構で電解槽の電解液の逆流を防止しているにもかかわらず、電解水製造装置の運転停止後に電解液が電解槽から配管内に侵入する現象の原因が、電解液の移流にあることを解明した。これに基づき、本発明の第1の態様における電解水製造装置においては、原料ポンプの吐出口側に対して電解槽の流入口側を上方に配した勾配配管を備える電解液移流抑止部を形成して原料水配管を配設する。これにより、原料ポンプの吐出口が電解槽の流入口よりも上方に配されるように原料ポンプを設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽から電解液が原料ポンプに接続した配管内に移流することを抑止できる。
よって、構成部材が電解液によって腐食することを抑止でき、構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置を提供することが可能になる。
また、前記のとおり、本願の発明者は電解液が電解槽から配管に侵入する現象の原因が電解液の移流にあることを解明した。さらに、このように電解槽から配管に向かって電解液が移流する現象とともに、逆に配管から電解槽に向かって原料水や希釈水が移流する現象が発生していることが見いだされた。このような配管から電解槽への原料水や希釈水の移流が、電解槽内における塩素イオン濃度の上下方向での偏在を引き起こし、この偏在の結果、停止している電気分解を再開した際に電解槽内に過電流が発生して異常停止する原因になっていることが突き止められた。
従って、前記の電解液移流抑止部は、電解槽から原料水配管に向かって電解液が移流する現象を抑止するとともに、逆に原料水配管から電解槽に向かって原料水が移流する現象を抑止する。そのため、電解槽内で塩素イオン濃度が偏在することを抑止できる。この結果、電解槽を再度運転し始めたときの過電流の発生とそれに伴う装置の異常停止を予防でき、より安定した運転ができる電解水製造装置を提供することが可能になる。
本発明の第2の態様における電解水製造装置においては、本願の発明者が解明した前記現象の原因に基づき、希釈水ポンプの第2吐出口側に対して電解槽の第2流入口側を下方に配した第2勾配配管を備える第2電解液移流抑止部を形成して希釈水配管を配設する。これにより、希釈水ポンプの吐出口が電解槽の流入口よりも下方に配されるように希釈水ポンプを設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽から電解液が希釈水ポンプに接続した配管内に移流することを抑止できる。
よって、構成部材が電解液によって腐食することを抑止でき、さらなる構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、さらに耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置を提供することが可能になる。
本発明の第3の態様における電解水製造装置においては、電解液移流抑止部を形成した状態で原料水配管を固定する固定手段を備えている。そのため、電解液移流抑止部を形成した状態で原料水配管を保持することができる。また、本発明の第4の態様における電解水製造装置においては、第2電解液移流抑止部を形成した状態で希釈水配管を固定する第2固定手段を備えている。そのため、第2電解液移流抑止部を形成した状態で希釈水配管を保持することができる。従って、電解槽から電解液が原料ポンプや希釈水ポンプに接続した配管内に侵入することを確実に抑止できる。また、逆に原料ポンプ、希釈水ポンプに接続した配管から電解槽内に原料水、希釈水が侵入することも確実に抑止できる。
本発明の第5の態様における電解水製造装置においては、電解液移流抑止部及び第2電解液移流抑止部の少なくとも一方を、水平方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成する。これにより、原料水配管においては、原料ポンプの吐出口側に対して電解槽の流入口側を上方に配した勾配配管を備える電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。また、希釈水配管においては、希釈水ポンプの第2吐出口側に対して電解槽の第2流入口側を下方に配した第2勾配配管を備える第2電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。
本発明の第6の態様における電解水製造装置においては、電解液移流抑止部及び第2電解液移流抑止部の少なくとも一方を、水平方向に延びる中心軸周りで湾曲するU字状部及び逆U字状部の少なくとも一方を備えるように形成する。これにより、原料水配管においては、原料ポンプの吐出口側に対して電解槽の流入口側を上方に配した勾配配管を備える電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。また、希釈水配管においては、希釈水ポンプの第2吐出口側に対して電解槽の第2流入口側を下方に配した第2勾配配管を備える第2電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。
本発明の第7の態様における電解水製造装置においては、電解液移流抑止部及び第2電解液移流抑止部の少なくとも一方を、鉛直方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成する。これにより、原料水配管においては、原料ポンプの吐出口側に対して電解槽の流入口側を上方に配した勾配配管を備える電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。また、希釈水配管においては、希釈水ポンプの第2吐出口側に対して電解槽の第2流入口側を下方に配した第2勾配配管を備える第2電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。
本発明の第8の態様における電解水製造装置においては、原料ポンプの吐出口から電解槽の流入口に向かうに従い上方に傾斜する段部を備えて電解液移流抑止部を形成する。これにより、原料水配管においては、原料ポンプの吐出口側に対して電解槽の流入口側を上方に配した勾配配管を備える電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。
本発明の第9の態様における電解水製造装置においては、希釈水ポンプの第2吐出口から電解槽の第2流入口に向かうに従い下方に傾斜する第2段部を備えて第2電解液移流抑止部を形成する。これにより、希釈水配管においては、希釈水ポンプの第2吐出口側に対して電解槽の第2流入口側を下方に配した第2勾配配管を備える第2電解液移流抑止部を確実且つ容易に形成することができる。
本発明の第1〜第4実施形態に係る電解水製造装置を示す図である。 本発明の第1〜第4実施形態に係る電解水製造装置の電解槽を示す分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置を示す斜視図である。 第一電解液挙動確認試験において、電解液の投下直後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、20時間経過後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、50時間経過後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、100時間経過後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、電解液の投下直後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、20時間経過後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、50時間経過後の様子を示す図である。 第一電解液挙動確認試験において、100時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、電解液の投下直後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、20時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、50時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、70時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、100時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、200時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、電解液の投下直後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、20時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、50時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、70時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、100時間経過後の様子を示す図である。 