JP5749931B2 - 炭素排出がほぼゼロの構造材料 - Google Patents

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Description

本発明は、2007年12月20日に出願された米国仮特許出願第61/015,418号からの優先権を主張し、その内容は、参照として本明細書に援用される。
本発明は、構造材料に関し、特に、ポルトランドセメントをベースとするコンクリート製品またはモルタルと同等の性質を有する機能化およびナノ機能化されたアルミノケイ酸塩原料の生成物および組成物の製造および調製プロセスおよび方法であって、アルミノケイ酸塩原料が、ポルトランドセメントの製造に特徴的な炭素化合物をほとんど排出せずに製造されるプロセスおよび方法に関する。
環境における二酸化炭素の増加は、地球温暖化(温室効果)の始まりに関連している。ポルトランドセメント製造は、二酸化炭素排出の非常に大きな要因であり、1トンのセメントを作るごとに約0.9トンの二酸化炭素を排出する。コンクリートは、世界で最も消費された物質として、水に次いで2番目であり(世界中で数億トン)、そして、二酸化炭素排出量(carbon footprint)が大量であるポルトランドセメントは、コンクリートの主成分である。
ポルトランドセメント製造の化学プロセスは、高温での石灰岩(炭酸カルシウム)と粘土(水和アルミノケイ酸塩)との反応である。か焼と称されるこの昇温化学反応は、空気中に非常に高い割合で二酸化炭素を放出する(例えば、セメントプラントからの排出物の約60%)。か焼反応に用いられる高温には、炭素をベースとする燃料の燃焼が必要であり、これがセメントプラントの排出物の約40%の原因である。
セメントプラントからの二酸化炭素排出を減少させるために出来ることはほとんどないため、ポルトランドセメント製造に関する上述の要因を置き換えることは出来ない。したがって、構造建築材料としてポルトランドセメントをベースとするコンクリートの代替材の必要性が高い。
多くのアプローチが試みられ、種々の程度で成功している。フライアッシュ(石炭を燃料とする発電所の副産物)は、世界中で毎年大量に(例えば、数億トン)産出される。フライアッシュはコンクリート混合物に添加され得るが、種々の理由により、毎年産出されるフライアッシュの約10%のみしかコンクリートに用いられない。コンクリートにフライアッシュを用いる重大な欠点は、まず、1989年にRavindrarajahおよびTamによって議論されたように、フライアッシュがコンクリートの圧縮強度を著しく減少させることである。異なる供給源由来のフライアッシュは、コンクリートに異なる影響を及ぼし得る。フライアッシュは異なる化学組成を有するため、用いられるポルトランドセメントの種類(タイプI〜IV)に応じて、異なる挙動を示し得る(Popovics、1982)。
Liskowitzら、米国特許第6,802,898 B1(2004年)では、高圧縮強度のコンクリートおよびモルタルのためのフライアッシュの調製方法が記載され、フライアッシュを所望のサイズ分布に粉砕し、そしてコンクリートの特定の混合物で用いられ得るフライアッシュの収率を増加させることによって、フライアッシュを含むコンクリートの強度を増すことが可能であることが示されている。しかし、ポルトランドセメントと共にコンクリート配合に使用できるフライアッシュの割合は、粒子を特定のサイズ分布に粉砕したとしても、10〜50%に限られる。費用と凝集のないフライアッシュ粉末の維持とが、このプロセスの使用を制限する。コンクリート産業では、一般的にコンクリート混合物中のフライアッシュを30%未満に制限し、したがって、コンクリートのごく一部のみしか、いくらかのフライアッシュを含まない。
ポルトランドセメントをベースとするコンクリートの使用を減少させるための他の代替手段は、構造建築材料を製造するためのジオポリマー化(geo-polymerization)といわれるプロセスを用いることである。ジオポリマー(geo-polymers)と称されるこれらの材料は、Davidovitsら、米国特許第5,342,595号(1994年)およびvan Jaarsveldら、The Effect of Composition and Temperature on the Properties of Fly Ash and Kaolinite-based Geopolymenrs、Chemical Engineering Journal、2002年、89(1-3)、63-73頁によって報告されるように、天然のゼオライト材料の合成類似体である。
ジオポリマーは、ケイ素およびアルミニウム含有原材料を、溶解性アルカリ金属ケイ酸塩の存在下で高pHで化学的に溶解することにより創出される。3つの主要なプロセス工程は:1)水酸化物イオンの錯形成作用によって移動性前駆体(mobile precursors)を形成するためのアルミニウムおよびシリカ含有原料の溶解、2)移動性前駆体の部分配向ならびにアルカリポリケイ酸塩の部分的な内部再構築、3)非結晶または半結晶であり得る無機重合構造を形成するための、液体系全体が硬化する再沈殿である。
ジオポリマー化した構造を形成するために、上記のvan Jaarsveldら、2002年に従って、ケイ素およびアルミニウム含有原材料を完全に溶解させることが必要である。ジオポリマーは、マトリックス形成および強度のためにカルシウム−シリカ−水和物の形成を利用するのではなく、代わりに、可溶化したシリカおよびアルミナ前駆体の重縮合および高いアルカリ含有量によって、構造強度を得る。
代表的なジオポリマーの処方物は、種々の量のナトリウムケイ酸塩またはカリウムケイ酸塩および水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いたフライアッシュおよびか焼カオリナイトの溶解を含む。得られたジオポリマーの強度は、上記のvan Jaarsveldら、2002年によって報告されたように、フライアッシュ/カオリナイトの比率およびアルミニウム−ケイ酸塩含有前駆体(カオリナイト)のか焼温度(300〜900℃)に大きく依存する。多くのジオポリマープロセスの特性、例えば、粘土とフライアッシュの比率、粘土のか焼温度、水/フライアッシュの比率などは、変更することが可能である。しかし、このようなジオポリマー材料の強度は、ポルトランドセメントをベースとする構造材料と同等であることはほとんどない;ジオポリマー強度は5から11MPa(725〜1500Psi)の範囲であるのに対して、ポルトランドセメントをベースとするコンクリートは、20〜40MPa(3000〜6000Psi)の範囲でなければならない。