JP5739939B2 - 乳化ドレッシング - Google Patents

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本発明は、水中油滴型の乳化ドレッシングに関する。
半固体状の乳化ドレッシングとして、マヨネーズがよく知られている。マヨネーズは、食用植物油脂、卵、食酢を主成分とし、卵黄のレシチンと蛋白質の乳化力によって、酢と油を均一に乳化させたドレッシングである。また、しかしながら、卵は3大アレルギーの1つに挙げられており、卵に対してアレルギーを引き起こす人たちはマヨネーズを使用することができない。
そこで、近年では、卵を使用しない半固体状の乳化ドレッシングとして、大豆を原材料に使用し、大豆レシチンの乳化力を利用したものが提案されている。例えば特許文献1には、全脂大豆粉と、水と、増粘剤と、食酢またはかんきつ類の果汁と、食用植物油脂と、調味料とを原料とした乳化ドレッシングが記載されている。
特開2005−192407号公報
しかしながら、大豆を原材料に用いた乳化ドレッシングは、大豆の青臭さやえぐみがあるため、マヨネーズに比べて風味が悪くなる。また、大豆レシチンは、酸性域では乳化力が低下するため、食酢の配合率が高くなると、ドレッシングの粘度が低下して、容器から押し出した際の保形性が悪くなる場合がある。また、大豆もアレルゲンの1つであるため、大豆に対してアレルギーを起こす人はこのドレッシングを使用できない。
そこで、本発明は、卵および大豆や、乳化剤、増粘剤を原材料に使用せず、乳化安定性および風味が良好な乳化ドレッシングを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の乳化ドレッシングは、米から抽出された米由来蛋白質を固形分換算で20重量%以上含有する米由来原料と、食酢とを含む水相部と、食用油を含む油相部とからなり、前記米由来原料によって水中油滴型に乳化されていることを特徴とする。
この構成によると、乳化ドレッシングには、乳化作用を有するリポ蛋白質を含有する米由来原料が配合されているため、卵および大豆や、乳化剤、増粘剤を使用することなく乳化させることができ、乳化安定性が良好である。卵および大豆を使用しないことにより、卵アレルギーまたは大豆アレルギーの人でも使用することができる。また、米由来原料は米特有の甘味を有するため、乳化ドレッシングの風味が良好となる。
本発明の乳化ドレッシングは、前記水相部と前記油相部の重量比が、40/60〜60/40であることが好ましい。
また、本発明の乳化ドレッシングは、前記米由来原料が、固形分換算で3〜30重量%配合されていることが好ましい。
実施例1−1、2および比較例1−1〜5のドレッシングの顕微鏡写真である。 実施例2−1〜3および比較例2−1、2のドレッシングの顕微鏡写真である。 実施例3−1〜4および比較例3−2のドレッシングの顕微鏡写真である。 実施例3−5〜8および比較例3−4のドレッシングの顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書中の「%」は全て「重量%」を示している。本実施形態の乳化ドレッシングは、水中油滴型の乳化ドレッシングである。
乳化ドレッシングの油相部は、食用油で構成される。食用油としては、米油を用いることが好ましいが、米油以外の植物油であってもよく、動物油であってもよい。また、油相部には、着色料等が配合されていてもよい。
乳化ドレッシングの水相部は、食酢と、米由来原料と、食塩、香辛料、うまみ調味料(アミノ酸等)などの調味料とを含んでいる。食酢としては、米酢を使うことが好ましいが、これ以外であってもよい。また、水相部は、水を含んでいてもよい。また、水相部は、果汁や、糖類、はちみつ、香辛料抽出物、蛋白加水分解物、酸味料、必要に応じて、糊料、澱粉、乳化剤等を含んでいてもよい。
米由来原料は、米糠、または、粉末化した玄米もしくは精米から抽出される物質である。米由来原料は、蛋白質と、脂質と、スクロース、グルコース、マルトース、フルクトース、オリゴ糖等の糖質と、カリウム、マグネシウム等の灰分(ミネラル)等を含んでいる。米由来原料に含まれる脂質には、単純脂質の状態で存在するものと、複合脂質の状態で存在する糖脂質やリン脂質、また、単純脂質、リン脂質、糖脂質および蛋白質の複合体であるリポ蛋白質等が含まれている。米由来原料は、固形分換算で、単体または脂質等と結合した状態の蛋白質を20%以上含有している。リポ蛋白質および脂質類は乳化作用を有しており、本実施形態の乳化ドレッシングは、リポ蛋白質および脂質類によって乳化されている。また、米由来原料は、米特有の甘味を有しており、この甘味は、糖類、リン脂質や糖脂質と、リポ蛋白質とが関与していると考えられる。
以下、米由来原料の抽出方法について説明する。まず、米糠等を水に混合した混合液を、水系溶媒に添加して撹拌することで、米由来原料を水抽出する。水系溶媒は、水または水を含む混合溶媒(例えばクロロホルム、メタノール、エタノールなどの有機溶媒との混合、クエン酸、酢酸などの酸との混合、水酸化マグネシウム、アンモニアなどのアルカリとの混合溶媒)であって、水を用いることが好ましい。水系溶媒は、米糠等の質量の1〜50倍が好ましく、1.5倍がより好ましい。また、抽出温度が60℃を超えるとでんぷんが糊化してしまい抽出効率低下してしまうため、抽出温度は1〜60℃が好ましく、25℃以下がより好ましい。また、水抽出の撹拌時間は、1分〜24時間とする。
