JP5747563B2 - 定着装置、加熱装置、および画像形成装置 - Google Patents

定着装置、加熱装置、および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置、加熱装置、および画像形成装置に関する。
定着ベルトの温度が低下し且つ温度検知センサで測定された感温磁性部材の温度が基準設定温度まで到達しているとき、電動シリンダを動作させて、感温磁性部材を定着ベルトの内周面に接触させる定着装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、表面温度検知手段から送られてくる表面温度信号が加熱ローラの昇温に伴って所定の閾値に達すると、接離ソレノイドがオンされ、加熱部材が加熱ローラの内周面から離間する加熱装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−282413号公報 特開2004−177745号公報
本発明の目的は、画像を記録材に定着する定着部材に向けて加熱部材を移動させる機構や、被加熱体に熱を供給する供給部材に向けて加熱部材を移動させる機構の簡略化を図ることにある。
請求項1に記載の発明は、回転可能に設けられ、電磁誘導による加熱が可能な導電層を有し、記録材上の画像を当該記録材に定着する定着部材と、前記定着部材に接触し、当該定着部材との間に前記記録材を通過させるニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、少なくも一部が前記定着部材から離れた状態で設けられ、加熱される加熱部材と、前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させる移動手段と、を備え、前記移動手段は、前記定着部材の回転方向において、回転方向の上流側から当該定着部材と前記加熱部材とが接触するように当該加熱部材を移動させることを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記加熱部材は、前記磁界生成手段により生成される前記交流磁界によって加熱されることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記移動手段は、熱を受けることで変形する変形部材であり、前記変形部材は、前記加熱部材から熱を受け変形を行うことで、前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記定着部材は、筒状に形成され、前記変形部材は、筒状に形成された前記定着部材の内側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記変形部材は、前記定着部材に向かって伸長し前記加熱部材を当該定着部材に向けて移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、前記変形部材は、熱を受けることで湾曲し、当該湾曲により変位する部位を用いて前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載の定着装置である。
請求項7に記載の発明は、前記変形部材が前記変形を行う前、前記定着部材と前記加熱部材とは非接触状態にあることを特徴とする請求項乃至6の何れかに記載の定着装置である。
請求項8に記載の発明は、前記変形部材は、形状記憶合金により形成されていることを特徴とする請求項乃至7の何れかに記載の定着装置である。
請求項9に記載の発明は、回転可能に設けられ、電磁誘導による加熱が可能な導電層を有し、被加熱体に熱を供給する供給部材と、前記供給部材に接触し、当該供給部材との間に前記被加熱体を通過させるニップ部を形成する加圧部材と、前記供給部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、少なくも一部が前記供給部材から離れた状態で設けられ、加熱される加熱部材と、前記加熱部材を前記供給部材に向けて移動させる移動手段と、を備え、前記移動手段は、前記供給部材の回転方向において、回転方向の上流側から当該供給部材と前記加熱部材とが接触するように当該加熱部材を移動させることを特徴とする加熱装置である。
請求項10に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、回転可能に設けられ、電磁誘導による加熱が可能な導電層を有し、前記画像形成手段により記録材上に形成された画像を当該記録材に定着する定着部材と、前記定着部材に接触し、当該定着部材との間に前記記録材を通過させるニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、少なくも一部が前記定着部材から離れた状態で設けられ、加熱される加熱部材と、前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させる移動手段と、を備え、前記移動手段は、前記定着部材の回転方向において、回転方向の上流側から当該定着部材と前記加熱部材とが接触するように当該加熱部材を移動させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、画像を記録材に定着する定着部材に向けて加熱部材を移動させる機構の簡略化が可能となる。
請求項2の発明によれば、加熱源の数を減らすことができるようになる。
請求項3の発明によれば、加熱部材の温度に応じた変形部材の変形が可能となる。
請求項4の発明によれば、筒状に形成された定着部材の外側に変形部材が設けられている場合に比べ、定着部材の外側の雰囲気温度が変形部材に影響を与えることを抑制可能となる。
請求項5の発明によれば、定着部材以外の方向に向かって変形部材が伸長する場合に比べ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
請求項6の発明によれば、加熱部材を移動させようとする方向と交差する方向に沿って変形部材を設置することができるようになる。
請求項7の発明によれば、加熱部材の一部と定着部材とが接触している場合に比べ、定着部材の熱が奪われにくくなる。
請求項8の発明によれば、変形部材を単一の部材で構成できるようになる。
請求項9の発明によれば、被加熱体に熱を供給する供給部材に向けて加熱部材を移動させる機構の簡略化が可能となる。
請求項10の発明によれば、画像を記録材に定着する定着部材に向けて加熱部材を移動させる機構の簡略化が可能となる。
本実施形態の形態に係るプリンタを示した図である。 定着装置を説明するための図である。 定着装置を説明するための図である。 定着装置を説明するための図である。 定着ベルトの断面構成等を示した図である。 感温磁性部材を説明するための図である。 用紙の搬送方向上流側から定着装置を眺めた場合における定着装置の断面図である。 変形部材の周辺の構造を説明するための図である。 (a)は、感温磁性部材の温度が、透磁率変化開始温度以下の場合の状態を示した図であり、(b)は、感温磁性部材の温度が、透磁率変化開始温度以上の場合の状態を示した図である。 複数枚の用紙に対する定着処理を行った際の定着ベルトの温度変化を示した図である。 定着装置の他の一形態を示した図である。 変形部材の他の構成例を示した図である。 変形部材の他の構成例を示した図である。 加熱装置を説明するための図である。 定着装置の他の一形態を示した図である。 感温磁性部材が加熱されない定着装置を示した図である。 定着ベルトと感温磁性部材の発熱比率等を説明するための図である。 感温磁性部材に形成されるスリットを示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態の形態に係るプリンタ10を示した図である。
画像形成装置の一例としてのプリンタ10は、プリンタ10の本体を構成する筐体12を備えている。またプリンタ10は、光走査装置54を備えている。ここでこの光走査装置54は、筐体12に固定されている。またプリンタ10には、光走査装置54に隣接する位置に、光走査装置54の動作、および、プリンタ10の各部の動作を制御する制御ユニット50が設けられている。
