JP5734915B2 - スピードスプレーヤの風量設定装置 - Google Patents

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本発明は、複数の噴射ノズルから噴射される薬液を送風部からの送風により所定範囲に噴霧する際の風量を設定するスピードスプレーヤの風量設定装置に関する。
従来、複数の噴射ノズルから噴射される薬液を、送風部からの送風により少なくとも上方を含む放射方向の所定範囲に噴霧するとともに、必要により特定の範囲に対する噴霧を規制できるようにしたスピードスプレーヤとしては、特許文献1及び2で開示されるスピードスプレーヤが知られている。
同文献1で開示されるスピードスプレーヤは、噴頭部内において前後方向の回動軸線の周りに回動自在に配設されるとともに、噴頭部の周方向へ配列され散布液を噴出する複数個のノズルと、ノズルの回動軸線とは別の前後方向の回動軸線の周りに回動自在にノズルより放射方向内側に配設されている複数個の導風板と、複数個のノズルを連動して回動させるノズル用リンク手段と、複数個の導風板を連動して回動させる導風板用リンク手段と、を備えて構成したものであり、また、同文献2に開示されるスピードスプレーヤは、整流部の開口縁に沿った車両本体の左右の両側面に各々薬液を供給する主管を配置し、主管に連通する複数の可動枝管を、軸線を車両本体の前後方向に向けかつ主管の流路中心から偏位させて、主管方向に所定間隔で配し、可動枝管の各々に、主管に連通するノズルを設け、各々の可動枝管の端部にリンクアームの一端側を固定し、隣接する可動枝管のリンクアームの他端側間をリンクロッドによりリンク結合し、リンクロッドを押動してリンクアームを揺動させることにより軸線を回動中心として可動枝管を回動させる駆動機構を設けたものである。
特開平8−66646号公報 特開2000−4760号公報
しかし、上述した従来におけるスピードスプレーヤは、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、片側にのみ果樹がある圃場の端,果樹の成育状態(高さ状態)或いは傾斜地など、噴霧場所の状態に応じて薬液の噴射方向を変更する機能を利用するため、薬液の噴霧を規制する観点からはその目的を達成できるが、以下のような不具合も生じる。即ち、図6に示すように、通常、スピードスプレーヤでは、リンゴの木Taのような比較的高さのある果樹に対しても十分な薬液を噴霧できるように風量や噴霧方向を設定しているため、ブドウ棚Tbのように高さの低い果樹等に薬液を噴霧する場合、風量が強すぎて果樹を痛めてしまう虞がある。この際、従来のように、噴霧自体を規制した場合、本来の薬液噴霧ができなくなる。したがって、噴霧する薬液量は本来の量を確保しつつ、風量を適切な量に設定できれば、望ましい噴霧態様となるが、従来のスピードスプレーヤでは、このような噴霧態様には対応できず、各種噴霧対象物に対する適応性、更には汎用性の観点からは必ずしも十分であるとはいえない。
第二に、噴霧対象となる果樹は、図6に示したリンゴの木Taやブドウ棚Tbをはじめ、各種の果樹が存在するとともに、農家は複数の異なる果樹園を所有する場合も多い。また、同種の果樹の中でも様々な品種が存在し、例えば、ブドウ棚Tb(噴霧対象物)の場合も高さが全て同一となるわけではない。したがって、噴霧時の状態(状況)に応じて風量を微妙に調整し、噴霧対象物の高さに対応して噴霧の最適化を図れれば、より理想的な噴霧を行うことができるが、従来のスピードスプレーヤは、このような要請にまで応えられるものではなく、より理想的な噴霧を行う観点からは更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したスピードスプレーヤの風量設定装置の提供を目的とするものである。