次に、抽出液を、自然沈降、遠心分離、透析、ろ過、圧搾等により固液分離させて、その上澄み液と沈殿物上層部を回収する。固液分離は、遠心分離機により1000〜4000rpmで1〜20分間行うことが好ましい。
回収した上澄み液と沈殿物上層部は、乳化ドレッシングの原料としてそのまま使用してもよいが、洗浄または精製してから用いてもよい。洗浄または精製することで、脂質濃度の高い米由来原料を得ることができる。洗浄の方法としては、例えば、回収した上澄み液と沈殿物上層部を遠心分離機で撹拌して固液分離させ、その沈殿物に適宜水を加えてさらに遠心分離機で撹拌してその沈殿物を回収するという方法が挙げられる。
また、上澄み液と沈殿物上層部との混合物や、これらを洗浄または精製したものは、スラリー状である。米由来原料は、このようなスラリー状で乳化ドレッシングの原料として使用してもよいが、濃縮または乾燥させて水分を減らした状態で乳化ドレッシングの原料として使用することが好ましい。濃縮または乾燥させることで、乳化ドレッシングの水分量の調整が容易となる。また、乾燥させた場合には、保存性が良好となる。濃縮の方法としては、例えば膜濃縮、真空濃縮、冷凍濃縮が挙げられる。また、乾燥の方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥が挙げられる。
油相部と水相部の重量比は、40/60〜60/40が好ましく、50/50がより好ましい。
乳化ドレッシング中の米由来原料の配合率は、固形分換算で3〜30%が好ましい。水相部の割合をa(%)とすると、米由来原料の配合率b(%)は、0.25a−7≦b≦0.75a−15がより好ましい。つまり、油相部と水相部の重量比が40/60の場合には、米由来原料の配合率は8〜30%が好ましく、油相部と水相部の重量比が60/40の場合には、米由来原料の配合率は3〜15%が好ましい。
上述したように米由来原料は蛋白質を20%以上含有しており、米原材料(米糠等)に蛋白質が30%程度含有していた場合、米由来原料の配合率が3〜30%であれば、乳化ドレッシング中の米由来原料の蛋白質の含有率は0.6〜6%となる。
また、乳化ドレッシング中の食酢の配合率は、例えば5〜35%である。
乳化ドレッシングは、半固形状またはペースト状である。B型粘度計(VISCOMETER TV10M TOKI SANGYO)を使用し、試料温度20℃、10rpmで測定した乳化ドレッシングの粘度は、例えば、2〜60Pa・s以上である。
乳化ドレッシングの製造方法は以下の通りである。上述した手順で抽出された米由来原料と、食酢と、調味料と、水等のその他の原料とを混合した水相原料液に、食用油を少量ずつ加えながらホモジナイザー等の攪拌機で撹拌して乳化させる。ホモジナイザーによる撹拌の場合、例えば、5000〜30000prmで1〜10分間行う。
本実施形態の乳化ドレッシングには、乳化作用を有するリポ蛋白質を含有する米由来原料が配合されているため、卵および大豆や、増粘剤、乳化剤を使用することなく乳化させることができ、乳化安定性が良好である。卵および大豆を使用しないことにより、卵アレルギーまたは大豆アレルギーの人でも使用することができる。また、米由来原料は米特有の甘味を有するため、乳化ドレッシングの風味が良好となる。
次に、本発明の具体的な実施例および比較例について説明する。
まず、米由来原料を用いる場合と、米由来原料以外の原料を用いる場合とを比較する試験を行った。
<実施例1−1>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水14%からなる水相原料液50%に、食用油50%を少量ずつ添加しながらホモジナイザー(KINEMATICA社製 商品名:ポリトロンPT10-35GT)を用いて20000prmで2分間撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
なお、上述の配合率は、全てドレッシングを100とした値である。米由来原料の配合率および蛋白質の配合率は、固形分換算値であり、蛋白質の配合率は、米由来原料に含まれる窒素量から換算した値である。
また、米由来原料としては、米糠の水抽出液を固液分離させて、その上澄み液と沈殿物上層部を回収し、凍結乾燥したものを用いた。この米由来原料の組成は、蛋白質33%、糖質51%、脂質6%、灰分6%、水分4%であった。後述する他の実施例においても同様の米由来原料を用いた。また、撹拌の条件(攪拌機の種類、回転数、撹拌時間)は、後述する他の実施例および比較例でも同様である。
<実施例1−2>
米由来原料8%(蛋白質2.4%)、調味料1%、食酢20%、水11%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながら実施例1−1と同様にホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例1−1>
