JP5740908B2 - 冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法 - Google Patents

冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5740908B2
JP5740908B2 JP2010235973A JP2010235973A JP5740908B2 JP 5740908 B2 JP5740908 B2 JP 5740908B2 JP 2010235973 A JP2010235973 A JP 2010235973A JP 2010235973 A JP2010235973 A JP 2010235973A JP 5740908 B2 JP5740908 B2 JP 5740908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
quenching
steel sheet
carbide
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010235973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012087382A (ja
Inventor
健悟 竹田
健悟 竹田
阿部 雅之
阿部  雅之
保嗣 塚野
保嗣 塚野
荒牧 高志
高志 荒牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2010235973A priority Critical patent/JP5740908B2/ja
Publication of JP2012087382A publication Critical patent/JP2012087382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5740908B2 publication Critical patent/JP5740908B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

本発明は、冷間加工性、特に冷間鍛造性に優れ、さらには冷間鍛造後の短時間急速加熱焼き入れ処理においても、高強度化かつ均一な焼入れ組織を得ることのできる中炭素鋼板およびその焼入れ方法に関するものである。
中炭素鋼板は、チェーン、ギヤー、クラッチ、鋸、刃物等の素材として広く用いられている。製品化には、所定の形状へと成形後、焼入れ焼戻しの熱処理により硬化させる工程が通常取られる。このため中炭素鋼板には加工性と焼入れ性の両立が求められる。特に近年、加工技術が発達し、板鍛造のような、従来よりも加工度の高い成形法が採用されるようになり、中炭素鋼板には厳しい加工に耐えることのできる成形性が求められている。更に、近年の省エネルギー化の要望により、焼入れ焼戻し工程を従来の炉加熱方式から、高周波加熱方式等の急速加熱焼入れ・焼戻し手法へと変更する動きがある。以上のような、ニーズの変化に対応するため、中炭素鋼板には、軟質かつ冷間鍛造時の加工に耐え、急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の開発が必須であった。ここで加工とは、曲げ、増肉、絞り等であり、急速加熱焼入れとは高周波加熱、誘電加熱、通電加熱、マイクロ波加熱、赤外線加熱等々の50℃/秒以上の加熱速度で加熱される短時間保定焼入れ手法である。
従来、中炭素鋼板の加工性と高周波焼入れ性の関係について、多くの調査がなされてきたが(例えば、特許文献1〜4、参照)、急速加熱時の加熱速度、加熱温度、保定時間などは様々であり、焼入れ可能な条件範囲と金属組織との関係は不明瞭であった。
例えば、特許文献1には、C:0.1〜0.8質量%、S:0.01質量%以下の亜共析鋼からなり、炭化物球状化率が90%以上であるように炭化物がフェライト中に分散しており、かつ平均炭化物粒径は0.4〜1.0μmであり、必要に応じてフェライト結晶粒径が20μm以上に調整される中・高炭素鋼板が開示されている。
特許文献2には、C:0.45〜0.60%、Si:0.01〜0.15%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:0.3%以下、B:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.050%、s−Al:0.015〜0.050%残部Feおよび不純物よりなる鋼において平均粒径が5μm以下の炭化物を平均粒子間隔20μm以下で分散させ冷鍛性に優れた高周波焼入用鋼が開示されている。
