以下、本発明の実施の形態における照明装置について説明する。
[第1の実施の形態]
[照明装置1の構成の説明]
まず、第1の実施の形態における照明装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における照明装置1を示すブロック図である。
図1に示されるように、照明装置1は、大まかに、室内の天井面などに取り付けられる照明部10と、ユーザー(就寝者)が手元で操作することができる送信機(リモートコントローラー(リモコン))20とを有している。照明装置1は、照明部(本体部)10が室内の壁面・天井面に取り付けられた状態で、ユーザーが送信機20を操作することで、照明部10による照明をオン、オフしたり、照明部10による照度を変更したりできるように構成されている。
照明部10は、リモコン受信部11と、動作制御部(制御部の一例)12と、LED駆動回路13と、LEDモジュール(光源の一例)14と、保安灯部15と、報知音発信部(音出力手段の一例)16とを備えている。
リモコン受信部11(検知手段の一例)は、送信機20から出力される制御信号を受信し、受信した制御信号を動作制御部12に送る。
動作制御部12には、リモコン受信部11で受信された制御信号が入力される。動作制御部12は、入力された制御信号に応じて、動作制御信号を出力する。動作制御信号は、LED駆動回路13又は報知音発信部16に入力される。動作制御部12は、動作制御信号を出力することで、照明装置1の動作を制御する。
動作制御部12は、動作モードの移行を行う移行手段を含む制御プログラム12aを有している。制御プログラム12aは、例えば、メモリなどに記憶されている。動作制御部12は、制御プログラム12aを実行することで、後述のような目覚ましモードに関する制御など、照明装置1の種々の動作を制御する。
LED駆動回路13は、動作制御部12から入力された動作制御信号に応じて、LEDモジュール14又は保安灯部15に駆動信号を出力する。LED駆動回路13は、交流電源Vinに接続されており、交流電源Vinからの交流電力を用いて、駆動信号を出力する。
LEDモジュール14は、例えば複数のLED(発光ダイオード)を含み、照明装置1において光源となる。LEDモジュール14は、LED駆動回路13から駆動信号が送られて電力供給されることで点灯する。本実施の形態において、照明装置1は調光機能を有するものであり、LEDモジュール14が駆動信号に基づく明るさで点灯することで、LEDモジュール14による照度を変化させることができるように(調光できるように)構成されている。
保安灯部15は、例えば、LEDであり、常夜灯として用いられる。保安灯部15は、LED駆動回路13から駆動信号が送られて点灯する。保安灯部15は、白熱灯などであってもよい。
報知音発信部16は、動作制御部12から送られた動作制御信号に基づいて、ユーザーに聞こえるように報知音を出力する。報知音発信部16は、例えば、ユーザーの操作に伴い制御信号がリモコン受信部11で受信された場合などに、その旨を示すものとして報知音を出力する。
図2は、照明部10の平面図である。
図2に示されるように、照明部10は平面視で略円形に形成されている。LEDモジュール14は、その外形に沿うように、略一定の幅の円環をなすように配置されている。図2においてLEDモジュール14よりも内側の部分には、リモコン受信部11、動作制御部12、LED駆動回路13、保安灯部15、及び報知音発信部16などが配置されている。これらの照明部10の各部は、本体カバー17により覆われている。
図3は、照明部10の側断面図である。
図3に示されるように、本体カバー17は、リモコン受信部11、動作制御部12、LED駆動回路13、LEDモジュール14、保安灯部15、及び報知音発信部16などを覆っている。本体カバー17は、例えば光透過性の樹脂などを用いて形成されている。照明部10は、LEDモジュール14や保安灯部15から出射され本体カバー17を透過した光により、部屋などを照明する。
図4は、送信機20(リモコンの一例)を示す図である。
図4に示されるように、送信機20は、大まかに、複数の操作ボタンを含む動作指令部21と、制御信号を照明部10に出力する送信部22を備える。制御信号は、例えば赤外線や電波として出力される。すなわち、送信機20は、ワイヤレスリモコンである。送信機20は、ユーザーや送信機20の制御回路などからの制御指令に応じて、制御信号を照明部10に出力可能である。
動作指令部21には、例えば、表示部23と、設定部24と、調光指示部25と、保安灯調光ボタン26と、目覚ましタイマーボタン27などが設けられている。
表示部23は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部23は、例えば現在の時刻や、例えば後述の目覚ましモードに関する設定状況など、照明装置1の動作状況をユーザーに表示可能である。
設定部24には、例えば、時刻などを設定するためのボタン群が配置されている。設定部24のボタンは、例えば、目覚ましタイマーボタン27などとともに、目覚ましモードのタイマーをセットするためなどに用いられる。
調光指示部25には、複数の特定の制御信号のそれぞれを出力させるための指令を、送信機20に入力するための制御信号ボタン群が配置されている。複数の特定の制御信号は、後述の目覚ましモードの実行時にも用いられうるものであり、予め定められたものである。換言すると、これらの複数の特定の制御信号は、予め定められた制御信号群に含まれるものである。
本実施の形態では、調光指示部25の制御信号ボタン群には、全点灯ボタン25aと、消灯ボタン25bと、調光増大ボタン25cと、調光低減ボタン25dとが設けられている。全点灯ボタン25aが操作されると、送信機20から、LEDモジュール14を全点灯させる全点灯信号が出力される。消灯ボタン25bが操作されると、送信機20から、LEDモジュール14を消灯させる消灯信号が出力される。調光増大ボタン25cが操作されると、送信機20から、LEDモジュール14による照度を増大させる調光増大信号が出力される。調光低減ボタン25dが操作されると、送信機20から、LEDモジュール14による照度を低減させる調光低減信号が出力される。すなわち、本実施の形態では、予め定められた制御信号群には、全点灯信号と、消灯信号と、調光増大信号と、調光低減信号との、LEDモジュール14の調光に関する4つの制御信号が含まれている。
保安灯調光ボタン26は、保安灯部15の光出力を増大、低減させるための指令を入力するためのものである。保安灯調光ボタン26が操作されると、保安灯部15の光出力を増大させるための保安灯調光増大信号や、保安灯部15の光出力を低減させるための保安灯調光低減信号が出力される。
