JP4381178B2 - 電解殺菌水の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電解殺菌水の製造装置に関する。
塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質を添加した水を電気分解すると、陽極側に強酸性、陰極側に強アルカリ性の電解水が生成する。陽極−陰極間にイオン交換膜などの隔膜を設置する有隔膜電解法により電気分解を行うと、陽極側からは次亜塩素酸を含む強酸性水が、陰極側からは強アルカリ性水が得られる。また、陽極−陰極間に隔膜を設置しない無隔膜電解法により電気分解を行うと、生じた強酸性水および強アルカリ性水が反応して次亜塩素酸ナトリウムを含む弱酸性水が得られる。これらのうち、強酸性水および弱酸性水(本明細書では、これらを総称して「酸性水」という)は、含まれる次亜塩素酸の作用により、強力な殺菌効果を示すことが知られており、電解殺菌水として使用されている。
特開2004−8973公報
ところで、次亜塩素酸は、有機物との反応、紫外線の照射による分解等により容易に消費される。このため、電解殺菌水を放置しておくと、経時的に次亜塩素酸が失われて殺菌能力が低下してしまう。しかし、次亜塩素酸水溶液は無色透明であり、そのような状態となっても見た目の変化は起こらない。このため、殺菌能力の有無を判断するためには、pHの測定、残留塩素の測定、酸化還元電位(ORP)等の煩雑な測定を行うより他なかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、殺菌能力の低下を簡易に判定可能な電解殺菌水、その製造方法および装置を提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係る電解殺菌水の製造装置は、一対の電極を備えた電解槽と、この電解槽に水を供給する給水路と、前記電解槽において電気分解により生成する酸性水を前記電解槽から流出させる流出路とを備える電解殺菌水の製造装置であって、前記電解槽に電解質水溶液を供給するための電解質供給路およびヨウ素化合物水溶液を供給するためのヨウ素供給路がそれぞれ設けられ、前記ヨウ素供給路は前記給水路に接続され、前記電解質供給路および前記ヨウ素供給路には、前記電解質水溶液およびヨウ素化合物水溶液の流入量を制御するためのポンプがそれぞれ設けられ、前記ヨウ素化合物がヨウ化ナトリウムであり、前記電解殺菌水中の前記ヨウ化ナトリウムの濃度が7×10 −5 mol/L〜8×10 −4 mol/Lとなるように前記ヨウ化ナトリウム水溶液が供給されることを特徴とする。
また、電気分解は陽極と陰極の間にイオン交換膜を設ける有隔膜電解法によって行ってもよく、隔膜を設けない無隔膜電解法によって行ってもよい。有隔膜電解法によって行う場合には、陽極側に生成する強酸性電解水を電解殺菌水に使用すればよい。
本発明によれば、電解殺菌水に微量のヨウ素化合物を添加する。すると、このヨウ素化合物(例えばヨウ化カリウム)が、電解殺菌水に含まれる次亜塩素酸と下記式(1)のように反応し、ヨウ素を生成する。
HClO+2KI→I+KCl+KOH・・・(1)
生じたヨウ素により電解殺菌水は褐色に着色する。
さて、この電解殺菌水を放置、または殺菌のために使用すると、殺菌成分である次亜塩素酸は有機物との反応、紫外線の照射による分解等によって消費され、電解殺菌水の殺菌作用が低下していく。同時に、ヨウ素も気化、有機物との反応等により濃度が低下し、電解殺菌水の色が徐々に消失していく。
このため、ヨウ素が消費されて色の消失が生じたときには、次亜塩素酸もある程度の量が消費されて電解殺菌水の殺菌能力が低下した状態となっている。したがって、着色の有無や退色の度合いを目視で確認するのみで、電解殺菌水の殺菌能力の低下を簡易に確認することができる。
ヨウ素化合物は、電気分解前の水に添加してもよく、電気分解後に得られた電解水に添加してもよいが、電気分解前に添加することが好ましい。ヨウ素による発色が強く起こるためである。この理由は必ずしも明らかではないが、ヨウ素化合物が次亜塩素酸による酸化作用に加え、電気分解による酸化作用も受けることにより、ヨウ素が多く生成されるためと推測される。
<第1参考例
以下、本発明の第1参考例について、図1を参照しつつ詳細に説明する。
図1には、本参考例の電解殺菌水の製造装置10の概略図を示す。この製造装置10は、陽極12と陰極13との間にイオン交換膜14を設けた2室型電解槽タイプのものである。