特許文献3には、質量%で、C:0.40〜0.65%、Si:0.15%以下、Mn:0.60%以下、S:0.020%以下、Cr:0.30超〜0.70%、Al:0.015超〜0.050%、N:0.015%以下、O:0.0020%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼からなり、平均アスペクト比が2以下に均一分散した冷間鍛造性に優れた高周波焼入れ用鋼が開示されている。
特許文献4には質量%で、C:0.3〜0.8%、Si:2%以下、Mn:3%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつシームを含む全ての位置において、セメンタイトの粒径が1.0μm以下である組織を有する冷間加工性と高周波焼入れ性に優れた高炭素鋼管が開示されている。
しかし、上記の特許文献1〜4では高周波焼入れの推奨条件等は明確にされていない。高周波加熱の高温化・保定の長時間化により炭化物は溶解し、焼入れ性が向上することは自明である。本発明は、炭化物の形態・大きさと焼入れ可能な条件範囲との関係を明確化することで、冷間鍛造性に優れかつ、高周波焼入れ製造法の更なる省エネルギー化に貢献すべく開発されたものである。
特開平11−80884号公報 特開平9−268344号公報 特開2001−329333号公報 特開2001−355047号公報
本発明は、上記実情に鑑み、冷間鍛造性に優れ、冷間鍛造後に室温から焼入れ目標温度まで50℃/秒以上の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の成分組成に加え、良好な焼入れ組織を得るために最低限必要な加熱条件を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意研究した。その結果、鋼板の成分組成に加え、炭化物の平均円相当径が0.25μm以上0.65μm以下、炭化物の球状化率が60%以上90%未満とすることで、冷間鍛造性に優れる中炭素鋼板を得ることができ、かつ良好な焼入れ組織を得るための、炭化物径に応じた急速加熱条件が存在することを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、
C:0.30〜0.55%、
Si:0.05〜0.3%、
Mn:0.3〜1.5%、
P:0.005〜0.03%、
S:0.0001〜0.01%、
Al:0.005〜0.10%、
及び、N:0.001〜0.01%
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、焼入れ前の鋼板の炭化物の平均円相当径が0.25μm以上0.65μm以下、炭化物の球状化率が60%以上90%未満である中炭素鋼板を、下記(A)式に規定する条件にて急速加熱焼入れ処理を施し、該焼入れ後の組織に含まれるマルテンサイトの面積率が99%以上となり、更にビッカース硬度を550Hv以上にすることを特徴とする中炭素鋼板の焼入れ方法。
B値>18000+24000×(D θ −0.2) 2.5 ・・・(A)式
ここで、
θ ・・・炭化物の平均円相当径、
B値=1373×(logΣΔt+18)、
Δt=10 (ΔT+273)(log(0.02/3600)+18)/1373-18
ΔT・・・室温から加熱、冷却までの温度履歴を0.02秒単位で区切ったときの各時間における温度を意味する。
(2) 質量%で、さらに、
Cr:0.01〜0.3%、
Ni:0.01〜0.5%、
Cu:0.05〜0.5%、
Mo:0.001〜0.3%
の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の中炭素鋼板の焼入れ方法。
(3) 質量%で、さらに、
Nb:0.001〜0.3%、
Ti:0.001〜0.3%
V:0.001〜0.3%、
B:0.0001〜0.003%、
Ta:0.01〜0.3%、
W:0.01〜0.3%
の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の中炭素鋼板の焼入れ方法
本発明によれば、炭化物の粒子径と形状の制御により冷間鍛造性を向上させ、かつ室温から目標温度まで50℃/秒以上の加熱速度で加熱し、保定後焼入れまでの熱処理時間が3分以内であるような急速加熱焼入れであっても、高い焼入れ硬度と良好な焼入れ組織を得ることのできる中炭素鋼板の急速加熱焼入れ方法を提供することができる。
本発明鋼の焼入れが良好となる急速加熱焼入れ性に及ぼす平均炭化物円相当直径の影響を示す図である。
