JP5741770B2 - 分光測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源部、光源部から入射した光を分光する分光素子及び分光された光を検出する光検出器を備えた分光測定装置に関するものである。分光測定装置は吸光度測定装置及び蛍光測定装置を含む。それらの分光測定装置は単独の測定装置としても使用されるが、例えば液体クロマトグラフやフローインジェクション分析装置などの分析装置の検出器としても使用される。
分光測定装置を液体クロマトグラフの検出器として使用した例として、分光器の光検出器にフォトダイオードアレイ(PDA)を使用したフォトダイオードアレイ吸光度検出器を挙げることができる。フォトダイオードアレイ吸光度検出器では、光源から発した光を液体クロマトグラフの流出液が流れるフローセルに照射し、そのフローセルを通過した光を回折格子によって分光しフォトダイオードアレイ上に集光することにより、フローセルに流入する分析試料の吸光スペクトルを測定する。
光源としてはランプが使用され、ランプを格納する光源室の他、光源室を冷却する冷却手段をもつことが通例である。これは、光源に使用するランプに、通常、最適な発光を実現するための最適管面温度が設定されており、ランプ管面がこの温度となるように光源室を冷却することが必要なためである。冷却手段としては、安価で冷却効率も高い強制空冷ファンを用いることが多い。
フォトダイオードアレイ吸光度検出器のようなシングルビーム測光方式の分光光度計の場合、装置周辺の室温が変化すると、光源の光量変化や分光器の熱膨張による変形等により、フォトダイオードアレイに入射する光量が変動し、これによってベースラインのノイズやドリフトが生じる。このため、分光光度計の高感度化を実現するためには、フォトダイオードアレイに入射する光を安定に保つことが重要である。
室温変化に伴う光源の光量変動を抑えるために、空冷ファンの回転数を室温の変化に応じて変化させて光源の温度を一定に保つことで、光源の光量変動を抑え、ノイズ・ドリフトの低減を図っている例がある(例えば、特許文献1参照。)。
特許第4448808号公報
しかしながら、その方法では、室温変動による光源の光量変動は抑えられるものの、分光器側の温度変化は制御できない。そのため、分光器の温度変動によって分光器や回折格子等の光学素子が熱膨張により変形し、これにより分光されてフォトダイオードアレイ上に集光される光のスペクトルが変動する。その結果、クロマトグラフ上にノイズやドリフトが発生してしまう。
分光器の温度変動によって生じる問題を、フォトダイオードアレイ吸光度検出器を例にして説明したが、この問題はフォトダイオードアレイ吸光度検出器に限ったことではなく、分光器を備えた分光測定装置に共通する問題である。
本発明は、分光測定装置の分光器出力において、ベースラインのノイズ・ドリフト等の室温変動による影響を低減することを目的とするものである。
本発明は下記の手段を実行することにより、室温変動に起因したベースラインのノイズ・ドリフト等を低減する。
(1)光源室と分光器を熱的に導通させ、光源室の熱が分光器に伝わるようにする。
(2)温度測定手段を用いて室温をモニターし、室温に変動が生じた場合は、これに合わせて光源室への冷却風量を変更して光源室の温度変化を介して分光器の温度を一定に保つ。
以上の(1)と(2)の手段は本発明では必須である。その場合、本発明では光源室の温度が一定になるように制御しないので、光源の光量変動が生じる。光検出器としてフォトダイオードアレイを使用する場合は、光源の光量が変動しても、フォトダイオードアレイ上に入射する光のスペクトル中から特定の波長の光を選択し、その波長を参照光として光量モニターすることで光源由来の光量変動の補正が可能である。そこで、光源の光量変動が測定結果に影響を及ぼす場合には次の手段(3)を追加する。
(3)光検出器としてフォトダイオードアレイを使用し、フォトダイオードアレイ上に入射する光のスペクトル中から特定の波長の光を選択し、その波長を参照光として光量を監視し、光源の光量変動を補正する。光量を監視する波長としては、分光器内の光路が試料を通過しない場合はどの波長を選択してもよい。しかし、分光器内の光路が試料を通過する場合は、その特定の波長としては試料による吸収の生じない波長を選択する。
