JP5151458B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、熱源として、通電により磁界を発生するコイルと、磁界の電磁誘導により渦電流が生じて発熱する発熱体とを用いた電磁誘導発熱方式の定着装置がある。
電磁誘導発熱方式を用いた定着装置の一例として、巻き掛けられた励磁コイル、発熱体としての導電層を備えたベルト、及び励磁コイルと対向配置され電磁誘導加熱可能なベルトガイド部材を有する定着装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の定着装置は、励磁コイルが設けられた領域のみでベルトの電磁誘導加熱を行っている。
特開2006−047988
本発明は、装置の立ち上げ時間を従来よりも短縮できる定着装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に記載の定着装置は、無端状の定着部材と、前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、前記定着部材の外側又は内側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、前記定着部材の内側又は外側に設けられ、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、を有し、前記加熱部材は、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域の一部は、投影すると重なり、前記発熱領域と前記加熱領域が、前記加熱部材の厚さ方向において分離していることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の定着装置は、無端状の定着部材と、前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、前記定着部材の外側又は内側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、前記定着部材の内側又は外側に設けられ、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、を有し、前記加熱部材は、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域は、投影すると分離しており、前記発熱領域と前記加熱領域が、前記加熱部材の厚さ方向において分離していることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の定着装置は、無端状の定着部材と、前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、前記定着部材の外側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、前記定着部材の内側に設けられて該定着部材を支持し、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、を有し、前記加熱部材は、湾曲状に形成され、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域の一部は、投影すると重なることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の定着装置は、無端状の定着部材と、前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、前記定着部材の外側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、前記定着部材の内側設けられて該定着部材を支持し、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、を有し、前記加熱部材は、湾曲状に形成され、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域は、投影すると分離していることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の定着装置は、前記加熱部材が、前記定着部材を内側から支持することを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の定着装置は、前記電源と異なる補助電源が設けられ、該補助電源から前記発熱部材に電力供給することを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の定着装置は、前記補助電源が、二次電池であることを特徴としている。
本発明の請求項8に記載の定着装置は、前記補助電源が、電気二重層コンデンサであることを特徴としている。
本発明の請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置と、前記定着装置の前記定着部材の温度を検知する検知手段と、前記検知手段で得られた温度が所定の温度となるように前記電源及び前記磁界発生手段を駆動して、前記加熱部材及び前記発熱部材の温度を制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
本発明の請求項10に記載の画像形成装置は、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置と、前記定着装置の前記定着部材の温度を検知する検知手段と、前記検知手段で得られた温度が所定の温度となるように前記電源、前記磁界発生手段、及び前記補助電源を駆動して、前記加熱部材及び前記発熱部材の温度を制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項1の発明は、本発明を有していない場合と比較して、定着装置の立ち上げ時間を従来よりも短縮することができる。また、発熱領域の温度の低い場所を発熱部材によって加熱することができる。さらに、発熱領域の発熱が、加熱領域の厚さに影響されない。
