JP5738268B2 - 殺真菌薬として有用な置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン類およびその調製方法 - Google Patents
殺真菌薬として有用な置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン類およびその調製方法 Download PDFInfo
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Description
の置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンに関する。
この10年の間、真菌感染の頻度は驚異的に増加している。現在広く用いられている殺真菌性化合物としては、トリアゾールおよびストロビルリン系殺真菌薬が挙げられる。しかし一般に、真菌は抗真菌薬に対して容易に耐性を獲得し、それはトリアゾール類およびストロビルリン類でも同様である。そのため、真菌類が耐性でない化合物を要するという切迫した必要性が当技術分野において存在する。さらに、該新規に合成された化合物は、高効率かつ低毒性の殺真菌作用を示すべきである。
本発明の主目的は、一般式(1)の置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを提供することである。
の置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン化合物を提供する。
2−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)メチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(2);
i.化合物2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(1)
ii.反応混合物を得るために、ステップ(i)で準備した化合物2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(1)を、2−クロロ−4−ブロモフェノール、モルホリン、2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾール、塩化ベンジル、およびチオフェノールからなる群から選択される試薬と、有機溶媒中、触媒の存在下で反応させるステップと;
iii.ステップ(ii)で得た反応混合物を25〜120℃の範囲内の温度で10〜20時間攪拌するステップと;
iv.ステップ(iii)で得た溶液を25〜30℃の温度まで冷却するステップと;
v.式(2)〜(6)の該所望の化合物を得るために、ステップ(iv)で得た該冷却溶液を公知の方法によって濾過し、精製するステップと
を含む。
I.化合物2−クロロメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを得るために、無水HClガスをN−(4,6 ジメトキシピリミジン−2−イル)−4−ピペリドンおよびグリセロールのDMF溶液に通すステップと;
II.ステップ(I)で得た2−クロロメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンをベンゾトリアゾールと、炭酸カリウムの存在下で攪拌下、100〜150℃の温度で20〜30時間反応させるステップと;
III.化合物2−(ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(7)を得るために、ステップ(II)で得た攪拌溶液を25〜30℃の温度まで冷却し、溶媒を蒸留するステップと
を含む。
(a)2−クロロメチル−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを得るために、無水HClガスを、2−ヒドロキシメチル(hydroxymetnyl)−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンのDMF溶液に通すステップと;
(b)上述の結果として生じる化合物を、炭酸カリウムおよびヨウ化カリウムの存在下、5−クロロ(cholro)−2−フルオロアニリンと、攪拌下、100〜150℃の温度で20〜30時間反応させるステップと、
(c)化合物N−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−{8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカ−2−イル}メタンアミン(8)を得るために、ステップ(ii)で得た攪拌溶液を25〜30℃の温度まで冷却し、溶媒を蒸留するステップと
を含む。
の少なくとも1つの活性化合物を含む。
a)一般式(1)
の少なくとも1つの活性化合物を含み、前記製剤は、乳剤(EC)、懸濁剤(SC)または顆粒水和剤(WDG)からなる群から選択される。
a)有効成分20〜25%
b)乳化剤10〜20重量%および
c)有機溶媒60〜70重量%
として配合される。
a)有効成分(a.i.)3%〜72%
b)分散剤/