第二電解液挙動確認試験において、200時間経過後の様子を示す図である。 電解槽の運転を停止した際の電解液、原料水、及び希釈水の相互の移流の様子を説明する原理図である。 電解槽の運転を停止した際の電解液、原料水、及び希釈水の相互の移流の様子を説明する原理図である。 本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図である。 本発明の第1〜第4実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブ(原料水配管)の電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブ(希釈水配管)の電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第1〜第4実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 電解槽から原料水チューブ、希釈水チューブに電解液が移流している状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電解水製造装置を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る電解水製造装置を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、原料水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る電解水製造装置の変形例を示す斜視図であり、希釈水チューブの電解液移流抑止部を示す図である。
(第1実施形態)
以下、図1から図8Bを参照し、本発明の第1実施形態に係る電解水製造装置について説明する。本実施形態は、塩素イオンを含有する原料水である電解質水溶液を電気分解して電解水を製造するための電解水製造装置に関し、特に、次亜塩素酸を含む電解殺菌水を製造するための電解水製造装置に関する。
本実施形態の電解水製造装置Aは、図1に示すように、塩酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液などの原液W1(塩素イオンを含有する原料水)を貯留するタンク1と、原液W1と水W2(希釈水)を混合した電解質水溶液W3(塩素イオンを含有する原料水)が供給され、この電解質水溶液W3を電気分解する電解槽2と、タンク1から電解槽2に向けて原液W1を送液するための原料ポンプ3と、を備える。さらに、電解水製造装置Aは、タンク1と電解槽2の間に水W2を送液して原液W1を所定濃度に稀釈し、電解質水溶液W3を生成するための希釈水ポンプ4と、電解槽2に電力を供給するための電解電源5と、電解槽2で電解質水溶液W3を電気分解して発生した塩素ガス(あるいは塩素ガスが混合した電解液W4)と処理水W2を混合して電解殺菌水W5(電解水)を生成する混合器6と、を備える。
電解槽2は、複数の電極板を直列配置した複極式の電解槽である。電解槽2は、図1及び図2に示すように、内部に電解質水溶液W3を流通させるケーシング10と、このケーシング10内に軸線O1方向に間隔をあけて並設される複数の電極板11、12と、電極板11、12を軸線O1方向に間隔をあけて並設した状態で保持する複数のスペーサ13、14、15と、ケーシング10の中央部を外側から内側に貫設した電極棒挿入孔16に挿入設置されるとともに軸線O1方向での両端側に位置する一対の電極板11、12にそれぞれ接続して設けられ、電解電源5から電極板11、12に電力を供給する一対の電極棒17、18と、を備える。
ケーシング10は、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂を用いて形成されている。ケーシング10は、図2に示すように、その中心軸が軸線O1方向に向けて配される円筒状の胴体20と、胴体20の開口部を密閉するように胴体20の軸線O1方向両端側に一体に取り付けられる一対の側体21、22とを備える。
また、一方の側体21には、下端部側(電極棒挿入孔16の下側)に、軸線O1方向を向き外面から内面に貫通する流入口26が形成されている。他方の側体22には、上端部側(電極棒挿入孔16の上側)に、軸線O1方向を向き外面から内面に貫通する取出口27が形成されている。
複数の電極板11、12は、チタン合金等の金属製の板体であり、それぞれ、方形板状に形成されている。また、これら電極板11、12は、所定の間隔を空けて対向して配置された側体21、22間に、それぞれの板面を側体21、22の対向方向(軸線O1方向)に向けて並設されている。軸線O1方向での両端側に配置される電極板11、12の中央部には、金属製の電極棒17、18が固定して接続されている。
複数のスペーサ13、14、15はそれぞれ、ケーシング10の胴体20の内径と略同径の外径を備える略円板状に形成されている。また、各スペーサ13、14、15には、その中央に、一方の面から他方の面に貫通して電解室28となる方形状の貫通孔が形成されている。また、貫通孔(28)よりも上方に、一方の面から他方の面に貫通する取出口27が、貫通孔(28)よりも下方に、一方の面から他方の面に貫通する流入口26が形成されている。これら取出口27と流入口26はそれぞれ、一方の面に形成された溝状の流通路30を介して電解室28となる貫通孔に連通している。
本実施形態の給水設備の原料ポンプ3は、図1、図2及び図3に示すように、タンク1と原液W1を吸入する吸入口3aとをチューブ31で接続し、原液W1を吐出する吐出口3b(吐出口)と電解槽2の電解室28に電解質水溶液W3を流入させる流入口26(流入口)とを原料水チューブ32(原料水配管)およびチューブ36(原料水配管)で接続して設けられている。希釈水ポンプ4は、給水源と水W2を吸入する吸入口4aとをチューブ33で接続し、水W2を吐出する吐出口4b(第2吐出口)と電解槽2の流入口26(第2流入口)とを希釈水チューブ34(希釈水配管)およびチューブ36(希釈水配管)で接続して設けられている。
また、本実施形態の給水設備の原料ポンプ3と希釈水ポンプ4には、チューブポンプが用いられている。すなわち、本実施形態の電解水製造装置Aでは、運転停止すると同時に原料ポンプ3や希釈水ポンプ4がチューブを挟み込んだ状態で静止することによって逆止機能が発揮される。このため、従来のように原料ポンプ3や希釈水ポンプ4の吐出口3b、4bと電解槽2の流入口26を接続する配管経路に逆止弁は設けられていない。なお、本発明は、このように逆止機構が設けられた密閉系の装置に適用する方がより効果的であり好ましい。
さらに、本実施形態では、図3に示すように、原料ポンプ3の吐出口3bと希釈水ポンプ4の吐出口4bに接続した各チューブ32、34をチーズ継手35に接続し、このチーズ継手35と電解槽2の流入口26(流入口、第2流入口)とをチューブ36(原料水配管、希釈水配管)で接続している。これにより、チーズ継手35で原液W1と希釈水W2を混合して電解質水溶液W3が生成され、電解槽2に供給される。
なお、本実施形態では、原料ポンプ3の吐出口3bと電解槽2の流入口26とを接続するチューブ32、36を一つの配管(原料水配管)とみなすことができる。同様に、希釈水ポンプ4の吐出口4bと電解槽2の流入口26とを接続するチューブ34、36を一つの配管(希釈水配管)とみなすことができる。また、流入口26は、原液W1を電解槽2に流入させる流入口と、水W2を電解槽2に流入させる流入口(第2流入口)としての働きをいずれも有している。
さらに、本実施形態では、原料ポンプ3の吐出口3bが電解槽2の流入口26に対して上方に配されるように原料ポンプ3が配設されている。換言すれば、流入口26が位置する水平面よりも、吐出口3bは上方に位置している。また、希釈水ポンプ4の吐出口4bが電解槽2の流入口26に対して下方に配されるように希釈水ポンプ4が配設されている。換言すれば、流入口26が位置する水平面よりも、吐出口4bは下方に位置している。