鶏卵の卵黄15%(蛋白質2.5%)、調味料1%、食酢14%からなる水相原料液30%に、食用油70%を少量ずつ添加しながらホモライザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。この比較例1−1の配合は、一般的なマヨネーズと同じである。
<比較例1−2>
鶏卵の卵黄8%(蛋白質1.3%)、調味料1%、食酢20%、水1%からなる水相原料液30%に、食用油70%を少量ずつ添加しながらホモライザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例1−3>
大豆粉(日新オイリオグループ社製 脱臭全脂大豆粉末 商品名:アルファプラスHS-600)12%(蛋白質5.1%)、調味料1%、食酢20%、水7%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモライザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例1−4>
大豆粉(比較例1−3と同じ脱臭全脂大豆粉末)8%(蛋白質3.4%)、調味料1%、食酢20%、水11%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモライザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例1−5>
米糠16%(蛋白質2.4%)、調味料1%、食酢20%、水3%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモライザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
実施例1−1、2および比較例1−1〜5のドレッシングについて、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製 商品名:SALD-2000)を用いて、水相中の油滴のモード径を測定した。その結果を表1に示す。なお、モード径とは、粒度分布における最頻粒径のことである。また、各ドレッシングについて、pHの測定と、外観観察による油水分離状況の確認を行った。その結果も表1に示す。なお、分離なしと判断した場合には○を、微小な油水離水ありと判断した場合には△を、完全に油水分離ありと判断した場合には×を表示した。また、図1は、実施例1−1、2および比較例1−1〜5のドレッシングの顕微鏡写真である。
一般的に、水中油滴型の乳化液では、水相中の油滴の粒径が小さいほど乳化が安定する。また、粒径のばらつきが大きいと、粒径の大きい油滴に粒径の小さい油滴がくっついていき乳化が不安定となるため、粒径のばらつきは小さいほど乳化が安定する。
表1の結果から明らかなように、米由来原料を用いた実施例1−1、2のドレッシングは、大豆粉を用いた比較例1−1、2や、米糠をそのまま用いた比較例1−5のドレッシングよりも油滴のモード径が小さく、これらよりも乳化安定性が高いことがわかる。また、米由来原料を用いた実施例1−1、2のドレッシングは、卵黄を用いた比較例1−3、4のドレッシングと油滴のモード径が同程度であり、同程度の乳化安定性を有することがわかる。また、一般的に酸性域は乳化が不安定になりやすいが、実施例1−1、2のドレッシングは、pH4〜pH5の酸性域でも乳化安定性が良好であった。
次に、油相部と水相部の割合を変えてドレッシングを製造した。
<実施例2−1>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水24%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例2−2>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水14%からなる水相原料液50%に、食用油50%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例2−3>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水4%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例2−1>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水44%からなる水相原料液80%に、食用油20%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例2−2>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水34%からなる水相原料液70%に、食用油30%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例2−3>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢14%からなる水相原料液30%に、食用油70%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌した。
比較例2−3では、食用油を65%添加した時点で粘度が高くなりすぎて、残りの油を添加して撹拌しても、水相と油相が分離したままで、乳化させることができなかった。
