JP5742728B2 - 細胞分離デバイスおよびこれを用いた細胞分離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から、所望の細胞を分離するための細胞分離デバイスおよびこれを用いた細胞分離方法に関する。
従来より、血液由来の試料中から特定の細胞を取り出して観察することにより、病変の有無,病変部の病理学的診断,臨床学的診断などを行う細胞診断が行われている。
特に血液由来の試料中の血液循環がん細胞(以下、CTCともいう)の有無、またはCTCの状態を観察する方法の一つとして、血液由来の試料中における複数種類の細胞を比重分離し、CTCが含まれ得る分離層を取り出して平面状に展開し、細胞を蛍光染色した後、これを光学的な検出手段で観察することが行われている。
血液由来の試料中の細胞、特にCTCを比重分離する方法は、例えば特許文献1に開示されているように、まず試験管内に血小板および一部の白血球の比重よりも小さい分離媒体を入れ、ここに血液由来の試料を加え、これを遠心分離器にセットして遠心力を加えることで、血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞を比重の大小の違いで分離させている。
血液由来の試料中に含まれる主な成分の比重の大小関係は、血漿<血小板<白血球<赤血球であり、赤血球がこの中で一番比重が大きいため、図7に示したように遠心分離後の試験管100内では、最下層に赤血球208が位置することとなる。なお、血液循環がん細胞(CTC)300の比重は、血小板204や白血球206と同程度または血小板204や白血球206よりもさらに小さいため、血液由来の試料200中にCTC300が含まれている場合には、血小板204や白血球206と同じ層または血小板204や白血球206よりも上の血漿202の層に、CTC300が位置していると考えられる。
このため、遠心分離後に一部の赤血球208を含め、この層よりも上の全ての層をサンプリングして検出すれば、CTC300を洩らさず検出することができるはずである。
特表2002−536635号公報
ところで、サンプリングされた試料中には、CTC300とともに血小板204が含まれている。この血小板204はCTC300と比べてはるかに数が多いため、サンプリングされた試料を平面状に展開した際に、CTC300が血小板204中に埋もれてしまう場合があり、CTC300の検出ロスが生ずるおそれがあった。このため、特許文献1では、複数回の遠心分離により、血小板を洗浄除去する方法が示されているが、遠心分離操作によりCTCを含む細胞がロスすることが問題であった。
なお、CTC300が血小板204に埋もれることが無いよう、サンプリングされた試料の展開面積を広げることが考えられるが、このようにすると今度は検出対象となる範囲が広がるため、CTC300の検出に多くの時間を要し、また装置も大型化する必要があり現実的ではない。
さらに、CTC300は、血小板204とともに複合体を形成して存在するものもあるため、単純に血小板204の分離をしてしまうと、この複合体も一緒に分離されてしまい、複合体となったCTCが検出されない場合があった。
本発明はこのような現状に鑑みなされたものであって、簡易な構成で血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から血小板を精度良く分離することができるとともに、血液由来の試料中に血液循環がん細胞(CTC)が含まれていた場合に、誤って血液循環がん細胞(CTC)を除去してしまうことを抑えた細胞分離デバイスおよびこれを用いた細胞分離方法を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における問題点を解決するために発明されたものであって、
本発明の細胞分離デバイスは、
血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から、所望の細胞を分離するための細胞分離デバイスであって、
前記細胞分離デバイスが、複数の凹部を有するウェル状の本体部を備え、
前記ウェル状の本体部の複数の凹部を除く上面には、前記血液由来の試料中の血小板をトラップする血小板トラップ領域が設けられ、
前記血小板トラップ領域は、前記ウェル状の本体部の複数の凹部を除く上面に前記血小板と相互作用する物質が固定化されてなることを特徴とする。
このように血小板と相互作用する物質が本体部に固定化されてなる血小板トラップ領域が設けられていれば、簡易な構成で血液由来の試料中から多くの血小板を取り除くことができる。
なお血小板と、血小板とCTCの複合体と、では、アフィニティー(親和性)が異なるため、この血小板トラップ領域では血小板とCTCの複合体がトラップされ難くなっている。
したがって、血小板の多くを分離した残りの血液由来の試料を平面状に展開すれば、従来生じていた血小板にCTCが埋もれてしまうことが生じ難く、また血小板とCTCの複合体も検出対象とすることができるため、精度良くCTCを検出することができる。
また、本体部がウェル状であれば、血液由来の試料の入ったウェル状の本体部を揺動させて血液由来の試料を撹拌させるだけで、血小板トラップ領域に血液由来の試料中の血小板をトラップさせることができる。また同時に凹部内に血小板を除いた血液由来の試料を落として回収することができる。
