JP5741277B2 - 重合体及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

重合体及び硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、重合体、及び該重合体を含有する硬化性樹脂組成物に関する。
デジタルカメラや携帯電話等に搭載される固体撮像素子等の光電変換素子は、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconductor)のような受光部(光電変換機構)を、複数二次元的に配列させた構造を有する。このような光電変換素子は、従来よりも素数を増すことが求められてきている。すなわち、光電変換素子は、ますます各画素の微細化が進められている。これに伴い光電変換素子の単位画素あたりの受光量は、非常に小さくなってきている。
受光部が受ける光量が不足すると、撮像される画像の品質は低下してしまう。そのため、画素あたりの受光量を大きくする方法として、例えば、素子に光導波路を設けることが提案されている。光導波路を形成する例として、特許文献1には、光導波路を屈折率の高い材料によって形成することが記載されている。同文献には、このような高屈折率材料として、透明性の高い樹脂と、酸化チタン等の屈折率の高い金属酸化物粒子とのコンポジット材料を用いることが開示されている。
また、特許文献2には、ある種のポリアミック酸、およびそのイミド化重合体を用いて、光学用部材の屈折率を高める試みが開示されている。
特開2008−091744号公報 特開2008−274234号公報
しかし、光電変換素子の画素が非常に小さくなってきていることに伴い、光導波路の寸法も非常に小さくなってきている。すなわち、光導波路は、受光面の面積が小さく、導波経路の長い形状(アスペクト比の大きい形状)となってきている。
そのため、光導波路を形成する工程において、上記特許文献1に開示された樹脂組成物を用いる場合、光導波路のための開口の全体にわたって均一に材料を充填することが難しくなってきている。
そこで、例えば、上記特許文献2に開示された樹脂のように、光導波路を形成する樹脂自体の粘度を低下させることができれば、埋め込み性は良好となると考えられる。
しかしながら、同文献に開示されたポリイミド樹脂などは、比較的低分子量体であるため、溶剤耐性が不十分となることが懸念される。そのため、導波路部の上層にカラーフィルター、反射防止膜、または平坦化膜等を形成する場合、これらと混合して白化したり、半田リフロー工程において加熱による着色を生じ、集光性を損なう等のおそれがあった。
本発明の目的は、屈折率が高く、透明性に優れ、さらに、溶剤耐性に優れた、光導波路に好適な組成物およびその硬化物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合体によると、本発明の上記課題を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[11]を提供するものである。
[1]1つ以上のチアントレン骨格を含むポリアリーレンスルフィド鎖と、反応性官能基とを含有する重合体であって、前記反応性官能基がメルカプト基、ビニルフェニル基、(1−メチルビニル)フェニル基、または(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする重合体。
]下記一般式(1)または(2)で表される前記[1]に記載の重合体。
Figure 0005741277
(上記一般式(1)中、RはRは炭素数1〜20の二価の炭化水素基、硫黄原子、またはスルホニル基である。Rは水素原子、(メタ)アクリロイル基、またはビニルベンジル基である。一般式(1)の各々複数存在するR及びRはそれぞれ異なっていても同じでもよい。nは1〜30の整数である。)
Figure 0005741277
(上記一般式(2)中、Rは上記一般式(1)のRと同様である。Xは硫黄原子または酸素原子である。Rはビニル基、イソプロペニル基、または(メタ)アクリロキシ基である。一般式(2)の各々複数存在するR、R、及びXはそれぞれ異なっていても同じでもよい。nは1〜30の整数である。)
]Rが9,9−フルオレニレン基である前記[]に記載の重合体。
]前記[1]〜[]のいずれかに記載の重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、前記架橋剤が、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能ビニルエーテル化合物、多官能ビニルアリール含有化合物、及び多官能メラミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である硬化性樹脂組成物。
]Rが水素原子である上記一般式(1)で表される重合体と、多官能メラミン化合物とを含有する前記[4]に記載の硬化性樹脂組成物。
]Rが水素原子である上記一般式(1)で表される重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含有する前記[4]に記載の硬化性樹脂組成物。
]Rがp−ビニルベンジル基、m−ビニルベンジル基、またはo−ビニルベンジル基である上記一般式(1)で表される重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含有する前記[4]に記載の硬化性樹脂組成物。
]Xが酸素原子、Rがイソプロペニル基である上記一般式(2)で表される重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含有する前記[4]に記載の硬化性樹脂組成物。