目覚ましタイマーボタン27は、照明装置1を目覚ましモードで動作させるときなどに用いられる。例えば、設定部24により設定された時刻を基準に目覚ましモードのタイマーをセットしたり、目覚ましモードのタイマーを解除、リセットしたりすることができる。目覚ましタイマーボタン27が操作されると、例えば設定された時刻でタイマーを動作させるか目覚ましモードを解除するかを切り替えるための目覚ましタイマー信号が照明部10に送られる。照明部10では、リモコン受信部11により目覚ましタイマー信号が受信され、動作制御部12が、その目覚ましタイマー信号に基づいて、目覚ましモードのタイマーの設定又は解除など、目覚ましモードの動作に関する制御を行う。
上記のような予め定められた制御信号群に含まれる制御信号を出力させるための調光指示部25のボタン25a,25b,25c,25dに対して、保安灯調光ボタン26と、目覚ましタイマーボタン27とは、いわば、予め定められた制御信号群に属さない制御信号を出力させるためのものである。
調光指示部25のボタン25a,25b,25c,25dや保安灯調光ボタン26などが操作されると、上述のような操作されたボタンに対応する制御信号が照明部10に送られる。照明部10では、リモコン受信部11により制御信号が受信され、動作制御部12が、その制御信号に基づいて、LED駆動回路13に動作制御信号を送る。これにより、リモコン受信部11で受診された制御信号に基づいて、LEDモジュール14や保安灯部15の点灯状態が制御される。調光指示部25のボタン25a,25b,25c,25dが操作され、調光に関する制御信号が出力されると、動作制御部12は、制御信号に応じて、LEDモジュール14の光出力を変化させる。
[目覚まし機能の説明]
照明装置1は、目覚まし機能を有している。目覚まし機能では、就寝しているユーザー(就寝者)の起床時に、予め設定された目覚ましモードにより設定時刻から就寝空間の照度を徐々に変化させ、照度を所定の照度まで高くすることにより、ユーザーの目覚めを促すことができる。目覚まし機能は、動作制御部12が、所定の制御プログラム12aを実行し、動作モードを目覚ましモードとして制御を行うことで実現される。すなわち、動作制御部12は、実行している目覚ましモードに従ってLEDモジュール14の光出力を制御することで、LEDモジュール14による照度を変化させ、目覚まし機能を実現する。
ここで、本実施の形態において、動作制御部12は、動作モードとして、複数の目覚ましモードを有している。複数の目覚ましモードには、後述するように、標準目覚ましモード(第1の目覚ましモードの一例)と、第2〜第5の目覚ましモードとが含まれている。動作制御部12は、目覚まし機能を行うときには、複数の目覚ましモードのうち1つを動作モードとして制御を行う。動作制御部12は、目覚まし機能を行っているとき、所定のきっかけに応じて、複数の目覚ましモードのうちの1つに動作モードを移行し、目覚まし機能の制御を継続する。
複数の目覚ましモードのそれぞれは、いずれも、LEDモジュール14による照度が所定の照度に到達するまでの期間において、LEDモジュール14による照度が変化するように、動作制御部12にLEDモジュール14の光出力を制御させるものである。第1の実施の形態において、複数の目覚ましモードのそれぞれの実行時においては、LEDモジュール14による照度の増減率がゼロになる期間はほとんどなく、略常時、LEDモジュール14の光出力は増減される。後述するように、複数の目覚ましモードのそれぞれは、照度の増減率が略一定であり、照度が漸次増大又は減少するように、すなわち照度が徐々に変化するように、LEDモジュール14の光出力を制御するものである。
なお、以下の説明(他の実施の形態の説明も含む)において、LEDモジュール14のことを光源ということがあり、動作制御部12のことを単に制御部ということがある。また、上記の予め定められた制御信号群に含まれる制御信号のそれぞれ(全点灯信号、調光増大信号、調光低減信号、消灯信号など)を総称して特定制御信号ということがある。また、LEDモジュール14による照度を単に照度ということがある。
本実施の形態において、目覚まし機能は、ユーザーなどにより予め設定された時刻になったとき、制御部が、動作モードを複数の目覚ましモードのうち標準目覚ましモードに移行することにより開始される。特段ユーザーからの指示がないような通常時においては、目覚まし機能は、標準目覚ましモードに基づいて行われた後、終了する。
ここで、制御部は、標準目覚ましモードで動作中に、特定制御信号が入力されたとき、それを検知する。そして、標準目覚ましモードで動作中に特定制御信号の入力を検知したとき、動作モードの移行を行う。移行先となる動作モードとしては、予め設けられている複数の目覚ましモードのうち、実行中の標準目覚ましモードとは異なる、入力された特定制御信号に対応するものが選択される。すなわち、標準目覚ましモードで動作中に特定制御信号が入力されたとき、制御部は、標準目覚ましモードから、入力された特定制御信号に対応する目覚ましモードに動作モードを移行する。
図5は、目覚まし機能の一例を説明するフローチャートである。
図5に示されるように、目覚まし機能がスタートすると、ステップS11において、制御部は、設定時刻が到来したか否かを判断する。設定時刻が到来するまでは、それまでの動作モードでの動作が継続される。例えば、目覚まし機能は、ユーザーが就寝する際に、例えば照明装置1が消灯されてから開始される。目覚まし機能が開始されるまでの動作モードは、例えば、照明装置1を点灯させる制御信号を受け付け、受け付けられた制御信号に応じて光源の光出力の制御などを行う通常の動作モードである。
ステップS11において設定時刻が到来すると、ステップS12において、制御部は、動作モードを標準目覚ましモードに移行する。これにより、目覚まし機能による照明部10の点灯が開始される。
ステップS13において、制御部は、照度が所定の第1の照度になるように、光源の光出力を制御する。第1の照度は、後述するような低照度域の照度である。
ステップS14において、制御部は、光源の光出力を標準目覚ましモードで制御し、照度を変化させる。
ステップS15において、制御部は、検知手段であるリモコン受信部11にて特定制御信号が入力されたか否かを検知する。
ステップS15で特定制御信号の入力が検知されなかったときには、ステップS16において、制御部は、設定時刻が到来してから所定の時間が経過したか否かを判断する。なお、このとき、制御部は、所定の時間が経過したか否かの判断に代えて、照度が第1の照度より高い第2の照度になるように制御を行ったか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS16で所定時間が経過したときには、ステップS17において、制御部は、標準目覚ましモードを終了する。これにより、目覚まし機能が終了する。標準目覚ましモードが終了するとき、制御部は、動作モードを例えば上記のような通常の動作モードに移行する。動作モードが移行されると、例えば、標準目覚ましモードが終了したときの照度で、継続して、照明が行われる。