請求項2の発明は、本発明を有していない場合と比較して、定着装置の立ち上げ時間を従来よりも短縮することができる。また、本発明を有していない場合と比較して、定着部材の温度差が低減される。さらに、発熱領域の発熱が、加熱領域の厚さに影響されない。
請求項3の発明は、本発明を有していない場合と比較して、定着装置の立ち上げ時間を従来よりも短縮することができる。また、定着部材の回転むらを減らせる。さらに、定着部材の移動時に作用する負荷を小さくすることができる。
請求項4の発明は、本発明を有していない場合と比較して、定着装置の立ち上げ時間を従来よりも短縮することができる。また、定着部材の回転むらを減らせる。さらに、定着部材の移動時に作用する負荷を小さくすることができる。
請求項5の発明は、本発明を有していない場合と比較して、定着部材の回転むらを減らせる。
請求項の発明は、磁界発生手段への通電状態に関係なく発熱部材に電力供給できる。
請求項の発明は、本発明を有していない場合と比較して、スペース(蓄電池)を小型化できる。
請求項の発明は、本発明を有していない場合と比較して、補助電源の充電又は放電の可能な回数を多くすることができる。
請求項9、10の発明は、本発明を有していない場合と比較して、画像形成装置の定着開始までの時間を短縮することができる。
本発明の定着装置及び画像形成装置の第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1には、画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。
プリンタ10において、プリンタ10の本体を構成する筐体12に光走査装置54が固定されており、光走査装置54に隣接する位置に、光走査装置54及びプリンタ10の各部の動作を制御する制御ユニット50が設けられている。
光走査装置54は、図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査し、反射ミラー等の複数の光学部品で反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各トナーに対応した光ビーム60Y、60M、60C、60Kを出射するようになっている。光ビーム60Y、60M、60C、60Kは、それぞれ対応する各感光体20Y、20M、20C、20Kに導かれる。
プリンタ10の下方側には、記録用紙Pを収納する用紙トレイ14が設けられている。用紙トレイ14の上方には、記録用紙Pの先端部位置を調整する一対のレジストローラ16が設けられている。プリンタ10の中央部には、画像形成ユニット18が設けられている。画像形成ユニット18は、前述の4つの感光体20Y、20M、20C、20Kを備えており、これらが上下一列に並んでいる。
感光体20Y、20M、20C、20Kの回転方向上流側には、感光体20Y、20M、20C、20Kの表面を帯電する帯電ローラ22Y、22M、22C、22Kが設けられている。また、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転方向下流側には、Y、M、C、Kの各トナーをそれぞれ感光体20Y、20M、20C、20K上に現像する現像器24Y、24M、24C、24Kが設けられている。
一方、感光体20Y、20Mには第1中間転写体26が接触し、感光体20C、20Kには第2中間転写体28が接触している。そして、第1中間転写体26、第2中間転写体28には第3中間転写体30が接触している。また、第3中間転写体30と対向する位置には、転写ロール32が設けられている。ここで、転写ロール32と第3中間転写体30との間を記録用紙Pが搬送され、第3中間転写体30上のトナー画像を記録用紙Pに転写させる。
記録用紙Pが搬送される用紙搬送路34の下流には、定着装置100が設けられている。定着装置100は、定着ベルト102と加圧ロール104を有しており、記録用紙Pを加熱・加圧してトナー画像を記録用紙P上に定着させる。トナー画像が定着された記録用紙Pは、用紙搬送ロール36によって、プリンタ10の上部に設けられたトレイ38に排出される。
ここで、プリンタ10の画像形成について説明する。画像形成が開始されると、各感光体20Y〜20Kの表面が帯電ローラ22Y〜22Kによって一様に帯電される。そして、光走査装置54から出力画像に対応した光ビーム60Y〜60Kが、帯電後の感光体20Y〜20Kの表面に照射され、感光体20Y〜20K上に各色分解画像に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像に対して、現像装置24Y〜24Kが選択的に各色、すなわちY〜Kのトナーを付与し、感光体20Y〜20K上にY〜K色のトナー画像が形成される。
その後、マゼンタ用の感光体20Mから第1中間転写体26にマゼンタのトナー画像が一次転写される。また、イエロー用の感光体20Yから第1中間転写体26にイエローのトナー画像が一次転写され、第1中間転写体26上で前記マゼンタのトナー画像に重ね合わされる。
一方、同様にブラック用の感光体20Kから第2中間転写体28にブラックのトナー画像が一次転写される。また、シアン用の感光体20Cから第2中間転写体28にシアンのトナー画像が一次転写され、第2中間転写体28上で前記ブラックのトナー画像に重ね合わされる。
第1中間転写体26へ一次転写されたマゼンタとイエローのトナー画像は、第3中間転写体30へ二次転写される。一方、第2中間転写体28へ一次転写されたブラックとシアンのトナー画像も、第3中間転写体30へ二次転写される。ここで、先に二次転写されているマゼンタ 、イエローのトナー画像と、シアンおよびブラックのトナー画像とが重ね合わされ、カラー(3色)とブラックのフルカラートナー画像が第3中間転写体30上に形成される。
二次転写されたフルカラートナー画像は、第3中間転写体30と転写ロール32との間のニップ部に達する。そのタイミングに同期して、レジストロール16から記録用紙Pが当該ニップ部分に搬送され、記録用紙P上にフルカラートナー画像が三次転写(最終転写)される。