以下本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の軟質中炭素鋼板(以下「本発明鋼板」ということがある。)の成分組成に係る限定理由について説明する。なお、以下、「%」は「質量%」を意味する。
C:0.30〜0.55%
Cは、鋼板の焼入れ強度を確保するうえで重要な元素であり、0.30%以上添加し、所要の強度を確保する。0.30%未満では、焼入れ後に機械構造用高強度鋼板としての強度が得られないので、下限を0.30%とする。0.55%を超えると、破壊の起点となる炭化物の割合が増加し冷間鍛造性を低下せしめるため、上限を0.55%とする。好ましくは、0.35〜0.50%である。
Si:0.05〜0.3%
Siは、脱酸剤として作用し、また、焼入れ性の向上に有効な元素である。0.05%未満では、添加効果が得られないので、下限を0.05%とする。一方、0.3%を超えると、熱間圧延時のスケール疵に起因する表面性状の劣化を招くので、上限を0.3%とする。好ましくは、0.13〜0.26%である。
Mn:0.3〜1.5%
Mnは、脱酸剤として作用し、また、焼入れ性の向上に有効な元素である。0.3%未満では、添加効果が得られないので、下限を0.3%とする。1.5%を超えると、焼入れ、焼戻し後の衝撃特性を助長するので、上限を1.5%とする。好ましくは、0.5〜1.3%である。
P:0.005〜0.03%
Pは、固溶強化元素であり、鋼板の強度に有効な元素である。過剰な含有は、靭性を阻害するので、上限を0.03%とする。0.005%未満に低減することは、精錬コストの上昇を招くので、下限を0.005%とする。好ましくは、0.007〜0.02%である。
S:0.0001〜0.01%
Sは、不純物として含有され非金属介在物を形成し、加工性や、熱処理後の靭性を阻害する原因となるので、上限を0.01%とする。0.0001%未満に低減することは、精錬コストの大幅な上昇を招くので、下限を0.0001%とする。好ましくは、0.001〜0.008%である。
Al:0.005〜0.10%
Alは、脱酸剤として作用し、また、Nの固定に有効な元素である。0.005%未満では、添加効果が十分に得られないので、下限を0.005%とする。0.10%を超えると、添加効果は飽和し、また、表面疵が発生し易くなるので、上限を0.10%とする。好ましくは、0.01〜0.05%である。
N:0.001〜0.01%
Nは、不純物として含有され窒化物を形成する元素である。湾曲型連続鋳造における鋳片曲げ矯正時に窒化物が析出すると、鋳片が割れることがあるので、上限を0.01%とする。少ないほど好ましいが、0.0010%未満に低減するのは、精錬コストの増加を招くので、下限を0.0010%とする。好ましくは、0.004〜0.007%である。
さらに、本発明鋼板の機械特性を強化するため、Cr、Ni、Cu、及び、Moの1種又は2種以上を、所要量、添加してもよい。
Cr:0.01〜0.3%
Crは、焼入れ性の向上に有効な元素である。0.01%未満では、添加効果がないので、下限を0.01%とする。0.3%を超えると、急速加熱時に炭化物が溶解しにくくなるため、上限を0.3%とする。好ましくは、0.01〜0.1%である。
Ni:0.01〜0.5%
Niは、靭性の向上や、焼入れ性の向上に有効な元素である。0.01%未満では、添加効果がないので、下限を0.01%とする。0.5%を超えると、添加効果は飽和するし、また、コスト増を招くので、上限を0.5%とする。好ましくは、0.05〜0.5%である。
Cu:0.05〜0.5%
Cuは、焼入性の確保に有効な元素である。0.05%未満では、添加効果が不十分であるので、下限を0.05%とする。0.5%を超えると、硬くなり過ぎ、冷間加工性が劣化するので、上限を0.5%とする。好ましくは、0.08〜0.2%である。
Mo:0.001〜0.3%
Moは、焼入れ性の向上と、焼戻し軟化抵抗性の向上に有効な元素である。0.001%未満では、添加効果が小さいので、下限を0.001%とする。0.3%を超えると、添加効果は飽和するので、上限を0.3%とする。
また、本発明鋼板の機械特性を、さらに強化するため、Nb、Ti、V、B、Ta、及び、Wの1種又は2種以上を、所要量、添加してもよい。
Nb:0.001〜0.3%
Nbは、炭窒化物を形成し、結晶粒の粗大化防止や靭性改善に有効な元素である。0.001%未満では、添加効果は充分に発現しないので、下限を0.001%とする。0.3%を超えると、添加効果が飽和するので、上限を0.3%とする。好ましくは、0.001〜0.1%である。
Ti:0.001〜0.3%
