JP5737715B2 - 流体管の切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流体管に密封状に取り付けられた筐体内において、カッタ部材を流体管の径方向に向けて進行させることで流体管を不断流状態で切断し、筐体内に流体の流れを制する制流体を設置するための流体管の切断方法に関する。
従来、既設流体管(流体管)に密封状に取り付けられた密封ハウジング(筐体)内において、不断流状態で既設流体管の一部をカッター(カッタ部材)によって切断し、この切断箇所に切換弁(制流体)を挿入することで、切換弁により既設流体管(流体管)内の流れを止水或いは分岐しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許4144690号公報(第5頁、第8図)
このような特許文献1に記載の密封ハウジング(筐体)内においては、カッター(カッタ部材)が既設流体管(流体管)を切断するために既設流体管に対して力を加えるため、既設流体管がこのカッターから加えられる力によって変形しないよう、密封ハウジング内にカッターと対向するように流体管に当接する支持台を配置し、流体管の切断時にカッターによる流体管の切断に対抗して支持台が流体管を支持するようにすることが考えられるが、この場合には、流体管の切断後に切片及び支持台を筐体内から回収しなければ、筐体内に切換弁(制流体)を挿入することができないという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、筐体内から支持台の回収を行うことができる流体管の切断方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の流体管の切断方法は、
流体管に密封状に取り付けられた筐体内において、カッタ部材を流体管の径方向に向けて進行させることで流体管を不断流状態で切断し、前記筐体内に流体の流れを制する制流体を設置するための流体管の切断方法であって、
前記筐体内における流体管の前記カッタ部材と対向する側に支持台が配置されるとともに、流体管と前記支持台とが係合手段により係合された状態で、前記係合手段により前記支持台と係合された箇所を含む範囲の流体管を前記カッタ部材によって切断した後、流体管を切断することで生じた切片を保持手段を用いて保持し、前記切片と係合された前記支持台とともに前記筐体内から回収することを特徴としている。
この特徴によれば、流体管を切断するために流体管の径方向に進行するカッタ部材に対して、支持台が筐体内におけるカッタ部材との対向位置で流体管を当接支持するので、支持台は、流体管を切断するためにカッタ部材が流体管を押圧する力を受け止め、流体管の切断時における流体管の変形を抑えることができるばかりか、切片を保持手段により保持することで、切片と係合手段を介して係合されている支持台とを一度に回収することができるため、支持台の再利用を可能としつつ筐体内に制流体を阻害無く設置することができる。
本発明の流体管の切断方法は、
前記保持手段は、前記カッタ部材に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、流体管をカッタ部材により切断した状態で保持手段により切片を保持することができるので、少ない工程数で流体管の切断と筐体内からの切片及び支持台の回収を行うことができる。
本発明の流体管の切断方法は、
前記支持台は、流体管の管軸に対して対向する位置から流体管を挟持するように配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、流体管の切断時に流体管が位置ずれしないよう支持台に対して固定することができるので、流体管を安定して切断することができる。
本発明の流体管の切断方法は、
前記支持台は、前記カッタ部材の退行方向に向けて取り外し可能な複数の係止手段により、前記筐体に対して係止されていることを特徴としている。
この特徴によれば、係止手段により支持台を流体の流体圧に抗して筐体内に固定することができるので、流体管の切断により生じる切片の位置がずれることが防止されるとともに、保持手段が切片を保持した状態で対向することで支持台の係止手段による筐体との係止が解除されるので、容易に支持台を筐体内から回収することができる。
実施例における流体管に筐体が取り付けられた状態を示す正面断面図である。 流体管に筐体が取り付けられた状態を示す側断面図である。 流体管に筐体が取り付けられた状態を示す一部破断横断平面図である。 流体管の上方にカッタ部材が配置された状態を示す一部破断側断面図である。 カッタ部材が流体管を切断している状態を示す側断面図である。 カッタ部材による流体管の切断が終了した状態を示す正面断面図である。 筐体内へ制流体を挿入配置する状態を示す側断面図である。 筐体内に制流体を挿入配置した状態を示す側断面図である。