この記録用紙Pは、その後、定着装置100に送られ、定着ベルト102と加圧ロール104とのニップ部を通過する。その際、定着ベルト102と加圧ロール104とから与えられる熱と圧力との作用により、フルカラートナー画像が記録用紙Pに定着する。定着後、記録用紙Pは用紙搬送ロール36によりトレイ38に排出され、記録用紙Pへのフルカラー画像形成が終了する。
次に、本実施形態に係る定着装置100について説明する。
図2(a)に示すように、定着装置100は、記録用紙Pの進入又は排出を行うための開口が形成された筐体122を備えている。筐体122の内部には、矢印D方向へ回転する無端状の定着ベルト102が設けられている。
図2(b)に示すように、定着ベルト102は、内側から外側に向けて基層134、発熱層132、保護層130、弾性層128、及び離型層126で構成されており、これらが積層され一体となっている。
基層134は、定着ベルト102の強度を保持及び発熱層の保護するベースとなるもので、耐熱性の樹脂で構成されている。無論、非磁性のステンレス(非磁性SUS)で構成されてもかまわない。
発熱層132は、前述の磁界H(図2参照)を打ち消す磁界を生成するように渦電流が流れる電磁誘導作用により発熱する金属材料であり、例えば、金、銀、銅、アルミニウム又はこれらの合金の金属材料を用いることができる。本実施形態では、固有抵抗を2.0×10−8Ωcm以下に小さくして必要な発熱量を効率よく得ること、及び低コストの観点から、発熱層132として銅を用いている。
また、発熱層132は、熱容量ができるだけ小さい方が定着装置100のウォームアップ時間を短縮することができるため、できるだけ薄い層を設けることが望ましい。上記の非磁性金属であれば2μm〜20μmの厚さの層で加熱できる。なお、発熱層132において、均一な膜を成形するためには厚さを5μm以上にする必要がある。このため、発熱層132の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましく、本実施形態では発熱層132の厚さを10μmとしている。
保護層130は、励磁コイル110からの磁界H(図2参照)を発熱層132へ作用させなければならず、保護層130で磁界Hを遮断しないことや、発熱層132の発熱効率を阻害しないことが求められる。前述の磁界Hの磁束を発熱層132まで侵入させるためには、磁界Hが侵入できる深さを示す表皮深さが、少なくとも保護層130の厚さと発熱層132の厚さの合計以上の厚さであることが必要であるが、表皮深さが十分に大きな値になる非磁性金属(比透磁率が概ね1の非磁性体)が好ましい。
また、保護層130が発熱層132の発熱を阻害しないためには、概ね発熱し難い高い固有抵抗の材質が好ましい(理想では、比透磁率=1、固有抵抗=∞の金属)。さらに、保護層130には、機械的強度が発熱層132より高く、繰り返し歪みに強い材料で、錆びや腐食に強い材料が好ましい。これらの検討結果から、保護層130を非磁性スレンレス(固有抵抗60×10−8〜90×10−8Ωm)で構成し、保護層130は5から10μm、基層134の厚さは30から60μmとした。
弾性層128は、優れた弾性と耐熱性が得られる等の観点から、シリコン系ゴム、又はフッ素系ゴムが好ましく、本実施形態ではシリコンゴムを用いている。本実施形態では、弾性層128の厚さを100〜200μmとしている。
離型層126は、記録用紙P上で溶融されたトナーT(図2参照)との接着力を弱めて、記録用紙Pを定着ベルト102から剥離し易くするために設けられる。優れた表面離型性を得るためには、離型層126として、フッ素樹脂、シリコン樹脂、又はポリイミド樹脂を用いることが好ましく、本実施形態ではPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)を用いている。なお、本実施形態では、離型層126の厚さを30μmとしている。
図2(a)に示すように、定着ベルト102の外周面と対向する位置には、絶縁性の材料で構成されたボビン108が配置されている。ボビン108と定着ベルト102との間隔は1〜3mm程度となっている。ボビン108は、定着ベルト102の外周面に倣った略円弧状に形成されており、凸部108Aが突設されている。
ボビン108には、励磁コイル110が、凸部108Aを中心として軸方向(図2の紙面奥行き方向)に複数回巻き回されている。また、励磁コイル110と対向する位置には、ボビン108の円弧状に倣って略円弧状に形成された磁性体からなる磁路形成部材112が配置され、ボビン108に支持されている。
一方、定着ベルト102の内側には、非磁性体であるアルミニウムからなる支持部材114が、定着ベルト102と非接触で配置され、両端が定着装置100の筐体122に固定されている。
支持部材114は、定着ベルト102と対向して円弧状に形成された円弧部114Aと、柱状に形成された柱部114Bとで構成され、円弧部114Aと柱部114Bは一体成型されている。また、支持部材114の円弧部114Aには、該円弧部114Aに沿って、前述の磁路形成部材112と同様の材質からなる蓄熱部材116の縁部が取付けられている。なお、支持部材114と蓄熱部材116の間には、後述する発熱部材140が接着される。
蓄熱部材116は、円弧状に湾曲した形状となっており、定着ベルト102の内側と接触している。この蓄熱部材116と磁路形成部材112との間で、励磁コイル110に通電されたときに発生する磁界Hによる閉磁路が形成される。
ここで、蓄熱部材116についてさらに説明する。
図3(a)に示すように、蓄熱部材116は、断面が円弧状に形成されており、定着ベルト102(図2(a)参照)の軸方向に相当する方向(図面左下から右上の方向)に長く伸びている。また、蓄熱部材116は、鉄(Fe)を主成分とするアモルファスの非晶質金属で構成されており、弾性変形または塑性変形のいずれかの変形を与えて使用することが可能となっている。例として、鉄(Fe)を主成分にして、シリコン(Si)、ボロン(B)、微量の銅(Cu)、ニオブ(Nb)を添加したファインメットを用いることができる。「ファインメット」は日立金属株式会社の登録商標である(特開平6−93390号公報、特開平10−8224号公報参照)。
