JP5739849B2 - 飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法 - Google Patents

飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5739849B2
JP5739849B2 JP2012192948A JP2012192948A JP5739849B2 JP 5739849 B2 JP5739849 B2 JP 5739849B2 JP 2012192948 A JP2012192948 A JP 2012192948A JP 2012192948 A JP2012192948 A JP 2012192948A JP 5739849 B2 JP5739849 B2 JP 5739849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
feed
cattle
husk
rice husk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012192948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014045737A (ja
Inventor
栄一 松景
栄一 松景
Original Assignee
日本フーヅ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本フーヅ株式会社 filed Critical 日本フーヅ株式会社
Priority to JP2012192948A priority Critical patent/JP5739849B2/ja
Publication of JP2014045737A publication Critical patent/JP2014045737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5739849B2 publication Critical patent/JP5739849B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

本発明は、牛に給与する飼料に関し、特に、牛用飼料に用いる飼料米に関する。
近年、牛などの家畜に給与する飼料において、米を利用した飼料がある。これは、低迷する国内の飼料自給率の向上を図る目的で米を利用するものであり、このような米は、食用の米と区別して、飼料米と称されることがある。この種の飼料米は、とうもろこし等からなる従来の濃厚飼料に、そのまま混ぜて利用されたり、籾を取り除いたものを混ぜて利用されたりしている。その他、籾米を挽砕等して粉末状にした米を利用した家畜用飼料がある(例えば、特許文献1参照)。
一方、人の食用加工品として、籾米を高圧洗浄し、しかる後に当該籾米を所定時間熱風下で加熱し、その後加熱乾燥焙煎された籾米を粉砕して粉末状にした食用粉がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−009199号公報 特開2007−330156号公報
ところで、牛は飼料を胃や腸で消化する。しかしながら、そのままの状態の飼料米や籾殻を取り除いた飼料米を牛に給与した場合、飼料米が固いため、胃や腸で消化されずに排泄される分量が多くなり、十分に消化吸収がされない。すなわち、このような飼料では牛の肉質や乳質が悪くなるという課題があった。
また、特許文献2記載の籾米を粉末状にした食用粉を、仮に牛に飼料として給与した場合、腸の細毛に粉末が付着してガスが発生したり、胃ですぐに消化吸収されて牛の血糖値が上がり、すぐに満腹となったりするなど、十分な量の飼料を牛が食べない。すなわち、この場合も牛の肉質や乳質が悪くなるという課題があった。
本発明は、胃での吸収を抑えて腸で吸収させることにより、牛に目的の分量の飼料を給与でき、栄養バランスに優れ、牛の肉質や乳質を向上させる牛用飼料の飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた牛の肥育方法を提供することを目的とする。
本発明に係る飼料米は、牛用飼料に用いる飼料米であって、籾殻付米を焙煎し破砕して、粒状にしたことを特徴とする。
この構成によれば、籾殻付米を焙煎することで、内部の水分が蒸発するときに籾殻付米が膨化して適度に柔らかくなる。また、焙煎した籾殻付米を破砕して粒状とすることで、全てを粉末状にした場合のように胃ですぐに消化吸収されず、胃での消化吸収量を抑えて、腸で消化吸収させることができる。したがって、牛がすぐに満腹状態となることがなく、牛に目的の分量の飼料を給与することができる。これらにより、牛の肉質の向上や乳質の向上を図ることができる。さらに、籾なしの米を用いず、籾殻付米を用いることで、栄養のバランスがよく、牛の肉質の向上や乳質の向上を図ることができる。