c)懸濁化剤3〜15%
d)湿潤剤1%〜2%
e)凍結防止剤5%〜15%
f)抗真菌剤0.05%〜0.2%
g)消泡剤0.2%〜1.0%
h)増粘剤(類)0.1%〜1.0%
i)脱塩水:差引残量
として配合される。
a)有効成分2.5%〜90%
b)分散剤/懸濁化剤3%〜15%
c)湿潤剤1%〜3%
d)消泡剤0.2%〜1.0%
e)沈降シリカ(自由流動用)1%〜4%
f)チャイナクレー(増量剤)差引残量
として配合される。
a)化合物2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(1)を得るために、無水HClガスを、トルエンに取ったN置換−4−ピペリドンに通し、その後に25〜90℃の温度のグリセロールを添加するステップと、
b)式2〜6の所望の化合物を得るために、化合物2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(1)を、2−クロロ−4−ブロモフェノール、モルホリン、2−クロロ−5−クロロメチルチアゾール、塩化ベンジル、およびチオフェノールから選択される試薬と、有機溶媒中、パラトルエンスルホン酸(PTSA)およびテトラブチルアンモニウム臭化物(TBAB)から選択される触媒の存在下、攪拌下で25〜120℃の範囲の温度で10〜20時間反応させ、それに続いて25〜30℃の温度まで冷却させ、公知の方法により濾過および精製するステップと
を含む。
化合物2−クロロメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを得るために、無水HClガスを、N−(4,6−ジメトキシピリミジン−2イル)−4−ピペリドンおよびグリセロールのDMF溶液に通すステップと、上述の結果として生じる化合物を、炭酸カリウムの存在下、ベンゾトリアゾールと攪拌下100〜150℃の温度で20〜30時間反応させるステップと、化合物2−(ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(7)を得るために、それに続いて25〜30℃まで冷却し、溶媒を蒸留するステップとを含む。
2−クロロメチル−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを得るために、無水HClガスを、2−ヒドロキシメチル−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン、メタノールのDMF溶液に通すステップと、上述の結果として生じる化合物を、炭酸カリウムおよびヨウ化カリウムの存在下、5−クロロ(cholro)−2−フルオロアニリンと、攪拌下100〜150℃の温度で20〜30時間反応させるステップと、化合物N−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−{8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカ−2−イル}メタンアミン(8)を得るために、それに続いて25〜30℃まで冷却し、溶媒を蒸留するステップとを含む。
有効成分 :20〜25%
乳化剤 :10〜20重量%
有機溶媒 :60〜70重量%
有効成分(a.i.) 2.5%〜90%
分散剤/懸濁化剤 3%〜15%
湿潤剤 1%〜3%
消泡剤 0.2%〜1.0%
沈降シリカ(自由流動用) 1%〜4%
チャイナクレー(増量剤) 差引残量
100% w/w
有効成分(a.i.) 3%〜72%
分散剤/懸濁化剤 3〜15%
湿潤剤 1%〜2%
凍結防止剤 5%〜15%
抗真菌剤 0.05%〜0.2%
消泡剤 0.2%〜1.0%
増粘剤(類) 0.1%〜1.0%
脱塩水 差引残量
100% w/w
本発明を、以下の実施例でより具体的に説明する。しかし、本発明の範囲は、以下のこれらの実施例の範囲に限定されない。
〔実施例1〕
50グラム(0.2463モル)のN−2−フェネチル−4−ピペリドンを、300mlのトルエンに取った。これに、100グラムのHClガスを通してN−2−フェネチル−4−ピペリドン塩酸塩を作製した。27グラムのグリセロールを、4.6グラムの触媒パラトルエンスルホン酸(PTSA)の存在下、室温25℃〜75℃でゆっくりと添加した。反応混合物を115℃まで14時間加熱した。冷却後、生成物を濾過した。次に、それを中和させ、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去して、融点96℃および収率94%のクリーム色の固体生成物を得た。
〔実施例2〕
2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(化合物−1、50グラム、0.18モル)を、室温にてトルエン(300ml)に溶解させた。これに、トルエン(150ml)中44グラムの2−クロロ−4−ブロモフェノールを、パラトルエンスルホン酸(PTSA、3.5グラム)の存在下、室温28℃にて添加した。反応混合物を攪拌しながら13時間還流した。次に、それを冷却し、濾過した。濾液を水洗浄してpHを中性にした。トルエンを真空除去して、濃い赤レンガ色の生成物を収率95%で得た。
〔実施例3〕
