JP5750013B2 - 電着塗料組成物および化成処理を施していない被塗物に電着塗膜を形成する方法 - Google Patents
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(a):(b)が1:99〜50:50である、錯塩、複塩または混合化合物、を含む、カチオン電着塗料組成物である、電着塗膜形成方法、が記載されている(請求項1など)。この方法で用いられる電着塗料組成物に含まれる成分は、上記成分(a)および(b)が特定の割合で含まれる錯塩、複塩または混合化合物である点において、本発明とは発明の構成が異なる。
ジルコニウム化合物(A)、アミン化樹脂(B)、硬化剤(C)および遊離酸(D)を含む電着塗料組成物であって、
この遊離酸(D)が、硝酸であり、
この電着塗料組成物の、樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))が20〜200であり、
この電着塗料組成物のpHが2〜5.5である、
電着塗料組成物、電着塗料組成物、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
上記アミン化樹脂(B)と、上記ブロックイソシアネート硬化剤とが、電着塗膜中において加熱硬化時に反応した場合における理論残存水酸基価が30〜300mgKOH/gであり、
下記数式に示される、この理論残存水酸基価の濃度と、電着塗料組成物中におけるアミン化樹脂(B)およびブロックイソシアネート硬化剤の固形分濃度(質量%)の合計に対する電着塗料組成物中におけるジルコニウム化合物(A)のジルコニウム金属換算濃度(質量%)との比率(R)が、4,000<R<400,000の関係を満たす態様が、より好ましい。
上記電着塗料組成物が実質的に錫化合物および鉛化合物の何れも含まないものであるのが、より好ましい。
この亜鉛化合物が、カチオン分散剤で分散された、体積平均粒子径D50が3μm以下であるリン酸亜鉛であるのが、より好ましい。
電着塗料組成物に対する上記遊離酸(D)の含有量は0.001〜1質量%であり、
電着塗料組成物の樹脂固形分量が1〜30質量%であるのが、より好ましい。
化成処理を施していない被塗物に、上記の電着塗料組成物を電着塗装して電着塗膜形成し、得られた電着塗膜を加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る工程を包含する、化成処理を施していない被塗物に電着塗膜を形成する方法、
も提供する。
上記無機物層は、ジルコニウムを0.05〜50mg/m2含み、および、亜鉛および/またはビスマスを0.1〜40mg/m2含むのが、より好ましい。
化成処理を施していない被塗物を、電着塗料組成物中に浸漬し、通電する前に、0.1〜180秒間浸漬状態を維持する、浸漬工程、
浸漬した被塗物に対して、1〜350Vの電圧で5〜600秒間通電する、通電工程、および
上記浸漬工程および通電工程によって形成された電着塗膜を加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る、加熱硬化工程、
を包含するのが、より好ましい。
本発明の電着塗料組成物は、ジルコニウム化合物(A)、アミン化樹脂(B)、硬化剤(C)および遊離酸(D)を含む。本発明の電着塗料組成物は、ジルコニウム化合物(A)が含まれることによって、耐食性に優れた塗膜を形成することが可能となっている。しかしながら、従来のカチオン電着塗料組成物に対して、ジルコニウム化合物を単に加える場合においては、良好な耐食性を得ることができないことが、本発明者らの実験によって確認されている。これは、従来のカチオン電着塗料組成物に対してジルコニウム化合物を単に加えたのみでは、ジルコニウム化合物と併せてアミン化樹脂も被塗物に対して析出し、アミン化樹脂に対するジルコニウム化合物の優先的な析出を確保することができないためと考えられる。ジルコニウム化合物が析出する前にアミン化樹脂が被塗物上に析出してしまう場合は、化成処理被膜を施していない被塗物に対する耐食性向上効果を得ることができない。
本発明の電着塗料組成物は、ジルコニウム化合物(A)を含む。本発明の電着塗料組成物において、このジルコニウム化合物(A)は、電着塗装される被塗物(化成処理を施していない被塗物)の表面に、他の成分(例えばアミン化樹脂(B)など)に優先して析出する成分である。本発明の電着塗料組成物は、樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))が20〜200であり、pHが2〜5.5である。そしてこの条件下において、ジルコニウム化合物(A)は、アミン化樹脂(B)に対して優先的に析出することとなる。ジルコニウム化合物(A)が優先的に析出することによって、被塗物に優れた耐食性が付与されることとなる。
