JP5735243B2 - 手摺用支柱支持構造およびその施工方法 - Google Patents
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Description
また、本願請求項3に記載の発明は、手摺を支持する手摺用支柱をコンクリート基礎に立設するための手摺用支柱支持構造であって、前記コンクリート基礎に上端部を突出して埋設されたアンカボルトと、このアンカボルトを貫通させた状態でナットを締結して前記コンクリート基礎に固定された上向きC型形状のベース部材及びこのベース部材に結合されて前記コンクリート基礎から立ち上げられた横向きC型形状の柱支持部材を有する柱脚部材と、前記柱脚部材の前記柱支持部材に下端部を沿わせた嵌合状態で前記柱支持部材に固定された管状の支柱本体と、前記支柱本体下部と前記柱脚部材とで形成された手摺用支柱下部内に充填され、前記支柱本体と前記柱脚部材との両方に接して前記コンクリート基礎と一体に固化されたグラウト材と、前記支柱本体下部および前記柱脚部材下部の外周を囲うとともに両部材の下部に水平方向に離間して設けられ、前記支柱本体下部の内部を外部と連通する連通部から水平方向に流出した前記グラウト材を堰き止める堰き止め部材と、を備えていることを特徴とする手摺用支柱支持構造とした。
また、本願請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の手摺用支柱支持構造において前記連通部は、前記柱支持部材を前記コンクリート基礎から上方に離して前記ベース部材に固定するとともに、前記支柱本体を前記コンクリート基礎から上方に離して前記柱支持部材に固定して形成されていることを特徴とする手摺用支柱支持構造とした。
また、本願請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造において、前記堰き止め部材は、前記支柱本体下部および前記柱脚部材に対して前記支柱本体下部の外部に流出した前記グラウト材を確認可能に離して配置されていることを特徴とする手摺用支柱支持構造とした。
また、本願請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の手摺用支柱支持構造において、前記支柱本体下部に、前記グラウト材充填用の充填口が設けられ、前記グラウト材は、前記手摺用支柱下部内において前記充填口の下端位置まで充填したときに、所定量のグラウト材が前記堰き止め部材の位置まで達する粘度に調節されていることを特徴とする手摺用支柱支持構造とした。
また、本願請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造において、前記連通部から流出した前記グラウト材および前記堰き止め部材を覆って、前記支柱本体下部および前記柱脚部材下部の外周に柱脚カバーが設けられていることを特徴とする手摺用支柱支持構造とした。
また、本願請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造において、前記柱脚部材の下端部に、前記コンクリート基礎に沿って配置された底板が設けられ、この底板に、前記アンカボルトが貫通され、前記ナットの非締結状態で前記柱脚部材が前記アンカボルトに対し水平方向へ相対移動するのを可能とする長穴が形成されていることを特徴とする手摺用支柱支持構造とした。
また、本願請求項10に記載の発明は、請求項7に従属する請求項8記載の手摺用支柱支持構造を対象とした請求項9に記載の施工方法であって、前記柱脚部材を前記コンクリート基礎に固定する工程時に、前記アンカボルトに対して前記柱脚部材を前記長穴に沿って移動させて、前記柱脚部材の設置位置をあらかじめ設定された位置に調整した後、前記ナットを締結して前記柱脚部材を前記コンクリート基礎に固定し、前記グラウト材を充填する工程において、前記グラウト材を前記充填口から前記支柱本体の内部に充填し、この充填したグラウト材が、前記連通部から流れ出し、前記堰き止め部材に堰き止められた状態を確認した後、前記柱脚カバーを設置して、前記連通部から流れ出した前記グラウト材およびこれを堰き止めた前記堰き止め部材を覆い隠す工程を実行することを特徴とする手摺用支柱支持構造の施工方法とした。
このように、コンクリート基礎に埋設するのは、アンカボルトであるため、ボックス状の専用に製造したアンカ部材を用いるのと比較して、施工容易であるとともに、安価に製造することができる。