さらに、本実施形態の電解水製造装置Aでは、原料水チューブ32が、原料ポンプ3の吐出口3bに接続した一端32aと電解槽2の流入口26に(直接的あるいはチューブ36を介して間接的に)接続した他端32bとの間に、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を形成して配設されている。すなわち、原料水チューブ32には、一端32a(又は吐出口3b)と他端32b(又は流入口26)との間に電解液移流抑止部40が形成されている。
また、本実施形態では、この原料水チューブ32が、一端32aから他端32bに向かうに従い、一端32aから下方に延び、横方向(水平方向)に延びる中心軸O2回りに湾曲して上方に向けて延び、さらに横方向(水平方向)に延びる中心軸O3回りに湾曲して下方に向けて延びて、他端32bが電解槽2の流入口26に接続されている。なお、他端32bは、チーズ継手35およびチューブ36を介して流入口26に接続されているが、他端32bを流入口26に接続する構成としては、直接接続だけでなくこのような間接接続も含む。このように原料水チューブ32を配設することで、一端32aから他端32bの間にU字状部41と逆U字状部42が形成され、これらU字状部41と逆U字状部42によって一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40が形成されている。すなわち、電解液移流抑止部40は、U字状部41と逆U字状部42を備えて形成されている。
なお、「一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される」とは、換言すれば、他端32b側から一端32a側の方向に向かって下向きの勾配を有する管路があることを意味している。従って、より具体的にいえば、U字状部41と逆U字状部42によって、他端32b側(又は流入口26側)から一端32a側(又は吐出口3b側)に向かうに従い下降する下向勾配管路32c(勾配配管)が形成されている。この下向勾配管路32cを主要部として電解液移流抑止部40が形成されている。すなわち、電解液移流抑止部40の少なくとも一部に、下向勾配管路32cが設けられている。また、下向勾配管路32cは、U字状部41と逆U字状部42の間に配されている。
さらに、本実施形態の電解水製造装置Aでは、希釈水チューブ34が、一端34aと他端34bとの間に、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を形成して配設されている。すなわち、希釈水チューブ34には、一端34a(又は吐出口4b)と他端34b(又は流入口26)との間に第2電解液移流抑止部45が形成されている。
本実施形態では、この希釈水チューブ34が、希釈水ポンプ4の吐出口4bに接続した一端34aから他端34bに向かうに従い、一端34aから上方に延び、横方向(水平方向)に延びる中心軸O4回りに湾曲して下方に向けて延び、さらに横方向(水平方向)に延びる中心軸O5回りに湾曲して上方に向けて延びて、他端34bが電解槽2の流入口26に(直接的あるいは、チーズ継手35およびチューブ36を介して間接的に)接続されている。このように希釈水チューブ34を配設することで、一端34aから他端34bの間に逆U字状部43とU字状部44が形成され、これら逆U字状部43とU字状部44によって一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45が形成されている。すなわち、第2電解液移流抑止部45は、逆U字状部43とU字状部44を備えて形成されている。
なお、「一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される」とは、換言すれば、他端34b側から一端34a側の方向に向かって上向きの勾配を有する管路があることを意味している。従って、より具体的にいえば、逆U字状部43とU字状部44によって、他端34b側(又は流入口26側)から一端34a側(又は吐出口4b側)に向かうに従い上昇する上向勾配管路34c(第2勾配配管)が形成されている。この上向勾配管路34cを主要部として第2電解液移流抑止部45が形成されている。すなわち、第2電解液移流抑止部45の少なくとも一部に、上向勾配管路34cが設けられている。また、上向勾配管路34cは、逆U字状部43とU字状部44の間に配されている。
また、このように配設した原料水チューブ32と希釈水チューブ34は、例えば結束バンド等の図示せぬ固定手段(固定手段、第2固定手段)によって電解液移流抑止部40、45を形成した状態で位置決め固定されている。
次に、上記構成を備える本実施形態の電解水製造装置Aにおいては、電解電源5から電解槽2の電極棒17、18に電力を供給するとともに、原料ポンプ3の駆動によってタンク1から原液W1が送液され、希釈水ポンプ4の駆動によって水源から水W2が送液される。チューブ32、34を流通した原液W1と希釈水W2がチーズ継手35で混合し、所定の電解質濃度に調整された電解質水溶液W3が電解槽2の流入口26からケーシング10内の電解室28に供給されて流通する。
電極棒17、18に電力が供給された状態で電解質水溶液W3が複数の電解室28を流通すると、電気分解されて塩素ガスが発生する。この塩素ガス(あるいは塩素ガスが混合した電解液W4)が電解槽2の取出口27から取り出され、混合器6で処理水W2と混合して電解殺菌水W5が生成される。
従来の電解水製造装置では、運転を停止すると、直ちに、電解液W4が電解槽2からチューブ32、34内に移流する可能性がある。そのため、本実施形態のように、ポンプ3、4にチューブポンプを用いた場合には、チューブの変色や膨潤といった劣化等が発生する場合がある。一方、逆止弁を用いた場合では、パッキンや弁体の短寿命化等が発生する場合がある。
これに対し、本願の発明者らは、この現象を解明するため、第一電解液挙動確認試験と第二電解液挙動確認試験を実施した。
はじめに、図4A〜D及び図5A〜Dを参照して第一電解液挙動確認試験について説明する。この第一電解液挙動確認試験では、次の(1)〜(5)に示す手順で試験を行った。
(1)10mL試験管46、47を3本ずつ用意し、水(水道水)と、3%塩酸溶液と、21%塩酸溶液とをそれぞれ、試験管46、47に5mLずつ注液した。3本の試験管46を第1セット、3本の試験管47を第2セットとする。
(2)3%塩酸溶液を電解質水溶液W3として用い、この電解質水溶液W3を電解水製造装置Aの電解槽2に入れて3時間連続運転し、連続運転後の電解液W4を電解槽2から採取した。なお、採取した電解液W4は、その有効塩素濃度が265.5ppmであった。
(3)採取した電解液W4を室温まで冷却した後、ヨウ化カリウムを添加し、電解液W4中の次亜塩素酸と反応させて染色した。染色後の電解液W4を、染色電解液W4’とする。
(4)染色電解液W4’を1mLずつ、(1)の各試験管46、47内に注液した。染色電解液W4’の投入直後の様子を図4A,5Aに示す。このとき、図4Aに示すように、3本の試験管46(第1セット)には、染色電解液W4’を試験管46内の上から液面に添加(注液)した。また、図5Aに示すように、残りの3本の試験管47(第2セット)には、染色電解液W4’を試験管47の液底に添加した。
(5)各試験管46、47を静置した状態で、染色電解液W4’の投入時から20時間、50時間、100時間後の着色状態の経時変化を観察、記録した。20時間経過後の様子を図4B,5Bに、50時間経過後の様子を図4C,5Cに、100時間経過後の様子を図4D,5Dに示す。
この第一電解液挙動確認試験では、図4A〜Dに示すように、水の液面に染色電解液W4’を添加した場合は、電解液W4’が試験管46の底部に向けて拡散しながら移流し、底部で沈降した。添加後すぐには拡散しきれず時間をかけて試験管全体に拡散したが、移流した電解液W4’の沈降は100時間経過後にも観察された。これに対し、3%塩酸溶液と21%塩酸溶液の液面にそれぞれ染色電解液W4’を添加した場合は、添加後、染色電解液W4’は移流せず、液面近くで滞留した。また、徐々に時間をかけて電解液W4’が下方に拡散する様子が観察された。
また、図5A〜Dに示すように、水の液底に染色電解液W4’を添加した場合は、添加後、染色電解液W4’が移流せずに試験管47の底部で滞留した。移流がおこらずに拡散だけが生じ、徐々に時間をかけて電解液W4’は上方に拡散するが、100時間経過した段階でも全体に拡散するには至らない様子が確認された。一方、3%塩酸溶液と21%塩酸溶液の液底にそれぞれ染色電解液W4’を添加した場合は、添加後、染色電解液W4’は、わずかに拡散しながら液面に向けて移流し、この移流によりすぐに液面まで上昇し、一旦液面に滞留した後、時間経過とともに下方に拡散する様子が観察された。
上記の試験結果から、水中では電解液W4’が下方に移流しかつ液底に溜まりやすく、塩酸溶液中では電解液W4’が上方に移流しかつ液面に溜まりやすいことが確認された。また、時間経過とともに電解液W4’が全体に拡散してゆくことが確認された。