実施例2−1〜3および比較例2−1、2のドレッシングについて、油滴のモード径の測定と、pHの測定と、外観観察による油水分離状況の確認を行った。その結果を表2に示す。図2は、実施例2−1〜3および比較例2−1、2のドレッシングの顕微鏡写真である。
表2に示すように、水相が70%以上である比較例2−1、2では離水が生じたが、水相が40〜60%である実施例2−1〜3では離水は生じず、乳化安定性が良好であった。特に、水相50%、油相50%である実施例2−2は、油滴のモード径が最も小さいことから、乳化安定性が最も優れている。
次に、米由来原料の配合率を変えてドレッシングを製造した。
<実施例3−1>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水4%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−2>
米由来原料8%(蛋白質2.4%)、調味料1%、食酢20%、水11%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−3>
米由来原料5%(蛋白質1.5%)、調味料1%、食酢20%、水14%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−4>
米由来原料3%(蛋白質0.9%)、調味料1%、食酢20%、水16%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−5>
米由来原料30%(蛋白質9.0%)、調味料1%、食酢20%、水9%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−6>
米由来原料20%(蛋白質6.0%)、調味料1%、食酢20%、水19%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−7>
米由来原料15%(蛋白質4.5%)、調味料1%、食酢20%、水24%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<実施例3−8>
米由来原料8%(蛋白質2.4%)、調味料1%、食酢20%、水31%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例3−1>
米由来原料20%(蛋白質6.0%)、調味料1%、食酢19%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌した。
<比較例3−2>
米由来原料2%(蛋白質0.6%)、調味料1%、食酢20%、水17%からなる水相原料液40%に、食用油60%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
<比較例3−3>
米由来原料40%(蛋白質12%)、調味料1%、食酢19%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌した。
<比較例3−4>
米由来原料5%(蛋白質1.5%)、調味料1%、食酢20%、水34%からなる水相原料液60%に、食用油40%を少量ずつ添加しながらホモジナイザーで撹拌して乳化させ、ドレッシングを製造した。
水相が40%で米由来原料が20%である比較例3−1と、水相が60%で米由来原料が40%である比較例3−3では、撹拌しても水相と油相が分離したままで、乳化させることができなかった。
実施例3−1〜8および比較例3−2、4のドレッシングについて、油滴のモード径の測定と、pHの測定と、外観観察による油水分離状況の確認を行った。その結果を表3に示す。また、図3は、実施例3−1〜4および比較例3−2のドレッシングの顕微鏡写真であり、図4は、実施例3−5〜8および比較例3−4のドレッシングの顕微鏡写真である。
表3に示すように、水相が40%で米由来原料が2%である比較例3−2では離水が生じたが、水相が40%で米由来原料が3〜15%である実施例3−1〜4では離水は生じず、乳化安定性が良好であった。また、水相が60%で米由来原料が5%である比較例3−4では離水が生じたが、水相が60%で米由来原料が8〜30%である実施例3−5〜8では離水は生じず、乳化安定性が良好であった。また、実施例3−1〜8の結果から、米由来原料の濃度が高いほど、油滴のモード径が小さくなり、乳化が安定することがわかる。また、実施例3−1〜4と実施例3−5〜8との比較から、水相の割合が大きいほど、米由来原料が多く必要となることがわかる。

Claims (3)

  1. 米から抽出された米由来蛋白質を固形分換算で20重量%以上含有する米由来原料と、食酢とを含む水相部と、食用油を含む油相部とからなり、前記米由来原料によって水中油滴型に乳化されていることを特徴とする乳化ドレッシング。
  2. 前記水相部と前記油相部の重量比が、40/60〜60/40であることを特徴とする請求項1に記載の乳化ドレッシング。
  3. 前記米由来原料が、固形分換算で3〜30重量%配合されていることを特徴とする請求項2に記載の乳化ドレッシング。
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