本発明に係る流体管の切断方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る流体管の切断方法につき、図1から図8を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施例の流体管1は、略円筒形状に形成された高密度ポリエチレン等の樹脂製管から成り、略水平方向に延設され、内部には流体としての上水が流れている。この流体管1は、例えば、図1及び図8に示すように、新規のバイパス管12を流体管1と連通させるための筐体2を所定箇所に密封状に取り付けられるようになっている。この筐体2内で流体管1を後述するカッタ部材52(図4及び図5参照)により切断するとともに、筐体2内に挿入配置された制流体11を回動操作することで、流体の流路を流体管1とバイパス管12とで切り替え可能となっている。
尚、流体管1の材質は高密度ポリエチレンに限らずその他ポリオレフィン樹脂等であってもよい。また、本実施例では流体管1内の流体は上水であるが、流体管1の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水や下水等であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管であっても構わない。
図1及び図2に示すように、流体管1の外周面1aに固定に取り付けられる筐体2は、流体管1に対して上方から配設され、流体管1の外周の上側を被覆する第1ケース3と、流体管1に対して下方から配設され、流体管1の外周の下側を被覆する第2ケース4と、から構成されている。これら第1ケース3及び第2ケース4は、鋳鉄等の金属材により構成されている。
また、第1ケース3は、流体管1の管軸方向に向けて流体管1の外周面1aの略半周に亘り当接する当接部3aを管軸方向に沿って一対に備えている。各当接部3aの流体管1の外周面1aに対向する内壁には、第1ケース3の周方向の略全長に沿って流体管1の外周面1aに当接する止水部材20aが、流体管1の管軸方向に沿って一対設けられている。
第1ケース3の当接部3a,3a間には、第1ケース3の内方を向く平面視で略円形状の円周面3hが形成されている。この円周面3hの上部には、流体管1の管軸と略直交するように、流体管1における管軸方向に沿って上方に向けて分岐口3gが形成されている。分岐口3g内は、垂直方向に向けて貫通形成されており、分岐口3gの上端部には、上フランジ3iが形成されている。更に、第1ケース3における流体管1の管軸方向側の両端部には、流体管1の外径方向に向けて突出形成したフランジ3nが筐体2において正面視で略半円弧形状をなすように第1ケース3の周方向に亘って延設されている。
図1に示すように、第1ケース3の流体管1における管軸方向の略中央部には、側断面視半円弧形状の半筒部3eが、流体管1の外径方向である水平方向に向けて突出形成されている。半筒部3eの内壁には、周方向の略全長に沿って後述するようにバイパス管12の外周面12aに当接する止水部材20bが、設けられている。また、半筒部3eの端部には、半筒部3eの外径方向に向けて突出形成したフランジ3rが筐体2において略半円弧形状をなすように半筒部3eの周方向に亘って延設されている。
図1及び図8に示すように、第1ケース3内での半筒部3eの流体管1における管軸方向の両端側部には、制流体11を筐体2内に挿入し易い様に下方に向けて傾斜をなす平坦面3j,3k(図2参照)が、円周面3hから第1ケース3の下端部にかけて形成されている。更に、図1に示すように、第1ケース3内での半筒部3eに対向する内壁には、平坦面3j,3kと同様に、制流体11を筐体2内に挿入し易い様に下方に向けて傾斜をなす平坦面3mが、円周面3hから第1ケース3の下端部にかけて形成されている。
図1及び図2に示すように、第1ケース3には、当接部3aに連続して流体管1の外径方向に向けて対向する一対のフランジ3c,3c(一方は図示せず)が流体管1の管軸方向に沿って突出形成されている。図示しない他方のフランジ3cは、第1ケース3の流体管1における管軸方向の両端部から半筒部3eに沿って平面視で一対の略L字状を成すように形成されている。
