[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る色変換装置の第1の実施の形態について説明する。
図1に、色変換装置10の機能的構成を示す。色変換装置10は、印刷対象画像の画像データの入力値の組み合わせを出力値の組み合わせに変換し、色変換処理後の画像データをプリンタ20に送信する。
図1に示すように、色変換装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、操作部15、表示部16、通信部17等を備えて構成され、各部はバス18により接続されている。
CPU11は、色変換装置10の各部の処理動作を統括的に制御する。CPU11は、操作部15から入力される操作信号又は通信部17により受信した指示信号に応じて、ROM12又は記憶部14に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
ROM12は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
RAM13は、CPU11により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部14は、ハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理プログラム、各種処理に関するデータ、画像データ等を記憶する。
記憶部14には、複数のプロファイルが記憶されている。デバイスに依存する色空間の特性を記述したデバイスプロファイルとして、プリンタ等の出力デバイスプロファイル、モニタやプロジェクタ等の表示デバイスプロファイル、スキャナやデジタルカメラ等の入力デバイスプロファイル等が挙げられる。
例えば、オフセット印刷機のデバイスプロファイルは、用紙にオフセット印刷された印刷物のカラーチャート(ISO12642規格)を測色器で測定した測色結果に基づいて作成される。ISO12642のカラーチャートは、CMYKのデバイス用カラーチャートである。CMYKの値を4次元格子状にとった入力CMYK値の各々について、測色結果のL*a*b*の値が記述されたCMYK→L*a*b*のルックアップテーブルを作成し、オフセット印刷機のデバイスプロファイルを作成する。
プリンタ20のデバイスプロファイルは、プリンタ20で色変換処理を行わずに出力したカラーチャート(ISO12642規格)を測色器で測定した測色結果に基づいて作成される。CMYKの値を4次元格子状にとった入力CMYK値の各々について、測色結果のL*a*b*の値が記述されたCMYK→L*a*b*のルックアップテーブルを作成し、このルックアップテーブルのデータを用いて、L*a*b*の値を3次元格子状にとった入力L*a*b*値の各々について、CMYKの出力値が記述されたL*a*b*→CMYKのルックアップテーブルを作成し、プリンタ20のデバイスプロファイルを作成する。
これらデバイスプロファイルの計算方法は、特開2005−63168号公報に開示されている。
また、記憶部14には、第1の初期調整範囲情報、第1の入力色成分毎の区別表示情報(図8(a)及び(b)参照)、第1の初期調整率情報(図10参照)、第1の調整率情報(図18(a)及び(b)参照)、トータル調整率に応じた区別表示情報(図13参照)が記憶されている。各情報の詳細については後述する。
操作部15は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザによる操作入力を受け付ける。操作部15は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU11に出力する。具体的に、操作部15は、色を表す入力値の組み合わせの中から色調整するポイント色を指定するためのポイント色指定手段、ポイント色に対する出力値の調整値を入力するための入力手段、ポイント色を含む初期調整範囲を区分けした複数の区分の中で初期調整範囲から除外したい区分を指定するための区分指定手段として機能する。
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)を備え、CPU11からの指示に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
通信部17は、通信ネットワークを介して外部装置との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部17は、各種プロファイルのデータを受信したり、プリンタ20に対して色変換後の画像データ(CMYK値)を送信したりする。
CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムとの協働により、以下の処理を行う。
CPU11は、ユーザによる操作部15からの操作に基づいて、色調整するポイント色を指定するための操作指示、ポイント色に対する出力値の調整値を入力するための操作指示を受け付ける。
CPU11は、指定されたポイント色を含む初期調整範囲を設定し、当該初期調整範囲を複数の区分に区分けする。この際、CPU11は、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けする。
CPU11は、区分けされた区分毎に異なる表示態様となるように区別表示を設定する。
CPU11は、色変換対象の画像データ中の各区分に含まれる色の領域を、設定された区別表示に対応する表示態様で当該色変換対象の画像データのプレビュー画像上に表示させる。
CPU11は、入力値に対する調整率を表したグラフを表示させ、当該グラフ上の各区分に対応する部分を、設定された区別表示に対応する表示態様で表示させる。
CPU11は、ユーザによる操作部15からの操作に基づいて、入力値の色成分毎に、初期調整範囲を区分けした複数の区分の中で初期調整範囲から除外したい区分を指定するための操作指示を受け付ける。
CPU11は、入力値の色成分毎に、指定された区分を初期調整範囲から除外して調整範囲を設定する。
CPU11は、設定された調整範囲に応じて、当該調整範囲に含まれる色に対して調整値の調整率を設定する。具体的に、CPU11は、ポイント色から離れるほど調整率を小さくする。
すなわち、CPU11は、区分け手段、区別表示設定手段、表示制御手段、調整範囲設定手段、調整率設定手段として機能する。
プリンタ20は、色変換装置10から受信した色変換後の画像データ(CMYK値)に基づいて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色成分の出力色により、用紙上に画像形成を行う画像形成装置である。例えば、プリンタ20は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、感光体ドラム、感光体ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を印刷用紙に転写する転写部、印刷用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部等から構成される。
次に、第1の実施の形態における動作について説明する。
第1の実施の形態では、ソースプロファイルとしてオフセット印刷機のデバイスプロファイルを用い、デスティネーションプロファイルとしてプリンタ20のデバイスプロファイルを用いる。
図2は、色変換装置10において実行されるデバイスリンクプロファイル作成処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
図3に、デバイスリンクプロファイル作成画面161を示す。