本発明の電着塗料組成物はアミン化樹脂(B)を含む。このアミン化樹脂(B)は、電着塗膜を構成する塗膜形成樹脂である。アミン化樹脂(B)として、樹脂骨格中のオキシラン環を有機アミン化合物で変性して得られるカチオン変性エポキシ樹脂が好ましい。一般にカチオン変性エポキシ樹脂は、出発原料樹脂分子内のオキシラン環を1級アミン、2級アミンあるいは3級アミンおよび/またはその酸塩などのアミン類との反応によって開環して製造される。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5−306327号公報に記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネート化合物のイソシアネート基をメタノール、エタノールなどの低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、ポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂との反応によって調製することができる。
本発明の電着塗料組成物は、硬化剤(C)を含む。硬化剤(C)としては、電着塗装後における加熱(焼き付け)工程において、アミン化樹脂(B)を硬化させることができる成分を任意に用いることができる。硬化剤(C)として、安定性と塗装性能からブロックイソシアネート硬化剤を用いるのが好ましい。メラミン樹脂やフェノール樹脂等の有機硬化剤、シランカップリング剤、金属硬化剤でもよい。ブロックイソシアネート硬化剤は、ポリイソシアネートを、封止剤でブロック化することによって調製することができる。
ここで「理論残存水酸基価」とは、電着塗装によって得られた電着塗膜を加熱硬化させた場合において、アミン化樹脂(B)と、ブロックイソシアネート硬化剤が反応した後に塗膜中に残存することとなる、アミン化樹脂(B)に由来する水酸基価を意味する。
これは、アミン化樹脂(B)とブロックイソシアネート硬化剤とが加熱硬化により反応した後の硬化電着塗膜中において、アミン化樹脂(B)に由来する残存する水酸基と、ジルコニウム化合物(A)とが水素結合を形成し、これにより塗膜密着性が向上することに由来するためと推測される。
ブロックイソシアネート硬化剤に代表される硬化剤(C)は、アミン化樹脂(B)の1級アミンと優先的に反応し、さらに水酸基と反応して硬化する。そして、アミン化樹脂(B)とブロックイソシアネート硬化剤とが加熱硬化により反応した後の硬化電着塗膜中において、アミン化樹脂(B)に由来する残存する水酸基が、ジルコニウム化合物(A)と相互作用することで、塗膜密着性が向上すると考えられる。このため、アミン化樹脂(B)の残存水酸基価とジルコニウム化合物濃度との比率を上記の比率で制御することで、耐食性と塗膜密着性とを両立することができる。
上記比率(R)が4,000以上であることにより、残存水酸基量が十分となるためにジルコニウム化合物との水素結合が十分となって塗膜密着性が向上する。また上記比率(R)が400,000以下であることにより、硬化電着塗膜中に残存する水酸基量が適正な範囲内となるために塗膜の水に対する遮断性が十分となり耐食性が良好となる。上記比率(R)の下限は20,000がさらに好ましく、上記比率(R)の上限は200,000がさらに好ましい。
アミン化樹脂(B)と、ブロックイソシアネート硬化剤とが、電着塗膜中において加熱硬化時に反応した場合における理論残存水酸基価は、アミン化樹脂(B)の水酸基価(mgKOH/g)と1級アミン価(mgKOH/g)の合計にアミン化樹脂(B)の質量の比率を乗じた数値から、硬化剤(C)のイソシアネート基価(mgKOH/g)に硬化剤(C)の質量の比率を乗じた数値を減ずることで求められる。たとえばアミン化樹脂の1級アミン価が17、水酸基価が240、硬化剤のイソシアネート基価が252mgKOH/g、硬化剤の質量に対するアミン化樹脂の質量が4倍であれば、残存水酸基価は(17+240)×0.8−(252×0.2)で155と計算される。
本発明の電着塗料組成物は遊離酸(D)を含む。この遊離酸(D)として、硝酸が用いられる。本発明において遊離酸(D)は、硝酸であること、そして遊離した状態であること、つまり金属塩などのようにカウンターイオンを有した状態ではないこと、を条件とする。
