JP5748997B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は光学ガラスに関し、特に高屈折率・低分散、低屈伏点で、且つ成形時における耐失透性に優れ、モールド成形及び微細構造の転写に適した組成を有する光学ガラスに関する。
近年、光学機器の小型軽量化が著しく進展している中で、非球面レンズが多く用いられるようになってきている。これは、非球面レンズは光線収差の補正が容易であり、レンズの枚数を少なくし、機器をコンパクトにすることができるためである。
また非球面レンズを含む光学ガラスの新たな用途も多々開発されてきており、そのような状況の中で、金型の微細構造を精度よく転写できるガラスが望まれている。
非球面レンズ等のガラスの製造は、ガラスのプリフォームを加熱軟化させ、これを所望形状に精密モールドプレス成形することによってなされている。
プリフォームを得る方法は大きく2種類に分けられ、その1つはガラスのブロック或いは棒材等からガラス片を切り出してプリフォーム加工する方法である。もう1つはガラス融液をノズル先端から滴下して球状のガラスプリフォームを得る方法である。
ところで、精密モールド成形によってガラス成形品を得るためには、プリフォームの加圧成形を屈伏点(At)近傍の温度で行うことが必要である。従ってプリフォームの屈伏点(At)やガラス転移点(Tg)が高いほど、これに接する金型が高温に曝され、金型表面が酸化消耗され易くなる。即ち、屈伏点(At)やガラス転移点(Tg)が高くなると、金型の耐久性低下に伴うメンテナンスがより必要となり、低コストでの大量生産が実現できなくなる。このため、プリフォームを構成する光学ガラスは、比較的低温で成形できること、従ってガラス転移点(Tg)や屈伏点(At)が低いことが望まれている。
一方、モールドレンズに用いられるガラスとしては、その用途に応じて種々の光学特性を有するものが求められている。例えば積層構造を持つレンズを得るのに適したガラスとして、屈折率(n)が1.56以上、アッベ数(ν)が58以上で、且つ屈伏点(At)が低いガラスが要求されている。
このような要求に対して、従来、例えばBaFタイプのガラスが提供されている。しかし、このBaFタイプのガラスは屈伏点(At)の高いガラスが多く、上記した金型の耐久性の低下、それに伴うメンテナンスの増大、大量生産性の低下、コスト増の問題があった。
またP−Al−LiO−Gd−RO系ガラスで、屈折率(n)が1.56〜1.62、アッベ数(ν)が56〜64の範囲を有する光学ガラスが開示されている(特許文献1)。
またP−Al−B−LiO−ZnO−BaO−R系ガラスで、屈折率(n)が1.60〜1.64、アッベ数(ν)が58〜64、屈伏点(At)が500℃未満を有する光学ガラスが開示されている(特許文献2)。
またP−BaO−Bi−Nb系ガラスで、屈折率(n)が1.50〜1.60、アッベ数(ν)が50〜65、ガラス転移点(Tg)が400℃以下を有する光学ガラスが開示されている(特許文献3)。
またP−ZnO−BaO−Sb系ガラスで、屈折率(n)が1.50〜1.65、アッベ数(ν)が50〜65、ガラス転移点(Tg)が400℃以下を有する光学ガラスが開示されている(特許文献4)。
またP−B−LiO−RO系ガラスで、アッベ数(ν)が58以上、ガラス転移点(Tg)が570℃以下を有する光学ガラスが開示されている(特許文献5)。
またP−SnO−RO系ガラスで、屈折率(n)が1.50〜1.80、アッベ数(ν)が25〜65、ガラス転移点(Tg)が500℃以下を有する光学ガラスが開示されている(特許文献6)。
またP−B−BaO−Al−La系ガラスで、屈折率(n)が1.50〜1.70、アッベ数(ν)が59〜70、ガラス転移点(Tg)が550℃以下を有する光学ガラスが開示されている(特許文献7)。
特開2000−72474号公報 特開2004−168593号公報 特開2007−70194号公報 特開2007−145613号公報 特開2007−119329号公報 特開2009−18952号公報 特開2009−40663号公報
しかしながら特許文献1、3のガラスの場合、P成分が多量に含まれており、耐水性が良くないという問題がある。