構造材料に用いられるかまたは設計されるジオポリマーのさらなる議論は、Jaarsveldら、The Effect of Alkali Metal Activator on the Properties of Fly-Ash Based Geopolymers、Ind. Eng. Chem. Res、1999年、38(10)、3932-3941頁;Madani Aら、Si-29 and Al-27 NMR-Study of Zeolite Formation from Alkali-Leached Kaolinites - Influence of Thermal Preactivation、Journal of Physical Chemistry、1990年、94(2):760-765頁;H. Rahierら、Low-Temperature Synthesized Aluminosilicate Glasses、Chapter 3. Influence of the Composition of the Silicate Solution on Production、Structure and Properties、Journal of Materials Science、1997年、32(9):2237-2247頁;J. Davidovits、Synthesis of New High Temperature Geopolymers for Reinforced Plastics/Composites、Proceedings of PACTEC 79、Society of Plastic Engineers、1979年、151-174頁;およびJ. Davidovits、Process for the Fabrication of Sintered Panels and Panels Resulting from the Application of this Process、米国特許第3,950,470号(1976年)による。
関連する技術は、アルカリ土類および遷移金属酸化物を含むアルミノケイ酸塩非結晶無機物原料を用いるソルゲル手段を介した無機複合結合材料の製造について、Nilsenら、Preparation and Characterization of Binder for Inorganic Composites made from Amorphous Mineral Raw Material、Journal of Sol-Gel Science and Technology、2005年、35(2)、143-150頁に記載されている。Nilsenらの方法では、蟻酸で出発原料を完全に溶解することが必要である。改善された強度は、構造適用に用いるのに十分でない。
特徴的な二酸化炭素の排出なく、ポルトランドセメントをベースとするコンクリートと同等の特性を有する構造材料を生成するための化学処理に用いられる他の手段は、ソルゲル処理を用いることである。Henchら、米国特許第5,147,829号は、ソルゲル由来のSiO酸化物粉末複合物およびそれらの生成を記載し、複合材料を形成するために、シリカをベースとするソル中に約0.001から約10ミクロンの間の範囲の粒径を有する小さな酸化物粉末を組み込む方法を議論する。このようにして生成された複合物は、酸化物粉末が均一に分布した、ポルトランドセメントをベースとするコンクリートと同等のまたは優れた機械的特性を有する、モノリシックなシリカゲルマトリクスであった。
Henchらのシリカソルをベースとする複合物の硬化時間は、ポルトランドセメントをベースとするコンクリートよりも実質的に速かった。しかし、シリカソルをベースとする複合物に含まれる酸化物粉末の割合は、1質量%から10質量%に制限され、残りは、乾燥および安定化のために700℃を超える昇温された温度で複合物を加熱する必要があるシリカゲルである。シリカソルの酸化物粉末の濃度が低く、そしてシリカアルコキシド前駆体の安定化および高密度化のために要求される温度および費用が高いために、このタイプのプロセスは、ポルトランドセメントをベースとする構造材料の代替に経済的に適さない。
セメントをベースとする構造材料の製造の炭素排出量を著しく減少させるために、ポルトランドセメントに対する既存の使用および依存に置き換え、そして上回ることができる、より強く、より軽く、より安く、そしてより信頼できる構造材料およびそれらの製造を提供するために、さらなる技術的革新が必要である。
本発明の第1の目的は、炭素化合物の排出がごくわずかな構造物を製造するための方法およびプロセスを提供することである。
本発明の第2の目的は、アルミノケイ酸塩をベースとする粉末の表面領域を大きく増加させ、そして化学的に活性にし、機能化粉末が水と混合された場合に、混合物中の各粉末の表面間で重縮合反応が生じて粉末を相互に結合させ、構造材料を形成する、構造物を製造するための方法およびプロセスを提供することである。
本発明の第3の目的は、表面機能化粉末を添加剤および乾燥骨材(例えば砂)および水と混合し、任意の所望の形状に注入されるか鋳造され、構造材料として用いるのに適切な硬化形状に急速に硬化され得るスラリーを作ることができる、方法およびプロセスを提供することである。
本発明の第4の目的は、ポルトランドセメントをベースとするコンクリート生成物と同等の機械的強度を有する構造物および材料を提供することである。
本発明の第5の目的は、任意の所望の形状に注入され、成型され、そして鋳造され得る構造物および材料を提供することである。
本発明の第6の目的は、セメントおよび砂と混合され、任意の所望の形状に注入され、成型され、そして鋳造され得る構造物および材料を提供することである。
本発明の第7の目的は、ナノメートルスケールで各材料の反応表面を増加および強化するためのフライアッシュおよび砂またはシリカのナノ機能化のための方法を提供することである。
本発明の第8の目的は、構造物の強度を増加させ、構造物を水不溶性にする有機ケイ酸化合物の添加によってフライアッシュを発泡機能化するための方法を提供することである。
本発明の第9の目的は、ひび割れまたは破砕することなく約1から2トンまでの負荷重量に耐えることができる15から約25グラムまでの範囲の質量を有する軽量構造材料を提供することである。
機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を調製するための好ましいプロセスおよび方法は、複数の粒子を有するアルミノケイ酸塩をベースとする粉末を選択する工程、該粉末を液体試薬で処理し、混合物(I)を形成する工程であって、該粉末が、化学的に活性な表面領域を有する各粒子で機能化される工程、該機能化粉末粒子を乾燥させる工程であって、該乾燥した機能化粉末が水と混合されたときに、該表面間で重合反応を生じて該粒子を共に結合させ、炭素化合物を排出しない構造材料を形成する工程、を含む。好ましいアルミノケイ酸塩をベースとする粉末は、工業用発電所のフライアッシュ、鉱山尾鉱、砂およびそれらの混合物のうちの1つである。
アルミノケイ酸塩粉末を処理するための好ましい液体試薬は、水酸化ナトリウム(NaOH)およびエチレングリコールと酸との混合物である。より好ましくは、液体試薬で粉末を処理する工程は、約120℃から約150℃の間の範囲の温度で、約4時間から約24時間までの時間にわたって、混合物(I)を還流、撹拌および蒸留する工程をさらに含む。
機能化されたアルミノケイ酸塩粉末から調製される好ましい構造物は、所望の形状に鋳造され、構造材料として用いるのに適切な硬化形状に急速に硬化される注入可能なスラリーを形成するために水と混合される乾燥骨材を形成する、非常に増加した化学的に活性な表面領域を有する複数の粒子を含む。