本発明は、光源の温度を一定に保って光量変動を抑えるよりも、分光器の温度を一定に保って分光器出力であるスペクトルの変動を抑える方が、室温変動に伴うノイズ・ドリフトを抑える上では重要であるとの視点に立っている。
本発明の分光測定装置は、光源室内に光源を収容している光源部と、前記光源部からの光を入射させる光学窓を有する筐体内に、前記光源部から入射した光を分光する分光素子及び分光された光を検出する光検出器を備え、前記光源部に熱的導通状態を保って接触している分光器と、前記光源部及び分光器を覆うカバーと、前記カバーの開口部に設けられ、前記カバーの外部から前記光源部に冷却風を送風する送風手段と、前記送風手段から送られる前記冷却風の温度を検出する第1温度センサと、前記分光器の温度を検出する第2温度センサと、前記第2温度センサの検出温度が所定の一定温度になるように、前記第1温度センサの検出温度に基づいて前記送風手段の風量を調節する制御部と、を備えている。
そして、前記制御部は、前記第1温度センサの検出温度変化に対する前記第2温度センサの検出温度変化の割合を示す第1温度係数を保持する第1温度係数保持部と、前記送風手段の風量変化に対する前記第2温度センサの検出温度変化の割合を示す第2温度係数を保持する第2温度係数保持部と、第1温度係数保持部に保持された第1温度係数と第2温度係数保持部に保持された第2温度係数を用いて、前記第2温度センサの検出温度が所定の一定温度から変化した分を打ち消すために必要な前記送風手段の風量変化量を算出する風量変化量算出部と、前記風量変化量算出部で算出された風量変化量に基づいて前記送風手段の駆動を制御する送風手段駆動制御部と、を備えている。
言い換えると、制御部は、室温の温度変化に対する分光器の温度変化の割合を示す第1温度係数と、送風手段の風量変化に対する分光器の温度変化の割合を示す第2温度係数を保持しておき、その第1温度係数と第2温度係数を用いて、分光器の温度が所定の一定温度から変化した分を打ち消すために必要な送風手段の風量変化量を算出し、その算出した風量変化量に基づいて送風手段の駆動を制御するものである。
好ましい形態では、前記制御部は、前記風量変化量算出部で算出された風量変化量に基づく前記送風手段の駆動制御後に、前記第2温度センサの検出温度が前記所定の一定温度になるように前記送風手段の駆動を制御するフィードバック制御部をさらに備え、前記送風手段駆動制御部はさらに前記フィードバック制御部の指示に基づいて前記送風手段の駆動を制御する。これは、風量変化量算出部で算出された風量変化量に基づく送風手段の駆動制御だけでは分光器の温度と所定の一定温度との間に温度差が生じている場合を想定したものである。その場合は、分光器の温度を第2温度センサにより検出し、温度差をなくすように送風手段の駆動を通して行うフィードバック制御を追加するものである。これにより、分光器の温度制御の精度が向上する。
本発明は光源部の温度は一定になるように制御されない。むしろ、光源部の温度を変化させることを介して分光器の温度を一定に保つものである。そのため、光源部の温度変動に起因する光量変動が生じる。その光量変動を補正するための形態では、光検出器はフォトダイオードアレイであり、光検出器の検出出力を処理するデータ処理部を備えており、そのデータ処理部はフォトダイオードアレイの特定の受光素子の出力に基づいて光源部からの光量の変動を補正する光量変動補正部を備えている。特定の受光素子とは分光された波長のうちの特定の波長を検出する受光素子である。光検出器に入射する光が試料液を透過したものである場合には、その特定の波長は試料液により吸収を受けない波長であることが好ましい。
一実施形態においては、分光器を光源部に熱的導通状態を保って接触させるための一例として、光源部の光源室と分光器の筐体はともに熱伝導性材料で構成され、それらの間に熱伝導性材料からなるスーサを介して接触しているものを挙げることができる。
第1温度センサは室温を検出するものであるが、ここでの室温とは送風手段から送られる冷却風の温度である。その冷却風の温度を検出するための第1温度センサの好ましい配置位置は、カバー内で冷却風が直接あたる位置である。