]前記[]〜[]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
10]前記[]に記載の硬化物で形成された光学部品。
11]前記[10]に記載の光学部品を具備する電子機器。
本発明の重合体は、屈折率が高く、透明性に優れ、さらに、溶剤耐性に優れた硬化物を形成することができる。
また、本発明の重合体、及び、該重合体を含有する硬化性樹脂組成物から得られた硬化物は光学部品に適している。
実施例1で得られた化合物のH−NMRスペクトルを表す図である。 実施例2で得られた化合物のH−NMRスペクトルを表す図である。 実施例3で得られた化合物のH−NMRスペクトルを表す図である。
以下、本発明の重合体について詳しく説明する。
本発明の重合体は、1つ以上のチアントレン骨格を含むポリアリーレンスルフィド鎖と、反応性官能基と、を含有する。
前記反応性官能基としては、例えば、メルカプト基、ビニルフェニル基、(1−メチルビニル)フェニル基、及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。中でも溶剤耐性の観点からメルカプト基及びビニルフェニル基が好ましい。
また、1つ以上のチアントレン骨格を含むポリアリーレンスルフィド鎖と、反応性官能基とを含有する重合体の具体例としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005741277
(上記一般式(1)中、RはRは炭素数1〜20の二価の炭化水素基、硫黄原子、またはスルホニル基である。Rは水素原子、(メタ)アクリロイル基、またはビニルベンジル基である。一般式(1)の各々複数存在するR及びRはそれぞれ異なっていても同じでもよい。nは1〜30の整数である。)
は好ましくは炭素数10〜15の二価の炭化水素基である。具体的には9,9−フルオレニレン基が好ましい例として挙げられる。Rは好ましくは水素原子、及びビニルベンジル基(p−ビニルベンジル基、m−ビニルベンジル基、またはo−ビニルベンジル基)である。nは好ましくは1〜20である。
なお、一般式(1)中、チアントレン骨格は2つのベンゼン環が2つの−S−構造で結合されている構造である。
一般式(1)で示される化合物は、例えば、ジハロゲン化チアントレンとジチオール化合物との重縮合反応をジチオール化合物を過剰に仕込んで行い、その後、必要に応じてクロロメチルスチレン等を反応させることによって得ることができる。
さらに、1つ以上のチアントレン骨格を含むポリアリーレンスルフィド鎖と、反応性官能基とを含有する重合体の他の具体例としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005741277
(上記一般式(2)中、Rは上記一般式(1)のRと同様である。Xは硫黄原子または酸素原子である。Rはビニル基、イソプロペニル基、または(メタ)アクリロキシ基である。一般式(2)の各々複数存在するR、R、及びXはそれぞれ異なっていても同じでもよい。nは1〜30の整数である。)
は好ましくは炭素数10〜15の二価の炭化水素基である。具体的には9,9−フルオレニレン基が好ましい例として挙げられる。Rは好ましくはイソプロペニル基である。Xは好ましくは酸素原子である。nは好ましくは1〜20である。
一般式(2)で示される化合物は、例えば、ジハロゲン化チアントレンとジチオール化合物との重縮合反応を、ジハロゲン化チアントレンを過剰に仕込んで行い、その後、イソプロペニルフェノールやヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等を反応させることによって得ることができる。
本発明の重合体を硬化させてなる硬化体の633nmにおける屈折率は、好ましくは1.60以上であり、より好ましくは1.65以上であり、特に好ましくは1.70以上である。また、上記重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量は、加工性(溶液にした場合の塗布しやすさ)、特に光学部品への埋め込み性の観点から、好ましくは1,000〜10,000であり、より好ましくは1,500〜8,000である。
以下、本発明の重合体と架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物について説明する。
架橋剤の例としては、多官能化合物が挙げられる。多官能化合物の例としては、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能ビニルエーテル化合物、多官能ビニルアリール含有化合物、及び多官能メラミン化合物等が挙げられる。また、架橋剤は、これらの化合物の1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの架橋剤の中でも、保存安定性、及び低温硬化性の観点から、分子内にメチロール基およびアルコキシ化メチル基の両方、または、これら2種の基のいずれか一方を2個以上有する多官能メラミン化合物が好ましい。
また、これらの多官能メラミン化合物の中でも、反応性、及び保存安定性を両立できる観点から、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラミン化合物等のメチロールメラミンのアルキルエーテル化物、メチロールメラミンの縮合物のアルキルエーテル化物が、より好ましい。