機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を調製するための別の好ましいプロセスおよび方法は、複数の粒子を有するアルミノケイ酸塩をベースとする粉末を選択する工程、該粉末を液体試薬と混合し、混合物(I)を形成する工程、混合物(I)を24時間連続的に還流および撹拌し、表面活性化粉末粒子を有する混合物(II)を形成する工程、混合物(II)を水で洗浄して残存する液体試薬を除去する工程、および洗浄された混合物(II)を環境大気中で乾燥させる工程、混合物(II)由来の乾燥した表面活性化粉末を、各粒子表面に化学的に活性なアルコキシド部位を有する機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を創出するのに十分な時間、蒸留工程に添加する工程、を含む。アルミノケイ酸塩をベースとする粉末が、工業用発電所のフライアッシュ、鉱山尾鉱、砂およびそれらの混合物であることもまた好ましく、好ましい液体試薬は、水酸化ナトリウム(NaOH)であり、より好ましくはNaOHの10M溶液である。
混合物(I)の還流および撹拌工程が、約120℃の温度で行われることもまた好ましく、好ましい蒸留工程は、不活性ガス流下で約150℃に加熱される調製された無水エチレングリコール中の濃硫酸溶液を含み、より好ましくは、蒸留工程は、pHを約2に維持しながら、少なくとも約4時間にわたって継続する。
さらに好ましい工程は、機能化粉末を、溶離液のpHが約5に到達するまで無水エタノールで洗浄する工程を含み、次いで、好ましくは、洗浄された機能化粉末は、乾燥され、密封容器内に保存され、そして好ましくは、乾燥工程は、約50℃の温度で行われる。
他の好ましい機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を調製するためのプロセスおよび方法は、アルミノケイ酸塩をベースとする粉末を選択する工程、該粉末を低温でアルコール/酸溶液と混合し、混合物(I)を形成する工程、混合物(I)をエステル化および蒸留のための有機溶媒を含むリアクターに移し、スラリー中に機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を形成する工程、該リアクターから水およびアルコールを除去する工程、濾過によって、該スラリーから該機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を分離し、残存する液体を蒸発させて、その表面に化学的に活性な部位を有する乾燥した機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を生成する工程、を含む。
好ましくは、機能化されるためのアルミノケイ酸塩をベースとする粉末は、工業用発電所のフライアッシュ、鉱山尾鉱、砂およびそれらの混合物である。好ましいアルコール/酸溶液は、約0℃の温度でアルミノケイ酸塩をベースとする粉末と混合されるエチレングリコール/硫酸であり、続いて、エステル化および蒸留のための好ましい有機溶媒としてトルエンが用いられる。
好ましい構造組成物、生成物および材料は、本明細書に記載されたプロセスおよび方法によって作られる。
好ましいナノ機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を調製するプロセスおよび方法は、複数の粒子を有するバルク量のアルミノケイ酸塩をベースとする粉末を選択する工程;該バルク粉末をフッ化水素酸溶液に溶解し、溶解した粉末および溶解していない沈殿物を含む混合物(IV)を形成する工程;さらなる工程のために該HF溶液に溶解した粉末を該溶解していない沈殿物から分離する工程であって、該溶解した粉末が第1の工程順序で処理され、そして該溶解していない沈殿物が第2の工程順序で処理される工程を含み、一方で、該第1の工程順序において、該溶解した粉末を水酸化ナトリウムを用いて再沈殿し、混合された水酸化物系無機物を生成し、該混合された水酸化物系無機物を機能化し、該第1の工程順序から、ナノサイズの複数の白色のバルク機能化された生成物を、回収し、そして該第2の工程順序において、溶解していない沈殿物が、アルミニウム含有量の低いアルミノケイ酸塩をベースとする粉末であり、該アルミニウム含有量の低い沈殿物を機能化し、該第2の工程順序から、ナノサイズの複数の薄灰色の機能化された生成物を、回収し、そして該第1の工程順序および該第2の工程順序からの該アルミノケイ酸塩をベースとする粉末が、ナノ機能化され、ナノサイズの粒子を有する超微細なバルク粉末を形成する。
アルミノケイ酸塩をベースとする粉末が、工業用発電所のフライアッシュ、鉱山尾鉱、砂およびそれらの混合物であることもまた好ましい。
本発明のさらなる目的および利点は、以下の現在の好ましい実施態様の詳細な記載(添付の図面で図式的に説明される)から明らかである。
炭素の排出がごくわずかな機能化されたフライアッシュ粒子を調製するために用いられるプロセス(A)の第1の実施態様の手順の概要のフローチャートである。 炭素の排出がごくわずかな機能化されたフライアッシュ粒子を調製するために用いられるプロセス(B)の第2の実施態様の手順の概要のフローチャートである。 プロセスAによる機能化前のフライアッシュ原料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 プロセスAによる機能化後のフライアッシュ原料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 機能化の前後のアルミノケイ酸塩粉末のフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)スペクトルのグラフである。 機能化前に湿気に曝された場合に、重縮合反応を受けるフライアッシュ粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 機能化後に湿気に曝された場合に、重縮合反応を受けるフライアッシュ粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 機能化前に湿気に曝された場合に、重縮合反応を受けている。 得られた骨材が非結晶または部分的に非結晶状態に変わる、室温での硬化のX線回折(XRD)結果を示す。 本発明の機能化されたアルミノケイ酸塩粉末のスラリーから鋳造された立方体鋳物を示す。 ナノ機能化されたフライアッシュを調製するために用いられるプロセス(C)の第3の実施態様の手順の概要のフローチャートである。 供給者から受けた未処理のフライアッシュの写真画像である。 フッ化水素酸処理後に水酸化ナトリウム(NaOH)で中和された溶解していないフライアッシュの写真画像である。 溶解していないナノ機能化されたフライアッシュの写真画像である。 フッ化水素酸処理後に水酸化ナトリウム(NaOH)で中和された溶解したフライアッシュの写真画像である。 溶解したナノ機能化されたフライアッシュの写真画像である。 骨材としてポルトランドセメントおよび砂と混合されたナノ機能化されたフライアッシュから鋳造された成型された構造断片を示す。 セメントを全く含まない処方由来の2つの成型された構造断片を示す。 鋳造されたセメントを含まない鋳物の拡大された走査型電子顕微鏡(SEM)画像である:長さ100μm(ミクロン)の視野の倍率130倍。 鋳造されたセメントを含まない鋳物の拡大された走査型電子顕微鏡(SEM)画像である:長さ20μm(ミクロン)の視野の倍率450倍。 鋳造されたセメントを含まない鋳物の拡大された走査型電子顕微鏡(SEM)画像である:長さ2μm(ミクロン)の視野の倍率5000倍。 フライアッシュおよびケイ砂の機能化された混合物から鋳造された2つの鋳物を示す。 テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)の添加による発泡機能化を用いるナノ機能化されたフライアッシュを調製するために用いられるプロセス(D)の第4の実施態様によって調製された3つの成型された構造断片を示す。