本発明に係るスピードスプレーヤMの風量設定装置1は、上述した課題を解決するため、複数の噴射ノズルN…から噴射される薬液を、送風部2からの送風により少なくとも上方を含む放射方向の所定範囲に噴霧する際における風量Wfを設定する風量設定装置を構成するに際して、噴射ノズルN…に対する送風方向Fwの上流側における上方に向かう送風に対して、一端側を回動軸11…により回動可能に支持し、かつリンク機構12…を介して他の回動軸11…に対して連動可能に構成するとともに、変位により、通過する風量Wfを変更し、かつ閉塞位置Xcに変位させた際に最少風量の通過を許容する一又は二以上の開口部Po…及び/又は一又は二以上の切欠部Pc…を設けてなる一又は二以上の制風板P…と、これらの制風板P…を変位させるアクチュエータ3と、このアクチュエータ3を駆動制御する駆動制御手段4とを備えてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、駆動制御手段4には、手動操作により制風板P…の変位量を設定可能な手動操作部13を設けることができるとともに、非接触方式の測距センサ14sにより噴射ノズルN…と噴霧対象物(リンゴの木Ta,ブドウ棚Tb等)間の距離La,Lbを検出し、検出した結果に対応して制風板P…の変位量を自動で設定可能なコントローラ14bを有する自動設定部14を設けることができる。
このような構成を有する本発明に係るスピードスプレーヤMの風量設定装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 噴射ノズルN…に対する送風方向Fwの上流側における上方に向かう送風に対して変位可能に配するとともに、変位により、通過する風量Wfを変更可能な一又は二以上の制風板P…と、これらの制風板P…を変位させるアクチュエータ3と、このアクチュエータ3を駆動制御する駆動制御手段4とを備えてなるため、高さの異なる各種噴霧対象物(リンゴの木Ta,ブドウ棚Tb等)に対して、それぞれ最適な風量に基づく的確な薬液噴霧を行うことができるなど、各種噴霧対象物に対する適応性、更には汎用性を高めることができる。
(2) 制風板P…の一端側を、回動軸11…により回動可能に支持したため、構造上及び制御上において最も簡易な構成により制風板P…を変位させることができ、実施に際しての低コスト化及び小型化に寄与できる。
(3) 回動軸11…を、リンク機構12…を介して他の回動軸11…に対して連動可能に構成したため、使用するアクチュエータ3の数量を削減でき、更なる低コスト化及び小型化に寄与できるとともに、各制風板P…の変位を確実かつ容易に同期させることができる。
(4) 閉塞位置Xcに変位させた際に最少風量の通過を許容する一又は二以上の開口部Po…及び/又は一又は二以上の切欠部Pc…を設けてなる一又は二以上の制風板P…を備えるため、当該閉塞位置Xcに変位させた際には、最少風量を安定かつ正確に設定できるとともに、設ける位置,形状,大きさを選定することにより、噴射ノズルN…の位置及び方向、更には噴射する薬液量等に対する制風板P…の機能(作用)の最適化を容易かつ的確に行うことができる。
(5) 好適な態様により、駆動制御手段4に、手動操作により制風板P…の変位量を設定可能な手動操作部13を設ければ、例えば、運転席等において制風板P…の変位量を任意に設定できるため、噴霧対象物の状態等に対応する最適な風量を容易かつ柔軟に設定できるなど、ユーザにおける使い勝手を高めることができる。
(6) 好適な態様により、駆動制御手段4に、非接触方式の測距センサ14sにより噴射ノズルN…と噴霧対象物(リンゴの木Ta,ブドウ棚Tb等)間の距離La,Lbを検出し、検出した結果に対応して制風板P…の変位量を自動で設定可能なコントローラ14bを有する自動設定部14を設ければ、噴霧対象物の状態(高さ状態)に対応した最適な風量が自動で設定されるため、ユーザにおける利便性向上に寄与できる。また、設定忘れ(設定漏れ)等により不適切な風量が設定されたまま薬液の噴霧が行われる不具合を回避できるため、安全装置として用いることにより果樹の保護を図ることができる。