本発明の電着塗料組成物は、必要に応じて、亜鉛化合物およびビスマス化合物から選択される1種またはそれ以上である硬化触媒(E)を含んでもよい。従来の電着塗料組成物は、硬化触媒として一般的にジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫オキシドなどの有機錫硬化触媒が用いられている。一方でこれらの有機錫化合物は、近年、その毒性が問題視されつつあり、使用規制について検討されていることから、本発明の電着塗料組成物は有機錫硬化触媒を含有しないことが好ましい。
本発明の電着塗料組成物は、有機酸(F)を含むのが好ましい。有機酸(F)として、アルカンスルホン酸、有機ホスホン酸、有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、糖酸およびカルボキシル基含有ビニル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。本発明の電着塗料組成物に有機酸(F)が含まれることによって、アミン化樹脂に対する、ジルコニウム化合物(A)の優先的な析出を確保することができ、より優れた耐食性を有する硬化電着塗膜を形成することができるという利点がある。
炭素数3〜20の脂肪酸として、例えば、プロピオン酸、酪酸(ブチル酸) 、2,2−ジメチルプロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族カルボン酸として、例えば、サリチル酸、没食子酸、安息香酸、フタル酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
炭素数2〜20のオキソカルボン酸、炭素数3〜20のジカルボン酸およびその他の有機カルボン酸として、例えば、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、グルタル酸、アジピン酸などが挙げられる。これらの中でも、2,2−ジメチルプロピオン酸、乳酸などが好ましい。
有機酸(F)としてアルカンスルホン酸または有機ホスホン酸が含まれる場合は、アルカンスルホン酸または有機ホスホン酸が有するスルホン基またはホスホン基の当量数と、ジルコニウム化合物(A)のジルコニウムの当量数との比率が0.1:1〜1:1となる量で、電着塗料組成物中に含有されるのが好ましい。
有機酸(F)として有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、糖酸および/またはカルボキシル基含有ビニル樹脂が含まれる場合は、これらの成分が有するカルボキシル基の当量数と、ジルコニウム化合物(A)のジルコニウムの当量数との比率が0.1:1〜1:1となる量で、電着塗料組成物中に含有されるのが好ましい。
本発明の電着塗料組成物は、アミノシラン化合物(G)を含むのが好ましい。アミノシラン化合物(G)として、1分子中に少なくとも1つのアミノ基を有するアミノシラン、およびアミノシランの加水分解縮合物が挙げられる。
本発明の電着塗料組成物は、アルミニウム錯体を含むのが好ましい。アルミニウム錯体として、フッ化アルミニウム錯体が挙げられる。このフッ化アルミニウム錯体は、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物を電着塗料組成物中に加えることによって生成する錯体であってもよい。電着塗料組成物に、さらにアルミニウム錯体が含まれることによって、耐食性が著しく向上するという優れた利点がある。これは、電着塗料組成物に、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物を加えることによって、これらのアルミニウム化合物と、フッ化ジルコニウムのフッ素とが反応して、電着塗料組成物中においてフッ化アルミニウム錯体が形成される。そしてこの反応によって、ジルコニウム化合物(A)に由来する、ジルコニウムの水酸化物または酸化物の被塗物に対する析出が促進され、塗膜の耐食性が向上するという利点がある。
顔料
本発明の電着塗料組成物は、電着塗料組成物において通常用いられる顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラックおよびベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、およびリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料など、が挙げられる。電着塗料組成物中にこれらの顔料が含まれる場合の顔料の量は、電着塗料組成物の樹脂固形分に対して1〜30質量%であるのが好ましい。