なお、多官能(メタ)アクリレート化合物の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルエステル類が挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルジアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、エポキシ基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
多官能ビニルエーテル化合物としては、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等のアルキルジビニルエーテルが挙げられる。
多官能ビニルアリール含有化合物としては、ジビニルベンゼン、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合オリゴマー、特開2010−031272号公報に開示されているビニルフェニル基含有ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、後述する有機溶剤を除いた組成物全体の質量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。架橋剤の含有量が、この範囲内にあれば、得られる硬化物に溶剤耐性を付与することができる。
上述した本発明の重合体と架橋剤とは、いかなる組み合わせで用いてもよいが、例えば、Rが水素原子である上記一般式(1)で表される重合体と多官能メラミン化合物、Rが水素原子である上記一般式(1)で表される重合体と多官能(メタ)アクリレート化合物、Rがp−ビニルベンジル基、m−ビニルベンジル基、またはo−ビニルベンジル基である上記一般式(1)で表される重合体と多官能(メタ)アクリレート化合物、又は、Xが酸素原子、Rがイソプロペニル基である上記一般式(2)で表される重合体と多官能(メタ)アクリレート化合物と、を含有する硬化性樹脂組成物が好ましい。
本発明の重合体、または、該重合体と架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物、を硬化させてなる硬化物は、硬化物の全質量に対して、上記重合体を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましい。したがって、本発明の重合体、または該重合体と架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物は、20質量%以下の範囲で上述の重合体以外の物質を含有してもよい。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物は、更に、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル開始剤、または光ラジカル開始剤を含むことができる。
熱酸発生剤は、加熱により酸を発生するものであり、熱酸発生剤を加えることによって、硬化反応を促進させることができる。また、加熱によって組成物を硬化させる場合に、その加熱条件をより穏和なものに改善することができる。
熱酸発生剤の具体例としては、例えば各種脂肪族スルホン酸とその塩、クエン酸、酢酸、マレイン酸等の各種脂肪族カルボン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香族カルボン酸とその塩、アルキルベンゼンスルホン酸とそのアンモニウム塩、各種金属塩、リン酸や有機酸のリン酸エステル等を挙げることができる。
熱酸発生剤の含有量は、後述する有機溶剤を除いた組成物全体の質量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。10質量%を超えると硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪化する、硬化物の耐久性および光学特性が悪化する、硬化物の屈折率が低下する等の不具合を生じるので好ましくない。
光酸発生剤は、放射線の照射により酸を発生するものである。光酸発生剤を加えることによって、組成物の塗膜に感光性を付与し、放射線の照射によって当該塗膜を光硬化させることができる。
光酸発生剤の具体例としては、例えばヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩、β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類等を挙げることができる。
光酸発生剤の含有量は、後述する有機溶剤を除いた組成物全体の質量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。10質量%を超えると硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪化する、硬化物の耐久性および光学特性が悪化する、硬化物の屈折率が低下する等の不具合を生じるので好ましくない。
熱酸発生剤または光酸発生剤と、上述した重合体または重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物とは、いかなる組み合わせで用いてもよいが、上記一般式(1)中のRが水素原子である重合体と、多官能メラミン化合物である架橋剤と、熱酸発生剤または光酸発生剤とを組み合わせて用いることが好ましい。
熱ラジカル開始剤の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、クメンヒドロペルオキシド等を挙げることができる。