第2温度センサは分光器の温度を検出するものであるので、一例として分光器の筐体の内壁に接触して取り付けられている例を挙げることができる。筐体が熱伝導性材料で構成されている場合には分光器の温度をより正確に検出することができる。
本発明の分光測定装置は種々の用途に利用することができるが、その典型的な用途は液体クロマトグラフの検出器である。その場合、この分光測定装置は、分光器内の光路上に液体クロマトグラフから流出した測定対象試料液が流通する試料セルを備えている構成をもつ。
液体クロマトグラフの検出器としての使用では、吸光度測定のほか、蛍光測定も行われる。吸光度測定を行う形態では、光検出器は試料セルを透過した光を検出する位置に配置されて、この分光測定装置が吸光度測定装置となる。
本発明では、分光器の温度が一定に保たれるので、分光器によりスペクトル測定を行う場合は、分光器内の光学素子の熱膨張による変形に起因したスペクトル変動が抑制される。
分光器の温度を基準して温調が実施されるため、光源の表面温度は室温変動によって変化し、光源の光量は変動するが、光源の光量変動は必要により補正することができるので、ベースラインのノイズ・ドリフトを低減させることに関しては、光源の表面温度を一定に保つように制御する場合よりも効果を発揮する。
一実施例を概略的に示す構成図である。 同実施例の制御系を示すブロック図である。 分光器温度Tmと室温Trとの関係を示すグラフである。 分光器温度Tmとファン風量Fとの関係を示すグラフである。 一実施例における室温Trに基づく制御動作を示すフローチャートである。 同実施例における分光器温度Tmに基づくフィードバック動作を示すフローチャートである。 一実施例における光量変動補正動作を示すフローチャートである。
図1は、一実施例の構成を概略的に示す図である。ここでは分光測定装置の一例として、多波長検出機能を備えた液体クロマトグラフ用フォトダイオードアレイ吸光度検出器について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の分光測定装置、例えば蛍光測定装置などとしても使用することができる。
この分光測定装置は、カバー2で覆われた空間内に、主要な構成要素として、光源部4と分光器6を備えている。カバー2は外部からの光が迷光として侵入するのを防ぐために、
表面が黒色の陽極酸化被膜、いわゆるアルマイト処理が施されたアルミニウム製である。
光源部4の光源室8の内部には光源10が備えられている。光源室8を構成する筐体は熱伝導性金属製であり、例えばアルミニウムによって形成されている。光源10としては、特に限定されるものではないが、重水素ランプ等の放電灯やタングステンランプ等が使用される。光源10から放射された光は窓板(図示は省略)とスペーサ12を介して分光器6に照射される。スペーサ12も熱伝導性金属製であり、例えばステンレスによって形成されている。
分光器6は、その筐体14内に、光源部4からの光が経由する順に、光学窓の窓板(図示は省略)、集光鏡16、フローセル18、集光鏡20、スリット22、分光素子としての凹面回折格子24、及び光検出器としてのフォトダイオードアレイ26が設けられている。筐体14も熱伝導性金属製であり、例えばアルミニウムによって形成されている。光源室8からの光は集光鏡16によってフローセル18で集光される。フローセル18を透過した光は集光鏡20によってスリット22に集光される。スリット22を通過した光は回折格子24で分光される。フォトダイオードアレイ26は回折格子24により分光された複数波長の光についてそれぞれの位置にある受光素子がそれぞれの波長の光強度を検出する。
フローセル18には液体クロマトグラフ19からの流出液が試料として供給される。この実施例の分光測定装置は、液体クロマトグラフ19の検出器としてのフォトダイオードアレイ吸光度検出器である。
光源室8の筐体、スペーサ12及び分光器の筐体14の材質として上に示したのは一例であり、熱伝導性金属であれば特に限定されるものではない。アルミニウム、ステンレス、真鍮、銅、鉄など、適宜選択して使用することができる。