しかも、支柱本体および柱脚部材の下部である手摺用支柱下部内にグラウト材を充填し、このグラウト材をコンクリート基礎と一体に固化させたため、手摺用支柱のぐらつき、たわみを抑制でき、高い支持強度を得ることができる。加えて、グラウト材の充填により、ボルト・ナットの締結が緩むのを防止できるとともに、柱脚部材が水に接触するのを防止して、柱脚部材が金属製である場合に、錆の発生を防止でき、長期間にわたり高い支持強度を維持できる。
このため、グラウト材を支柱本体内部のみに設けたものと比較して、グラウト材とコンクリート基礎との接触面積を大きく確保でき、より高い支持強度を得ることができる。
加えて、本願請求項1に記載の発明は、手摺用支柱下部に充填するグラウト材が連通部から手摺本体外部に流れ出すようにしているが、この流れ出したグラウト材は、堰き止め部材に堰き止められて、それ以上広がるのが抑制される。したがって、外観品質を確保することができる。
さらに、本願請求項7に記載の発明は、連通部から流出したグラウト材および堰き止め部材が柱脚カバーにより覆われるため、外観品質をより高くできる。
さらに、本願請求項10に記載の発明は、アンカボルトに対して柱脚部材を長穴に沿って移動させて、柱脚部材の設置位置をあらかじめ設定された位置に調整可能であるため、アンカボルトの埋設位置の精度が低くても、柱脚部材および支柱本体の位置を調節し、手摺用支柱を高い位置精度で設置することができる。
さらに、グラウト材を充填する工程において、グラウト材を充填口から支柱本体の内部に充填し、この充填したグラウト材が、連通部から流れ出して堰き止め部材に堰き止められた状態を確認した後、柱脚カバーを設置するようにした。
このように、グラウト材が支柱本体から外部に流れ出るのを確認するため、確実に、グラウト材とコンクリート基礎とを一体に結合させて、高い支持強度を得ることができる。
実施の形態1の手摺用支柱支持構造Aおよびその施工方法を説明する。
まず、実施の形態1の手摺用支柱支持構造Aを適用した手摺HRについて図3により説明する。
手摺用支柱11〜15は、平面視で長方形のコンクリート基礎CBの各コーナ部の近傍と、この長方形の長辺の略中央部とに立設されている。なお、この長辺の中央部に立設された手摺用支柱13は、他の箇所に立設された手摺用支柱11,12,14,15とは太さが異なっているが、その支持構造は、他の箇所に立設されたものと同様である。
したがって、柱脚部材30は、立上片31b,31bおよび立片32a〜32cにより3面を囲まれて四角管状の一側の全面を開放した形状に形成され、かつ、開放側の側面に対向する立片32cの下方には、底板31aとの間に、内外を連通する連通口(連通部)34が形成されている。
したがって、柱脚部材30に支柱本体40をネジ41により固定した状態では、支柱本体40の内部空間は、その下端部において、前述した柱脚部材30の一側に形成された連通口34と、この連通口34に対向する側面に形成されて、支柱本体40の下端と柱脚部材30の底板31aとの間に連通口34と同程度の面積で形成された連通部(図示省略)とにより、外部と連通されている。
そして、柱脚カバー50は、図1の断面図に示すように、開口部53に柱脚部材30および支柱本体40を挿通させて、手摺用支柱14の下部を覆って設けられている。
次に、実施の形態1の手摺用支柱支持構造Aの施工方法を順を追って説明する。
(アンカボルト埋設工程)
まず、コンクリート基礎CBを打設する際に、アンカボルト20をあらかじめ設定された位置に埋設する。
次に、アンカボルト20に柱脚部材30を固定する。
この場合、ベース部材31の長穴31cにアンカボルト20を差し込み、長穴31cをコンクリート基礎CBの長辺に沿う方向に向けたうえで、この長辺に沿う方向の位置決めを行った後、ナット21をアンカボルト20に締結して、柱脚部材30をコンクリート基礎CBに固定する。前述したように、アンカボルト20の設置位置は、コンクリート基礎CBに対し、その短辺に沿う方向の位置精度よりも、長辺に沿う方向の位置精度が低くなっている。そこで、柱脚部材30のベース部材31に長穴31cを設け、長辺に沿う方向への設置位置の調整を可能とすることで、柱脚部材30の設置位置精度を高めることができる。
また、柱脚部材30の柱支持部材32は、断面四角形の管の一側が開放された形状に形成されているため、ナット21の締結作業が容易である。
次に、柱脚部材30の周囲にバックアップ材60を貼り付ける。このバックアップ材60の接着面は離型紙で覆われており、この離型紙を剥がして、コンクリート基礎CBに接着する。