まず、ユーザの操作部15からの操作により、記憶部14に記憶されているプロファイルの中からソースプロファイルが選択される(ステップS1)。具体的には、デバイスリンクプロファイル作成画面161のテキストボックスT1に、デバイスリンクプロファイルの作成に用いるソースプロファイルのファイル名が入力され、「選択」ボタンB1が押下される。ソースプロファイルとして、オフセット印刷機のデバイスプロファイル(CMYK→L*a*b*のルックアップテーブル)が選択される。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、記憶部14に記憶されているプロファイルの中からデスティネーションプロファイルが選択される(ステップS2)。具体的には、デバイスリンクプロファイル作成画面161のテキストボックスT2に、デバイスリンクプロファイルの作成に用いるデスティネーションプロファイルのファイル名が入力され、「選択」ボタンB2が押下される。デスティネーションプロファイルとして、プリンタ20のデバイスプロファイル(L*a*b*→CMYKのルックアップテーブル)が選択される。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、記憶部14に記憶されている色変換条件の中からレンダリングインテントが選択される(ステップS3)。具体的には、デバイスリンクプロファイル作成画面161のテキストボックスT3に、デバイスリンクプロファイルの作成に用いるレンダリングインテントが入力され、「選択」ボタンB3が押下される。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、デバイスリンクプロファイル作成画面161のデバイスリンクプロファイルの計算を指示するための「計算」ボタンB4が押下されると、CPU11により、ステップS1〜S3で選択されたソースプロファイル、デスティネーションプロファイル、レンダリングインテントに基づいて、デバイスリンクプロファイル(CMYK→CMYKのルックアップテーブル)が作成される(ステップS4)。具体的には、ソースプロファイルの入力CMYK値について、それぞれ21点(0,5,10,15,・・・,90,95,100)の組み合わせ(21×21×21×21=194481点)に対して、デバイスに依存しないL*a*b*値を介して、デスティネーションプロファイルの出力CMYK値が求められる。デバイスリンクプロファイルの計算方法は、特開2005−63168号公報に開示されている。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、記憶部14に記憶されている画像データの中から色変換対象となる画像データが選択される。そして、CPU11により、選択された画像データに基づいて、表示部16にプレビュー画像が表示される(ステップS5)。具体的には、デバイスリンクプロファイル作成画面161の「プレビュー画像を表示する」ボタンB5が押下されると、CPU11により、図4に示すプレビュー画像選択画面162が表示部16に表示される。プレビュー画像選択画面162のテキストボックスT5に、対象画像のファイル名が入力され、「OK」ボタンB8が押下されると、CPU11により、図5に示すプレビュー画像表示画面163が表示される。
プレビュー画像は、印刷対象画像の画像データが、ステップS4で作成されたデバイスリンクプロファイルを用いて色変換され、更に、表示部16に対応する表示デバイスプロファイル(CMYK値からRGB値へ変換するための色変換テーブル)を用いて色変換されたものである。モニタ用の色変換テーブル(CMYK→RGBのルックアップテーブル)の作成方法は、特許第3785688号公報に開示されている。
次に、CPU11により、操作部15から、色再現の劣る色について、ポイント色調整をする旨の操作指示があったか否かが判断される(ステップS6)。具体的には、CPU11により、操作部15からの操作に基づいて、図3に示すデバイスリンクプロファイル作成画面161の「ポイント色調整をする」ボタンB6が押下されたか否かが判断される。ポイント色調整をする旨の操作指示があった場合には(ステップS6;YES)、CPU11により、図6に示すポイント色調整画面164が表示部16に表示される。
ポイント色調整画面164には、ポイント色設定領域164aと、調整範囲設定領域164bとが含まれる。ポイント色設定領域164aは、ポイント色を入力値の組み合わせとして指定し、ポイント色に対する出力値を調整するための領域である。調整範囲設定領域164bは、ポイント色を含む色調整の調整範囲を設定するための領域である。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色が指定される(ステップS7)。具体的には、ポイント色設定領域164aのポイント色指定領域A1〜A4に、ポイント色を指定するためのCMYKの入力値(0〜100の値)の組み合わせが入力される。ポイント色が指定されると、CPU11により、調整前の出力値表示領域D1〜D4に、ポイント色の入力値の組み合わせ(CMYK値)を、調整前のデバイスリンクプロファイルを用いて色変換して得られた出力値の組み合わせ(CMYK値)が表示される。
なお、ポイント色設定領域164aの「ポイント色をプレビュー画面で指定」ボタンB9を押下して、ポイント色をプレビュー画像表示画面163(図5参照)上で指定することとしてもよい。この場合には、プレビュー画像表示画面163上で指定された色に対応する入力値の組み合わせがポイント色指定領域A1〜A4に設定される。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色に対する出力値の調整値が入力される(ステップS8)。調整値は、色成分毎に、ポイント色に対する出力値に加算される値である。具体的には、ポイント色設定領域164aの調整値入力領域A5〜A8に、調整前の出力CMYK値に対する調整値が入力される。調整後の出力値表示領域D5〜D8には、CPU11により、調整前の出力値表示領域D1〜D4に表示されている調整前の出力値に、調整値入力領域A5〜A8において設定された調整値を加えた値が表示される。図6に示す例では、ポイント色として指定された入力CMYK値(0,40,40,0)に対して、調整前の出力CMYK値は(5,42,41,0)であるが、調整値として(−2,2,−1,0)が入力されているので、調整後の出力CMYK値は(3,44,40,0)となっている。このようにして、ポイント色の入力値に対する出力値を増減させることにより、ポイント色自身の色を調整する。
調整前のポイント色表示領域D9には、CPU11により、調整前の出力値の組み合わせに基づいて、調整前のポイント色の出力結果が表示される。調整後のポイント色表示領域D10には、CPU11により、調整後の出力値の組み合わせに基づいて、調整後のポイント色の出力結果が表示される。これにより、ユーザは、出力CMYK値の調整前後の色を確認することができる。
次に、CPU11により、ポイント色の調整範囲設定処理が行われる(ステップS9)。
図6に示す調整範囲設定領域164bのラジオボタンR1〜R4は、調整範囲の設定対象となる入力色を指定する際に用いられる。シアンの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR1をONにし、マゼンタの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR2をONにし、イエローの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR3をONにし、ブラックの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR4をONにする。図6では、マゼンタのラジオボタンR2がONに設定されている。
ここで、図7を参照して、ポイント色の調整範囲設定処理について説明する。
まず、CPU11により、記憶部14に記憶されている第1の初期調整範囲情報に基づいて、入力色成分毎に、ポイント色を含む初期調整範囲が設定され、初期調整範囲が複数の区分に区分けされる(ステップS21)。第1の初期調整範囲情報は、入力色成分がCMYKである場合の初期調整範囲と、各区分をどのように設定するかを定めた情報である。
第1の実施の形態において、初期調整範囲は、ポイント色を中心値として入力値の−20以上+20以下の範囲に設定される。初期調整範囲は、中心値からの増減をXとした場合に、−20≦X<−18(領域f)、−18≦X<−16(領域e)、−16≦X<−13(領域d)、−13≦X<−10(領域c)、−10≦X<−5(領域b)、−5≦X<0(領域a)、X=0(中心値)、0<X≦5(領域A)、5<X≦10(領域B)、10<X≦13(領域C)、13<X≦16(領域D)、16<X≦18(領域E)、18<X≦20(領域F)の区分に区分けされる。ここでは、入力値において中心値から増加方向と減少方向で各々6区分、ポイント色(中心値)で1区分、合わせて13区分に区分けした場合について説明するが、区分数は予め任意に決めておけばよい。