熱ラジカル開始剤の含有量は、後述する有機溶剤を除いた組成物全体の質量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。10質量%を超えると硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪化する、硬化物の耐久性および光学特性が悪化する、硬化物の屈折率が低下する等の不具合を生じるので好ましくない。
光ラジカル開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジル、又はBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン、その他の色素増感剤との組み合わせ等を挙げることができる。
光ラジカル開始剤の含有量は、後述する有機溶剤を除いた組成物全体の質量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。10質量%を超えると硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪化する、硬化物の耐久性および光学特性が悪化する、硬化物の屈折率が低下する等の不具合を生じるので好ましくない。
熱ラジカル開始剤または光ラジカル開始剤と、上述した重合体または該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物とは、いかなる組み合わせで用いてもよいが、上記一般式(1)中のRが水素原子、p−ビニルベンジル基、m−ビニルベンジル基、またはo−ビニルベンジル基である重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物である架橋剤と、熱ラジカル開始剤または光ラジカル開始剤と、を組み合わせて用いることが好ましい。また、上記一般式(2)中のXが酸素原子、Rがイソプロペニル基である重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物である架橋剤と、熱ラジカル開始剤または光ラジカル開始剤とを組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物は、更に、有機溶剤を含むことができる。
用いられる有機溶剤としては、上記重合体、及び架橋剤を均一に溶解することができるものが好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、非プロトン系有機溶剤を挙げることができる。非プロトン系有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロヘキサノン(CHN)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、γ−ブチロラクトン(GBL)等が好ましい。これら以外にもN,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール酸、p−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。これらの有機溶剤は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の含有量は、重合体と架橋剤の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは100〜10,000質量部、より好ましくは150〜2,000質量部、特に好ましくは200〜1,500質量部である。組成物に対する有機溶剤の含有量がこのような範囲であれば、良好な塗布を行うことができる。
有機溶剤は、上記一般式(1)及び(2)で表される重合体の製造に由来した有機溶剤であってもよい。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物は、硬化物を形成する際に用いられる組成物の濡れ性や流動性を調節する目的で、更に、界面活性剤を含むことができる。
なお、硬化物が形成された後に、硬化物中に界面活性剤を加えてもよい。
このような界面活性剤としては、例えばケイ素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられ、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤が好ましい。
ケイ素系界面活性剤の例としては、例えば、SH28PA、DC57、DC190、ペインタッド19、54(東レダウコーニング社製、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体)、SF8428(東レダウコーニング社製、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体(側鎖OH含有))、サイラプレーンFM−4411、FM−4421、FM−4425、FM−7711、FM−7721、FM−7725、FM−0411、FM−0421、FM−0425、FM−DA11、FM−DA21、FM−DA26、FM−0711、FM−0721、FM−0725、TM−0701、TM−0701T(チッソ社製)、UV3500、UV3510、UV3530(ビックケミー・ジャパン社製)、BY16−004(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、VPS−1001(和光純薬製)、Tego Rad2300、2200N(テゴ・ケミー社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の例としては、メガファックF−114、F410、F411、F450、F493、F494、F443、F444、F445、F446、F470、F471、F472SF、F474、F475、R30、F477、F478、F479、F480SF、F482、F483、F484、F486、F487、F553、F172D、F178K、F178RM、ESM−1、MCF350SF、BL20、R08、R61、R90(大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