本発明の記載された実施態様を詳細に説明する前に、本発明はさらなる実施態様とすることが可能であるため、本発明は、示される詳細な特定の構成への適用に限られないことが理解されるべきである。また、本明細書中で用いられる用語は、限定ではなく、説明を目的とするものである。
本発明をより詳細に説明するために、本明細書中で用いられるいくつかの語句の意味を議論することは、有用である。
「機能化」は、本明細書において、所望の反応化学基の粒子表面への結合の意味として用いられ、本明細書の実施例1および2に記載されるプロセスで達成される。
「発泡機能化」は、本明細書において、実施例6に記載されるような発泡材料を生じる所望の反応化学基の粒子表面への結合の意味として用いられる。
「ナノ機能化」は、本明細書において、実施例4に記載されるプロセスにおけるような所望の反応化学基の超微細なナノサイズの粒子表面への結合の意味として用いられる。
本発明によれば、上述の目的は、水と混合されたときに急速な重合および粉末表面の結合に至る、化学的に活性な部位の広い表面領域および高い領域密度を有する、粉末状の表面活性化され、機能化されたアルミノケイ酸塩原料を調製することによって達成され、得られる硬化材料は、ポルトランドセメントの製造に特徴的な炭素化合物の排出がなく、ポルトランドセメントをベースとするコンクリートと同等の特性を有する。
フライアッシュおよび砂ならびにその改変体の表面領域の増加は、本発明によって得られる技術的進歩に重要である。以下の表1は、本発明で用いられる機能化されたフライアッシュおよび砂についての表面領域の増加の大きさの議論についての基準点を提供する。
Figure 0005749931
表1は、フライアッシュの表面領域が機能化された場合に、表面領域が10から15倍を超えて増加することを示す。砂が機能化された場合、表面領域は2から5倍を超えて増加する。機能化されたフライアッシュおよび機能化された砂の組み合わせは、それぞれの材料の5倍を超える表面領域の全体的な増加を提供する。増加した表面領域もまた化学反応性を有する。
ナノ機能化する理由は、フライアッシュ粒子間でより強い結合を創出する超微細な粒子を創出するためである。フライアッシュ粒子の最初の機能化が各粒子表面を反応性にし、それらの表面が相互に結合する。概念的に、このような結合した材料の微細構造は、球、平板、または他の不規則な粒子形がぎっしり詰まっているように見え、粒子は、それらが接触する部分では相互に結合されるが、それらが接触していないところでは粒子間に空の間隙がある。ナノ機能化された粒子は非常に小さいため、より大きなフライアッシュ粒子の間の空の間隙内に収まり、そしてフライアッシュ粒子を相互に結合させ、さらなる強度を提供するためのさらなる「接着剤」のように機能し得る。
本発明の説明を目的として(しかし制限することなく)、本明細書に6つの実施態様が記載される。
第1実施態様−機能化プロセス1
本発明の方法は、工業用発電所のフライアッシュまたは鉱山尾鉱のような粉末状のアルミノケイ酸塩をベースとする原料から出発することを意図する。工程1では、図1に示すように、原料をアルカリ水溶液と混合し、連続的に撹拌しながら120℃で還流する。アルミノケイ酸塩をベースとする粉末の表面は、このプロセス工程1の反応の間に、化学的に活性化された表面に変換される。プロセス工程1の反応の後、プロセス工程2において、活性化された粉末を濾過し、そして清浄水で洗浄し、塩化ナトリウム(NaCl)の形態で残存するアルカリを除去する。粉末から洗浄された可溶性アルカリは、後のバッチで用いるためにリサイクルされ、プロセスの負の環境影響を排除する。
工程2の後、化学的に活性化された粒子表面を有する粉末を、環境大気中で、湿度を監視しながら約50℃の低温で乾燥させて、プロセス工程3に進む前に粉末が乾燥し、そして乾燥したままであることを確実にする。必須ではないが、エチレングリコール(EG)のようなアルコールによる最終洗浄が、水の除去および乾燥を助けるために用いられる。
活性化された表面は、その後、プロセス工程3で、シラノール(SiOH)、準安定トリシロキサン環(Si−OH)および水和アルミン酸塩種(AlOH)のような非常に高い領域密度の化学的に活性な部位を有する機能化されたアルコキシド表面に変換される。
プロセス工程3において、濃硫酸および無水エチレングリコールの溶液を調製し、そして不活発な蒸留が始まるまで、蒸留装置で不活性ガス流下で加熱する。プロセス1および2からの活性化された粉末を連続的に撹拌しながら溶液中に混合し、そして混合物を穏やかな蒸留に戻す。数分後、溶液のpHを約2に調整する。pH約2を維持しながら蒸留を続け、必要に応じて追加の酸を添加する。このプロセスの間に生じる化学反応は、粉末上に高い領域密度の化学的に活性の部位を有する機能化されたアルコキシド表面を創出する。
機能化反応に続いて、混合物を濾過し、そして粉末を無水エタノールまたは他の適切なアルコールで、溶離液がpH5以上の値に到達するまで洗浄する。洗浄された機能化粉末を、さらに乾燥させ、密封容器内に保存する。
機能化粉末は、コンクリートおよびモルタルを作るなど、ポルトランドセメントと同様のすべての目的に用いることができるが、その製造の間、二酸化炭素を排出しない。機能化粉末は、それ自体を構造材料を作るために用いられ得、または広範囲の機械的特性および硬化時間を達成するためにポルトランドセメントおよび砂と混合され得る。
第2実施態様−機能化プロセス2
本発明のこの実施態様は図2に示され、プロセス工程1で工業用発電所のフライアッシュまたは鉱山尾鉱のような粉末状のアルミノケイ酸塩をベースとする原料から出発することを意図する。原料を、アルコール/酸溶液と、0℃に近い低温で混合する。プロセス1の化学反応は、アルミノケイ酸塩粉末の表面活性化を生じる。表面が活性化された粉末を、プロセス工程2において、100℃を超える適度な温度で、トルエンまたは他の適切な鎖状有機物(chain organics)と反応させることによって機能化し、機能化された粉末をエステル化および蒸留に供した後、系からアルコールおよび水を除去する。プロセス工程3において、機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を濾過し、そして残存する液を蒸発させて、乾燥した機能化粉末を生成する。
機能化プロセス2に記載されるように、可溶性アルコキシドは、蒸発によって系から除去され、これは機能化の有益な副産物であり、本発明の重要部分を構成する。
機能化粉末は、コンクリートおよびモルタルを作るなど、ポルトランドセメントと同様のすべての目的に用いることができるが、その製造の間、二酸化炭素を排出しない。機能化粉末は、骨材および水と混合することによって、それ自体を構造材料を作るために用いられ得、または広範囲の機械的特性および硬化時間を達成するために少量のポルトランドセメントおよび骨材と混合され得る。
実施例1または実施例2のいずれかの機能化プロセスによって生成される新規の機能化粉末を用いて、代表的な強い構造材料を作る例を、以下に述べる。