2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(化合物−1、50グラム、0.18モル)、パラトルエンスルホン酸(PTSA、3.5グラム)を、28℃のトルエン(300ml)に溶解させた。これに、18.5グラムのモルホリンを連続的に攪拌しながら滴下し、その攪拌を還流温度で13時間継続した。トルエンを真空蒸留して赤レンガ色の半固体を得た。生成物の収率は90%であった。
〔実施例4〕
トルエン(250ml)中8.64g(0.36モル)の水素化ナトリウムに、トルエン(350ml)中、2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(化合物−1、50グラム、0.18モル)に、28℃にて攪拌しながら添加した。相間移動触媒であるテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)2グラムを添加し、トルエン(225ml)中31グラムの2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールを10℃にて滴下し、反応混合物を15時間還流した。反応混合物を水で洗浄し、生成物を塩化メチレン100mlで抽出した。溶媒を留去して濃黒色の液体を得た。生成物の収率は85%であった。
〔実施例5〕
2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(化合物−1、50グラム、0.18モル)を、室温にてトルエン(250ml)に溶解させた。10グラムのトルエン(300ml)60%の水素化ナトリウムを、上記溶液に起沸が止むまで添加した。2グラムの相間移動触媒テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)を添加した。次に、塩化ベンジル23グラムを上記反応質量に滴下し、反応を58℃にて15時間維持した。反応質量を水に注入し、有機層を分離した。トルエンを減圧下で除去して濃赤褐色の液体を得た。収率は84%である。
〔実施例6〕
2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(化合物−1、50グラム、0.18モル)およびパラトルエンスルホン酸(PTSA、2グラム)を、室温にてトルエン(350ml)に溶解させた。20グラムのチオフェノールを上記溶液に滴下した。反応を還流温度で13時間還流した。溶媒を留去して、融点58℃の淡褐色の固体生成物を得た。生成物の収率は、95%であった。
〔実施例7〕
25gのピペルドン(piperdone)塩酸塩を、50〜60°(正確な値を提供する)の250mlのアセトニトリル中2gのTBABおよび67gのK2CO3にロットでゆっくりと添加した後、25gのピペルドン塩酸塩をロットでゆっくりと添加し、反応混合物を1時間攪拌した。29gの4,6−ジメトキシ−2−クロロピリミジンを、1時間にわたってゆっくりと添加し、反応混合物を60℃にて11時間還流した。
〔実施例8〕
20g(0.064モル)の2−ヒドロキシメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを、DMF(250ml)に取り、50グラムの無水HClガスを−10〜0℃にて3時間にわたって反応質量に通し、1.0時間攪拌して必要とするクロロメチル化合物を得た。収率90%。
〔実施例9〕
ジメチルホルムアミド(DMF)(350ml)中、37.63グラム(0.3163モル)のベンゾトリアゾールおよび35グラムの炭酸カリウムに、DMF(300ml)中の82グラムの2−クロロメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(化合物7の中間体)を攪拌しながらゆっくりと添加した。添加後、反応混合物を120℃に加熱し、30時間維持した。反応混合物を室温28℃まで冷却し、濾過した。溶媒を留去して生成物を得た。それは濃い暗褐色の液体であった。生成物の収率は90%であった。
Miyazaki,Takashi;Satou,Makoto;Inoue,Yoshihisa (Takeda Chemical Industries,Ltd.,Japan).U.S.US 6407251 B1 18 Jun 2002,4 pp.(English).(United States of America).CODEN:USXXAM.CLASS:ICM:C07D277−20.NCL:548202000.APPLICATION:US 2001−4829 7 Dec 2001.PRIORITY:JP 2000−400802 28 Dec 2000.DOCUMENT TYPE:Patent CA Section:28 (Heterocyclic Compounds (More Than One Hetero Atom)) Section cross−reference(s):45
〔実施例10〕
25グラムのピペルドン塩酸塩を250mlのアセトニトリルに取った。68.7グラムのK2CO3を60℃にて攪拌しながら添加し、続いて27.8グラムの2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールを添加し、6時間還流した。