本発明の好適実施形態に係る風量設定装置の全体を示す構成図、 同風量設定装置を備える薬液噴霧機構の平面構成図、 同風量設定装置を備える薬液噴霧機構の背面構成図、 同風量設定装置における設定モード切換部を含む手動操作部の構成図、 同風量設定装置の要部を示す斜視図、 同風量設定装置を備えるスピードスプレーヤの全体側面図、 同風量設定装置の作用説明図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の理解を容易にするため、本実施形態に係る風量設定装置1を備えるスピードスプレーヤMの概略構成について、図6を参照して説明する。
スピードスプレーヤMにおいて、30はシャーシであり、このシャーシ30の前側に、左右一対の前輪31…を備えるとともに、後側に、左右一対の後輪32…を備え、搭載するエンジンにより自走する。また、シャーシ30上のボディ33には、前部に運転席34を備えるとともに、運転席34の前方におけるフロントパネル35には、ヘッドライト等の灯火器やバックミラー等の必要な車両設備を備える。さらに、運転席34の後方には、薬液タンク36及びエンジンルーム等の機械室を搭載するとともに、この後方に薬液噴霧機構37を備える。
薬液噴霧機構37は、風洞41に覆われた送風機42(図3)を有する送風部2を備え、この送風部2と薬液タンク36の間には噴射空間Sを設ける。なお、風洞41はボディ33の一部を構成する。また、噴射空間Sには、ガイドベーン(導風板)44及びこのガイドベーン44に沿って配した多数の噴射ノズルN…を配設する。この場合、各噴射ノズルN…は、上方,右方及び左方の三方へ噴霧可能に配設され、各噴射ノズルN…から噴射される薬液は、送風部2からの送風によって噴射空間Sから放射方向の所定範囲に噴霧される。この際、右側に配した噴射ノズルN…からは右方に噴霧され、左側に配した噴射ノズルN…からは左方に噴霧される。さらに、上側に配した六つの噴射ノズルN…からは上方に噴霧される。そして、本実施形態に係る風量設定装置1は、この薬液噴霧機構37、特に、上側に配した六つの噴射ノズルN…に対して付設する。
次に、本実施形態に係る風量設定装置1の構成について、図1〜図6を参照して具体的に説明する。
風量設定装置1は、複数(例示は八枚)の制風板P…を備え、各制風板P…は、図2及び図3に示すように、上側に配した六つの噴射ノズルN…に対する送風方向Fwの上流側における上方に向かう送風に対して変位可能に配する。これらの制風板P…の変位により、通過する風量Wfを変更することができる。例示の場合、図2に示すように、上側に配した六つの噴射ノズルN…は、左右にそれぞれ三つの噴射ノズルN…を対称に配して構成するため、風量設定装置1も左右対称に配した二つの風量設定ユニットUp,Uqを付設して構成する。
右側の風量設定ユニットUpは、前後方向に軸心を有する二つの回動軸11…を備え、二枚の制風板P…の一端側を各回動軸11…の前後にそれぞれ並べて固定する。これにより、各制風板P…は、噴射ノズルN…の下方(上流側)に配され、かつ回動軸11…により回動可能(旋回可能)に支持される。このように、制風板P…の一端側を回動軸11…により回動可能に支持するようにすれば、構造上及び制御上において最も簡易な構成により制風板P…を変位させることができるため、実施に際しての低コスト化及び小型化に寄与できる利点がある。