したがって簡単な操作で効率良く血液由来の試料中の血小板を血小板トラップ領域でトラップさせることができ、しかも血小板を除いた血液由来の試料の回収も同時に行うことができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記凹部の直径が1〜500μmの範囲内であることを特徴とする。
このような範囲内であれば、確実に凹部内に、血小板を除いた血液由来の試料を落として回収することができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記複数の凹部が、
血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞をトラップするための血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域であることを特徴とする。
このようにすれば、凹部の底面に検出手段の焦点位置を合わせて細胞を検出することにより、血液循環がん細胞(CTC)の有無や個数、あるいは細胞の状態などを精度良く検出することができる。さらに血小板を除いた血液由来の試料を別途平面状に展開する必要がないため、CTCの検出ロスを生ずることがなくCTCの検出精度を高めることができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記血液由来の試料が、予め赤血球の分離処理が行われた後の試料であることを特徴とする。
このように血液細胞中の大部分を占める赤血球が予め分離処理されていれば、さらに血液由来の試料中から血小板を分離し易くすることができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記赤血球の分離処理が、密度勾配遠心分離法によってなされていることを特徴とする。
このように密度勾配遠心分離法を用いれば、血液由来の試料中に含まれる血液細胞を確実に比重の大小の順番で層状に並べることができる。したがって、赤血球の分離処理を精度良く行うことができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記密度勾配遠心分離法の際に用いる分離媒体の比重が、
赤血球よりも小さくまた白血球よりも大きいことを特徴とする。
このように比重が調整された分離媒体であれば、密度勾配遠心分離法を行った際に、血液由来の試料を赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離することができるため、赤血球以外の細胞が多く含まれる層のみを取り出せば、血液由来の試料中から赤血球の多くを取り除くことができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記血小板と相互作用する物質が、前記血小板の細胞膜上に発現している膜糖タンパク質と相互作用する物質であることを特徴とする。
このような物質であれば、効果的に血小板を血小板トラップ領域でトラップすることができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、前記膜糖タンパク質と相互作用する抗体であることを特徴とする。
このような抗体であれば、効果的に血小板を血小板トラップ領域でトラップすることができる。
また、本発明の細胞分離デバイスは、
前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、解離定数(KD)が10-7〜10-6Mの範囲内の物質であることを特徴とする。
このようにアフィニティー(親和性)の弱い物質であれば、仮に血小板トラップ領域の血小板と相互作用する物質に、血小板とCTCの複合体がトラップされてしまったとしても、その後、供給される血液由来の試料の流れの力だけでトラップを解除させることができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から、所望の細胞を分離するための細胞分離方法であって、
前記細胞分離方法は、
複数の凹部を有するウェル状の本体部の前記複数の凹部を除く上面に、前記血液由来の試料中の血小板と相互作用する物質が固定化されてなる血小板トラップ領域が設けられた細胞分離デバイスを用意し、前記細胞分離デバイスの前記血小板トラップ領域上に前記血液由来の試料を供給し、前記血小板トラップ領域において前記血液由来の試料中の前記血小板をトラップする工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
このような方法であれば、血液由来の試料中の血小板の多くを確実に血小板トラップ領域でトラップすることができる。
また、本体部がウェル状であれば、血液由来の試料の入ったウェル状の本体部を揺動させて血液由来の試料を撹拌させるだけで、血小板トラップ領域に血液由来の試料中の血小板をトラップさせることができる。また同時に凹部内に血小板を除いた血液由来の試料を落として回収することができる。
したがって簡単な操作で効率良く血液由来の試料中の血小板を血小板トラップ領域でトラップさせることができ、しかも血小板を除いた血液由来の試料の回収も同時に行うことができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記血小板をトラップする工程において、