光源室8と分光器6は、それらの間の熱伝導を良好にするために熱伝導性金属からなるスペーサ12を介して挟んで配置され、熱的導通状態を保って接触している。スペーサ12は光通過のための開孔を有する一体のものとすることができる。光源室8から分光器6へ熱が流れる部分の断面積が大きい方が熱抵抗が小さくなるので、一体型のスペーサでその断面積の大きいものが好都合である。しかし、スペーサ12は互いに分離された複数個のブロックからなるものであってもよい。また、スペーサ12を介することなく、光源室8と分光器6を直接に接触するように配置してもよい。
光源室8を冷却するために、カバー2の開口部にはカバー2の外部から光源室8に冷却風を送風する送風手段としてのファン28が設けられている。
室温としてファン28から送られた冷却風の温度を検出する第1温度センサとしてカバー2内にはサーミスタ30が設けられている。サーミスタ30は冷却風が直接あたる位置に配置されていることが好ましい。
分光器6の温度を検出する第2温度センサとしてサーミスタ32が設けられている。サーミスタ32は分光器6の筐体14の内壁に接触して取り付けられている。分光器6で最も温度の影響を受けるのは分光素子である凹面回折格子24であるので、サーミスタ32は凹面回折格子24の近傍に配置することが好ましい。
分光器温度測定用サーミスタ32の検出温度が所定の一定温度になるように制御するために制御部34が設けられている。サーミスタ30とサーミスタ32は制御部34に接続され、制御部34はサーミスタ30,32の出力信号(温度)に応じてファン28の風量を制御する。制御部34はCPU、RAM、ROM、EPROM(又はEEPROM)などを含むマイクロコンピュータを中心に構成されている。制御部34はこの実施例ではカバー2内に配置されてこの分光測定装置に専用の制御部となっているが、カバー2の外部に配置することもできる。制御部34をカバー2の外部に配置する場合は、制御部34はこの分光測定装置専用のCPU等以外の、例えばこの分光測定装置が接続される液体クロマトグラフの制御装置や、さらに外部のワークステーションやパーソナルコンピュータにより実現することもできる。
制御部34は図2に示されるように構成されている。この構成はマイクロコンピュータに搭載されたプログラムにより実行される機能とEPROMに保持されたデータである。制御部34での制御の概要を示すと次のようになる。
光源室8は熱伝導性のよい金属製のスペーサ12によって分光器6と接続されているので、光源室8からの熱が分光器6に伝えられる。冷却ファン28の風量と室温が一定の場合、分光器6の温度はある一定温度Tmになる。このTmはファン28の風量Fとサーミスタ30により検出される室温Trによって決まるので、Tm(F,Tr)とあらわすことができる。
いま、室温TrがΔTだけ変化したとすると、Tmは
Figure 0005741770
となるので、Tmを一定に保つためには、(∂Tm/∂Tr)・ΔTを相殺するように制御部34はファン28の風量Fを変更する。すなわち、ファン28の風量の変化量をΔFとすると、制御部34の風量変化量算出部46は、サーミスタ30の検出出力から室温Trの変化量ΔTを取り込み、第1温度係数保持部40から第1温度係数としての微分係数(∂Tm/∂Tr)を、第2温度係数保持部42から第2温度係数としての微分係数(∂Tm/∂F)を取り込んで、
Figure 0005741770
の関係式に基づいてファン28の風量変化量ΔFを算出する。送風手段駆動制御部48は風量変化量算出部46が算出した風量変化量ΔFに基づいてファン28の風量を変化させる。
このときの第1温度係数である微分係数(∂Tm/∂Tr)は、組み立てた分光測定装置について、図3に示されるように、サーミスタ30により検出される室温Trとサーミスタ32により検出される分光器温度Tmとの関係をいくつかの条件で予め実測して求め、第1温度係数保持部40に記憶しておく。第2温度係数である他の微分係数(∂Tm/∂F)も同様にして、組み立てた分光測定装置について、図4に示されるように、ファン28の風量Fとサーミスタ32により検出される分光器温度Tmとの関係をいくつかの条件で予め実測して求め、第2温度係数保持部42に記憶しておく。図3、図4では、室温Trに対する分光器温度Tmの関係もファン28の風量Fに対する分光器温度Tmの関係も直線的に変化するように示しているが、これは模式的に示したものにすぎない。第1温度係数(∂Tm/∂Tr)と第2温度係数(∂Tm/∂F)は、通常の使用状態における基本的な分光器温度Tm、例えば20℃を設定し、その温度での微分係数として求めておく。