第2ケース4には、第1ケース3と略同一の流体管1における管軸方向の幅寸法を有し、流体管1の下部における外周面1aに当接する当接部4aを備えている。当接部4aの流体管1の外周面1aに対向する内壁には、第2ケース4の周方向の略全長に沿って流体管1の外周面1aに当接する止水部材20cが、流体管1の管軸方向に沿って一対設けられている。更に、第2ケース4における流体管1の管軸方向側の両端部には、流体管1の外径方向に向けて突出形成したフランジ4nが筐体2において正面視で略半円弧形状をなすように第2ケース4の周方向に亘って延設されている。
また、第2ケース4の流体管1における管軸方向の略中央部には、側断面視半円弧形状の半筒部4eが、流体管1の外径方向である水平方向に向けて突出形成されている。半筒部4eの内壁には、周方向の略全長に沿って後述するようにバイパス管12の外周面12aに当接する止水部材20dが、設けられている。この止水部材20dと、止水部材20c,20cとは、後述する止水部材24を介して連続して一体に形成されている。
半筒部4eの端部には、半筒部4eの外径方向に向けて突出形成したフランジ4rが筐体2において略半円弧形状をなすように半筒部4eの周方向に亘って延設されている。尚、前述したフランジ3n,3r,4n,4rの各当接部3a,4a及び半筒部3e,4eからの突出寸法は全て同一に形成されている。
図1及び図7に示すように、第2ケース4内での半筒部4eの流体管1における管軸方向の両端側部には、制流体11を筐体2内に挿入し易い様に下方に向けて傾斜をなす平坦面4j,4kが、第2ケース4の上端部から下部にかけて形成されている。
更に、第2ケース4内での半筒部4eに対向する内壁には、平坦面4j,4kと同様に、制流体11を筐体2内に挿入し易い様に下方に向けて傾斜をなす平坦面4mが、第2ケース4の上端部から下部にかけて形成されている。更に、これら平坦面4j,4k,4mは、第2ケース4の内底部に延設され、水平を成して交差している。この第2ケース4の内底部にて交差する平坦面4j,4k,4mには、後述するように制流体11が配置されるようになっている。
また、図1、図2及び図3に示すように、第2ケース4には、当接部4aに連続して流体管1の外径方向に向けて対向する一対のフランジ4c,4cが流体管1の管軸方向に沿って突出形成されている。これらフランジ4c,4cのうち一方のフランジ4cは、第2ケース4の流体管1における管軸方向の両端部から半筒部4eに沿って平面視で一対の略L字状を成すように形成されている。
このように第1ケース3と第2ケース4とから構成される筐体2は、本実施例においては、筐体2における流体管1の管軸方向側の端部であるフランジ3n,4n及びフランジ3n,4nと、半筒部3e,4eの端部であるフランジ3r,4rに取り付けられる樹脂材から構成された取付部材22によって流体管1に対して移動不能に固定されるようになっている。尚、各フランジ3n,4n,3r,4rに取り付けられる取付部材22は同一構成につき、フランジ3nに取り付けられる取付部材22についてのみ説明する。
図2に示すように、取付部材22は、流体管1及びバイパス管12の外径と略同一の内径を有する略半円弧形状に形成されている。この取付部材22は、内部に電流が流れることで発熱する電熱線22bが取付部材22の周方向の略全長に亘って配設された融着部22aを有している。電熱線22bの各端部は、外部電源と電気的に接続可能に取付部材22の外面に設けた接続部23に接続されている。更に、取付部材22には、フランジ3nと略同一形状の嵌合空間22e(図1参照)が形成されている。
また、図1、図2及び図3に示すように、本実施例における第2ケース4内には、流体管1を切断する際に流体管1の下部に当接し、流体管1を下方から支持する支持台40が配置されるようになっている。この支持台40の上部は、流体管1を下方から支持するために流体管1の外周面1aに下方から当接する水平面を有する支持部40aを備えている。
支持部40aにおける流体管1の管軸方向の両端部からは、下方に向けて一対の脚部40c,40cが延設されており、支持部40aにおける第2ケース4の平坦面4m側の端部からは、下方に向けて脚部40dが延設されている。更に、脚部40dにおける流体管1の管軸方向の両端部は、下方に向けて延設された一対の先端部40e,40eに構成されている。そして、支持部40aにおける第2ケース4の半筒部4e側の端部からは、下方に向けて脚部40fが延設されている。
このうち一方側の脚部40cは、平坦面4j,4m間で第2ケース4の内底部に当接するようになっており、他方側の脚部40cは、平坦面4k,4m間で第2ケース4の内底部に当接するようになっている。更に、脚部40dは、下端部が平坦面4mの上方に配置されるとともに、脚部40dの一方側の先端部40eは、平坦面4j,4m間で第2ケース4の内底部に当接し、他方側の先端部40eは、平坦面4k,4m間で第2ケース4の内底部に当接するようになっている。