前記細胞分離デバイスは、前記複数の凹部が、血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞をトラップするための血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域であり、
前記血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域で、前記血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞のトラップがなされることを特徴とする。
このようにすれば、凹部の底面に検出手段の焦点位置を合わせて細胞を検出することにより、血液循環がん細胞(CTC)の有無や個数、あるいは細胞の状態などを精度良く検出することができる。さらに血小板を除いた血液由来の試料を別途平面状に展開する必要がないため、CTCの検出ロスを生ずることがなくCTCの検出精度を高めることができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記血液由来の試料が、予め赤血球の分離処理が行われた後の試料であることを特徴とする。
このように血液細胞の中で大部分を占める赤血球が予め分離処理されていれば、さらに確実に血液由来の試料中の血小板の多くを取り除くことができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記赤血球の分離処理が、密度勾配遠心分離法によってなされていることを特徴とする。
このように密度勾配遠心分離法を用いれば、血液由来の試料中に含まれる血液細胞を確実に比重の大小の順番で層状に並べることができる。したがって、赤血球の分離処理を精度良く行うことができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記密度勾配遠心分離法の際に用いる分離媒体の比重が、
赤血球よりも小さくまた白血球よりも大きいことを特徴とする。
このように比重が調整された分離媒体であれば、密度勾配遠心分離法を行った際に、血液由来の試料を赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離することができるため、赤血球以外の細胞が多く含まれる層のみを取り出せば、血液由来の試料中から赤血球だけをほぼ確実に取り除くことができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記血小板と相互作用する物質が、前記血小板の細胞膜上に発現している膜糖タンパク質と相互作用する物質であることを特徴とする。
このような物質であれば、確実に血小板の多くを血小板トラップ領域でトラップすることができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、前記膜糖タンパク質と相互作用する抗体であることを特徴とする。
このような抗体であれば、確実に血小板の多くを血小板トラップ領域でトラップすることができる。
また、本発明の細胞分離方法は、
前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、解離定数(KD)が10-7〜10-6Mの範囲内の物質であることを特徴とする。
このようにアフィニティー(親和性)の弱い物質であれば、仮に血小板トラップ領域の血小板と相互作用する物質に、血小板と血液循環がん細胞(CTC)の複合体がトラップされてしまったとしても、その後、血液由来の試料の供給時の流れの強さでトラップを解除させることができる。
本発明によれば、本体部に血小板と相互作用する物質が固定化されてなる血小板トラップ領域が設けられた簡易な構成であり、血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から血小板を精度良く分離することができるとともに、血液由来の試料中に血液循環がん細胞(CTC)が含まれていた場合に、誤って血液循環がん細胞(CTC)を除去してしまうことを抑えた細胞分離デバイスおよびこれを用いた細胞分離方法を提供することができる。
図1は、本発明の細胞分離デバイスの第1の実施形態を示した斜視図である。 図2は、図1に示した、本発明の細胞分離デバイスのA−A線による断面図である。 図3は、本発明の細胞分離デバイスの溝の寸法について説明するための部分拡大図である。 図4は、本発明の細胞分離デバイスの溝の断面拡大図であって、図4(a)は溝の一方の側面のみが傾斜されたもの、図4(b)は溝の端部に丸みを有するもの、図4(c)は溝が断面U字状に形成されたものである。 図5は、本発明の細胞分離デバイスの第2の実施形態を示した概略図である。 図6は、本発明の細胞分離デバイスの第3の実施形態を示した概略図である。 図7は、血液を遠心分離した際における血液成分の分離状態を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
本発明の第1〜第3の実施形態に係る細胞分離デバイスは、血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から血小板を分離するために用いられるものである。