図4A〜D及び図5A〜Dに示すように、電解液W4’の移流は、密度の差により鉛直方向で起きる。表1に、試験で使用した水、塩酸、電解液の比重を示す。表1に示す塩酸と電解液では、塩酸の濃度にかかわらず塩酸の比重は電解液より大きいので、塩酸溶液中での電解液W4’は、添加後すぐに液面まで上昇する挙動(拡散ではなく移流)を示した。
水と電解液W4’では、接液部において、HO+Cl→HClO+HClの反応が起こり、電解液W4’に解けた塩素ガスが水と反応して、次亜塩素酸分子が生成される。水と電解液W4’との反応物(次亜塩素酸水)は水単独よりも比重が大きくなる。
そのため、図4A〜Dのように電解液W4’を水に液面から添加した場合には、電解液W4’の塩素分子が、水分子と反応し次亜塩素酸分子が生成されて、次亜塩素酸とヨウ化カリウムの反応に伴う呈色が、液底まで沈降する挙動(拡散を伴う移流)を示した。
また、図5A〜Dのように電解液W4’を水の液底から添加した場合は、電解液の塩素分子が水分子と反応して、次亜塩素酸分子が生成されて、水単独よりも比重が大きくなるので、液底に留まる挙動(移流)を示した。正確には、化学反応式が平衡に達するまで、塩素ガス⇔次亜塩素酸の反応が繰り返される。
次に、図6A〜F及び図7A〜Fを参照して第二電解液挙動確認試験について説明する。この第二電解液挙動確認試験では、次の(1)〜(8)に示す手順で試験を行った。
(1)PFAチューブ(フッ素樹脂チューブ)をバーナーで熱し高さ150mmのU字状に成形し、水または3%塩酸溶液を充填(注液)した。
(2)水または3%塩酸溶液を充填したPFAチューブの一端部をバーナーで溶かして密閉した。
(3)3%塩酸溶液を電解質水溶液W3として用い、この電解質水溶液W3を電解水製造装置Aの電解槽2に入れて3時間連続運転し、連続運転後の電解液W4を電解槽2から採取した。なお、採取した電解液W4は、その有効塩素濃度が265.5ppmであった。
(4)採取した電解液W4を室温まで冷却した後、ヨウ化カリウムを添加し、電解液W4中の次亜塩素酸と反応させて染色した。染色後の電解液W4を、染色電解液W4’とする。
(5)一端部を密閉した各PFAチューブに、他端部から染色電解液W4’を300μL注液した。
(6)水を充満したPFAチューブは、電解液W4’を注入した他端部をパラフィルムを用いて密閉した。また、3%塩酸溶液を充満したPFAチューブは、その他端部をバーナーで溶かして密閉した。なお、水を充填したチューブは、バーナーによる加熱溶融での密閉を行うと電解液W4’が上昇してしまうため、パラフィルムを用いて他端部の密閉を行うようにしている。
(7)水を充填したチューブは、図6A〜Fに示すように逆U字の姿勢で静置し、3%塩酸溶液を充填したチューブは、図7A〜Fに示すようにU字の姿勢で静置した。これは、第一電解液挙動確認試験の結果に基づいている。染色電解液W4’の投入直後の様子を図6A,7Aに示す。
(8)染色電解液W4’の投入から20時間、50時間、70時間、100時間、200時間における着色状態の経時変化を観察、記録した。20時間経過後の様子を図6B,7Bに、50時間経過後の様子を図6C,7Cに、70時間経過後の様子を図6D,7Dに、100時間経過後の様子を図6E,7Eに、200時間経過後の様子を図6F,7Fに示す。
この第二電解液挙動確認試験において、水を充填したケースでは、図6A〜Fに示すように、他端部(下端部)に添加した染色電解液W4’が下方で滞留し、移流がおこらずに拡散だけが生じた。徐々に時間をかけて電解液W4’が上方に拡散してゆくが、200時間を経過しても、逆U字のチューブ頂部には達しない様子が観察された。
一方、3%塩酸溶液を充填したケースでは、図7A〜Fに示すように、他端部(上端部)に添加した染色電解液W4’が上方で滞留し、移流がおこらずに拡散だけが生じた。徐々に時間をかけて電解液W4’が下方に拡散してゆくが、200時間を経過しても、U字のチューブ底部には達しない様子が観察された。
すなわち、この第二電解液挙動確認試験の結果は、第一電解液挙動確認試験における電解液の挙動と同様であった。
第一及び第二電解液挙動確認試験の結果によれば、原料ポンプ3が電解槽2より上にあると、運転停止後直ちに電解槽2から電解液W4がチューブ32内の電解質水溶液W3(塩酸溶液)中に移流してしまうことが推定される。電解液W4がチューブ32内へ移流することにより、チューブ32等の構成部材が腐食する可能性がある。
また、第一及び第二電解液挙動確認試験の結果によれば、希釈水ポンプ4が電解槽2より下にあると、運転停止後直ちに電解槽2から電解液W4がチューブ34内の水中に移流してしまうことが推定される。電解液W4がチューブ34内へ移流することにより、チューブ34等の構成部材が腐食する可能性がある。
第一及び第二電解液挙動確認試験の結果から、従来、その原因が不明であった原料ポンプ3や希釈水ポンプ4の吐出口3b、4bと電解槽2の流入口26を接続するチューブ32、34の変色や膨潤といった劣化の発生、チューブ32、34の内壁から剥離した剥離物によるチューブ32、34の閉塞等の発生が、電解液W4の移流に起因していることが判明した。さらに、電解液W4の移流は、原料ポンプ3が電解槽2より上にあること、または、希釈水ポンプ4が電解槽2の下にあることにより発生すると判明した。
一方、電解液W4の移流は、他の好ましくない状況を引き起こす可能性があることも判明した。図8Aは電解槽2の運転を停止した直後の状態を示し、図8Bは電解槽2から配管32、34へ電解液W4の移流が進んだ状態を示す。図8Aに示すように、電解槽2の運転が停止した際、前記のように電解槽2の中に残った電解液W4が原料水配管32や希釈水配管34に向かって移流を始める。ところが、電解水製造装置Aの停止中は原料水配管32と希釈水配管34とは図示しない逆止機構によって逆止されており配管32、34内は密閉状態にある。このため、電解液W4が電解槽2から配管32、34に移流すると、図8Bに示すように、逆に原料水配管32側から電解槽2に原料水W3(W1)が移流し、また希釈水配管34側から電解槽2に希釈水W2が移流する。
電解槽2に移流した原料水W3は電解槽2内で下部に滞留し、また希釈水W2は電解槽2内で上部に滞留する。原料水W3は塩素イオン濃度が高い液であるので、電解槽2の内部において、下部は塩素イオン濃度が高く、上部は塩素イオン濃度が低くなり、電解槽2内部に上下方向に塩素イオン濃度の偏在が生じる。この塩素イオンの偏在により電解槽2の運転を再開した際に過電流が発生し、電解水製造装置が異常停止を起こす可能性がある。
以上のように、本願の発明者らは、第一及び第二電解液挙動確認試験の結果から、電解液W4の移流が、原料ポンプ3や希釈水ポンプ4の部品や接続チューブ32、34の劣化、チューブ32、34の閉塞等の原因になるとともに、電解液W4の移流に伴って生じる原料水W3や希釈水W2の移流が停止状態にある電解水製造装置の運転を再開したときの異常停止の原因にもなっていることも突き止めた。
なお、移流の発生にかかわらず、拡散は起きている。すなわち、移流と同時に拡散が起きるか、拡散だけが起きるかの違いはあるが、移流の有無とは無関係に拡散は起きている。ただし、拡散は物質の移動速度が遅く、また、電解液W4が原液W1、希釈水W2、または電解質水溶液W3で希釈されるので、移流に比べれば電解水製造装置に与える影響の程度は小さい。
本実施形態では、一端32aから他端32bの間にU字状部41と逆U字状部42を形成し、これらU字状部41と逆U字状部42によって、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40が原料水チューブ32に形成されている。より詳細には、電解液移流抑止部40は、他端32b側から一端32a側に向かうに従い下降する下向勾配管路32cを備えている。
電解槽2の流入口26に接続した他端32bから電解液W4が原料水チューブ32に向かって移流すると、電解液W4は原料水チューブ32内を矢印X方向に流動し逆U字状部42に達する(図3参照)。しかしながら、その先には下向勾配管路32cが存在している。この下向勾配管路32cは下向きの方向に管路を形成しているため電解液W4はそれ以上は進むことができない。よって、下向勾配管路32cによって、電解液W4が原料水チューブ32の一端32a側にさらに流動することが抑止される。
一方、一端34aから他端34bの間に逆U字状部43とU字状部44を形成し、これら逆U字状部43とU字状部44によって、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45が希釈水チューブ34に形成されている。より詳細には、第2電解液移流抑止部45は、他端34b側から一端34a側に向かうに従い上昇する上向勾配管路34cを備えている。