特許文献2のガラスの場合、屈伏点(At)を低くするために、耐候性の改善に効果があるフッ化物を加えず、アルカリ成分等で構成されており、化学的耐久性に問題がある。
一方、特許文献4のガラスは耐候性が悪いという問題がある。
特許文献5、7のガラスの場合、屈伏点(At)が510℃以上と高くなる傾向にあり、金型が劣化し易いという問題がある。
特許文献6の場合、P−SnO系ガラスのため、溶融雰囲気を中性若しくは還元雰囲気に保たなければならない問題がある。
そこで本発明は上記従来の光学ガラスにおける欠点を解消し、屈折率(n)が1.56以上、アッベ数(ν)が58.0以上、屈伏点(At)が510℃未満で、且つ成形時の耐失透性が良好で、精密モールドプレス成形等のモールド成形及び微細構造の転写に適した光学ガラスの提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ガラス製造にあたって、その組成をP−B−RO−RO−R系ガラスを基本とし、且つアルカリ金属酸化物の組み合わせと希土類酸化物の適切な組み合わせによる組成とすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の光学ガラスは、P:30.0〜45.0質量%、B:2.0〜5.0質量%、LiO:0.1〜8.0質量%、NaO:2.0〜10.0質量%、BaO:15.0〜40.0質量%、ZnO:2.0〜30.0質量%、Y+La+Gd:1.3〜8.0質量%、Gd:1.3〜5.0質量%、CaO:0.1〜2.5質量%含有し、更にZrO:3.0質量%以下、Nb:3.0質量%以下(ただし3.0質量%を除く)、Ta:3.0質量%以下、WO:3.0質量%以下のうち、何れか1つ若しくは2つ以上を含有し、
且つ酸化物の一部をフッ化物に置換したFの合計量が、酸化物基準組成100質量%に対して8.0質量%以下となるようにして、Fを含有させていることを第1の特徴としている。
また本発明の光学ガラスは、上記第1の特徴に加えて、A:3.0質量%以下含有することを第2の特徴としている。
また本発明の光学ガラスは、上記第1又は第2の特徴に加えて、KO:10.0質量%以下含有することを第3の特徴としている。
また本発明の光学ガラスは、上記第3の特徴に加えて、LiO+NaO+KO:2.1〜15.0質量%含有することを第4の特徴としている。
また本発明の光学ガラスは、上記第1〜第4の何れかの特徴に加えて、Yb:3.0質量%以下含有することを第5の特徴としている。
また本発明の光学ガラスは、上記第1〜第5の何れかの特徴に加えて、屈折率(n)が1.56〜1.63、アッベ数(ν)が58.0〜64.0、ガラス転移点(Tg)が470℃以下、ガラス屈伏点(At)が510℃未満であることを第6の特徴としている。
上記において、屈折率(n)とは、ヘリウムの587.6nmの輝線に対する屈折率を言う。またアッベ数(ν)は、ν=(n−1)/(n−n)で定義され、n、nは、それぞれ水素の486.1nm及び656.3nmの輝線に対する屈折率である。またガラス転移点(Tg)とは、熱機械分析装置(TMA)で熱膨張測定をしたとき、ガラスの伸び率が急激に増大することによって膨張曲線が屈曲する部分の、低温側と高温側の直線のそれぞれの延長線の交点に相当する温度である。また屈伏点(At)とは、熱機械分析装置(TMA)で熱膨張測定をしたとき、ガラスの軟化によって膨張曲線が上昇から下降に転じる極大点である。
請求項1に記載の光学ガラスによれば、そこに記載された組成としたので、
屈折率(n)が1.56以上やアッベ数(ν)が58以上、屈伏点(At)が510℃未満で、成形時の耐失透性が良好で、精密モールドプレス成形等のモールド成形及び微細構造の転写に適した光学ガラスを提供することが可能となった。
を2.0〜5.0質量%含有させることで、ガラスの安定性が増す。
Gdを1.3〜5.0質量%含有させることにより、光学ガラスの安定性、成形性を向上させることができ、また所望の光学恒数(屈折率、アッベ数)を備えた光学ガラスに調整するのが容易である。
CaOを0.1〜2.5質量%含有させることで、ガラスの安定性を高め、成形性を向上させる。