領域a〜fは、ポイント色として指定された入力値を中心値として、入力値について中心値のマイナス側の色領域を示している。領域aから領域fにいくほど、ポイント色から色が離れていく。また、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けされている。
領域A〜Fは、ポイント色として指定された入力値を中心値として、入力値について中心値のプラス側の色領域を示している。領域Aから領域Fにいくほど、ポイント色から色が離れていく。また、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けされている。
次に、CPU11により、記憶部14に記憶されている第1の入力色成分毎の区別表示情報に基づいて、区分けされた区分毎に異なる表示態様となるように区別表示が設定される(ステップS22)。第1の入力色成分毎の区別表示情報は、各区分に対応する表示態様を示す情報である。異なる表示態様として、異なる色、異なるパターン(網掛け等)が挙げられるが、本実施の形態では、異なる色で色分けを行うことにより、各区分を区別して表示する場合について説明する。
図8(a)及び(b)に、第1の入力色成分毎の区別表示情報の例を示す。中心値からの増減Xで区分けされた区分毎に、表示色が対応付けられている。具体的には、区分毎に、各表示色に対応するCMYK値が対応付けられている。なお、図面上では、異なるパターンにより異なる色であることを表現している。
図6に示す調整範囲設定領域164bには、各領域a〜f,A〜Fと対応付けられて、表示色表示領域E1〜E12と、チェックボックスC1〜C12とが設けられている。
表示色表示領域E1〜E12には、CPU11により、図8(a)及び(b)に基づいて、各領域a〜f,A〜Fに対応する表示色が表示される。なお、区別表示の表示態様は、任意に設定可能となっている。例えば、表示色表示領域E1〜E12をダブルクリックして、図9に示す色サンプル選択画面165を表示させ、その中からいずれかの色を選択することにより、表示色を別の色に変更することができる。
また、各領域a〜f,A〜Fに対応するチェックボックスC1〜C12がチェックされている場合には、各領域a〜f,A〜Fが調整範囲として設定されていることを示している。初期設定においては、全てのチェックボックスC1〜C12にチェックが入っている。
調整範囲設定領域164bのグラフ表示領域G1には、CPU11により、記憶部14に記憶されている第1の初期調整率情報に基づいて、初期調整範囲に対する調整率を示すグラフが表示される。図10に、第1の初期調整率情報の例を示す。第1の初期調整率情報として、初期調整範囲における、ポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率Y0(%)が予め定められている。ポイント色(X=0)から色が離れるほど、調整率が小さくなるように設定されている。なお、区分内の調整率は、区分の両境界値における調整率を線形補間した値となる。また、初期調整範囲外の調整率は0とする。
図11は、グラフ表示領域G1に表示されるグラフの拡大図である。グラフの横軸は入力値をポイント色(中心値)からの増減値で表した値であり、縦軸は調整率である。また、CPU11により、第1の入力色成分毎の区別表示情報(図8(a)及び(b)参照)に基づいて、グラフ中の各区分に対応する部分が、区別表示に対応する表示色で表示される。
ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色の調整範囲の表示が指定されると(ステップS23)、CPU11により、入力値の各格子点(CMYK4次元空間における各格子点:194481点)に対応する入力色成分毎の調整率が算出される(ステップS24)。具体的には、CPU11により、CMYK毎に、入力CMYK値とポイント色のCMYK値との差に基づいて、入力CMYK値の各格子点に対応する調整率が算出される。
ポイント色を(Cn,Mn,Yn,Kn)、格子点を(Ci,Mi,Yi,Ki)とすると、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)におけるシアンの調整率Wcは、X=Ci−Cnに応じて算出される(図10参照)。同様に、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)におけるマゼンタの調整率Wmは、X=Mi−Mnに応じて算出され、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)におけるイエローの調整率Wyは、X=Yi−Ynに応じて算出され、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)におけるブラックの調整率Wkは、X=Ki−Knに応じて算出される。
次に、CPU11により、入力値の各格子点に対応する入力色成分毎の調整率に基づいて、入力値の各格子点に対応するトータル調整率が算出される(ステップS25)。
トータル調整率は、入力値の各格子点に対応する各出力値に加算する調整値に乗ずる値であり、入力色成分毎の調整率を掛け合わせた値である。すなわち、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)におけるトータル調整率Wtは、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)におけるシアンの調整率Wc、マゼンタの調整率Wm、イエローの調整率Wy、ブラックの調整率Wkを掛け合わせた値である。
Wt(%)=Wc(%)×Wm(%)×Wy(%)×Wk(%)
ポイント色(中心値)を変換して得られた出力値には、調整値が100%加算され、中心値の周囲の調整範囲に含まれる入力値を変換して得られた出力値には、調整値がトータル調整率に応じた割合で加算されることになる。
次に、CPU11により、入力色成分毎のマスク色変換テーブル作成処理が行われる(ステップS26)。入力色成分毎のマスク色変換テーブルは、入力色成分毎に、各区分に含まれる色の領域を、ステップS22において設定された区別表示に対応する表示態様に変換するためのものである。
図12に示すように、入力色成分毎のマスク色変換テーブル作成処理では、まず、CPU11により、入力色成分毎に、第1の入力色成分毎の区別表示情報(図8(a)及び(b)参照)に基づいて、入力値の各格子点に対応する区別表示用出力値が算出される(ステップS41)。区別表示用出力値は、表示色に対応するCMYK値である。例えば、マゼンタの色調整範囲を示すマスク色変換テーブルを作成する場合には、格子点(Ci,Mi,Yi,Ki)に対応する区別表示用出力値として、図8(a)及び(b)において、X=Mi−Mnと対応付けられている表示色を出力するためのCMYK値が算出される。
次に、CPU11により、トータル調整率が0の格子点については、入力色成分毎の区別表示用出力値が、入力色成分毎の調整率が0の場合(マスク表示されない場合)と同じ値にされる(ステップS42)。すなわち、CPU11により、ある格子点において、入力色成分毎の調整率のうち少なくとも一つが0の場合には、区別表示用出力値が(0,0,0,0)に置き換えられる。
このようにして、CPU11により、入力色成分毎に入力値の各格子点に対する区別表示用出力値が求められ、入力色成分毎のマスク色変換テーブルが作成される(ステップS43)。
次に、図7に戻り、CPU11により、トータル調整率に基づくマスク色変換テーブル作成処理が行われる(ステップS27)。トータル調整率に基づくマスク色変換テーブルは、画像データに含まれる色を、トータル調整率に応じた区別表示に対応する表示態様に変換するためのものである。具体的には、CPU11により、入力値の各格子点におけるトータル調整率と、図13に示すトータル調整率に応じた区別表示情報とに基づいて、入力値の各格子点に対応する区別表示用出力値が算出され、トータル調整率に基づくマスク色変換テーブルが作成される。トータル調整率に応じた区別表示情報は、トータル調整率に応じて区分けされた各区分に対応する表示態様を示す情報である。トータル調整率Wt(%)は、予め、Wt=100(中心値)、75<Wt<100(領域1)、50<Wt≦75(領域2)、30<Wt≦50(領域3)、10<Wt≦30(領域4)、5<Wt≦10(領域5)、0<Wt≦5(領域6)の区分に区分けされている。そして、図13に示すように、トータル調整率Wtで区分けされた区分毎に、表示色が対応付けられている。ここでは、区分数は7としたが、区分数は予め任意に決めておけばよい。