また本発明の細胞分離方法は、血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から血小板を分離するための方法である。
なお、本明細書中において「血液由来の試料」とは、生体から採取したそのままの血液以外に、例えば血液凝固防止剤などの採血管添加剤が混入された血液,希釈された血液,特定の成分を予め除去した血液,CTCが含まれた血液,さらにはCTCが予め蛍光染色された血液なども含まれるものである。
ここで例えば、血液中の特定の成分として赤血球を除去した血液由来の試料を用意する場合には、既に公知の密度勾配遠心分離法を用いることができる。
密度勾配遠心分離法に用いられる分離媒体としては、比重,細胞を破壊することのない浸透圧およびpHに調節できるものであれば特に限定されないが、例えば、市販のフィコール(登録商標)やパーコール(登録商標)またはショ糖溶液などを用いることができる。
そして、分離媒体の比重を赤血球よりも小さくまた白血球よりも大きく設定することで、血液由来の試料を赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離することができ、密度勾配遠心分離後、赤血球以外の細胞が多く含まれる層のみを取り出すことにより、血液由来の試料中から赤血球を取り除くことができる。
なお分離媒体として、比重の異なる二種以上(例えば、比重1.077と1.119)を併用しても良く、この場合には「赤血球以外の細胞をさらに分離することができ、目的細胞以外の細胞をさらに排除することができる。
また、本明細書中において「血小板がトラップされた残りの血液由来の試料」とは、上記した血液由来の試料から血小板を取り除いたものを意味するが、厳密に全ての血小板を除いたものでなくてもよく、一部の血小板が残ったものも含まれるものである。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る細胞分離デバイス10は、図1および図2に示したように、板状の本体部12から構成されており、この本体部12の上面には、一方側(図1では右側)40に偏って血小板トラップ領域14が設けられている。
この血小板トラップ領域14は、本体部12上に血小板と相互作用する物質が固定化されてなるものである。
血小板と相互作用する物質としては、血小板の細胞膜上に発現している膜糖タンパク質と相互作用する物質であることが好ましく、中でも膜糖タンパク質と相互作用する抗体であることがより好ましいものである。
このような膜糖タンパク質の例としては、下記の表1に記載のものが挙げられる。
また、例示した膜糖タンパク質と相互作用する物質および抗体については、表1に記載のとおりである。
Figure 0005742728
ここで表1に例示した膜糖タンパク質と相互作用する物質および抗体について、血小板とCTCの複合体が、この血小板トラップ領域14でトラップされないようにするために、アフィニティー(親和性)の弱いものを選択することが好ましい。
アフィニティー(親和性)の指標としては解離定数(KD)を用いることができ、解離定数(KD)が10-7〜10-6Mの範囲内とすることが好ましい。また、膜糖タンパク質と相互作用する物質の中では、GP I−V−IX複合体を対象とすることが好ましく、したがって膜糖タンパク質と相互作用する抗体の中では、抗CD42b抗体を選択することが好ましい。中でも解離定数(KD)が10-7〜10-6M程度の抗体クローンを選択することが好ましい。
なお、血小板トラップ領域14の膜糖タンパク質と相互作用する物質は、一種類であることが好ましいが、場合によっては複数種類のものを用いても良いものである。
一方、本体部12の上面の血小板トラップ領域14以外の領域、すなわち血小板トラップ領域14と隣接する他方側42の領域には、血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞をトラップするための血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域16が設けられている。
この本体部12のCTCトラップ領域16には、一方側40から他方側42に向かって複数の溝18が列状に並設されている。
CTCトラップ領域16に設けられた複数の溝18は、図3に示したように溝幅Tが1〜100μmの範囲内、溝深さHが1〜100μmの範囲内に設定されることが好ましい。
溝18の寸法がこのような範囲内であれば、血小板が分離された後の血液由来の試料30中に残る細胞、すなわち白血球,CTC,血小板とCTCの複合体,血小板トラップ領域14でトラップできなかった僅かな血小板などの細胞を、溝18内に確実に展開することができる。
また上記寸法の溝18は、溝幅Tと溝深さHとを略同じ寸法とすることが好ましい。このように設定すれば、一度溝18内に入った細胞が移動し難くなるとともに、溝18内に入った細胞が、他の細胞を堰き止めてしまうようなことも防止することができる。
また溝18の断面形状についても特に限定されるものではないが、図1〜図3に示したようなV字状であれば、細胞を密に並べることができ好ましい。
