JP5737932B2 - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、噴射剤により泡状とされる毛髪処理剤に関する。
例えば、液化石油ガス(LPG)を噴射剤として用いて泡状とされる毛髪処理剤が知られている。LPGは引火性を有する噴射剤である一方で、引火のおそれがない噴射剤として炭酸ガスが知られている。ところが、炭酸ガスを噴射剤とした毛髪処理剤では、形成される泡が脆くなるため、市場においては泡の形成能を最優先すべく、LPGを噴射剤として用いた毛髪処理剤が主流となっている。こうした実情の下、炭酸ガスを噴射剤として含む毛髪処理剤について幾つかの文献が存在する(特許文献1〜3参照)。特許文献1には、アルキルグルコシド型界面活性剤、及び室温で固体の高級アルコールを含有する構成が開示されている。また、特許文献2及び3には、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、及び高級アルコールを含有する構成が開示されている。
特開平09−059606号公報 特開平08−253409号公報 特開2001−278749号公報
本発明は、噴射剤の中でも炭酸ガスを用いた場合、毛髪を柔軟にする効果が発揮されることを新たに見出し、更に、その炭酸ガスの効果を維持しつつも、泡の保持性を高め、かつ、潰し易い泡を形成する構成を見出すことでなされたものである。
本発明の目的は、毛髪を柔軟にする効果を維持しつつも、泡の保持性を高め、かつ、潰し易い泡を形成することの容易な毛髪処理剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪処理剤は、基剤及び炭酸ガスを含有し、前記炭酸ガスを噴射剤として泡状とされる毛髪処理剤であって、前記基剤は、(A)アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤と(B)エステル型非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及び脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステルから選ばれる少なくとも一種と、(C)25℃で液状のモノエステル型油剤としてアシル基の炭素数が6〜22であるとともにアルコール残基が炭素数6以上の長鎖アルキル基であるモノエステル型油剤とを含有することを要旨とする。
本発明によれば、毛髪を柔軟にする効果を維持しつつも、泡の保持性を高め、かつ、潰し易い泡を形成することの容易な毛髪処理剤を提供することができる。
以下、本発明の毛髪処理剤を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪処理剤は、基剤及び炭酸ガスを含有し、炭酸ガスを噴射剤として泡状とされる。基剤には、(A)アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤と(B)エステル型非イオン性界面活性剤と、(C)25℃で液状のモノエステル型油剤とが含有されている。
(A)アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤は、泡の保持性を高めるとともに、潰し易い泡を形成する働きを有する。
アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、オクチルグルコシド、ノニルグルコシド、デシルグルコシド、オクチルマルトシド、オクチルチオグルコシド、ラウリルグルコシド、アルキル(C12−16)グルコシド、及びヤシ油アルキルグルコシドを含む。
使用されるアルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤は一種類のみであってもよいし、二種類以上のアルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤のアルキル基の炭素数は、炭素数8〜18であることが好ましい。また、アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤のグルコース基の数は1〜5であることが好ましい。
基剤中におけるアルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜15質量%であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%以上であると、泡の保持性を高めるとともに、潰し易い泡を形成する働きが顕著に発揮され易くなる。一方、アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤の含有量が20質量%を超える場合、毛髪がべたつくおそれがある。
(B)エステル型非イオン性界面活性剤は、泡の保持性を高めるとともに、潰し易い泡を形成する働きを有する。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例は、例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルを含む。
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例は、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン(ポリソルベート60等)、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、及びトリオレイン酸POEソルビタンを含む。更に、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例は、例えば、前記具体例のPOE(ポリオキシエチレン)をPOP(ポリオキシプロピレン)に置き換えた化合物を含む。
ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルの具体例は、例えば、モノステアリン酸POEグリセリン、及びモノミリスチン酸POEグリセリンを含む。更に、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルの具体例は、例えば、前記具体例のPOE(ポリオキシエチレン)をPOP(ポリオキシプロピレン)に置き換えた化合物を含む。
ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルの具体例は、例えば、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、及びPOEソルビットミツロウを含む。更に、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルの具体例は、例えば、前記具体例のPOE(ポリオキシエチレン)をPOP(ポリオキシプロピレン)に置き換えた化合物を含む。
脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステルの具体例は、例えば、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(ステアリン酸PEG−25等)、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、及びジステアリン酸ポリエチレングリコールを含む。更に、脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステルの具体例は、例えば、前記具体例のポリエチレングリコールをポリプロピレングリコールに置き換えた化合物を含む。
グリセリン脂肪酸エステルの具体例は、例えば、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、及び自己乳化型モノステアリン酸グリセリンを含む。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例は、例えば、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル(PEG−7グリセリルココエート)、モノラウリン酸デカグリセリル(ラウリン酸ポリグリセリル−10)、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、及びモノミリスチン酸デカグリセリルを含む。
ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、及びモノラウリン酸ソルビタンを含む。
使用されるエステル型非イオン性界面活性剤は一種類のみであってもよいし、二種類以上のエステル型非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
エステル型非イオン性界面活性剤の中でも、上記働きに優れることから、脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステル、及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
基剤中におけるエステル型非イオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜15質量%であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。エステル型非イオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%以上であると、泡の保持性を高めるとともに、潰し易い泡を形成する働きが顕著に発揮され易くなる。一方、エステル型非イオン性界面活性剤の含有量が20質量%を超える場合、毛髪がべたつくおそれがある。
また、エステル型非イオン性界面活性剤のHLB(親水性−親油性バランス)値は、12〜20であることが好ましい。エステル型非イオン性界面活性剤のHLBが12〜20であると、泡がきめ細かくなり、質感に優れた泡を形成する働きが顕著に発揮され易くなる。
HLB値は、例えば、「ハンドブック−化粧品・製剤原料−」日光ケミカルズ株式会社(昭和52年2月1日改訂版発行)に記載される乳化法により求められる。
(C)25℃で液状のモノエステル型油剤は、泡の保持性を高めるとともに、潰し易い泡を形成する働きを有する。
上記モノエステル型油剤は、下記一般式(1)で表される。
−O−R ・・・(1)
但し、Rは、アシル基であり、Rは、飽和又は不飽和炭化水素基であり、アルコール残基である。
上記モノエステル型油剤の具体例は、例えば、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル(2−エチルヘキサン酸セチル)、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、オクタン酸セトステアリル、オクタン酸ステアリル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルへキシル、イソパルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソステアリル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、及び安息香酸アルキルを含む。更に、上記モノエステル型油剤の具体例は、ホホバ油を含む。ホホバ油には、エイコセン酸エステル、エルカ酸エステル、オレイン酸エステル等が含有されている。ホホバ油において、アルコール残基の炭素数は、16以上である。
使用される上記モノエステル型油剤は一種類のみであってもよいし、二種類以上の上記モノエステル型油剤を組み合わせて使用してもよい。モノエステル型油剤の中でも、アルコール残基(上記一般式中の“R”)として炭素数6以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましい。なお、モノエステル型油剤において、アシル基の炭素数は、6〜22とされることが好ましい。