ここで、ステップS15において、ステップS16で所定時間が経過するまでの期間すなわち標準目覚ましモードで動作中に、特定制御信号の入力が検知されたとき、ステップS18の処理が行われる。すなわち、ステップS18において、制御部は、制御プログラム12aで定められた移行プログラム(移行手段)によって標準目覚ましモードから入力された特定制御信号に対応する目覚ましモードに動作モードを移行する。
ステップS19において、制御部は、移行した、入力された特定制御信号に対応する目覚ましモードによる制御を行う。光源の光出力は、移行した目覚ましモードに基づいて、照度が変化するように、制御される。その後、移行した目覚ましモードによる制御が終了すると、ステップS17に移り、目覚まし機能が終了する。
[目覚ましモードと照明装置1の動作例の説明]
以下に、各目覚ましモードとその実行時の照明装置1の動作について説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
図6は、目覚ましモードの実行時の時間の経過と照度との関係の一例を示すものである。図6において、A1は標準目覚ましモードが行われる期間(図5の「所定時間(ステップS16)」に対応)を、L1は低照度域の照度(第1の照度の一例、図5の「第1の照度(ステップS13)」に対応)を、L4は目覚ましモード移行時の照度を、L11は高照度域の照度(第2の照度の一例、所定の照度の一例)を、Lmは全点灯の照度を、L0は消灯時の照度をそれぞれ示している。
また、図6において、T1は標準目覚ましモードの開始時刻(図5の「設定時刻(ステップS11)」に対応)を、T2は特定制御信号が入力される時刻(目覚ましモードの移行タイミング)を、T4は第5の目覚ましモードの終了時刻(消灯時刻)を、T5は第2の目覚ましモードの終了時刻(全点灯となる時刻)を、T11は第3の目覚ましモードの終了時刻(照度がL11となる時刻)を、T15は標準目覚ましモードの終了時刻(照度がL11となる時刻)を、T17は第4の目覚ましモード終了時刻(照度がL11となる時刻)を、それぞれ示している。
照明装置1が、所定の開始時刻T1になると、目覚まし機能を開始するように設定されている場合を想定する。この場合、図6に示されるように、開始時刻T1が到来するまでは、例えばユーザーの操作に従って光源は消灯状態とされており、ユーザーは快適に就寝可能である。開始時刻T1より前の時刻T0において、光源が消灯状態であるとき、図6に示されるように、少なくとも時刻T0から時刻T1まで、照度は略ゼロ(L0)である。なお、この間に光源を点灯させる操作が行われたときには、光源が点灯される。
[標準目覚ましモード]
時刻T1になると、制御部は、動作モードを標準目覚ましモード(第1の目覚ましモード)に移行する。これにより、目覚まし機能による光源の光出力の制御が開始される。図6において、標準目覚ましモード時の時刻と照度との関係は、符号aで示される実線及び破線で示されている。
標準目覚ましモード(a)では、所定の期間A1が経過するとき、照度が、低照度域の照度L1から、それより高い高照度域の照度L11に到達するように、制御部による制御が行われる。期間A1は、標準目覚ましモードの動作期間である。
なお、低照度域の照度L1と高照度域の照度L11とは、適宜設定されていればよい。ユーザーが、例えば送信機20などを操作して、照度L1とL11との少なくとも一方を事前に設定できるようにしてもよい。
時刻T1に動作モードが標準目覚ましモードに移行すると、光源がごく小さい光出力で点灯され、照度がL0から低照度域のL1に上昇する。第1の実施の形態において、標準目覚ましモードは、時刻T1に照度がL1である状態からスタートされる。そして、照度は、単調に、略一定の増大率で増大し、時刻T1から期間A1後の時刻T15に照度がL11に到達するように設定されている。換言すると、標準目覚ましモードは、照度がL11に到達するまで、すなわち時刻T1から時刻T15まで、照度が漸次増大するように、光源の光出力を変化させる制御を行う動作モードである。
ここで、制御部は、特定制御信号の種類に対応した複数の目覚ましモードを予め記憶している。標準目覚ましモードの実行中に、送信機20から出力される特定制御信号が照明部10に入力されると、制御部により、特定制御信号に対応する目覚ましモードが選択される。換言すると、標準目覚ましモードで動作中に入力された特定制御信号によって、移行先となる目覚ましモードが異なる。制御部の動作モードが変わると、LED駆動回路13を介して、LEDモジュール14がその目覚ましモードの動作態様で点灯制御される。
次に、図6に示されるように、時刻T1から所定時間後の時刻T2において特定制御信号が入力された場合を想定し、特定制御信号の種類別に行われる動作について説明する。なお、時刻T1から時刻T2まで標準目覚ましモードが実行されていることにより、時刻T1においてL1であった照度は、時刻T2においてL4まで上昇しているものとする。
[第2の目覚ましモード]
全点灯信号が入力されたとき、制御部は、全点灯信号に対応する第2の目覚ましモードに動作モードを移行する。図6において、第2の目覚ましモード時の時刻と照度との関係は、符号bで示される実線で示されている。
第2の目覚ましモード(b)は、照度が標準目覚ましモードよりも高い増大率で増大して全点灯の照度Lmに到達するように、光源の光出力を制御する動作モードである。図6に示されるように、第2の目覚ましモードに移行すると、照度が上昇する速度がそれ以前よりも高くなる(グラフ上の符号bで示される実線の傾きが大きくなる。)。そして、時刻T15よりも相当前に所定の照度L11に達した後、時刻T5において全点灯状態となり、照度が全点灯の照度Lmに達する。照度がLmに達すると、動作モードが第2の目覚ましモードから通常の動作モードへと移行され、目覚まし機能が終了する。時刻T5以降は、ユーザーなどによる指示が行われたり、タイマーなどによる調光が行われたりするまで、全点灯状態が継続される。
第2の目覚ましモードは、例えば、就寝しており、標準目覚ましモードの実行中に覚醒したユーザーが、その後速やかに照度を増大させて全点灯状態として、快適に起床しようと考えた場合に有効な動作モードである。すなわち、第2の目覚ましモードでは、全点灯状態に到達するまで、多少の時間がかかり、瞬間的に全点灯状態となることがない。したがって、ユーザーにとって、照明がまぶしく、不快に感じられてしまうことを防止することができる。
[第3の目覚ましモード]