また、蓄熱部材116は、高透磁率(比透磁率1000以上)で、且つ高抵抗(1×10−7Ωm以上)となっている。蓄熱部材116の厚さdは、温度分布、発熱効率、力率で確認した結果、0.05mm以上であることが好ましく、(1)式で与えられる表皮深さδ以上の厚みであることが好ましい。
Figure 0005151458

(1)式において、ρは蓄熱部材116の固有抵抗(電気抵抗率)、fは周波数、μrは蓄熱部材116の比透磁率(室温)である。なお、蓄熱部材116の厚さdは、十分に厚くても温度分布や発熱効率、力率は問題ないが、使用する材料によっては渦電流損が増えるため必要以上の厚みにならないようにし、渦電流損が問題ないレベルにあり、かつ容易に弾性変形や塑性変形をさせて使う場合には1.0mm以下が望ましい。
ここで、磁路形成部材112は、前述の筐体122(図2(a)参照)との間に設けられる支持部材136によって支持されている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、蓄熱部材116の内側面には、発熱部材140が取付けられている。発熱部材140は、蓄熱部材116に近い側から絶縁部137及び発熱部138が積層形成されており、さらに発熱部138の長手方向に沿って一対の電極139が接着された構造となっている。
絶縁部137は、蓄熱部材116の長手方向(定着ベルト102の軸方向)に沿って、絶縁性高分子材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)からなる絶縁体を矩形面状に塗布して固化することにより形成される。
発熱部138は、高分子材料(例えば、エチレン系ポリマー等)にカーボンブラックまたはニッケル等の金属からなる導電性物質を分散させた導電性高分子材料を、絶縁部上面に矩形面状に塗布して固化することにより形成される。発熱部138としては、PTC特性を有するものが好ましい。PTC(positive temperature coefficient)特性とは、温度が上昇すると抵抗が増加する温度特性であり、発熱部138の温度を所望の温度幅に維持することができる。
電極139は、銀、銅、ニッケル、アルミニウムまたは銀パラジウム等の金属で構成されるもので、ここでは銅板を基材として、銀ペーストを用いて発熱部138に接合固定している。電極139には、図示しない通電用の配線が接続されており、一対の電極139間に通電することにより発熱部138が発熱して、絶縁部137を介して蓄熱部材116が加熱される。
ここで、発熱部138及び電極139は、絶縁部137によって覆われており、蓄熱部材116及び支持部材114と電気的に絶縁されている。
図5(b)又は図5(c)は、蓄熱部材116及び発熱部材140を平面状に広げた状態の平面図又は断面図を示している。なお、図5(b)では、励磁コイル110と蓄熱部材116の配置関係を明確にするため、定着ベルト102の図示を省略している。
図5(b)に示すように、本発明の第1実施形態では、蓄熱部材116の平面方向において、励磁コイル110で発生する磁界Hの電磁誘導により発熱する発熱領域A1と、発熱部材140で加熱される加熱領域A2とが分離されており、加熱領域A2は、励磁コイル110が存在しない部分(前述のボビン108の凸部108Aに相当する部分)をカバーしている。
また、図5(c)に示すように、蓄熱部材116の厚さ方向において、発熱領域A1の深さ(磁界Hの表皮深さと略等しい大きさ)がd1、加熱領域A2の深さ(発熱部材140の温度と略等しい温度となる領域の深さ)がd2となっており、それぞれ分離されている。
一方、図2(a)に示すように、支持部材114の柱部114Bの端面には、定着ベルト102を所定の圧力で外側に向けて押圧するための押圧パッド118が固定されている。押圧パッド118は、ウレタンゴム又はスポンジ等の弾性を有する部材で構成され、一端面が定着ベルト102の内周面と接触して定着ベルト102を外方向へ押圧している。
また、定着ベルト102の外周面と対向する位置には、定着ベルト102を押圧パッド118に向けて加圧するとともに、図示しないモータ及びギアからなる駆動機構により矢印E方向に回転する加圧ロール104が配置されている。
加圧ロール104は、アルミニウム等の金属からなる芯金106の周囲に、シリコンゴム及びPFAが被覆された構成となっている。また、加圧ロール104は、図示しないソレノイド等の電磁スイッチ、又はカム機構を用いて矢印A、B方向に移動可能となっており、矢印A方向に移動したときは定着ベルト102の外周面と接触して加圧し、矢印B方向に移動したときは定着ベルト102の外周面から離間するようになっている。
ここで、加圧ロール104が定着ベルト102を押圧パッド118側に加圧すると、定着ベルト102と加圧ロール104の接触部(ニップ部)において、定着ベルト102に凹部103が形成され、凹部103の両側に凸部105が形成される。このニップ部の形状は、トナーTが載った記録用紙Pが通過するときに、定着ベルト102から剥離させる方向に湾曲した形状となっている。このため、矢印IN方向から搬送されてきた記録用紙Pは、それ自体の腰の強さでニップ部の形状に倣って矢印OUT方向に排出される。
押圧パッド118は、定着ベルト102を加圧ロール104側に押圧するとともに定着ベルト102の内周面に倣って湾曲し、ニップ幅を広げる。
定着ベルト102の裏面で、励磁コイル110と対向する領域には、定着ベルト102裏面の温度を測定するサーミスタ120が接触して設けられている。サーミスタ120は、定着ベルト102表面から与えられる熱量に応じて抵抗値が変化することで、定着ベルト102表面の温度を計測する。サーミスタ120の接触位置は、記録用紙Pのサイズの大小によって測定値が変わらないように、定着ベルトの軸方向(図2の紙面奥行き方向)の略中央部となっている。
次に、蓄熱部材116の発熱及び加熱の制御方法について説明する。
図4に示すように、サーミスタ120は、配線121を介して、前述の制御ユニット50(図1参照)の内部に設けられた制御回路142に接続されている。
制御回路142は、配線144を介して通電回路146に接続されており、通電回路146は、配線148、150を介して前述の励磁コイル110に接続されている。また、制御回路142は、配線152を介して補助電源154に接続されている。