〔実施例11〕
21グラム(0.065モル)の2−クロロメチル−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを、28℃にてDMF(300ml)に取った。この混合液に、28グラムの炭酸カリウム、10グラムの5−クロロ−2−フルオロアニリンおよび触媒のヨウ化カリウムを添加した。この質量を140℃にて20時間保持した。この混合物を氷冷水に注入し、質量を酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去して暗赤レンガ色の生成物を収率85%で得た。
〔実施例12〕
〔実施例13〕
〔実施例14〕
〔実施例15〕
フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、ピリクラリア・オリゼー(Pyricularia oryazae)およびピシウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidematum)を、ポテトデキストロース寒天斜面培地で28℃にて維持した。リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、コラトロトリカム・カプシカム(Collatrotricum capsicum)、ドレッシラ・オリゼー(Dreshlera oryazae)を、ツァペック・ドックス寒天斜面培地で28℃にて維持した。R.ソラニ、C.カプシシ、D.オリゼー、F.オキシスポラム、M.グリセア、P.オリゼーおよびP.アファニデルマタムを、28℃のポテトデキストロース培養液に48時間播種した。化合物をDMSO(2.5% v/v)に可溶化させ、1.28mg/mlの保存溶液を調製した。
2リットルのポテトデキストロース培地を調製し、500mlのエルレンマイヤーフラスコにつき200mlを分注し、滅菌した。12.5、25および37.5mgの試験化合物(純度100%)の保存溶液を、5mlの標準的なフラスコに別々に調製した。この化合物を好適な溶媒(2.5% v/v DMSO)を用いて溶解させ、量を構成した(volume made up)。これにより、それぞれ2500、5000および7500ppmの濃度を得た。1mlの保存溶液を100mlの該培地に移し、同時に滅菌培地を融解して、2500、5000および7500ppmの保存溶液から、それぞれ必要な濃度の25、50および75ppmを得る。この培地をペトリプレートに等しく分配し、培地を凝固させた。各々の処理に対して好適な数の反復を維持した。活発に成長する試験生物をペトリプレートの中に入れた。試験真菌培養物の小型の均一なディスクを、滅菌したコルク穿孔器(7mm)を用いて切断し、それらの各々をペトリプレートの中心に無菌で移動させた。溶媒対照は、実験で用いた溶媒の2.5%を培地に添加し、プレートに注入することにより維持した。好適なチェックは、試験生物のディスクを、化合物または溶媒を含まない培地を含有するペトリプレートに移動させることにより維持した。処理プレートと対照プレートの両方を28℃にてインキュベートした。24時間間隔でコロニーの直径を測定し、平均値を算出した。
全ての合成した化合物を、植物病原性真菌に対する抗真菌活性について評価し、全てが活性があると見出された。化合物7は、R.ソラニ、F.オキシスポラムおよびP.アファニデルマタムに対して40〜60%の抑制を示したが、それに対して化合物8は、P.アファニデルマタムに対して50〜60%の抑制を示した。化合物5は、R.ソラニ、F.オキシスポラムに対して40〜50%の抑制を示したが、D.オリゼーおよびM.グリセアに対して60〜70%の抑制を示した。化合物4は、試験した全ての菌株に対して20〜30%の抑制を示した。
圃場試験は、剪定したブドウの木で、ランダム化ブロックデザインで10の処理(表1)および3反復で行った。散布は10日間の間隔をあけて2回散布した。区画サイズは1回の処理/反復につきブドウの木8株であった。散布は、850Lの散布量/ヘクタールで背負い型散布器を用いて行った。
2回目の散布の11日後に、化合物6 20%EC@510および680g a.i./ha(1ヘクタール当たりの有効成分グラム数)は、標準物質ヘキサコナゾール5%E@42.50g a.i./ha、クレソキシムメチル50%SC@425ga.i./haおよびアゾキシストロビン25%SC@212g a.i./haと等価であることが観察され、うどんこ病発生率は5.50〜10.09%の範囲に低減したことが見出され、未処理チェックよりも大きい減少率の66.26〜81.61%を記録した。一方、未処理チェックは29.91%の最大うどんこ病発生率を記録した。
2回目の散布の15日後に、化合物6 20%EC@680g a.i./ha(1ヘクタール当たりの有効成分グラム数)は、標準物質ヘキサコナゾール5%E@42.50gのa.i./ha、クレソキシムメチル50%SC@425gのa.i./haおよびアゾキシストロビン25%SC@212gのa.i./haに匹敵することが見出され、うどんこ病発生率は3.55〜7.65%の範囲で減少したことが見出された。未処理チェック処理は、26.13%の最大うどんこ病発生率を記録した。