調光増大信号が入力されたとき、制御部は、調光増大信号に対応する第3の目覚ましモードに動作モードを移行する。図6において、第3の目覚ましモード時の時刻と照度との関係は、符号cで示される実線で示されている。
第3の目覚ましモード(c)は、照度が、標準目覚ましモードよりも高い増大率で増大して、所定の照度L11すなわち標準目覚ましモードで到達することが予定されていた照度に到達するように、光源の光出力を制御する動作モードである。図6に示されるように、第3の目覚ましモードに移行すると、照度が上昇する速度がそれ以前よりも高くなり、時刻T15よりも相当前の時刻T11に、照度が所定の照度L11に達する。照度がL11に達すると、動作モードが第3の目覚ましモードから通常の動作モードへと移行され、目覚まし機能が終了し、その点灯状態が継続される。
ここで、第3の目覚ましモードの実行時における照度の増大率は、第2の目覚ましモードの実行時における照度の増大率よりも低くなるように設定されているが、これに限られるものではない。また、動作モードが第3の目覚ましモードになってから所定の時間が経過したとき、第3の目覚ましモードが終了し、そのときの照度がL11になるように照度の増大率が設定されてもよい。
第3の目覚ましモードは、就寝しており、標準目覚ましモードの実行中に覚醒したユーザーが、通常よりも早く所定の照度まで照度を増大させて快適に起床したいと考えた場合などに有効なモードである。所定の照度まで照度が上昇する速度は、標準目覚ましモードで動作中であるときよりも高いものの、瞬間的に照度が上昇するものではない。したがって、目覚ましモードによりユーザーに不快感を与えることを防止することができる。
[第4の目覚ましモード]
調光低減信号が入力されたとき、制御部は、調光低減信号に対応する第4の目覚ましモードに動作モードを移行する。図6において、第4の目覚ましモード時の時刻と照度との関係は、符号dで示される実線で示されている。
第4の目覚ましモード(d)は、照度が標準目覚ましモードよりも低い増大率で増大して、所定の照度L11に到達するように、光源の光出力を制御する動作モードである。図6に示されるように、第4の目覚ましモードに移行すると、照度が上昇する速度がそれ以前よりも低くなり(グラフ上の符号dで示される実線の傾きが小さくなり)、時刻T15よりも後の時刻T17に照度が所定の照度L11に到達する。照度がL11に達すると、動作モードが第4の目覚ましモードから通常の動作モードへと移行され、目覚まし機能が終了し、その点灯状態が維持される。
第4の目覚ましモードは、例えば、就寝しており、標準目覚ましモードの実行中に覚醒したユーザーが、起床するまでの時間を当初の予定よりも少し長く確保したいと考えた場合などに有効なモードである。容易な操作で、徐々に照度が高くなるようにしたままで、所定の照度L11に到達する時刻を遅らせることができる。
[第5の目覚ましモード]
消灯信号が入力されたとき、制御部は、消灯信号に対応する第5の目覚ましモードに動作モードを移行する。図6において、第5の目覚ましモード時の時刻と照度との関係は、符号eで示される実線で示されている。
第5の目覚ましモード(e)は、照度が所定の低減率で低減して消灯時の照度L0に到達するように、光源の光出力を制御する動作モードである。図6に示されるように、第5の目覚ましモードに移行すると、照度がL4からL0になるまで、時間の経過に伴い、照度が、単調に、一定の低減率で、徐々に低くなる(グラフ上の符号eで示される負の傾きの実線となる)。時刻T2より後の時刻T4には、光源が消灯され、照度がL0になる。照度がL0になると、動作モードが第5の目覚ましモードから通常の動作モードへと移行され、目覚まし機能が終了する。
第5の目覚ましモードは、就寝していたユーザーが、標準目覚ましモードの実行中に、当初の予定の起床時刻に起床するのをやめることを考えた場合、すなわち起床時刻を特定しないこととした場合に有効な動作モードである。このとき、制御信号の受信に伴って瞬間的に消灯されるのではなく、消灯までに傾斜を設けて徐々に照度が低下するように構成されていることにより、ユーザーに刺激を与えず、ゆっくりと就寝環境を暗くしてユーザーに就寝を促す効果を期待することができる。
このように、第1の実施の形態では、標準目覚ましモードで動作中に送られた特定制御信号に基づいて動作モードが他の目覚ましモードに移行される。したがって、ユーザーは、照明装置1が標準目覚ましモードで動作しているとき、送信機20などを操作して所望の操作を行うことで、様々な態様で照度を変化させて、目覚まし機能を利用することができる。ユーザーは、目覚めたときの状況(例えば、目覚めた時刻や、目覚めたときのユーザーの気分や体調などの状態など)に応じて、照明装置1を希望する目覚ましモードに移行させることができる。したがって、目覚まし機能を利用して、快適に目覚めることができる。
また、第1の実施の形態において、第2〜第5の目覚ましモードのそれぞれは、照度が所定の照度に到達するまで漸次変化するように光源の光出力を変化させる制御を行う動作モードである。したがって、特定制御信号が入力されたとき、瞬間的に照度が変わることがなくなるため、ユーザーが照度の急激な変化を不快に感じることがなくなる。これにより、ユーザーが心地よく利用できる目覚まし機能を提供することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における照明装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、標準目覚ましモードで動作中であるときに特定制御信号が入力された場合の制御部の動作が第1の実施の形態と異なる。
第2の実施の形態において、制御部は、標準目覚ましモードで動作中に特定制御信号が入力されたとき、その特定制御信号が入力された時刻によって、移行後の目覚ましモードの実行中の照度の増減率を変更する。
図7は、本発明の第2の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
図7においては、第2の実施の形態の具体例として、特定制御信号として全点灯信号が入力された場合の時刻と照度との関係が示されている。符号b1で示される実線は、時刻T2に全点灯信号が入力された場合に実行される第2の目覚ましモードにおける時刻と照度との関係を示す。符号b4で示される実線は、時刻T2より後の時刻T8に全点灯信号が入力された場合に実行される第2の目覚ましモードにおける時刻と照度との関係を示す。
図7に示されるように、時刻T2に全点灯信号が入力されたとき、動作モードは、照度変化をグラフに示した場合の傾斜角度がα1である第2の目覚ましモード(b1)に移行し、時刻T5で全点灯の照度Lmに達する。α1は、標準目覚ましモード(a)を示す直線の傾斜角度よりも大きい角度である。すなわち、時刻T2に移行された第2の目覚ましモード(b1)における照度の増加率は、標準目覚ましモードにおける照度の増加率よりも大きい。