電解槽2の流入口26に接続した他端34bから電解液W4が希釈水チューブ34に向かって移流すると、電解液W4は希釈水チューブ34内を矢印Y方向に流動しU字状部44に達する(図3参照)。しかしながら、その先には上向勾配管路34cが存在している。この上向勾配管路34cは上向きの方向に管路を形成しているため電解液W4はそれ以上は進むことができない。よって、上向勾配管路34cによって、電解液W4が希釈水チューブ34の一端34a側にさらに流動することが抑止される。
本願の発明者は、上述の通り、逆止機構で電解槽2の電解液W4の逆流を抑止しているにもかかわらず、電解水製造装置Aの運転停止後に、電解液W4が電解槽2から原料水チューブ32内に侵入する現象の原因を解明した。これに基づき、本実施形態の電解水製造装置Aにおいては、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を形成して原料水チューブ32を配設する。これにより、原料ポンプ3の吐出口3bが電解槽2の流入口26よりも上方に配されるように原料ポンプ3を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が原料ポンプ3に接続した原料水チューブ32内に侵入することを抑止できる。
結果として、構成部材が電解液W4によって腐食することを抑止でき、構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置Aを提供することが可能になる。
また、本願の発明者が解明した上記現象の原因に基づき、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を形成して希釈水チューブ34を配設する。これにより、希釈水ポンプ4の吐出口4bが電解槽2の流入口26よりも下方に配されるように希釈水ポンプ4を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が希釈水ポンプ4に接続した希釈水チューブ34内に侵入することを抑止できる。
結果として、構成部材が電解液W4によって腐食することを抑止でき、さらなる構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、さらに耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置Aを提供することが可能になる。
また、原料水チューブ32及び希釈水チューブ34を、電解液移流抑止部40、45を形成した状態で固定する固定手段を備えている。そのため、電解液移流抑止部40、45を形成した状態で原料水チューブ32及び希釈水チューブ34を保持することができ、電解槽2から電解液W4が原料ポンプ3や希釈水ポンプ4に接続したチューブ32、34内に侵入することを抑止できる。
さらに、本実施形態の電解水製造装置Aにおいては、原料水チューブ32及び希釈水チューブ34の一端32a、34aから他端32b、34bに向かうに従い、横方向(水平方向)に延びる中心軸O2〜O5周りに湾曲するU字状部41、44及び逆U字状部42、43を備えて電解液移流抑止部40、45が形成されている。これにより、原料水チューブ32においては、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を確実且つ容易に形成することができる。また、希釈水チューブ34においては、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を確実且つ容易に形成することができる。
また、本実施形態の電解槽製造装置Aにおいては、電解槽2から原料水チューブ32や希釈水チューブ34に向けての電解液W4の移流を抑止できるので、同時に原料水チューブ32や希釈水チューブ34から電解槽2に向けての原料水W3や希釈水W2の移流も抑止できる。このため、電解水製造装置Aの停止中に電解槽2内に原料水W3や希釈水W2が侵入することがなく、電解槽2内部で塩素イオンが上下方向に偏在してしまう現象を防止できる。従って、電解水製造装置Aを停止状態から運転を再開したときに過電流の発生により装置が異常停止することを抑止できる。このため、従来よりも安定した運転ができる電解水製造装置Aを提供することが可能になる。
以上、本発明に係る電解水製造装置の第1実施形態について説明したが、本発明は上記の第1実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、原液W1や希釈水W2を供給する原料ポンプ3や希釈水ポンプ4がチューブポンプであったが、他の種類のポンプを原料ポンプ3や希釈水ポンプ4に用いてもよい。これらポンプ3、4の吐出口3b、4bと電解槽2の流入口26を接続するチューブ32、34に逆止弁を設けて電解水製造装置Aが構成されていてもよい。この場合においても、原料ポンプ3や希釈水ポンプ4を電解槽2に対して本実施形態と同様の位置関係で配設することによって、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
この場合、逆止弁もまた電解水製造装置Aの構成部品であるため、逆止弁が電解液W4に接触することは好ましくない。従って、この場合は電解槽2と逆止弁との間に電解液移流抑止部40、45を設けることが好ましい。そのような配置であれば、電解液移流抑止部40、45が電解槽2からの電解液W4の移流を抑止するため、電解液W4が逆止弁に接触することを防止できる。
また、本実施形態では、原料水チューブ32及び希釈水チューブ34の一端32a、34aから他端32b、34bに向かうに従い、横方向(水平方向)に延びる中心軸O2〜O5周りに湾曲して構成されるU字状部41、44及び逆U字状部42、43を備えて電解液移流抑止部40、45が形成されている。
これに対し、図9に示すように、原料水チューブ32においては、原料ポンプ3の吐出口3bに接続した一端32aから他端32bに向かうに従い、一端32aから上方に延び、次いで横方向(水平方向)に延びる中心軸O2回りに湾曲して下方に向けて延びて、他端32bを電解槽2の流入口26に接続してもよい。このように原料水チューブ32を配設することで形成された逆U字状部42によって電解液移流抑止部40を形成するようにしてもよい。この場合は、原料水チューブ32において一端32aから上方に延びた部分が下向勾配管路32cを形成する。
この場合においても、電解槽2の流入口26に接続した他端32b側から原料水チューブ32内を矢印X方向で流動する電解液W4が、下向勾配管路32cに到達すると、管路が下向きであるため電解液W4はそれ以上は進むことができない。このため、電解液W4が原料水チューブ32の一端32a側にさらに流動することを抑止でき、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
また、希釈水チューブ34においても、図9に示すように、希釈水ポンプ4の吐出口4bに接続した一端34aから他端34bに向かうに従い、一端34aから下方に延び、次いで横方向(水平方向)に延びる中心軸O4回りに湾曲して上方に向けて延びて、他端34bを電解槽2の流入口26に接続してもよい。このように希釈水チューブ34を配設することで形成されたU字状部44によって第2電解液移流抑止部45を形成するようにしてもよい。この場合は、希釈水チューブ34において一端34aから下方に延びた部分が上向勾配管路34cを形成する。
この場合においても、電解槽2の流入口26に接続した他端34b側から希釈水チューブ34内を矢印Y方向で流動する電解液W4が、上向勾配管路34cに到達すると、管路が上向きであるため電解液W4はそれ以上は進むことができない。このため、電解液W4が希釈水チューブ34の一端34a側にさらに流動することを抑止でき、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
さらに、本実施形態では、図1及び図3に示したように、原料水チューブ32と希釈水チューブ34をチーズ継手35で接続し、原料ポンプ3で供給した原液W1に希釈水ポンプ4で供給した希釈水W2をチーズ継手35で混合させて所定濃度の電解質水溶液W3を生成し、生成した電解質水溶液W3を電解槽2に流入させるように電解水製造装置Aが構成されている。
これに対し、図10、図11、図12に示すように、原料ポンプ3と希釈水ポンプ4をそれぞれ個別に電解槽2に接続し、原料ポンプ3から供給した原液W1と、希釈水ポンプ4から供給した希釈水W2とを電解槽2内で混合させ、所定濃度の電解質水溶液W3を電解槽2内で流通させるように電解水製造装置Aが構成されていてもよい。
また、図13(及び図11)に示すように、予め原液W1と希釈水W2を混合して所定濃度に調整した電解質水溶液W3を原料ポンプ3で電解槽2に供給するように電解水製造装置Aが構成されていてもよい。すなわち、希釈水ポンプ4を備えていなくてもよい。