通電回路146は、制御回路142から送られる電気信号に基づいて駆動又は駆動停止され、配線148、150を介して励磁コイル110に所定の周波数の交流電流を供給又は供給停止するようになっている。
一方、補助電源154は、電気二重層コンデンサ(図示せず)を含む電子回路で構成されており、制御回路142によって充電又は放電が行われる。また、補助電源154は、配線156、158を介して発熱部材140の電極139に接続されている。
なお、通電回路146及び補助電源154は、制御回路142を介して共通の電力源(図示せず)から電力供給されるものでもよく、また、それぞれ異なる電力源から電力供給されるものであってもよい。
ここで、制御回路142は、サーミスタ120から送られた電気量に基づいて定着ベルト102表面の温度を測定する。そして、この測定温度と予め記憶させてある定着設定温度(T0とする)を比較しながら、通電回路146、補助電源154を駆動又は駆動停止して、定着装置100の立上げ時及び定着時の定着ベルト102の温度制御を行うように予めプログラムが設定されている。
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
図2(a)、図4、及び図6に示すように、定着装置100では、プリンタ10の画像形成開始から、定着ベルト102の測定温度が定着設定温度T0に到達するまでの立上げ時の経過時間(t1とする)、及び立上げ時から所定時間(定着枚数に合わせて設定される時間)経過するまでの間は、制御回路142によって通電回路146及び補助電源154が駆動される。定着ベルト102の測定温度が定着設定温度T0よりも高い場合は、通電回路146及び補助電源154が停止される。
制御回路142によって通電回路146が駆動されると、励磁コイル110に所定の周波数の交流電流が通電され、励磁コイル110から磁界Hが発生する。この磁界Hが、定着ベルト102の発熱層132を横切ると、磁界Hの変化を妨げる磁界が生じるように発熱層132に渦電流(図示せず)が発生する。発熱層132は、発熱層132の表皮抵抗、及び発熱層132を流れる渦電流の大きさに比例して発熱し、定着ベルト102が加熱される。
一方、図5(c)に示すように、蓄熱部材116では、通電された励磁コイル110で発生する磁界Hの電磁誘導によって発熱領域A1が発熱するとともに、通電によって発熱部138が発熱して加熱領域A2が加熱される。
蓄熱部材116の平面方向の領域は、発熱領域A1と加熱領域A2で分離されており、磁界Hの電磁誘導では加熱できない領域(励磁コイル110と対向していない領域)が、加熱領域A2からの熱伝導によって加熱されるため、蓄熱部材116の各部の温度差が抑えられる。蓄熱部材116は、定着ベルト102の内側に接触しているため、定着ベルト102に必要な熱量が供給される。
定着ベルト102は、発熱層132の発熱による熱量、及び蓄熱部材116から供給される熱量によって、定着設定温度T0まで温度上昇する。
ここで、定着装置100において、定着ベルト102表面の温度が定着設定温度T0に到達するまでは、加圧ロール104が定着ベルト102表面から離間されている。そして、定着ベルト102表面の温度が定着設定温度T0に到達すると、加圧ロール104が移動して定着ベルト102表面に接触する。
定着ベルト102表面の温度は、加圧ロール104との接触により一時的に低下するが、制御回路142によって温度制御され、再度、定着設定温度T0まで復帰する。なお、図6において、グラフG1が定着ベルト102の温度を示しているが、グラフG1では、一時的な定着ベルト102の温度低下の図示を省略している。
図1、図2(a)、及び図4に示すように、プリンタ10の画像形成が開始されると、定着装置100では、加圧ロール104が矢印E方向への回転駆動を開始し、定着ベルト102がそれに従動して矢印D方向へ回転する。このとき、蓄熱部材116が円弧状に形成されているため、定着ベルト102の移動の際に大きな負荷がかからず、定着ベルト102は、蓄熱部材116で支持されるとともに蓄熱部材116表面に沿って移動する。
そして、トナーTが転写された記録用紙Pが定着装置100に送り込まれて、前述のニップ部において熱溶融定着される。
制御回路142は、サーミスタ120で測定される測定温度が定着設定温度T0よりも低いときは、通電回路146を駆動して励磁コイル110に通電するとともに、補助電源154の電気二重層コンデンサを放電させる。
ここで、定着ベルト102の温度が定着設定温度T0に到達してから、連続定着が行われて所定時間経過する間に、定着ベルト102の温度は低下する。しかし、図4に示すように、サーミスタ120で検知された温度に基づいて、制御回路142が通電回路146及び補助電源154の駆動を制御して定着ベルト102を加熱するため、定着ベルト102の温度は、定着可能な温度範囲に保持される。
所定時間経過後、制御回路142は、補助電源154の放電を停止させ、通電回路146のみを駆動して、定着ベルト102の定着温度を保持する。このとき、制御回路142は、必要に応じて、補助電源154の電気二重層コンデンサを充電する。このようにして、定着装置100における定着動作が行われる。
なお、図5(c)に示すように、蓄熱部材116の厚さ方向において、発熱領域A1と加熱領域A2が分離されているため、蓄熱部材116の主要な加熱部が、定着ベルト102に近い発熱領域A1側となり、補助的な加熱部が定着ベルト102から遠い加熱領域A2となる。これにより、所定時間経過後に通電回路146の通電のみで定着ベルト102の加熱が行われても、定着ベルト102が必要な熱量で加熱される。
ここで、本発明の定着装置100における立上げ時及び連続定着時の定着ベルト温度について、比較例を用いて説明する。図5(a)は、比較例としての定着装置300を示している。
定着装置300は、図示しないボビンに巻き付けられた励磁コイル302と、励磁コイル302で発生する磁界の電磁誘導によって発熱する発熱板304を有している。励磁コイル302と発熱板304の間には、定着ベルト306が移動可能に配置されている。発熱板304は、定着ベルト306の移動方向に間隔をあけて一対配置されており、励磁コイル302と対向している。なお、発熱板304は、励磁コイル302の中央部(空洞部)には配置されていない。
