JP5744103B2 - 固定型等速ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸から別の回転軸に回転駆動力を伝達するための固定型等速ジョイントに関する。
自動車の走行駆動力伝達機構は、回転軸から別の回転軸に回転駆動力を伝達する継手としての2個の等速ジョイントを具備して構成される。一般的には、2個の等速ジョイントの中の1個は、アウタ部材に形成された有底穴の長手方向に沿って回転軸が変位することが可能な摺動型のものであり、残余の1個は、有底穴内で回転軸が傾斜することが可能な固定型のものである。この中、固定型等速ジョイントは、ドライブシャフトとハブとの間に設けられることが一般的である。
図7に、固定型等速ジョイント10の概略全体正面図を示す。固定型等速ジョイント10は、アウタ部材12と、インナ部材14と、これらアウタ部材12とインナ部材14の間に介在するトルク伝達ボール16と、該トルク伝達ボール16を保持するリテーナ18とを具備する。
アウタ部材12には、その長手方向に沿って略円錐台形状の有底穴20が形成される。さらに、有底穴20の湾曲した内壁には、互いに等角度で離間した6個のアウタ側ボール溝22が形成される。
図8に示すように、アウタ側ボール溝22は、有底穴20の開口から底部に向かって延在する。開口側の起端部から底部側の終端部にかけて、溝幅W1’は一定である。
一方、インナ部材14には、直径方向外方に膨出するように湾曲した外周面を切り欠くようにして、アウタ側ボール溝22と同数個のインナ側ボール溝24が形成される(図7参照)。インナ側ボール溝24の溝幅W2’は、アウタ側ボール溝22の溝幅W1’と略同等であり、且つトルク伝達ボール16の直径と略同等である。
また、インナ部材14には、その高さ方向に沿って挿通孔26が貫通形成され、この挿通孔26には、図示しないエンジンの出力側に連結されたドライブシャフト28の先端部が挿入される。
略円環形状をなすリテーナ18には、内周壁から外周壁に至るまで貫通した窓30が複数個形成されている。前記トルク伝達ボール16は、この窓30に収容されるとともに、アウタ側ボール溝22とインナ側ボール溝24に挿入される。
このように構成される固定型等速ジョイント10では、自動車が走行する最中、運転者がハンドルを操作することによって転蛇が行われると、特許文献1に記載されるように、ハブに対して所定の角度をなすようにアウタ部材12が傾動する。
この種の固定型等速ジョイント10は、以下のようにして組み立てられる。すなわち、図9に示すように、インナ部材14をリテーナ18の内径側に挿入する。リテーナ18の内径は、インナ部材14における側壁の外径に比して若干大きい。このため、インナ部材14は、リテーナ18の内方に容易に挿入可能である。その後、インナ部材14を90°回動させ、窓30とインナ側ボール溝24を対向させる。
次に、インナ部材14とリテーナ18の組立体を有底穴20内に挿入する。この挿入の際、又はその前後に、インナ側ボール溝24とアウタ側ボール溝22の位相を合わせる。
次に、図10に示すように、アウタ部材12に対してリテーナ18を相対的に傾斜させるとともに、リテーナ18に対してインナ部材14を相対的に傾斜させる。この状態で、トルク伝達ボール16を窓30から挿入する。この作業を繰り返すことにより、全てのインナ側ボール溝24及び窓30にトルク伝達ボール16が挿入される。
その後、インナ部材14及びリテーナ18の高さ方向を有底穴20の長手方向に一致させ、さらに、インナ部材14の挿通孔26にドライブシャフト28を挿入することにより、図7に示す状態となる。
特開2008−25650号公報
近時、自動車の構成部材の小型軽量化が試みられており、この観点から、固定型等速ジョイント10を小型軽量化することが検討されている。その一環として、固定型等速ジョイント10では、例えば、リテーナ18の肉厚T1’(図9参照)を小さくすること、すなわち、薄肉化することが想起される。しかしながら、この薄肉化に伴ってリテーナ18の剛性が低下する懸念がある。上記したように固定型等速ジョイント10は回転駆動力を伝達する継手であり、従って、リテーナ18は、十分な剛性を有する必要がある。
そこで、薄肉化を行う一方で、窓30の開口面積(幅方向寸法W3’)を小さくすることが考えられる。すなわち、この場合、隣接する窓30、30同士間の壁部の幅方向寸法W4’が大きくなるので、リテーナ18の剛性を確保し得ると期待されるからである。
ところで、上記したように、固定型等速ジョイント10を組み立てるべくトルク伝達ボール16をアウタ側ボール溝22、窓30及びインナ側ボール溝24に挿入する際には、インナ部材14及びリテーナ18をアウタ部材12に対して相対的に傾斜させる必要がある(図10参照)。有底穴20は、アウタ部材12が略円錐台形状に刳り抜かれたような形状をなしており、このため、有底穴20の底部近傍では、開口側に比して、隣接するアウタ側ボール溝22、22同士の離間距離が小さい。
従って、1個のトルク伝達ボール16を窓30に挿入した後、別の窓30にトルク伝達ボール16を挿入しようとすると、上記のようにインナ部材14及びリテーナ18をアウタ部材12に対して相対的に傾斜させた際、有底穴20の底部側では、図11に示すように、隣接するトルク伝達ボール16、16同士が互いに寄り合って近接するように窓30、30内で変位する。このような理由から、窓30の開口面積(幅方向寸法W3’)は、トルク伝達ボール16の変位代を考慮して設定する必要がある。トルク伝達ボール16が窓30によって堰止された(変位が阻止された)状態では、該トルク伝達ボール16が有底穴20の底部側に向かって移動することができないからである。
以上から諒解されるように、固定型等速ジョイント10において、リテーナ18の窓30の開口面積(幅方向寸法W3’)を小さくすることは、固定型等速ジョイント10を組み立てる際にトルク伝達ボール16が有底穴20の底部側に移動することを妨げることになる。勿論、この場合、リテーナ18を傾斜させることが困難となり、結局、固定型等速ジョイント10を組み立てることが困難となる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、リテーナの窓の開口面積(幅方向寸法)を小さく設定することができるために該リテーナの軽量化を図ることが可能であり、しかも、組立作業が容易な固定型等速ジョイントを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、有底穴が形成されたアウタ部材と、回転軸に外嵌されて前記アウタ部材の前記有底穴に挿入されるインナ部材と、前記アウタ部材と前記インナ部材との間に介装され且つ前記有底穴の内壁に陥没形成された複数個のアウタ側ボール溝、及び前記インナ部材の側壁に陥没形成された複数個のインナ側ボール溝の各々に挿入された複数個のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持するリテーナとを有する固定型等速ジョイントにおいて、
前記アウタ側ボール溝は、前記有底穴の開口側から底部側に指向して延在するとともに、第1溝と、前記第1溝に連なり且つ該第1溝及び前記トルク伝達ボールの直径に比して幅広の第2溝とからなり、
前記インナ側ボール溝は、前記インナ部材の高さ方向に沿って延在するとともに、前記第1溝に前記トルク伝達ボールが挿入されたときに該トルク伝達ボールが同時に挿入される第3溝と、前記第3溝に連なり且つ前記第3溝及び前記トルク伝達ボールの直径に比して幅広であり、前記第2溝に前記トルク伝達ボールが挿入されたときに該トルク伝達ボールが同時に挿入される第4溝とからなることを特徴とする。
固定型等速ジョイントを組み立てる際のトルク伝達ボールを挿入する過程では、隣接するアウタ側ボール溝に既に挿入されたトルク伝達ボール同士が、第2溝及び第4溝に進入する。これら第2溝及び第4溝がトルク伝達ボールの直径に比して幅広であるため、トルク伝達ボールには、第2溝及び第4溝に対して遊びが生じる。この遊びにより、隣接するアウタ側ボール溝に挿入されたトルク伝達ボールがアウタ側ボール溝に沿って有底穴の底部に向かって移動するとき、互いの離間距離が略一定に保たれる。すなわち、トルク伝達ボールが窓内で変位することが回避される。
従って、リテーナの窓の幅方向寸法を、トルク伝達ボールの変位代を考慮して設定する必要がない。この分、リテーナの窓の幅方向寸法を小さくすることが可能となる。これに伴って、窓同士の間の壁部の幅方向寸法が大きくなるので、リテーナを軽量化するべく薄肉化した場合においても、十分な剛性を確保することができる。
第2溝及び第4溝は、回転軸の傾斜可能角(自動車走行時の作動角)を超えたときにはじめてトルク伝達ボールが進入することが可能な位置に形成することが好ましい。これにより、自動車の走行時にトルク伝達ボールが第2溝及び第4溝に進入することに起因して異音や振動が生じることを防止することができる。
第1溝は、有底穴の開口側に形成される。勿論、この場合には、第2溝が有底穴の底部側に位置する。
そして、第3溝は、インナ部材の、有底穴の底部に臨む端部側に形成される。この場合、第4溝は、有底穴の開口に臨む端部側に位置する。
第1溝〜第4溝をこのように配置することにより、固定型等速ジョイントの組立作業が容易となる。
本発明によれば、第1溝と、該第1溝に比して幅広の第2溝とからなるアウタ側ボール溝をアウタ部材に形成し、且つ、第3溝と、該第3溝に比して幅広の第4溝とからなるインナ側ボール溝をインナ部材に形成するようにしている。このため、固定型等速ジョイントを組み立てるべくトルク伝達ボールを挿入する作業時、隣接するアウタ側ボール溝に既に挿入されたトルク伝達ボール同士が、第2溝及び第4溝に進入する。これにより、隣接するアウタ側ボール溝に挿入されたトルク伝達ボールがアウタ側ボール溝に沿って有底穴の底部に向かって移動するとき、互いの離間距離が略一定に保たれる。
すなわち、トルク伝達ボールが窓内で変位することが回避されるので、リテーナの窓の幅方向寸法を、トルク伝達ボールの変位代を考慮して設定する必要がない。この分だけ、リテーナの窓の幅方向寸法を小さくして該窓同士の間の壁部の幅方向寸法を大きくすることができる。従って、リテーナを軽量化するべく薄肉化した場合においても、十分な剛性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る固定型等速ジョイントに作動角が生じた状態の要部概略断面図である。 図1の固定型等速ジョイントを構成するアウタ部材の要部概略斜視図である。 図1の固定型等速ジョイントを構成するインナ部材の全体概略斜視図である。 図1の固定型等速ジョイントを構成するリテーナの全体概略斜視図である。 アウタ部材の有底穴にインナ部材及びリテーナを挿入し、さらに、トルク伝達ボールを挿入している状態を示す要部概略断面図である。 トルク伝達ボールを挿入する際、隣接するアウタ側ボール溝に既に挿入されたトルク伝達ボール同士が離間距離を維持するようにして有底穴の底部側に移動した状態を模式的に示した要部概略断面図である。 従来技術に係る固定型等速ジョイントの概略全体正面図である。 図7の固定型等速ジョイントを構成するアウタ部材の要部概略斜視図である。 図7の固定型等速ジョイントのインナ部材をリテーナに挿入した状態を示す全体概略斜視図である。 アウタ部材の有底穴にインナ部材及びリテーナを挿入し、さらに、トルク伝達ボールを挿入している状態を示す要部概略断面図である。 トルク伝達ボールを挿入する際、隣接するアウタ側ボール溝に既に挿入されたトルク伝達ボール同士が寄り合うように変位した状態を模式的に示した要部概略断面図である。
以下、本発明に係る固定型等速ジョイントにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、理解を容易にするべく、トルク伝達ボール及びドライブシャフトについては、図7〜図11に付した参照符号と同一の参照符号を付するものとする。
図1は、本実施の形態に係る固定型等速ジョイント50に作動角が生じた状態の要部概略断面図である。この固定型等速ジョイント50は、アウタ部材52と、インナ部材54と、これらアウタ部材52とインナ部材54の間に介在するトルク伝達ボール16と、該トルク伝達ボール16を保持するリテーナ58とを具備する。
図2は、前記アウタ部材52の要部概略斜視図である。なお、図1及び図2中の矢印Xは、該アウタ部材52の軸線方向を示す。
このアウタ部材52は、図示しないハブが連結される軸部60と、有底穴62が形成されたカップ部64とを有する。有底穴62は、カップ部64を略円錐台形状に刳り抜いた形状をなす。
有底穴62の湾曲した内壁には、互いに等角度で離間した6個のアウタ側ボール溝66が陥没形成される。ここで、本実施の形態においては、アウタ側ボール溝66は、有底穴62の開口から底部に向かって延在する第1溝68と、該第1溝68の底部側に連なる第2溝70とからなる。すなわち、第1溝68は有底穴62の開口側に位置し、第2溝70は底部側に位置している。
第1溝68の溝幅、すなわち、幅方向寸法W1は、起端部(有底穴62の開口側に臨む端部)から終端部(有底穴62の底部側に臨む端部)に至るまで、略一定である。一方、第2溝70は、第1溝68の終端部から略テーパー状に拡開しており、このため、第1溝68に比して幅広となっている。
また、隣接する第2溝70、70同士は、有底穴62の内周壁に沿って周回する方向で互いに連なる。すなわち、第2溝70、70同士が互いに連なることにより、有底穴62の底部近傍に環状溝が形成された形状となっている。
図3は、前記有底穴62に挿入されるインナ部材54の全体概略斜視図である。なお、図3中の矢印Xはインナ部材54の高さ方向を示し、且つ図1及び図2中の矢印X方向と同一方向である。
このインナ部材54には、直径方向外方に膨出するように湾曲した外周面を切り欠くようにして、アウタ側ボール溝66と同数個のインナ側ボール溝72が陥没形成される。本実施の形態において、インナ側ボール溝72は、有底穴62の底部に臨む端部側に位置し、開口側に向かって延在する第3溝74と、有底穴62の開口に臨む端部側に位置し、前記第3溝74に連なる第4溝76とからなる。
第4溝76は、起端部から終端部に向かうにつれてテーパー状に狭小化される。換言すれば、第4溝76は、起端部で最も幅広である。
第3溝74は、第4溝76の最も幅狭な終端部に連なる。第3溝74の溝幅、すなわち、幅方向寸法W2は、第4溝76の終端部に連なる起端部から終端部に至るまで略一定であり、且つ第1溝68の幅方向寸法W1(図2参照)と略同等である。また、幅方向寸法W1、W2は、トルク伝達ボール16の直径に略等しい。換言すれば、第2溝70及び第4溝76の幅方向寸法は、トルク伝達ボール16の直径よりも若干大きく設定される。
後述するように、トルク伝達ボール16(図1参照)は、固定型等速ジョイント50を組み立てる際に第2溝70及び第4溝76内を摺動する。すなわち、第2溝70及び第4溝76は、固定型等速ジョイント50の組立作業時に活用される。
その一方で、トルク伝達ボール16は、ドライブシャフト28(図1参照)と固定型等速ジョイント50の間に作動角が生じてアウタ部材52が相対的な傾動を起こす際、第1溝68及び第3溝74内を摺動し、第2溝70及び第4溝76には進入しない。換言すれば、第2溝70及び第4溝76は、ドライブシャフト28の傾斜可能角を超えたときにはじめて、トルク伝達ボール16が進入することが可能な位置に形成されている。
インナ部材54には、さらに、その高さ方向(矢印X方向)に沿って挿通孔78が貫通形成される。この挿通孔78には、図示しないエンジンの出力側に連結されたドライブシャフト28(図1参照)の先端部が挿入される。挿通孔78の内壁には歯部80(図3参照)が刻設され、一方、ドライブシャフト28の先端部にも図示しない歯部が刻設される。この歯部と前記歯部80が互いに噛合されることにより、インナ部材54がドライブシャフト28の先端部に外嵌されている。
図4は、有底穴62の内壁とインナ部材54との間に介在し、トルク伝達ボール16を保持するリテーナ58の概略全体斜視図である。なお、図4における矢印X方向はリテーナ58の高さ方向を示す。勿論、図1〜図3中の矢印X方向と同一方向である。
リテーナ58は、略円環形状をなす。リテーナ58の内径は、インナ部材54におけるインナ側ボール溝72が形成されていない側壁の外径に比して若干大きい。このため、インナ部材54は、リテーナ58の内方に容易に挿入可能であり、この状態で、前記有底穴62に収容される。
リテーナ58には、内周壁から外周壁に至るまで貫通した窓82が複数個形成されている。前記トルク伝達ボール16は、この窓82に収容されるとともに、アウタ側ボール溝66とインナ側ボール溝72に挿入される(図1参照)。
ここで、本実施の形態では、窓82の幅方向寸法W3が、従来技術に係る固定型等速ジョイント10を構成するリテーナ18における窓30の幅方向寸法W3’(図9参照)に比して小さい。換言すれば、隣接する窓82、82同士の間の壁部の幅方向寸法W4が、対応する幅方向寸法W4’(図9参照)よりも大きい。さらに、リテーナ58の肉厚T1は、リテーナ18の肉厚T1’(図9参照)に比して小さく設定される。
本実施の形態に係る固定型等速ジョイント50は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、該固定型等速ジョイント50の動作との関係で説明する。
この固定型等速ジョイント50は、以下のようにして組み立てられる。すなわち、先ず、図9と同様にして、インナ部材54を、高さ方向がリテーナ58の高さ方向に略直交するようにして、リテーナ58の内径側に挿入する。その後、インナ部材54を90°回動させ、窓82とインナ側ボール溝72を対向させる。
次に、インナ部材54とリテーナ58の組立体を有底穴62内に挿入する。この挿入の際、又はその前後に、インナ側ボール溝72とアウタ側ボール溝66の位相を合わせる。
次に、図5に示すように、アウタ部材52に対してリテーナ58を相対的に傾斜させるとともに、リテーナ58に対してインナ部材54を相対的に傾斜させる。この状態で、トルク伝達ボール16を窓82から挿入する。なお、この時点ではドライブシャフト28は挿通孔78に挿入されていないが、インナ部材54及びリテーナ58が、自動車の通常走行時の作動角、すなわち、ドライブシャフト28の傾斜可能角を超えて大きく傾斜していることを示すために、該傾斜時においてドライブシャフト28が指向する方向を仮想的に表している。
この作業を繰り返して行う際、隣接した窓82(インナ側ボール溝72及びアウタ側ボール溝66)の双方に挿入された2個のトルク伝達ボール16が、アウタ側ボール溝66の底部側に移動する場合がある。
ここで、本実施の形態では、アウタ側ボール溝66を第1溝68及び第2溝70で形成し、且つインナ側ボール溝72を第3溝74及び第4溝76で形成している。図5に示すようにインナ部材54及びリテーナ58の相対的な傾斜角が大きくなると、トルク伝達ボール16は、アウタ側ボール溝66では第2溝70、インナ側ボール溝72では第4溝76に進入する。
上記したように、第2溝70は第1溝68に比して幅広に設定され、且つ第4溝76は第3溝74に比して幅広に設定されている。しかも、第2溝70及び第4溝76の幅方向寸法は、トルク伝達ボール16の直径に比して若干大きい。このため、第2溝70及び第4溝76内に進入したトルク伝達ボール16には、第2溝70及び第4溝76に対する遊び(ガタ)が生じている。
従って、この場合、互いに隣接する窓82に挿入されたトルク伝達ボール16同士が、アウタ側ボール溝66に沿って有底穴62の底部に向かって移動するときにも、互いの離間距離を略一定に保つ。結局、図6に示すように、第1溝68内に挿入されているときのトルク伝達ボール16の離間距離D1と、第2溝70内に進入したときの離間距離D2は略同等である。すなわち、トルク伝達ボール16同士が寄り合うように変位することが回避される。
このため、リテーナ58の窓82の幅方向寸法W3を、トルク伝達ボール16の変位代を含めた寸法に設定する必要がない。すなわち、リテーナ58の窓82の幅方向寸法W3(図4参照)を、従来技術に係る固定型等速ジョイント10におけるリテーナ18の幅方向寸法W3’(図9参照)に比して小さくすることができる。
以上のような理由から、隣接する窓82、82同士の間の壁部の幅方向寸法W4(図4参照)を、従来技術に係る固定型等速ジョイント10のリテーナ18において対応する幅方向寸法W4’(図9参照)に比して大きくすることができる。従って、リテーナ58の肉厚T1(図4参照)を、肉厚T1’(図9参照)に比して小さく設定しても、十分な剛性を確保することができる。
しかも、トルク伝達ボール16、16同士の離間距離が略一定に保たれるので、窓82の幅方向寸法W3を小さくしたとしても、トルク伝達ボール16、16同士が有底穴62の底部側に変位することが窓82によって妨げられることもない。従って、インナ部材54及びリテーナ58が相対的に傾斜することが妨げられることはない。このため、固定型等速ジョイント50を容易に組み立てることができる。
全ての窓82(アウタ側ボール溝66及びインナ側ボール溝72)にトルク伝達ボール16を挿入した後、インナ部材54及びリテーナ58の高さ方向を有底穴62の長手方向に一致させる。この際、トルク伝達ボール16は、アウタ側ボール溝66では第1溝68、インナ側ボール溝72では第3溝74に進入する。さらに、インナ部材54の挿通孔78にドライブシャフト28を挿入することにより、図7と同様の状態となる。