なお、図9に示した構成とは逆に、U字状部41のみからなる電解液移流抑止部40を原料水チューブ32に形成する場合には、図14に示すように構成される。この場合は、原料水チューブ32において流入口26からから下方に延びた部分が下向勾配管路32cとして形成される。同様に、図9に示した構成とは逆に、逆U字状部43のみからなる第2電解液移流抑止部45を形成する場合には、図15に示すように構成される。この場合は、希釈水チューブ34において流入口26からから上方に延びた部分が上向勾配管路34cとして形成される。
上記のように構成した場合においても、本実施形態と同様に原料水チューブ32や希釈水チューブ34に電解液移流抑止部40、45を形成することによって、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
なお、図11、図12、図14および図15では、ケーシング10の一方の側体21に一つの流入口26が形成されている。図11、14では原料水チューブ32が流入口26に接続され、図12、15では希釈水チューブ34が流入口26に接続されている。一方、図10のように原料ポンプ3と希釈水ポンプ4をそれぞれ個別に電解槽2に接続する場合には、ケーシング10の一方の側体21に2つの流入口26(流入口、第2流入口)を形成し、各流入口26に原料水チューブ32と希釈水チューブ34を接続してもよい。また、ケーシング10の一対の側体21、22に、それぞれ流入口26を形成してもよい。
本実施形態では、図3に示すように、原料水チューブ32と希釈水チューブ34をチーズ継手35で接続して電解水製造装置Aを構成している。この場合、図16に示すように、原料W1を供給する原料ポンプ3の吐出口3b(図16中図示せず)が電解槽2の流入口26よりも高い位置にあり、かつ希釈水W2を供給する希釈水ポンプ4の吐出口4b(図16中図示せず)が電解槽2の流入口26よりも低い位置にあると、電解槽2の運転が停止した際に電解槽2に残留した電解液W4がチーズ継手35に移流する。電解液W4は原料水チューブ32内を矢印X方向に上方に移流し、かつ希釈水チューブ34内を矢印Y方向に下方に移流する。逆に原料水チューブ32から原料W1が電解槽2内に移流し、かつ希釈水チューブ34から希釈水W2が電解槽2内に移流する。
すなわち、図3に示した電解水製造装置Aにおいては、電解液W4が、チーズ継手35から原料水チューブ32の逆U字状部42まで、且つチーズ継手35から希釈水チューブ34のU字状部44まで移流する。しかしながら、電解液移流抑止部40、45によって、電解液Wがさらに原料水チューブ32の一端32a側に、且つ希釈水チューブ34の一端34a側に流動することが抑止される。
なお、図16の場合であっても拡散の現象は生じるが、拡散についての電解水製造装置Aに対する影響は移流に比べて僅かである。
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図17を参照し、本発明の第2実施形態に係る電解水製造装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態と同様に、塩素イオンを含有する原料水である電解質水溶液を電気分解して電解水を製造するための電解水製造装置に関しており、第1実施形態に対して電解液移流抑止部の構成のみが異なる。よって、第1実施形態と同様の構成に対しては、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の電解水製造装置Aでは、図17に示すように、原料水チューブ32(原料水配管)が、一端32a(又は吐出口3b)と他端32b(又は流入口26)との間に、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を形成して配設されている。
また、希釈水チューブ34(希釈水配管)が、一端34a(又は吐出口4b)と他端34b(又は流入口26)との間に、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を形成して配設されている。
本実施形態では、原料水チューブ32と希釈水チューブ34の電解液移流抑止部40、45がそれぞれ、一端32a、34aから他端32b、34bに向かうに従い、上下方向(鉛直方向)に延びる中心軸O6、O7周りに巻回された環状(ループ状)に形成されている。
具体的には、原料水チューブ32は、他端32bから一端32aに向かうに従い下方に延びるように、中心軸O6回りに巻回された環状(ループ状)に形成されている。この環状の原料水チューブ32の形状が、他端32b側(又は流入口26側)から一端32a側(又は吐出口3b側)に向かうに従い下降する下向勾配管路32c(勾配配管)を形成している。この下向勾配管路32cが、電解液移流抑止部40の要部となっている。すなわち、電解液移流抑止部40の少なくとも一部に、下向勾配管路32cが設けられている。
また、希釈水チューブ34は、他端34bから一端34aに向かうに従い上方に延びるように、中心軸O7回りに巻回された環状(ループ状)に形成されている。この環状の希釈水チューブ34の形状が、他端34b側(又は流入口26側)から一端34a側(又は吐出口4b側)に向かうに従い上昇する上向勾配管路34cを形成している。この上向勾配管路34cが、第2電解液移流抑止部45の要部となっている。すなわち、第2電解液移流抑止部45の少なくとも一部に、上向勾配管路34cが設けられている。
図17に示すように、電解水製造装置Aの運転停止時において電解液W4は、電解槽2の流入口26に接続した他端32b側から矢印X方向で原料水チューブ32内を流動し、電解液移流抑止部40の下向勾配管路32cに至る。下向勾配管路32cが下方に向かうために、電解液W4はそれよりも先に進むことができなくなり、電解液W4が原料水チューブ32の一端32a側にさらに流動することが抑止される。
また、電解水製造装置Aの運転停止時において電解液W4は、電解槽2の流入口26に接続した他端34b側から矢印Y方向で希釈水チューブ34内を流動し、第2電解液移流抑止部45の上向勾配管路34cに至る。上向勾配管路34cが上方に向かうために、電解液W4はそれよりも先に進むことができなくなり、電解液W4が希釈水チューブ34の一端34a側にさらに流動することが抑止される。
本実施形態では、一端32aから他端32bに向かうに従い、上下方向に延びる中心軸O6周りに巻回される環状に形成されると共に下向勾配管路32cを備える電解液移流抑止部40を設けて、原料水チューブ32が配設されている。また、一端34aから他端34bに向かうに従い、上下方向に延びる中心軸O7周りに巻回される環状に形成されると共に上向勾配管路34cを備える第2電解液移流抑止部45を設けて、希釈水チューブ34が配設されている。
したがって、本実施形態の電解水製造装置Aにおいても、第1実施形態と同様に、原料ポンプ3の吐出口3bが電解槽2の流入口26よりも上方に配されるように原料ポンプ3を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が原料ポンプ3に接続した配管32内に流動することを抑止できる。また、希釈水ポンプ4の吐出口4bが電解槽2の流入口26よりも下方に配されるように希釈水ポンプ4を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が希釈水ポンプ4に接続した配管34内に流動することを抑止できる。
よって、構成部材が電解液W4によって腐食することを抑止でき、構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置Aを提供することが可能になる。
さらに、上記のように原料水チューブ32を配設することで、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を確実且つ容易に形成することができる。また、上記のように希釈水チューブ34を配設することで、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を確実且つ容易に形成することができる。
以上、本発明に係る電解水製造装置の第2実施形態について説明したが、本発明は上記の第2実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態の変更例を含め、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図10に示すように、原料ポンプ3と希釈水ポンプ4をそれぞれ個別に電解槽2に接続し、原料ポンプ3から供給した原液W1と、希釈水ポンプ4から供給した希釈水W2とを電解槽2内で混合させ、所定濃度の電解質水溶液W3を電解槽2内で流通させる場合には、図18、図19に示すように構成すればよい。また、図13に示すように、予め原液W1と希釈水W2を混合して、所定濃度に調整した電解質水溶液W3を原料ポンプ3で電解槽2に供給する場合には、図18に示すように構成すればよい。