基剤中における上記モノエステル型油剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜15質量%であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。上記モノエステル型油剤の含有量が0.01質量%以上であると、泡の保持性を高めるとともに、潰し易い泡を形成する働きが顕著に発揮され易くなる。一方、上記モノエステル型油剤の含有量が20質量%を超える場合、毛髪がべたつくおそれがある。
上記の各成分を含有する基剤は、炭酸ガスが溶解可能な剤型として構成される。基剤の剤型としては、例えば液状、ゲル状、及びクリーム状が挙げられる。基剤の粘度は、25℃において50mPa・s〜2000mPa・sの範囲であることが好ましい。こうした粘度範囲にすることで、毛髪に塗布する操作の操作性が高まり易くなる。また、基剤の粘度が25℃において2000mPa・s以下の場合、毛髪のべたつき感を抑えることができる。また、基剤の粘度が25℃において50mPa・s以上の場合、炭酸ガスが溶解した状態で保持され易くなる。
基剤には、保持性、及び操作性を高めた泡が得られ易いという観点から、増粘剤として(D)多糖類を含有させることが好ましい。多糖類の具体例は、例えば、プルラン、ペクチン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びヒドロキシエチルセルロースを含む。
使用される多糖類は一種類のみであってもよいし、二種類以上の多糖類を組み合わせて使用してもよい。
基剤中における多糖類の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜15質量%であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。多糖類の含有量が0.01質量%未満の場合、増粘効果が得られ難くなる。一方、この含有量が20質量%を超える場合、毛髪処理剤の毛髪への馴染みが悪くなるおそれがある。
基剤は、炭酸ガスを容易に溶解させることができるという観点から、水を含有することが好ましい。基剤中における水の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。
基剤には、毛髪の感触を更に改善するという観点から、上記水に加えて、アミノ酸類を含有させることが好ましい。
アミノ酸類としては、親水性アミノ酸、疎水性アミノ酸及びアミノ酸誘導体が挙げられる。親水性アミノ酸としては、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸が挙げられる。
中性アミノ酸としては、例えばグリシン、テアニン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、ピロリドンカルボン酸、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸、サルコシン、ホモセリン及びシトルリンが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、リジン、ヒスチジン及びオルニチンが挙げられる。酸性アミノ酸としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、及びアルギニノコハク酸が挙げられる。
疎水性アミノ酸としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、β−アラニン、β−アミノ酪酸及びγ−アミノ酪酸等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、アセチルグルタミン酸、アセチルメチオニン、ピロリドンカルボン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシルグリシン塩、アシルアラニン塩及びアシルアルギニンエチルエステル塩が挙げられる。
アミノ酸類のうち、光学異性体を有するアミノ酸類は、L体、D体又はDL体であってもよいし、アミノ酸類は塩として配合されてもよい。アミノ酸類の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、亜鉛塩などが挙げられる。
使用されるアミノ酸誘導体は一種類のみであってもよいし、二種類以上のアミノ酸誘導体類を組み合わせて使用してもよい。
アミノ酸類の中でも、毛髪の感触を改善する効果に優れるという観点から、好ましくは中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸、及びアミノエチルスルホン酸から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくはグリシン、アミノエチルスルホン酸、L−テアニン、L−アルギニン、L−グルタミン酸、及びL−フェニルアラニンから選ばれる少なくとも一種であるである。
基剤中におけるアミノ酸類の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%である。アミノ酸類の含有量が0.01質量%以上の場合、毛髪の感触を改善する効果が顕著に得られ易くなる。一方、アミノ酸類の含有量が5質量%を超える場合、毛髪にべとつき感が生じ易くなる傾向にある。
基剤には、必要に応じて、例えば油性成分、低級アルコール、水溶性高分子化合物、多価アルコール、界面活性剤、糖、防腐剤、安定剤、植物・微生物抽出物、タンパク加水分解物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤及びキレート剤を含有させることができる。
油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、及びシリコーンが挙げられる。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、及びラノリンが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステルとしては、例えば、25℃で固体状のモノエステル、及びジエステルが挙げられる。こうしたエステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びコハク酸ジオクチルが挙げられる。