そして、脚部40fは、平坦面4j,4k間で第2ケース4の内底部に当接するようになっている。つまり、本実施例における支持台40は、第2ケース4の内底部で水平をなして交差している平坦面4j,4k,4mを避けて、脚部40c,40c,40d,40fによって第2ケース4内にて立設配置されるようになっている。
支持部40aにおける第2ケース4の平坦面4m側の端部及び半筒部4e側の端部からは、上方に向けて流体管1の半径よりも長寸且つ流体管1の直径よりも短寸である壁部40h,40hが立設されている。これら壁部40h,40h間の左右幅寸法は、流体管1の直径よりも僅かに長寸に形成されている。また、図1に示すように、これら壁部40h,40hの上端部には、それぞれ本発明における係合手段としての係合片41,41がボルト42によって取り付け可能となっている。
これら係合片41,41における流体管1の内径方向側の端部は、上方から下方にかけて流体管1の外径方向に傾斜をなす傾斜面41aに形成されている。このため、両傾斜面41a,41aの正面視における左右幅寸法は、係合片41,41が壁部40h,40hの上端部に取り付けられることで、下方から上方に向けて漸次短寸となるテーパー状に形成される。更に、両傾斜面41a,41aは、係合片41,41が壁部40h,40hの上端部に取り付けられることで、流体管1の上部側における外周面1aを押圧可能に当接若しくは近接している。
つまり、本実施例における支持台40は、壁部40h,40hの上端部に取り付けられ、傾斜面41a,41aにて流体管1の上部側における外周面1aに当接する係合片41,41を介して、流体管1を正面視で左右方向から挟持するようになっている。
尚、第2ケース4の内底部における平坦面4j,4k間、平坦面4k,4m間及び平坦面4j,4m間には、上方向に向けて凹部4pが形成されている。これら凹部4p内には、上方を向く本発明における係止手段としての固定ピン6が、内底部から突出するように挿入されており(本実施例では脚部40fの挿通孔40gに挿通される固定ピン6のみを図示)。また、脚部40dにおける先端部40e,40eと脚部40fには、これら固定ピン6が挿通される挿通孔40gが形成されている。このため、本実施例における支持台40は、第2ケース4内に配置されることで各挿通孔40gに固定ピン6が挿通され、第2ケース4内における位置が固定されるようになっている。
図4に示すように、カッタ部材52は、流体管1側の端部に流体管1よりも大径に下方に向けて開口した筒状体53を備えている。この筒状体53の流体管1側の端部には、流体管1を切断するための刃部53aが形成されている。また、筒状体53の壁面には、筒状体53の壁面を貫通する流通孔53bが無数に形成されている。
また、筒状体53の内部には、下方に開口した開口部53cが形成されている。この開口部53c内には、筒状体53内を軸部材51の軸方向に移動可能な、ガイド板54が配置されている。このガイド板54は、開口部53cと略同一形状に形成されているとともに、カッタ部材52の側方を向く外周面は、筒状体53の内周面と摺接する垂直面54aに形成されている。
更に、ガイド板54の下端部は、流体管1の外周面1aに当接する水平面に形成されており、刃部53aよりも流体管1に向けて僅かに突出して配置されている。ガイド板54の上端部には、筒状体53内をカッタ部材52の上方まで貫通するガイド棒55が立設されており、このガイド棒55の周囲には、ガイド板54を流体管1に向けて付勢するコイルバネ56が配置されている。
このため、ガイド板54が開口部53c内を軸部材51の軸方向に移動することによって、カッタ部材52は、開口部53cの内周面をガイド板54の垂直面54aにガイドされながらガイド板54に対して軸部材51の軸方向に相対移動するようになっている。
このように構成された筐体2、支持台40及びカッタ部材52を用いて流体管1を切断するには、先ず、図1及び図3に示すように、第2ケース4において、支持台40を前述したように平坦面4j,4k,4mを避けて第2ケース4の内底部に配置する。同時に各固定ピン6を挿通孔40gに挿通させ、支持台40を流体管1の切断後に流体の流体圧によって位置ずれしないよう固定する。
次に、第1ケース3において、取付部材22の嵌合空間22eをフランジ3nに対して凹凸嵌合させる。更に、取付部材22とフランジ3nとを係止ピン21によって係止することで、取付部材22をフランジ3nに対して相対移動不能に取り付ける。以下、第1ケース3及び第2ケース4のその他のフランジ3r,4n,4rにおいても同様に取付部材22の取り付けを行う。