TiはN固定の観点から添加することができ、鋳片の脆化や材質の安定化に寄与するが0.3%を超えて添加しても効果が飽和し、また0.001%以下では効果が得られないので、その範囲を0.001〜0.3%とした。
V:0.001〜0.3%
Vは、Nbと同様に、炭窒化物を形成し、結晶粒の粗大化防止や靭性改善に有効な元素である。0.001%未満では、添加効果が小さいので、下限を0.001%とする。0.3%を超えると、炭化物が生成し焼入れ硬度が低下するので、上限を0.3%とする。好ましくは、0.01〜0.1%である。
B:0.0001〜0.003%
Bは微量の添加で、焼入性を高めるのに有効な元素である。0.0001%未満では、添加効果がないので、下限を0.0001%とする。0.003%を超えると、鋳造性が低下し、また、B系化合物が生成して靭性が低下するので、上限を0.003%とする。好ましくは、0.0005〜0.002%である。
Ta:0.01〜0.3%
Taは、Nb、Vと同様に、炭窒化物を形成し、結晶粒の粗大化防止や靭性改善に有効な元素である。0.01%未満では、添加効果が小さいので、下限を0.01%とする。0.3%を超えると、炭化物が生成し焼入れ硬度が低下するので、上限を0.3%とする。好ましくは、0.01〜0.1%である。
W:0.01〜0.3%
Wは、鋼板の強化に有効な元素である。0.01%未満では、添加効果が発現しないので、下限を0.01%とする。0.3%を超えると、加工性が低下するので、上限を0.3%にする。好ましくは、0.01〜0.1%である。
本発明鋼板の原料としてスクラップを用いた場合、不可避的にSn、Sb、及び、Asの1種又は2種以上が混入するが、いずれも、0.03%以下であれば、本発明鋼板の高周波焼入れ性および焼入れ性を阻害しないため、本発明鋼板においては、Sn:0.03%以下、Sb:0.03%以下、及び、As:0.03%以下の1種又は2種以上の含有を許容する。通常、これらの成分は、それぞれ0.003%以上不純物として含まれるが、少ない方が好ましい。
本発明鋼板において、O量は規定していないが、酸化物が凝集して粗大化すると、冷間加工性が低下するので、Oは、0.0025%以下が好ましい。Oは、少ないほうが好ましいが、0.0001%未満に低減することは、技術的に困難であるので、0.0001%以上の含有は許容される。
本発明鋼板の溶製原料としてスクラップを用いた場合、Zn、Zr等の元素が、不可避的不純物として混入するが、本発明鋼板においては、本発明鋼板の特性を阻害しない範囲で、上記元素の混入を許容する。なお、Zn、Zr等以外の元素でも、本発明鋼板の特性を阻害しない範囲で、混入を許容する。
本発明鋼板は、前述したように、成分組成に加え、炭化物の平均円相当径が0.25μm以上0.65μm以下、炭化物の球状化率が60%以上90%未満で、A式に規定する条件にて焼入れし550Hv以上に硬化する、冷間鍛造および急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板とその焼入れ方法。
成分組成に加え、炭化物の平均円相当径が0.25μm以上0.65μm以下、炭化物の球状化率が60%以上90%未満で、550Hv以上に硬化しかつ均一で良好な焼入れ組織を得ることのできる急速加熱条件範囲を明らかにしたことは、本発明者らが見いだした新規な知見である。
組織の観察は、走査型電子顕微鏡で行なうのが好ましい。3000倍の倍率にて組織観察面上に炭化物が500個以上含まれる視野を4個所以上選択し、その領域中に含まれる各炭化物の面積を測定し、ノイズによる測定誤差の影響を抑えるため、面積が0.01μm以下の炭化物は評価の対象から除外する。1個あたりの平均面積を円形で近似した際の直径を平均炭化物粒径として求めた。各炭化物の長軸長と短軸長の比が3以上の場合を針状炭化物とし、3未満の場合を球状炭化物とした。球状炭化物の個数を全炭化物の個数で除した値を炭化物球状化率とした。
炭化物の平均粒径は0.25μm以上0.65μm以下が好ましい。微細な炭化物は冷間鍛造性を低下せしめる要因となる。特に平均炭化物径が0.25μm未満の場合、冷間鍛造時の亀裂の発生、連結が容易となる。粗大な炭化物は溶解完了までに時間を要するため、急速加熱焼入れ性を阻害せしめる因子となる。特に平均炭化物径が0.65μmを超えても大きい場合、50℃/秒を超えるような加熱速度の急速焼入れにおける焼入れ性は低下する。
炭化物の球状化率は60%以上90%未満であることが好ましい。針状炭化物の周辺は冷間加工時に応力が局所化しやすくなり、割れの発生起点となりやすい。特に球状化率が60%未満であると冷間鍛造性が悪化するため、球状化率は60%以上が好ましい。一方で、球状炭化物は鋼の母材と接する表面積が針状炭化物に比べ小さく、炭化物から母材への炭素の放出拡散経路が狭くなる。特に、球状化率が90%以上となる場合、50℃/秒を超えるような急速加熱焼入れにおける焼入れ性は低下する。炭化物の球状化率は好ましくは75%以上90%未満である。