シリコーンとしては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば炭素数が7以下のアルコールが挙げられる。水溶性高分子化合物としては、アニオン性高分子化合物、カチオン性高分子化合物、非イオン性高分子化合物、及び両性の天然又は合成高分子化合物が挙げられる。カチオン性高分子化合物としては、例えばポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリクオタニウム−10、及びカチオン化グアーガムが挙げられる。非イオン性の合成高分子化合物として、例えばポリエチレングリコールが挙げられる。両性の合成高分子化合物としては、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−39、及びポリクオタニウム−47が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えばラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアルミニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアリルジモニウムクロリド)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びクオタニウム−91が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、及びラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、エーテル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEセチルステアリルジエーテル、及びPOEラウリン酸モノエタノールアミドが挙げられる。
糖としては、例えばソルビトール、マルトース及びグリコシルトレハロースが挙げられる。防腐剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、及びフェノキシエタノールが挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。植物・微生物抽出物としては、例えば保湿効果を有する加水分解酵母エキスが挙げられる。タンパク加水分解物としては、例えば加水分解ケラチン、(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン及びヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コムギタンパクが挙げられる。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸及び亜硫酸塩が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば有機酸、及び有機塩基が挙げられる。有機酸としては、例えば乳酸、レブリン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、及びクエン酸が挙げられる。有機塩基としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、及びトリエタノールアミン(TEA)が挙げられる。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP、エチドロン酸)及びその塩類が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
炭酸ガスは、噴射剤として基剤を泡状にする。泡状とされた毛髪処理剤に含まれる炭酸ガスは、毛髪の柔軟性を高める働きを有する。毛髪処理剤は、周知のエアゾール容器に充填され、エアゾール容器から吐出されることで泡状とされる。エアゾール容器としては、周知のものを適宜選択して用いることができる。
炭酸ガスと、エステル型非イオン性界面活性剤の比率は、炭酸ガスに対するエステル型非イオン性界面活性剤の質量比(質量比=(B)エステル型非イオン性界面活性剤の質量/炭酸ガスの質量)で、0.5〜5であることが好ましい。炭酸ガスに対するエステル型非イオン性界面活性剤の質量比が0.5以上の場合、泡の保持性をより高めることが容易である。一方、炭酸ガスに対するエステル型非イオン性界面活性剤の質量比が5以下の場合、より潰し易い泡が形成されるようになる。
炭酸ガスは、温度25℃においてエアゾール容器中の内圧を0.4MPa〜0.6MPaの範囲とするように配合されることが好ましい。エアゾール容器の内圧が温度25℃において0.4MPa以上の場合、エアゾール容器中の基剤の噴射力が十分に得られ易くなるとともに、毛髪の柔軟性を高める効果が顕著に得られ易くなる。一方、エアゾール容器の内圧が温度25℃において0.6MPaを超える場合、それ以上の効果が発揮され難くなる。炭酸ガスは、基剤100質量部に対して、例えば1.0〜2.0質量部となるように含有される。
エアゾール容器中(毛髪処理剤中)には、液化ガスを噴射剤として更に配合させることもできる。また、エアゾール容器中(毛髪処理剤中)には、炭酸ガス以外の圧縮ガスを噴射剤として更に配合させることもできる。液化ガスとしては、例えば液化石油ガス(LPG)、及びジメチルエーテル(DME)が挙げられる。上記の圧縮ガスとしては、窒素ガス、空気、酸素ガス、亜酸化窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、及びアルゴンガスが挙げられる。こうした炭酸ガス以外の噴射剤は、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