本発明の電着塗料組成物は、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなどの有機溶媒、乾き防止剤、消泡剤等の界面活性剤、アクリル樹脂微粒子等の粘度調整剤、はじき防止剤、バナジウム塩、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、カルシウム塩等の無機防錆剤、等の慣用の塗料用添加剤を必要に応じて添加しても良い。またこれら以外に、目的に応じて公知の補助錯化剤、緩衝剤、平滑剤、応力緩和剤、光沢剤、半光沢剤、可塑剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤等を配合してもよい。
本発明の電着塗料組成物は、上記アミン化樹脂(B)以外にも、他の塗膜形成樹脂成分を含んでもよい。他の塗膜形成樹脂成分として、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。電着塗料組成物に含まれうる他の塗膜形成樹脂成分として、キシレン樹脂が好ましい。キシレン樹脂として、例えば、2以上10以下の芳香族環を有するキシレン樹脂が挙げられる。
本発明の電着塗料組成物は、アミン化樹脂(B)および硬化剤(C)を含むエマルション、および必要に応じた顔料分散ペーストなどと、ジルコニウム化合物(A)、遊離酸(D)および必要に応じた硬化触媒(E)、有機酸(F)、アミノシラン化合物(G)および/またはアルミニウム錯体を形成するアルミニウム化合物などを加えて混合することによって調製することができる。
被塗物
本発明の電着塗料組成物を塗装する被塗物として、通電可能な種々の被塗物を用いることができる。使用できる被塗物として例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金系めっき鋼板、亜鉛−鉄合金系めっき鋼板、亜鉛−マグネシウム合金系めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム−シリコン合金系めっき鋼板、錫系めっき鋼板などから構成される被塗物が挙げられる。
電着塗装は、被塗物を陰極として陽極との間に、通常、50〜450Vの電圧を印加して行う。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となるおそれがあり、450Vを超えると、塗膜が破壊され異常外観となるおそれがある。電着塗装時、塗料組成物の浴液温度は、通常10〜45℃に調節される。
電着塗料組成物に被塗物を浸漬した後、通電する前に、0.1〜180秒間浸漬状態を維持し(浸漬工程)、
浸漬した被塗物に対して、1〜350Vの電圧で5〜600秒間通電し(通電工程)、そして
こうして形成された電着塗膜を加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る(加熱硬化工程)、
態様が挙げられる。電着塗料組成物に被塗物を浸漬した後、電圧を印加する前に、このような浸漬時間を設けることによって、被塗物上に、ジルコニウムを含む無機物層を良好に析出させることができるという利点がある。
さらに、このように電圧印加前に浸漬時間を設ける態様は、多段階電圧工程を含む方法と比較して、多段階の通電条件それぞれにおいて、被塗物の各部分で通電条件を調整する必要がないため、多段階電圧工程を含む方法と比較して、特に複雑な形状を有する被塗物の場合において、工程管理が容易であるという利点がある。
製造例1−A アミン化樹脂(A)の製造
撹拌機、デカンター、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容器に、エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)2400部とメタノール141部、メチルイソブチルケトン168部、ジブチルスズジラウレート0.5部を仕込み、40℃で撹拌し均一に溶解させた後、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(80/20重量比混合物)320部を30分間かけて滴下したところ発熱し、70℃まで上昇した。これにN,N−ジメチルベンジルアミン5部を加え、系内の温度を120℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエポキシ当量が500g/eqになるまで120℃で3時間反応を続けた。さらに、メチルイソブチルケトン644部、ビスフェノールA341部、2−エチルヘキサン酸413部を加え、系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が1070になるまで反応させた後、系内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)241部とN−メチルエタノールアミン192部の混合物を添加し、110℃で1時間反応させることにより、カチオン変性エポキシ樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量は2,100、アミン価は74mgKOH/g(うち1級アミンに由来するアミン価は17mgKOH/g)、水酸基価は160mgKOH/gであった。また赤外吸収スペクトル等の測定から、樹脂中にオキサゾリドン環(吸収波数;1750cm−1)を有していることが確認された。