他方、全点灯信号が時刻T2よりも遅い時刻T8に入力されたとき、動作モードは、照度変化をグラフに示した場合の傾斜角度がα1より大きいα2である第2の目覚ましモード(b4)に移行し、時刻T12で全点灯の照度Lmに達する。すなわち、時刻T8に移行された第2の目覚ましモード(b4)における照度の増加率は、時刻T2に移行される第2の目覚ましモード(b1)における照度の増加率よりも大きい。
このように、全点灯信号が遅い時刻に入力されるほど照度の増加率が大きくなることで、信号が入力されてから全点灯の照度Lmに達するまでに要する時間が短縮される。そのため、例えば、覚醒した時刻が遅いほど速やかに照度を高くしたいというニーズに特に有効である。
なお、第2の実施の形態は、全点灯信号以外の特定制御信号にも適用可能である。特定制御信号の種類によっては、遅い時刻に入力されるほど傾斜角度を緩やかにするように設定してもよい。また、同じ特定制御信号であっても、必要に応じて、遅い時刻に入力されるほど傾斜角度を緩やかにするように設定してもよい。第2の実施の形態では、ユーザーの操作により特定制御信号が送られたときに、その操作タイミングに応じた照度変化をさせることができ、ユーザーのニーズに即した態様で、目覚まし機能を実行させることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における照明装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態においては、標準目覚ましモードで動作中であるときに特定制御信号が入力された後の制御部の動作が第1の実施の形態と異なる。
図8は、本発明の第3の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
第3の実施の形態では、上述の第1の実施の形態と同様に、標準目覚ましモードで動作中に特定制御信号が入力されたとき、その特定制御信号に対応する目覚ましモードに、動作モードが移行される。ここで、制御部は、特定制御信号に対応する目覚ましモードの実行中において、その特定制御信号が入力された回数に応じて、照度の増減率を変化させる制御を行う。
図8に示されるように、標準目覚ましモード(a)の実行中の時刻T2に特定制御信号が入力されると、例えば、特定制御信号に対応した目覚ましモードとして、第2の目覚ましモード(b1)、第3の目覚ましモード(c1)、第4の目覚ましモード(d1)、第5の目覚ましモード(e1)に動作モードが移行する。このとき、制御部は、実行中の目覚ましモードに対応する特定制御信号が入力される毎に、入力された特定制御信号に応じて、すなわち実行されている目覚ましモードに応じて、照度の増加率を大きくしたり、小さくさせたりする。例えば、第2の目覚ましモードに対応する全点灯信号が入力されるたびに、第2の目覚ましモードの照度変化の態様は、図8における符号b1から符号b2(2回目の信号入力があったとき)へ、符号b2から符号b3へ(3回目の信号入力があったとき)、と変更される。他の目覚ましモードの実行中の動作も、これと同様である。
本実施の形態では、標準目覚ましモードにおける照度の増加率と比較して、照度の増加率が大きい目覚ましモードを実行中であるときは、その目覚ましモードに対応する特定制御信号が入力されるたびに、照度の増加率が大きくなるように制御される。他方、標準目覚ましモードにおける照度の増加率と比較して照度の増加率が小さい目覚ましモード(照度の増加率が負である目覚ましモードを含む)を実行中であるとき、その目覚ましモードに対応する特定制御信号が入力されるたびに、照度の増加率が減少するように制御される。より具体的には、全点灯信号又は調光増大信号が繰り返し入力されるとき、第2の目覚ましモード又は第3の目覚ましモードにおける照度の増加率は、信号が入力されるたびに大きくなる(図8に示されるように、符号b1,b2,b3の順、又は符号c1,c2,c3の順に、照度の変化を示す直線の傾きが大きくなる。)。また、調光低減信号が繰り返し入力されるとき、第4の目覚ましモードにおける照度の増加率は、信号が入力されるたびに小さくなる(図8に示されるように、符号d1,d2,d3の順に、照度の変化を示す直線の傾きが小さくなる。)。また、消灯信号が繰り返し入力されるとき、第5の目覚ましモードにおける照度の増加率は、信号が入力されるたびに減少する。換言すると、照度の減少率が大きくなる(図8に示されるように、符号e1,e2,e3の順に、照度の変化を示す直線の傾きが負の方向に大きくなる。)。
第3の実施の形態では、ユーザーは、特定制御信号の入力回数に応じて、増減率を変化させることができる。したがって、それぞれの目覚ましモードの実行時において、目覚ましモードの終了時刻を、ユーザーの希望に応じて調整可能になる。ユーザーは、自身の意図をより反映させた態様で種々の目覚ましモードを実行させることができる。
なお、増減率の変化は、図8に示される例に限定されるものではない。例えば、それぞれの目覚ましモードにおいて、それに対応する特定制御信号が入力されるたびに、照度の増加率が増大するように構成されていてもよい。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態における照明装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第4の実施の形態においては、標準目覚ましモードで動作中であるときに特定制御信号が入力された場合の制御部の動作が第1の実施の形態と異なる。
図9は、本発明の第4の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
第4の実施の形態では、標準目覚ましモードで動作中に特定制御信号が入力されたとき、その特定制御信号の入力時刻における照度が所定値だけ増減した後に特定制御信号に対応する増減率で照度が変化するように光源の光出力を制御する目覚ましモードに、動作モードが移行される。ここで、特定時刻における照度の増減は、比較的に短時間で、瞬間的に行われる。照度の増減値は、例えば、入力された特定制御信号に対応するものとして予め設定された値である。また、このようにして移行された目覚ましモードの実行中に、特定制御信号が入力されるたびに、上記のような動作モードの移行が繰り返して行われる。
図9に示されるように、時刻T1に標準目覚ましモード(a)の動作が開始された後、特定制御信号である調光増大信号が時刻T2に入力され(1度目の入力)、その後の時刻T3に再度入力(2度目の入力)される場合を想定する。時刻T2まで標準目覚ましモード(a)の動作が行われることにより、時刻T2における照度はL4になっている。
時刻T2に1度目の調光増大信号の入力があると、動作モードが第6の目覚ましモード(c4)に移行される。第4の実施の形態において第6の目覚ましモードは、調光増大信号の入力時刻における照度が所定値(L6からL4を減じた値)だけ増加した後に、調光増大信号に対応する所定の増加率(本実施の形態では標準目覚ましモードにおける増加率と同じ)で照度が変化するように、光源の光出力を制御するものである。すなわち、時刻T2に調光増大信号が入力されると、動作モードが移行された結果、時刻T2において照度がL4からL6に増加するように、光源の光出力が変更される。そして、時刻T2以降は、照度が、L6から、標準目覚ましモードにおける増加率と同じ増加率で変化するように、制御が行われる。第6の目覚ましモードによる制御が行われることにより、時刻T3には、照度はL7まで上昇する。
第6の目覚ましモード(c4)の実行中である時刻T3に2度目の調光増大信号の入力があると、再度、動作モードが第6の目覚ましモード(c5)に移行される。換言すると、2度目の調光増大信号の入力があると、第6の目覚ましモードの移行時からの動作が、やり直される。すなわち、動作モードが移行されることにより、時刻T3において照度がL7からL8に増加するように、光源の光出力が変更される。このときの照度の増加量は、L4からL6への増加量と同じである。そして、時刻T3以降は、照度が、L8から、標準目覚ましモードにおける増加率と同じ増加率で変化するように、制御が行われる。このように第6の目覚ましモードによる制御が行われることにより、時刻T10には、照度が所定の照度であるL11に到達する。照度がL11に達すると、動作モードが第6の目覚ましモードから通常の動作モードへと移行され、目覚まし機能が終了し、その点灯状態が継続される。なお、照度がL11に達するまでに、さらに調光増大信号の入力があれば、再度、動作モードが第6の目覚ましモードに移行される。
他方、特定制御信号である調光低減信号が、時刻T2に入力され(1度目の入力)、その後の時刻T9に再度入力(2度目の入力)される場合を想定する。
時刻T2に1度目の調光低減信号の入力があると、動作モードが第7の目覚ましモード(d4)に移行される。第4の実施の形態において第7の目覚ましモードは、調光低減信号の入力時刻における照度が所定値(L4からL2を減じた値)だけ減少した後に、調光低減信号に対応する所定の増加率(本実施の形態では標準目覚ましモードにおける増加率と同じ)で照度が変化するように、光源の光出力を制御するものである。すなわち、時刻T2に調光減少信号が入力されると、動作モードが移行された結果、時刻T2において照度がL4からL2に減少するように、光源の光出力が変更される。そして、時刻T2以降は、照度が、L2から、標準目覚ましモードにおける増加率と同じ増加率で変化するように、制御が行われる。第7の目覚ましモードによる制御が行われることにより、時刻T9には、照度はL5になっている。
第7の目覚ましモード(d4)の実行中である時刻T9に2度目の調光低減信号の入力があると、再度、動作モードが第7の目覚ましモード(d5)に移行される。換言すると、2度目の調光低減信号の入力があると、第7の目覚ましモードの移行時からの動作が、やり直される。すなわち、動作モードが移行されることにより、時刻T9において照度がL5からL3に減少するように、光源の光出力が変更される。このときの照度の減少量は、L4からL2の減少量と同じである。そして、時刻T9以降は、照度が、L3から、標準目覚ましモードにおける増加率と同じ増加率で変化するように、制御が行われる。このように第7の目覚ましモードによる制御が行われることにより、時刻T19に、照度が所定の照度であるL11に到達する。照度がL11に達すると、動作モードが第7の目覚ましモードから通常の動作モードへと移行され、目覚まし機能が終了し、その点灯状態が継続される。なお、照度がL11に達するまでに、さらに調光低減信号の入力があれば、再度、動作モードが第7の目覚ましモードに移行される。
第4の実施の形態においては、特定制御信号に対応する目覚ましモードに移行すると、移行したとき、すなわち特定制御信号の入力時刻において、照度が、所定値だけ増減される。したがって、各動作モードの終了時刻すなわち照度がL11に達する時刻を、早めたり、遅くしたり、簡易にかつ速やかに調整することができる。
なお、第4の実施の形態の特定制御信号は、上記の例に限定されず、他の特定制御信号であってもよい。
また、上記では、動作モード移行後の目覚ましモードの実行時において、標準目覚ましモードの増大率と同じ増大率で照度が増加する例を示したが、必ずしもこれに限られない。すなわち、照度は、標準目覚ましモードの増大率で増大する必要はなく、例えば、それぞれの目覚ましモード固有の増大率で増大するようにしてもよい。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態における照明装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第5の実施の形態においては、目覚ましモードで動作中であるときに繰り返して特定制御信号が入力された場合の制御部の動作が第1の実施の形態と異なる。
図10は、本発明の第5の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
第5の実施の形態では、上述の第1の実施の形態と同様に、標準目覚ましモードで動作中に特定制御信号が入力されたとき、その特定制御信号に対応する目覚ましモードに、動作モードが移行される。ここで、制御部は、特定制御信号に対応する目覚ましモードの実行中において、その実行中の特定制御信号とは異なる特定制御信号が入力されると、それを検知し、さらにその特定制御信号に対応する目覚ましモードに、動作モードを移行する。
図10に示されるように、時刻T1に標準目覚ましモード(a)の動作が開始された後、時刻T2に、特定制御信号である調光増大信号が入力され、その後の時刻T6に、特定制御信号である全点灯信号が入力される場合を想定する。
時刻T2に調光増大信号が入力されると、動作モードが第3の目覚ましモード(c)に移行される。第3の目覚ましモードでは、標準目覚ましモードにおける照度の増加率よりも、照度の増加率が高くなるように、制御が行われる。そして、時刻T6に全点灯信号が入力されると、動作モードが第2の目覚ましモード(b)に移行される。第2の目覚ましモードでは、第3の目覚ましモードにおける照度の増加率よりも、照度の増加率が高くなるように、制御が行われる。第2の目覚ましモードは、他の特定制御信号の入力がなければ、全点灯信号に応じて、照度が全点灯の照度Lmに到達するまで継続して行われる。
このように、第5の実施の形態では、標準目覚ましモードから特定制御信号に対応する目覚まし動作モードに移行した後でも、実行中の特定制御信号とは異なる特定制御信号が入力されると、それに応じて動作モードを移行する。したがって、いったん目覚ましモードに移行した後でも、就寝しているユーザーの希望の変化に応じて、好ましい目覚ましモードを容易に選択できる。
なお、特定制御信号や制御信号などは、上記の例に限定されず、例えば他の特定制御信号が入力され、それに応じて、その特定制御信号に対応する目覚ましモードが実行されるようにすればよい。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態における照明装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第6の実施の形態においては、目覚ましモードで動作中であるときに制御信号が入力された場合の制御部の動作が第1の実施の形態と異なる。
図11は、本発明の第6の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
第6の実施の形態では、複数の目覚ましモードのいずれかが実行されている場合において、特定制御信号以外の制御信号すなわち予め設定された制御信号群に含まれない制御信号が入力されたとき、制御部により、実行中の目覚ましモードの動作を停止させる制御が行われる。そして、制御部により、そのとき入力された制御信号に応じた制御が行われる。
図11に示されるように、例えば、時刻T1において、標準目覚ましモード(a1)が開始された後、時刻T2に特定制御信号である調光増大信号が入力された場合を想定する。このとき、時刻T2までは標準目覚ましモード(a1)に基づく動作が行われ、時刻T2に、標準目覚ましモードよりも照度の増加率が大きい第3の目覚ましモード(c)に動作モードが移行される。ここで、第3の目覚ましモード(c)の実行中である時刻T7に、例えば目覚ましタイマー信号(制御信号群に含まれない制御信号の一例)が入力されると、制御部は、実行中の第3の目覚ましモード(c)の動作を停止させる。本実施の形態においては、目覚ましモードの動作が停止されると、照明装置1は、目覚ましモードが開始される前と同様の状態すなわち消灯状態になる。
上記のように目覚ましモードの動作が停止されると、制御部により、そのとき入力された目覚ましタイマー信号に応じた制御が行われる。第6の実施の形態において、時刻T7に目覚ましタイマー信号が入力されると、上記のようにいったん消灯状態とされた後、標準目覚ましモードに再度動作モードが移行される。時刻T7に開始された標準目覚ましモード(a2)では、時刻T7から、期間A1と同じ期間A2後の時刻T20まで、照度がL1からL11に到達するように、光源の光出力が制御される。
なお、このような動作は、目覚ましタイマー信号が入力された場合の動作の一例であって、同じように目覚ましタイマー信号が入力された場合であっても、例えば標準目覚ましモードが再度開始されないようにするなど、他の動作を行うように構成されていてもよい。また、特定制御信号以外の制御信号は、目覚ましタイマー信号に限定されず、それ以外の信号が入力されたときでも、その信号に対応した制御動作を行うようにすればよい。
例えば、特定制御信号以外の制御信号の例としては、上記のような目覚ましタイマー信号のほか、保安灯調光信号(保安灯調光増大信号や保安灯調光低減信号)や、ON−OFFタイマー信号、所定時間OFFタイマー信号、防犯タイマー信号などが挙げられる。すなわち、目覚ましタイマー信号が入力されたときには、いったん消灯され、再度、標準目覚ましモードが実行される。他方、保安灯調光信号が入力された場合には、実行中の目覚ましモードは解除され、例えばLEDモジュール14は消灯される。そして、その保安灯調光信号に基づいて、保安灯部15の調光制御などが実行される。ON−OFFタイマー信号が入力された場合には、実行中の目覚ましモードが解除された後、指定した時間に点灯又は消灯するようにタイマーがセットされる。所定時間OFFタイマー信号が入力された場合には、実行中の目覚ましモードが解除された後、所定時間(例えば30分間又は60分間)後に消灯するように、タイマーがセットされる。防犯タイマー信号が入力された場合には、実行中の目覚ましモードが解除された後、防犯機能が開始される。防犯機能では、例えば、ユーザーの操作に伴い照明装置1が動作しているように見えるように、所定の時刻の到来に伴って点灯又は消灯が行われる。
また、標準目覚ましモードの実行中において、特定制御信号以外の制御信号が入力された場合にも、上述と同様の動作が行われればよい。
このように、第6の実施の形態によれば、目覚ましモードの実行中においても、特定制御信号以外の制御信号が送信されたときには、実行中の目覚ましモードを解除し、その制御信号に対応する、ユーザーが希望する種々の動作を実行させることができる。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態における照明装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第7の実施の形態においては、標準目覚ましモードで動作中であるときに特定制御信号が入力された場合の制御部の動作が第1の実施の形態と異なる。
第7の実施の形態において、制御部は、標準目覚ましモードで動作中に、照度が標準目覚ましモードで到達することが予定されている所定の照度(第2の照度)から、それより低い所定の第3の照度に到達したとき、報知音発信部16から報知音(アラーム音)を出力(発信)させる(報知音の出力動作)。そして、制御部は、標準目覚ましモードで動作中に、照度が上記第3の照度に到達するより前に、特定制御信号が入力されたとき、その後報知音発信部16からの報知音の出力動作を継続するか否かを選択する。報知音の出力動作を継続するか否かの選択は、そのとき入力された特定制御信号の種類に応じて行われる。なお、ここで報知音の出力動作というのは、照度が所定の照度に到達したときに報知音を出力するように待機する動作を含むものである。
図12は、本発明の第7の実施の形態における目覚ましモードを説明するグラフである。
図12において、上段は照度と時刻との関係を示すグラフであり、その下方には、報知音発信部16の動作を示す3通りのグラフが示されている。図12に示されるように、第1の実施の形態と同様に、時刻T1に標準目覚ましモード(a)が開始された場合を想定する。ここで、標準目覚ましモードでは、照度がL1からL11(第2の照度の一例、所定の照度の一例)まで変更される。