ZrOを3.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下(ただし3.0質量%を除く)、Taを3.0質量%以下、WOを3.0質量%以下のうち、何れか1つ若しくは2つ以上を含有することにより、屈折率を一層高くすることが可能となる。
また酸化物の一部をフッ化物に置換したFの合計量が、酸化物基準組成100質量%に対して8.0質量%以下となるようにして、Fを含有させていることにより、
ガラス転移点(Tg)、屈服点(At)を一層低下させ、耐候性の向上を図ることが可能となる。
また請求項2に記載の光学ガラスによれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、Al 3.0質量%以下含有することにより、
耐白濁性、精密モールドプレス成形性の各特性を一層向上させることが可能となる。
また請求項3に記載の光学ガラスによれば、上記請求項1又は2に記載の構成による効果に加えて、K10.0質量%含有することにより、
ガラス転移点(Tg)、屈伏点(At)を一層低下させることが可能となる
また請求項4に記載の光学ガラスによれば、上記請求項3に記載の構成による効果に加えて、LiO+NaO+K2.1〜15.0質量%含有することにより、
ガラス転移点(Tg)、屈伏点(At)をより効果的に低下させることが可能となる。
また請求項5に記載の光学ガラスによれば、上記請求項1〜の何れかに記載の構成による効果に加えて、Yb 3.0質量%以下含有することにより、
光学ガラスの安定性、成形性を一層向上させることができ、また所望の光学恒数(屈折率、アッベ数)を持つ光学ガラスに調整するのが容易である。
また請求項6に記載の光学ガラスによれば、上記請求項1〜の何れかに記載の構成による効果に加えて、屈折率(n)が1.56〜1.63、アッベ数(ν)が58.0〜64.0、ガラス転移点(Tg)が470℃以下、ガラス屈伏点(At)が510℃未満であることにより、
現に高屈折率・低分散で、且つ低温度での成形性に優れた、金型の寿命を長くすることができる光学ガラスを提供することができる。
本発明の光学ガラスにおける成分とその含有量について説明する。
成分Pはガラスの網目構造形成成分であり、ガラスに製造可能な安定性をもたせるための必須成分である。
は30.0〜45.0質量%含有させる。
30.0質量%未満ではガラスの安定性が悪化する。また45.0質量%を超えると、ガラスの耐水性が悪くなる上に、屈折率の充分高いガラスが得られなくなる。
の含有量は、ガラスの安定性、屈折率等を考慮すると、32.0〜45.0質量%がより好ましい。更に好ましくは35.0〜45.0質量%含有させるのがよい。
成分BはPと同様にガラスの網目構造を形成して、ガラスを安定化させる必須成分である。
は0.1〜5.0質量%含有させる。
0.1質量%未満では、ガラスの安定性を図る効果がない。また5.0質量%を超えると、ガラスの安定性が悪化する。
の含有量は、ガラスの安定性、屈折率等を考慮すると、1.0〜5.0質量%がより好ましい。更に好ましくは2.0〜5.0質量%含有させるのがよい。
LiOはガラス転移点、屈伏点を低下させると同時に、良好な屈折率を保持するために有効である。
LiOは0.1〜8.0質量%含有させる。
0.1質量%未満だと屈伏点を低下させる効果が不十分となる。一方、8.0質量%を超えると、ガラスの安定化を損なう。
LiOの含有量は、ガラスの安定性、屈折率等を考慮すると、0.1〜3.0質量%がより好ましい。更に好ましくは0.1〜2.0質量%含有させるのがよい。0.1〜1.0質量%が最も良い。
成分NaOはガラス転移点、屈伏点を低下させるために有効である。
NaOは2.0〜10.0質量%含有させる。
2.0質量%未満だと屈伏点を低下させる効果が不十分となる。一方、10.0質量%を超えると、ガラスの屈折率の低下を招く。
NaOの含有量は、ガラスの転移点、屈伏点、屈折率を考慮すると、2.0〜8.0質量%がより好ましく、更に好ましくは2.0〜6.0質量%とするのがよい。
成分BaOはガラスの安定性を高め、且つ屈伏点や液相温度を低下させるために必須である。
BaOは15.0〜40.0質量%含有させる。