次に、図1及び図2に示すように、取付部材22を取り付けた第1ケース3を流体管1及びバイパス管12の一端側の上部に配設する。そして、フランジ3c,4c間に止水部材24を配した状態で第2ケース4を流体管1に対して下方から配設し、支持台40における両壁部40h,40h間に流体管1を配置する。更に、第1ケース3のフランジ3c,3cと第2ケース4のフランジ4c,4cとをそれぞれ対向させるとともに、対向した各フランジ3c,4cをボルト・ナット25により緊締することで、筐体2を流体管1及びバイパス管12に対して仮固定する。このフランジ3c,4cのボルト・ナット25による緊締によって、支持台40の支持部40aが流体管1の外周面1aに下方から当接若しくは近接する。
このとき、各止水部材20a,20c及び止水部材20b,20dは、止水部材20a,20bの周方向の両端部が止水部材20c,20dの周方向の両端部に密接することで、各止水部材20a,20cと止水部材20b,20dとが環状に形成されるとともに、流体管1の外周面1aと当接部3a,3a間及びバイパス管12の外周面12aと分岐部2a間を密封する。
更に、筐体2と流体管1及びバイパス管12との間は、フランジ3c,4c間で止水部材24が弾性変形することで、フランジ3c,4cが略全長に亘って止水部材24に密着するとともに、各止水部材20aが当接部3a,4aと流体管1の外周面1a及び半筒部3e,4eとバイパス管12の外周面12aとの間で当接部3a,4aと流体管1の外周面1a及び半筒部3e,4eとバイパス管12の外周面12aとの略全長に亘って密着することで密封される。
また、図1及び図7に示すように、平坦面3j,4j間は、突起や段差等の非連続面を有さない連続面2bとして構成される。同様に、平坦面3k、4k間及び平坦面3m,4m間も、それぞれ連続面2c,2dとして構成される。
各フランジ3n,4nに取り付けられている取付部材22の融着部22aは、流体管1の外周面1aに、流体管1の周方向の略全長に亘って当接する。同様に、フランジ3r,4rに取り付けられている取付部材22の融着部22aは、バイパス管12の外周面12aに、バイパス管12の周方向の略全長に亘って当接する。また、両半筒部3e,4eは、フランジ3c,3cとフランジ4c,4cが対向配置されることで、筐体2の側方に向けて分岐する分岐部2aを構成する。
次に、図示しない外部電源に接続されている電源ケーブルをフランジ3n,4nに取り付けられている各取付部材22の接続部23に接続し、前記外部電源から所定時間電力を供給する。電力供給された電熱線22bが高温に発熱することで、樹脂材からなる融着部22aと流体管1の外周面1aとを加熱し次第に溶融する。
溶融された融着部22aと流体管1の外周面1aとは、互いに混ぜ合わされ、電熱線22bによる発熱を停止し常温に下がることで一体化して凝固し、筐体2が流体管1に対して移動不能に固定される。
更に、フランジ3n,4nに取り付けられた取付部材22の融着部22aと流体管1の外周面1a間と同様に、フランジ3r,4rに取り付けられた取付部材22の接続部23に前記外部電源と接続部23を接続して電熱線22bを発熱させることで、融着部22aとバイパス管12の外周面12aとを溶融させるとともに、電熱線22bの発熱を停止させて溶融された融着部22aとバイパス管12の外周面12aとを一体化させて凝固させる。以上により流体管1への筐体2の取り付けを終了する。
次いで、図4及び図5に示すように、分岐口3gの上フランジ3iに、内部に作業弁36及び切断装置50を配設した上部ケース35を水密に接続する。切断装置50は、図示しない駆動手段に接続され分岐口3g内を流体管1に向け軸方向に進行する軸部材51と、軸部材51の下端部に接続された前述のカッタ部材52と、から主として構成されている。このうち、上部ケース35には、図示しない空気抜きのための空気弁及び注水のための注水弁が設けられている。
このように構成された切断装置50は、前記注水弁を介し注水することで筐体2及び上部ケース35内の空気を水で置換した後に、軸部材51を介してカッタ部材52を流体管1に向けて進行させ、流体管1の上端部における外周面1aにガイド板54の下端部を当接させる。
そして、継続してカッタ部材52が軸部材51の軸方向に進行されることで、カッタ部材52は、ガイド板54によって流体管1の外周面1aに対して継続して押圧させることで、ガイド板54の下端部と流体管1の外周面1aとの間で生じている摩擦力により、カッタ部材52が流体管1を切断するための位置固定を行う。
以降、ガイド板54、更にカッタ部材52が進行されることで、コイルバネ56から付勢力を受けながら流体管1の外周面1aに当接した位置で留まる。この間、筒状体53は、内周面を垂直面54aに摺接させながら刃部53aにより順次流体管1を下方に向けて切断していく。