界面活性剤の機能の一つとしては、例えば、スピンコートによって、組成物を塗布した後に、該組成物を硬化させて塗膜を形成する場合に、塗膜の厚みの均一性を高めることが挙げられる。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物が、更に界面活性剤を含む場合の界面活性剤の含有量は、組成物中の有機溶剤を除いた成分全量100質量%に対して、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内にあることで、硬化物を形成するための原料を含有する組成物の塗布性が良好となる。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物は、更に、無機粒子を含むことができる。
無機粒子としては、例えば、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子等が挙げられる。これらのうち、酸化チタン粒子は、硬化物の屈折率を調整するために配合される。上記重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物が、更に無機粒子を含む場合の無機粒子の含有量は、組成物中の有機溶剤を除いた成分全量100質量%に対して、通常、0.001〜50質量%、好ましくは0.01〜40質量%、より好ましくは0.01〜30質量%の範囲内である。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物は、更に、ポリスチレン等の樹脂を含むことができる。
本発明の重合体、または、該重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。硬化は、例えば基板等に前記組成物を塗布した後、加熱することで行われる。このときの加熱温度は、通常、室温(例えば10℃)〜300℃、好ましくは30〜250℃である。また、加熱時間は、製造する硬化物の大きさ形状を考慮して適宜変更できるが、通常、1分〜2時間、好ましくは3分〜1時間程度加熱する。このとき、一定温度で加熱してもよいし、異なる温度で順次加熱してもよい。
前記硬化物の屈折率は、好ましくは1.60以上、より好ましくは1.65以上、特に好ましくは1.70以上である。
前記硬化物は光学部品を形成することができる。光学部品の具体例としては、電荷結合素子(CCD)や、MOS型の撮像素子等を挙げることができる。撮像素子における硬化物の用途としては光電変換素子上部に設けられる導波路のみでなく撮像素子上部に設けられるマイクロレンズとしても使用することが出来る。また、LEDや有機ELのような発光素子の光取り出し効率向上のために使用することもできる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法を以下に示す。
(1)ポリマー構造の解析
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中でテトラメチルシラン(TMS)を標準物質としてH−NMRを測定し、末端構造を確認した。
(2)分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレン基準の分子量を測定した。(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム;東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G4000HXL、TSK gel G3000HXL、TSK gel G2000 HXL 2本を順次連結、溶媒;テトラヒドロフラン、流速;1ml/分、サンプル濃度;0.3wt%、注入量;100μl、測定温度;40℃、検出器;RI(40℃)、標準物質;東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)
(3)屈折率の測定
シリコン基板上に製膜した薄膜をサンプルとして、メトリコン社製PC−2010型プリズムカプラを用いて25℃の恒温室にて屈折率を測定した。尚、光源には633nmのレーザーを用いた。
(4)膜厚の測定
シリコン基板上に製膜した薄膜にカッターを用いて傷を作成し、膜表面とシリコン基板との段差を触針式段差計((株)アルバック製、商品名;Dektak3ST)を用いて測定することにより、薄膜の膜厚を測定した。
(5)透過率の測定
グランテーラープリズムを用いて分離したp偏光を光源とし、入射角可変ステージに取り付けたサンプルをブリュースター角となるように設置して、UV−Visスペクトロメーター(日本分光(株)製、商品名;V−570)により波長400nmの透過率を測定した。測定用サンプルとしては、ホウケイ酸ガラス製のウェハーに製膜した薄膜をガラスごと用いた。
参考例1[2,7−ジフルオロチアントレンの合成]
p−フルオロチオフェノール50gに発煙硫酸(SO濃度25%)290mlを加え、室温で20時間反応を行った。反応混合物を500mlの氷水中に入れた後、塩化メチレンで抽出を行った。塩化メチレン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して目的物を含む粗体40gを得た。この粗体に酢酸500mlおよび粉末亜鉛10gを加え、還流条件で18時間反応を行った。粉末亜鉛をろ別し、ろ液を500mlの水中に投入し、目的物を析出させた。目的物をろ過により回収し、エタノールで再結晶し、下記式(3)で表される2,7−ジフルオロチアントレン30gを得た。