光走査装置54は、図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査するとともに、反射ミラー等の複数の光学部品でこの光ビームを反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の各トナーに対応した光ビーム60Y、60M、60C、60Kを出射する。光ビーム60Y、60M、60C、60Kは、それぞれ対応する各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kに導かれる。また本実施形態におけるプリンタ10では、プリンタ10の下部に、記録材の一例としての用紙Pを収納する用紙収容部14が設けられている。
さらに、用紙収容部14の上方には、用紙Pの先端部の位置を調整する一対のレジストロール16が設けられている。また図示は省略するが、用紙収容部14に収容された複数枚の用紙Pのうちの最上位の用紙Pに接触し、この用紙Pをレジストロール16に向けて送り出す送り出しロールが設けられている。また本実施形態では、プリンタ10の中央部に、画像形成手段の一部として機能する画像形成ユニット18が設けられている。この画像形成ユニット18は、上述の4つの感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kを備えている。なお4つの感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kは、上下一列に並んだ状態で配置されている。
また、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの回転方向上流側には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面を帯電する帯電ローラ22Y、22M、22C、22Kが設けられている。また、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの回転方向下流側には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20K上に形成された静電潜像をY、M、C、Kの各トナーを用いて現像する現像器24Y、24M、24C、24Kが設けられている。また本実施形態では、感光体ドラム20Y、20Mに接触する第1中間転写体26、感光体ドラム20C、20Kに接触する第2中間転写体28が設けられている。
さらに、第1中間転写体26および第2中間転写体28に接触する第3中間転写体30が設けられている。また、第3中間転写体30と対向する位置には、転写ロール32が設けられている。そして本実施形態では、感光体ドラム20Y、20M上のトナー像が第1中間転写体26に転写され、感光体ドラム20C、20K上のトナー像が第2中間転写体28に転写される。その後、第1中間転写体26に転写されたトナー像、および、第2中間転写体28に転写されたトナー像が、第3中間転写体30を介して用紙Pに転写される。
また本実施形態では、用紙Pが搬送される用紙搬送路34上であって、転写ロール32よりも用紙Pの搬送方向における下流側に、定着装置100が設けられている。定着装置100は、加圧ロール104と、定着部材の一例としての定着ベルト102とを有しており、用紙Pを加熱および加圧してトナー像を用紙Pに定着させる。ここで、トナー像が定着された用紙Pは、用紙搬送ロール36によって、プリンタ10の上部に設けられた用紙排出部38に排出される。
ここで、プリンタ10にて実行される画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光体ドラム20Y〜20Kの表面が帯電ローラ22Y〜22Kによって一様に帯電される。そして、出力画像に対応した光ビーム60Y〜60Kが、光走査装置54から、帯電後の感光体ドラム20Y〜20Kの表面に照射される。これにより、感光体ドラム20Y〜20K上には、各色の画像に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像に対して、現像器24Y〜24Kからトナーが供給され、感光体ドラム20Y〜20K上にはY色〜K色のトナー像が形成される。
その後、マゼンタ用の感光体ドラム20Mから第1中間転写体26にマゼンタのトナー像が一次転写される。また、イエロー用の感光体ドラム20Yから第1中間転写体26にイエローのトナー像が一次転写される。なおこのとき、このイエローのトナー像は、第1中間転写体26上に既に載っているマゼンタのトナー像に重ね合わされる。また、ブラック用の感光体ドラム20Kから第2中間転写体28にブラックのトナー像が一次転写される。また、シアン用の感光体ドラム20Cから第2中間転写体28にシアンのトナー像が一次転写される。なおこのとき、上記と同様、このシアンのトナー像は、第2中間転写体28上に既に載っているブラックのトナー像に重ね合わされる。
次に、第1中間転写体26へ一次転写されたマゼンタとイエローのトナー像は、第3中間転写体30へ二次転写される。また、第2中間転写体28へ一次転写されたブラックとシアンのトナー像も、第3中間転写体30へ二次転写される。ここで、先に二次転写されたマゼンタ 、イエローのトナー像と、後に転写されたシアン、ブラックのトナー像とは、第3中間転写体30上にて重ね合わされる。これにより、カラー(3色)とブラックのフルカラーのトナー像が第3中間転写体30上に形成される。
その後、第3中間転写体30上のトナー像は、第3中間転写体30と転写ロール32とにより形成されるニップ部に到達する。このタイミングに同期して、レジストロール16により用紙Pがこのニップ部に搬送される。これにより、用紙P上にフルカラーのトナー像が三次転写(最終転写)される。その後、用紙Pは、定着装置100に送られ、定着ベルト102と加圧ロール104とにより形成されたニップ部を通過する。その際、定着ベルト102と加圧ロール104とから与えられる熱と圧力との作用により、トナー像が用紙Pに定着される。定着後、用紙Pは用紙搬送ロール36により用紙排出部38へ排出される。これにより用紙Pへの画像の形成が終了する。
ここで定着装置100について詳細に説明する。
図2〜図4は、定着装置100を説明するための図である。
図2に示すように、定着装置100は筐体120を備えている。ここでこの筐体120には、搬送されてきた用紙Pを進入させるための第1開口120A、定着処理が終了した用紙Pを排出するための第2開口120Bが形成されている。また定着装置100には、筒状に形成され且つ無端状に形成された定着ベルト102が設けられている。ここで、定着ベルト102は、この定着ベルト102の長手方向に沿った中心軸を中心として図中矢印A方向に回転できるようになっている。
また、定着ベルト102の外周面と対向する位置には、絶縁性の材料で構成されたボビン108が配置されている。ボビン108は、定着ベルト102の外周面に倣うように円弧状に形成されている。また、ボビン108には、定着ベルト102と対向する対向面とは反対側の面の中央部に、凸部108Aが形成されている。なおボビン108と定着ベルト102との間隔は1〜3mm程度となっている。また、ボビン108には、通電によって磁界(交流磁界)Hを発生する励磁コイル110(磁界生成手段の一例)が、凸部108Aを中心として、軸方向(図2の紙面の奥行き方向)に巻き回されている。また、励磁コイル110と対向する位置には、ボビン108の形状に倣い円弧状に形成された磁性体コア112が配置されている。
ここで、定着ベルト102の構成について説明する。
図5は、定着ベルト102の断面構成等を示した図である。同図(a)に示すように、定着ベルト102は、基層124、発熱層126、弾性層128、および離型層130を有している。なお、定着ベルト102の内周面側から外周面側に向かって、基層124、発熱層126、弾性層128、離型層130の順に設けられている。ここで本実施形態における定着ベルト102は、直径が30mm、長手方向(幅方向)における長さが370mmとなっている。