上記のように構成した場合においても、本実施形態と同様に原料水チューブ32や希釈水チューブ34に電解液移流抑止部40、45を形成することによって、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
(第3実施形態)
次に、図1、図2、図20を参照し、本発明の第3実施形態に係る電解水製造装置について説明する。本実施形態は、第1、第2実施形態に対して電解液移流抑止部の構成のみが異なる。よって、第1、第2実施形態と同様の構成に対しては、その詳細な説明を省略する。
図20に示す本実施形態の電解水製造装置Aでは、第1、第2実施形態と同様に、原料水チューブ32(原料水配管)が、一端32aと他端32bとの間に、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を形成して配設されている。また、希釈水チューブ34(希釈水配管)が、一端34aと他端34bとの間に、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を形成して配設されている。
また、本実施形態において、原料水チューブ32と希釈水チューブ34の電解液移流抑止部40、45はそれぞれ、一端32a、34aから他端32b、34bに向かうに従い、横方向(水平方向)に延びる中心軸O8、O9周りに巻回される環状(ループ状)に形成されている。
具体的には、原料水チューブ32は、他端32bから一端32aに向かうに従い、下方に進み始めた後に中心軸O8回りで巻回されて環状(ループ状)に形成されている。この環状の原料水チューブ32における下方に進み始める部位が、他端32b側(又は流入口26側)から一端32a側(又は吐出口3b側)に向かうに従い下降する下向勾配管路32c(勾配配管)を形成している。この下向勾配管路32cが、電解液移流抑止部40の要部となっている。
また、希釈水チューブ34は、他端34bから一端34aに向かうに従い、下方に進み始めた後に中心軸O9回りで巻回されて環状(ループ状)に形成されている。この環状の希釈水チューブ34における下方に進んだ後に上方に進み始める部位が、他端34b側(又は流入口26側)から一端34a側(又は吐出口4b側)に向かうに従い上昇する上向勾配管路34c(第2勾配配管)を形成している。この上向勾配管路34cが、第2電解液移流抑止部45の要部となっている。
図20に示すように、電解水製造装置Aの運転停止時において電解液W4は、電解槽2の流入口26に接続した他端32b側から矢印X方向で原料水チューブ32内を流動し、電解液移流抑止部40の下向勾配管路32cに至る。下向勾配管路32cが下方に向かうために、電解液W4はそれよりも先に進むことができなくなり、電解液W4が原料水チューブ32の一端32a側にさらに流動することが抑止される。
また、電解水製造装置Aの運転停止時において電解液W4は、電解槽2の流入口26に接続した他端34b側から矢印Y方向で希釈水チューブ34内を流動し、第2電解液移流抑止部45の上向勾配管路34cに至る。上向勾配管路34cが一旦下方に向かったのち上方に向かうために、電解液W4はそれよりも先に進むことができなくなり、電解液W4が希釈水チューブ34の一端34a側にさらに流動することが抑止される。
本実施形態では、一端32aから他端32bに向かうに従い、横方向(水平方向)に延びる中心軸O8周りに巻回される環状に形成されると共に下向勾配管路32cを備える電解液移流抑止部40を設けて、原料水チューブ32が配設されている。また、一端34aから他端34bに向かうに従い、横方向(水平方向)に延びる中心軸O9周りに巻回される環状に形成されると共に上向勾配管路34cを備える第2電解液移流抑止部45を設けて、希釈水チューブ34が配設されている。
したがって、本実施形態の電解水製造装置Aにおいても、第1、第2実施形態と同様に、原料ポンプ3の吐出口3bが電解槽2の流入口26よりも上方に配されるように原料ポンプ3を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が原料ポンプ3に接続した配管32内の電解液移流抑止部40より先へ流動することを抑止できる。また、希釈水ポンプ4の吐出口4bが電解槽2の流入口26よりも下方に配されるように希釈水ポンプ4を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が希釈ポンプ4に接続した配管34内の第2電解液移流抑止部45より先へ流動することを抑止できる。
よって、構成部材が電解液W4によって腐食することを抑止でき、構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置Aを提供することが可能になる。
さらに、上記のように原料水チューブ32を配設することで、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を確実且つ容易に形成することができる。また、上記のように希釈水チューブ34を配設することで、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を確実且つ容易に形成することができる。
以上、本発明に係る電解水製造装置の第3実施形態について説明したが、本発明は上記の第3実施形態に限定されるものではなく、第1、第2実施形態の変更例を含め、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図20には電解槽2の流入口26が位置する水平面から下方に突出するループ状の電解液移流抑止部40、45を図示したが、図21に示すように、電解槽2の流入口26が位置する水平面から上方に突出するループ状の電解液移流抑止部40、45を形成してもよい。この構成によっても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。また、図22に示すように、電解槽2の流入口26が位置する鉛直面から横方向に突出するループ状の電解液移流抑止部40、45を形成してもよい。この構成によっても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
また、図10に示すように、原料ポンプ3と希釈水ポンプ4をそれぞれ個別に電解槽2に接続し、原料ポンプ3から供給した原液W1と、希釈水ポンプ4から供給した希釈水W2とを電解槽2内で混合させ、所定濃度の電解質水溶液W3を電解槽2内で流通させる場合には、図23から図28に示すように構成すればよい。また、図13に示すように、予め原液W1と希釈水W2を混合して所定濃度に調整した電解質水溶液W3を原料ポンプ3で電解槽2に供給する場合には、図23、図25および図27に示すように構成すればよい。
上記のように構成した場合においても、本実施形態と同様に原料水チューブ32や希釈水チューブ34に電解液移流抑止部40、45を形成することによって、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
(第4実施形態)
次に、図1、図2、図29を参照し、本発明の第4実施形態に係る電解水製造装置について説明する。本実施形態は、第1、第2、第3実施形態に対して電解液移流抑止部の構成のみが異なる。よって、第1、第2、第3実施形態と同様の構成に対しては、その詳細な説明を省略する。
図29に示す本実施形態の電解水製造装置Aでは、第1、第2、第3実施形態と同様に、原料水チューブ32(原料水配管)が、一端32aと他端32bとの間に、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を形成して配設されている。また、希釈水チューブ34(希釈水配管)が、一端34aと他端34bとの間に、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を形成して配設されている。
本実施形態において、原料水チューブ32の電解液移流抑止部40は、原料水チューブ32の一端32aと他端32bとの間に、一端32aから他端32bに向かうに従い上方に傾斜する段部50を備えて形成されている。また、希釈水チューブ34の第2電解液移流抑止部45は、希釈水チューブ34の一端34aと他端34bとの間に、一端34aから他端34bに向かうに従い下方に傾斜する段部51(第2段部)を備えて形成されている。
この段部50が、他端32b側(又は流入口26側)から一端32a側(又は吐出口3b側)に向かうに従い下降する下向勾配管路32cを形成し、電解液移流抑止部40の要部となっている。