〔実施例16〕
この実施例では、2(20%EC)、6(20%EC)および2と6の混合物(3:1、20%EC)を評価して、標準物質と比較した、ブドウべと病を防除するそれらの効力を見出した。
表3に示される結果から、化合物2、20%EC@400および800g a.i./haの両方の用量が、べと病の防除に有効な、標準的なチェック殺真菌薬メタラキシル8%+マンコゼブ64%72WP@(80+640g a.i./ha)、アゾキシストロビン23SC@230g a.i./haおよびジメトモルフ50WP@500g a.i./haに匹敵することが見出され、2.39〜6.01%の発生率、および未処理チェックを上回る64.33〜85.81%の減少を記録したことが明らかである。未処理チェックは、16.85%の最大べと病発生率を記録した。
2回目の散布後10日目に、化合物2、20%EC@800g a.i./haは、べと病の防除において、標準的なチェック殺真菌薬、メタラキシル8%+マンコゼブ64%72WP@(80+640g a.i./ha)、アゾキシストロビン23SC@230g a.i./haおよびジメトモルフ50WP@500g a.i./haと等価であることが見出され、2.42〜5.27の範囲の発生率を記録した。未処理チェックは、22.78%の最大べと病発生率を記録した。
〔実施例17〕
圃場試験は、バラ品種で、ランダム化ブロックデザインで10の処理(表4)および3反復で実施した。散布は4日間の間隔をあけて2回散布した。散布は、1200Lの散布量/ヘクタールで足踏み式散布器を用いて行った。
本発明の主な利点は:
置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンは、単独または組み合わせて殺真菌性化合物として有用である
ということである。
Claims (18)
- 置換1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン化合物の殺真菌剤であって、前記真菌剤が、
2−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)メチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(2)
2−(モルホリン−4−イル)メチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(3)
2−(2−クロロ−5−チアゾリル)メトキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8アザスピロ[4,5]デカン(4)
2−ベンジルオキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(5)
8−フェネチル−2−フェニルスルファニルメチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(6)
2−(ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(7)
N−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−[8−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカ−2−イル]メタンアミン(8)
- 請求項1に記載の殺真菌剤(2)〜(6)を製造する方法であって、前記方法が、
i.殺真菌剤2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(1)
ii.反応混合物を得るために、前記ステップ(i)で準備した該殺真菌剤2−ヒドロキシメチル−8−フェネチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(1)を、2−クロロ−4−ブロモフェノール、モルホリン、2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾール、塩化ベンジル、およびチオフェノールからなる群から選択される試薬と、有機溶媒中、触媒の存在下で反応させるステップと;
iii.前記ステップ(ii)で得た該反応混合物を25〜120℃の範囲内の温度で10〜20時間攪拌するステップと;
iv.前記ステップ(iii)で得た該溶液を25〜30℃の温度まで冷却するステップと;
v.式(2)〜(6)の該所望の殺真菌剤を得るために、前記ステップ(iv)で得た該冷却溶液を公知の方法によって濾過し、精製するステップと