焼入れ硬度は500Hv以上であることが好ましい。500Hv以上であると高強度化に伴い耐摩耗性は向上する。特に自動車用部品のクラッチプレートやギヤのような部材では耐摩耗性を得るために550Hv以上の硬質化が望ましい。1000Hv以上であると構造部材としての耐衝撃性を満たさなくなるため、焼入れ硬度は1000Hv未満が好ましい。
焼入れは50℃/秒以上の加熱速度で目的温度まで加熱し、保定後、200℃/秒以上の冷却速度にて焼入れることが望ましい。生産性を向上させるためには急速加熱・短時間保定が有効であり、一部品あたりの熱処理時間を短時間化するために、加熱から焼入れまでの1サイクルあたりの処理時間を3分以内におさえることが望ましい。好ましくは、加熱速度は100℃/秒以上、保定時間は10秒以下である。
加熱の目標温度は850℃以上1250℃以下が望ましい。加熱保持の長時間化が必要となり生産性を低下せしめるため加熱温度は850℃以上が望ましい。また、加熱中のオーステナイト粒径の粗大化による焼割れを抑制するため加熱温度は1250℃以下が望ましい。好ましくは900℃以上1200℃以下である。
図1に、本発明鋼の急速加熱焼入れ性と平均炭化物円相当直径の関係を示す。
種々の炭化物径を有する中炭素鋼板を50℃/秒以上の加熱速度にて急速加熱焼入れし、良好な焼入れ組織が得られる条件範囲を示した。炭化物径が粗大になるほど、急速焼入れ性は低下する。
この条件範囲は、図1中の(A)式で示す境界線の上側の範囲で表すことができる。
B値>18000+24000×(Dθ−0.2)2.5 ・・・(A)式
ここで、
θ・・・炭化物の平均円相当径
B値=1373×(logΣΔt+18)
Δt=10(ΔT+273)(log(0.02/3600)+18)/1373-18
ΔT・・・室温から加熱、冷却までの温度履歴を0.02秒単位で区切ったときの各時間における温度(℃)を意味する。
(A)式、(C)式および(B値)の技術的意義について説明する。
高周波焼入れは急速加熱・短時間保定の条件にて施される。炭化物溶解量が多いほど高周波焼入れ性も高くなるため急速加熱・短時間保定時における炭化物溶解量を高周波焼入れ性の指標とすべきである。平均炭化物が大きいほど鋼単位体積中における母材/炭化物界面の面積は小さくなるため高周波焼入れ性は低下し、炭化物径が小さいほど界面面積は大きくなり炭化物は溶解しやすくなるため高周波焼入れ性は向上する。高周波焼入れ性が低い場合、冷却過程でパーライト等の焼入れ不良相が生成してしまい焼入れ硬さは低下する。
上記の思想に基づき、(A)式は種々の炭化物の大きさにおいて、焼入れ良好相(マルテンサイト)が面積率で99%以上得られる高周波焼入れ条件を示したものである。(B)値は加熱温度・保定時間を指標とした高周波焼入れ条件の無次元関数である。(B)値を用いると、室温からの加熱速度が100℃/秒、保定温度から室温までの冷却速度が200℃/秒の場合、900℃×30秒の高周波加熱条件は、1000℃×3秒の高周波加熱条件と同程度と計算される。
次に、本発明の中炭素鋼板の製造方法(以下「本発明製造方法」という。)について説明する。
本発明の技術的思想は高温捲取、低温焼鈍を組みわせることであり、具体例を以下に示す。
熱間圧延に供する連続鋳造鋳片(冷片)に対し、加熱条件は1300℃以下で、90分以下の均熱時間とする。1300℃を超えて加熱したり、均熱時間を90分以上の長時間化すると、加熱工程でスラブの表層部の脱Cが顕著となり、鋼板表面の焼入れ性を劣化させるため加熱温度は1300℃以下、加熱時間は90分以下とする。脱Cを抑制するとの観点から、加熱温度は、1200℃以下が好ましく、均熱時間は、60分以下が好ましい。
なお、連続鋳造鋳片を、直接、又は、連続鋳造鋳片を、再加熱して熱間圧延に供するが、直接圧延した場合と、再加熱後圧延した場合において、鋼板特性に差は殆どない。
熱間圧延は、通常の熱間圧延、及び、仕上圧延においてスラブを接合する連続化熱間圧延のどちらでもよい。熱間圧延の終了温度(熱延終了温度)は、生産性や板厚精度、異方性改善の観点に加え、表面疵の観点でも750℃より低い仕上げでは焼き付きによる疵が多発し、また1000℃より高いとスケール起因の疵の発生頻度が高くなり、製品歩留まりが低下してコストを増大させため、750〜1000℃とする。
熱間圧延後、鋼板の冷却は、仕上圧延後5℃/秒以上、40℃/秒以下の冷却速度で、捲取温度の400〜730℃まで緩冷却する。