第1温度係数保持部40と第2温度係数保持部42はメモリの一例としてのEPROMにより実現される。EPROMに替えて電気的に消去可能なEEPROM、又は他のメモリ装置を使用することもできる。
上式(1)により、室温Trの変動に応じて分光器14の温度Tmが一定になるようファン28の風量を制御する動作を図5に示す。制御部34はサーミスタ30から室温Trを取り込み、予め設定してある基準温度Tr0、例えば20℃、と比較してその差異ΔTを算出する。上式(1)によりそのΔTを打ち消すためのファン28の風量変化量ΔFを算出し、その風量変化量ΔFによりファン28を駆動制御する。この動作は測定操作中は継続して行われる。
上式(1)により、室温Trの変動に応じて分光器14の温度Tmが一定になるようファン28の風量を制御するのが基本である。しかし、実際には第1温度係数(∂Tm/∂Tr)と第2温度係数(∂Tm/∂F)はいくつかの測定条件で得られた近似値であるため、上式(1)のみで完全に分光器6の温度Tmを一定に保つことは難しい。
そこで、上式(1)で得られる風量変化量ΔFに基づいてファン28の風量を変化させることにより達成される分光器6の温度変動(近似値)と、実際の分光器の温度変動との差を補正するため、フィードバック制御部50が設けられている。フィードバック制御部50は、サーミスタ32によって分光器6の温度Tmをモニターしている。そして、送風手段駆動制御部48が風量変化量算出部46が算出した風量変化量ΔFに基づいてファン28の風量を変化させる動作を行った後の一定時間後、例えば数分後、分光器6の温度Tmと所定の一定温度の間に差異が生じている場合に、その差異を最小となるようにファン28の風量Fを補正する。フィードバック制御部50によるファン28の風量Fを補正も送風手段駆動制御部48を介して行う。
フィードバック制御部50によるフィードバック制御の動作を図6に示す。上式(1)による室温Trの変動に応じたファン28の風量制御を行った後の一定時間後、制御部34はサーミスタ32から分光器温度Tmを取り込み、それが達成しようとする所定の一定温度に到達していない場合に、ファン28の風量を変化させて分光器温度Tmがその一定温度になるようにフィードバック制御する。このフィードバック制御も測定操作中は継続して行われる。
この方法により、分光器6の温度を一定に保ち、室温Trの変動に伴うフォトダイオードアレイ26上のスペクトル変動を抑えることができる。
本発明では光源室8の温度を一定になるように制御していないので、分光器温度を一定にするために光源室8の温度が変動する。光源室8の温度変動にともなう光量変化が測定結果に影響を与えることを避けるために、好ましい実施例として光量補正手段を備えている。
その概要を図6に示す。光検出器であるフォトダイオードアレイ26の検出出力を処理してスペクトル解析や定量値の算出をするためにデータ処理部60が設けられている。そのデータ処理部60はフォトダイオードアレイ26の特定の受光素子の出力に基づいて光源部4からの光量の変動を補正する光量変動補正部62を備えている。
具体的には、光量変動補正部62はフォトダイオードアレイ26上に入射する光のスペクトル中からフローセル18を流れる試料による吸収の生じない波長の光を選択し、その波長の光を参照光として光源10の光量変動を補正する。この光量変動補正を行うことにより、光源10の温度を一定に制御するよりも優れたベースライン安定化が実現できる。
データ処理部60は、この実施例のようにこの分光測定装置が液体クロクトグラフの検出器として使用される場合には、その液体クロクトグラフに設けられたコンピュータにより実現される。
このような光源の温度変化による光量変動の補正を行なわない場合でも、分光器6の温度が一定に保たれることで、フォトダイオードアレイ26上でのスペクトル変動が抑えられるため、ファン28の風量制御を全く行なわない場合に比べて、ベースラインは安定化する。