ここで、定着装置300において、図示しない通電手段により励磁コイル302に通電すると、励磁コイル302の周囲に磁界が発生する。この磁界の電磁誘導により発熱板304が発熱して、定着ベルト306が加熱される。
しかし、励磁コイル302の存在する領域のみで発熱板304が発熱するため、励磁コイル302の存在しない領域(一対の発熱板304の間隔)では、定着ベルト306の加熱が行われず、定着装置300の定着温度のグラフは、図6のグラフG2のように、立上がりまでの時間t2が長いグラフとなる。実測では、t2が20秒であった。
一方、本発明の定着装置100(図5(b)、(c)参照)では、蓄熱部材116の励磁コイル110の存在しない領域においても、発熱部138の発熱により加熱されるため、定着装置300の立上がり時間t2よりも短い立上がり時間t1となる。実測では、t1が15秒であり、約5秒(25%)の短縮となった。
また、定着装置300では、連続定着時に定着ベルト306の温度が低下すると、励磁コイル302の存在しない領域では加熱が行われないため、時間が経過しても定着温度が低いままとなり、定着設定温度T0に復帰させるまでの時間が長くなる。
一方、本発明の定着装置100では、蓄熱部材116の励磁コイル110の存在しない領域においても、発熱部138の発熱により加熱されるため、定着装置300よりも早く定着温度がT0に近づく。
このように、本発明の定着装置100では、従来のように励磁コイルの存在する領域のみで電磁誘導加熱を行う定着装置と比べて、定着設定温度T0までの立上がり時間が短縮され、定着設定温度T0までの復帰時間も短縮される。
次に、本発明の定着装置及び画像形成装置の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態では、前述のプリンタ10(図1参照)における定着装置100に変えて、定着装置180が設けられている。定着装置180は、定着装置100に対して、蓄熱部材116に取付けられた発熱部材170と、二次電池からなり、発熱部材170に通電する補助電源160を備えている点が異なる。
発熱部材170は、蓄熱部材116に近い側から、絶縁部137、及び前述の発熱部138と同様の材料で構成された発熱部172が積層形成されており、発熱部172の長手方向に沿って一対の電極139が接着されている。また、蓄熱部材116及び発熱部材170は、非磁性体であるアルミニウムからなり、定着ベルト102の内側に配置された支持部材173に、接着により固定されている。なお、発熱部172及び電極139は、絶縁部137で覆われており、蓄熱部材116及び支持部材173と電気的に絶縁されている。
補助電源160は、リチウムイオン蓄電池からなる二次電池(図示せず)を含む電子回路で構成されており、制御回路142によって充電又は放電が行われる。また、補助電源160は、配線164、166を介して発熱部材170の電極139に接続されている。
制御回路142は、サーミスタ120から送られた電気量に基づいて定着ベルト102表面の温度を測定する。そして、この測定温度と予め記憶させてある定着設定温度(T0とする)を比較しながら、通電回路146、補助電源160を駆動又は駆動停止して、定着装置180の立上げ時及び定着時の定着ベルト102の温度制御を行うように予めプログラムが設定されている。なお、制御回路142は、配線162を介して補助電源160に接続されている。
一方、図8(a)又は図8(b)は、蓄熱部材116及び発熱部材170を平面状に広げた状態の平面図又は断面図を示している。図8(a)では、励磁コイル110と蓄熱部材116の配置関係を明確にするため、定着ベルト102の図示を省略している。
図8(a)及び図8(b)に示すように、本発明の第2実施形態では、蓄熱部材116の平面方向において、磁界Hの電磁誘導により発熱する発熱領域A1と、発熱部材170で加熱される加熱領域A3とが、幅L1及び幅L2で重なって配置されており、加熱領域A3は、励磁コイル110が存在しない部分(前述のボビン108の凸部108Aに相当する部分)をカバーしている。
また、図8(b)に示すように、蓄熱部材116の厚さ方向において、発熱領域A1の深さ(磁界Hの表皮深さと略等しい大きさ)がd3、加熱領域A3の深さ(発熱部材170の温度と略等しい温度となる領域の深さ)がd4となっており、それぞれ分離されている。
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
図7に示すように、定着装置180では、プリンタ10の画像形成開始から、定着ベルト102の測定温度が定着設定温度T0に到達するまでの立上げ時間(t3とする)、及び立上げ時から所定時間(定着枚数に合わせて設定される時間)経過するまでの間は、制御回路142によって通電回路146及び補助電源160が駆動される。定着ベルト102の測定温度が定着設定温度T0よりも高い場合は、通電回路146及び補助電源160が停止される。
制御回路142によって通電回路146が駆動されると、励磁コイル110に所定の周波数の交流電流が通電され、励磁コイル110から磁界Hが発生する。この磁界Hによって、発熱層132に渦電流(図示せず)が発生する。発熱層132は、発熱層132の表皮抵抗、及び発熱層132を流れる渦電流の大きさに比例して発熱し、定着ベルト102が加熱される。
一方、図8(b)に示すように、蓄熱部材116では、通電された励磁コイル110で発生する磁界Hの電磁誘導によって発熱領域A1が発熱するとともに、通電によって発熱部材170の発熱部172が発熱して加熱領域A3が加熱される。
蓄熱部材116の平面方向の領域は、磁界Hの電磁誘導では加熱できない領域(励磁コイル110と対向していない領域)が、加熱領域A3からの熱伝導によって加熱されるため、蓄熱部材116の各部の温度差が抑えられる。また、発熱領域A1と加熱領域A3の一部が重なっているため、発熱領域A1と加熱領域A3の境界部分の温度低下が抑えられる。このようにして、蓄熱部材116から定着ベルト102へ熱量が供給される。