表面重縮合反応を促進するために、乾燥した機能化粉末を添加剤と混合し得る。代表的な添加剤は、80質量%の機能化粉末と、20質量%のポルトランドセメントとの比率のポルトランドセメントであり得る。乾燥骨材を、2種類の粉末と短時間十分に混合する。代表的な乾燥骨材は、建築用の砂であり得、粉末に対して0.6〜1.0の比率で添加される。機能化粉末+添加剤+骨材の混合物に水を添加し、そして型に注入しまたは鋳造するのに望ましい硬さになるまで混合する。注入または鋳造は、混合して10分以内に行うべきである。注入または鋳造された構造材料は、60〜80℃の適度な温度で、2日間以上かけて硬化させる。上記プロセスによって作られた新規な構造材料では、1平方インチにつき約3000ポンド(psi)以上の圧縮強度が得られる。
第3実施態様−ジオポリマー化
本実施態様は、Davidovitsら、米国特許第5,342,595号(1994年)(前出)およびJaarsveldら、Chemical Engineering Journal、2002年(前出)によって論証された、改変されたジオポリマー化手段に従う。しかし、本プロセスは、フライアッシュの早い鉱化作用に適応させるために大きく変更され、1工程プロセスにおいて、フライアッシュが種々の前駆体および高濃度アルカリと混合され、硬く強固な非結晶ゼオライトを形成する。このプロセスは、3以上のプロセス工程を用いる従来技術と対照的である。
第4実施態様−フライアッシュのナノ機能化
本実施態様は、図7および8A〜8E、9、および10に示され、フライアッシュのようなアルミノケイ酸塩粉末から出発し、そしてフッ化水素酸に粉末の成分を溶解することを意図する。フッ化水素酸中の処理/溶解は、混合された水酸化物系無機物を生じ、フッ化水素酸処理後にフライアッシュフッ化水素酸溶液の溶解した部分および溶解していない沈殿物は、別々に処理される。溶液の溶解した部分は、水酸化ナトリウムを用いて再沈殿され、その後、第1の工程順序で、上述の第1または第2実施態様のプロセスを用いて機能化される。溶解しなかった沈殿物は、再沈殿を必要とせず、第2の工程順序で、上述の第1または第2実施態様のプロセスを用いて、アルミニウム含有量が低いフライアッシュとして処理され、機能化される。第1の工程順序および第2の工程順序の両方から得られた粉末とも、ナノメータースケールの機能化によって、ナノスケールで非常に高い化学活性のバルク粉末機能化を示す。
第5実施態様−ケイ砂の機能化
本実施態様は、ケイ砂(SiO)の表面を化学的に活性にしそして表面領域を増加させるために実施例1または実施例2の表面機能化プロセスを用い、それによって、処方物において機能化されたフライアッシュと混合される場合に、表面縮合反応および構造強度に寄与する充填剤を形成する。
第6実施態様−発泡機能化
本実施態様は、内部結合剤として、機能化粉末および受け取ったままのフライアッシュにテトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)を添加することによって、実施例1、2および4の機能化プロセスを改変し、有機ケイ酸塩骨格を無機物の豊富な基質に付与することを意図する。機能化された混合物へのTEOSの添加は、強度を増加させ、最終生成物を水不溶性にする。低真空下で乾燥することにより、TEOS粉末混合物を発泡させ、それによって、非常に強度が高く軽量な構造材料を創出する。
実施例1−機能化プロセス1(アルコキシド表面)
本発明の方法は、3工程プロセスを意図し、プロセス工程1で、工業用発電所のフライアッシュまたは鉱山尾鉱のような粉末状のアルミノケイ酸塩をベースとする原料から出発し、粉末を10MのNaOH水溶液と混合し、そして連続的に撹拌しながら120℃で24時間還流する。アルミノケイ酸塩粉末の表面は、このプロセス工程1の反応の間に、化学的に活性化された表面に変換される。
プロセス工程1の反応の後、プロセス工程2において、活性化された粉末を濾過し、そして清浄水で洗浄し、残存するNaOHを除去する。粉末から洗浄されたNaOHは、後のバッチでの使用のために再利用され、プロセスの負の環境影響を排除する。
化学的に活性化された粉末を、環境大気で、湿度を監視しながら約50℃の低温で乾燥させ、プロセス工程3に進む前に粉末が乾燥していることを確実にする。必須ではないが、エタノールまたは他のアルコールによる最終洗浄を、水の除去および乾燥を補助するために用いてもよい。
活性化された表面は、その後、プロセス工程3で、シラノール(SiOH)および準安定トリシロキサン環(Si−OH)および水和アルミン酸塩種(AlOH)のような高密度の化学的に活性な部位を有する機能化されたアルコキシド表面に変換される。
プロセス工程3において、無水エチレングリコール中で濃硫酸溶液を調製し、そして、ゆっくりした蒸留が始まるまで、蒸留装置で不活性ガス流下で約150℃に加熱する。
プロセス1および2からの活性化された粉末を連続的に撹拌しながら溶液中に混合し、そして混合物を穏やかな蒸留に戻す。数分後、溶液のpHを約2の値に調整する。pH約2を維持しながら少なくとも4時間蒸留を続け、必要に応じて追加の硫酸を添加する。このプロセスの間に生じる化学反応は、粒子上に機能化されたアルコキシド表面を創出する。機能化反応に続いて、混合物を濾過し、そして粉末を無水エタノールまたは他の適切なアルコールで、溶離液がpH5以上に到達するまで洗浄する。洗浄された機能化粉末を、約50℃でさらに乾燥させ、密封容器内に保存する。機能化粉末は、コンクリートおよびモルタルを作るなど、ポルトランドセメントと同様のすべての目的に用いることができるが、その製造の間、二酸化炭素を排出しない。
機能化されたアルミノケイ酸塩粉末は、機能化プロセス1を用いた機能化の前(図3Aに示す)および機能化の後(図3Bに示す)のフライアッシュ原料の走査型電子顕微鏡画像から明らかなように、非常に増加した表面領域を有する。
機能化されたアルミノケイ酸塩粉末は、図4に示す機能化の前後の粉末のFTIRスペクトルから明らかなように、その表面上に化学的に活性のアルコキシド部位を新しく創出した。1100cm−1でのSi−O−C分子伸張振動、1020cm−1でのC−O振動および1300cm−1でのCH振動はすべて、表面機能化プロセスの間に創出される表面アルコキシド種の特徴である。
高い表面領域およびその表面上の化学的に活性のアルコキシド種を有する機能化されたフライアッシュ粉末は、機能化の前(図5Aに示す)および機能化の後(図5Bおよび5Cに示す)の粉末の走査型電子顕微鏡SEM画像から明らかなように、湿気に曝された場合に、重縮合反応を受け、粉末を相互に結合する。図5Cは、図5Bの画像の7倍超の拡大像である。
新規の機能化粉末を用いて、代表的な強い構造材料を作る例を、以下に述べる。表面重縮合反応を促進するために、乾燥した機能化粉末を添加剤と混合し得る。代表的な添加剤は、80質量%の機能化粉末と、20質量%のポルトランドセメントとの比率のポルトランドセメントであり得る。乾燥骨材を、2種類の粉末と短時間十分に混合する。代表的な乾燥骨材は、建築用の砂であり得、粉末に対して0.6〜1.0の比率で添加される。機能化粉末+添加剤+骨材の混合物に水を添加し、そして型に注入または鋳造するのに望ましい硬さになるまで混合する。注入または鋳造は、混合して短時間(約10分)以内に行うべきである。