次に、CPU11により、入力色成分毎に、対象画像の画像データが入力色成分毎のマスク色変換テーブルを用いて色変換され、マスク画像が生成され、このマスク画像が対象画像のプレビュー画像上に重ねて表示される(ステップS28)。すなわち、CPU11により、CMYK毎に、色変換対象の画像データ中の各区分に含まれる色の領域が、設定された区別表示に対応する表示態様で当該色変換対象の画像データのプレビュー画像上に表示される。
具体的には、図6に示すポイント色調整画面164に含まれる調整範囲設定領域164bにおいて、「調整範囲をプレビュー画面に表示」のON/OFFを指定するためのラジオボタンR6,R7が「ON」に設定されると、プレビュー画像上に入力色成分毎の区別表示に対応する表示色が表示される。プレビュー画像上に表示される区別表示と、グラフの区別表示(グラフ表示領域G1)と、調整範囲設定の表示色の区別表示(表示色表示領域E1〜E12)の区分毎の色は、すべて共通の色となっている。
図14に、入力色成分のうちマゼンタについてのマスク画像がプレビュー画像に重ねて表示されたマスク画像表示画面166の例を示す。プレビュー画像上のマスク領域Q1は、区分けされた領域dに対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q2は、区分けされた領域Fに対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q3は、区分けされた領域bに対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q4は、区分けされた領域Bに対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q5は、区分けされた領域Eに対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q6は、区分けされた領域Dに対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q7は、ポイント色に対応する色である。
実際には、マゼンタだけでなく、入力色成分毎に区別表示されたプレビュー画像が表示される。
なお、図15に示すように、プレビュー画像上の区別表示がわかり易いように、区別表示された領域(調整範囲)以外の画像領域をグレーで表示させたマスク画像表示画面167を表示することとしてもよい。
次に、図6の調整範囲設定領域164bにおいて、「Total」を選択するためのラジオボタンR5がONにされると、CPU11により、図16に示すポイント色調整画面168が表示部16に表示される。ポイント色調整画面168に含まれる調整範囲設定領域168bには、トータル調整率に応じた各区分と対応付けられて、表示色表示領域E21〜E27が設けられている。
表示色表示領域E21〜E27には、CPU11により、図13に示すトータル調整率に応じた区別表示情報に基づいて、トータル調整率に応じた各区分に対応する表示色が表示される。具体的には、表示色表示領域E21には、調整色中心値に対応する表示色が表示され、表示色表示領域E22〜E27には、領域1〜6に対応する表示色が表示される。また、表示色表示領域E21〜E27の区別表示の表示態様は、任意に設定可能となっている。
また、調整範囲設定領域168bのグラフ表示領域G2には、ポイント色の入力中心値からの4次元空間上での距離(イメージ)に対するトータル調整率を示すグラフが表示される。グラフ中の各区分に対応する部分は、図13に示すトータル調整率に応じた区別表示情報に基づいて、区別表示に対応する表示色で表示される。
次に、CPU11により、対象画像の画像データがトータル調整率に基づくマスク色変換テーブルを用いて色変換され、マスク画像が生成され、このマスク画像が対象画像のプレビュー画像上に重ねて表示される(ステップS29)。
具体的には、図16の調整範囲設定領域168bにおいて、「調整範囲をプレビュー画面に表示」のON/OFFを指定するためのラジオボタンR8,R9が「ON」に設定されると、プレビュー画像上にトータル調整率に応じた区別表示に対応する表示色が表示される。
図17に、トータル調整率に基づくマスク画像がプレビュー画像に重ねて表示されたマスク画像表示画面169の例を示す。マスク画像表示画面169は、図15に示したマスク画像表示画面167と同様に、区別表示された領域(調整範囲)以外の画像領域をグレーで表示させた場合の例である。プレビュー画像上のマスク領域Q11及びQ12は、区分けされた領域6に対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q13は、区分けされた領域5に対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q14は、区分けされた領域3に対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q15は、区分けされた領域4に対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q16は、区分けされた領域2に対応する色であり、プレビュー画像上のマスク領域Q17は、ポイント色に対応する色である。トータル調整率に基づくマスク画像により、最終的な調整範囲とトータル調整率を確認することができる。
なお、図4に示すプレビュー画像選択画面162で選択された画像のプレビュー画像とともに、選択された入力色成分の調整範囲を段階的に区別表示したマスク画像を重ねたプレビュー画像と、トータル調整率に応じて段階的に区別表示したマスク画像を重ねたプレビュー画像と、を同時に表示するようにしてもよい。あるいは、入力色成分毎の調整範囲を段階的に区別表示したマスク画像を重ねたプレビュー画像の全てと、トータル調整率に応じて段階的に区別表示したマスク画像を重ねたプレビュー画像と、を同時に表示するようにしてもよい。
次に、CPU11により、操作部15からの操作に基づいて、入力色成分毎の調整範囲に含まれる複数の区分の中で調整範囲から除外したい区分が指定されたか否かが判断される(ステップS30)。具体的には、調整範囲から除外したい区分がある場合には、ユーザは、図6に示すポイント色調整画面164の調整範囲設定領域164bにおいて、除外したい区分の区別表示の表示色と同じ色に対応するチェックボックスC1〜C12のチェックをはずす。
調整範囲から除外したい区分が指定された場合には(ステップS30;YES)、CPU11により、指定された区分が調整範囲から除外され、新たな調整範囲が設定される(ステップS31)。なお、CPU11により、調整範囲から除外された区分よりもポイント色から離れた区分については、同時に調整範囲から除外される。例えば、領域DのチェックボックスC10のチェックがはずされた場合には、自動的に領域E及び領域Fも調整範囲から除外され、調整範囲設定領域164bのチェックボックスC11,C12のチェックがはずれる。
調整範囲の変更に伴い、CPU11により、記憶部14に記憶されている第1の調整率情報に基づいて、調整範囲内の調整率が変更される。すなわち、CPU11により、新たに設定された調整範囲に応じて、当該調整範囲に含まれる色に対して調整値の調整率が設定される。変更後の調整範囲と調整率の関係は、変更された調整範囲に基づいて、予め設定されている中から適宜選択される。
図18(a)及び(b)に、変更後の調整範囲における第1の調整率情報を示す。
調整率Y1(%)は、初期調整範囲から領域Fが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y2(%)は、初期調整範囲から領域E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y3(%)は、初期調整範囲から領域D、E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y4(%)は、初期調整範囲から領域C、D、E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y5(%)は、初期調整範囲から領域B、C、D、E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。