定着ベルト102は、発熱層132の発熱による熱量、及び蓄熱部材116から供給される熱量によって、定着設定温度T0まで温度上昇する。なお、図示しない加圧ロール104(図2参照)と定着ベルト102の接離状態については、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
プリンタ10(図1参照)の画像形成が開始されると、定着装置180では、加圧ロール104(図示せず)が回転駆動を開始し、定着ベルト102がそれに従動して回転する。そして、トナーTが転写された記録用紙Pが定着装置180に送り込まれて、ニップ部において熱溶融定着される。
制御回路142は、サーミスタ120で測定される測定温度が定着設定温度T0よりも低いときは、通電回路146を駆動して励磁コイル110に通電するとともに、補助電源160の二次電池を放電させる。
ここで、定着ベルト102の温度が定着設定温度T0に到達してから、連続定着が行われて所定時間経過する間に、定着ベルト102の温度は低下する。しかし、図4に示すように、サーミスタ120で検知された温度に基づいて、制御回路142が通電回路146及び補助電源160の駆動を制御して定着ベルト102を加熱するため、定着ベルト102の温度は、定着可能な温度範囲に保持される。
図8(b)に示すように、定着ベルト102表面の周方向の温度は、発熱領域A1で加熱される位置P1、位置P3、及び加熱領域A3で加熱される位置P2において、ほぼ定着設定温度T0となる。
ここで、発熱領域A1と加熱領域A3が境界で分離され、さらにこれらが離れているときは、図9(a)のグラフG3のように、定着ベルト102表面における発熱領域A1と加熱領域A3の境界に相当する位置P4、位置P5の温度が、定着設定温度T0よりも低下することになる。しかし、本発明では、発熱領域A1と加熱領域A3が重なっているため、定着ベルト102の位置P4、P5においても、定着設定温度T0に近い温度となり、定着ベルト102の周方向の温度分布は、グラフG4のようになる。
所定時間経過後、制御回路142は、補助電源160の放電を停止させ、通電回路146のみを駆動して、定着ベルト102の定着温度を保持する。このとき、制御回路142は、必要に応じて、補助電源160の二次電池を充電する。
ここで、図9(b)に示すように、前述の定着装置300(図5(a)参照)を用いたときの定着ベルト306の温度グラフはG2となるが、本実施形態における定着ベルト102の温度グラフは、加熱領域A3による補助加熱によって必要な熱量が与えられるため、グラフG5となる。このように、定着装置180の立上げ時間が定着装置300よりも短縮されるとともに、連続定着時の温度低下が抑えられ、定着設定温度T0への復帰時間が短縮される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
図10(a)、(b)、(c)には、本発明の他の実施例が示されている。図10(a)は、発熱部194と電極196が絶縁部192で覆われた発熱部材190が、蓄熱部材116に取付けられた状態を示している。このように、蓄熱部材116の平面方向において、発熱領域A1と、発熱部材190で加熱される加熱領域A4とが、幅L3及び幅L4で重なって配置され、蓄熱部材116の厚さ方向において、発熱領域A1と加熱領域A4が幅d5で重なるものであってもよい。
図10(b)は、発熱部204と電極206が絶縁部202で覆われた発熱部材200が、蓄熱部材116に取付けられた状態を示している。このように、蓄熱部材116の平面方向において、発熱部材200で加熱される加熱領域A5が、発熱領域A1の全面を覆うように重なっているものであってもよい。
図10(c)は、蓄熱部材212に形成された凹状の溝部214に、絶縁部216、発熱部218、及び電極220からなる発熱部材210が嵌合された状態を示している。このように、蓄熱部材212と発熱部材210が嵌合されることにより、蓄熱部材116の厚さ方向において、蓄熱部材の発熱領域A6と加熱領域A7が幅d6で重なるものであってもよい。
また、定着ベルト102と蓄熱部材116は、定着ベルト102に必要な熱量が与えられるものであれば、非接触状態であってもよい。蓄熱部材116は、定着ベルト102の移動に影響を与えない範囲で平板状であってもよい。定着ベルト102は、発熱層132を有さないものであってもよい。
さらに、補助電源154を用いずに、制御回路142から発熱部材140に通電するようにしてもよい。
また、プリンタ10は、固体の現像剤を用いる乾式の電子写真方式だけでなく、液体現像剤を用いるものであってもよい。定着ベルト102の温度の検知手段として、サーミスタ120の代わりに熱電対を用いてもよい。サーミスタ120の取付け位置は、定着ベルト102の表面に限定されず、定着ベルト102の内周面に取付けてもよい。この場合、定着ベルト102の表面が摩耗しにくくなる。また、サーミスタ120は、加圧ロール104の表面に取付けてもよい。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体図である。 (a)本発明の第1実施形態に係る定着装置の断面図である。(b)本発明の第1実施形態に係る定着ベルトの断面図である。 (a)本発明の第1実施形態に係る蓄熱部材及び発熱部材の斜視図である。(b)本発明の第1実施形態に係る定着装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る制御回路、通電回路、及び補助電源の接続図である。 (a)比較例の定着装置における蓄熱部材の平面図である。(b)本発明の第1実施形態に係る蓄熱部材の平面図である。(c)本発明の第1実施形態に係る蓄熱部材及び発熱部材の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置と比較例の定着装置の定着温度を比較したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る制御回路、通電回路、及び補助電源の接続図である。 (a)本発明の第2実施形態に係る蓄熱部材の平面図である。(b)本発明の第2実施形態に係る蓄熱部材及び発熱部材の断面図である。 (a)本発明の第2実施形態に係る定着ベルトの周方向位置における定着温度を示すグラフである。(b)本発明の第2実施形態に係る定着ベルトと比較例の定着ベルトの時間に対する定着温度の変化を比較したグラフである。 (a)、(b)、(c)本発明の蓄熱部材及び発熱部材の他の実施例を示す断面図である。