メチルイソブチルケトン92部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA350部、オクチル酸95部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が1170g/eqになるまで反応させた後、系内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)82部とN−メチルエタノールアミン26部、ジエタノールアミン60部の混合物を添加し、110℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂:樹脂B)を得た。
この樹脂の数平均分子量は2,600、アミン価は58mgKOH/g(うち1級アミンに由来するアミン価は17mgKOH/g)、水酸基価は240mgKOH/gであった。
メチルイソブチルケトン50部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA350部、オクチル酸42部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が873g/eqになるまで反応させた後、系内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)106部ジエタノールアミン110部の混合物を添加し、110℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂:樹脂C)を得た。
この樹脂の数平均分子量は2,600、アミン価は75mgKOH/g(うち1級アミンに由来するアミン価は22mgKOH/g)、水酸基価は255mgKOH/gであった。
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)1680部およびMIBK732部を反応容器に仕込み、これを60℃まで加熱した。ここに、トリメチロールプロパン346部をMEKオキシム1067部に溶解させたものを60℃で2時間かけて滴下した。さらに75℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK27部を加えて固形分が78%のブロックイソシアネート硬化剤(1)を得た。イソシアネート基価は252mgKOH/gであった。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にビスフェノールA型エポキシ樹脂385部、ビスフェノールA120部、オクチル酸95部、2−エチル−4−メチルイミダゾール1%溶液1部を仕込んで、窒素雰囲気下160〜170℃で1時間反応させ、ついで120℃まで冷却後、2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)198部を加えた。反応混合物を120〜130℃で1時間保持した後、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル157部を加えた。そして85〜95℃に冷却して均一化させた。つぎにジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)277部を加え120℃で1時間撹拌しエチレングリコールモノn−ブチルエーテル13部アミン化樹脂を製造した。ついで18部のイオン水とギ酸8部を仕込み上記アミン化樹脂を混合し15分撹拌し、イオン水200部を混合して、顔料分散樹脂(平均分子量2,200)の樹脂溶液(樹脂固形分25%)を得た。
製造例1−Aで得た樹脂(A)400g(固形分)と、製造例2で得たブロックイソシアネート硬化剤100g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(A)を得た。
また、製造例1−Aで得た樹脂(A)の代わりに、製造例1−Bで得た樹脂(B)、もしくは製造例1−Cで得た樹脂(C)を用いたこと以外は同様にして、電着塗料樹脂エマルション(B)および電着塗料樹脂エマルション(C)を得た。