このとき、流体管1は、カッタ部材52が上方から下方に向けて流体管1を切断していくことでカッタ部材52から押圧力を受けるが、支持台40が流体管1をカッタ部材52の押圧力に対抗して支持しているため、カッタ部材52からの押圧力によって弾性復元可能な範囲で一時的に変形するものの、恒久的な変形が防止されている。
また、流体管1の切断が進行していくにつれて、流通孔53bが流体管1内に配置されていく。このため、カッタ部材52により切断中の流体管1内に流通孔53bにより流体の流路が確保されるようになっているため、流体管1内を流れる流体の一部が流通孔53bを介して筒状体53内を通過して流下していき、流体が筒状体53に当接することで生じる乱流と、筒状体53が流体から受ける流体圧とを、小さく抑えることができる。
そして、図6に示すように、刃部53aによる流体管1の切断が完了することで切断された箇所は、流体管1から分断されて切片1bとなる。切片1bは、切片1b自身の弾性復元力がはたらくことで、開口部53c内にて筒状体53の内周面に密接し、この筒状体53の内周面との間で生じる摩擦力によって、筒状体53内に収容保持される。つまり、本実施例における筒状体53は、保持手段を構成している。
次に、軸部材51を退行させ、切片1bを保持した状態のカッタ部材52を筐体2内から上部ケース35内に向けて移動させる。このとき、切片1bが軸部材51とともに上部ケース35に向かって移動することで、切片1bの上部側の外周面1aは、テーパー状をなす両傾斜面41a,41aに強力に係止される。
このため、切片1bは、支持台40に両係合片41,41を介して保持されるので、支持台40は、軸部材51の退行により切片1bとともに上部ケース35内に向けて移動する。尚、図1に示すように、第2ケース4の内底部に設けられた各固定ピン6と脚部40d,40fに形成された各挿通孔40gは、共に軸部材51の退行方向である上方を向いているため、容易に支持台40を第2ケース4の内底部から離間させることができる。
以降、継続して軸部材51を上部ケース35に向けて退行させることで筐体2内から切片1b及び支持台40を収納した後は、作業弁36をスライド移動させることで筐体2を水密に閉塞するとともに、上部ケース35内からカッタ部材52及び筐体2内から回収した切片1bと支持台40とを取り外して切断装置50による流体管1の切断を終了する。
上部ケース35内からカッタ部材52、切片1b及び支持台40を取り外した後は、図7及び図8に示すように、筐体2に制流体設置装置60を取り付け、筐体2内に制流体11を設置する。制流体設置装置60は、前述したように流体管1に取り付けられている筐体2と、軸部材51と、軸部材51の先端に固設され筐体2内に挿入配置される制流体11と、この制流体11を収納する上部ケース35と、から主に構成されている。
このうち、制流体11は、弁箱13と、この弁箱13内で垂直方向を向く枢軸15によって回動自在に枢支される図示しない弁本体と、から主に構成されている。弁箱13の上部には、筐体2の円周面3hの全周に亘って密着可能な環状の環状シール部16aが形成されている。また、弁箱13には、平坦面3j,4jの全長に亘って密着可能なシール部16bが環状シール部16aから下方に向けて延設されている。
弁箱13には、シール部16bと同様に、平坦面3k,4kの全長に亘って密着可能なシール部16c及び平坦面3m,4mの全長に亘って密着可能なシール部16dがそれぞれ環状シール部16aから下方に向けて延設されている。そして、これらシール部16b,16c,16dは、弁箱13の底部にて水平をなして交差している。
一方、前記弁本体は、枢軸15を回動操作することで、弁箱13内を弁箱13の内壁に摺接しながら、流体管1の上流側と下流側、または流体管1の上流側とバイパス管12とを選択的に連通させることが可能となっている。
このように構成された制流体11を筐体2内に挿入配置するには、図7及び図8に示すように、作業弁36をスライド移動させることで筐体2を開放し、筐体2内及び上部ケース35内に流体を満たす。そして、前記注水弁を閉塞した後に先端部に制流体11が固設された軸部材51を筐体2内に向けて進行させていく。尚、このとき、枢軸操作部15aは、軸部材51の先端部内に挿入配置されている。