Figure 0005741277
参考例2[9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレンの合成]
冷却したメタノール320gに水酸化カリウム21.65g(0.39mol)を溶解した。この溶液に9,9−ビス(4−フェノキシ)フルオレン59.47g(0.17mol)を加え、続いてN,N−ジメチルチオカルバモイルクロライド48g(0.39mol)を加え、60℃に昇温して3時間反応を行った。反応溶液を冷却した後、析出した固体をろ過により回収し、メタノール/水の混合溶液(50/50(体積比))400mlで洗浄した。得られた固体をクロロホルム400mlに溶解し、水400mlで3回洗浄を行った。クロロホルム層を濃縮した後、メタノール400mlに投入し、次いで析出物をろ過により分離し、得られた固体を乾燥し、9,9−ビス[4−(N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシ)フェニル]フルオレン77gを得た。
そして、ビス(N,N−ジメチル−O−チオカーバメート)52gにジフェニルエーテル30gを加え、窒素雰囲気下にて250℃で5時間反応させた。反応混合物を冷却した後、メタノール500mlに加え、析出物をろ過により回収し乾燥することにより9,9−ビス[4−(N,N−ジメチルカルバモイルチオ)フェニル]フルオレン48gを得た。
さらに、冷却したメタノール160gに水酸化カリウム50g(0.9mol)を溶解した後、ビス(N,N−ジメチル−S−カーバメート)47gおよびテトラヒドロフラン160gを加え、還流条件にて10時間反応させた。反応混合物を冷却した後、水2リットルに投入し、濃塩酸をpH=5になるまで添加した。デカンテーションにより水層を分離し粘性のある析出物を得た。これをクロロホルム600mlに溶解し、水600mlで3回洗浄した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。これをメタノール1.5リットルに投入し、析出物をろ過により回収し乾燥した。得られた固体は下記式(4)で表される9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレンであった。収量は28gであった。
Figure 0005741277
以上のようにして、実施例および比較例の重合体を合成するために用いられる原料化合物(モノマー)を得た。なお上述のp−フルオロチオフェノール、発煙硫酸(SO濃度25%)、塩化メチレン、無水硫酸マグネシウム、酢酸、粉末亜鉛、エタノール、メタノール、水酸化カリウム、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロライド、クロロホルム、ジフェニルエーテル、およびテトラヒドロフランは、いずれも試薬として、市販品を入手して使用した。また、上述の水としてはイオン交換水を用いた。
実施例1[末端基がメルカプト基である重合体の合成]
参考例1で合成した2,7−ジフルオロチアントレン6.62g(26.23mmol)、参考例2で合成した9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレン13.38g(34.98mmol)、炭酸カリウム7.25g(52.5mmol)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下、「DMI」ともいう。)57g、トルエン29gを計り取り、Dean−Starkトラップを取り付けた反応容器にて125℃で4時間反応を継続した。反応混合物をろ過して、副生塩および未反応の炭酸カリウムを除去した後、ろ液を酢酸酸性のメタノール中に沈殿させ、ろ過によりポリマーを回収した。得られたポリマーを水に入れ、還流条件で1時間洗浄し、ろ過により回収した後に乾燥し、下記式(5)で表される末端基がメルカプト基である重合体(以下、「PAS−A」ともいう。)を得た。GPCで測定した重量平均分子量(Mw)は5000、数平均分子量(Mn)は2000であった。得られたPAS−AのH−NMRを測定したところ末端基のメルカプト基が3.35ppmに観測された。芳香環由来プロトンとの積分比から、末端のメルカプト基の割合は40%であった。得られたPAS−AのH−NMRスペクトルを図1に示す。
Figure 0005741277
実施例2[末端基がビニルフェニル基である重合体の合成]
2,7−ジフルオロチアントレン6.62g(26.23mmol)、9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレン13.38g(34.98mmol)、炭酸カリウム7.25g(52.5mmol)、DMIを57g、トルエン29gを計り取り、Dean−Starkトラップを取り付けた反応容器にて125℃で4時間反応を継続した。その後、反応液温度を80℃まで冷却して、p−(クロロメチル)スチレン2.67g(17.49mmol)を加えて5時間反応を継続した。反応混合物をろ過して、副生塩および未反応の炭酸カリウムを除去した後、ろ液を酢酸酸性のメタノール中に沈殿させ、ろ過によりポリマーを回収した。得られたポリマーを水に入れ、還流条件で1時間洗浄し、ろ過により回収した後に乾燥し、下記式(6)で表される末端基がビニルフェニル基である重合体(以下、「PAS−B」ともいう。)を得た。GPCで測定した重量平均分子量(Mw)は5300、数平均分子量(Mn)は2100であった。得られたPAS−BのH−NMRを測定したところ末端基のメルカプト基が消失し、ビニルフェニル基由来のプロトンが5.2ppm、5.7ppm、6.15ppmに観測された。ビニルフェニル基の導入率は40%であった。得られたPAS−BのH−NMRスペクトルを図2に示す。