この製造装置10には、水1を貯留可能な電解槽11が備えられている。電解槽11の内部には、陽イオンを選択的に通過させるイオン交換膜14が設けられており、これにより内部が陽極室15、陰極室16の2室に仕切られている。陽極室15、陰極室16には、それぞれ陽極12および陰極13(本発明の一対の電極に該当する)が設置されている。この陽極12および陰極13は、それぞれ図示しない直流電源に接続されている。
電解槽11には、内部に水1を供給するための給水管17(本発明の給水路に該当する)が接続されている。この給水管17の一端側は図示しない水道に接続されており、他端側は二股に分かれてそれぞれ陽極室15、陰極室16に接続されている。二股に分かれた給水管17のうち、陽極室側分岐17Aには、電解質としての塩化ナトリウムを溶解した水溶液2、およびヨウ素化合物としてのヨウ化カリウムを溶解した水溶液3を電解槽11に供給するための電解質供給管20、およびヨウ素供給管21(本発明の供給路に該当する)がそれぞれ分岐接続されている。この2つの供給管20、21は、それぞれ塩化ナトリウム水溶液2およびヨウ化カリウム水溶液3を貯留可能な供給タンク22、23に連結されている。両供給管20、21には、塩化ナトリウム水溶液2およびヨウ化カリウム水溶液3の流入量を制御するためのポンプ24が設けられている。
また、電解槽11には、陽極室15に生成した強酸性電解水、および陰極室16に生成した強アルカリ性電解水を外部に排出するための排出管25A、25B(本発明の流出路に該当する)が接続されている。
この製造装置10を用いて電解殺菌水を製造する場合には、水道から水1を給水管17を介して電解槽11内に供給する。このとき、電解質供給管20、およびヨウ素供給管21を介して塩化ナトリウム水溶液2およびヨウ化カリウム水溶液3を供給し、陽極室15に流れ込む水1にのみ塩化ナトリウムおよびヨウ化カリウムを添加する。添加量は、水溶液2、3の流入量をポンプ24で制御することにより調整する。
そして、陽極12および陰極13が水1に浸漬された状態で、両電極12,13間に直流電圧を印加して電気分解を行う。これにより、陽極12の周囲に次亜塩素酸を含む強酸性電解水が、陰極13の付近に強アルカリ性電解水が生成する。同時に、生成した次亜塩素酸の一部がヨウ化カリウムと反応してヨウ素が生成し、強酸性電解水は褐色に着色される。
生成した強酸性電解水、および強アルカリ性電解水は、それぞれ排出管25A、25Bから排出される。これらのうち強酸性電解水を採取し、電解殺菌水として使用する。
さて、この電解殺菌水を放置、または殺菌のために使用すると、殺菌成分である次亜塩素酸は有機物との反応、紫外線の照射による分解等によって消費され、電解殺菌水の殺菌作用が低下していく。同時に、ヨウ素も気化、有機物との反応等により濃度が低下し、電解殺菌水の色が徐々に消失していく。次亜塩素酸の消費速度とヨウ素の消費速度との間には直線関係が成り立つので、製造直後の電解殺菌水中の残留塩素濃度とヨウ素の濃度が一定であれば、色が消失した時点での残留塩素濃度は一定である。したがって、着色の有無や退色の度合いを目視で確認するのみで、電解殺菌水の殺菌能力の低下を簡易に確認することができる。
また、電解膜を仕切る隔膜として陽イオンを選択的に通過させるイオン交換膜14を使用している。したがって、供給管20、21を陽極室側分岐17Aに接続し、塩化ナトリウム水溶液2、およびヨウ化カリウム水溶液3を陽極室15のみに供給すれば、塩化物イオン、ヨウ化物イオンは陰極室16側へ移動できず、陽極室15へ留まる。これにより、塩化物イオン、ヨウ化物イオンを無駄なく次亜塩素酸、ヨウ素の生成に利用できるから、塩化ナトリウムおよびヨウ化カリウムの添加量を少なくすることができ、効率的である。
<第2参考例
以下、本発明の第2参考例について、図2を参照しつつ説明する。なお、第1参考例と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
参考例の製造装置30は、第1参考例と同様に、2室型電解槽タイプのものであって、電解槽31を備えている。電解槽31の内部は、中性膜32によって陽極室15、陰極室16の2室に仕切られている。第1参考例のイオン交換膜14と異なり、この中性膜32はイオンを非選択的に透過するものである。
また、この電解槽31には、第1参考例と同様に、給水管33が接続されている。給水管33において分岐点よりも上流側(水道寄り)の位置には、塩化ナトリウム水溶液2、およびヨウ化カリウム水溶液3を電解槽11に供給するための電解質供給管34、およびヨウ素供給管35がそれぞれ分岐接続されている。
この製造装置30を用いて電解殺菌水を製造する場合には、第1参考例と同様に、水道から水1を給水管33を介して電解槽31内に供給する。このとき、電解質供給管34、およびヨウ素供給管35を介して塩化ナトリウム水溶液2およびヨウ化カリウム水溶液3を供給し、水1に塩化ナトリウムおよびヨウ化カリウムを添加する。このとき、2つの供給管34、35は給水管17の分岐よりも上流側に接続されているので、陽極室15、陰極室16の双方に流れ込む水1に塩化ナトリウムおよびヨウ化カリウムが添加される。