製造例1−Bで得た樹脂(B)350g(固形分)と、製造例2で得たブロックイソシアネート硬化剤100g(固形分)と、キシレン樹脂であるニカノールLLL(フード社製)50g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(D)を得た。
サンドミルを用いて、製造例3で得られた顔料分散樹脂を含む以下の表1に示す配合に基づき、得られた混合物を40℃において、体積平均粒子径D50が0.6μmとなるまで分散し、調製して、顔料分散ペースト(固形分49%)を得た。平均粒子径D50(体積50%径)の測定は、レーザードップラー式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA150」)を用いて、分散体を信号レベルが適性になるようイオン水で希釈して、平均粒子径D50(体積50%径)を測定した。
サンドミルを用いて製造例5と同様にして、製造例3で得られた顔料分散樹脂を含む以下の表2に示す配合に基づき、得られた混合物を40℃において、体積平均粒子径が0.6μmとなるまで分散し、調製して、顔料および硬化触媒分散ペースト(固形分49%)を得た。得られた、顔料および硬化触媒を含む分散ペーストは、比較例2〜5および参考例1、2に用いた。
ステンレス容器に、イオン交換水、ジルコニウム化合物(A)としての40%フッ化ジルコン酸(試薬)または10%硝酸ジルコニル溶液(試薬)、遊離酸(D)としての硝酸(試薬、純度60%)または乳酸(昭和化工社製、純度50%)、硬化触媒(E)としての乳酸ビスマス(表3のBi)、リン酸亜鉛(表3のZn)、アミノシラン化合物(G)であるオルガノシランの加水分解縮合物、アルミニウム錯体の供給源である硝酸アルミニウム(試薬)を、下記表に示される濃度となるように添加した。硝酸アルミに由来するアルミニウムは、電着塗料組成物中で、ジルコニウム化合物に由来するフッ素によりフッ化アルミニウム錯体を形成する。
次いで、下記表に示される製造例4−A〜4−Dの樹脂エマルション、製造例5の顔料分散ペースト、そして60%硝酸(試薬)などを添加して混合し、その後40℃で16時間エージングした。
比較例2〜5および参考例1、2においては、製造例5の顔料分散ペーストの代わりに、製造例6の顔料および硬化触媒を含む分散ペーストを用いた。
硬化触媒(E)としての乳酸ビスマスは、水酸化ビスマス 1質量部と、50%乳酸水溶液 2質量部とを予め混合して調製した。
また、硬化触媒(E)としてのリン酸亜鉛は、リン酸亜鉛(試薬)と製造例3で得られた顔料分散樹脂を質量比が1:0.2になるように添加し、サンドミルにて体積平均粒子径D50が0.6μmとなるまで分散したものを用いた。
実施例14は、以下のアミノシラン化合物を添加した。
オルガノシランの加水分解縮合物は、「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、商品名、信越化学工業社製)を15質量部と、「KBE603」(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、商品名、信越化学工業社製)を15質量部とを滴下漏斗から、溶媒として70質量部の脱イオン水(溶媒温度:25℃)に60分かけて均一に滴下した後、窒素雰囲気下25℃で24時間反応を行って得られた、有効成分30%のオルガノシランの加水分解縮合物(以下、KBE903−KBE603共縮合物)を用いた。
なお、実施例15は、電着塗料組成物に浸漬した後、1分間浸漬状態を維持し、その後に電圧(30秒昇圧180Vに達してから150秒間保持)を印加して、被塗物上に未硬化の電着塗膜を析出させた。
また、実施例16は、一段目として5秒間昇圧して10Vに達してから全1分間10Vに保持して電着し、その後2段目昇圧として30秒間昇圧して180Vに達してから150秒間180Vに保持して電着した。
得られた未硬化の電着塗膜を、160℃で15分間焼き付け硬化させて、硬化電着塗膜を得た。
また、比較例4は、一段目として5秒間昇圧して10Vに達してから全1分間10Vに保持して電着し、その後2段目昇圧として30秒間昇圧して180Vに達してから150秒間180Vに保持して電着した。
得られた未硬化の電着塗膜を、160℃で15分間焼き付け硬化させて、硬化電着塗膜を得た。
参考例1では、冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)を、サーフクリーナーEC90(日本ペイント社製)中に50℃で2分間浸漬して、脱脂処理し、次いでジルコニウム化成処理液であるサーフダインEC3200(日本ペイント社製、ジルコニウム化成処理液)中に40℃で2分間浸漬して、ジルコニウム化成処理を行った。次いで、上記より得られた電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に電着塗装を行った。