好ましくは、前記焙煎は、前記籾殻付米の表面温度が90℃〜150℃となるまで焙煎する。前記籾殻付米の表面温度を90℃より低い状態で焙煎をやめると、籾殻付米の膨化が少なく固い場合がある。また、150℃より高い状態まで焙煎すると、籾殻付米の膨化が大きく柔らかくなりすぎ(ポン菓子のような状態となる)、破砕した時に粒状とならず、多くが粉末状になる場合がある。なお、前記籾殻付米の表面温度は、例えば、赤外放射温度計など非接触温度計により測定する。
好ましくは、前記焙煎は、前記籾殻付米の表面温度が100℃〜130℃となるまで焙煎する。前記籾殻付米の表面温度を100℃〜130℃まで焙煎することで、籾殻付米の膨化や固さの具合がよく、牛用飼料に用いる飼料米としてバランスがよい。
好ましくは、飼料米の粒子径が4.0mm以下である。これにより、牛が飼料米を適度に消化吸収できる。より好ましくは、飼料米の粒子径が、3.0mm以下である。なお、飼料米の粒子径を4.0mm以下や、3.0mm以下、または2.0mm以下とするには、例えば、ロールミル等を用いて焙煎した籾殻付米を破砕し、その後シフター等を用いてふるいにかけ所定の粒子径の飼料米を得る。このように、ロールミルやシフター等の設定により、籾殻付米を破砕して得られる飼料米の多くを、粒子径が1.0mm〜4.0mmや、0.5mm〜3.0mmなどの粒状とできる。
本発明に係る牛用飼料は、請求項1〜5のいずれか1項記載の飼料米を含むことを特徴とする。また、牛用飼料が、前記飼料米を全体の1%〜60%含むこととしてもよい。牛用飼料には、従来とうもろこし等を主原料とする濃厚飼料があり、例えば、とうもろこしの一部にかえて、飼料米をくわえるなどすればよい。また、とうもろこし等を主原料とする濃厚飼料の全部にかえて、牛用飼料として100%の飼料米を用いることとしてもよい。本発明の飼料米は、籾殻付米を使用しているため、炭水化物を主とする米にくわえ、必須アミノ酸を含む籾殻を含み、この飼料米のみでも栄養バランスがよい。
本発明に係る牛の肥育方法は、請求項6または7記載の牛用飼料を牛に給与することを特徴とする。この構成によれば、栄養バランスに優れた前記飼料米を含む牛用飼料を給与することで、肉質の向上や乳質の向上を図ることができる。
本発明に係る飼料米の製造方法は、籾殻付米を前記籾殻付米の表面温度が90℃〜150℃となるまで焙煎する第一の工程と、前記籾殻付米を破砕して粒状にする第二の工程と、を備え、前記第二の工程により、前記籾殻付米の粒子径を4.0mm以下にすることを特徴とする。
好ましくは、前記第一の工程が、前記籾殻付米の表面温度が100℃〜130℃となるまで焙煎する工程であり、前記第二の工程により、前記籾殻付米の粒子径を3.0mm以下とする。
また、さらに、破砕して粒状にした前記籾殻付米をふるいにかける第三の工程を備え、前記籾殻付米を、その粒子径が4.0mm以下または3.0mm以下など、所定の大きさになるまで、前記第二の工程と前記第三の工程とを繰り返してもよい。
以上のように、本発明の飼料米によれば、飼料米を適度な固さの粒状として、牛に給与した場合に、胃での消化吸収を抑え、目的の分量を給与でき、十分に消化吸収させる。また、この飼料米は、籾殻付の米を加工してなるため栄養バランスに優れ、この飼料米を含む牛用飼料を牛に給与することで、肉質の向上や乳質の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る飼料米の説明図である。 同飼料米の製造装置の模式図である。 同飼料米の製造フローを示すフローチャートである。 同飼料米のα化度を測定した測定結果である。 同飼料米を含む牛用飼料を給与して肥育した牛の肉質検査結果である。
以下、本発明に係る実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
<1.飼料米>
図1に示すように、本実施形態の飼料米1は、籾殻付米10をその表面温度が約110℃になるまで焙煎し、焙煎後の籾殻付米10を破砕して、粒子径を約3.0mm以下(概ね1.0mm〜3.0mm)の粒状にしたものである。以下、飼料米1の製造装置及び製造工程について詳述する。
<2.製造装置>
図2に示すように、飼料米の製造装置2は、昇降機20と、定量供給機21と、焙煎機22と、精選機23と、サイロ24と、石抜き機25と、破砕機26と、シフター27と、空気輸送機28と、製品タンク29と、を備える。
(2−1.昇降機20)
昇降機20は、投入した籾殻付米10を昇降させる装置である。本実施形態の製造装置2は、昇降機20(20a、20b)を2機備えていて、これら昇降機20は主として籾殻付米10を下方から上方へ運ぶために用いる。
(2−2.定量供給機21)