注入または鋳造された構造材料は、60〜80℃の適度な温度で、数日間かけて硬化させる。上記プロセスによって作られた新規な構造材料では、>3000psiの圧縮強度が得られる。
実施例2−機能化プロセス2(エステル化)
本発明の第2の実施態様もまた、3工程プロセスであり、プロセス工程1の出発材料は、工業用発電所のフライアッシュまたは鉱山尾鉱のような粉末状のアルミノケイ酸塩をベースとする原料である。原料を、アルコールまたはエチレングリコール/酸溶液と、0℃に近い低温で混合する。プロセス工程1の化学反応は、アルミノケイ酸塩粉末の表面活性化を生じ、無用の副産物の蓄積を防ぐ。工程1の反応の後、表面が活性化された粉末を、プロセス工程2において、活性化されたスラリーを100℃を超える適度な温度に維持されたトルエンまたは他の適切な鎖状有機物を含むリアクター内に投入することによって機能化し、機能化され表面が活性化された粉末をエステル化および蒸留した後に、系からアルコールと水とを除去する。プロセス工程3において、機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を濾過し、そして残存する液を蒸発させて、乾燥した機能化粉末を生成する。
実施例3−改変されたジオポリマー化
本実施例では、プロセスのための原料は、工業的に得られたフライアッシュならびに硝酸カルシウム、塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコールのような一般的な化学物質である。フライアッシュを種々の前駆体および高濃度アルカリと混合し、硬く強固な非結晶ゼオライトを形成する、1工程プロセスである。
初期のAl−Si−Ca比(受けとったままのフライアッシュのエネルギー分散分析によって得られる)に基づいて、プロセスは、種々の前駆体(特にナトリウムおよびカルシウム)を混合することを必要とする。特定の比率は、The geo-polymerization of alumino-silicate minerals、International Jl. of Mineral Processing.、2000年、59号、247-266頁におけるHuaおよびDeventerの所見、特に鉱物組成束沸石(アルミナ:シリカ:酸化カルシウム=58.47:15.04:7.61)および/または方ソーダ石(アルミナ:シリカ:酸化カルシウム=27.57:21.51:10.76)に基づいた。
本実施例で用いられた前駆体は、過剰なナトリウム含量を付与するための食卓塩(塩化ナトリウム)および所望のカルシウムを付与するための硝酸カルシウムを含む。結合剤として、0.01質量%のポリエチレングリコール(分子量3400)を用いた。乾燥前駆体を、質量固定比率(フライアッシュ:砂:硝酸カルシウム:塩化ナトリウム:10M水酸化ナトリウム=1:1:0.04:0.01:0.4)で骨材として得られたままのフライアッシュおよび建築用の砂と混合した。アルカリの添加は、種々の酸化無機物の化学活性化および溶解のために重要である。アルカリの濃度は、5Mから10Mまで変えることができる。得られた混合物を、型に注入または鋳造するのに望ましい硬さになるまで混合した。
注入または鋳造された無機物を24時間かけて室温で硬化させ、その後適度な温度(80℃)で硬化して、無機物を重縮合させる。図6aのXRD結果に示されるように、硬化によって、得られた骨材は非結晶〜部分的に非結晶状態に変わる。元のフライアッシュからのムライトおよび石英の特定ピークの欠如およびその強度の減少は、24時間かけて80℃で硬化されることにより非結晶状態が達成されたことを示す。図6aのXRD結果に示されるように、室温での硬化では、非結晶化に至らない。本プロセスにより鋳造された立方体鋳物を図6bに示す。本プロセスは実施例1と組み合わせて用いられ得、特定比率の表面機能化されたフライアッシュは、機能化されていないフライアッシュと混合され得、そして水酸化ナトリウムのようなアルカリの添加によって縮合が達成され得る。
実施例4−フライアッシュのナノ機能化
フライアッシュのバルク機能化は、表面機能化の代替として、フライアッシュの成分を30%のフッ化水素酸(HF)に溶解することによって行った。フライアッシュをHFに溶解し、その後、1〜10Mの水酸化ナトリウム(またはアンモニア)を用いて再沈殿し、混合された水酸化物系無機物を生成した。バルクの混合された水酸化物を、以下の工程で詳述するように、同様の手順を用いて機能化した。
工程1:原料のフライアッシュ粉末200グラムを、フッ化水素酸(HF)150mlに溶解した。HFとフライアッシュとの反応は非常に発熱するため、反応は、テフロン(登録商標)フッ素樹脂ビーカーを用いて氷浴中で行った。フッ化水素酸(HF)を、10mlの少量ずつ添加した。反応を、次のロットのHFを添加する前に終わらせた。フライアッシュの一部はHFに溶解するが、その残りは沈殿物として残る。HFの添加によりさらなる反応が観察されなくなると、HFの添加を中止した。
工程2:上記溶解物を、遠心分離機を用いて分離し、上清(以下、Sという)を沈殿物(P)から除去した。溶解物Sを、10Mの水酸化ナトリウムで沈殿が終了するまで処理した。NaOHの添加によって種々の水酸化物/酸化物の沈殿を示唆する数段階の変色を経て沈殿が続くかを観察した。約50mlのNaOHを上清Sに添加した。得られた沈殿物を5ミクロンの濾紙を用いて濾過し、沈殿物を洗浄せずに乾燥させた。これを上清沈殿物SPといい、色は黄色であった。
次いで、工程2からの沈殿物Pもまた、10MのNaOHで処理した。反応は、工程2の反応と同じ手順に従って行い、沈殿物を5ミクロンの濾紙を用いて濾過した。沈殿物を乾燥させ、さらなる洗浄は行わなかった。濾過の後、得られた溶液を、さらなる水酸化ナトリウムを添加することによって試験し、種々の水酸化物の完全な沈殿を確実にしたことに留意のこと。これをPPといい、色は薄灰色であった。
次の工程では、100グラムの黄色い上清沈殿物(SP)を200mlのブタノールで処理し、130℃で2.5時間還流した。還流処理の開始時および還流処理の間、約10〜20mlの硫酸を添加し、溶液を低pH(2.0未満)で維持した。得られた沈殿物を5ミクロンの濾紙を用いて濾過し、そしてアセトンを用いて洗浄した。エタノールは沈殿物と反応することがわかったので、避けた。得られた粉末は白色であった。図8A〜8Eは、種々の化学処理の結果、粉末粒子の色が段階的に変化することを示す。
図8Aは、供給者から受け取ったままの濃い灰色のフライアッシュである。図8Bは、フッ化水素酸(HF)での処理および水酸化ナトリウム中和後の溶解していない部分のフライアッシュを示す。図8Cは、水酸化ナトリウムを用いて再沈殿させた、薄灰色の超微細粒子を有する溶解していないナノ機能化されたフライアッシュを示す。図8Dは、ブタノールで処理し、硫酸を添加して還流する前に、水酸化ナトリウムを用いて再沈殿させた、薄黄色の溶解したフライアッシュを示す。図8Eは、白色の超微細なナノサイズ粒子を有するナノ機能化されたフライアッシュである。
工程1からの溶解していない沈殿物である100グラムの薄灰色の沈殿物(PP)もまた、100グラムのSPと同様の方法で処理した。ブタノール中で2.5時間還流し、硫酸を添加してpHを2.0未満の値で維持し、濾過し、そして沈殿物をアセトンで洗浄した。この場合、得られた粉末は、元の灰色の沈殿物(PP)よりも薄い灰色である。