を含む、殺真菌剤の製造方法。 - 殺真菌剤2を、試薬2−クロロ−4−ブロモフェノールを用いて得る、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 殺真菌剤3を、試薬モルホリンを用いて得る、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 殺真菌剤4を、試薬2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールを用いて得る、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 殺真菌剤5を、試薬塩化ベンジルを用いて得る、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 殺真菌剤6を、試薬チオフェノールを用いて得る、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 前記ステップ(ii)において、殺真菌剤4および5の該製造に用いる該触媒が、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)である、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 前記ステップ(ii)において、殺真菌剤2、3および6の該製造に用いる該触媒が、パラトルエンスルホン酸(PTSA)である、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 前記ステップ(ii)における殺真菌剤4および5の該製造のための該反応が、水素化ナトリウムの存在下で実施される、請求項2に記載の殺真菌剤の製造方法。
- 請求項1に記載の殺真菌剤(7)を製造する方法であって、前記方法が、
I.殺真菌剤2−クロロメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを得るために、無水HClガスをN−(4,6 ジメトキシピリミジン−2−イル)−4−ピペリドンおよびグリセロールのDMF溶液に通すステップと;
II.ステップ(I)で得た2−クロロメチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンをベンゾトリアゾールと、炭酸カリウムの存在下で攪拌下、100〜150℃の温度で20〜30時間反応させるステップと;
III.殺真菌剤2−(ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル−8−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン(7)を得るために、ステップ(II)で得た該攪拌溶液を25〜30℃の温度まで冷却し、溶媒を蒸留するステップと
を含む、殺真菌剤の製造方法。 - 請求項1に記載の殺真菌剤(8)を調製する方法であって、前記方法が、
(a)2−クロロメチル−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンを得るために、無水HClガスを、2−ヒドロキシメチル−8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンのDMF溶液に通すステップと;
(b)上述の結果として生じる殺真菌剤を、炭酸カリウムおよびヨウ化カリウムの存在下、5−クロロ−2−フルオロアニリンと、攪拌下、100〜150℃の温度で20〜30時間反応させるステップと、
(c)殺真菌剤N−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−{8−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカ−2−イル}メタンアミン(8)を得るために、ステップ(II)で得た該攪拌溶液を25〜30℃の温度まで冷却し、溶媒を蒸留するステップと
を含む、殺真菌剤の製造方法。 - 殺真菌剤用の製剤であって、
請求項1に記載の殺真菌剤を少なくとも1つ備え、
前記製剤が、乳剤(EC)、懸濁剤(SC)または顆粒水和剤(WDG)からなる群から選択される、殺真菌剤用の製剤。 - 乳剤(EC)が、
a)有効成分とする前記殺真菌剤20〜25%
b)乳化剤10〜20重量%および
c)有機溶媒60〜70重量%
として配合される、請求項13に記載の殺真菌剤用の製剤。 - 使用する該乳化剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとスチレン化エトキシ化フェノールの比が3:7の混合物である、請求項14に記載の殺真菌剤用の乳剤(EC)。
- 使用する該有機溶媒が、トルエン、N−メチルピロリジノン、シクロヘキサノンおよびC−IX(石油留分)からなる群から選択される、請求項14に記載の殺真菌剤用の乳剤(EC)。
- 懸濁剤(SC)が、
a)有効成分とする前記殺真菌剤(a.i.)3%〜72%
b)分散剤
c)懸濁化剤3〜15%
d)湿潤剤1%〜2%
e)凍結防止剤5%〜15%
f)抗真菌剤0.05%〜0.2%
g)消泡剤0.2%〜1.0%
h)増粘剤(類)0.1%〜1.0%
i)脱塩水:差引残量
として配合される、請求項13に記載の殺真菌剤用の製剤。 - 顆粒水和剤(WDG)が、
a)有効成分とする前記殺真菌剤2.5%〜90%
b)分散剤/懸濁化剤3%〜15%
c)湿潤剤1%〜3%
d)消泡剤0.2%〜1.0%
e)沈降シリカ(自由流動用)1%〜4%
f)チャイナクレー(増量剤)差引残量
として配合される、請求項13に記載の殺真菌剤用の製剤。
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