JP5737972B2 - 真空蒸着装置 - Google Patents
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Description
近年、有機EL装置の生産効率を向上させるため、成膜対象物である基板の大きさを大きくしようとする要望があり、このため、マスク及びマスクを固定するマスク支持部も大型化している。
しかしながら、現時点では、幅が最大1000mm程度のマスクを作成することしかできず、大型基板を用いた真空蒸着の妨げとなっている。
また、大型基板のみならず、小型並びに中型基板に対して生産効率を向上させることも望まれている。
本発明では、前記位置合わせ手段は、少なくとも三辺を有する形状に形成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記位置合わせ手段は、コ字形状に形成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記位置合わせ手段を二つ有し、当該二つの位置合わせ手段の端部がそれぞれ対向するように配置されている場合にも効果的である。
本発明では、前記複数のマスクは、異なるパターンを有する複数のマスクを有する場合にも効果的である。
本発明では、前記複数の蒸着対象物を前記蒸気放出手段と対向する位置に搬送する搬送ローラを有し、前記複数の蒸着対象物は、当該搬送方向に対し、水平面上で直交する方向に並べて配置されている場合にも効果的である。
本発明では、前記マスク支持部を上昇及び下降させる昇降機構を有する場合にも効果的である。
また、本発明によれば、大型基板と同等の大型のマスクを製作する必要がなくなる。
さらに、本発明によれば、大型マスクを位置合わせする場合に比べて小型マスクを位置合わせする方が操作が容易になるため、成膜の際のタクトタイムを短くすることができるので、生産効率を向上させることができる。
本発明において、位置合わせ手段が、例えばコ字形状のように同一平面上において少なくとも三辺を有する場合には、マスク支持部によって支持されたマスク同士を近接して配置することができるとともに、マスク支持部によって蒸発材料の蒸気が遮られる領域をより小さくすることができるので、蒸着対象物上において蒸着されない領域をより小さくすることができる。
この場合、位置合わせ手段を二つ有し、当該二つの位置合わせ手段の端部がそれぞれ対向するように配置されている場合には、マスク支持部によって支持されたマスク同士を容易に近接配置することができるので、マスク支持部によって蒸発材料の蒸気が遮られる領域をより小さくすることができる。
本発明において、複数のマスクが、異なるパターンを有する複数のマスクを有する場合には、複数の蒸着対象物に対して異なるパターンの成膜を同時に行うことができるので、異なるパターンの蒸着を行うプロセスにおいてプロセスの効率を向上させることができる。
一方、本発明において、複数の蒸着対象物に対してマスクをそれぞれ配置するようにすれば、多数の蒸着対象物に対する成膜効率をより向上させることができる。
本発明において、蒸発材料が、有機EL装置の有機膜用の有機材料からなる場合には、成膜の際のタクトタイムを短くすることができるので、有機EL装置の生産効率を大幅に向上させることができる。
図1は、本実施の形態におけるXYθステージの要部構成を示すもので、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
このXYθステージ10は、第1のステージ部11と、第2のステージ部12とを有している。
また、第1のステージ部11の基部13の蒸気放出手段20側の面上には、図示しない駆動機構によって駆動され、それぞれX方向、Y方向及びθ方向に移動可能な第1のXYθステージ(位置合わせ手段)15が設けられている。
この第1のXYθステージ15は、第1のステージ部11の基部13の切り欠き部13bの周囲の位置で、第1のステージ部11の基部13の縁部に設けられ、少なくとも三つの辺を有している。
一方、本実施の形態では、第2のステージ部12は、第1のステージ部11と対応するように配置構成されている。
すなわち、第2のステージ部12は、例えば矩形平板状の基部14を有し、この基部14の一方の長辺14a側に、例えば矩形形状の切り欠き部14bが形成されている。
なお、第1のステージ部11の基部13の長辺13aと、第2のステージ部12の基部14の長辺14aとの間隔は、数mm程度であり、この間隔は、位置合わせに要するマージンを考慮してできるだけ小さくすることが好ましい。
第2のXYθステージ16は、第2のステージ部12の基部14の切り欠き部14bの周囲の位置で、第2のステージ部12の縁部に設けられ、少なくとも三つの辺を有している。
なお、本実施の形態の場合、上述した第1及び第2のステージ部11、12は、基準直線Lに対して線対称の形状に形成されている。
さらに、上述したマスク支持部17、18は、蒸着の妨げとならないようにそれぞれ断面がテーパー状に形成されている。