定量供給機21は、所定量の籾殻付米10を焙煎機22に供給するための装置である。本実施形態においては、約50kgの籾殻付米10を測定して焙煎機22に供給する。なお、焙煎機22に供給する籾殻付米10の量は50kgに限られず、これより多くてもよい。
(2−3.焙煎機22)
焙煎機22は、籾殻付米10を焙煎する装置である。なお、焙煎とは食品を乾煎りすること、すなわち、籾殻付米10を焙煎機22に入れ、ほぼ密閉状態(半密閉状態)で、水分を加えず外から高い温度に加熱する。なお、本実施形態においては、焙煎機22からの排気温度が約500℃となる状態にして籾殻付米10を焙煎する。そして、籾殻付米10の内部の水分が蒸発して、このとき、籾殻付米10が膨化する。なお、本実施形態の焙煎機22には、ガス焙煎機を用いているが、これに限られず、マイクロウェーブ等を使った電子焙煎機や、赤外線を使った焙煎機を用いてもよい。
(2−4.精選機23)
精選機23は、焙煎した籾殻付米10を精選する。すなわち、籾殻付米10の籾殻には、ヒゲなどの不要部分が存在していて、籾殻付米10が焙煎された時に、このヒゲが黒く炭化する。炭化したヒゲは飼料には適さない。また、脱穀機により籾殻付米10を穂から外す時に出たワラなどが、籾殻付米10に混在する場合がある。そこで、精選機23によって、籾殻付米10を、例えば7mmの網と3mmの網とに通し、ワラ(7mmの網上に残る)と炭化したヒゲ(3mmの網下に落ちる)とを選別し除去して、精選した籾殻付米10を得る(7mmの網と3mmの網との間に残る)。
(2−5.サイロ24)
サイロ24は、焙煎した籾殻付米10を一時的に貯蔵する。ここで、焙煎して熱を持った籾殻付米10を、その自己熱を利用して自己焙煎させると同時に、籾殻付米10を自然冷却させる。なお、本実施形態では、焙煎した籾殻付米10を4〜5時間程サイロ24に貯蔵して、自己焙煎と自然冷却とを行う。
(2−6.石抜き機25)
石抜き機25は、籾殻付米10に混在する小石や砂利等を除去するための装置である。石抜き機25は、籾殻付米10に空気(風)をあて、籾殻付米10と相対的に比重の大きい小石や砂利等とを分離させて小石や砂利等を除去する。同時に、籾殻付米10は空気(風)により冷却される。
(2−7.破砕機26)
破砕機26は、サイロ24及び石抜き機25を通過した籾殻付米10を破砕する装置である。破砕機26は、例えば、籾殻付米10の粒子径を2.0mmや3.0mm、4.0mmなど、設定により籾殻付米10の破砕の度合を調整できる。また、本実施形態の製造装置2は、破砕機26(26a、26b、26c)を3機備える。
(2−8.シフター27)
シフター27は、破砕した籾殻付米10をふるいにかける装置であり、所定の篩目の篩網を用いて振動させ、篩網を通過したものと篩網に残ったものとを分離する。このように、シフター27は、例えば、籾殻付米10の粒子径を2.0mmや3.0mm、4.0mmなど、篩目の設定により籾殻付米10のふるいの度合を調整できる。また、本実施形態の製造装置2は、シフター27(27a、27b)を2機備える。
(2−9.空気輸送機28)
空気輸送機28は、空気を送りこむことにより、焙煎し破砕した籾殻付米10を製品タンク29まで輸送するためのものである。
(2−10.製品タンク29)
製品タンク29は、焙煎し破砕した籾殻付米10を、製品出荷前に一時的に貯蔵するためのものである。なお、製品タンク29に送られた段階で、製品出荷目のチェックを残し、焙煎し破砕した籾殻付米10は、飼料米1としてほぼ完成している。
(2−11.全体構成詳細)
続き、製造装置2の全体構成について、籾殻付米10の流れに沿って説明する。製造装置2は、大きく分けて籾殻付米10を焙煎する機器を備える構成Aと、焙煎した籾殻付米10を破砕する構成Bとからなる。構成Aは、第一の昇降機20aと第二の昇降機20bとの間で、構成Bは、第二の昇降機20bと空気輸送機28との間である。
構成Aは、第一の昇降機20aにより上昇した籾殻付米10が、第一の昇降機20aから供給される定量供給機21を備え、定量供給機21の下方に焙煎機22が配されている。また、焙煎機22の隣には、焙煎した籾殻付米10が焙煎機22から供給される精選機23が配されていて、精選機23の隣に、第二の昇降機20bが配されている。
構成Bは、第二の昇降機20bにより上昇された籾殻付米10が、第二の昇降機20bから供給されるサイロ24を備え、サイロ24の下方には、上から順に、石抜き機25、第一の破砕機26a、第一のシフター27a、第二の破砕機26bが配されている。そして、第二の破砕機26bの下方には、側面視略L字型の空気輸送機28の下辺部がくるように、空気輸送機28が配置されている。これにより、サイロ24、石抜き機25、第一の破砕機26a、第一のシフター27a、またはさらに、第二の破砕機26bを通過して、焙煎され破砕された籾殻付米10が、空気輸送機28に供給される構成となっている。なお、本実施形態において、第一の破砕機26aと第二の破砕機26bには、一例としてロールミルを用いている。