このとき、バックアップ材60は、前述したように、柱脚部材30に対して水平方向に間隔を空けた位置であって、柱脚カバー50で覆われる位置に配置する。
次に、支柱本体40を設置する。
この場合、支柱本体40を、柱脚部材30に対し上方から被せて嵌合させ、コンクリート基礎CBから若干浮かせたあらかじめ設定された位置に配置し、ネジ41,41を締結して、柱脚部材30に固定する。この固定状態で、支柱本体40および柱脚部材30の内部空間は、その下端部に形成された連通口34およびその対向位置に形成された同様の連通部(図示省略)により、外部に連通された状態となっている。
次に、支柱本体40の充填口42から、その下部内部にグラウト材70を充填する。
このグラウト材70が注入される支柱本体40の内部空間は、その下端部において連通口34およびこれに対向する連通部により外部に連通されており、その一部が支柱本体40の外部に流れ出す。このとき作業者は、グラウト材70が支柱本体40の外部に流れ出し、バックアップ材60に堰き止められる位置まで流れ出たことを確認する。なお、グラウト材70を、あらかじめ設定された調合で設定された粘度に調整することにより、グラウト材70を、充填口42の下端位置まで充填したときに、所望量のグラウト材70がバックアップ材60の位置まで達するようにできる。
上述のようにグラウト材70がバックアップ材60の位置まで達したことを確認すると、グラウト材70の充填を終え、柱脚カバー50を設置する。
この場合、柱脚カバー50の開口部53に、支柱本体40の上端を差し込み、この柱脚カバー50を、支柱本体40に沿って下降させ、コンクリート基礎CBに当接させる。このとき、柱脚カバー50は、硬化前のグラウト材70に密着される。
a)手摺用支柱11〜15は、コンクリート基礎CBに埋設したアンカボルト20に固定するようにした。このように、コンクリート基礎CBに、ボックス状のアンカ部材など専用に製造したアンカ部材を埋設せずに、汎用のボルトを用いることができるため、埋設作業が容易であるとともに、材料費を安価に抑えることができる。
しかも、グラウト材70は、支柱本体40、柱脚部材30との両方に接して固化しているため、柱脚部材30のみに接しているものと比較して、いっそう強固に支持される。
加えて、グラウト材70により、支柱本体40の下部および柱脚部材30に水が接触するのを抑えることができ、これにより、錆による性能低下も抑制できる。
加えて、柱脚部材30の外周にバックアップ材60を設けたため、グラウト材70が流れ出す範囲を柱脚カバー50に覆われる範囲に抑えることができる。したがって、グラウト材70が柱脚カバー50の外部まで流れ出すのを抑制でき、いっそう高い外観品質を確保できる。
20 アンカボルト
21 ナット
30 柱脚部材
31c 長穴
32 柱支持部材(柱支持部)
34 連通口(連通部)
40 支柱本体
42 充填口
50 柱脚カバー
60 バックアップ材(堰き止め部材)
70 グラウト材
A 実施の形態1の手摺用支柱支持構造
CB コンクリート基礎
HR 手摺
Claims (10)
- 手摺を支持する手摺用支柱をコンクリート基礎に立設するための手摺用支柱支持構造であって、
前記コンクリート基礎に上端部を突出して埋設されたアンカボルトと、
このアンカボルトを貫通させた状態でナットを締結して前記コンクリート基礎に固定され、前記コンクリート基礎から立ち上げられた柱支持部を有する柱脚部材と、
前記柱脚部材の前記柱支持部に下端部を沿わせた嵌合状態で前記柱支持部に固定された管状の支柱本体と、
前記支柱本体下部と前記柱脚部材とで形成された手摺用支柱下部内に充填され、前記コンクリート基礎と一体に固化されたグラウト材と、
前記支柱本体下部および前記柱脚部材下部の外周を囲うとともに両部材の下部に水平方向に離間して設けられ、前記支柱本体下部の内部を外部と連通する連通部から水平方向に流出した前記グラウト材を堰き止める堰き止め部材と、
を備えていることを特徴とする手摺用支柱支持構造。 - 前記柱脚部材は、前記コンクリート基礎に固定された上向きC型形状のベース部材及びこのベース部材に結合されて前記コンクリート基礎から立ち上げられた横向きC型形状の柱支持部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の手摺用支柱支持構造。
- 手摺を支持する手摺用支柱をコンクリート基礎に立設するための手摺用支柱支持構造であって、