符号の説明
10 プリンタ(画像形成装置)
100 定着装置(定着装置)
102 定着ベルト(定着部材)
104 加圧ロール(加圧回転体)
110 励磁コイル(磁界発生手段)
114 支持部材(支持体)
116 蓄熱部材(加熱部材)
120 サーミスタ(検知手段)
132 発熱層(導電層)
140 発熱部材(発熱部材)
142 制御回路(制御手段)
146 通電回路(電源)
154 補助電源(補助電源)
160 補助電源(補助電源)
170 発熱部材(発熱部材)
180 定着装置(定着装置)
A1 発熱領域(発熱領域)
A2 加熱領域(加熱領域)
A3 加熱領域(加熱領域)

Claims (10)

  1. 無端状の定着部材と、
    前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、
    前記定着部材の外側又は内側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、
    前記定着部材の内側又は外側に設けられ、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、
    電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、
    を有し、
    前記加熱部材は、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域の一部は、投影すると重なり、
    前記発熱領域と前記加熱領域が、前記加熱部材の厚さ方向において分離していることを特徴とする定着装置。
  2. 無端状の定着部材と、
    前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、
    前記定着部材の外側又は内側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、
    前記定着部材の内側又は外側に設けられ、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、
    電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、
    を有し、
    前記加熱部材は、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域は、投影すると分離しており、
    前記発熱領域と前記加熱領域が、前記加熱部材の厚さ方向において分離していることを特徴とする定着装置。
  3. 無端状の定着部材と、
    前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、
    前記定着部材の外側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、
    前記定着部材の内側に設けられて該定着部材を支持し、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、
    電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、
    を有し、
    前記加熱部材は、湾曲状に形成され、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域の一部は、投影すると重なることを特徴とする定着装置。
  4. 無端状の定着部材と、
    前記定着部材の内側に配置された支持体へ前記定着部材を加圧する加圧回転体と、
    前記定着部材の外側に設けられ、電源からの通電によって磁界を発生する磁界発生手段と、
    前記定着部材の内側設けられて該定着部材を支持し、前記磁界の電磁誘導により発熱して前記定着部材を加熱する加熱部材と、
    電力供給により発熱して前記加熱部材を加熱する発熱部材と、
    を有し、
    前記加熱部材は、湾曲状に形成され、発熱して前記定着部材を加熱する発熱領域と、前記発熱部材によって加熱される加熱領域とを備え、前記加熱領域と前記発熱領域は、投影すると分離していることを特徴とする定着装置。
  5. 前記加熱部材が、前記定着部材を内側から支持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  6. 前記電源と異なる補助電源が設けられ、該補助電源から前記発熱部材に電力供給することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記補助電源が、二次電池であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  8. 前記補助電源が、電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置と、
    前記定着装置の前記定着部材の温度を検知する検知手段と、
    前記検知手段で得られた温度が所定の温度となるように前記電源及び前記磁界発生手段を駆動して、前記加熱部材及び前記発熱部材の温度を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置
  10. 請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置と、
    前記定着装置の前記定着部材の温度を検知する検知手段と、
    前記検知手段で得られた温度が所定の温度となるように前記電源、前記磁界発生手段、及び前記補助電源を駆動して、前記加熱部材及び前記発熱部材の温度を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置
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