また、前記のように空気輸送機28は、側面視略L字型であって、下辺部の端部から立設した側辺部を有する。なお、空気輸送機28に供給された籾殻付米10は、下辺部から側辺部上方に運ばれる。そして、空気輸送機28の隣には、空気輸送機28により上昇された籾殻付米10が供給される製品タンク29が配されている。
また、製品タンク29の下方には、上から順に、第二のシフター27b、第三の破砕機26cが配されていて、第三の破砕機26cの下方には、空気輸送機28の下辺部がくる。なお、この構成は、焙煎され破砕された籾殻付米10、すなわちほぼ完成した製品出荷前の飼料米1、の最終チェックを行うためのもので、第二のシフター27bを通過した飼料米1が出荷可能な製品となる。一方、第二のシフター27bに残った飼料米1は、第三の破砕機26cを通過して、再度空気輸送機28に供給される構成となっている。なお、本実施形態において、第三の破砕機26cには、一例として高速度破砕機を用いている。高速度破砕機は、前記ロールミルよりも細かく破砕できる。
<3.製造工程>
次に、本実施形態の飼料米1の製造工程について、図面に基づき説明する。
(ステップS1)
図3に示すように、飼料米1を製造するために、籾殻付米10を第一の昇降機20aの下方から投入する。
(ステップS2)
第一の昇降機20aに投入された籾殻付米10は、第一の昇降機20aにより上方に運ばれて、定量供給機21に供給される。続き、定量供給機21から所定量(本実施形態では、約50kg)の籾殻付米10が、焙煎機22に供給される。
(ステップS3)
そして、焙煎機22で籾殻付米10が焙煎される。本実施形態においては、例えば、籾殻付米10の表面温度が約110℃になるまで籾殻付米10を焙煎する。この場合、籾殻付米10は、焙煎機22で約3〜4分間焙煎されることとなる。このとき、籾殻付米10に含有されている水分量が約14〜18%から約5%〜8%に減少されるのと同時に、籾殻付米10が膨化して適度に柔らかくなる。また、膨化した籾殻付米10のα化度は約30%〜50%となる(本実施形態では42.8%となった(図4参照))。このようなα化度であれば、籾殻付米10を破砕したときに、籾殻付米10の全てが粉末状となることなく、粒子径を2.0mmや3.0mm、4.0mmなど、所定の大きさの粒状とすることができる。
一方、籾殻付米10を焙煎する際、籾殻付米10の表面温度が、例えば160℃以上などあまりに高い温度になるまで焙煎すると、籾殻付米10に含有される水分のほとんどが減少して逆に固くなりすぎたり、膨化が大きくなりすぎたりする。すなわち、とうもろこしにおけるポップコーンのような状態となる。この場合、焙煎した籾殻付米10を破砕する際に、籾殻付米10が小さくなりすぎ、粉末状となってしまうため都合が悪い。
なお、本実施形態において、焙煎時における籾殻付米10の表面温度は、一例として赤外放射温度計により非接触で測定する。
(ステップS4)
焙煎機22で焙煎された籾殻付米10は、その後精選機23に運ばれて、精選機23により、籾殻付米10は7mmの網と3mmの網とに通され、ワラ(7mmの網上に残る)と炭化したヒゲ(3mmの網下に落ちる)とが選別されて除去され、精選された籾殻付米10を得る(7mmの網と3mmの網との間に残る)。
(ステップS5)
精選された籾殻付米10は、第二の昇降機20bの下方に投入され、第二の昇降機20bにより上方に運ばれた後、サイロ24に貯蔵される。ここで、ステップS4の工程により焙煎されて熱を持った籾殻付米10を、その自己熱を利用して自己焙煎させると同時に、自然冷却させる。なお、本実施形態では、焙煎した籾殻付米10を4〜5時間程サイロ24に貯蔵して、自己焙煎と自然冷却とを行う。
(ステップS6)
次に、籾殻付米10は、サイロ24から石抜き機25に運ばれて、石抜き機25により、籾殻付米10に混在する小石や砂利等が除去される。具体的には、籾殻付米10に空気(風)をあて、籾殻付米10と相対的に比重の大きい小石や砂利等とを分離させて小石や砂利等を除去する。同時に、籾殻付米10は空気(風)により冷却される。
(ステップS7)
そして、籾殻付米10は、石抜き機25を経て、その下方に配された第一の破砕機26aに運ばれて破砕される。本実施形態においては、例えば、籾殻付米10を3.0mmに破砕する設定としている。なお、籾殻付米を破砕する関係上、全ての籾殻付米10の粒子径を正確に3.0mmとすることは難しく、中には3.0mmよりも大きいものや小さいものも当然に存在する。
(ステップS8)
次に、破砕された籾殻付米10は、第一のシフター27aに運ばれる。本実施形態において、第一のシフター27aは、3.0mmの篩目の篩網を用いており、よって、籾殻付米10の粒子径が3.0mmよりも大きいものが篩網に残り、3.0mm以下のものが篩網から落ちて、これらが分離される。なお、粒子径が3.0mmよりも大きい籾殻付米10はステップS9へ、3.0mmmm以下の籾殻付米10はステップS10へ、進む。