15.0質量%未満では屈伏点が高くなり、ガラスの安定性の点で好ましくない。また40.0質量%を超えるとガラスの安定化を損なう。
BaOの含有量は、ガラスの成形性、屈折率等を考慮すると、15.0〜38.0質量%がより好ましい。更に好ましくは15.0〜35.0質量%含有させるのがよい。
成分ZnOはガラス成形時の失透の発生を抑制し、屈伏点を低下させてガラスの成形性をよくするために必須である。
ZnOは2.0〜30.0質量%含有させる。
2.0質量%未満では、屈伏点を低下させる効果が不十分となる。また30.0質量%を超えると、ガラスの安定化を損なうため好ましくない。
ZnOの含有量は、ガラスの成形性、安定性、ガラスの転移点、屈伏点を考慮すると、4.0〜28.0質量%がより好ましい。更に好ましくは8.0〜26.0質量%含有させるのがよい。
成分Y、La、Gdは、ガラスの屈折率とアッベ数を高めるために有効である。
、La、Gdの3成分は、その合計量で1.3〜8.0質量%含有させる。
3成分の合計量が8.0質量%を超えると、ガラスの安定化の点で好ましくない。
3成分の合計量が1.3質量%未満だと屈折率とアッベ数を高めるには不十分となる。
3成分の合計量は、ガラスの成形性、屈折率等を考慮すると、1.3〜5.0質量%がより好ましい。更に好ましくは合計で1.3〜4.0質量%含有させるのがよい。
成分Gdは、ガラスの安定性を高め、屈折率とアッベ数を高めるために有効である。
Gdは、1.3〜8.0質量%で含有させることが可能である。
1.3質量%未満だと屈折率とアッベ数を高めるには不十分となる。8.0質量%を超えると、ガラスの安定性の低下を招く。
Gdの含有量は、ガラスの安定性、成形性を考慮すると、1.3〜6.0質量%が良いが、特に1.3〜5.0質量%が好ましく、1.3〜4.0質量%が更に好ましい。
ガラスに含まれるFは、ガラスの溶融性を高める効果と、ガラスの耐候性を高めるのに有効な成分である。
任意成分として酸化物の一部をフッ化物に置換したFの合計量が、酸化物基準組成100質量%に対して8.0質量%以下で添加することができる。
8.0質量%を超えると、ガラスの安定性を損なう。
Fの含有量は、ガラスの安定性を考慮して、0.1〜7.0質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜6.0質量%とするのがよい。
成分MgOは、ガラスの安定性を高め、成形性の向上に有効である。
任意成分として1.0質量%以下で含有させることができる。
1.0質量%を超えると、ガラスの安定化を損なうため好ましくない。
MgOの含有量は、ガラスの成形性、屈折率を考慮して、0.1〜0.8質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜0.6質量%とするのがよい。
成分CaOは、ガラスの安定性を高め、成形性の向上に有効である。
任意成分として3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの安定化を損なうため好ましくない。
CaOの含有量は、ガラスの成形性、屈折率を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0質量%とするのがよい。
成分SrOは、ガラスの安定性を高め、成形性の向上に有効である。
任意成分として8.0質量%以下で含有させることができる。
8.0質量%を超えると、ガラスの屈折率の低下を招く。
SrOの含有量は、ガラスの成形性、屈折率を考慮して、0.1〜7.0質量%がより好ましく、更に好ましくは1.0〜6.0質量%とするのがよい。
なお、成分MgO、CaO、SrOは、成分MgOを1.0質量%以下、成分CaOを3.0質量%以下、成分SrOを8.0質量%以下の含有量で、その何れか1つ若しくは2つ以上を含有させるのが、ガラスの安定性と成形性の向上を図る上で好ましい。
成分Alは成形時の失透の発生を抑制するために有効であり、また耐候性にも効果がある。
任意成分として3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの液相温度を上げ、また屈折率を低下させるので好ましくない。
Alの含有量は、ガラスの液相温度、屈折率を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0質量%含有させるのがよい。
成分KOもガラス転移点、屈伏点を低下させるために有効である。
Oは10.0質量%以下で含有させることができる。
10.0質量%を超えると、ガラスの屈折率の低下を招く。
Oの含有量は、ガラスの転移点、屈伏点、屈折率を考慮して、2.0〜9.0質量%がより好ましく、更に好ましくは2.0〜8.0質量%含有させるのがよい。
なお、成分LiOとNaOとKOは、その合計が2.1〜15.0質量%の範囲とするのが好ましい。2.1質量%未満では、屈伏点(At)を低下させる効果が不十分となる。
一方、15.0質量%を超えるとガラスの安定化を損なう。
成分LiOとNaOとKOの合計量は、より好ましくは2.1〜12.0質量%とするのがよい。更に好ましくは2.1〜10.0質量%含有させるのがよい。
成分Ybは、ガラスの安定性を高め、成形性の向上に有効である。
任意成分であるが、3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの安定性を低下させる。
Ybの含有量は、ガラスの安定性、成形性を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましい。更に好ましくは0.1〜2.0質量%含有させるのがよい。
成分ZrOは、ガラスの屈折率とアッベ数を高め、ガラスの安定性を高めるのに有効である。
任意成分として3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの安定性の低下を招く。
ZrOの含有量は、ガラスの屈折率、アッベ数、成形性を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0質量%とするのがよい。
成分Nbは、ガラスの屈折率を高め、ガラスの安定性を高めるのに有効である。
任意成分として3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの安定性の低下を招く。
Nbの含有量は、ガラスの屈折率、安定性を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0質量%とするのがよい。
成分Taは、ガラスの屈折率とアッベ数を高め、ガラスの安定性を高めるのに有効であるが、経済的に高価な成分であり、ガラス製作にはコスト高になる。
任意成分として3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの安定性の低下を招く。
Taの含有量は、ガラスの屈折率、アッベ数、安定性を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0質量%とするのがよい。
成分WOは、ガラスに高屈折率をもたらし、また低屈伏点による成形性をもたらすのに有効な成分である。
任意成分として3.0質量%以下で含有させることができる。
3.0質量%を超えると、ガラスの安定性を損なう。
WOの含有量は、ガラスの屈折率、成形性、安定性を考慮して、0.1〜2.5質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0質量%とするのがよい。
なお、成分ZrO、Nb、Ta、WOは、成分ZrOを3.0質量%以下、成分Nbを3.0質量%以下、成分Taを3.0質量%以下、成分WOを3.0質量%以下の含有量で、その何れか1つ若しくは2つ以上を含有させるのが、ガラスの屈折率、アッベ数、成形性、安定性の向上を図る上で好ましい。
本発明の目的を満たす光学恒数の範囲については、屈折率(n)が1.56〜1.63、アッベ数(ν)が58.0〜64.0である。例えば屈折率(n)が1.56未満、アッベ数(ν)が58.0未満のガラスでは、十分な回折効率を持つ積層構造のレンズには好ましく用いることができない。
好ましくは、屈折率(n)が1.57〜1.62、アッベ数(ν)が58.0〜63.0、更に好ましくは、屈折率(n)が1.58〜1.62、アッベ数(ν)が59.0〜63.0、ガラス転移点(Tg)が470℃以下、ガラス屈伏点(At)が510℃未満のガラスとすることで、成形時の耐失透性が改善され、特に精密モールドプレス成形等のモールド成形及び微細構造の転写に適したガラスとして用いることができる。このようなガラスは、例えば微細構造等を成形した積層構造レンズの構成要素として、低屈伏点ガラス、ゾルゲルガラス、樹脂等と共に用いることができる。
実施形態における光学ガラスの製造原料については、例えば成分BのためにはHBO、B等を用いることができる。他の成分についても、原料として各種酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の通常に用いられる光学ガラス原料を用いることができる。
上記原料を、既述した成分範囲となるように調合、混合し、1100〜1250℃で溶融し、清澄(ガス抜き)、攪拌の各工程を経て均質化させた後、金型に流し込み徐冷することにより、無色、高屈折率で低屈伏点、透明で均質、加工性に優れた本発明の光学ガラスを得ることができる。
本発明の目的を満たす高屈折率・低分散で、且つ低屈伏点である光学ガラスとして、非常に好ましい組成の具体例としては、次の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)がある。これらの光学ガラスは化学的耐久性にも優れる。
(1).P:32.0〜45.0質量%、B:1.0〜5.0質量%、LiO:0.1〜8.0質量%、NaO:2.0〜5.0質量%、BaO:18.0〜32.0質量%、ZnO:5.0〜28.0質量%、ZnF:0.1〜6質量%、Y+La+Gd:1.3〜8.0質量%からなるガラス。
(2).P:32.0〜45.0質量%、B:1.0〜5.0質量%、LiO:0.1〜8.0質量%、NaO:2.0〜5.0質量%、BaO:18.0〜32.0質量%、ZnO:5.0〜28.0質量%、ZnF:0.1〜6質量%、Y+La+Gd:1.3〜8.0質量%、Al:0.1〜2.5質量%からなるガラス。
(3).P:32.0〜45.0質量%、B:1.0〜5.0質量%、LiO:0.1〜8.0質量%、NaO:2.0〜5.0質量%、BaO:18.0〜32.0質量%、ZnO:5.0〜28.0質量%、ZnF:0.1〜6質量%、Y+La+Gd:1.3〜8.0質量%、ZrO:0.1〜2.5質量%からなるガラス。
(4).P:32.0〜45.0質量%、B:1.0〜5.0質量%、LiO:0.1〜8.0質量%、NaO:2.0〜5.0質量%、BaO:18.0〜32.0質量%、ZnO:5.0〜28.0質量%、ZnF:0.1〜6質量%、Y+La+Gd:1.3〜8.0質量%、Al:0.1〜2.5質量%、ZrO:0.1〜2.5質量%からなるガラス。
(5).(1)〜(4)に加えて、CaO、Y、La、Nb、Ta、WOの何れか1つ若しくは2つ以上をそれぞれ3質量%以下添加したガラス。
以下に、実施例をあげて本発明を更に説明する。本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、ここで実施例9、11、15、17、18はGd 又はCaOの含有量が本発明の成分範囲を満たしていない為、本発明の参考例である。実施例1〜8、10、12〜14、16、19〜21が本発明の実施例である。
表1〜3に示した実施例1〜21、比較例1〜2の成分組成となるように、原料を調合、混合し、これを白金ルツボに入れて、電気炉中で1100℃〜1250℃で溶融し、その後750℃〜950℃にして金型に流し込んで徐冷することで光学ガラスを得た。
得られた各光学ガラスについて、屈折率(n)、アッベ数(ν)、屈伏点(At)、及びガラス転移点(Tg)の測定を行った。また白濁等の欠点の有無を顕微鏡で確認した。
次に各ガラス板を賽の目状に切断加工し、複数個の同一寸法を有するカットピースを得た。更に複数個のカットピースの成形面を鏡面研磨し、洗浄したサンプルをプレス成形用ガラスプリフォームとした。
この成形用ガラスプリフォームを、貴金属系の離型膜が設けられた上コア・下コアを備えたプレス成形機に投入し、Nガス若しくは真空雰囲気中にて屈伏点(At)〜屈伏点(At)+約20℃まで加熱後、加圧してプレス成形し、冷却後、プレス成形品として取り出した。
前記コア面に曇りが生じた場合には、ガラスからの成分揮発が原因であり、プレス成形面に微小な荒れが生じていることを示すものである。
なお、比較例1は特許文献2の実施例10に記載のガラス、比較例2は特許文献4の実施例2に記載のガラスと同一組成のものである。
実施例、比較例において、屈折率(n)、アッベ数(ν)の測定は、屈折率計(カルニュー社製、KPR−200)を用いて行った。
またガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)の測定は、長さ15〜20mm、直径(辺)3〜5mmの棒状試料を毎分5℃の一定速度で昇温加熱しつつ、試料の伸びと温度を測定して得られた熱膨張曲線から求めた。
またガラスの耐候性についても調査した。
これらの測定結果を表1〜3に示す。
Figure 0005748997
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表1〜表3により明らかなように、本発明の実施例のガラスは、何れも1.57以上の屈折率(n)を有する一方、アッベ数(ν)も59以上で高く、光学ガラスとして十分な光学恒数を有していることが確認された。
また成形時における成形表面の白濁発生が十分に抑制されていることが明らかであった。
更に本発明の実施例の何れのガラスも、屈伏点(At)が510℃未満という比較的低い温度範囲内にあることが確認された。
これらの結果、本発明の光学ガラスが屈折率(n)、アッベ数(ν)が共に高く、光学特性に優れると共に、大量生産にも適した加工特性を備えていることを示している。
よって以上より、本願発明のガラスは光学特性の他、精密モールドプレス成形用として、また積層構造レンズの構成要素としても好適なガラスであることが判る。
一方、比較例2のガラスは耐候性に問題がある。
本発明の光学ガラスは、高屈折率、高アッベ数で、ガラス転移点及び屈伏点が低く、精密モールドプレス成形時に白濁を生じ難く、耐失透性に優れ、非球面レンズ等の精密モールドプレスや積層構造レンズの構成要素としても適し、且つ量産に適した光学ガラスとして、産業上の利用性がある。

Claims (6)

  1. :30.0〜45.0質量
    :2.0〜5.0質量
    LiO :0.1〜8.0質量
    NaO :2.0〜10.0質量
    BaO :15.0〜40.0質量
    ZnO :2.0〜30.0質量
    +La+Gd :1.3〜8.0質量
    Gd :1.3〜5.0質量
    CaO :0.1〜2.5質量
    含有し、更に
    ZrO :3.0質量%以下
    Nb :3.0質量%以下(ただし3.0質量%を除く)
    Ta :3.0質量%以下
    WO :3.0質量%以下
    のうち、何れか1つ若しくは2つ以上を含有
    且つ酸化物の一部をフッ化物に置換したFの合計量が、酸化物基準組成100質量%に対して8.0質量%以下となるようにして、Fを含有させていることを特徴とする光学ガラス。
  2. Al :3.0質量%以下
    含有することを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. O :10.0質量%以下
    含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. Li O+Na O+K O :2.1〜15.0質量%
    含有することを特徴とする請求項3に記載の光学ガラス。
  5. Yb :3.0質量%以下
    含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光学ガラス。
  6. 屈折率(n )が1.56〜1.63、アッベ数(ν )が58.0〜64.0、ガラス転移点(Tg)が470℃以下、ガラス屈伏点(At)が510℃未満であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の光学ガラス。
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