そして、両電極12,13間に直流電圧を印加して電気分解を行う。これにより、第1参考例と同様に、陽極12の周囲に次亜塩素酸を含む強酸性電解水が、陰極13の付近に強アルカリ性電解水が生成するとともに、強酸性電解水は褐色に着色される。これらのうち強酸性電解水を採取し、電解殺菌水として使用する。
着色された電解殺菌水は、第1参考例と同様に、着色の有無や退色の度合いを目視で確認するのみで、電解殺菌水の殺菌能力の低下を簡易に確認することができる。
<第3参考例
以下、本発明の第3参考例について、図3を参照しつつ説明する。なお、第1参考例と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
参考例の製造装置40は、3室型電解槽タイプのものであって、第1参考例と同様に電解槽41を備えている。電解槽41の内部は、2つのイオン交換膜42A、42Bが並列に設置されることにより、陽極室43、陰極室44とその中間に位置する中間室45の3室に仕切られている。陽極室43側のイオン交換膜42Aは陰イオンのみを選択的に通過させる陰イオン交換膜、陰極室44側のイオン交換膜42Bは陽イオンのみを選択的に通過させる陽イオン交換膜である。陽極室には陽極46が、陰極室には陰極47が、それぞれイオン交換膜42A、42Bに密着するようにして設置されている。
この電解槽41には、第1参考例と同様に、陽極室43および陰極室44に接続された給水管48が設けられている。二股に分かれた給水管48のうち、陽極室側分岐48Aには、ヨウ化カリウム水溶液3を電解槽41に供給するためのヨウ素供給管49が分岐接続されている。
電解槽41の中間室45には、塩化ナトリウム水溶液2を供給するための電解質供給管50、および電気分解後の塩化ナトリウム水溶液2を排出するための電解質排出管51が接続されている。電解質供給管50は、ポンプ24を介して塩化ナトリウム水溶液2を貯留可能な供給タンク22に連結されている。また、電解質排出管51から排出された塩化ナトリウム水溶液2は、一部が廃棄され、一部が供給タンク22に戻されて再利用されるようになっている。
この製造装置40を用いて電解殺菌水を製造する場合には、水道から水1を給水管48を介して電解槽11の陽極室43および陰極室44内に供給する。同時に、塩化ナトリウム水溶液2を中間室45に供給する。このとき、ヨウ素供給管49を介してヨウ化カリウム水溶液3を供給し、陽極室43に流れ込む水1にのみヨウ化カリウムを添加する。
そして、両電極46、47間に直流電圧を印加して電気分解を行う。すると、中間室45に存在するナトリウムイオンが陰極室44に、塩化物イオンが陽極室43に移動し、陽極室43に次亜塩素酸を含む強酸性電解水が、陰極室44に強アルカリ性電解水が生成する。それとともに、強酸性電解水は褐色に着色される。これらのうち強酸性電解水を採取し、電解殺菌水として使用する。
着色された電解殺菌水は、第1参考例と同様に、着色の有無や退色の度合いを目視で確認するのみで、電解殺菌水の殺菌能力の低下を簡易に確認することができる。
<第4参考例
以下、本発明の第4参考例について、図4を参照しつつ説明する。なお、第1参考例と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
参考例の製造装置60は、電解槽61の内部が隔膜によって仕切られていない無隔膜電解槽タイプのものである。電解槽61の内部には、陽極12および陰極13が設置されている。この電解槽61には、内部に水を供給するための給水管62が接続されている。この給水管62の端部は図示しない水道に接続されている。この給水管62には、電解質としての塩化ナトリウムを溶解した水溶液2、およびヨウ素化合物としてのヨウ化カリウムを溶解した水溶液3を電解槽61に供給するための電解質供給管63、およびヨウ素供給管64がそれぞれ分岐接続されている。また、電解槽61には、生成した電解水を外部に排出するための排出管65が接続されている。
この製造装置60を用いて電解殺菌水を製造する場合には、水道から水1を給水管62を介して電解槽61内に供給する。このとき、電解質供給管63、およびヨウ素供給管64を介して塩化ナトリウム水溶液2およびヨウ化カリウム水溶液3を供給し、水1に塩化ナトリウムおよびヨウ化カリウムを添加する。そして、陽極12および陰極13が水1に浸漬された状態で、両電極12,13間に直流電圧を印加して電気分解を行う。これにより、陽極12の周囲に次亜塩素酸を含む強酸性電解水が、陰極13の付近に強アルカリ性電解水が生成する。同時に、生成した次亜塩素酸の一部がヨウ化カリウムと反応してヨウ素が生成し、強酸性電解水は褐色に着色される。強酸性電解水と強アルカリ性電解水とは、電解槽61内で混合されて次亜塩素酸ナトリウムを含む弱酸性電解水となる。これを排出管65から採取して、電解殺菌水として使用する。
着色された電解殺菌水は、第1参考例と同様に、着色の有無や退色の度合いを目視で確認するのみで、電解殺菌水の殺菌能力の低下を簡易に確認することができる。
その他の参考例>
1)例えば図5に示すように、2室型電解槽タイプの製造装置70(上記第1参考例と同タイプの製造装置)において、給水管17の陽極室側分岐17Aに分岐接続された1本の混合水供給管71から、塩化ナトリウムとヨウ化カリウムとを共に溶解した混合水溶液72を供給してもよい。
なお、図6に示す製造装置73(上記第2参考例と同タイプの製造装置)のように、混合水供給管74は、給水管33において分岐点よりも上流側の位置に接続されていてもよい。さらに、図7に示すような無隔膜電解槽タイプの製造装置75(上記第4参考例と同タイプの製造装置)においても、同様に給水管62に混合水供給管76を接続し、塩化ナトリウムとヨウ化カリウムとを共に溶解した混合水溶液72を供給してもよい。
2)ヨウ化カリウム水溶液3を水1の給水路ではなく、電解水の流出路に供給してもよい。すなわち、図8〜図10に示すように、2室型および3室型の製造装置80、81、82(上記第1、第2、第3参考例と同タイプの製造装置)においては、電解槽11、31、41の陽極室側の排出管25Aにヨウ素供給管83を分岐接続してもよい。また、図11に示す無隔膜電解槽タイプの製造装置84(上記第4参考例と同タイプの製造装置)においては、弱酸性電解水の排出管65にヨウ素供給管85を分岐接続してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1−1>
発色に必要なヨウ素化合物の最低濃度を調べる実験を行った。
所定濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を調製した。ビュレットを使用してこの水溶液に1重量%のヨウ化ナトリウム水溶液を滴下した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液が発色したときの次亜塩素酸ナトリウム水溶液中のヨウ化ナトリウム濃度を発色に必要な最低濃度とした。次亜塩素酸ナトリウムの濃度を変化させて、発色に必要なヨウ化ナトリウムの最低濃度を調べた。
<実施例1−2>
実施例1−1と同様にして次亜塩素酸ナトリウム水溶液を調製し、塩酸を加えてpHを2.4に調整した。この水溶液を用いて実施例1−1と同様にして、発色に必要なヨウ化ナトリウムの最低濃度を調べた。なお、pHを2.4に調製したのは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、電気分解によって得られた酸性水により近い状態とするためである。すなわち、酸性水中、および次亜塩素酸ナトリウム水溶液中においては、ClO、(次亜塩素酸イオン)、HOCl(次亜塩素酸)、Cl(塩酸)という3種の科学種が平衡状態で存在し、これらの相対的な割合は、pHによって決まる。酸性水はpHが約2.4であり、次亜塩素酸が優勢な状態にある。したがって、本実施例では、pHを調製することによって、水溶液中の化学種の平衡状態が酸性水に近い状態となるようにした。
<実施例2−1>
電解水生成装置を使用して水の電気分解を行い、酸性水を得た。この酸性水の残留塩素濃度を測定したところ、48.8ppmであった。この酸性水に、実施例1−1と同様にして、酸性水が発色するまで1重量%のヨウ化ナトリウム水溶液を滴下した。酸性水が発色したときのヨウ化ナトリウム水溶液の添加量を最低添加量とした。酸性水に加えるヨウ化ナトリウム水溶液を最低添加量と同量、2倍量、3倍量加えた3種の電解殺菌水を調製した。
これらの電解殺菌水150mlをそれぞれペットボトルに詰め、室温で、蓋を開けた状態でヨウ素の褐色が消失するまで放置した。消失後の残留塩素濃度を測定した。
<実施例2−2>
残留塩素濃度15.3ppmの酸性水を用いて、上記実施例2−1と同様に電解殺菌水を調整し、試験を行った。なお、酸性水の残留塩素濃度の調整は、電解槽に供給する水量を調節することによって行った。
<実施例2−3>
上記実施例2−2で得られた酸性水を水道水で約2倍に希釈することにより、残留塩素濃度7.3ppmの酸性水を調製した。これを用いて、上記実施例2−1と同様に電解殺菌水を調整し、試験を行った。
<実施例2−4>
ペットボトルに詰める電解殺菌水の量を50mlとした他は、実施例2−1と同様にして試験を行った。