工程1の最初のフッ化水素酸処理は、フライアッシュ中の一部の酸化物を溶解するが、すべての無機物が溶解されるわけではない。溶解しなかった部分は、未処理のフライアッシュと本質的に同様の粒子であるが、HFに溶解した成分が失われた粒子からなる。溶解しなかった部分は、図7に記載のように機能化され得、結果は、フライアッシュのナノ機能化と同様である。NaOHを用いて、超微細なナノサイズの水酸化物粒子として沈殿するのは溶解した部分である。次いで、超微細粒子は、粒子が既に水酸化物であるため、機能化プロセスの工程2のみを用いて機能化される;結果物は、図8Eに示す超微細「ナノ機能化」粉末である。
実施例5−ケイ砂の機能化
砂の機能化は、実施例1に示したのと同様の手順を用いることで達成された。この場合の原料は、砂のみまたはフライアッシュと砂との混合物であった。原理および手順は同様であり、機能化のプロセスは、酸化物および混合された酸化物表面に関して普遍的であることを証明する。工程2の後の最終生成物は、表1(前出)に列挙された著しく広い表面領域を有する材料を産出する。
自然状態のケイ砂は、反応表面を有さないため、砂と機能化されたフライアッシュ粒子との間の化学結合がない。砂を機能化することによって、フライアッシュ粒子間に形成されるのと同様の結合が、フライアッシュと砂との間にも形成される。砂の機能化により、コンクリートはより強固になる。
実施例6−フライアッシュの発泡機能化
フライアッシュの急速な鉱化は、内部結合剤としてテトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)を添加することによってさらに改善され得、有機ケイ酸塩骨格を無機物の豊富な基質に付与し、基質の強度を多方面にわたって(by manifolds)増加させることができる。TEOSの添加はまた、最終生成物を水不溶性にし、従来どおりに鉱化された生成物を上回る性能に改善する。代表的な反応では、15〜40%のTEOSを、50〜60%の工業的に利用可能なフライアッシュおよび35〜40%のケイ砂と混合し得る。特定の薬剤として、硝酸カルシウム、塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール(分子量600〜3400)のような添加剤を用い、比率0.2:0.5:0.3のTEOS:フライアッシュ:添加剤(ケイ砂を含む)を得ることができた。
本プロセスで用いられるフライアッシュは、受け取ったままのまたは実施例1、2および4におけるように機能化されたフライアッシュであり得る。乾燥前駆体混合物を、型に注入するのに望ましい硬さになるまで水酸化ナトリウムと混合し、スラリーを得た。アルカリは、フライアッシュ中に存在する種々の酸化物の化学活性化および溶解を得るために重要である。アルカリの濃度を、5〜10Mまで変化させ、鋳造された型を、24時間かけて室温で乾燥させ、その後80℃でさらに24時間乾燥させた。試料を多孔性にするために、型を真空で乾燥させた。乾燥プロセスの間、そして真空下で、試料に所望の多孔性が創出される。試料に真空を創出する他の手順は、TEOSの沸点より高い温度で試料を加熱することである。このプロセスの硬化時間は、添加剤に大きく依存する。
硬化剤としてのアルコール−エタノールは、本プロセスの硬化時間を改変するために用いられ得る。代表的に、アルコールの添加は、TEOS、フライアッシュおよび水酸化ナトリウムを一相にするための界面活性剤として働き、それによって、反応速度を促進する。したがって、アルコール濃度は、混合物の硬化時間を制御するのに用い得る。混合物のアルコール濃度は、約5%から約25%まで変化させることができ、5%レベルにおける1分以下から、25%レベルにおける数時間まで、硬化時間を変えることができる。図13に示すように、発泡により非常に軽量な、多孔性の構造材料が製造される。
成型された直径約1インチ、高さ約2インチの円柱状の構造部分の平均質量は、同じ寸法のフライアッシュおよびセメントをベースとする型の質量が約30から約40グラムであるのに比べて、約18から約24グラムである。発泡材料は、ひび割れまたは破砕することなく2トン車両の負荷に容易に耐えることができる。
以下の実施例では、型の鋳造および硬化時間の制御について議論する。
実施例7−従来の型の鋳造
SPおよびPPの両方から機能化されたフライアッシュを用いて、型を鋳造した。フライアッシュとセメントとの比率は75:25であり、砂は骨材として用いた。正確には、60グラムのフライアッシュ+20グラムのセメント+40グラムの砂を用いた。反応は非常に発熱し、60℃を上回り、約80℃までの熱を発生し得、型に鋳造し得るのに望ましい硬さのスラリーを得るために、対照試料よりも多く必要であることがわかった。速い発熱反応により、鋳造された型は、形状を保持して5分以内に乾燥状態に達した。しかし、強度を増すために、湿度制御された環境で硬化を行った。円柱状の型(直径1インチおよび高さ2インチ)を、図9に示すように鋳造した。硬化は、最終生成物のpHを強酸のpH(3〜5)で1分間から完全に中和された生成物として2日間まで制御することによって変化させ得る。図9の成型された材料は、標準のポルトランドセメントおよび骨材としての砂と、ナノ機能化されたフライアッシュとセメントとの比率70:30でそれぞれ混合した、ナノ機能化されたフライアッシュを用いて形成される。得られたコンクリートの強度は、コンクリートの乾燥速度に依存する。この型で得られる乾燥速度が非常に速いと、コンクリート全体の強度が低下する。しかし、水遅延剤(water retardants)のような添加剤を用いることによって、乾燥を制御し得、得られたコンクリートは非常に高い構造強度を有する。
実施例8−セメントを含まない型の鋳造および硬化
ナノ機能化されたフライアッシュのみの鋳造中の非常な発熱反応のために、結合剤としてナノ機能化されたフライアッシュを用いて、型を鋳造した。この特定の鋳造は、セメントの代わりに結合剤および充填剤としてナノ機能化されたフライアッシュを用い、それにより、100%セメントを含まない構造材料を製造した。型は、70%の実施例1および2からの機能化されたフライアッシュ、および30%の実施例4からのナノ機能化されたフライアッシュを用いて鋳造し、砂を充填剤として用いた。このプロセスからの型を図10に示す。機能化されたフライアッシュとナノ機能化されたフライアッシュとの間の反応によって硬化の後体積が増加し、それによって、多孔性生成物を創出する。硬化は、最終生成物のpHを強酸のpH(3〜5)で1分間から完全に中和された生成物として2日間まで制御することによって変化させ得る。
本発明のプロセスおよび材料の主な利点は、環境への炭素生成物の排出のない構造材料の製造である。本発明はまた、ポルトランドセメントの製造に特徴的な炭素化合物を排出することなく、ポルトランドセメントをベースとするコンクリート製品またはモルタルと同等の性質を有する構造材料を提供する。本発明は、表面機能化粉末が、骨材および水と混合され得、建築で用いるのに適した硬化材料を形成するような、工業用発電所のフライアッシュまたは鉱山尾鉱のようなアルミノケイ酸塩をベースとする原料の表面活性化および機能化のための方法を提供する。本発明は、重要な商業上の需要を有することが運命付けられている。