軸部材51を筐体2内に向けて進出させていくことで、環状シール部16aを筐体2の円周面3hの全周に亘って密着させる。同時に、平坦面3j,4jとシール部16b、平坦面3k,4kとシール部16c及び平坦面3m,4mとシール部16dをそれぞれ密着させ、弁箱13と筐体2との間を水密に保持することで筐体2内に制流体11を挿入配置する。尚、流体管1の切断時に支持台40が平坦面4j,4k,4mを避けて第2ケース4の内底部に配置されていたため、平坦面4j,4k,4mには、支持台40が当接することによる傷や凹凸が形成されることがなく、平坦面4jとシール部16b、平坦面4kとシール部16c及び平坦面4mとシール部16dの密着を良好に行うことができる。
筐体2内に制流体11を挿入配置した後は、上部ケース35内の流体を排水した後、上部ケース35に設けられた図示しない操作口から作業者が手を入れることで、軸部材51から制流体11を取り外す。最後に、上部ケース35を筐体2から取り外した後、上フランジ3i上に蓋体17を配置するとともに、蓋体17と上フランジ3iとをボルト・ナット18により緊締する。尚、蓋体17には、垂直方向に貫通する貫通孔17aが形成されており、この貫通孔17aに枢軸操作部15aが挿入されることで、枢軸操作部15aは、蓋体17の上方に突出して配置される。
この蓋体17と上フランジ3iとをボルト・ナット18により緊締することで、制流体11を蓋体17によって下方に向けて押圧し、円周面3hと環状シール部16a、平坦面3j,4jとシール部16b、平坦面3k,4kとシール部16c及び平坦面3m,4mとシール部16dとをより確実に密着させ、制流体11を筐体2内において固定し、制流体11の筐体2内への挿入配置を終了する。
尚、本実施例では、筐体2内で流体管1を支持台40によって下方から支持しながらカッタ部材52により流体管1を切断した後、筐体2内から支持台40を回収したが、流体管1に切断箇所が複数ヶ所ある場合には、回収した支持台40を新たな流体管の切断箇所に取り付けられる第2ケース4内に設置することで、繰り返し同一の支持台40にて流体管1の切断を行う際に流体管1を支持することができる。
以後、作業者が枢軸操作部15aにハンドル等を取り付けて前記弁本体を回動操作することで、制流体11は、流体管1の上流側から下流側にかけて形成されている流体の流路を、流体管1の上流側からバイパス管12に連通するように切り替えることができる。
以上、本実施例における流体管1の切断方法にあっては、筐体2内における流体管1のカッタ部材52と対向する側に支持台40が配置されるとともに、流体管1と支持台40とが係合片41により係合された状態で、係合片41により支持台40と係合された箇所を含む範囲の流体管1をカッタ部材52によって切断した後、流体管1を切断することで生じた切片1bを保持手段である筒状体53を用いて保持し、切片1bと係合された支持台40とともに筐体2内から回収することで、流体管1を切断するために流体管1の径方向に進行するカッタ部材52に対して、支持台40が筐体2内におけるカッタ部材52との対向位置で流体管1を当接支持するので、支持台40は、流体管1を切断するためにカッタ部材52が流体管1を押圧する力を受け止め、流体管1の切断時における流体管1の変形を抑えることができるばかりか、切片1bを筒状体53により保持することで、切片1bと係合片41を介して係合されている支持台40とを一度に回収することができるため、支持台40の再利用を可能としつつ筐体2内に制流体11を阻害無く設置することができる。
また、保持手段である筒状体53は、カッタ部材52に設けられていることで、流体管1をカッタ部材52により切断した状態で保持手段により切片1bを保持することができるので、少ない工程数で流体管1の切断と筐体2内からの切片1b及び支持台40の回収を行うことができる。
また、支持台40は、係合片41,41を介して流体管1の管軸に対して対向する位置から流体管1を挟持するように配置されることで、流体管1の切断時に流体管1が位置ずれしないよう支持台40に対して固定することができるので、流体管1を安定して切断することができる。
また、支持台40は、カッタ部材52の退行方向に向けて取り外し可能な複数の固定ピン6により、筐体2に対して係止されていることで、固定ピン6により支持台40を流体の流体圧に抗して筐体2内に固定することができるので、流体管1の切断により生じる切片1bの位置がずれることが防止されるとともに、保持手段である筒状体53が切片1bを保持した状態で対向することで支持台40の固定ピン6による筐体2との係止が解除されるので、容易に支持台40を筐体2内から回収することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、流体管1をカッタ部材52にて切断し、切片1bを切片1bと筒状体53の内周面との間で生じる摩擦力により筒状体53内に収容保持したが、例えば、筒状体53内に水平方向に回動可能なドリルを設け、該ドリルにより切片1bを穿孔することで前記ドリルにより切片1bを支持し、切片1b及び支持台40を筐体2内から回収するようにしてもよい。