熱間圧延後の冷却速度を5℃/秒以上の冷却速度で冷却する理由は、これより冷却速度が遅いと偏析に伴うパーライトバンドが強固に生成し、焼鈍後も粗大な炭化物が存在しやすく加工性の劣化につながるためであり、これを防止する観点から5℃/秒以上にて冷却する。
また、巻取温度400〜730℃で巻き取る理由は、400℃未満であると、一部マルテンサイト変態を生じたり鋼板の強度が高くなり、ハンドリングが困難になったり、冷延する際の組織不均一からゲージハンチングを起こすなど歩留りの低下を引き起こすためである。一方、730℃を超えた高温捲取を実施すると、熱延板のスケールが厚くなり酸洗性が低下するばかりでなく、表層部の酸化進行や粒界酸化が進展するためである。
鋼板を酸洗し、表面を清浄化した後、鋼板に軟質化焼鈍を施す。本発明製造方法においては、鋼板に軟質化箱焼鈍を施し、加工性向上を図る。
軟質化箱焼鈍は、鋼板を室温から600℃〜Ac1−10℃まで加熱した後、5時間以上保持して行う。この5時間以上の保持によりフェライト粒を粗大化し軟質化させ、かつ炭化物の球状化率を高めないように焼鈍する。
箱焼鈍は、水素95%以上で、かつ、400℃までの露点が−20℃未満で、400℃超における露点が−40℃未満の雰囲気で行うことが好ましい。
コイル内の温度分布を均一化させる目的に加え、窒素侵入による焼入れ性の低下を抑制するため、水素95%以上の雰囲気中で焼鈍する。焼鈍中の脱炭を抑制するため、400℃までの露点を−20℃未満とし、400℃超における露点を−40℃未満とした。
鋼板の組織が、本発明における請求項の規定の範囲を満たす限りは、冷延およびその後の軟質化焼鈍を実施してよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表1に示す成分組成を有する鋼板を、焼鈍により炭化物径と形状を制御し、冷間鍛造性および急速加熱焼入れ後の硬度、焼入れ不良相の割合を調査した。その結果を、表2−1〜表4−3に記載した。なお、表2-1〜表4-3の各表中に記載の左欄の符号は表1に示す成分組成の鋼板番号(No.)を示し、その符号の枝番は、各表中に記載の急速加熱焼入れ条件(加熱速度、加熱温度、保持時間)を示している。
焼鈍後の冷間鍛造性(冷間加工性)の評価は板厚3tの焼鈍まま材を内曲げ半径2mmにて90°板長方向に曲げる条件にて実施し、外曲げ部に亀裂の発生が認められた場合に冷間鍛造性が劣位である“×”の評点を付けた。亀裂が発生しない場合は“○”の評点をつけた。
表2−1〜表2−3表3−1〜表3−3表4−1〜表4−3)の焼鈍はそれぞれ、700℃12hr、700℃48hr、700℃120hrで実施した。急速焼入れ試験は板厚3tの供試材を、周波数78kHzにて室温より50℃/秒以上の加熱速度で昇温後、900℃、1000℃、1100℃の各温度で10秒まで保持し、すぐさま200℃/秒の冷却速度で冷却し、焼入れ後のヴィッカース硬度(Hv)を2.5kgの荷重にて測定した。焼入れ性の評価は、急速加熱焼入れ中に供試材の温度履歴を白金−白金・ロジウム熱電対で実測した箇所の断面組織をナイタールエッチングにより現出し、得られた400μm×300μmあたりの金属組織像2視野に画像解析を行いパーライト等の焼入れ不良相の割合を測定した。焼入れ不良相の割合が1%以下の場合、良好な焼入れ組織が得られたと評価し、“○”の評点をつけた。そして、1%を超える場合は“×”の評点を付けた。
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
Figure 0005740908
表2−1〜表2−3、表3−1〜表3−3、表4−1〜表4−3中で、No.4−1、4−2、4−3、6−1、6−2、6−3、8−1、8−2、8−3、11−1、11−2、11−3、13−1、13−2、13−3、13−4、13−5、13−6、13−7、13−8、13−9、14−1、14−2、14−3、14−4、14−5、14−6、14−7、14−8、14−9、15−1、15−2、15−3、15−4、15−5、15−6、15−7、15−8、15−9は、冷間鍛造性が劣位な比較例である。
上記以外の実施例で、冷間鍛造性が良好な供試材のうち、種々の焼入れ条件にて焼入れ後に焼入れ不良相が1%以下の実施例、No.2−2、2−3、2−5、2−6、2−9、3−2、3−3、3−5、3−6、3−9、4−5、4−6、4−8、4−9、5−2、5−3、5−5、5−6、5−9、6−5、6−6、6−8、6−9、7−2、7−3、7−5、7−6、7−9、8−5、8−6、8−8、8−9、9−2、9−3、9−5、9−6、9−9、10−2、10−3、10−5、10−6、10−9、11−5、11−6、11−8、11−9、12−2−、12−3、12−5、12−6、12−8、12−9は、冷間鍛造性に優れ急速焼入れ時に550Hv以上に硬化し、かつ良好な焼入れ組織を得られた発明例である。