Figure 0005741277
実施例3[末端基が(1−メチルビニル)フェニル基である重合体の合成]
2,7−ジフルオロチアントレン8.094g(32.08mmol)、9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレン11.05g(28.87mmol)、p−(イソプロペニル)フェノール0.86g(6.42mmol)、炭酸カリウム5.99g(43.3mmol)、DMIを57g、トルエン29gを計り取り、Dean−Starkトラップを取り付けた反応容器にて145℃で4時間反応を継続した。反応混合物をろ過して、副生塩および未反応の炭酸カリウムを除去した後、ろ液を酢酸酸性のメタノール中に沈殿させ、ろ過によりポリマーを回収した。得られたポリマーを水に入れ、還流条件で1時間洗浄し、ろ過により回収した後に乾燥し、下記式(7)で表される末端基が(1−メチルビニル)フェニル基である重合体(以下、「PAS−C」ともいう。)を得た。GPCで測定した重量平均分子量(Mw)は4000、数平均分子量(Mn)は1900であった。得られたPAS−CのH−NMRを測定したところ末端基の(1−メチルビニル)フェニル基が5.0〜5.5ppmに観測された。末端の(1−メチルビニル)フェニル基の導入率は5%であった。得られたPAS−CのH−NMRスペクトルを図3に示す。
Figure 0005741277
実施例4
実施例1で得たPAS−A0.711g、シリコーン系界面活性剤0.0015g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、メチロールメラミン縮合物のメチルエーテル化物0.0375g(日本サイテックインダストリーズ製、商品名;サイメル303)、及びシクロヘキサノン4.25gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物をスピンコート法によりシリコン基板上に製膜した。得られた膜をシリコン基板ごと120℃のホットプレートにて1分間、更に250℃のホットプレートにて5分間加熱することにより、溶媒除去と硬化とを同時に行い硬化膜を作製し、屈折率を測定した。
さらに、得られた硬化膜をシクロヘキサン及びアセトン中に浸漬して5分間放置後、膜厚の保持率およびクラックの有無を評価した。
また、シリコン基板の代わりにホウケイ酸ガラス製のウェハーを用いた以外はシリコン基板を用いた製膜と同様にして硬化膜を作製し、透過率を測定した。配合を表1に、結果を表2に示す。
実施例5
実施例1で得たPAS−A0.7035g、シリコーン系界面活性剤0.0015g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン0.0375g(新中村化学工業(株)製、商品名;A−BPEF)、クメンハイドロパーオキサイド0.0075g(日油(株)製、商品名;パークミルH80)、シクロヘキサノン4.25gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物について実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
実施例6
実施例2で得たPAS−B0.7035g、シリコーン系界面活性剤0.0015g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン0.0375g(新中村化学工業(株)製、商品名;A−BPEF)、クメンハイドロパーオキサイド0.0075g(日油(株)製、商品名;パークミルH80)、シクロヘキサノン4.25gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物について実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
実施例7
実施例2で得たPAS−B0.666g、シリコーン系界面活性剤0.0015g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン0.075g(新中村化学工業(株)製、商品名;A−BPEF)、クメンハイドロパーオキサイド0.0075g(日油(株)製、商品名;パークミルH80)、シクロヘキサノン4.25gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物について実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
実施例8
実施例2で得たPAS−B1.4070g、シリコーン系界面活性剤0.003g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン0.075g(新中村化学工業(株)製、商品名;A−BPEF)、クメンハイドロパーオキサイド0.015g(日油(株)製、商品名;パークミルH80)、シクロヘキサノン3.5gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物について実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
実施例9