発明は、実施において推定される特定の実施態様または改変の種々の観点から記載され、開示され、説明され、そして示されているが、本発明の範囲は、それによって制限されることを意図するものではなく、また、制限されると考えるべきでもない。本明細書の教示によって示唆され得るような他の改変または実施態様は、特にそれらが添付の特許請求の範囲の広さおよび範囲内に収まる限り、特段に留保される。

Claims (19)

  1. 機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を調製するためのプロセスであって:
    a)工業用発電所のフライアッシュ、鉱山尾鉱、砂およびそれらの混合物からなる群から選択されるアルミノケイ酸塩をベースとする粉末を選択する工程;
    b)該粉末を液体試薬で処理し、混合物(I)を形成する工程であって、該粉末が、化学的に活性な表面領域を有する各粒子で機能化される、工程;および
    c)該機能化された粉末粒子を乾燥させ、該乾燥した機能化された粉末が水と混合されたときに、該表面間で重合反応が生じて該粒子を共に結合させ、炭素化合物を排出しない構造材料を形成する工程、
    を含み、
    該処理する工程が、120℃から150℃の間の範囲の温度で該混合物(I)を還流、撹拌および蒸留する工程を含む、プロセス。
  2. 前記液体試薬が、水酸化ナトリウム(NaOH)およびエチレングリコールと酸との混合物のうち少なくとも1つから選択される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記混合物(I)を還流、撹拌および蒸留する工程が、4時間から24時間までの時間にわたる、請求項1に記載のプロセス。
  4. 請求項1に記載のプロセスによって調製されたアルミノケイ酸塩粉末から調製された構造物であって、各表面領域に化学的に活性なアルコキシド部位を有する機能化されたアルミノケイ酸粒子が、構造材料として用いる前に所望の形状に鋳造されて硬化形状に硬化される注入可能なスラリーを形成するために、後に水と混合される乾燥骨材を形成する、構造物。
  5. 前記工程b)が、前記粉末を液体試薬と混合し、混合物(I)を形成する工程と、次いで混合物(I)を24時間連続的に還流および撹拌し、表面活性化粉末粒子を有する混合物(II)を形成する工程とを含み;そして
    前記工程c)が、乾燥工程前に混合物(II)を水で洗浄して残存する液体試薬を除去する工程を含み;
    ここで、乾燥工程が環境大気で起こり、そして
    該プロセスが、さらに混合物(II)由来の乾燥した表面活性化粉末を、各粒子表面に化学的に活性なアルコキシド部位を有する機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を創出するのに十分な時間、蒸留工程に添加する工程を含む、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記液体試薬が、水酸化ナトリウム(NaOH)である、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記液体試薬が、NaOHの10M溶液である、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記混合物(I)を還流および撹拌する工程が、120℃の温度で行われる、請求項5に記載のプロセス。
  9. 前記蒸留工程において、不活性ガス流下で150℃に加熱される調製された無水エチレングリコール中の濃硫酸溶液が用いられる、請求項5に記載のプロセス。
  10. 前記蒸留工程が、pHを2に維持しながら、少なくとも4時間にわたって継続する、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記機能化された粉末を、溶離液のpHが5に到達するまで無水エタノールで洗浄する工程をさらに含む、請求項5に記載のプロセス。
  12. 前記洗浄された機能化された粉末が、乾燥され、密封容器内に保存される、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記洗浄された機能化された粉末が、50℃の温度で乾燥される、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記工程b)が、前記粉末を0℃に近い低温でアルコール/酸溶液と混合し、混合物(I)を形成する工程と、次いで混合物(I)をエステル化および蒸留のための有機溶媒を含むリアクターに移し、スラリー中に機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を形成する工程と、該リアクターから水およびアルコールを除去する工程とを含み;そして
    前記工程c)が、濾過によって、該スラリーから該機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を分離し、残存する液体を蒸発させて、乾燥した機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を生成する工程を含む、請求項1に記載のプロセス。
  15. 前記アルコール/酸溶液が、エチレングリコール/硫酸である、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記アルコール/酸溶液が、0℃の温度で前記アルミノケイ酸塩をベースとする粉末と混合される、請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記エステル化および蒸留のための有機溶媒がトルエンである、請求項14に記載のプロセス。
  18. 請求項14に記載のプロセスによって製造された構造材料。
  19. ナノ機能化されたアルミノケイ酸塩粉末を調製するプロセスであって、以下の工程を含むプロセス:
    a)工業用発電所のフライアッシュ、鉱山尾鉱、砂およびそれらの混合物からなる群から選択されるバルク量のアルミノケイ酸塩をベースとする粉末を選択する工程;
    b)該バルク粉末をフッ化水素酸溶液に溶解し、溶解した粉末および溶解していない沈殿物を含む混合物(IV)を形成する工程;
    c)さらなる工程のために該HF溶液に溶解した粉末を該溶解していない沈殿物から分離する工程であって、該溶解した粉末が第1の工程順序で処理され、そして該溶解していない沈殿物が第2の工程順序で処理される、工程;を包含し、
    d)該第1の工程順序において、該溶解した粉末を水酸化ナトリウムを用いて再沈殿し、混合された水酸化物系無機物を生成し;
    e)該混合された水酸化物系無機物を機能化し;
    f)該第1の工程順序から、ナノサイズの粒子の白色のバルク機能化された生成物を回収し;
    g)該第2の工程順序において、該溶解していない沈殿物を乾燥しアルミノケイ酸塩をベースとする粉末を形成し;
    h)該沈殿物を機能化し;
    i)該第2の工程順序から、薄灰色の機能化された生成物のナノサイズの粒子を回収し;そして
    j)該第1の工程順序および該第2の工程順序からの該アルミノケイ酸塩をベースとする粉末が、ナノ機能化され、ナノサイズの粒子を有する超微細なバルク粉末を形成する。
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