(ステップS9)
第一のシフター27aに残った、粒子径が3.0mmよりも大きい籾殻付米10は、第二の破砕機26bに運ばれて再度破砕される。
(ステップS10)
そして、ステップS8において粒子径が3.0mm以下の籾殻付米10と、ステップS9を経て第二の破砕機26bで再度破砕された籾殻付米10とが、ともに空気輸送機28に運ばれる。
(ステップS11)
空気輸送機28に供給された籾殻付米10は、空気輸送機28内で下方から上方に輸送され、製品タンク29に供給される。なお、この時点で、焙煎され破砕された籾殻付米10は、飼料米1としてほぼ完成しおり、以下のステップS12〜ステップS14は、製品出荷前のチェック工程のようなものである。
(ステップS12)
製品タンク29に供給された籾殻付米10は、第二のシフター27bに運ばれる。本実施形態において、第二のシフター27bは、第一のシフター27aと同様、3.0mmの篩目の篩網を用いており、よって、籾殻付米10の粒子径が3.0mmよりも大きいものが篩網に残り、3.0mm以下のものが篩網から落ちて、これらが分離される。また、粒子径が3.0mmよりも大きい籾殻付米10はステップS13へ、3.0mm以下の籾殻付米10は製品出荷用の飼料米1としてステップS14へ、進む。
(ステップS13)
第二のシフター27bに残った粒子径が3.0mmよりも大きい籾殻付米10は、第三の破砕機26cに運ばれてさらに破砕され、空気輸送機28へ運ばれる(ステップS10に戻る)。
(ステップS14)
一方、ステップS12において粒子径が3.0mm以下の籾殻付米10は、製品出荷用の飼料米1となる。以上のステップS1〜ステップS14の工程により、原料である籾殻付米10が、飼料米1として生成される。なお、本実施形態のステップS12において、第二のシフター27b上に残る、粒子径が3.0mmよりも大きい籾殻付米10は非常に少ないため、ステップS1〜ステップS11の工程をもって飼料米1を完成としてもよい。
<4.牛用飼料>
次に、飼料米1を用いた牛用飼料101について説明する。本実施形態の牛用飼料101は、主として肉牛に用いることを目的とする牛用飼料である。牛用飼料101は、従来のとうもろこしを主原料とする濃厚飼料に、飼料米1を、飼料米1が牛用飼料101全体の約30%となるように混合してなる。そして、このようにして生成した栄養バランスの優れた牛用飼料101を肉牛に給与して肉牛を肥育する。
図5は、試験的に牛用飼料101を給与して肥育した肉牛の格付明細書である。図5に示すように、牛用飼料101を給与した肉牛の肉は、A5ランクの等級を得ることができた。このように、本実施形態の牛用飼料101を牛に給与することにより、A5ランクの牛となる割合が向上すると考えられる。なお、本実施形態の牛用飼料101は、飼料米1を約30%の割合で混合したが、これに限られず、その他の割合で混合することや、飼料米1を100%としてもよい。また、本実施形態では、牛用飼料101を肉牛に用いる例を記載したが、これに限られず、乳牛に用いることもでき、乳牛に用いれば乳質が向上する。
<5.本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の飼料米によれば、籾殻付米を焙煎することで、籾殻付米を膨化させ適度に柔らかくできる。また、この膨化した籾殻付米を破砕することで、適度なサイズの粒状とできる。これにより、全てを粉末状にした場合のように、腸の細毛に粉末が付着することによるガスの発生を抑え、また、胃ですぐに消化吸収されることがないため胃での消化吸収量を抑えられ、腸で消化吸収させることができる。したがって、牛がすぐに満腹状態となることを抑制して、牛に目的の分量の飼料を与えることができる。また、飼料米を混合した牛用飼料を給与して牛を肥育することで、牛の肉質や乳質の向上を図ることができる。くわえて、飼料米の原料に籾殻付米を用いることで、籾なしの米を用いた場合と比較し、栄養バランスに優れた飼料米とすることができ、これによっても牛の肉質や乳質の向上を図ることができる。
他方、籾殻を取り除いた飼料米の場合、取り除いた籾殻の廃棄処理が必要になるが、飼料米に籾殻付米を使うことで籾殻の廃棄が不要となり、その手間とコストを削減できる。また、従来の飼料はとうもろこしなどの輸入品の割合が極めて高いところ、飼料米を使うことで飼料自給率を向上できると同時に、休耕田も活用することができる。
<6.その他の実施形態>