なお、V字状以外にも例えば図4(a)に示したように溝18の一方の側面のみが斜めに傾斜してなるもの、図4(b)に示したように頂部および底部に丸みを帯びているもの、図4(c)に示したようにU字状の溝であっても良いものである。
さらに溝18の底部にスリット(図示せず)を設け、血液由来の試料中の細胞以外の水分を排出できるようにしても良いものである。なおスリット(図示せず)を設ける場合には、細胞の流動性が損なわれない程度にスリットの大きさを設定し、水分の排出量を調整することが好ましい。
本体部12のCTCトラップ領域16に設けられた溝18は、公知の微細加工技術で加工可能であるが、例えば市販のプリズムシートを代用することもできる。通常、プリズムシートは、平板の上面に同じ大きさの溝が複数列状に並設されたものであり、溝の溝幅Tおよび溝深さHも本発明の好ましい範囲に合ったものが市販されている。
また本体部12は、血小板トラップ領域14とCTCトラップ領域16とで別々に用意し、後で接着剤などを用いて接合したものであっても良いものである。
このような構造を有する細胞分離デバイス10は、使用において図1に記載された矢印の方向のように、一方側40から他方側42に向かって本体部12上の血小板トラップ領域14に血液由来の試料30を供給することで、血液由来の試料30中の血小板が血小板トラップ領域14でトラップされることとなる。
なお、血小板トラップ領域14でトラップされる血小板は、厳密に全てである必要はなく、この後に行われるCTCの検出の際に、CTCが血小板に埋もれてしまわない程度の量がトラップされれば良いものである。
血小板のトラップされる量については、供給される血液由来の試料30の保存期間(採血からの経過時間)や量、また血小板トラップ領域14に固定化された抗体密度に依存するため、適宜これらを調整することが好ましい。ただし、抗体に比べて血小板サイズが大きいため、抗体密度よりも血小板量への依存が大きい。
なお、採血直後の血液由来の試料30が、1mlの血液の場合、密度勾配遠心後のサンプルには、平均して約4.0×106個の血小板が含まれる。血小板の大きさは約3μmであり、例えば、通常のスライドガラス上に、4cm2の血小板トラップ領域14を用いた場合には、その領域に少なくとも1×106個の血小板がトラップできる。従って、1ml血液から血小板を除去するには、このようなスライドガラスを4枚程度用いることが好ましい。ただし、これは、血小板トラップ領域14に固定化された抗体が、反応性を維持したものが最密に存在する場合である。また、採血時から時間を経たものは、血小板が減少しているため、さらに小さい血小板トラップ領域14で処理が可能である。
次に上記した細胞分離デバイス10を用いた細胞分離方法について説明する。
まず、上記した構成を有する図1および図2に示したような本体部が板状の細胞分離デバイス10を用意する。
次いで、細胞分離デバイス10の血小板トラップ領域14が形成された一方側40から他方側42に向かって、この血小板トラップ領域14上に血液由来の試料30を供給し、血小板トラップ領域14において、血小板と相互作用する物質に、血液由来の試料30中の血小板をトラップさせる。
ここで、血小板トラップ領域14で血小板との相互作用が十分に働くよう、まずは血液由来の試料30が、血小板トラップ領域14に一定時間留まるよう、流量調整手段(図示せず)を用いて血液由来の試料30の流速を制御することが好ましい。
血液由来の試料30を血小板トラップ領域14に供給する方法は、特に限定されるものではないが、例えば細胞分離デバイス10を平らな面に載置させた後、流量調整手段(図示せず)としてシリンジを用いて一方側40から他方側42に向かって血液由来の試料30を供給することができる。
また、細胞分離デバイス10を僅かに傾斜させ、ここに本体部12の一方側40から血液由来の試料30を流すことで血小板トラップ領域14に血液由来の試料30を展開させるようにしても良い。
要は、血液由来の試料30中の各細胞が緩やかな流れや自重を利用して移動されるような供給方法であれば、如何なる方法であっても構わないものである。
次いで、血小板トラップ領域14において、血小板との相互作用を十分に働かせた後、今度は流速100〜1000μl/secの早い流速で血液由来の試料30を供給する。
これにより、血小板トラップ領域14の血小板と相互作用する物質に、仮に血小板とCTCの複合体がトラップされてしまっていたとしても、上記したように血小板と相互作用する物質のアフィニティー(親和性)が弱いため、このような比較的早い流速でトラップを解除することができる。
したがって、血小板トラップ領域14において、血小板と相互作用する物質に、血液由来の試料30中の血小板がトラップされ、これにより血液由来の試料30中から血小板を分離することができる。
なお、上記した第1の実施形態における細胞分離デバイス10では、血小板トラップ領域14に隣接して血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域16が設けられているため、血小板が分離された残りの血液由来の試料30が、続けて血小板トラップ領域14の下流側(他方側42)に位置するCTCトラップ領域16に流入されるようになっている。ここで、「血小板を分離した残りの血液由来の試料30」とは、厳密に血小板の全てが取り除かれた残りの血液由来の試料30で有る必要はなく、多くの血小板が取り除かれた状態であれば良いものである。