基層124には、薄い発熱層126を支持する強度を有し、耐熱性があり、磁界(磁束)を貫通しつつ、磁界の作用により発熱しないか、又は発熱しにくい材料を用いることができる。例えば、厚みが30〜200μm(好ましくは100〜150μm)の金属ベルト(非磁性金属として例えば非磁性ステンレススチール)や、Fe、Ni、Co、又はこれらの合金Fe−Ni−Co、Fe−Cr−Co等からなる金属材料で構成されたベルトを用いることができる。また、例えば、厚みが60〜200μmの樹脂ベルト(例えばポリイミドベルト)等を用いることもできる。いずれの場合においても、励磁コイル110の磁束が感温磁性部材114(後述)まで作用するように材料(固有抵抗、比透磁率)、厚さが決定される。なお本実施形態では、非磁性ステンレスを用いている。
導電層の一例としての発熱層126は、励磁コイル110により発生する磁界(交流磁界)H(図2〜図4参照)が厚さ方向に通過するとともにこの磁界Hを打ち消す磁界を生成するように渦電流が流れる電磁誘導作用により発熱する金属材料で構成される。また、発熱層126は、磁界Hの磁束を貫通させるために、磁界Hが侵入可能な厚さである表皮深さよりも薄く形成されている。ここで、表皮深さをδとし、発熱層126の固有抵抗をρ、比透磁率をμ、励磁コイル110における信号(電流)の周波数をfとすると、δは(1)式で表される。
Figure 0005747563
発熱層126に用いられる金属材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、ベリリウム、アンチモン、又はこれらの合金の金属材料を用いることができる。なお、定着装置100のウォームアップ時間を短くするため、発熱層126の厚さは小さくすることが好ましい。また、発熱層126として、汎用電源が活用できる交流周波数20kHz〜100kHzの範囲において、厚さ2〜20μm、固有抵抗2.7×10−8Ωcm以下の非磁性金属(比透磁率が概ね1の常磁性体)材料を用いることが好ましい。本実施形態では、必要な発熱量を効率よく得ることが可能な観点と、低コストの観点から、発熱層126に厚さ10μmの銅を用いている。
弾性層128は、弾性と耐熱性が得られる等の観点から、シリコン系ゴム、又はフッ素系ゴムが用いられる。なお本実施形態ではシリコンゴムを用いている。また、本実施形態では、弾性層128の厚さを200μmとしている。なお、弾性層128の厚さは、200μm〜600μmの範囲内で決定することが好ましい。
離型層130は、用紙P上のトナーT(図2参照)と定着ベルト102との接着力を弱めて、用紙Pを定着ベルト102から剥離し易くする。離型層130としては、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。なお本実施形態ではPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)を用いている。また本実施形態では、離型層130の厚さを30μmとしている。
図2を再度参照し、定着装置100についてさらに説明する。
図2に示すように、定着ベルト102の内側には、感温磁性部材114が設けられている。加熱部材の一例としてのこの感温磁性部材114は、定着ベルト102の内周面に倣うように円弧形状を有して形成されるとともに、定着ベルト102の内周面に対向するように配置されている。また感温磁性部材114は、定着ベルト102を挟み励磁コイル110に対向して配置されている。また感温磁性部材114は、定着ベルト102の内周面に対して進退可能に設けられている。付言すると、図2における上下方向に移動可能に設けられている。
図6は、感温磁性部材114を説明するための図である。
同図(a)に示すように、感温磁性部材114は、後述する感温特性を有し基層となる感温層115と、感温層115の表面に積層された発熱層117とを有している。なお、本実施形態では、発熱層117を設けた場合を示したが、感温層115だけで必要な発熱量が得られる場合には発熱層117を省略することができる。
感温層115は、定着ベルト102の定着設定温度以上、且つ、定着ベルト102の耐熱温度以下の温度領域(温度範囲)にある透磁率変化開始温度から、透磁率が連続的に低下し始める感温特性を有している。ここでこのような感温層115には、透磁率変化開始温度が例えば140〜240℃の範囲内に設定された例えばFe−Ni合金(パーマロイ)等の二元系整磁鋼やFe−Ni−Cr合金等の三元系の整磁鋼等が用いられる。例えば、Fe−Niの二元系整磁鋼においては約Fe64%、Ni36%(原子数比)とすることで225℃前後に透磁率変化開始温度を設定することができる。その他の材質としては、Fe,Ni,Si,B,Nb,Cu,Zr,Co,Cr,V,Mn,Mo等からなる金属合金が用いられる。なお本実施形態では、厚さ150μmのFe−Ni合金を用いている。一方、発熱層117には、前述の定着ベルト102の発熱層126と同様の特性を有するものを用いることができる。ここで本実施形態では、発熱層117として、厚さ20μmの銅を用いている。
なお、感温磁性部材114の発熱量が多すぎる場合には、感温磁性部材114の発熱を抑制するために、感温磁性部材114に流れる渦電流の主経路を分断する手段を設けてもよい。具体的には、複数のスリットを入れて渦電流を流れ難くすることで感温磁性部材114の発熱を抑制することができる。なお発熱量は、スリットの量、幅、長さ、位置などを変えることで調整することができる。またスリットは、渦電流の流れの主経路に対して略垂直方向に入れると効果的である。
また、感温磁性部材114のうち、励磁コイル110が設けられている側とは反対側の面に、低固有抵抗の非磁性金属層を設けることもできる。非磁性金属層は、感温磁性部材114の長手方向(軸方向)における温度分布を均一化する機能を有し、この場合、局部的な温度上昇が抑制される。また、感温層115の温度が上昇して透磁率変化開始温度以上で透磁率が連続的に低下した場合に、多くの磁束が非磁性金属層に作用することで、発熱層117、感温層115の発熱量を抑制することができる。なお、この効果は誘導体118(後述)がもたらす効果と同様である。非磁性温金属層の材料としては、銀、銅、アルミニウムなどを挙げることができる。
図6(b)に示すように、透磁率変化開始温度とは、透磁率(JIS C2531で測定)が連続的に低下し始める温度であり、磁界の磁束の貫通量が変化し始める温度をいう。また、透磁率変化開始温度は、キュリー点とは異なるものであり、150℃〜230℃で設定されることが好ましい。
図2を再度参照し定着装置100について更に説明する。
図2に示すように、感温磁性部材114の内側には誘導体118が設けられている。この誘導体118は表皮深さ以上の厚さを有している。また誘導体118は、固有抵抗の小さい非磁性金属であることが望ましく、例えば銀、銅、アルミニウムなどを用いることができる。これらの材料を選択して表皮深さ以上の厚さにすれば、誘導体118に磁界が作用した場合には上記発熱層117より渦電流が流れやすくなる。ここで誘導体118は、感温磁性部材114の内周面と対向する円弧部118Aと、円弧部118Aと一体で形成される柱部118Bとにより構成されている。
ここで、誘導体118の円弧部118Aは、感温磁性部材114を磁界Hの磁束が貫通した場合に、磁界Hの磁束を誘導する位置に配置されている。また、誘導体118と感温磁性部材114は互いに離れた状態で設けられている。また本実施形態では、誘導体118の柱部118Bの下端面に、定着ベルト102を外側に向けて押圧する押圧パッド132が固定されている。押圧パッド132は、ウレタンゴムやスポンジ等の弾性を有する部材で構成され、端面が定着ベルト102の内周面に接触している。