噴射剤は、炭酸ガスのみであることが好ましい。基剤に溶存させる炭酸ガスの量や、泡状の毛髪処理剤に気泡として含まれる炭酸ガスの量を高めることで、炭酸ガスによる効果が顕著に発揮され易くなる。なお、噴射剤が炭酸ガスのみであるとは、エアゾール容器に充填する炭酸ガスに微量の空気が含まれる場合も含む。例えば、炭酸ガスとしては、純度99.0%以上であることが好ましく、純度99.5%であることが好ましい。
毛髪処理剤は、例えばシャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、美容液等の製品形態とされる。毛髪処理剤が適用される毛髪は、乾燥した状態であってもよいし、濡れた状態であってもよい。毛髪処理剤は、水又は温水で洗い流した後に乾燥される使用形態であってもよいし、洗い流さずに乾燥される使用形態であってもよい。
毛髪処理剤は、エアゾール容器から吐出されることで、泡状とされる。ここで、毛髪処理剤には、上記の成分(A,B,C)が含有されているため、炭酸ガスを含む噴射剤とした場合における泡の保持性が高められるようになる。泡の保持性は、エアゾール容器から毛髪処理剤を吐出した時点からの泡比重の変化により示される。エアゾール容器から毛髪処理剤を吐出した時点から15秒後の泡比重(D2)に対する前記吐出した時点の泡比重(D1)の比率R(比率R=D1/D2)は、例えば0.9〜1.0となる。すなわち、比率Rが0.9以上であることで、泡の保持性に優れることが分かる。なお、この比率Rは、25℃で測定した泡比重に基づくものである。
泡状の毛髪処理剤は、例えば手にとって毛髪に塗布される。こうした塗布では、泡状の毛髪処理剤を例えば手で押し潰しながら毛髪に馴染ませる。このとき、毛髪処理剤には、上記の成分(A,B,C)が含有されているため、炭酸ガスを含む噴射剤とした場合において、潰し易い泡が形成されるようになる。またこのとき、毛髪処理剤に上記の成分(A,B,C)が含有されていることで、乾いた毛髪及び濡れた毛髪のいずれについても、毛髪上で延ばし易く、かつ垂れ落ち難い。
毛髪処理剤が塗布された毛髪は、必要に応じてドライヤーを用いて整えられる。このようにして毛髪処理剤が適用された毛髪の柔軟性は、炭酸ガスの働きにより高められる。このため、本実施形態の毛髪処理剤は、ごわついた毛髪のケアに適している。ここで、アルカリ性薬剤により処理された毛髪では、中性や酸性の薬剤で処理された毛髪よりも、ダメージを受けることになるため、ごわつき感が生じ易い。このため、本実施形態の毛髪処理剤は、アルカリ性薬剤による毛髪処理の後処理に用いられる剤として特に有効である。
アルカリ性薬剤としては、例えば酸化染毛剤、毛髪脱色剤、毛髪脱染剤、及びパーマネントウェーブ剤等の市販のアルカリ性薬剤が挙げられる。
アルカリ性薬剤に含有されるアルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及びそれらの塩が挙げられる。有機アミン類としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジンが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、及びリジンが挙げられる。塩としては、例えばアンモニウム塩が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独、又は複数種が組み合わされてアルカリ性薬剤に含有される。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)毛髪処理剤に含まれる炭酸ガスにより、毛髪の柔軟性を高めることが可能である。このように炭酸ガスを噴射剤とする毛髪処理剤において、アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、及び25℃で液状のモノエステル型油剤が含有されることで、毛髪を柔軟にする効果を維持しつつも、泡の保持性を高め、かつ、潰し易い泡を形成することが容易となる。
(2)アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、及び25℃で液状のモノエステル型油剤の含有によって、毛髪処理剤を毛髪に馴染ませる際に、毛髪上で延ばし易く、かつ垂れ落ち難くなる。すなわち、伸展性、及び垂れ落ち難さといった操作性に優れる毛髪処理剤を提供することが可能である。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記毛髪処理剤を毛髪に適用する際には、毛髪上のアルカリ性薬剤に混ぜ込むようにして毛髪に塗布してもよい。この場合であっても、炭酸ガスを毛髪に接触することができるため、毛髪の柔軟性は高められるようになる。
・前記毛髪処理剤を酸性染毛料(ヘアマニキュア)による毛髪処理の後処理剤として用いてもよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記(C)25℃で液状のモノエステル型油剤が、アルコール残基として炭素数6以上の長鎖アルキル基を有する毛髪処理剤。
(ロ)エステル型非イオン性界面活性剤が、脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステル、及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種である毛髪処理剤。
(ハ)前記炭酸ガスに対する(B)エステル型非イオン性界面活性剤の質量比が、0.5〜5である毛髪処理剤。
(ニ)前記毛髪処理剤は、エアゾール容器から吐出されることで泡状とされるものであり、前記炭酸ガスは、温度25℃においてエアゾール容器中の内圧を0.4MPa〜0.6MPaの範囲とするように含有される毛髪処理剤。
上記(イ)〜(ニ)に記載の各毛髪処理剤によれば、毛髪を柔軟にする効果を維持しつつも、泡の保持性を高め、かつ、潰し易い泡を形成することが更に容易となる。
(ホ)増粘剤として(D)多糖類を更に含有する毛髪処理剤。この場合、泡の保持性を高めるとともに、操作性を高めることが更に容易となる。
(ヘ)前記噴射剤が炭酸ガスのみからなる毛髪処理剤。この場合、毛髪の柔軟性を高める効果が顕著に発揮され易くなる。