前述したように、本発明によれば、冷間鍛造性に優れた中炭素鋼板の急速加熱焼入れ方法を提供することができる。よって、本発明は、急速加熱焼入れを利用した中炭素鋼板の用途を大きく拡大するもので、短時間熱処理・省エネルギー化が真に求められる現代の鋼製品製造産業において利用可能性が高いものである。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.30〜0.55%、
    Si:0.05〜0.3%、
    Mn:0.3〜1.5%、
    P:0.005〜0.03%、
    S:0.0001〜0.01%、
    Al:0.005〜0.10%、
    及び、N:0.001〜0.01%
    を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、焼入れ前の鋼板の炭化物の平均円相当径が0.25μm以上0.65μm以下、炭化物の球状化率が60%以上90%未満である中炭素鋼板を、下記(A)式に規定する条件にて急速加熱焼入れ処理を施し、該焼入れ後の組織に含まれるマルテンサイトの面積率が99%以上となり、更にビッカース硬度を550Hv以上にすることを特徴とする中炭素鋼板の焼入れ方法。
    B値>18000+24000×(D θ −0.2) 2.5 ・・・(A)式
    ここで、
    θ ・・・炭化物の平均円相当径、
    B値=1373×(logΣΔt+18)、
    Δt=10 (ΔT+273)(log(0.02/3600)+18)/1373-18
    ΔT・・・室温から加熱、冷却までの温度履歴を0.02秒単位で区切ったときの各時間における温度を意味する。
  2. 質量%で、さらに、
    Cr:0.01〜0.3%、
    Ni:0.01〜0.5%、
    Cu:0.05〜0.5%、
    Mo:0.001〜0.3%
    の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の中炭素鋼板の焼入れ方法。
  3. 質量%で、さらに、
    Nb:0.001〜0.3%、
    Ti:0.001〜0.3%
    V:0.001〜0.3%、
    B:0.0001〜0.003%、
    Ta:0.01〜0.3%、
    W:0.01〜0.3%
    の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の中炭素鋼板の焼入れ方法。
JP2010235973A 2010-10-20 2010-10-20 冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法 Active JP5740908B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235973A JP5740908B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235973A JP5740908B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012087382A JP2012087382A (ja) 2012-05-10
JP5740908B2 true JP5740908B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=46259331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010235973A Active JP5740908B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5740908B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170145528A1 (en) * 2014-06-17 2017-05-25 Gary M. Cola, JR. High Strength Iron-Based Alloys, Processes for Making Same, and Articles Resulting Therefrom
CN109072388A (zh) * 2016-05-10 2018-12-21 博格华纳公司 用于高耐磨汽车链节板的铌铬低合金碳钢