また本実施形態では、定着ベルト102の外周面に対して加圧ロール104が圧接されている。この加圧ロール104は、定着ベルト102の回転に従動し図中矢印B方向に回転する。ここで、加圧ロール104では、アルミニウム等の金属からなる芯金106の周囲に、厚さ5mmの発泡シリコンゴムスポンジにより構成された弾性層が設けられている。さらにこの弾性層の外側に、厚さ50μmのカーボン入りPFAからなる離型層が形成されている。さらに本実施形態では、加圧ロール104を回転可能に支持するブラケットをカムにより揺動させるリトラクト機構が設けられており、定着ベルト102の外周面と加圧ロール104の外周面とが、接触および離間するようになっている。
また本実施形態では、図2に示すように、定着ベルト102の内周面に接触して設けられ定着ベルト102の表面温度を測定するサーミスタ134が設けられている。なおこのサーミスタ134は、励磁コイル110と対向しない領域且つ用紙Pの排出側の領域に設けられている。ここでサーミスタ134は、定着ベルト102から与えられる熱量に応じて変化した抵抗値を温度換算することで、定着ベルト102の表面温度を計測する。なおサーミスタ134は、用紙Pのサイズの大小によって測定値が変わらないようにするため、定着ベルト102の長手方向(幅方向)における中央部に接触するように設けられている。
ここで、サーミスタ134は、図5(b)に示すように、配線136を介して制御ユニット50(図1参照)の内部に設けられた制御回路138に接続されている。また、制御回路138は、配線140を介して通電回路142に接続され、この通電回路142は、配線144、146を介して励磁コイル110に接続されている。通電回路142は、制御回路138から送られる電気信号に基づいて駆動又は駆動停止され、配線144、146を介し、励磁コイル110に予め定められた周波数の交流電流を供給し、また、供給の停止を行う。
制御回路138は、サーミスタ134から送られた電気量に基づいて温度換算を行い、定着ベルト102の表面温度を測定する。そして、この測定温度と、予め記憶させてある定着設定温度(例えば170℃)とを比較して、測定温度が定着設定温度よりも低い場合は、通電回路142を駆動して励磁コイル110に通電し磁界H(図2参照)を発生させる。一方で、測定温度が定着設定温度よりも高い場合は、通電回路142を停止する。
また本実施形態における定着装置100には、図2に示すように、定着ベルト102と加圧ロール104との接触部(ニップ部)よりも用紙Pの搬送方向における下流側に、案内部材148が設けられている。この案内部材148は、一端が固定された支持部148Aと、支持部148Aに支持されている剥離シート148Bとで構成されており、定着ベルト102から剥離された用紙Pの先端部に接触しこの用紙Pを下流側へと案内する。
図7は、用紙Pの搬送方向上流側から定着装置100を眺めた場合における定着装置100の断面図である。
図7を参照し定着装置100についてさらに説明する。同図に示すように、定着装置100の一方の端部側には第1側板152が設けられ、他方の端部側には第2側板154が設けられている。また、第1側板152の内壁面には第1支持部材156が固定され、第2側板154の内壁面には第2支持部材158が固定されている。ここで、第1支持部材156は、第1側板152に固定される平板部156Aと、平板部156Aから突出するように設けられるとともに筒状に形成された突出部156Bと、平板部156Aおよび突出部156Bを貫通する貫通穴156Cとを備えている。また、第2支持部材158も同様に、第2側板154に固定される平板部158A、平板部158Aから突出する突出部158B、平板部158Aおよび突出部158Bを貫通する貫通穴158Cを備えている。
また本実施形態では、突出部156Bの外周面にベアリング160が取り付けられ、また、突出部158Bの外周面にベアリング162が取り付けられている。ここで本実施形態では、ベアリング160、162の外周面に対して、定着ベルト102の内周面が固定されている。これにより、定着ベルト102の回転が可能となっている。さらに本実施形態では、定着ベルト102の外周面のうち第2側板154が設けられている側に、回転駆動用のギア164が取付けられている。本実施形態では、このギア164が不図示のモータからの駆動力を受けることで、定着ベルト102の回転が行われるようになっている。
ここで感温磁性部材114は、図7に示すように定着ベルト102の長手方向(幅方向)に延びるように設けられている。また本実施形態では、感温磁性部材114の両端部に、断面がL字状の支持部材166、168が取り付けられている。ここで支持部材166、168は、熱伝導率の低い部材で構成されており、感温磁性部材114の熱が支持部材166、168に伝わりにくくなっている。
ここで支持部材166は、貫通穴156Cを通された状態で設けられるとともに一部が第1側板152よりも外側に突出するように設けられている。また、支持部材168も、貫通穴158Cを通された状態で設けられるとともに一部が第2側板154よりも外側に突出するように設けられている。また本実施形態では、誘導体118の長手方向における一端部が貫通穴156Cに挿入されるとともに第1支持部材156に固定されている。さらに誘導体118の長手方向における他端部が、貫通穴158Cに挿入されるとともに第2支持部材158に固定されている。
また本実施形態では、感温磁性部材114と誘導体118との間に、感温磁性部材114から熱を受けることで変形する変形部材260が設けられている(図2も参照)。ここでこの変形部材260は複数設けられており、変形部材260の各々は、定着ベルト102の長手方向(幅方向)において互いにずらされた状態で配置されている。
また本実施形態では、変形部材260の伸縮(詳細は後述)により移動する感温磁性部材114を案内する第1案内部材251、第2案内部材252が設けられている。ここで第1案内部材251は、第1側板152から突出する支持部材166が通される長穴251Aを有しており、長穴251Aに挿入されたこの支持部材166に接触することで感温磁性部材114の案内を行う。また、第2案内部材252は、第2側板154から突出する支持部材168が通される長穴252Aを有しており、長穴252Aに挿入されたこの支持部材168に接触することで感温磁性部材114の案内を行う。
ここで、変形部材260は、コイルスプリング状に形成されている。また変形部材260は形状記憶合金で形成されている。ここで、形状記憶合金とは、一般の金属材料では復元不可能な大きな変形を加えても、その合金の変態温度以上に加熱するだけで元の形に復元する形状記憶効果を有する金属(合金)のことを指す。現在実用されているものとしては、チタン−ニッケル合金が一般的であるが、形状記憶効果があるものとしては、銅−亜鉛−ニッケル合金、ニッケル−アルミ合金など10種類以上の形状記憶合金が確認されている。
ここで形状記憶合金の変態温度は、チタン−ニッケル混合比率を調整したり、コバルト、銅を微量添加したりすることで、例えば、−20〜100℃程度に調整することができる。なお本実施形態における変形部材260では、いわゆる二方向形状記憶がなされており、この変形部材260は、感温磁性部材114から熱を受け予め定められた温度(変態温度、本実施形態では100℃)となった場合に伸長し、予め定められたこの温度よりも自身の温度が低くなった場合に縮むようになっている。
次に、定着装置100において行われる定着処理の一連の動作について図2〜図4を参照しながら説明する。
定着装置100にて定着処理が行われる際には、まず、制御ユニット50によって駆動モータ(図示省略)が駆動され、定着ベルト102が図2における矢印A方向へ回転する。なおこのとき変形部材260は縮んだ状態となっており、感温磁性部材114が定着ベルト102から離れた状態となっている。次いで、制御回路138からの電気信号に基づいて通電回路142が駆動され、励磁コイル110に交流電流が供給される。これにより、定着ベルト102の発熱層126(図5(a)参照)と交差する磁界Hの生成および磁界Hの消滅が繰り返される。