また、前記実施例では、カッタ部材52を上部ケース35内から筐体2内に向けて進行させることで流体管1を切断し、切片1bを切片1bと筒状体53の内周面との間で生じる摩擦力により筒状体53内に収容保持した状態でカッタ部材52を上部ケース35に向けて退行させることで切片1b及び支持台40の回収を行ったが、切片1bを保持するための保持手段をカッタ部材52とは別に用意し、カッタ部材52を上部ケース35内から筐体2内に向けて進行させることにより流体管1を切断した後に上部ケース35内に退行させ、替えて前記保持手段を上部ケース35内から筐体2内に向けて進行させることにより前記保持手段に切片を保持させ、切片1bを保持した状態の前記保持手段を筐体2内から上部ケース35に向けて退行させることで切片1b及び支持台40を筐体2内から回収してもよい。
また、前記実施例では、第2ケース4内に支持台40を配置した後、第1ケース3と第2ケース4とをフランジ3c,4cにてボルト・ナット25により緊締することで、支持台40の支持部40aを流体管1の外周面1aに下方から当接させたが、筐体2が支持台40に対して十分に大きな寸法を有している場合には、流体管1に密封状に取り付けられた筐体2内に支持台40を上方から配置させ、筐体2内で支持台40の配置位置を調整することで支持台40の支持部40aを流体管1の外周面1aに下方から当接させてもよい。
また、前記実施例では、筐体2内に配置された支持台40の壁部40h,40hの上端部に係合片41,41を取り付けることで、支持台40が流体管1を係合片41,41を介して挟持したが、係合片を壁部40hに対して一体に構成するとともに、該係合片をコイルバネ等の弾性力を用いることで支持台40の下方に向けてのみ可撓可能な構成とすることで、第2ケース4を流体管1に対して下方から配設することで流体管1により両前記係合片を下方に向けて撓ませながら流体管1を壁部40h,40h間に配置させ、前記コイルバネの弾性力により両前記係合片を元の位置に復帰させることで、切片1bが軸部材51の退行方向である上方に向けて移動する際に両前記係合片に当接するようにしてもよい。
また、前記実施例では、制流体11を弁箱13と図示しない弁本体とで構成し、弁本体を弁箱13内で移動させることで流体の流路の切り替えを行うようにしたが、制流体は、例えばゲート弁、バタフライ弁、緊急遮断弁、あるいはプラグ等で構成されていてもよく、流体管1の上流側または下流側の一方のみを閉塞することで流体の流路のみを閉塞するようにしてもよい。
また、前記実施例では、流体管1に対して取付部材22を熱融着することで筐体2を流体管1に取り付けたが、筐体2に流体管1の内径側を向く刃部を有する係止体を複数配置し、該係止体を押圧することで刃部を流体管1の外周面1aに食い込ませることで、筐体2を流体管1に取り付けるようにしてもよい。
1 流体管
1b 切片
2 筐体
6 固定ピン(係止手段)
11 制流体
40 支持台
41 係合片(係合手段)
52 カッタ部材
53 筒状体(保持手段)

Claims (4)

  1. 流体管に密封状に取り付けられた筐体内において、カッタ部材を流体管の径方向に向けて進行させることで流体管を不断流状態で切断し、前記筐体内に流体の流れを制する制流体を設置するための流体管の切断方法であって、
    前記筐体内における流体管の前記カッタ部材と対向する側に支持台が配置されるとともに、流体管と前記支持台とが係合手段により係合された状態で、前記係合手段により前記支持台と係合された箇所を含む範囲の流体管を前記カッタ部材によって切断した後、流体管を切断することで生じた切片を保持手段を用いて保持し、前記切片と係合された前記支持台とともに前記筐体内から回収することを特徴とする流体管の切断方法。
  2. 前記保持手段は、前記カッタ部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体管の切断方法。
  3. 前記支持台は、流体管の管軸に対して対向する位置から流体管を挟持するように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の流体管の切断方法。
  4. 前記支持台は、前記カッタ部材の退行方向に向けて取り外し可能な複数の係止手段により、前記筐体に対して係止されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流体管の切断方法。
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