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。特に、本実施形態では、粒子径が3.0mm以下の飼料米としたが、飼料米の粒子径はこれに限られず、例えば4.0mm以下や、2.0mm以下、また、1.0mm〜3.0mmや、0.5mm〜2.5mmなどとしてもよい。なお、飼料米の粒子径は、例えば、破砕機とシフターの設定により種々可能である。また、本実施形態では、焙煎機により籾殻付米の表面温度が約110℃になるまで焙煎することとしているが、これに限られず、例えば籾殻付米の表面温度が90℃〜150℃や100℃〜130℃のうちの所定温度、115℃や120℃、125℃、128℃等になるまで焙煎することとしてもよい。また、本実施形態では、飼料米を牛用飼料全体の約30%混合することとしているが、例えば10%や60%などとしてもよく、100%としてもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明の飼料米や牛用飼料は、従来の飼料に比べて栄養バランスに優れているので、牛に用いる以外にも、山羊や羊などの家畜に用いることもできる。
1 飼料米
10 籾殻付米
2 製造装置
20a、20b 昇降機
21 定量供給機
22 焙煎機
23 精選機
24 サイロ
25 石抜き機
26a、26b 破砕機(ロールミル)
26c 破砕機(高速度破砕機)
27a、27b シフター
28 空気輸送機
29 製品タンク
101 牛用飼料

Claims (10)

  1. 牛用飼料に用いる飼料米であって、
    籾殻付米を焙煎し破砕して、粒状にしたことを特徴とし、
    前記焙煎は、前記籾殻付米の表面温度が90℃〜150℃となるまで焙煎する、
    飼料米。
  2. 前記焙煎は、前記籾殻付米の表面温度が100℃〜130℃となるまで焙煎することを特徴とする
    請求項記載の飼料米。
  3. 粒子径が4.0mm以下であることを特徴とする
    請求項1または2記載の飼料米。
  4. 粒子径が3.0mm以下であることを特徴とする
    請求項記載の飼料米。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の飼料米を含むことを特徴とする
    牛用飼料。
  6. 前記飼料米を、全体の1%〜60%含むことを特徴とする
    請求項記載の牛用飼料。
  7. 請求項または記載の牛用飼料を牛に給与することを特徴とする
    牛の肥育方法。
  8. 牛用飼料に用いる飼料米の製造方法であって、
    籾殻付米を前記籾殻付米の表面温度が90℃〜150℃となるまで焙煎する第一の工程と、
    前記籾殻付米を破砕して粒状にする第二の工程と、
    を備え、
    前記第二の工程により前記籾殻付米の粒子径を4.0mm以下とすることを特徴とする
    飼料米の製造方法。
  9. 前記第一の工程が、前記籾殻付米の表面温度が100℃〜130℃となるまで焙煎する工程であり、
    前記第二の工程により前記籾殻付米の粒子径を3.0mm以下とすることを特徴とする
    請求項記載の飼料米の製造方法。
  10. さらに、破砕した前記籾殻付米をふるいにかける第三の工程を備え、
    前記籾殻付米を、その粒子径が4.0mm以下または3.0mm以下など、所定の大きさになるまで、前記第二の工程と前記第三の工程とを繰り返すことを特徴とする
    請求項または記載の飼料米の製造方法。
JP2012192948A 2012-09-03 2012-09-03 飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法 Expired - Fee Related JP5739849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012192948A JP5739849B2 (ja) 2012-09-03 2012-09-03 飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012192948A JP5739849B2 (ja) 2012-09-03 2012-09-03 飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014045737A JP2014045737A (ja) 2014-03-17
JP5739849B2 true JP5739849B2 (ja) 2015-06-24

Family

ID=50606070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012192948A Expired - Fee Related JP5739849B2 (ja) 2012-09-03 2012-09-03 飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5739849B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6260457B2 (ja) * 2014-05-30 2018-01-17 井関農機株式会社 穀物乾燥調製設備