そして、磁界Hが定着ベルト102の発熱層126を横切ると、磁界Hの変化を妨げる磁界が生じるように発熱層126に渦電流が発生する。これによって定着ベルト102が加熱される。なおこのように定着ベルト102が加熱される際、感温磁性部材114が定着ベルト102から離れた状態となっている。このため、定着ベルト102の熱が感温磁性部材114に奪われにくくなり、定着ベルト102の温度が速やかに上昇する。また本実施形態では、定着ベルト102が加熱される際、磁界Hが感温磁性部材114まで侵入しており感温磁性部材114も加熱される。
ここで、定着ベルト102の表面の温度はサーミスタ134で検知されており、定着設定温度(例えば、170℃)に到達していない場合は、制御回路138が、通電回路142を駆動制御し励磁コイル110に予め定められた周波数の交流電流を供給する。一方で、定着設定温度に到達している場合、制御回路138は、通電回路142に制御信号を出力し交流電流の供給を停止する。また本実施形態では、定着ベルト102が定着設定温度に到達した段階で、制御ユニット50が不図示のリトラクト機構を作動させ、加圧ロール104を定着ベルト102に接触させる。これにより、加圧ロール104は、回転する定着ベルト102とともに回転するようになる。
その後、定着装置100に対して用紙Pが送り込まれ、送り込まれたこの用紙Pは、予め定められた定着設定温度(170℃)となっている定着ベルト102と、加圧ロール104とにより、加熱および押圧される。これによりトナー画像が用紙Pに定着される。その後、この用紙Pは、用紙搬送ロール36によって用紙排出部38に排出される。
ここで本実施形態では、1枚目の用紙Pに対する定着処理が行われる際、定着ベルト102の熱がこの用紙Pに奪われる。また2枚目以降の用紙Pが順次供給されることで、定着ベルト102の熱がさらに奪われる。このため本実施形態では、用紙Pに対する定着処理を行っていくと定着ベルト102の温度が次第に低下していく。その一方で、本実施形態では、感温磁性部材114が定着ベルト102から離れた状態で加熱されている。このため本実施形態における定着装置100では、定着ベルト102の温度が低下する一方で感温磁性部材114の温度が上昇するようになる。
ここで本実施形態では、感温磁性部材114の温度上昇に伴い変形部材260の温度も上昇する。そして変形部材260の温度が例えば100℃となった時点(変態温度を超えた時点)で、定着ベルト102の内周面に向かっての変形部材260の伸長が開始される。なお本実施形態では、変形部材260が100℃となった際、感温磁性部材114の温度は約185℃となっている。そして変形部材260が伸長すると、この変形部材260によって感温磁性部材114が移動し、図3に示すように、感温磁性部材114が定着ベルト102の内周面に接触する。これにより、感温磁性部材114から定着ベルト102へ熱が供給され、定着ベルト102の温度低下が抑制されるようになる。ここで、感温磁性部材114の移動はソレノイドなどを用いて行うこともできるが、この場合、感温磁性部材114の温度を検知するセンサなどを更に設ける必要があり構成の複雑化を招いてしまう。
なお本実施形態における変形部材260は、筒状に形成された定着ベルト102の内部(内側)に設けられている。ここで、例えば、第1案内部材251(図7参照)に形成された長穴251Aの内部や、第2案内部材252に形成された長穴252Aの内部に、変形部材260が設けられた態様とすることもできる。付言すると、定着ベルト102の外部(外側)の領域に変形部材260が設けられた態様とすることもできる。ところで定着ベルト102の外部の温度は、プリンタ10が設置されている環境によって異なる場合があり、定着ベルト102の外部の領域に変形部材260が設けられていると、変形部材260が変態するタイミングにばらつきが生じやすくなる。このため本実施形態では、変形部材260が定着ベルト102の内部に設けられた構成としている。
また図7では、感温磁性部材114と変形部材260とを直接接触させたが、図8(変形部材260の周辺の構造を説明するための図)に示すように、感温磁性部材114と変形部材260との間に、感温磁性部材114からの熱を変形部材260に伝達する伝達部材299を設けることもできる。なおこの伝達部材299は、柱状に形成されるとともに感温磁性部材114から変形部材260に向かうに従い外径が次第に小さくなるように形成されている。
次に、定着ベルト102に感温磁性部材114が接触した後における感温磁性部材114の機能について図9も参照しながら説明する。
ここで、図9(a)は、感温磁性部材114の温度が、透磁率変化開始温度以下の場合の状態を示しており、図9(b)は、感温磁性部材114の温度が、透磁率変化開始温度以上の場合の状態を示している。
図9(a)に示すように、感温磁性部材114の温度が透磁率変化開始温度以下の場合(図2および図3の状態の場合)は、感温磁性部材114が強磁性体であるため、磁束密度が高められる。また、定着ベルト102を貫通した磁界Hが、感温磁性部材114に侵入して閉磁路を形成し磁界Hを強める。これにより、定着ベルト102の発熱層126の発熱量が十分得られ、予め定められた定着設定温度まで定着ベルト102は昇温される。
一方、図4および図9(b)に示すように、感温磁性部材114の温度が透磁率変化開始温度以上の場合は、感温磁性部材114の透磁率が低下するため、定着ベルト102を貫通した磁界Hが、感温磁性部材114を貫通して誘導体118に向かう。このとき、磁束密度が低下して磁界Hが弱まるとともに閉磁路が形成できなくなる。そしてこの場合、渦電流は、発熱層126や感温磁性部材114より誘導体118に多く流れるようになる。そしてこの場合、発熱層126および感温磁性部材114の発熱量が低減する。これにより、定着ベルト102および感温磁性部材114の温度が低下するようになる。
図10は、複数枚の用紙Pに対する定着処理を行った際の定着ベルト102の温度変化を示した図である。
ここで、図10のグラフG1は、本実施形態の定着装置100の時間−温度曲線である。また、グラフG2は、比較例の時間−温度曲線である。詳細には、G2は、感温磁性部材114と定着ベルト102との接触がなされない定着装置100における時間−温度曲線である。
まず、グラフG1では、時間t1までの間に定着ベルト102が昇温され、狙いの定着設定温度T1から僅かにオーバーシュートした状態で加圧ロール104が接触される。加圧ロール104の接触により、定着ベルト102の熱が奪われ、定着設定温度T1まで温度が低下する。続いて、時間t1から時間t2までの間で、1枚目の用紙Pの定着が行われる。この結果、定着ベルト102の熱がこの1枚目の用紙Pにより奪われるようになり、定着ベルト102の温度は温度T2まで低下する。
続いて、時間t2から時間t3までの間に、2枚目の用紙Pが供給される。そしてこの2枚目の用紙Pによって定着ベルト102の熱が奪われる。ところで本実施形態では、2枚目の用紙Pが供給されるくらいに、定着ベルト102よりも温度が高くなっている感温磁性部材114が定着ベルト102に接触する。付言すると、2枚目の用紙Pが供給されるくらいに変形部材260の温度が約100℃なるように、各部の熱伝導率などが設定されており、2枚目の用紙Pが供給される際に変形部材260の伸長が開始され、感温磁性部材114が定着ベルト102に接触する。
これにより、感温磁性部材114から定着ベルト102へ熱が供給される。この結果、本実施形態では、定着ベルト102の温度低下の度合いが小さくなる。ここで、定着ベルト102の温度の最下点を温度ドループ(D)とすると、本実施形態の定着装置100では、時間t3で温度ドループD1(温度T3)となっている。
一方、比較例における定着装置100では、上記のとおり、感温磁性部材114と定着ベルト102との接触がなされない。このため、感温磁性部材114から定着ベルト102への熱の供給がなされず、温度ドループD2(温度T4(<温度T3))まで温度が低下する。
図11は定着装置100の他の一形態を示した図である。