参考例3では、冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)を、サーフクリーナーEC90(日本ペイント社製)中に50℃で2分間浸漬して脱脂処理し、サーフファインGL−1(日本ペイント社製)で表面調整し、次いでリン酸亜鉛化成処理液であるサーフダインSD−5000(日本ペイント社製、リン酸亜鉛化成処理液)中に40℃で2分間浸漬して、リン酸亜鉛化成処理を行った。次いで、パワーニックス1010D(日本ペイント社製、電着塗料液 固形分20%、塗料固形分中に含まれる顔料成分の濃度15%)を用いて、実施例1と同様に電着塗装を行った。
表3、4に記載される「理論残存水酸基価」は、電着塗装によって得られた電着塗膜を加熱硬化させた場合において、アミン化樹脂(B)と、ブロックイソシアネート硬化剤が反応した後に塗膜中に残存することとなる、アミン化樹脂(B)に由来する残存水酸基価の理論値である。この理論残存水酸基価は、アミン化樹脂(B)の水酸基価(mgKOH/g)と1級アミン価(mgKOH/g)の合計にアミン化樹脂(B)の質量の比率を乗じた数値から、硬化剤(C)のイソシアネート基価(mgKOH/g)に硬化剤(C)の質量の比率を乗じた数値を減ずることで求めた。
表3、4に記載される残存水酸官能基比率(R)は、上述の計算式を用いて得られた比率である。
硬化後の電着塗装板の塗膜に、基材に達するようにナイフで直線状の傷を入れた。この塗装板を、5%食塩水中に50℃で480時間浸漬した後、直線状の傷部からの錆やフクレ発生を観察し、評価した。評価基準は以下の通りである。
評価基準
◎:錆またはフクレが生じていない
○:錆またはフクレの最大幅がカット部より2.5mm未満(両側)ブリスターなし
○△:錆またはフクレの最大幅がカット部より2.5mm未満(両側)ブリスターあり
△:錆またはフクレの最大幅がカット部より2.5mm以上5mm未満(両側)
△×:錆またはフクレの最大幅がカット部より5mm以上10mm未満(両側)
×:錆またはフクレの最大幅がカット部より10mm以上(両側)
硬化後の電着塗装板の塗膜に、基材に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、JASO M609−91「自動車用材料腐食試験方法」を100サイクル行った。その後、クロスカット部からの錆やフクレ発生を観察し、実際の腐食環境に即した耐食性を評価した。評価基準は以下の通りである。
評価基準
◎◎:錆またはフクレの最大幅がカット部より4mm未満(両側)
◎:錆またはフクレの最大幅がカット部より4mm以上5mm未満(両側)
○:錆またはフクレの最大幅がカット部より5mm以上7.5mm未満(両側)カット部以外にブリスターなし
○△:錆またはフクレの最大幅がカット部より5mm以上7.5mm未満(両側)カット部以外もブリスターあり
△:錆またはフクレの最大幅がカット部より7.5mm以上10mm未満(両側)
△×:錆またはフクレの最大幅がカット部より10mm以上12.5mm未満(両側)
×:錆またはフクレの最大幅がカット部より12.5mm以上(両側)
上記実施例および比較例より得られた硬化電着塗膜を有する塗装物試験片に、小型のカッターナイフを垂直に当て、下地に達する等間隔の平行線を2mm間隔で11本引き、それらの平行線に垂直に交わる等間隔の平行線11本を2mm間隔で引いて、4本の直線に囲まれた2mm四方の100個の正方形を刻んだ。次いで、試験片を50℃のイオン交換水に480時間浸漬した。浸漬後、試験片の水を拭き取り、次いで接着テープ(幅24mm)を上記試験塗膜のカット部分に気泡を含ませずに圧着した後、急激に引っ張った。剥離した碁盤目の有無に基づき、下記基準により評価した。
評価基準
○:剥離なし
×:剥離あり
硬化電着塗膜外観における異常の有無を目視で判断した。評価基準は以下の通りとした。
評価基準
◎:極めて均一な塗膜外観を有している
○:均一な塗膜外観を有している
○△:ややムラがあると視認される部分があるものの、全体としてほぼ均一な塗膜外観を有している
△:ムラが視認される
×:塗膜外観が明らかに不均一である
電着塗料組成物を静置した状態または撹拌した状態において、塗料組成物の状態を目視にて判定し、安定性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
評価基準
○:電着塗料組成物を静置した状態でも顔料の沈降がなく分散状態が安定である
○△:電着塗料組成物を静置した状態では顔料が沈降しやすいものの、再度撹拌することによってすぐに再分散する
△:電着塗料組成物を連続的に撹拌し続けた状態では顔料の分散状態が安定である
×:電着塗料組成物を連続的に撹拌し続けた状態でも顔料が沈降する
本発明における遊離酸(D)を含まない電着塗料組成物を用いた比較例1〜5は、何れも、CCTおよびSDT試験結果が悪く、耐食性が劣っていた。この中で、本発明における遊離酸(D)の代わりに、酸化剤である過酸化水素を用いた比較例5は、酸化力が強いため基材を錆びさせるため、耐食性が劣る。
参考例1〜3は、いずれも、電着塗装前に化成処理を行った実験例である。実施例の結果と、この参考実験の結果とを比較すると、実施例で得られた塗装板は、化成処理を行っていないにもかかわらず、化成処理を行った参考例と同等またはそれ以上の耐食性を有していることが分かる。
Claims (8)
- ジルコニウム化合物(A)、アミン化樹脂(B)、硬化剤(C)、遊離酸(D)、硬化触媒(E)およびアミノシラン化合物(G)を含む電着塗料組成物であって、
該遊離酸(D)が、硝酸であり、
該電着塗料組成物の、樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))が20〜200であり、
該電着塗料組成物のpHが2〜5.5であり、
前記アミン化樹脂(B)は、数平均分子量が1,000〜5,000であり、アミン価が30〜100mgKOH/gであり、かつ、水酸基価が50〜350mgKOH/gであり、
前記硬化触媒(E)は、亜鉛化合物およびビスマス化合物からなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
前記電着塗料組成物が実質的に錫化合物および鉛化合物の何れも含まないものであり、
前記硬化剤(C)がブロックイソシアネート硬化剤であり、前記アミン化樹脂(B)と、前記ブロックイソシアネート硬化剤とが、電着塗膜中において加熱硬化時に反応した場合における理論残存水酸基価が30〜300mgKOH/gであり、下記数式に示される、該理論残存水酸基価の濃度と、電着塗料組成物中におけるアミン化樹脂(B)およびブロックイソシアネート硬化剤の固形分濃度(質量%)の合計に対する電着塗料組成物中におけるジルコニウム化合物(A)のジルコニウム金属換算濃度(質量%)との比率(R)が、4,000<R<400,000の関係を満たす、
電着塗料組成物。
- 前記電着塗料組成物が、さらに、アルカンスルホン酸、有機ホスホン酸、有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、糖酸およびカルボキシル基含有ビニル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である有機酸(F)を含む、請求項1記載の電着塗料組成物。
- 前記硬化触媒(E)が亜鉛化合物であって、
該亜鉛化合物が、カチオン分散剤で分散された、体積平均粒子径D50が3μm以下であるリン酸亜鉛である、
請求項1または2に記載の電着塗料組成物。 - 電着塗料組成物に対する前記ジルコニウム化合物(A)の固形分含有量は、ジルコニウム金属元素換算で0.001〜1質量%であり、
電着塗料組成物に対する前記遊離酸(D)の含有量は0.001〜1質量%であり、
電着塗料組成物の樹脂固形分量が1〜30質量%である、
請求項1〜3いずれかに記載の電着塗料組成物。 - 化成処理を施していない被塗物に、請求項1〜4いずれかに記載の電着塗料組成物を電着塗装して電着塗膜形成し、得られた電着塗膜を加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る工程を包含する、化成処理を施していない被塗物に電着塗膜を形成する方法。
- 前記硬化電着塗膜が、被塗物に接する面において無機物層を有し、および被塗物に接する面とは反対側の面において有機樹脂層を有するものであり、
前記無機物層は、ジルコニウムを0.05〜50mg/m2含み、および、亜鉛および/またはビスマスを0.1〜40mg/m2含む、
請求項5記載の方法。 - 前記方法が、
化成処理を施していない被塗物を、電着塗料組成物中に浸漬し、通電する前に、0.1〜180秒間浸漬状態を維持する、浸漬工程、
浸漬した被塗物に対して、1〜350Vの電圧で5〜600秒間通電する、通電工程、および
上記浸漬工程および通電工程によって形成された電着塗膜を加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る、加熱硬化工程、
を包含する、
請求項5または6記載の方法。 - 請求項5〜7いずれかに記載の方法によって形成された硬化電着塗膜。
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