したがって、CTCトラップ領域16では、溝18内に、血小板が分離された残りの血液由来の試料30中のCTCを含む細胞が、整列された状態で展開されることとなる。
そして、CTCトラップ領域16の溝18内に整列された細胞を、その後、例えば光学的な検出手段(図示せず)を用いて検出すれば、CTCの有無や個数、あるいは細胞の状態などを精度良く検出することができる。
<第2の実施形態>
図5は本発明の細胞分離デバイス10の第2の実施形態を示した図である。
図5に示した細胞分離デバイス10は、本体部12が有底管状となっており、第1の実施形態のように板状のものとは形態が異なっている。
このような細胞分離デバイス10では、本体部12の内周面の一部に、周状に血小板トラップ領域14が設けられている。
血小板トラップ領域14の位置は、後述する血液由来の試料30の量に合わせて設定されれば良く、血小板トラップ領域14が血液由来の試料30に浸かる程度の位置に設けられることが好ましい。
そして、このような細胞分離デバイス10を用いて細胞分離を行う場合には、まず有底管状の本体部12内に、血小板トラップ領域14が隠れるくらいまで血液由来の試料30を入れ、この状態で有底管状の本体部12を所定時間回して、内部の血液由来の試料30を撹拌する。
すると、周状に設けられた血小板トラップ領域14において、血液由来の試料30中の血小板がトラップされることとなる。
有底管状の本体部12内に残った血液由来の試料30は、血小板が血小板トラップ領域14でトラップされてほとんど入っていない状態であり、この残りの血液由来の試料30を、別途平面状に展開することで、CTCを含めた残りの細胞が単層に広げられる。
この状態で光学的な検出手段(図示せず)を用いて検出することにより、CTCの有無や個数、あるいは細胞の状態などを精度良く検出することができる。
<第3の実施形態>
図6は本発明の細胞分離デバイス10の第3の実施形態を示した図である。
図6に示した細胞分離デバイス10は、本体部12が複数の凹部20を有するウェル状となっており、第1の実施形態のように板状のものと形態が異なっている。
このような細胞分離デバイス10では、本体部12の凹部20を除く上面に、血小板トラップ領域14が設けられている。
なお、凹部20の直径は、1〜500μmの範囲内であることが好ましく、このような範囲に設定することにより、血小板を除いた血液由来の試料30が確実に凹部20内に落ちて回収されるようになっている。
そして、このような細胞分離デバイス10を用いて細胞分離を行う場合には、まず凹部20を有するウェル状の本体部12上に、血液由来の試料30を注入し、この状態で本体部12を所定時間揺動させ、内部の血液由来の試料30を撹拌させる。
これにより、本体部12の凹部20を除く上面に設けられた血小板トラップ領域14で血液由来の試料30中の血小板がトラップされることとなる。
この時、同時に血小板を除いた血液由来の試料30は、凹部20内に落ちて回収されることとなる。
この凹部20内に落ちて回収された血小板を除いた血液由来の試料30を、第2の実施形態の場合と同様、別途平面状に展開すると、CTCを含む残りの細胞が単層に広げられることとなる。
この状態で光学的な検出手段(図示せず)を用いて検出することにより、血液循環がん細胞(CTC)の有無や個数、あるいは細胞の状態などを精度良く検出することができる。
なお、凹部20内に落ちた血小板を除いた血液由来の試料30が少量で、凹部20の底面にCTCを含めた細胞が単層に広がっている場合には、凹部20の底面に検出手段(図示せず)の焦点位置を合わせて細胞を検出することにより、血液循環がん細胞(CTC)の有無や個数、あるいは細胞の状態などを精度良く検出することができる。このような方法を用いた場合には、血小板を除いた血液由来の試料30を別途平面状に展開する必要がないため、CTCの検出ロスを生ずることがなくCTCの検出精度を高めることができる。
以上、本発明の細胞分離デバイスおよびこれを用いた細胞分離方法について説明したが、本発明は上記の形態および方法に限定されるものではなく、例えば図1に示した実施形態における細胞分離デバイスでは、血小板トラップ領域が平らな平面状であるが、ここに微細な溝を形成しても良いなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
[実施例1]
本発明の細胞分離デバイス10およびこれを用いた細胞分離方法で、がん患者から採血された末梢血中の赤血球を除去後、血小板を分離し、さらに血小板を分離した末梢血中の種々の細胞の検出、特にはCTCの検出を行った。
<血液由来の試料30>
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)あるいはヘパリン硫酸等を用いて血液凝固を阻止した血液を、ウシ血清アルブミン(BSA)添加リン酸緩衝液食塩水(PBS)で希釈した。これを予めフィコール密度勾配媒体を入れた試験管内に重層し、室温にて遠心分離機を用いて遠心分離を行った。
遠心分離後、試験管内から単核球層を含む上層全てを採取し、採取管を回転させて良く混和し、これを血液由来の試料30とした。
この血液由来の試料30中には、単核球(単球,リンパ球),血小板,その他レア細胞(CTC,血管内皮細胞,血管内皮前駆細胞,幹細胞など)が含まれていると考えられる。
<細胞分離デバイス10>
図1に示した板状の本体部12から構成されてなる細胞分離デバイス10を用意し、この細胞分離デバイス10上の一方側40に、血小板と相互作用する物質を固定化し、血小板トラップ領域14を設けた。
血小板と相互作用する物質を本体部12上に固定化する方法としては、一般的な物理吸着法を用いた。
また、血小板と相互作用する物質としては、血小板の膜糖タンパク質(CD42b)に対する抗体(タカラバイオ社製)を用いた。
具体的には、重曹緩衝液(0.1M,pH9.6)で2〜5μg/mlに希釈した抗CD42b抗体を、血小板トラップ領域14に浸し、室温で3時間(あるいは4℃で一晩)反応させた。
血小板トラップ領域14に吸着しなかった抗CD42b抗体を回収し、0.05%Tweenを含むリン酸緩衝液食塩水(以下、PBSともいう)で洗浄した後、さらにPBSで洗浄を行った。
洗浄の終わった細胞分離デバイス10は、5%スキムミルクあるいは1%BSAで満たし、室温で2時間(あるいは4℃で一晩)反応させ、ブロッキングを行った。
ブロッキング終了後、再度PBSで洗浄した。なお、血小板トラップ領域14以外は、上記反応が起きないようにマスキングを行った。
なお、膜糖タンパク質と相互作用する抗体の固定化方法は、本法によらずポリマーの様な固体支持体を用いた化学結合を利用したものでも良い。
<細胞の展開および分離>
細胞分離デバイス10への血液由来の試料30の展開については、一般的なマイクロ流体デバイスと層流チャンバーを用いる方法と同様、流体による展開方法を用いた。
血液由来の試料30などの流体の導入および排出は、層流チャンバーの有する開口部を用い、流量をセットできるポンプの制御下で行った。
なお、ここでは血液由来の試料30あるいはPBSを往復送液しても良い。
まず、血小板トラップ領域14への血液由来の試料30の導入は、血小板が膜糖タンパク質と相互作用する抗CD42b抗体と確実に結合できるように、緩やかな流速10〜100μl/secで行い、しばらく放置して反応を完結させた後、PBSを同程度の流速で充分流して洗浄した。
次に、抗CD42b抗体との結合が弱い、CTCと血小板との複合体、およびその他非特異的な結合をした物質をかい離させるため、血小板トラップ領域14に、早い流速500〜1000μl/secでPBSを流した。
<細胞検出>
細胞分離デバイス10上の細胞を光学検出にて同定するために、蛍光免疫染色を行った。
まず、細胞内および細胞表面の抗原を保持するために、4%パラホルムアルデヒド(和光純薬社製)溶液で、15分間室温にて反応させ、充分な量のPBSで洗浄を行った後、細胞膜透過処理として0.1%Tweenを含むPBSで30分間反応させた。
次に、CTC染色用としてAlexa Flour647(インビトロジェン社製)で標識した抗CK抗体(Micromet社製)、白血球染色用にAlexa Flour488で標識した抗CD45抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc.)を含んだPBSを40分間反応させた。このうち最後の5分間は細胞核染色用にDAPI(同仁化学社製)溶液を添加した。
反応終了後は、充分な量のPBSを用いて数回、細胞分離デバイス10を洗浄し、余剰な抗体および蛍光色素を除去した。
上記の蛍光検出には、蛍光顕微鏡やイメージスキャナーなど、通常用いる検出手段を用いた。
細胞分離デバイス10の血小板トラップ領域14以外の領域(CTCトラップ領域16)にAlexa Flour647を励起するHe−Neレーザ(励起波長633nm)を照射し、CKを検出した。
また同時に、あるいは次に、Alexa Flour488を励起するArレーザ(励起波長488nm)を同様に照射してCD45を検出し、さらに水銀ランプを用いてDAPIをUV励起させ、細胞核を検出した。
これらの照射で得られたシグナルから、CK,DAPIが検出され、かつCD45が検出されないシグナルをCTCと同定した。
また確認のため、血小板トラップ領域14に上記のレーザを照射したところシグナルは認められなかった。
これにより、本発明の実施形態1に係る細胞分離デバイス10およびこれを用いた細胞分離方法を用いれば、血液由来の試料30中に含まれる複数種類の細胞の中から血小板を精度良く分離することができることが確認された。
したがって、血小板が分離された血液由来の試料30中のCTCを精度良く検出できることが確認された。
なお、上記した実施例1においては、末梢血中のCTCの検出を行ったが、本発明の細胞分離デバイス10およびこれを用いた細胞分離方法を用いれば、血液由来の試料30中の血小板を精度良く分離することができるため、他にも末梢血中の血管内皮細胞,血管内皮前駆細胞,各種幹細胞等のレア細胞検出にも利用され得ると考えられる。
10・・・細胞分離デバイス
12・・・本体部
14・・・血小板トラップ領域
16・・・血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域
18・・・溝
20・・・凹部
30・・・血液由来の試料
40・・・一方側
42・・・他方側
T・・・溝幅
H・・・溝深さ
E・・・直径
100・・・試験管