前記コンクリート基礎に上端部を突出して埋設されたアンカボルトと、
このアンカボルトを貫通させた状態でナットを締結して前記コンクリート基礎に固定された上向きC型形状のベース部材及びこのベース部材に結合されて前記コンクリート基礎から立ち上げられた横向きC型形状の柱支持部材を有する柱脚部材と、
前記柱脚部材の前記柱支持部材に下端部を沿わせた嵌合状態で前記柱支持部材に固定された管状の支柱本体と、
前記支柱本体下部と前記柱脚部材とで形成された手摺用支柱下部内に充填され、前記支柱本体と前記柱脚部材との両方に接して前記コンクリート基礎と一体に固化されたグラウト材と、
前記支柱本体下部および前記柱脚部材下部の外周を囲うとともに両部材の下部に水平方向に離間して設けられ、前記支柱本体下部の内部を外部と連通する連通部から水平方向に流出した前記グラウト材を堰き止める堰き止め部材と、
を備えていることを特徴とする手摺用支柱支持構造。 - 前記連通部は、前記柱支持部材を前記コンクリート基礎から上方に離して前記ベース部材に固定するとともに、前記支柱本体を前記コンクリート基礎から上方に離して前記柱支持部材に固定して形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の手摺用支柱支持構造。
- 前記堰き止め部材は、前記支柱本体下部および前記柱脚部材に対して前記支柱本体下部の外部に流出した前記グラウト材を確認可能に離して配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造。
- 前記支柱本体下部に、前記グラウト材充填用の充填口が設けられ、前記グラウト材は、前記手摺用支柱下部内において前記充填口の下端位置まで充填したときに、所定量のグラウト材が前記堰き止め部材の位置まで達する粘度に調節されていることを特徴とする請求項5に記載の手摺用支柱支持構造。
- 前記連通部から流出した前記グラウト材および前記堰き止め部材を覆って、前記支柱本体下部および前記柱脚部材下部の外周に柱脚カバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造。
- 前記柱脚部材の下端部に、前記コンクリート基礎に沿って配置された底板が設けられ、この底板に、前記アンカボルトが貫通され、前記ナットの非締結状態で前記柱脚部材が前記アンカボルトに対し水平方向へ相対移動するのを可能とする長穴が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の手摺用支柱支持構造の施工方法であって、
前記コンクリート基礎の打設時に、前記アンカボルトを、その上端部を前記コンクリート基礎から突出させた状態で埋設する工程と、
前記アンカボルトを貫通させて前記柱脚部材を前記コンクリート基礎上に設置し、さらに、前記アンカボルトに前記ナットを締結して前記柱脚部材を前記コンクリート基礎に固定する工程と、
前記柱脚部材から立ち上げられた柱支持部材に、管状の前記支柱本体を嵌合させて固定する工程と、
前記柱脚部材を前記コンクリート基礎に固定した後、前記堰き止め部材を、前記柱脚部材に対して水平方向に離間させて前記コンクリート基礎上に設置する工程と、
前記支柱本体下部と前記柱脚部材とで形成された手摺用支柱下部内に前記グラウト材を充填し、このグラウト材を、前記連通部から流出させて前記堰き止め部材に堰き止められた状態で前記コンクリート基礎と一体に固化させる工程と、
を実行することを特徴とする手摺用支柱支持構造の施工方法。 - 請求項7に従属する請求項8記載の手摺用支柱支持構造を対象とした請求項9に記載の施工方法であって、
前記柱脚部材を前記コンクリート基礎に固定する工程時に、前記アンカボルトに対して前記柱脚部材を前記長穴に沿って移動させて、前記柱脚部材の設置位置をあらかじめ設定された位置に調整した後、前記ナットを締結して前記柱脚部材を前記コンクリート基礎に固定し、
前記グラウト材を充填する工程において、前記グラウト材を前記充填口から前記支柱本体の内部に充填し、この充填したグラウト材が、前記連通部から流れ出し、前記堰き止め部材に堰き止められた状態を確認した後、前記柱脚カバーを設置して、前記連通部から流れ出した前記グラウト材およびこれを堰き止めた前記堰き止め部材を覆い隠す工程を実行することを特徴とする手摺用支柱支持構造の施工方法。
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