実施例2で得たPAS−B0.7035g、シリコーン系界面活性剤0.0015g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジアクリレート0.0375g(大阪有機化学工業(株)製、商品名;ビスコート700)、クメンハイドロパーオキサイド0.0075g(日油(株)製、商品名;パークミルH80)、シクロヘキサノン4.25gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物について実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
実施例10
実施例3で得たPAS−C0.666g、シリコーン系界面活性剤0.0015g(東レ・ダウコーニング製、商品名;SH190)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン0.075g(新中村化学工業(株)製、商品名;A−BPEF)、クメンハイドロパーオキサイド0.0075g(日油(株)製、商品名;パークミルH80)、シクロヘキサノン4.25gを混合して均一に溶解した。
得られた化合物について実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
比較例1
2,7−ジフルオロチアントレン8.1954g(32.48mmol)、9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレン11.80g(30.86mmol)、炭酸カリウム6.40g(46.3mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、下記式(8)で表される末端が不活性なフルオロ基であるポリマーを合成した。
ここで得たポリマーを用いた以外は実施例4と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
Figure 0005741277
比較例2
比較例1で得たポリマーを用いた以外は実施例6と同様にして、各種物性を評価した。配合を表1に、結果を表2に示す。
Figure 0005741277
Figure 0005741277
表2より、本発明の重合体を用いて得られる硬化膜は耐クラック性、耐溶媒性に優れる。

Claims (11)

  1. 1つ以上のチアントレン骨格を含むポリアリーレンスルフィド鎖と、反応性官能基とを含有する重合体であって、前記反応性官能基がメルカプト基、ビニルフェニル基、(1−メチルビニル)フェニル基、または(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする重合体。
  2. 下記一般式(1)または(2)で表される請求項1に記載の重合体。
    Figure 0005741277
    (上記一般式(1)中、Rは炭素数1〜20の二価の炭化水素基、硫黄原子、またはスルホニル基である。Rは水素原子、(メタ)アクリロイル基、またはビニルベンジル基である。一般式(1)の各々複数存在するR及びRはそれぞれ異なっていても同じでもよい。nは1〜30の整数である。)
    Figure 0005741277
    (上記一般式(2)中、Rは上記一般式(1)のRと同様である。Xは硫黄原子または酸素原子である。Rはビニル基、イソプロペニル基、または(メタ)アクリロキシ基である。一般式(2)の各々複数存在するR、R、及びXはそれぞれ異なっていても同じでもよい。nは1〜30の整数である。)
  3. が9,9−フルオレニレン基である請求項に記載の重合体。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の重合体及び架橋剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記架橋剤が、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能ビニルエーテル化合物、多官能ビニルアリール含有化合物、及び多官能メラミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である硬化性樹脂組成物。
  5. が水素原子である上記一般式(1)で表される重合体と、多官能メラミン化合物とを含有する請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. が水素原子である上記一般式(1)で表される重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含有する請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. がp−ビニルベンジル基、m−ビニルベンジル基、またはo−ビニルベンジル基である上記一般式(1)で表される重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含有する請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. Xが酸素原子、Rがイソプロペニル基である上記一般式(2)で表される重合体と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含有する請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  10. 請求項に記載の硬化物で形成された光学部品。
  11. 請求項10に記載の光学部品を具備する電子機器。
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