JP6455991B2 (ja) * 2015-04-15 2019-01-23 株式会社和農産 肉用牛の飼育方法
JP6460206B2 (ja) * 2017-11-01 2019-01-30 井関農機株式会社 食用穀物及び飼料用穀物用の調製方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AR066486A1 (es) * 2008-05-07 2009-08-26 Barra Fernando Ruben Ceferino Procedimiento para obtener un alimento integral para rumiantes.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014045737A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104719629A (zh) 一种幼龄仔猪料二次制粒熟化加工工艺
CN102578634A (zh) 一种裹衣花生的制备方法
JP5739849B2 (ja) 飼料米及びその製造方法、飼料米を含む牛用飼料、牛用飼料を用いた肉牛の肥育方法
KR20150123275A (ko) 팜-베이스의 동물 사료
CN102100339A (zh) 一种糙米活力餐的制作方法及该方法制作的糙米活力餐
TW201803455A (zh) 家禽用飼料、家禽的肌胃重量的增加方法以及家禽的飼養方法
CN104256279A (zh) 一种茶叶营养复合米的加工方法
CN103766649A (zh) 一种鱼虾养殖饲料及其制备方法
CN108783054A (zh) 一种环保饲料生产方法
CN107156476A (zh) 饲料大宗原料预处理方法和饲料生产加工工艺及其设备
JP6388481B2 (ja) ドッグフード用大麦粉、ドッグフードの製造方法及びドッグフード
Al-Rabadi Influence of hammer mill screen size on processing parameters and starch enrichment in milled sorghum
CN106962752A (zh) 一种复配速溶玉米糊的制作方法
CN110477277A (zh) 一种适合大众人群食用的五谷营养米及其制作工艺
CN103918881A (zh) 利用红外线辐射能熟化谷物原料的加工工艺及熟化谷物原料在教槽料、保育料上的使用方法
CN102742723A (zh) 羊草颗粒粕制作方法
JP2016010391A (ja) 乾燥大麦若葉の製造方法、乾燥大麦若葉及び乾燥大麦若葉粉末
CN106578884A (zh) 一种红豆薏米粉及其制作方法
Tiamiyu et al. Effects of different grain starches as feed binders for on-farm aqua-feeds
CN105795319A (zh) 一种营养五谷早餐粥
CN102894199A (zh) 乳猪饲料组合物和含有该猪饲料组合物的饲料及其方法
Iegorov et al. Development of production technology of high-protein feed additive from by-products of sunflower oil production
CN111053240A (zh) 一种代餐粉及其制备方法
CN103892120B (zh) 一种黄酒糟颗粒状仔猪复合饲料的制备方法
CN107684050A (zh) 一种采用双螺杆挤压膨化的虾条

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20120907

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130802

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140516

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20140922

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20141203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150120

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5739849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees