JP5735347B2 - 外側寸法測定機 - Google Patents
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しかし、このような測定方法では、高価な三次元測定機が必要なうえ、被測定物の湾曲面に沿って測定プローブを移動させながら、測定プローブの高さ方向のピーク値を拾う操作を行わなければならないため、手間がかかる。
これは、ベースに固定される固定側ブロックゲージと、ベースに対して接離可能に設けられた可動体と、この可動体に固定された可動側ブロックゲージと、可動体における可動側ブロックゲージの固定面とは反対面に当接可能に設けられた測定子と、この測定子の変位量を表示する表示装置とを備え、固定側ブロックゲージと可動側ブロックゲージとの間に被測定物を挟持し、このときの可動体の変位量を測定子の変位量から測定することにより、被測定物の外径寸法を測定する構造である。
従って、特許文献1に開示された外径測定装置を用いれば、湾曲した被測定物の湾曲高さ寸法を簡便に測定できる。
本発明によれば、可動ブロックには、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整するための姿勢調整手段が設けられているから、組立時においては、部品の加工精度、組み立て精度に依存することなく、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整することができる。また、出荷後においては、経時変化や環境変化などにより、2平面(可動基準面と固定基準面)の平行度が崩れた場合でも、姿勢調整手段を調整することにより、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整することができるので、常に、高精度な測定が期待できる。
この構成によれば、姿勢調整手段の各調整機構が、測定手段による可動測定子の測定点から略等しい位置に設けられているから、各調整機構において、可動測定子を測定テーブルに対して接近離隔する方向へ変位させて調整しても、その調整による測定点に対する影響を少なくすることができる。従って、調整が簡易に行える。
この構成によれば、可動測定子は、可動基準面を有する可動測定子本体と、この可動測定子本体の外周に突出して設けられ可動基準面に対して段差を有する姿勢調整プレートとを備える構成であるから、段差部分に各調整機構の調整ねじを配置することができる。従って、調整ねじと測定テーブルとの干渉を回避できるほか、調整ねじを調整するための作業領域の確保および軽量化が図れる。
この構成によれば、ガイド機構は、可動ブロックを挟んで可動ブロックをガイドする一対のガイドレールを有する構造であるから、可動ブロックを調整後の姿勢を維持したまま移動させることができる。しかも、ガイドレールと可動ブロックとの間のクリアランスなどによって可動ブロックの姿勢が僅かに傾いたとしても、一対のガイドレールを結ぶ直線上でかつ各ガイドレールからの距離が略等しい位置に測定手段による測定点が位置しているから、測定点の位置変化を少なく抑えることができ、この点からも高精度な測定が期待できる。
本実施形態に係る外側寸法測定機は、図1〜図3に示すように、ベース1と、このベースに設けられ固定基準面11を有する測定テーブル10と、ベース1に垂直に立設されたガイド機構20と、このガイド機構20を介して測定テーブル10の固定基準面11に対して接離方向(上下方向)へ移動可能に設けられた可動ブロック30と、この可動ブロック30に配置されるとともに、測定テーブル10の固定基準面11に対して対向する可動基準面42を有する可動測定子40と、この可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に対して平行に調整するための姿勢調整手段50と、可動ブロック30の複数位置において可動ブロック30に対する可動測定子40の高さ方向位置を表示する姿勢表示手段60と、可動ブロック30およびこれに搭載される構成要素の重量に見合う力を可動ブロック30に対して逆方向(上方向)へ付勢するバランス機構70と、可動測定子40の移動量を測定する測定手段80とを備える。
測定テーブル10は、略直方体形状に形成され、上面に水平で、幅および奥行き寸法が広い平滑面状の固定基準面11を有する。固定基準面11には、被測定物Wが載置される。
可動測定子本体41の下面には、測定テーブル10の固定基準面11と対向して平面状で幅および奥行き寸法が固定基準面11と略同じ寸法の可動基準面42を有する。姿勢調整プレート43は、可動測定子本体41の前面および両側面において、可動基準面42よりも上部位置から平板状に突出され、厚みが可動測定子本体41よりも薄く形成されている。従って、可動基準面42と姿勢調整プレート43との間には段差44が形成されている。
なお、姿勢調整プレート43は、可動測定子本体41と一体成形してもよく、あるいは、可動測定子本体41とは別体とし、ねじ等で可動測定子本体41に取り付けるようにしてもよい。
各調整機構51は、可動ブロック30の天板31に可動ブロック30の移動方向へ位置調整可能に螺合され先端が姿勢調整プレート43の上面に当接する第1調整ねじ52と、可動ブロック30の側壁33,34にブラケット53を介して第1調整ねじ52と姿勢調整プレート43を挟んで対向する位置でかつ可動ブロック30の移動方向へ位置調整可能に螺合された第2調整ねじ54とから構成されている。つまり、可動測定子40は、第1調整ねじ52と第2調整ねじ54とで挟持された状態において、これら第1調整ねじ52と第2調整ねじ54との調整により姿勢が調整される。
各付勢機構55は、ブラケット53の両側に水平に突設された一対の係止ピン56と、姿勢調整プレート43の両側に水平に突設された一対の係止ピン57と、これら上下に対向する係止ピン56,57に掛け渡されたスプリング58とから構成されている。これにより、姿勢調整プレート43は、第2調整ねじ54に接するように常に下方へ付勢されている。
本体63は可動ブロック30の天板31上に固定され、スピンドル64の先端測定子は可動ブロック30の天板31を貫通して可動測定子40の上面に当接されている。これにより、可動ブロック30に対する可動測定子40の四隅の高さ位置、つまり、可動測定子40の姿勢がダイヤルゲージ61によって確認できるようになっている。なお、4つのダイヤルゲージ61の表示部62は、全て同じ向き、ここでは、正面に向くように設置されているが、適宜変更してもよい。
ここで、図3に示すように、ガイド機構20を構成する一対のガイドレール24を結ぶ直線上でかつ各ガイドレール24からの距離が略等しい位置に測定点MP、つまり、リニアゲージ81による可動測定子40の測定点が位置するように構成されている。
図1〜図3のように構成したのち、可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に対して平行に調整する。
これには、各調整機構51の第1調整ねじ52を緩め、可動測定子40をフローティング状態にしたのち、可動ブロック30をガイド機構20に沿って下降させて可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に接触させる。
ここで、全てのダイヤルゲージ61の表示値を「0」に調整したのち、各調整機構51の第1調整ねじ52および第2調整ねじ54を調整して、これら第1調整ねじ52および第2調整ねじ54の先端を姿勢調整プレート43の上下面に当接させる。つまり、第1調整ねじ52および第2調整ねじ54で姿勢調整プレート43を挟んで、可動測定子40の姿勢を決める。
このようにして、可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に対して平行に調整することができる。
測定にあたっては、被測定物Wを測定テーブル10の固定基準面11に載置する。例えば、湾曲した被測定物Wであれば、凸湾曲面を上向きにした姿勢で被測定物Wを測定テーブル10の固定基準面11に載置する。
こののち、可動ブロック30を下降させて、測定テーブル10の固定基準面11に接近させる。このとき、一対のガイドレール24を結ぶ直線上でかつ各ガイドレール24からの距離が略等しい位置にリニアゲージ81の測定点MPが位置しているから、可動測定子40の姿勢が維持されたまま、可動測定子40を測定テーブル10の固定基準面11に向かって移動させることができる。
つまり、可動測定子40の可動基準面42と測定テーブル10の固定基準面11とが平行に調整されているから、被測定物の湾曲高さ寸法や外径寸法などを高精度に測定することができる。
出荷後において、経時変化や環境変化などにより、可動測定子40の可動基準面42と測定テーブル10の固定基準面11との平行度が崩れた場合でも、上述した<組立時における平行度調整>と同じ手順を行えば、可動測定子40の可動基準面42と測定テーブル10の固定基準面11との平行度を再調整することができる。
従って、長期に渡って、高精度な測定が期待できる。
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、姿勢調整手段50は、3つの調整機構51と、3つの付勢機構55とを有する構成であったが、これに限られない。例えば、調整機構51や付勢機構55の数は、4つ以上であってもよい。また、調整機構51の構造についても、可動ブロック30と可動測定子40との間に複数の楔部材を挿入し、この楔部材の差し込み量を調整して可動測定子40の姿勢を調整するような構造であってもよい。
10…測定テーブル、
11…固定基準面、
20…ガイド機構、
24…ガイドレール、
30…可動ブロック、
40…可動測定子、
41…可動測定子本体、
42…可動基準面、
43…姿勢調整プレート、
44…段差、
50…姿勢調整手段、
51…調整機構、
52…第1調整ねじ、
54…第2調整ねじ、
80…測定手段。
Claims (4)
- ベースと、
このベースに設けられ固定基準面を有する測定テーブルと、
前記ベースにガイド機構を介して前記ベースの固定基準面に対して接離方向へ移動可能に設けられた可動ブロックと、
この可動ブロックに配置されるとともに、前記測定テーブルの固定基準面に対して対向する可動基準面を有する可動測定子と、
この可動測定子の移動量を測定する測定手段とを備えた外側寸法測定機において、
前記可動ブロックには、前記可動測定子の可動基準面の姿勢を調整するための姿勢調整手段が設けられ、
前記姿勢調整手段は、前記測定手段が測定する前記可動ブロックの測定点を中心とし、この中心からの距離が略等しい位置に設けられ、その各位置において前記可動測定子を前記測定テーブルに対して接近離隔する方向へ変位させる少なくとも3以上の調整機構を備え、前記調整機構により前記可動測定子を前記測定テーブルに対して接近離隔させて、前記可動測定子の可動基準面が前記測定テーブルの固定基準面に対して平行となった状態で前記可動測定子の姿勢を固定する
ことを特徴とする外側寸法測定機。 - 請求項1に記載の外側寸法測定機において、
前記可動測定子は、前記可動基準面を有する矩形板状の可動測定子本体と、この可動測定子本体の外周に突出して設けられ前記可動基準面に対して段差を有する複数の姿勢調整プレートとを備え、
前記各調整機構は、前記可動ブロックに前記可動ブロックの移動方向へ位置調整可能に螺合され、前記各姿勢調整プレートの移動方向両面に当接する一対の調整ねじを含んで構成されている、
ことを特徴とする外側寸法測定機。 - 請求項1又は請求項2に記載の外側寸法測定機において、
前記ガイド機構は、前記可動ブロックを挟んで可動ブロックをガイドする一対のガイドレールを有し、この一対のガイドレールを結ぶ直線上でかつ各ガイドレールからの距離が略等しい位置に前記測定手段が測定する前記可動ブロックの測定点が位置している、
ことを特徴とする外側寸法測定機。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の外側寸法測定機において、
前記可動測定子は、前記可動基準面を有する矩形板状の可動測定子本体と、この可動測定子本体の外周に突出して設けられた複数の姿勢調整プレートとを備え、
前記可動基準面は、前記固定基準面と同一形状かつ同一寸法である
ことを特徴とする外側寸法測定機。
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