200・・・血液由来の試料
202・・・血漿
204・・・血小板
206・・・白血球
208・・・赤血球
300・・・血液循環がん細胞(CTC)

Claims (17)

  1. 血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から、所望の細胞を分離するための細胞分離デバイスであって、
    前記細胞分離デバイスが、複数の凹部を有するウェル状の本体部を備え、
    前記ウェル状の本体部の複数の凹部を除く上面には、前記血液由来の試料中の血小板をトラップする血小板トラップ領域が設けられ、
    前記血小板トラップ領域は、前記ウェル状の本体部の複数の凹部を除く上面に前記血小板と相互作用する物質が固定化されてなることを特徴とする細胞分離デバイス。
  2. 前記凹部の直径が1〜500μmの範囲内であることを特徴とする請求項に記載の細胞分離デバイス。
  3. 前記複数の凹部が、
    血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞をトラップするための血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞分離デバイス。
  4. 前記血液由来の試料が、予め赤血球の分離処理が行われた後の試料であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の細胞分離デバイス。
  5. 前記赤血球の分離処理が、密度勾配遠心分離法によってなされていることを特徴とする請求項に記載の細胞分離デバイス。
  6. 前記密度勾配遠心分離法の際に用いる分離媒体の比重が、
    赤血球よりも小さくまた白血球よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の細胞分離デバイス。
  7. 前記血小板と相互作用する物質が、前記血小板の細胞膜上に発現している膜糖タンパク質と相互作用する物質であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の細胞分離デバイス。
  8. 前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、前記膜糖タンパク質と相互作用する抗体であることを特徴とする請求項に記載の細胞分離デバイス。
  9. 前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、解離定数(KD)が10-7〜10-6Mの範囲内の物質であることを特徴とする請求項またはに記載の細胞分離デバイス。
  10. 血液由来の試料中に含まれる複数種類の細胞の中から、所望の細胞を分離するための細胞分離方法であって、
    前記細胞分離方法は、
    複数の凹部を有するウェル状の本体部の前記複数の凹部を除く上面に、前記血液由来の試料中の血小板と相互作用する物質が固定化されてなる血小板トラップ領域が設けられた細胞分離デバイスを用意し、前記細胞分離デバイスの前記血小板トラップ領域上に前記血液由来の試料を供給し、前記血小板トラップ領域において前記血液由来の試料中の前記血小板をトラップする工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする細胞分離方法。
  11. 前記血小板をトラップする工程において、
    前記細胞分離デバイスは、前記複数の凹部が、血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞をトラップするための血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域であり、
    前記血液循環がん細胞(CTC)トラップ領域で、前記血液循環がん細胞(CTC)およびその他の細胞のトラップがなされることを特徴とする請求項10に記載の細胞分離方法。
  12. 前記血液由来の試料が、予め赤血球の分離処理が行われた後の試料であることを特徴とする請求項10または11に記載の細胞分離方法。
  13. 前記赤血球の分離処理が、密度勾配遠心分離法によってなされていることを特徴とする請求項12に記載の細胞分離方法。
  14. 前記密度勾配遠心分離法の際に用いる分離媒体の比重が、
    赤血球よりも小さくまた白血球よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の細胞分離方法。
  15. 前記血小板と相互作用する物質が、前記血小板の細胞膜上に発現している膜糖タンパク質と相互作用する物質であることを特徴とする請求項1014のいずれかに記載の細胞分離方法。
  16. 前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、前記膜糖タンパク質と相互作用する抗体であることを特徴とする請求項15に記載の細胞分離方法。
  17. 前記膜糖タンパク質と相互作用する物質が、解離定数(KD)が10-7〜10-6Mの範囲内の物質であることを特徴とする請求項15または16に記載の細胞分離方法。
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