以上のようにして組み立てられた固定型等速ジョイント50は、自動車の走行駆動力伝達機構において、駆動回転軸であるドライブシャフト28から、従動回転軸である前記ハブに回転駆動力を伝達する継手として好適に採用される。ドライブシャフト28の回転駆動力は、インナ部材54からトルク伝達ボール16、アウタ部材52を介してハブに伝達され、その結果、タイヤが回転して自動車が走行する。すなわち、ドライブシャフト28の回転駆動力は、固定型等速ジョイント50を介して効率よく伝達される。
上記したように、リテーナ58は、肉厚T1が小さいながらも十分な剛性を有する。このため、回転駆動力が伝達されている間、十分な耐久性を示す。
また、リテーナ58の肉厚T1を小さくする等したことにより、固定型等速ジョイント50の軽量小型化を図ることができる。
ところで、自動車が走行する最中、運転者がハンドルを操作することによって転蛇を行うことがある。この際、ドライブシャフト28の延在方向に対して前記ハブが傾斜したときには、軸部60ごとアウタ部材52が傾斜する。この際、トルク伝達ボール16が前記2つのボール溝66、72内を摺動しながら転動するとともに、インナ部材54及びリテーナ58が所定の角度で傾斜する。その結果、図1に示す状態となる。
この際、トルク伝達ボール16は、アウタ側ボール溝66の第1溝68、インナ側ボール溝72の第3溝74に沿って摺動し、第2溝70及び第4溝76には進入しない。第2溝70及び第4溝76は、ドライブシャフト28が、自動車の走行時の作動角を超える角度(傾斜可能角)まで傾斜したときにトルク伝達ボール16が進入し得るような位置に形成されているからである。なお、自動車の走行時にドライブシャフト28がそのような角度まで傾斜することはない。図に仮想線で示すように、ドライブシャフト28がアウタ部材52(カップ部64)に干渉するからである。
すなわち、第2溝70及び第4溝76は、固定型等速ジョイント50を組み立てる際に活用され、自動車の通常走行時には、ドライブシャフト28の相対的な傾斜には関与しない。また、第1溝68及び第3溝74は、自動車の通常走行時にドライブシャフト28を相対的に傾斜させる(作動角を生じさせる際)に活用される。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能であることは勿論である。
10、50…固定型等速ジョイント 12、52…アウタ部材
14、54…インナ部材 16…トルク伝達ボール
18、58…リテーナ 20、62…有底穴
22、66…アウタ側ボール溝 24、72…インナ側ボール溝
28…ドライブシャフト 30、82…窓
68…第1溝 70…第2溝
74…第3溝 76…第4溝

Claims (2)

  1. 有底穴が形成されたアウタ部材と、回転軸に外嵌されて前記アウタ部材の前記有底穴に挿入されるインナ部材と、前記アウタ部材と前記インナ部材との間に介装され且つ前記有底穴の内壁に陥没形成された複数個のアウタ側ボール溝、及び前記インナ部材の側壁に陥没形成された複数個のインナ側ボール溝の各々に挿入された複数個のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持するリテーナとを有する固定型等速ジョイントにおいて、
    前記アウタ側ボール溝は、前記有底穴の開口側から底部側に指向して延在するとともに、前記有底穴の開口側に位置する第1溝と、前記第1溝に連なって前記有底穴の底部側に位置し且つ該第1溝及び前記トルク伝達ボールの直径に比して幅広の第2溝とからなり、
    前記インナ側ボール溝は、前記インナ部材の高さ方向に沿って延在するとともに、前記有底穴の底部に臨む端部側に位置して前記第1溝に前記トルク伝達ボールが挿入されたときに該トルク伝達ボールが同時に挿入される第3溝と、前記第3溝に連なって前記有底穴の開口に臨む端部側に位置し且つ前記第3溝及び前記トルク伝達ボールの直径に比して幅広であり、前記第2溝に前記トルク伝達ボールが挿入されたときに該トルク伝達ボールが同時に挿入される第4溝とからなることを特徴とする固定型等速ジョイント。
  2. 請求項1記載の等速ジョイントにおいて、前記第2溝及び前記第4溝が、前記回転軸の傾斜可能角を超えたときに前記トルク伝達ボールが進入することが可能な位置に形成されていることを特徴とする固定型等速ジョイント。
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