また、各制風板P…には、送風の通過を許容する一又は二以上の開口部Po…及び/又は一又は二以上の切欠部Pc…を設ける。特に、各開口部Po…及び/又は各切欠部Pc…は、図2及び図3に示すように、各噴射ノズルN…の直下となる位置に形成するとともに、形状,大きさを選定し、制風板P…を送風方向Fwに対して直角となる閉塞位置Xcに変位させた際の最少風量を設定する。具体的には、図6に示すように、最も高さの低い噴霧対象物としてブドウ棚Tbを想定した場合、このブドウ棚Tbに対して最も最適となる各開口部Po…及び/又は各切欠部Pc…の位置,形状,大きさを選定することができる。このように、各制風板P…に、送風の通過を許容する一又は二以上の開口部Po…及び/又は一又は二以上の切欠部Pc…を設ければ、特に、制風板P…を送風方向Fwに対して直角となる閉塞位置Xcに変位させた際に、最少風量を安定かつ正確に設定できるとともに、設ける位置,形状,大きさを選定することにより、噴射ノズルN…の位置及び方向、更には噴射する薬液量等に対する制風板P…の機能(作用)の最適化を容易かつ的確に行うことができる利点がある。
さらに、一方の回動軸11は、リンク機構12を介して他方の回動軸11に対して連動可能に構成する。リンク機構12は、一方の回動軸11と他方の回動軸11間を一辺(長辺)とした場合、短辺となる第一リンク12a及び第二リンク12b、更に長辺となる第三リンク12cを追加して平行四辺形をなす平行リンクを構成する。このように、回動軸11を、リンク機構12を介して他の回動軸11…に対して連動可能に構成すれば、使用するアクチュエータ3の数量を削減できるため、低コスト化及び小型化に寄与できるとともに、各制風板P…の変位を確実かつ容易に同期させることができる利点がある。
他方、制風板P…を変位させるためのアクチュエータ3を配設する。アクチュエータ3には、リニアタイプの電動アクチュエータ51を使用する。この場合、電動アクチュエータ51の後端部を風洞41側に対して回動軸52を介して回動自在に結合するとともに、電動アクチュエータ51の前端から突出したプランジャ部51pの先端は回動軸53を介して第二リンク12bの中間位置に回動自在に結合する。以上、右側に配した風量設定ユニットUpについて説明したが、左側に配する風量設定ユニットUqも風量設定ユニットUpに対して対称に構成する点を除いて風量設定ユニットUpと同一に構成する。
また、アクチュエータ3(電動アクチュエータ51…)を駆動制御する駆動制御手段4を備える。駆動制御手段4のブロック系統図を図1に示す。この駆動制御手段4は、マイクロコンピュータ等を利用したコントローラ14bを備える。コントローラ14bには内部メモリ14bmが付属し、この内部メモリ14bmには、後述する自動設定部14を機能させるシーケンスプログラム等を格納するプログラムエリア14bmpと、各種パラメータ,噴霧対象物までの高さデータと対応する制風板P…の変位量間の変換データ等の各種データを登録したデータエリア14bmdが含まれる。
一方、コントローラ14bのドライバ出力ポートには、前述した電動アクチュエータ51…(アクチュエータ3)をドライバ54を介して接続する。さらに、図6に示すように、運転席のダッシュボード等には操作部55(図4)を配設し、この操作部55はコントローラ14bの入力ポートに接続する。この場合、操作部55には、手動操作(手動モード)により制風板P…の変位量を任意に設定可能な手動操作部13を備えるとともに、この手動操作部13に加え、自動モードと手動モードの切換えを行うモード切換部55cを備える。操作部55の一例を図4に示す。この操作部55は操作ツマミ55sを備え、この操作ツマミ55sの一側に備える手動操作部13の操作領域では操作ツマミ55sを手動(マニュアル)により回動操作することができ、この回動操作により、制風板P…の変位量を任意に設定できる。例えば、目盛56に、地上から噴霧対象物までの高さを設定した場合、ユーザは、その高さを目安56に適切な風量Wfを設定できる。例示は、一例として、最小目盛を1.5〔m〕、最大目盛を7.0〔m〕に表示した場合を示している。このように、駆動制御手段4に、手動操作により制風板P…の変位量を設定可能な手動操作部13を設ければ、例えば、運転席等において制風板P…の変位量を任意に設定できるため、噴霧対象物の状態等に対応する最適な風量を容易かつ柔軟に設定できるなど、ユーザにおける使い勝手を高めることができる利点がある。