また、段部51が、他端34b側(又は流入口26側)から一端34a側(又は吐出口4b側)に向かうに従い上昇する上向勾配管路34cを形成し、第2電解液移流抑止部45の要部となっている。
電解水製造装置Aの運転停止時において電解液W4は、電解槽2の流入口26に接続した他端32b側から矢印X方向で原料水チューブ32内を流動し、段部50(電解液移流抑止部40)の下向勾配管路32cに至る。下向勾配管路32cが下方に向かうために、電解液W4はそれよりも先に進むことができなくなり、電解液W4が原料水チューブ32の一端32a側にさらに流動することが抑止される。
また、電解水製造装置Aの運転停止時において電解液W4は、電解槽2の流入口26に接続した他端34b側から矢印Y方向で希釈水チューブ34内を流動し、段部51(第2電解液移流抑止部45)の上向勾配管路34cに至る。上向勾配管路34cが上方に向かうために、電解液W4はそれよりも先に進むことができなくなり、電解液W4が希釈水チューブ34の一端34a側にさらに流動することが抑止される。
本実施形態では、一端32aから他端32bに向かうに従い上方に傾斜する段部50(電解液移流抑止部40)として形成された下向勾配管路32cを設けて、原料水チューブ32が配設されている。また、一端34aから他端34bに向かうに従い下方に傾斜する段部51(第2電解液移流抑止部45)として形成された上向勾配管路34cを設けて、希釈水チューブ34が配設されている。
したがって、本実施形態の電解水製造装置Aにおいても、第1、第2、第3実施形態と同様に、原料ポンプ3の吐出口3bが電解槽2の流入口26よりも上方に配されるように原料ポンプ3を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が原料ポンプ3に接続した配管32内の電解液移流抑止部40より先へ流動することを抑止できる。また、希釈水ポンプ4の吐出口4bが電解槽2の流入口26よりも下方に配されるように希釈水ポンプ4を設けた場合であっても、運転停止後直ちに、電解槽2から電解液W4が希釈ポンプ4に接続した配管34内の第2電解液移流抑止部45より先へ流動することを抑止できる。
よって、構成部材が電解液W4によって腐食することを抑止でき、構成部材の長寿命化を図ることが可能になる。また、構成部材の交換頻度を低くすることができ、耐久性、経済性、及び信頼性に優れた電解水製造装置Aを提供することが可能になる。
さらに、上記のように原料水チューブ32を配設することで、一端32a側に対して他端32b側を上方に配して構成される電解液移流抑止部40を確実且つ容易に形成することができる。また、上記のように希釈水チューブ34を配設することで、一端34a側に対して他端34b側を下方に配して構成される第2電解液移流抑止部45を確実且つ容易に形成することができる。
以上、本発明に係る電解水製造装置の第4実施形態について説明したが、本発明は上記の第4実施形態に限定されるものではなく、第1、第2、第3実施形態の変更例を含め、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図10に示すように、原料ポンプ3と希釈水ポンプ4をそれぞれ個別に電解槽2に接続し、原料ポンプ3から供給した原液W1と、希釈水ポンプ4から供給した希釈水W2とを電解槽2内で混合させ、所定濃度の電解質水溶液W3を電解槽2内で流通させる場合には、図30および図31に示すように構成すればよい。また、図13に示すように、予め原液W1と希釈水W2を混合して所定濃度に調整した電解質水溶液W3を原料ポンプ3で電解槽2に供給する場合には、図30に示すように構成すればよい。
上記のように構成した場合においても、本実施形態と同様に原料水チューブ32や希釈水チューブ34に電解液移流抑止部40、45を形成することによって、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
本発明は、塩素イオンを含有する原料水を電気分解して電解水を製造する電解水製造装置に広く利用することができる。
1 タンク
2 電解槽
3 原料ポンプ
3a 吸入口
3b 吐出口
4 希釈水ポンプ
4a 吸入口
4b 吐出口(第2吐出口)
5 電解電源
6 混合器
10 ケーシング
11,12 電極板
13,14,15 スペーサ
16 電極棒挿入孔
17,18 電極棒
20 胴体
21,22 側体
26 流入口(流入口、第2流入口)
27 取出口
28 電解室
30 流通路
31 チューブ
32 原料水チューブ(原料水配管)
32a 一端
32b 他端
32c 下向勾配管路(勾配配管)
33 チューブ
34 希釈水チューブ(希釈水配管)
34a 一端
34b 他端
34c 上向勾配管路(第2勾配配管)
35 チーズ継手
36 チューブ(原料水配管、希釈水配管)
40 電解液移流抑止部
41 U字状部
42 逆U字状部
43 逆U字状部
44 U字状部
45 第2電解液移流抑止部
46 試験管
47 試験管
50 段部
51 段部(第2段部)
A 電解水製造装置
W1 原液(原料水)
W2 水(希釈水)
W3 電解質水溶液(原料水)
W4 電解液
W5 電解殺菌水(電解水)

Claims (12)

  1. 塩素イオンを含有する原料水を電気分解して電解水を製造する電解水製造装置であって、
    電解槽と、
    前記電解槽に前記原料水を供給する原料ポンプと、
    前記原料水を吐出する前記原料ポンプの吐出口と、前記原料水を流入させる前記電解槽の流入口とを接続する原料水配管と、
    前記原料水配管において、前記吐出口と前記流入口との間に形成される電解液移流抑止部と、を備え、
    前記吐出口が前記流入口よりも上方に配されるように前記原料ポンプが設けられ、
    前記電解液移流抑止部の少なくとも一部に、前記吐出口側よりも前記流入口側を上方に配し、電解液が電解槽から原料ポンプに接続した配管内に移流することを抑止する勾配配管が設けられている電解水製造装置。
  2. 前記原料水が所定の電解質濃度になるように前記原料水を希釈するための希釈水を供給する希釈水ポンプと、
    前記希釈水を吐出する前記希釈水ポンプの第2吐出口と、前記希釈水を流入させる前記電解槽の第2流入口とを接続する希釈水配管と、
    前記希釈水配管において、前記第2吐出口と前記第2流入口との間に形成される第2電解液移流抑止部と、をさらに備え、
    前記第2吐出口が前記第2流入口よりも下方に配されるように前記希釈水ポンプが設けられ、
    前記第2電解液移流抑止部の少なくとも一部に、前記第2吐出口側よりも前記第2流入口側を下方に配した第2勾配配管が設けられている請求項1に記載の電解水製造装置。
  3. 前記電解液移流抑止部を形成した状態で前記原料水配管を固定する固定手段をさらに備える請求項1に記載の電解水製造装置。
  4. 前記第2電解液移流抑止部を形成した状態で前記希釈水配管を固定する第2固定手段をさらに備える請求項2に記載の電解水製造装置。
  5. 前記電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の電解水製造装置。
  6. 前記電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りで湾曲するU字状部及び逆U字状部の少なくとも一方を備えて形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の電解水製造装置。
  7. 前記電解液移流抑止部が、鉛直方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の電解水製造装置。
  8. 前記第2電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている請求項2又は4に記載の電解水製造装置。
  9. 前記第2電解液移流抑止部が、水平方向に延びる中心軸周りで湾曲するU字状部及び逆U字状部の少なくとも一方を備えて形成されている請求項2又は4に記載の電解水製造装置。
  10. 前記第2電解液移流抑止部が、鉛直方向に延びる中心軸周りに巻回される環状に形成されている請求項2又は4に記載の電解水製造装置。
  11. 前記電解液移流抑止部が、前記吐出口から前記流入口に向かうに従い上方に傾斜する段部を備えて形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の電解水製造装置。
  12. 前記第2電解液移流抑止部が、前記第2吐出口から前記第2流入口に向かうに従い下方に傾斜する第2段部を備えて形成されている請求項2または4に記載の電解水製造装置。
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