2 カバー
4 光源部
6 分光器
8 光源室
10 光源
12 スペーサ
14 分光器の筐体
19 液体クロマトグラフ
24 凹面回折格子
26 フォトダイオードアレイ
28 ファン
30,32 サーミスタ
34 制御部
40 第1温度係数保持部と、
42 第2温度係数保持部と、
46 風量変化量算出部と、
48 送風手段駆動制御部
50 フィードバック制御部
60 データ処理部
62 光量変動補正部

Claims (8)

  1. 光源室内に光源を収容している光源部と、
    前記光源部からの光を入射させる光学窓を有する筐体内に、前記光源部から入射した光を分光する分光素子及び分光された光を検出する光検出器を備え、前記光源部に直接又は熱伝導性材料からなる部材を介して熱的導通状態を保って接触している分光器と、
    前記光源部及び分光器を覆うカバーと、
    前記カバーの開口部に設けられ、前記カバーの外部から前記光源部に冷却風を送風する送風手段と、
    前記送風手段から送られる前記冷却風の温度を検出する第1温度センサと、
    前記分光器の温度を検出する第2温度センサと、
    前記第2温度センサの検出温度が所定の一定温度になるように、前記第1温度センサの検出温度に基づいて前記送風手段の風量を調節する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1温度センサの検出温度変化に対する前記第2温度センサの検出温度変化の割合を示す第1温度係数を保持する第1温度係数保持部と、
    前記送風手段の風量変化に対する前記第2温度センサの検出温度変化の割合を示す第2温度係数を保持する第2温度係数保持部と、
    第1温度係数保持部に保持された第1温度係数と第2温度係数保持部に保持された第2温度係数を用いて、前記第2温度センサの検出温度が所定の一定温度から変化した分を打ち消すために必要な前記送風手段の風量変化量を算出する風量変化量算出部と、
    前記風量変化量算出部で算出された風量変化量に基づいて前記送風手段の駆動を制御する送風手段駆動制御部と、
    を備えている分光測定装置。
  2. 前記制御部は、前記風量変化量算出部で算出された風量変化量に基づく前記送風手段の駆動制御後に、前記第2温度センサの検出温度が前記所定の一定温度になるように前記送風手段の駆動を制御するフィードバック制御部をさらに備え、
    前記送風手段駆動制御部はさらに前記フィードバック制御部の指示に基づいて前記送風手段の駆動を制御する請求項1に記載の分光測定装置。
  3. 前記光検出器はフォトダイオードアレイであり、
    前記光検出器の検出出力を処理するデータ処理部を備えており、
    前記データ処理部は前記フォトダイオードアレイの特定の受光素子の出力に基づいて前記光源部からの光量の変動を補正する光量変動補正部を備えている請求項1又は2に記載の分光測定装置。
  4. 前記分光器を前記光源部に熱的導通状態を保って接触させるために、前記光源部の光源室と前記分光器の筐体はともに熱伝導性材料で構成され、それらの間に熱伝導性材料からなるスベーサを介して接触している請求項1から3のいずれか一項に記載の分光測定装置。
  5. 前記第1温度センサは前記カバー内で前記送風手段から送られた前記冷却風が直接あたる位置に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の分光測定装置。
  6. 前記第2温度センサは前記分光器の前記筐体の内壁に接触して取り付けられている請求項1から5のいずれか一項に記載の分光測定装置。
  7. 前記分光器内の光路上に液体クロマトグラフから流出した測定対象試料液が流通する試料セルを備えている請求項1から6のいずれか一項に記載の分光測定装置。
  8. 前記光検出器は前記試料セルを透過した光を検出する位置に配置されて、この分光測定装置が吸光度測定装置となっている請求項7に記載の分光測定装置。
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