他方、操作ダイヤル55sを最小目盛の位置から反対側へ回動操作することにより自動モードに切換えることができる。例示の場合、自動モードはパラメータを異ならせた複数の自動モード、具体的には、標準自動モードAn,弱自動モードA1,強自動モードA2,から選択可能に構成した場合を示す。したがって、この場合、弱自動モードA1を選択すれば、標準自動モードAnにおける同じ高さに対して、より風量Wfが少なくなるように制御され、強自動モードA2を選択すれば、標準自動モードAnにおける同じ高さに対して、より風量Wfが多くなるように制御される。
さらに、図6に示すように、ボディ33の上端には、上側に配した噴射ノズルN…と噴霧対象物(リンゴの木Ta,ブドウ棚Tb)間の距離(La,Lb)を検出する非接触式の測距センサ14sを配設し、この測距センサ14sは、コントローラ14bのセンサ入力ポートに接続する。これにより、測距センサ14sにより噴射ノズルN…と噴霧対象物(リンゴの木Ta,ブドウ棚Tb)間の距離(La,Lb)を検出し、検出した結果に対応して制風板P…の変位量を自動で設定可能なコントローラ14bを有する自動設定部14が構成される。このような自動設定部14を設ければ、噴霧対象物の状態(高さ状態)に対応した最適な風量が自動で設定されるため、ユーザにおける利便性向上に寄与できる。また、設定忘れ(設定漏れ)等により不適切な風量が設定されたまま薬液の噴霧が行われる不具合を回避できるため、安全装置として用いることにより果樹の保護を図ることができる利点がある。
次に、本実施形態に係る風量設定装置1及びこの風量設定装置1を備える薬液噴霧機構37の動作について、図1〜図7を参照して説明する。
まず、薬液噴霧機構37の基本的動作は次のようになる。薬液噴霧時には、薬液タンク36に収容された薬液が不図示の送液ポンプにより各噴射ノズルN…に送られ、各噴射ノズルN…から薬液が噴射される。一方、送風部2における送風機42の作動により風洞41の後端吸込口から外気が吸い込まれ、この外気は風洞41内を前方に送られる。そして、ガイドベーン44により略直角方向に整流されるとともに、整流された送風により各噴射ノズルN…から噴射された薬液が放射方向の所定範囲に噴霧される。
一方、本実施形態に係る風量設定装置1でより、上方への送風における風量Wfを噴霧対象物の種類に応じて最適な態様に設定できる。この場合、モード切換部55cにより自動モードと手動モードの切換えを行うことができる。
今、手動モードを選択した場合を想定する。手動モードでは、手動操作部13により風量Wfを任意に設定することができる。即ち、操作ダイヤル55sにおける手動操作部13の操作領域において、手動により操作ダイヤル55sを回動操作すれば、制風板P…の変位量を任意に設定し、これにより、任意の風量Wfを設定できる。例示の場合、目盛56は、地上から噴霧対象物までの高さを設定したため、図6において、噴霧対象物が比較的高さの高いリンゴの木Taの場合、ユーザは目盛56における大きい目盛位置にセットすればよいし、他方、噴霧対象物が比較的高さの低いブドウ棚Tbの場合、ユーザは目盛56における小さい目盛位置にセットすればよい。
図7は、制風板P…の機能(作用)を示し、矢印の向きは送風方向Fwを示すとともに、矢印の太さ(幅)は風量Wfの大きさをイメージ的に示している。図7(a)は、制風板P…を送風方向Fwに対して略直角の位置に変位させ、送風空間を遮断する閉塞位置Xcにセットした態様を示している。この場合、制風板P…には、送風の通過を許容する一又は二以上の開口部Po…及び/又は一又は二以上の切欠部Pc…を設けるとともに、その位置,形状,大きさを選定することにより、噴射ノズルN…の位置及び方向、噴射する薬液量等に対する制風板P…の機能(作用)を最適化してあるため、最少風量は安定かつ正確に設定され、最適な噴霧が行われる。一方、図7(c)は、制風板P…を送風方向Fwに対して略平行の位置に変位させ、送風空間を全開放する開放位置Xoにセットした態様を示している。この場合、制風板P…は、実質的に機能しないため、噴霧対象物の高さが最も高い果樹に対しても十分な最大風量を用いた薬液噴霧が可能となる。また、図7(b)は、制風板P…が中間位置に変位した態様であり、この場合は中間的な風量Wfが設定される。