<実施例2−5>
ペットボトルに詰める電解殺菌水の量を50mlとした他は、実施例2−2と同様にして試験を行った。
<実施例2−6>
ペットボトルに詰める電解殺菌水の量を50mlとした他は、実施例2−3と同様にして試験を行った。
[結果と考察]
1)次亜塩素酸ナトリウム水溶液のヨウ素化合物による発色
pH無調製の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(実施例1−1)、およびpHを2.4に調製したもの(実施例1−2)について、次亜塩素酸ナトリウム濃度と発色に必要なヨウ化ナトリウムの最低濃度との関係を示すグラフを図12に示した。
図12より、次亜塩素酸ナトリウム濃度のおおよそ1/100の濃度となるようにヨウ化カリウムを加えると発色することが分かった。
2)ヨウ素化合物を添加した電解殺菌水の色消失
実施例2−1〜2−3について、酸性水の残留塩素濃度、ヨウ化ナトリウム水溶液の添加量(酸性水100mlに対して)、電解殺菌水のpH、色消失までの時間、色消失時の電解殺菌水の残留塩素濃度を表1に示した。また、ヨウ化ナトリウムの添加量と電解殺菌水の残留塩素濃度との関係を示すグラフを図13に示した。実施例2−4〜2−6についても、同様に表2および図14に示した。なお、図13、図14中の斜線部分は電解殺菌水が発色している領域を示す。
Figure 0004381178
Figure 0004381178
表1、表2および図13、図14より、残留塩素濃度の初期濃度が一定であれば、ヨウ化ナトリウム水溶液の添加量と、色消失時の残留塩素濃度との間にはほぼ直線関係があるといえる。このことから、目的の残留塩素濃度でヨウ素の色が消失するように、残留塩素濃度の初期濃度に応じてヨウ化ナトリウムの添加量を調整すれば、殺菌能力が所定以下となったときに色が消失する電解殺菌水を調製することができる。
第1参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図 第2参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図 第3参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図 第4参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−1 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−2 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−3 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−4 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−5 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−6 その他の参考例における電解殺菌水の製造装置の概略図−7 次亜塩素酸ナトリウム水溶液について、次亜塩素酸ナトリウム濃度と発色に必要なヨウ化ナトリウムの最低濃度との関係を示すグラフ 電解殺菌水を150mlとした場合の、ヨウ化ナトリウムの添加量と電解殺菌水の残留塩素濃度との関係を示すグラフ 電解殺菌水を50mlとした場合の、ヨウ化ナトリウムの添加量と電解殺菌水の残留塩素濃度との関係を示すグラフ
符号の説明
1…水
10…製造装置
11…電解槽
12…陽極(電極)
13…陰極(電極)
17…給水管(給水路)
25A…排出管(流出路)
21…ヨウ素供給管(供給路)

Claims (1)

  1. 一対の電極を備えた電解槽と、この電解槽に水を供給する給水路と、前記電解槽において電気分解により生成する酸性水を前記電解槽から流出させる流出路とを備える電解殺菌水の製造装置であって、
    前記電解槽に電解質水溶液を供給するための電解質供給路およびヨウ素化合物水溶液を供給するためのヨウ素供給路がそれぞれ設けられ、
    前記ヨウ素供給路は前記給水路に接続され、
    前記電解質供給路および前記ヨウ素供給路には、前記電解質水溶液およびヨウ素化合物水溶液の流入量を制御するためのポンプがそれぞれ設けられ
    前記ヨウ素化合物がヨウ化ナトリウムであり、
    前記電解殺菌水中の前記ヨウ化ナトリウムの濃度が7×10 −5 mol/L〜8×10 −4 mol/Lとなるように前記ヨウ化ナトリウム水溶液が供給されることを特徴とする電解殺菌水の製造装置。
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