図2(a)(b)に示すように、本実施の形態においては、第1のXYθステージ15上に、第1のマスク31が配置され、第2のXYθステージ16上に、第2のマスク32が配置されるように構成されている。
第1のマスク31は、例えば矩形形状の枠体33の内側の領域に複数のパターン35が設けられている。そして、第1のマスク31の枠体33上には、複数(ここでは4個)のアライメントマーク41、42、43、44が、枠体33の各隅部に設けられている。
また、上述した枠体33、34は、蒸着の妨げとならないようにそれぞれ断面がテーパー状に形成されている。
また、第2の基板52には、第2のマスク32の複数のパターン32a〜32cにそれぞれ対応する成膜領域52a〜52cが設けられている。
また、第1の基板51上には、第1のマスク31のアライメントマーク41〜44と対応する位置に、複数(ここでは4個)のアライメントマーク61〜64が、第1の基板51の隅部に設けられている。
そして、第1及び第2のマスク31、32の幅Dは、最大1000mm程度のものが使用される。したがって、第1及び第2の基板51、52としては、幅が1000mm程度のものを用いることができる。
また、図5及び図6は、同真空蒸着装置による真空蒸着方法の例を示す内部構成部分断面図である。
この蒸気放出手段20は、その上部に複数の蒸気放出口21が平面上に設けられている。そして、図示しない蒸発源から供給される、例えばAlq3等の有機EL装置の有機層を形成するための有機材料のガスを蒸気放出口21から上方へ放出するように構成されている。
また、真空槽2内の下部には、昇降機構3、4が設けられ、これら昇降機構3、4の上部に設けられた支持テーブル5、6上に、上記XYθステージ10の第1及び第2のXYθステージ15、16がそれぞれ支持されている。
そして、第1及び第2のXYθステージ15、16上には、上述した第1及び第2のマスク31、32が支持されている。
ここで、トレイ59は、その両側の縁部が、それぞれ駆動モータ71、72によって回転駆動される一対の搬送ローラ73、74によって水平に支持されるようになっている。
これら第1及び第2の撮像手段75、76は、上述した第1及び第2の基板51、52のアライメントマーク61〜64、65〜68並びに第1及び第2のマスク31、32のアライメントマーク41〜44、45〜48の画像を透明な窓部77、78を介してそれぞれ取り込むように構成されている。
この保持手段80は、図示しない昇降機構によって上下方向に駆動される駆動ロッド81及びこの駆動ロッド81の先端部(下端部)取り付けられた例えば平板状の本体部82を有し、この本体部82の下部にマグネット83が取り付けられている。
このような構成を有する本実施の形態において、真空槽2内に搬入された第1及び第2の基板51、52に対して第1及び第2のマスク31、32を位置合わせして蒸着を行う場合には、まず、図4に示すように、トレイ59を搬送ローラ73、74によって支持させた状態で、第1及び第2の撮像手段75、76を動作させ、第1及び第2の基板51、52のアライメントマーク61〜64、65〜68並びに第1及び第2のマスク31、32のアライメントマーク41〜44、45〜48の画像を窓部77、78を介してそれぞれ取り込み、各制御手段7、8において、取り込んだ画像に対して所定の画像処理を行う。
この状態において、図7に示すように、蒸気放出手段20の上部蒸気放出口21から蒸発材料の蒸気90を放出させ、この蒸気90を第1及び第2のマスク31、32を介して第1及び第2の基板51、52に到達させて第1及び第2の基板51、52上に所定パターンの膜を形成する。
さらに、本実施の形態によれば、大型マスクを位置合わせする場合に比べて小型マスクを位置合わせする方が操作が容易になるため、成膜の際のタクトタイムを短くすることができるので、生産効率を向上させることができる。
このように、本実施の形態によれば、有機EL装置用の種々の多数の基板に対し、成膜の際のタクトタイムを短くすることができるので、有機EL装置の生産効率を向上させることができる。
図8(a)に示すように、本実施の形態のXYθステージ110は、それぞれ独立して動作が可能な第1のステージ部111と、第2のステージ部112と、第3のステージ部113と、第4のステージ部114とを有し、これら第1〜第4のステージ部111〜114は、それぞれ独立して動作が可能な第1〜第4のXYθステージ111A〜114Aを有している。
また、第1のステージ部111の第1のXYθステージ111Aは、基部115の上記蒸気放出手段20(例えば図1参照)側の面上に設けられている。
本実施の形態の場合、第1のXYθステージ111Aは、連結された直線状の三つの辺111a〜111cからなり、角部を有する例えば「J」字形状に形成されている。
一方、本実施の形態では、第1のステージ部111の基部115の一方の長辺115a側に、基準直線Lに対して線対称の形状の第2のステージ部112が配置されている。
この第2のXYθステージ112Aは、第2のステージ部112の基部116の切り欠き部116bの周囲の位置で、基部116の縁部に設けられ、少なくとも三つの辺を有している。