(ト)エアゾール容器から毛髪処理剤の吐出直後から15秒後の泡比重に対する前記吐出直後の泡比重の比率が0.9〜1.0である毛髪処理剤。
(チ)アルカリ性薬剤による毛髪処理の後処理に用いられる毛髪処理剤。この場合、アルカリ性薬剤による毛髪処理を要因としてごわついた毛髪を柔軟にできる点で有効である。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を具体的に説明する。
<毛髪処理剤の調製>
表1に示される成分を混合することにより、基剤を調整した。表1において、基剤の各成分の含有量を表している数値の単位は質量%である。各基剤を噴射剤とともに市販のエアゾール容器内に充填することで、各例の毛髪処理剤を調製した。噴射剤は、25℃の環境下でエアゾール容器の内圧が0.55MPaとなるように調整している。また、表1において、噴射剤の配合量を示す数値は、基剤100質量部に対する質量部である。
<泡比重の測定、及び泡の保持性>
毛髪処理剤のエアゾール容器を25℃の環境下で24時間保存した後、同環境下において、エアゾール容器から吐出した直後の泡状をなす毛髪処理剤を100mLの容器に入れて、100mL当たりの質量から泡比重(D1)を算出した。同環境下において15秒間静置した後の泡比重(D2)を泡比重(D1)と同様に算出し、比率Rを求めた。この比重Rを表1の“泡比重D2に対する泡比重D1の比率R”欄に示す。
泡の保持性について、比率Rが1.00以上の場合は“5”、0.90以上1.00未満の場合には“4”、0.85以上0.90未満の場合には“3”、0.75以上0.85未満の場合は“2”、0.75未満の場合は“1”とする5段階の評価を下した。この評価結果を表1の“泡の保持性”欄に示す。
<操作性の評価>
各例の毛髪処理剤を乾燥した毛束(DRY毛)に塗布したときの操作性についてパネラー20名が評価した。各例の毛髪処理剤を塗布したときの伸展性及び垂れ落ち難さについて、良いと認められると答えたパネラーの人数が17名以上であった場合には“5”、13〜16名であった場合には“4”、9〜12名であった場合には“3”、5〜8名であった場合には“2”、4名以下であった場合には“1”とする5段階の評価を下した。各例の毛髪処理剤を水で濡れた状態の毛束(WET毛)に塗布したときの操作性について同様にパネラー20名が評価した。この評価結果を表1の“操作性(伸展性・垂れ落ち難さ)”欄に示す。
<泡の潰れ易さ>
各例の毛髪処理剤を乾燥した毛束(DRY毛)に塗布したときの泡の潰れ易さについてパネラー20名が評価した。泡の潰れ易さについて、良いと認められると答えたパネラーの人数が17名以上であった場合には“5”、13〜16名であった場合には“4”、9〜12名であった場合には“3”、5〜8名であった場合には“2”、4名以下であった場合には“1”とする5段階の評価を下した。この評価結果を表1の“泡の潰れ易さ”欄に示す。
<毛髪の柔らかさ>
各例の毛髪処理剤を塗布した毛束をドライヤーで乾燥したときの毛束の柔らかさについて、実施例1の毛髪処理剤を適用した毛束を基準にして、パネラー20名が評価した。毛束の柔らかさについて、実施例1の毛髪処理剤を適用した毛束と同等に柔らかい感触が得られていると答えたパネラーの人数が17名以上であった場合には“5”、13〜16名であった場合には“4”、9〜12名であった場合には“3”、5〜8名であった場合には“2”、4名以下であった場合には“1”とする5段階の評価を下した。この評価結果を表1の“毛髪の柔らかさ”欄に示す。
Figure 0005737932
表1に示されるように、比較例1では、噴射剤として炭酸ガスを使用せずにLPGを使用しているため、各実施例よりも毛髪の柔らかさの評価が劣っている。また、比較例1では、噴射剤以外は、実施例1と同様であるものの、特に、泡の潰れ易さの評価について、実施例1よりも劣っている。この点、炭酸ガスよりも泡の形成に適しているLPGにおいては、各成分(A,B,C)が有効ではなく、各成分(A,B,C)は、炭酸ガスを噴射剤として含む泡の形成について特有の効果を奏することが分かる。
比較例2〜4は、各成分(A,B,C)のいずれかを含有しない例である。比較例2は、成分(A)のアルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤を成分(B)のエステル型非イオン性界面活性剤に変更した以外は、実施例1と同様である。比較例2では、特に、泡の潰れ易さが実施例1よりも著しく劣る結果となった。
比較例3は、成分(B)のエステル型非イオン性界面活性剤を、エーテル型非イオン性界面活性剤である“ステアレス−25”に変更した以外は実施例1と同様である。比較例3では、特に、泡の保持性、及び泡の潰れ易さが実施例1よりも著しく劣る結果となった。
比較例4は、成分(C)の25℃で液状のモノエステル型油剤をトリエステル系油剤である“(カプリル/カプリン酸)トリグリセリル”に変更した以外は実施例1と同様である。比較例4では、特に、泡の保持性、及び泡の潰れ易さが実施例1よりも著しく劣る結果となった。
また、比較例2及び3では、毛髪の柔らかさについても、実施例よりも劣る結果となった。比較例2〜4の結果から、毛髪を柔軟にする効果を維持しつつも、泡の保持性を高め、かつ、潰し易い泡を形成するためには、各成分(A,B,C)を共存させることが極めて有利であることが分かる。

Claims (1)

  1. 基剤及び炭酸ガスを含有し、前記炭酸ガスを噴射剤として泡状とされる毛髪処理剤であって、
    前記基剤は、(A)アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤と(B)エステル型非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及び脂肪酸ポリアルキレンオキシドエステルから選ばれる少なくとも一種と、(C)25℃で液状のモノエステル型油剤としてアシル基の炭素数が6〜22であるとともにアルコール残基が炭素数6以上の長鎖アルキル基であるモノエステル型油剤とを含有することを特徴とする毛髪処理剤。
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