JP6891830B2 (ja) * 2018-01-26 2021-06-18 日本製鉄株式会社 係留チェーン用鋼および係留チェーン
CN113088813A (zh) * 2021-03-24 2021-07-09 武汉钢铁有限公司 一种热轧锯片用钢及生产方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08269619A (ja) * 1995-03-31 1996-10-15 Kawasaki Steel Corp 焼入れ性と冷間加工性に優れた高炭素熱延鋼板
JP3848444B2 (ja) * 1997-09-08 2006-11-22 日新製鋼株式会社 局部延性および焼入れ性に優れた中・高炭素鋼板
JP2001329333A (ja) * 2000-05-17 2001-11-27 Sanyo Special Steel Co Ltd 冷間鍛造用高周波焼入れ用鋼
JP4782243B2 (ja) * 2009-03-16 2011-09-28 新日本製鐵株式会社 焼入れ性に優れたボロン添加鋼板および製造方法
JP5280324B2 (ja) * 2009-09-08 2013-09-04 日新製鋼株式会社 精密打抜き用高炭素鋼板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012087382A (ja) 2012-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6452454B2 (ja) 高強度ばね用圧延材および高強度ばね用ワイヤ
JP6107437B2 (ja) 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用低合金高強度継目無鋼管の製造方法
JP5640931B2 (ja) 加工性及び焼入性に優れた中炭素冷延鋼板とその製造方法
WO2019181130A1 (ja) 耐摩耗鋼及びその製造方法
JP2011012316A (ja) 打抜き性に優れた軟質高炭素鋼板及びその製造方法
JP2018059188A (ja) 耐摩耗鋼板および耐摩耗鋼板の製造方法
JP2016079431A (ja) 油井用電縫鋼管及びその製造方法
JP2018059187A (ja) 耐摩耗鋼板および耐摩耗鋼板の製造方法
KR20130046941A (ko) 고강도 강판 및 그 제조 방법
JP2018059189A (ja) 耐摩耗鋼板および耐摩耗鋼板の製造方法
JP5312230B2 (ja) 打抜きカエリの小さい軟質高炭素鋼板及びその製造方法
JP5630523B2 (ja) 窒化処理用鋼板およびその製造方法
JP5871085B2 (ja) 冷間鍛造性および結晶粒粗大化抑制能に優れた肌焼鋼
JPWO2015146174A1 (ja) 高炭素熱延鋼板およびその製造方法
JP5740908B2 (ja) 冷間鍛造後の急速加熱焼入れ性に優れた中炭素鋼板の焼入れ方法
JP5521931B2 (ja) 高周波焼入れ性優れた軟質中炭素鋼板
JP5565102B2 (ja) 機械構造用鋼およびその製造方法
JP4464863B2 (ja) 耐結晶粒粗大化特性と冷間加工性に優れた肌焼用鋼
JP4959471B2 (ja) 靭性に優れた機械構造用高強度シームレス鋼管及びその製造方法
JP2018150585A (ja) 耐摩耗鋼板および耐摩耗鋼板の製造方法
JP4448047B2 (ja) 耐結晶粒粗大化特性と冷間加工性に優れ、軟化焼鈍の省略可能な肌焼用鋼
JP2017186592A (ja) 表層と板厚中心部の硬度に優れ、かつ表層と中心の硬度差の小さい板厚200mm超の厚鋼板およびその製造方法
JP6796472B2 (ja) 中空部材及びその製造方法
JP2017133052A (ja) 浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性と被削性に優れた肌焼鋼およびその製造方法
JP5153221B2 (ja) 軟窒化非焼準機械部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141126

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150413

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5740908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350