調整率Y6(%)は、初期調整範囲から領域fが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y7(%)は、初期調整範囲から領域e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y8(%)は、初期調整範囲から領域d、e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y9(%)は、初期調整範囲から領域c、d、e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y10(%)は、初期調整範囲から領域b、c、d、e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。
図18(a)及び(b)においても、ポイント色(X=0)から色が離れるほど、調整率が小さくなるように設定されている。また、区分内の調整率は、区分の両境界値における調整率を線形補間した値となる。また、調整範囲外の調整率は0とする。
ここで、ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色の調整範囲の表示が指定されると(ステップS32)、ステップS24に戻り、ステップS24〜ステップS30の処理が繰り返される。新たな調整範囲に応じて入力値の各格子点に対応する入力色成分毎の調整率が算出し直されるため(ステップS24)、入力色成分毎のマスク色変換テーブル作成処理では、除外された区分の区別表示が非表示となるように、マスク色変換テーブルが再作成される(ステップS26)。
具体的には、図6に示すポイント色調整画面164の調整範囲設定領域164bにおいて、除外したい区分の区別表示の表示色と同じ色に対応するチェックボックスC1〜C12のチェックがはずされた状態で、「設定をプレビュー画面に反映」ボタンB10が押下されると、CPU11により、プレビュー画像上に変更後の調整範囲に含まれる区分に対応する表示色が表示され、調整範囲から除外したい箇所が除外されていることを確認できる。
図19に、入力色成分のうちマゼンタについて、調整範囲が変更された後のマスク画像がプレビュー画像に重ねて表示されたマスク画像表示画面170の例を示す。図14のマスク画像表示画面166と比較すると、マゼンタの調整領域から領域D、E及びFが除外されたことがわかる。
また、図6に示すポイント色調整画面164の調整範囲設定領域164bにおいて、マゼンタについて、領域D、E及びFに対応するチェックボックスC10〜C12のチェックがはずされた状態で、プルダウンメニューP1を操作することにより、「調整範囲変更前」から「調整範囲変更後」に変更されると、CPU11により、図20に示すポイント色調整画面171が表示される。ポイント色調整画面171に含まれる調整範囲設定領域171bのグラフ表示領域G3には、調整範囲から領域D、E及びFが除外された調整範囲変更後のグラフが表示される。すなわち、中心値のプラス側については、図18(a)の調整率Y3(%)が採用され、中心値のマイナス側については、図10の調整率Y0(%)が採用されている。
他の入力色成分の調整範囲を設定する場合も同様に、図6に示すポイント色調整画面164に含まれる調整範囲設定領域164bの入力色のラジオボタンR1〜R4を変更して、調整範囲を設定する。
イエローの調整範囲を変更する場合には、調整範囲設定領域164bのラジオボタンR3をONにする。例えば、領域dのチェックボックスC4のチェックがはずされた場合には、自動的に領域e及び領域fも調整範囲から除外され、チェックボックスC5,C6のチェックがはずれる。この状態で、プルダウンメニューP1を操作することにより、「調整範囲変更前」から「調整範囲変更後」に変更されると、CPU11により、図21に示すポイント色調整画面172が表示される。ポイント色調整画面172に含まれる調整範囲設定領域172bのグラフ表示領域G4には、調整範囲から領域d、e及びfが除外された調整範囲変更後のグラフが表示される。すなわち、中心値のプラス側については、図10の調整率Y0(%)が採用され、中心値のマイナス側については、図18(b)の調整率Y8(%)が採用されている。
ステップS30において、調整範囲から除外したい区分が指定されない場合(ステップS30;NO)、すなわち、現状設定されている調整範囲で確定される場合には、ポイント色の調整範囲設定処理が終了する。例えば、図20に示すポイント色調整画面171において、「OK」ボタンB11が押下されると、図3に示すデバイスリンクプロファイル作成画面161に戻る。
図2に戻り、CPU11により、ポイント色調整の調整後の設定に基づいて、デバイスリンクプロファイルが再作成される(ステップS10)。具体的には、CPU11により、ポイント色の出力値に対する調整値(CMYK)と、入力値の各格子点に対応するトータル調整率(最後に算出されたトータル調整率)と、を掛け合わせた値が、入力値の各格子点に対応する出力CMYK値(調整前のデバイスリンクプロファイルを用いて色変換された値)にそれぞれ加算され、ポイント色調整が反映された後の出力CMYK値が算出される。そして、入力値の各格子点に対して、ポイント色調整後の出力CMYK値を対応付けたデバイスリンクプロファイルが作成される。
ステップS10の後、又は、ステップS6において、ポイント色調整をする旨の操作指示がなかった場合には(ステップS6;NO)、CPU11により、デバイスリンクプロファイルが記憶部14に保存される(ステップS11)。具体的には、図3に示すデバイスリンクプロファイル作成画面161のテキストボックスT4にデバイスリンクプロファイルのファイル名が入力され、「保存」ボタンB7が押下されると、CPU11により、デバイスリンクプロファイルが記憶部14に保存される。
以上で、色変換装置10におけるデバイスリンクプロファイル作成処理が終了する。
色変換装置10では、ポイント色調整を反映して作成されたデバイスリンクプロファイルを適用して、画像データに色変換処理が行われる。そして、プリンタ20では、色変換処理後の画像データに基づいて画像形成が行われる。
以上説明したように、第1の実施の形態における色変換装置10によれば、色変換対象の画像データ中の各区分に含まれる色の領域を、区別表示に対応する表示態様でプレビュー画像上に表示させるので、色調整する調整範囲を容易に認識可能とすることができる。また、区分単位で初期調整範囲から除外することができるので、調整範囲内の一部を調整範囲から除外する際の操作性を向上させることができる。
また、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けすることにより、初期調整範囲から除外したい区分がある場合に、調整範囲を細かく調整することができる。
また、ポイント色から離れるほど調整率を小さくすることにより、トーンジャンプを防止することができる。
また、ポイント色を中心として入力値の増加方向、減少方向について、個別に調整範囲を調整することができる。
また、入力値の色成分毎に、個別に初期調整範囲から除外したい区分を指定することができるので、入力値の色成分毎に、個別に調整範囲を調整することができる。
また、入力値に対する調整率を表したグラフを表示させることにより、入力値に対する調整率を容易に認識可能とすることができる。また、グラフ上の各区分に対応する部分を、設定された区別表示に対応する表示態様で表示させることにより、区分毎の表示態様を容易に認識可能とすることができる。
また、入力CMYK値の格子点の中で、同一格子点における入力色成分毎の調整率のうち少なくとも一つが0である格子点は、入力色成分毎の区別表示用出力値を調整率が0の場合と同じにすることによって、入力色成分毎のマスク画像から除外することができる。これにより、最終のトータル調整率で調整範囲に入らない箇所を、入力色成分毎のマスク画像においてもマスク表示しないので、調整範囲から除外しなくてもいい箇所を除外してしまうことを防ぐことができる。
また、図6の調整範囲設定領域164bにおいて、「Total」が選択されると、トータル調整率に応じて区別表示されたマスク画像がプレビュー画像上に表示されるので、トータル調整率を画像上で視覚的に確認することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における色変換装置は、第1の実施の形態に示した色変換装置10と同様の構成であるため、図1を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第2の実施の形態では、入力の色空間がRGB、出力の色空間がCMYKの場合であって、ポイント色の調整範囲を入力色成分毎(RGB毎)に調整する場合について説明する。