このとき、例えば制御信号が入力されず、動作モードの移行が行われないまま標準目覚ましモードが継続して行われると、図12の上から2段目のグラフで示されるように、照度がL11より低いL10(第3の照度の一例)に到達した時刻T13から、報知音が出力される。報知音の出力は、例えば、照度がL11に到達して標準目覚ましモードが終了した後で消灯信号が入力された時刻T16になって、停止される。このとき、報知音が出力される期間は、時刻T13から時刻T16までの期間B1となる。報知音の出力が停止されてから消灯信号が再度入力されると、消灯される。なお、消灯信号が入力されない場合において、報知音の出力が開始されてから所定期間が経過すると、報知音が停止されるようにしてもよい。この場合、報知音の出力が開始されてから所定期間内に消灯信号が入力されるか、所定期間が経過したとき、報知音が停止される。
このように、照明装置1では、所定の照度L10になれば、報知音が発信されるため、寝過ごすことなく、確実に目覚めることができる。
ここで、時刻T2に、特定制御信号である、全点灯信号、調光増大信号、調光低減信号、又は消灯信号が入力された場合を想定する。第7の実施の形態において、制御部は、調光増大信号又は調光低減信号が入力されたとき、すなわち第3の目覚ましモード(c)又は第4の目覚ましモード(d)が実行中であるとき、報知音の出力動作を継続させる。他方、全点灯信号又は消灯信号が入力されたとき、すなわち第2の目覚ましモード(b)又は第5の目覚ましモード(e)が実行中であるとき、制御部は、報知音の出力動作を停止させる。
時刻T2に、調光増大信号又は調光低減信号が入力されたとき、動作モードは、それぞれ、第3の目覚ましモード(c)、第4の目覚ましモード(d)に切り替えられる。このとき、報知音の出力動作は継続される。すなわち、例えば、第4の目覚ましモードが実行されている場合において、時刻T14に照度がL10に達すると、図12の上から3段目のグラフで示されるように、報知音発信部16から報知音が発信される。このとき、報知音の出力は、例えば、照度がL11に到達して第4の目覚ましモードが終了した後の時刻T18に消灯信号が入力されると、それに伴い停止される。すなわち、報知音が出力される期間は、時刻T14から時刻T18までの期間B2となる。消灯信号が再度入力されると、消灯される。
時刻T2に、全点灯信号又は消灯信号が入力されたとき、動作モードは、それぞれ、第2の目覚ましモード(b)、第5の目覚ましモード(e)に切り替えられる。このとき、報知音の出力動作は、停止(キャンセル)される。すなわち、図12の上から4段目のグラフで示されるように、第2の目覚ましモードが実行されている場合において、照度がL10に到達しても、報知音発信部16から報知音は発信されない。また、第5の目覚ましモードが実行されると、照度は単調に減少するので、そもそも第5の目覚ましモードに動作モードが移行してから照度がL10に達することはない。したがって、報知音発信部16から報知音は発信されない。
このように、第7の実施の形態では、照度を高くすることでユーザーの覚醒を促すことができ、それに加えて報知音を出力することで、確実にユーザーを覚醒させることができる。標準目覚ましモードから第3の目覚ましモード又は第4の目覚ましモードに移行された後にも報知音の出力動作が継続され、照度がL10に到達したときに報知音が出力される。したがって、ユーザーは、寝過ごすことなく確実に目覚めることができる。報知音が出力されているとき、消灯信号を送信することで報知音の出力を止めることができるので、容易な操作により報知音を出力する機能を利用することができる。
また、照度が所定の照度L10に到達する前に標準目覚ましモードから第2の目覚ましモード又は第5の目覚ましモードに移行されると、報知音の出力動作が停止され、報知音はその後発信されない。したがって、ユーザーは、目覚めた後に不要な報知音を鳴らさないようにすることができる。
なお、報知音の出力動作が継続される特定制御信号の種類は、上記に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
[実施の形態における効果]
以上のように構成された照明装置では、標準目覚ましモードで動作中であるとき、所定の制御信号群に含まれる特定制御信号が送られると、その特定制御信号に応じた目覚ましモードに動作モードが移行される。したがって、目覚ましモード中において、ユーザーは、不快感やストレスが少なくなるように、容易な操作で、多様な照度調節などを行うことができる。例えば、就寝していたユーザーが目覚ましモードの実行中などに目を覚ましたとき、状況に応じて、ユーザーの希望に添うような態様で照度変化などが行われるような目覚ましモードに、自由に移行させることができる。照明装置は、照度が略常時変化する様々な態様の目覚ましモードを実行させることができ、利便性が高いものとなる。
[その他]
上記の各実施の形態で行われる処理は、それぞれ適宜組み合わされて実行されてもよい。
各目覚ましモードは、その実行時において照度が直線的に変化するように制御を行うものに限定されない。例えば、照度が曲線的に変化したり、段階的に変化したり(アナログ値ではなく、デジタル値で所定のステップで上昇するなど)するように制御を行うものであってもよい。例えば、標準目覚ましモードの実行時に全点灯信号が入力されたとき、照度を、対数特性を示すような調光カーブで全点灯の照度になるように制御を行うものであってもよい。
照明装置は、LEDモジュールにより照明するものに限定されるものではなく、例えば蛍光灯など、他種の光源を用いたものであってもよい。
照明装置は、上記のような天井面などに設置されるものに限られない。例えば、家具などに設けられ、目覚まし機能を発揮するように、就寝しているユーザーを照明可能なものであってもよい。また、例えば、照明装置は、照明スタンドのように、床面や机上などに据え置かれて用いられるようなものであってもよい。
送信機は、ワイヤレス型のものに限られず、通信ケーブルを介して照明部に制御信号を送信するような、ワイヤード型のものであってもよい。また、送信機は、例えば、時計やラジオなど、他の機能を有する装置などに内蔵されているものであってもよい。送信機に設けられているボタンは、上記のようなものに限られず、他の機能に関する指示を行うためのボタンなど、様々なものが含まれていてもよい。また、調光指示部に含まれるボタン群も、上記のような4つに限定されない。
照明装置は、照明部と送信機とに分かれておらず、ユーザーに操作される操作ボタンが照明部と一体に設けられており、操作ボタンの操作に応じて一体の照明装置のうちで制御信号が出力及び受信されるものであってもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートおよび文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。