本図に示す定着装置100では、感温磁性部材114の一端部114A(定着ベルト102の回転方向上流側に位置する一端部)にシャフトSHが通されており、この感温磁性部材114は、一端部114Aを中心に回転(揺動)できるようになっている。なおシャフトSHは、誘導体118の一方の側面に取り付けられた第1支持部材271によって支持されている。また本実施形態では、誘導体118の他方の側面に第2支持部材272が取り付けられている。ここで第2支持部材272は、感温磁性部材114の他端部114Bの下部まで延びている。また本実施形態では、感温磁性部材114の他端部114Bと第2支持部材272との間に変形部材260が設けられている。
ここでこの実施形態では、変形部材260が伸長することで感温磁性部材114の他端部114Bが図中上方に向かって移動する。これにより感温磁性部材114の全体も図中上方に向かって変位する。そしてこの変位によって感温磁性部材114が定着ベルト102の内周面に接触する。図2に示した構成では、感温磁性部材114と誘導体118との間に変形部材260が設置されるため、感温磁性部材114と誘導体118との離間距離が大きくなる。そしてこの場合、定着装置100の大型化を招きやすい。図11に示した構成では、感温磁性部材114と誘導体118との離間距離をより小さいものとすることができ、定着装置100の小型化が可能となる。
図12は、変形部材260の他の構成例を示した図である。
図12に示す変形部材260は、複数の部品により構成されている。より具体的に説明すると、同図(b)に示すように、変形部材260には、感温磁性部材114の他端部114Bに接触して設けられるとともにこの他端部114Bに対して進退可能に設けられたシャフト状の進退部材263が設けられている。ここでこの進退部材263の長手方向における中央部には、進退部材263の径方向に向かって突出する突出部263Aが設けられている。
さらに本実施形態における変形部材260では、進退部材263の進退が可能な状態でこの進退部材263を支持する第1支持部材261が設けられている。さらに、第1支持部材261よりも感温磁性部材114側に設けられ、進退部材263を支持する第2支持部材262が設けられている。また突出部263Aと第1支持部材261との間には、第1コイルスプリングS1が設けられ、突出部263Aと第2支持部材262との間には、第2コイルスプリングS2が設けられている。なお第1コイルスプリングS1は、形状記憶合金により形成されており、上記と同様に、自身の温度が予め定められた温度(例えば100℃)となった際に伸長し、自身の温度がこの温度よりも低くなった場合に縮む。
ここで図12における構成では、加熱される感温磁性部材114から第1コイルスプリングS1に対して熱が伝達され、第1コイルスプリングS1の温度が上記予め定められた温度を超えることで第1コイルスプリングS1が伸長する。そして第1コイルスプリングS1が伸長すると、図12(b)における突出部263Aが第1コイルスプリングS1によって図中上方に押し上げられる。これにより、図12(c)に示すように、進退部材263が図中上方に向かって変位し、この変位によって、感温磁性部材114が定着ベルト102に押し付けられる。
なお、感温磁性部材114の温度が低下することで第1コイルスプリングS1が縮むが、本実施形態における構成では、第1コイルスプリングS1に圧縮力を作用させる第2コイルスプリングS2が設けられているため、より速やかに第1コイルスプリングS1が縮むようになる。ここで第1コイルスプリングS1が縮みにくい状況にあると(縮むのに時間を要する場合)、感温磁性部材114が定着ベルト102に接触した状態での定着ベルト102の加熱が行われやすくなる。この場合、定着ベルト102の熱が感温磁性部材114に逃げ、定着ベルト102の加熱効率が低下してしまう。
なお図12のように、第2スプリングS2を設ける場合、温度上昇に伴い伸長するようになるが温度低下時には縮まない一方向形状記憶がなされた形状記憶合金を用いて、第1コイルスプリングS1を構成することができるようになる。ここで、一方向形状記憶がなされた形状記憶合金を用いた第1コイルスプリングS1を単に設置した場合、第1コイルスプリングS1が伸びっぱなしとなり、温度低下がなされたとしても縮まず、感温磁性部材114が定着ベルト102に接触したままの状態となるおそれがある。第2スプリングS2を設ける場合、この第2スプリングS2によって第1コイルスプリングS1が圧縮されるようになり、一方向形状記憶がなされた形状記憶合金を用いた第1コイルスプリングS1を用いたとしても、感温磁性部材114が定着ベルト102から離れるようになる。
図13は、変形部材260の他の構成例を示した図である。
上記では、変形部材260がコイルスプリング状に形成された場合を例示したが、変形部材260は、同図に示すように板状に形成することもできる。なおこの板状の変形部材260は、一端が誘導体118の側面に固定され、この側面から感温磁性部材114の他端部114Bに向かって延びるように設けられ、且つ、他端がこの他端部114Bに固定されている。
ここで図13における変形部材260は、二方向形状記憶がなされた形状記憶合金を用いており、予め定められた温度(例えば100℃)を超えると、同図の破線で示すように、感温磁性部材114が設けられている側に向かって曲がるようになる。そして本実施形態では、感温磁性部材114のこの曲がり(湾曲)によって、変形部材260の端部が図中上方に向かって変位し、変位するこの端部によって、感温磁性部材114が図中上方に向かって移動する。これにより感温磁性部材114が定着ベルト102の内周面に接触する。
なお、変形部材260の温度が低下した場合には、変形部材260は、曲がった状態から平らの状態へと変態する。これにより、感温磁性部材114が定着ベルト102から離れる。なお本実施形態における構成では、感温磁性部材114を移動させようとする方向(上下方向)と交差(直交)する方向(水平方向)に沿って変形部材260を設置することができるようになり、変形部材260の設置する際のバリエーションが増えるようになる。付言すると、図2等のような設置態様以外の設置態様を採用することが可能となり、変形部材260の設置する際のバリエーションが増えるようになる。
なお上記では、プリンタ10に設置された定着装置100について説明したが、上記にて説明した構成を、被加熱体を加熱する加熱装置に適用することができる。
図14は、加熱装置を説明するための図である。なお、上述した実施形態と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付与しその説明を省略する。
図14(a)に示すように、加熱装置200は、磁界を発生する励磁コイル202と、励磁コイル202に対向配置され上記定着ベルト102と同様の材質、層構成からなる加熱ベルト204とを備えている。また、加熱装置200は、上記感温磁性部材114と同様に構成された感温磁性部材206を備えている。ここでこの感温磁性部材206は、加熱ベルト204の内側に配置されるとともに加熱ベルト204から離れた箇所に設けられている。さらに加熱装置200には、加熱ベルト204の内周面に接触した状態で設けられ、加熱ベルト204の温度を検知する温度検知センサ(図示省略)が設けられている。
励磁コイル202は、樹脂製のボビン208により支持されている。また、加熱ベルト204は回転可能な一対のロール212、214により支持されている。なおロール212、214の各々は、非磁性SUSにより形成された芯金を有するとともに、この芯金の周囲に弾性層を有している。また、ロール212、214の一方には、ギアおよびモータ等の駆動機構が接続されている。本実施形態では、この駆動機構によりロール212、214が矢印R方向に回転することで、加熱ベルト204が矢印V方向に移動する。
ここで本実施形態における感温磁性部材206は、平板状に形成されている。また感温磁性部材206よりも内側には誘導体210が設けられている。この誘導体210は、平板状に形成されるとともに前述の誘導体118と同じ材質で構成されている。なおこの誘導体210も表皮深さ以上の厚さにすればよく、本例では誘導体210として1mmのアルミニウムを用いている。またこの加熱装置200でも、上記と同様、感温磁性部材206と誘導体210との間に変形部材260が設けられている。なお、加熱装置200の各部の動作制御は、上記制御ユニット50(図1参照)と同様の制御ユニットで行われる。
加熱装置200の動作について説明する。なお以下では、加熱装置200を溶融接着に用いる場合について説明する。
まず、励磁コイル202に対し図示しない通電手段によって通電され、励磁コイル202の周囲に磁界が発生する。加熱ベルト204は、上記定着ベルト102と同様に、この磁界による電磁誘導作用で発熱する。また、感温磁性部材206の発熱層もこの磁界による電磁誘導作用で発熱する。ここで、感温磁性部材206は、加熱ベルト204と間に隙間を有した状態で配置されているため、加熱ベルト204の熱が感温磁性部材206に伝わりにくくなっている。これにより、加熱ベルト204の温度が短時間で上昇する。
続いて、加熱装置200では、ロール212、214が回転し、矢印V方向への加熱ベルト204の移動が開始される。そして、加熱装置200に対して一対の樹脂製のプレート216(被加熱体の一例)が搬送される(矢印13A参照)。なお、一対のプレート216の間には、予め定められた温度で溶融する固形の接着剤218が挟まれている。続いて、供給部材の一例としての加熱ベルト204からプレート216および接着剤218に熱が供給され、接着剤218が溶融するとともに、一対のプレート216の間に接着剤218が広がる。その後、プレート216は、加熱ベルト204の移動により、加熱装置200から送出される(矢印13B参照)。加熱装置200から送り出された一対のプレート216は、溶融して広がった接着剤218が冷えて固まることにより接着される。
ここで上記と同様、プレート216の搬送が行われると加熱ベルト204の温度が低下する。その一方で、感温磁性部材206は加熱され、感温磁性部材206の加熱に伴い変形部材260の温度が上昇する。そして変形部材260が予め定められた温度となると、図14(b)に示すように、変形部材260は伸長し、変形部材260は感温磁性部材206を上方に押し上げる。これにより、加熱ベルト204の内周面に対して感温磁性部材206が接触し、感温磁性部材206から加熱ベルト204へ熱が供給される。これにより、加熱ベルト204の温度低下が抑制される。
また定着装置100は、図15に示すように構成することができる。
図15は、定着装置100の他の一形態を示した図である。
図15に示す定着装置100では、定着ベルト102の内側にフレーム65を設けるとともに、このフレーム65に対し、板状に形成され且つ定着ベルト102の内周面に倣うような湾曲が付与された誘導体118を取り付けている。ここで本図における構成では、このように誘導体118が板状に形成されており、本図における定着装置100は、図2等にて示した定着装置100に比して軽量となっている。なお、フレーム65は複数枚の板金(不図示)を組み合わせることで形成されており、フレーム65に相当する部分が無垢の金属材料などで形成されている場合に比べ更なる軽量化が図られている。
ここで、誘導体118の厚さは、表皮深さ以上にすればよく、感温磁性部材114が非磁性化して磁束が貫通してきても誘導体118をほとんど貫通できないような厚さにすればよい。本実施形態では、厚さ1mmのアルミニウムを使用している。また本実施形態では、上記と同様、誘導体118と定着ベルト102と間に感温磁性部材114が設けられている。さらに本実施形態では、誘導体118よりも内側に設けられ磁力線がフレーム65側に漏洩するのを防止する磁路遮蔽部材73が設けられている。
ここで、本実施形態では、磁路遮蔽部材73の一端73Aに対して、誘導体118の一端部および感温磁性部材114の一端部が固定されている。また、磁路遮蔽部材73の他端73Bに対して、誘導体118の他端部および感温磁性部材114の他端部が固定されている。また本実施形態では、フレーム65の図中右側面に対して、曲げ加工が施された板金280が固定されている。さらに、板金280と、磁路遮蔽部材73の他端73Bとの間に変形部材260が設けられている。
さらに本実施形態では、磁路遮蔽部材73の一端73Aを支持する支持部材79が設けられており、磁路遮蔽部材73は、この一端73A側を中心に揺動できるようになっている。ここで本図における定着装置100においても、感温磁性部材114の温度上昇に伴い変形部材260が伸長する。そしてこの伸長によって、感温磁性部材114が定着ベルト102に押し付けられる。これにより用紙Pによって熱が奪われた定着ベルト102に対して感温磁性部材114から熱が補給されるようになる。
なお上記では、固体の現像剤を用いる場合を一例に説明したが、液体の現像剤を用いることもできる。また、定着ベルト102の温度の検知は、サーミスタ134ではなく熱電対を用いることができる。また、サーミスタ134は、定着ベルト102の内周面側に限定されず、定着ベルト102の外周面側に設けることもできる。さらに、上記にて説明した感温磁性部材114は、渦電流の流れ易い感温層一種類のみの材料で構成してもよい。また上記にて説明した加熱装置200は、溶融接着に用いたが乾燥機として使用することもできる。
また上記では、形状記憶合金を用いて変形部材260を形成したが、熱膨張率の異なる2枚の金属を貼り合わせたいわゆるバイメタルなども変形部材260として用いることができる。さらに変形部材260が伸長する前においては(定着ベルト102の加熱が完了する前においては)、定着ベルト102と感温磁性部材114とを非接触状態としておくことが最も好ましいが、図2等のように、感温磁性部材114の一部が定着ベルト102の内周面に接触する態様とすることもできる。なお図2では、定着ベルト102の回転方向上流側に位置する一端部および定着ベルト102の回転方向下流側に位置する他端部が定着ベルト102の内周面に接触している。
さらに、図11等においては、変形部材260を用い感温磁性部材114の一端部側を変位させる構成としたが、感温磁性部材114の一端部および他端部のそれぞれに対峙するように変形部材260を設け、感温磁性部材114の両端部を変位させるようにしてもよい。また図2では、変形部材260の伸長を利用して感温磁性部材114を定着ベルト102の内周面に接触させたが、変形部材260が縮む際に、感温磁性部材114を定着ベルト102に接触させるようにしてもよい。
ところで上記では、感温磁性部材114を加熱する構成としたが、感温磁性部材114にスリットなどを形成することで感温磁性部材114が加熱されない構成(加熱されにくい構成)とすることもできる。この場合、感温磁性部材114の加熱に用いられていたエネルギーが、定着ベルト102に作用するようになり、付言すると、感温磁性部材114の加熱に用いられていたエネルギーが、定着ベルト102に振り向けられるようになり、定着ベルト102の加熱効率が高まるようになる。
ここで図16は、感温磁性部材114が加熱されない定着装置100を示した図である。この定着装置100では、感温磁性部材114の加熱を防止するためスリット(後述)が感温磁性部材114に形成されている。また、定着ベルト102の熱が感温磁性部材114に奪われないようにするため、感温磁性部材114が定着ベルト102から離れた状態で設けられる。なお図16に示す定着装置100では、図15にて示した定着装置100と同様、誘導体118が板状且つ湾曲した状態で形成されている。また図16に示す定着装置100では、複数枚の板金が組み合わされることでフレーム65が形成されている。
感温磁性部材114が加熱されない構成とした場合、上記のように、感温磁性部材114の加熱に用いられていたエネルギーが、定着ベルト102に作用するようになり、定着ベルト102の温度がより速やかに上昇する。そしてこの場合。定着処理の開始が可能になるまでの時間をより短いものとすることができるようになる。より具体的に説明すると、図16に示す定着装置100では、図17(定着ベルト102と感温磁性部材114の発熱比率等を説明するための図)に示すように、定着ベルト102と感温磁性部材114の発熱比率を約10:0とすることが可能となり、この場合、例えば3秒で定着処理が可能となる。
ところでこのような構成の場合、複数枚の用紙Pを連続して搬送すると、定着ベルト102の熱が次第に奪われ定着ベルト102の温度低下を招く。そして定着ベルト102の温度がある温度をよりも低下してしまうと定着が困難となり、定着処理を一時的に中断し、定着ベルト102の温度が回復するのを待つ必要がある。この結果、感温磁性部材114が加熱されず、且つ、加熱された感温磁性部材114が定着ベルト102に接触しない構成の場合、1枚目の用紙Pの定着が開始可能になるまでの時間を短くすることができるが、複数枚の用紙Pに対する定着処理を連続して行うことが難しくなる。
一方、感温磁性部材114が加熱され且つ感温磁性部材114が定着ベルト102に接触する図2等にて示した定着装置100では、上記のとおり、定着ベルト102よりも温度が高い状態の感温磁性部材114を、定着処理の途中で、定着ベルト102に接触させることができるようになる。このため、温度が低下した定着ベルト102に対して熱が補給されるようになり、複数枚の用紙Pが連続して搬送されてくる場合であっても、これらの用紙Pに対して定着処理を行うことができるようになる。
また図16にて示した定着装置100では定着ベルト102の温度低下を招くため高速での定着処理が難しくなるが、図2等に示した定着装置100では、途中で熱が補給されるため、定着処理をより高速で行うことができるようになる。さらに、図2等にて示した定着装置100では、定着可能となるまでの時間が図16にて示した定着装置100よりも長くなってしまうが(図17に示すように例えば4〜6秒となる)、定着処理を開始した後においては生産性を高めることができ、トータルでの生産性を、図16で示した定着装置100よりも高めることが可能となる。なお図2等にて示した定着装置100では、図17に示すように、例えば、7〜8:2〜3の割合で、定着ベルト102と感温磁性部材114とが加熱される。
ここで、感温磁性部材114に形成されるスリットについて図18を参照して説明する。
図18は、感温磁性部材114に形成されるスリットを示した図である。図18(a)は、感温磁性部材114がフレーム65に設置された状態の側面図であり、(b)は、(a)の上方(z方向)から見た平面図である。図18に示す感温磁性部材114には、磁力線Hによって発生する渦電流Iの流れる方向に直交する複数のスリット114sが形成されている。このようにスリット114sを形成した場合、スリット114sが無い場合には感温磁性部材114の長手方向の全体に亘って大きな渦となって流れる渦電流I(図18(b)の破線参照)が、スリット114sにより分断される。
そしてこの場合、感温磁性部材114内を流れる渦電流Iは、スリット114sとスリット114sとの間の領域内での小さな渦となり(図18(b)の実線参照)、全体としての渦電流Iの電流量は低減される。その結果、感温磁性部材114での発熱量(ジュール熱W)は減少し、発熱し難い構成が実現する。なお、図18に例示した感温磁性部材114では、スリット114sを渦電流Iの流れる方向に直交して形成したが、渦電流Iの流れを分断する構成であれば、例えば渦電流Iの流れる方向に対して傾斜したスリットを形成してもよい。また、スリット114sを感温磁性部材114の幅方向の全域に亘って形成する構成の他に、感温磁性部材114の幅方向の一部に形成してもよい。また、感温磁性部材114に発生する熱量に応じて、スリットの数、位置、傾斜角等を設定してもよい。
10…プリンタ、18…画像形成ユニット、100…定着装置、102…定着ベルト、110…励磁コイル、114…感温磁性部材、126…発熱層、200…加熱装置、204…加熱ベルト、260…変形部材、P…用紙

Claims (10)

  1. 回転可能に設けられ、電磁誘導による加熱が可能な導電層を有し、記録材上の画像を当該記録材に定着する定着部材と、
    前記定着部材に接触し、当該定着部材との間に前記記録材を通過させるニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、
    少なくも一部が前記定着部材から離れた状態で設けられ、加熱される加熱部材と、
    前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記移動手段は、前記定着部材の回転方向において、回転方向の上流側から当該定着部材と前記加熱部材とが接触するように当該加熱部材を移動させることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱部材は、前記磁界生成手段により生成される前記交流磁界によって加熱されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記移動手段は、熱を受けることで変形する変形部材であり、
    前記変形部材は、前記加熱部材から熱を受け変形を行うことで、前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記定着部材は、筒状に形成され、
    前記変形部材は、筒状に形成された前記定着部材の内側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  5. 前記変形部材は、前記定着部材に向かって伸長し前記加熱部材を当該定着部材に向けて移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載の定着装置。
  6. 前記変形部材は、熱を受けることで湾曲し、当該湾曲により変位する部位を用いて前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載の定着装置。
  7. 前記変形部材が前記変形を行う前、前記定着部材と前記加熱部材とは非接触状態にあることを特徴とする請求項乃至6の何れかに記載の定着装置。
  8. 前記変形部材は、形状記憶合金により形成されていることを特徴とする請求項乃至7の何れかに記載の定着装置。
  9. 回転可能に設けられ、電磁誘導による加熱が可能な導電層を有し、被加熱体に熱を供給する供給部材と、
    前記供給部材に接触し、当該供給部材との間に前記被加熱体を通過させるニップ部を形成する加圧部材と、
    前記供給部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、
    少なくも一部が前記供給部材から離れた状態で設けられ、加熱される加熱部材と、
    前記加熱部材を前記供給部材に向けて移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記移動手段は、前記供給部材の回転方向において、回転方向の上流側から当該供給部材と前記加熱部材とが接触するように当該加熱部材を移動させることを特徴とする加熱装置。
  10. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    回転可能に設けられ、電磁誘導による加熱が可能な導電層を有し、前記画像形成手段により記録材上に形成された画像を当該記録材に定着する定着部材と、
    前記定着部材に接触し、当該定着部材との間に前記記録材を通過させるニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、
    少なくも一部が前記定着部材から離れた状態で設けられ、加熱される加熱部材と、
    前記加熱部材を前記定着部材に向けて移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記移動手段は、前記定着部材の回転方向において、回転方向の上流側から当該定着部材と前記加熱部材とが接触するように当該加熱部材を移動させることを特徴とする画像形成装置。
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