記憶部14には、第2の初期調整範囲情報、第2の入力色成分毎の区別表示情報(図23(a)及び(b)参照)、第2の初期調整率情報(図24参照)、第2の調整率情報(図25(a)及び(b)参照)、トータル調整率に応じた区別表示情報(図13参照)が記憶されている。トータル調整率に応じた区別表示情報を除く各情報の詳細については後述する。トータル調整率に応じた区別表示情報については、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
第2の実施の形態では、ソースプロファイルとしてsRGBを用い、デスティネーションプロファイルとしてプリンタ20のデバイスプロファイルを用いる。sRGBは、一般的に配布されている表色系の値と対応付けられたRGBプロファイル(国際電気標準会議(IEC)が定めた国際標準規格)である。
次に、第2の実施の形態における動作について説明する。
第2の実施の形態の色変換装置において実行されるデバイスリンクプロファイル作成処理は、ソースプロファイルとして、RGB色空間であるsRGBを使用する以外は、第1の実施の形態と同様であるため、図2、図7及び図12を援用し、詳細な説明は省略する。
図3に示すデバイスリンクプロファイル作成画面161において、ソースプロファイル、デスティネーションプロファイル及びレンダリングインテントが選択され、デバイスリンクプロファイル(RGB→CMYKのルックアップテーブル)が作成される(ステップS1〜S4)。具体的には、ソースプロファイルとして、sRGB(RGB→L*a*b*のルックアップテーブル)が選択され、デスティネーションプロファイルとして、プリンタ20のデバイスプロファイル(L*a*b*→CMYKのルックアップテーブル)が選択される。デバイスリンクプロファイルとして、ソースプロファイルの入力RGB値について、それぞれ41点(0,6.375,12.75,19.125,・・・,242.25,248.625,255)の組み合わせ(41×41×41=68921点)に対して、デバイスに依存しないL*a*b*値を介して、デスティネーションプロファイルの出力CMYK値が求められる。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、記憶部14に記憶されている画像データの中から色変換対象となる画像データが選択され、CPU11により、選択された画像データに基づいて、表示部16にプレビュー画像が表示される(ステップS5)。なお、ソースプロファイルをモニタプロファイルとして使用して表示部16に表示させたプレビュー画像と、第1の実施の形態と同様のプレビュー画像とを比較表示できるようにしてもよい。
次に、CPU11により、操作部15から、色再現の劣る色について、ポイント色調整をする旨の操作指示があったか否かが判断される(ステップS6)。ポイント色調整をする旨の操作指示があった場合には(ステップS6;YES)、CPU11により、図22に示すポイント色調整画面173が表示部16に表示される。
ポイント色調整画面173には、ポイント色設定領域173aと、調整範囲設定領域173bとが含まれる。ポイント色設定領域173aは、ポイント色を入力値の組み合わせとして指定し、ポイント色に対する出力値を調整するための領域である。調整範囲設定領域173bは、ポイント色を含む色調整の調整範囲を設定するための領域である。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色が指定される(ステップS7)。具体的には、ポイント色設定領域173aのポイント色指定領域A11〜A13に、ポイント色を指定するためのRGBの入力値(0〜255の値)の組み合わせが入力される。ポイント色が指定されると、CPU11により、調整前の出力値表示領域D11〜D14に、ポイント色の入力値の組み合わせ(RGB値)を、調整前のデバイスリンクプロファイルを用いて色変換して得られた出力値の組み合わせ(CMYK値)が表示される。
なお、ポイント色設定領域173aの「ポイント色をプレビュー画面で指定」ボタンB12を押下して、ポイント色をプレビュー画像表示画面163(図5参照)上で指定することとしてもよい。この場合には、プレビュー画像表示画面163上で指定された色に対応する入力値の組み合わせがポイント色指定領域A11〜A13に設定される。
次に、ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色に対する出力値の調整値が入力される(ステップS8)。具体的には、ポイント色設定領域173aの調整値入力領域A14〜A17に、調整前の出力CMYK値に対する調整値が入力される。調整後の出力値表示領域D15〜D18には、CPU11により、調整前の出力値表示領域D11〜D14に表示されている調整前の出力値に、調整値入力領域A14〜A17において設定された調整値を加えた値が表示される。図22に示す例では、ポイント色として指定された入力RGB値(131,175,240)に対して、調整前の出力CMYK値は(56,24,0,0)であるが、調整値として(0,−3,2,0)が入力されているので、調整後の出力CMYK値は(56,21,2,0)となっている。このようにして、ポイント色の入力値に対する出力値を増減させることにより、ポイント色自身の色を調整する。
調整前のポイント色表示領域D19には、CPU11により、調整前の出力値の組み合わせに基づいて、調整前のポイント色の出力結果が表示される。調整後のポイント色表示領域D20には、CPU11により、調整後の出力値の組み合わせに基づいて、調整後のポイント色の出力結果が表示される。これにより、ユーザは、出力CMYK値の調整前後の色を確認することができる。
次に、CPU11により、ポイント色の調整範囲設定処理が行われる(ステップS9)。
図22に示す調整範囲設定領域173bのラジオボタンR11〜R13は、調整範囲の設定対象となる入力色を指定する際に用いられる。レッドの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR11をONにし、グリーンの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR12をONにし、ブルーの色成分に対して調整範囲を設定する場合には、ラジオボタンR13をONにする。図22では、レッドのラジオボタンR11がONに設定されている。
ポイント色の調整範囲設定処理(図7参照)では、まず、CPU11により、記憶部14に記憶されている第2の初期調整範囲情報に基づいて、入力色成分毎に、ポイント色を含む初期調整範囲が設定され、初期調整範囲が複数の区分に区分けされる(ステップS21)。第2の初期調整範囲情報は、入力色成分がRGBである場合の初期調整範囲と、各区分をどのように設定するかを定めた情報である。
第2の実施の形態において、初期調整範囲は、ポイント色を中心値として入力値の−51以上+51以下の範囲に設定される。初期調整範囲は、中心値からの増減をXとした場合に、−51≦X<−46(領域f)、−46≦X<−41(領域e)、−41≦X<−33(領域d)、−33≦X<−26(領域c)、−26≦X<−13(領域b)、−13≦X<0(領域a)、X=0(中心値)、0<X≦13(領域A)、13<X≦26(領域B)、26<X≦33(領域C)、33<X≦41(領域D)、41<X≦46(領域E)、46<X≦51(領域F)の区分に区分けされる。ここでは、入力値において中心値から増加方向と減少方向で各々6区分、ポイント色(中心値)で1区分、合わせて13区分に区分けした場合について説明するが、区分数は予め任意に決めておけばよい。
領域a〜fは、ポイント色として指定された入力値を中心値として、入力値について中心値のマイナス側の色領域を示している。領域aから領域fにいくほど、ポイント色から色が離れていく。また、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けされている。
領域A〜Fは、ポイント色として指定された入力値を中心値として、入力値について中心値のプラス側の色領域を示している。領域Aから領域Fにいくほど、ポイント色から色が離れていく。また、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けされている。
次に、CPU11により、記憶部14に記憶されている第2の入力色成分毎の区別表示情報に基づいて、区分けされた区分毎に異なる表示態様となるように区別表示が設定される(ステップS22)。第2の入力色成分毎の区別表示情報は、各区分に対応する表示態様を示す情報である。