この場合、「J」字の両端部が、基部116の一方の長辺116a側に位置するように、第2のXYθステージ112Aが配置されている。なお、第2のXYθステージ112Aを構成する平行な辺112a、112cのうち、成膜する領域の内側の辺112cは、上記蒸気放出手段20からの蒸気の妨げにならないようにするため、成膜する領域の外側の辺112aより短く形成されている。
また、第2のステージ部112の上記蒸気放出手段20と反対側の面には、上述した基部116の切り欠き部116bの縁部に、角部を有する形状、例えば「コ」字形状のマスク支持部116dが設けられている。
ここで、第3のステージ部113は、矩形平板状の基部117の一方の長辺117a側に、例えば矩形形状の切り欠き部117bが形成され、また、この基部117の上記蒸気放出手段20側の面上に、第3のXYθステージ113Aが設けられている。
本実施の形態の場合、第3のXYθステージ113Aは、連結された直線状の三つの辺113a〜113cからなり、角部を有する例えば「J」字形状に形成されている。
また、第3のステージ部113の上記蒸気放出手段20と反対側の面には、基部117の切り欠き部117bの縁部に、角部を有する形状、例えば「コ」字形状のマスク支持部117dが設けられている。
この第4のXYθステージ114Aは、第4のステージ部114の基部118の切り欠き部118bの周囲の位置で、基部118の縁部に設けられ、少なくとも三つの辺を有している。
本実施の形態の場合、第4のXYθステージ114Aは、連結された直線状の三つの辺114a〜114cからなり、角部を有する例えば「J」字形状に形成されている。
また、第4のステージ部114の上記蒸気放出手段20と反対側の面には、切り欠き部118bの縁部に、角部を有する形状、例えば「コ」字形状のマスク支持部118dが設けられている。
図8(b)に示すように、第1〜第4のマスク121〜124は、それぞれ例えば矩形形状に形成されており、それぞれパターン131〜134が複数(ここでは2個)設けられている。
これら四つの第1〜第4のマスク121〜124は、例えば上述したトレイ59に貼付された4枚の基板(ここでは図示せず)に対応して蒸着を行うように、それぞれその大きさ及びパターン131〜134の大きさが設定され、また、それぞれのアライメントマーク121a〜121d、122a〜122d、123a〜123d、124a〜124dの位置が定められている。
例えば、上記実施の形態においては、複数の蒸着対象物に対してそれぞれ、即ち一対一にマスクを配置するようにしたが、本発明はこれに限られず、複数のマスクのうち所定のもののみを用いて蒸着対象物に対して成膜を行うこともできる。
また、図8(a)(b)に示す例においては、第1〜第4のステージ部111〜114のうち、例えば、第1及び第3のステージ部111、113と、第2及び第4のステージ部112、114とをそれぞれ使用して2枚の基板に蒸着を行うこともできる。
また、上記実施の形態においては、蒸発源から供給される蒸発材料のガスを複数の蒸気放出口から放出するようにしたが、本発明はこれに限られず、蒸発源自体をマスクに対向するように配置することもでき、また、直線状の蒸発源をその延びる方向と直交する方向へ移動させることもできる。
さらにまた、本発明は有機EL装置の有機層を形成するための真空蒸着装置のみならず、種々の真空蒸着装置に適用することができる。
ただし、本発明は、複数のマスクを用いて蒸着を行う有機EL装置用の真空蒸着装置に適用した場合に最も効果があるものである。
Claims (7)
- 真空槽内において、マスクを介して蒸着対象物上に蒸着を行う真空蒸着装置であって、
蒸気放出手段と、
前記蒸気放出手段に対向する位置に複数の蒸着対象物を保持する保持手段と、
前記蒸気放出手段と前記複数の蒸着対象物の間で複数のマスクをそれぞれ支持する複数のマスク支持部と、
前記複数のマスク支持部を個々に独立してXYθ方向に移動させ、対応する前記複数の蒸着対象物に対し、前記複数のマスクを個別に位置合わせを行う複数の位置合わせ手段と、
を有する真空蒸着装置。 - 前記位置合わせ手段は、少なくとも三辺を有する形状に形成されている請求項1記載の真空蒸着装置。
- 前記位置合わせ手段は、コ字形状に形成されている請求項1又は2のいずれか1項記載の真空蒸着装置。
- 前記位置合わせ手段を二つ有し、当該二つの位置合わせ手段の端部がそれぞれ対向するように配置されている請求項3記載の真空蒸着装置。
- 前記複数のマスクは、異なるパターンを有する複数のマスクを有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の真空蒸着装置。
- 前記複数の蒸着対象物を前記蒸気放出手段と対向する位置に搬送する搬送ローラを有し、前記複数の蒸着対象物は、当該搬送方向に対し、水平面上で直交する方向に並べて配置されている請求項1乃至5のいずれか1項記載の真空蒸着装置。
- 前記マスク支持部を上昇及び下降させる昇降機構を有する請求項1乃至6のいずれか1項記載の真空蒸着装置。
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