図23(a)及び(b)に、第2の入力色成分毎の区別表示情報の例を示す。中心値からの増減Xで区分けされた区分毎に、表示色が対応付けられている。なお、図面上では、異なるパターンにより異なる色であることを表現している。
図22に示す調整範囲設定領域173bには、各領域a〜f,A〜Fと対応付けられて、表示色表示領域E31〜E42と、チェックボックスC21〜C32とが設けられている。
表示色表示領域E31〜E42には、CPU11により、図23(a)及び(b)に基づいて、各領域a〜f,A〜Fに対応する表示色が表示される。なお、区別表示の表示態様は、任意に設定可能となっている。
また、各領域a〜f,A〜Fに対応するチェックボックスC21〜C32がチェックされている場合には、各領域a〜f,A〜Fが調整範囲として設定されていることを示している。初期設定においては、全てのチェックボックスC21〜C32にチェックが入っている。
調整範囲設定領域173bのグラフ表示領域G5には、CPU11により、記憶部14に記憶されている第2の初期調整率情報に基づいて、初期調整範囲に対する調整率を示すグラフが表示される。図24に、第2の初期調整率情報の例を示す。第2の初期調整率情報として、初期調整範囲における、ポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率Y0(%)が予め定められている。ポイント色(X=0)から色が離れるほど、調整率が小さくなるように設定されている。なお、区分内の調整率は、区分の両境界値における調整率を線形補間した値となる。また、初期調整範囲外の調整率は0とする。
グラフ表示領域G5に表示されるグラフの横軸は入力値をポイント色(中心値)からの増減値で表した値であり、縦軸は調整率である。また、CPU11により、第2の入力色成分毎の区別表示情報(図23(a)及び(b)参照)に基づいて、グラフ中の各区分に対応する部分が、区別表示に対応する表示色で表示される。
ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色の調整範囲の表示が指定されると(ステップS23)、CPU11により、入力値の各格子点(RGB3次元空間における各格子点:68921点)に対応する入力色成分毎の調整率が算出される(ステップS24)。具体的には、CPU11により、RGB毎に、入力RGB値とポイント色のRGB値との差に基づいて、入力RGB値の各格子点に対応する調整率が算出される。
ポイント色を(Rn,Gn,Bn)、格子点を(Ri,Gi,Bi)とすると、格子点(Ri,Gi,Bi)におけるレッドの調整率Wrは、X=Ri−Rnに応じて算出される(図24参照)。同様に、格子点(Ri,Gi,Bi)におけるグリーンの調整率Wgは、X=Gi−Gnに応じて算出され、格子点(Ri,Gi,Bi)におけるブルーの調整率Wbは、X=Bi−Bnに応じて算出される。
次に、CPU11により、入力値の各格子点に対応する入力色成分毎の調整率に基づいて、入力値の各格子点に対応するトータル調整率が算出される(ステップS25)。
トータル調整率は、入力値の各格子点に対応する各出力値に加算する調整値に乗ずる値であり、入力色成分毎の調整率を掛け合わせた値である。すなわち、格子点(Ri,Gi,Bi)におけるトータル調整率Wtは、格子点(Ri,Gi,Bi)におけるレッドの調整率Wr、グリーンの調整率Wg、ブルーの調整率Wbを掛け合わせた値である。
Wt(%)=Wr(%)×Wg(%)×Wb(%)
次に、CPU11により、入力色成分毎のマスク色変換テーブル作成処理が行われる(ステップS26)。
図12に示すように、入力色成分毎のマスク色変換テーブル作成処理では、まず、CPU11により、入力色成分毎に、第2の入力色成分毎の区別表示情報(図23(a)及び(b)参照)に基づいて、入力値の各格子点に対応する区別表示用出力値が算出される(ステップS41)。例えば、レッドの色調整範囲を示すマスク色変換テーブルを作成する場合には、格子点(Ri,Gi,Bi)に対応する区別表示用出力値として、図23(a)及び(b)において、X=Ri−Rnと対応付けられている表示色を出力するためのCMYK値が算出される。
次に、CPU11により、トータル調整率が0の格子点については、入力色成分毎の区別表示用出力値が、入力色成分毎の調整率が0の場合(マスク表示されない場合)と同じ値にされる(ステップS42)。すなわち、CPU11により、ある格子点において、入力色成分毎の調整率のうち少なくとも一つが0の場合には、区別表示用出力値が(0,0,0,0)に置き換えられる。
このようにして、CPU11により、入力色成分毎に入力値の各格子点に対する区別表示用出力値が求められ、入力色成分毎のマスク色変換テーブルが作成される(ステップS43)。
次に、図7に戻り、CPU11により、トータル調整率に基づくマスク色変換テーブル作成処理が行われる(ステップS27)。
次に、CPU11により、入力色成分毎に、対象画像の画像データが入力色成分毎のマスク色変換テーブルを用いて色変換され、マスク画像が生成され、このマスク画像が対象画像のプレビュー画像上に重ねて表示される(ステップS28)。すなわち、CPU11により、RGB毎に、色変換対象の画像データ中の各区分に含まれる色の領域が、設定された区別表示に対応する表示態様で当該色変換対象の画像データのプレビュー画像上に表示される。
具体的には、図22に示すポイント色調整画面173に含まれる調整範囲設定領域173bにおいて、「調整範囲をプレビュー画面に表示」のON/OFFを指定するためのラジオボタンR15,R16が「ON」に設定されると、プレビュー画像上に入力色成分毎の区別表示に対応する表示色が表示される。プレビュー画像上に表示される区別表示と、グラフの区別表示(グラフ表示領域G5)と、調整範囲設定の表示色の区別表示(表示色表示領域E31〜E42)の区分毎の色は、すべて共通の色となっている。
次に、図22の調整範囲設定領域173bにおいて、「Total」を選択するためのラジオボタンR14がONにされると、CPU11により、トータル調整率に応じた区分毎の表示色、及び、ポイント色の入力中心値からの3次元空間上での距離に対するトータル調整率を示すグラフが表示される。グラフ中の各区分に対応する部分は、区別表示に対応する表示色で表示される。
次に、CPU11により、対象画像の画像データがトータル調整率に基づくマスク色変換テーブルを用いて色変換され、マスク画像が生成され、このマスク画像が対象画像のプレビュー画像上に重ねて表示される(ステップS29)。
次に、CPU11により、操作部15からの操作に基づいて、入力色成分毎の調整範囲に含まれる複数の区分の中で調整範囲から除外したい区分が指定されたか否かが判断される(ステップS30)。具体的には、調整範囲から除外したい区分がある場合には、ユーザは、図22に示すポイント色調整画面173の調整範囲設定領域173bにおいて、除外したい区分の区別表示の表示色と同じ色に対応するチェックボックスC21〜C32のチェックをはずす。
調整範囲から除外したい区分が指定された場合には(ステップS30;YES)、CPU11により、指定された区分が調整範囲から除外され、新たな調整範囲が設定される(ステップS31)。なお、CPU11により、調整範囲から除外された区分よりもポイント色から離れた区分については、同時に調整範囲から除外される。
調整範囲の変更に伴い、CPU11により、記憶部14に記憶されている第2の調整率情報に基づいて、調整範囲内の調整率が変更される。すなわち、CPU11により、新たに設定された調整範囲に応じて、当該調整範囲に含まれる色に対して調整値の調整率が設定される。変更後の調整範囲と調整率の関係は、変更された調整範囲に基づいて、予め設定されている中から適宜選択される。
図25(a)及び(b)に、変更後の調整範囲における第2の調整率情報を示す。
調整率Y1(%)は、初期調整範囲から領域Fが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y2(%)は、初期調整範囲から領域E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y3(%)は、初期調整範囲から領域D、E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y4(%)は、初期調整範囲から領域C、D、E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y5(%)は、初期調整範囲から領域B、C、D、E及びFが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。
調整率Y6(%)は、初期調整範囲から領域fが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y7(%)は、初期調整範囲から領域e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y8(%)は、初期調整範囲から領域d、e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y9(%)は、初期調整範囲から領域c、d、e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。調整率Y10(%)は、初期調整範囲から領域b、c、d、e及びfが除外された場合のポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率である。
図25(a)及び(b)においても、ポイント色(X=0)から色が離れるほど、調整率が小さくなるように設定されている。また、区分内の調整率は、区分の両境界値における調整率を線形補間した値となる。また、調整範囲外の調整率は0とする。
ここで、ユーザの操作部15からの操作により、ポイント色の調整範囲の表示が指定されると(ステップS32)、ステップS24に戻り、ステップS24〜ステップS30の処理が繰り返される。新たな調整範囲に応じて入力値の各格子点に対応する入力色成分毎の調整率が算出し直されるため(ステップS24)、入力色成分毎のマスク色変換テーブル作成処理では、除外された区分の区別表示が非表示となるように、マスク色変換テーブルが再作成される(ステップS26)。
具体的には、図22に示すポイント色調整画面173の調整範囲設定領域173bにおいて、除外したい区分の区別表示の表示色と同じ色に対応するチェックボックスC21〜C32のチェックがはずされた状態で、「設定をプレビュー画面に反映」ボタンB13が押下されると、CPU11により、プレビュー画像上に変更後の調整範囲に含まれる区分に対応する表示色が表示され、調整範囲から除外したい箇所が除外されていることを確認できる。
また、図22に示すポイント色調整画面173の調整範囲設定領域173bにおいて、レッドについて、領域d、e、f、D、E及びFに対応するチェックボックスC24〜C26、C30〜C32のチェックがはずされた状態で、プルダウンメニューP2を操作することにより、「調整範囲変更前」から「調整範囲変更後」に変更されると、CPU11により、図26に示すポイント色調整画面174が表示される。ポイント色調整画面174に含まれる調整範囲設定領域174bのグラフ表示領域G6には、調整範囲から領域d、e、f、D、E及びFが除外された調整範囲変更後のグラフが表示される。すなわち、中心値のプラス側については、図25(a)の調整率Y3(%)が採用され、中心値のマイナス側については、図25(b)の調整率Y8(%)が採用されている。
他の入力色成分の調整範囲を設定する場合も同様に、図22に示すポイント色調整画面173に含まれる調整範囲設定領域173bの入力色のラジオボタンR11〜R13を変更して、調整範囲を設定する。
ステップS30において、調整範囲から除外したい区分が指定されない場合(ステップS30;NO)、すなわち、現状設定されている調整範囲で確定される場合には、ポイント色の調整範囲設定処理が終了する。例えば、図26に示すポイント色調整画面174において、「OK」ボタンB14が押下されると、図3に示すデバイスリンクプロファイル作成画面161に戻る。
図2に戻り、CPU11により、ポイント色調整の調整後の設定に基づいて、デバイスリンクプロファイルが再作成される(ステップS10)。具体的には、CPU11により、ポイント色の出力値に対する調整値(CMYK)と、入力RGB値の各格子点に対応するトータル調整率(最後に算出されたトータル調整率)と、を掛け合わせた値が、入力RGB値の各格子点に対応する出力CMYK値(調整前のデバイスリンクプロファイルを用いて色変換された値)にそれぞれ加算され、ポイント色調整が反映された後の出力CMYK値が算出される。そして、入力RGB値の各格子点に対して、ポイント色調整後の出力CMYK値を対応付けたデバイスリンクプロファイルが作成される。
ステップS10の後、又は、ステップS6において、ポイント色調整をする旨の操作指示がなかった場合には(ステップS6;NO)、CPU11により、デバイスリンクプロファイルが記憶部14に保存される(ステップS11)。
以上で、色変換装置におけるデバイスリンクプロファイル作成処理が終了する。
以上説明したように、第2の実施の形態における色変換装置によれば、色変換対象の画像データ中の各区分に含まれる色の領域を、区別表示に対応する表示態様でプレビュー画像上に表示させるので、色調整する調整範囲を容易に認識可能とすることができる。また、区分単位で初期調整範囲から除外することができるので、調整範囲内の一部を調整範囲から除外する際の操作性を向上させることができる。
また、ポイント色から離れるほどより細かい区分に区分けすることにより、初期調整範囲から除外したい区分がある場合に、調整範囲を細かく調整することができる。
また、ポイント色から離れるほど調整率を小さくすることにより、トーンジャンプを防止することができる。
また、ポイント色を中心として入力値の増加方向、減少方向について、個別に調整範囲を調整することができる。
また、入力値の色成分毎に、個別に初期調整範囲から除外したい区分を指定することができるので、入力値の色成分毎に、個別に調整範囲を調整することができる。
また、入力値に対する調整率を表したグラフを表示させることにより、入力値に対する調整率を容易に認識可能とすることができる。また、グラフ上の各区分に対応する部分を、設定された区別表示に対応する表示態様で表示させることにより、区分毎の表示態様を容易に認識可能とすることができる。
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る色変換装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、初期調整範囲や、ポイント色の入力中心値からの増減Xに対する調整率は、上記の例に限定されず、任意に変更可能である。
また、上記各実施の形態では、マスク色変換テーブルを用いて、対象画像の画像データを、複数の異なる表示色に対応するCMYK値に変換する場合について説明したが、複数の異なるパターンを形成するためのCMYK値に変換することとしてもよい。
また、上記各実施の形態では、ポイント色調整画面の調整範囲の区分毎の設定をチェックボックスで行う場合について説明したが、図27に示すポイント色調整画面175の調整範囲設定領域175bのように、調整範囲を区分毎に異なる表示態様で表示させたスライドバーを設けることとしてもよい。具体的に、入力値について中心値のプラス側の色領域を調整する場合には、プラス側調整部F1の上にマウスポインタを置いた状態でマウスボタンを押下し、そのまま調整範囲から除外したい区分の左側まで移動させてからマウスボタンを離す。一方、入力値について中心値のマイナス側の色領域を調整する場合には、マイナス側調整部F2の上にマウスポインタを置いた状態でマウスボタンを押下し、そのまま調整範囲から除外したい区分の右側まで移動させてからマウスボタンを離す。
シアンについて、プラス側調整部F1を操作することにより、初期調整範囲から領域D、E及びFが除外され、プルダウンメニューP3を操作することにより、「調整範囲変更前」から「調整範囲変更後」に変更された場合のポイント色調整画面176を図28に示す。ポイント色調整画面176に含まれる調整範囲設定領域176bにおいて、プラス側調整部F1は、領域Cの位置まで移動されており、領域D、E及びFが除外されている。また、グラフ表示領域G7には、調整範囲変更後のグラフが表示される。
また、上記各実施の形態では、デバイスリンクプロファイルを作成する例を挙げたが、デバイスリンクプロファイルを作成することなく、ソースプロファイルとデスティネーションプロファイルから2段階の変換処理をして出力してもかまわない。
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。