次に、自動モードを選択した場合を想定する。自動モードは、操作ダイヤル55sを目盛56の最小位置から反対側へ回動操作することにより切換えられる。自動モードでは、測距センサ14sにより噴霧対象物の高さが、常時検出され、その検出結果(高さデータ)がコントローラ14bに付与される。コントローラ14bでは高さデータに対応する制風板P…における最適な変位量に係わるデータが得られ、この変位量に対応する位置に制風板P…が変位するように、アクチュエータ51が駆動制御される。即ち、図6に示すように、測距センサ14sにより比較的高さの高い果樹であるリンゴの木Taが検出された場合、リンゴの木Taまでの距離Laに係わるデータがコントローラ14bに付与され、制風板P…は、図7(c)に示す開放位置Xo又はそれに近に位置にセットされ、最大風量又はそれに近い風量が自動で設定される。一方、測距センサ14sにより比較的高さの低い果樹であるブドウ棚Tbが検出された場合、ブドウ棚Tbまでの距離Lbに係わるデータがコントローラ14bに付与され、制風板P…は、図7(a)に示す閉塞位置Xc又はそれに近に位置にセットされ、最少風量又はそれに近い風量が自動で設定される。
なお、このような制御は、リアルタイムで連続的に行ってもよいし、非連続的に行ってもよい。特に、非連続的に行う場合には、例えば、一分間に検出した距離La…に係わる複数のデータを平均し、この平均したデータに対応する変位量を次の一分間における制風板P…の変位量として固定するとともに、この動作をくり返すようにしてもよい。或いは初期に距離La…を検出し、以降は、初期に検出した距離La…に対応する変位量を一定時間継続されるなどの制御を行ってもよい。この制御を行うことにより、設定忘れ(設定漏れ)等により不適切な風量が設定されたまま薬液の噴霧が行われる不具合を回避でき、安全装置として用いることにより果樹の保護を図ることができる。また、ユーザは、標準自動モードAn,弱自動モードA1,強自動モードA2を選択することにより、実際の現場状況に応じた最適な自動モードを選択することもできる。
よって、このような本実施形態に係る風量設定装置1によれば、噴射ノズルN…に対する送風方向Fwの上流側における上方に向かう送風に対して変位可能に配するとともに、変位により、通過する風量Wfを変更可能な一又は二以上の制風板P…と、これらの制風板P…を変位させるアクチュエータ3と、このアクチュエータ3を駆動制御する駆動制御手段4とを備えてなるため、高さの異なる各種噴霧対象物(リンゴの木Ta,ブドウ棚Tb等)に対して、それぞれ最適な風量Wfに基づく的確な薬液噴霧を行うことができるなど、各種噴霧対象物に対する適応性、更には汎用性を高めることができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、制風板P…は、一端側を回動軸11…により回動可能に支持する場合を示したが、中間位置を回動軸11…により回動可能に支持する場合を排除するものではない。また、回動軸11…の数量は任意に設定できる。この際、各回動軸11…により支持する制風板P…として二枚を例示し、ガイドベーン44に邪魔されない構成としたが、配設部位等に応じて一枚であってもよいし三枚以上であってもよい。さらに、手動操作部13は、手動操作により制風板P…の変位量を連続的に変化させる場合を示したが、複数の変位量をスイッチにより選択して設定できるようにしてもよい。この際、必要により果樹の種別により設定できるようにしてもよく、例えば、例示の場合、リンゴの木用とブドウ棚用の二つのポジションを設け、図7(c)をリンゴの木用とし、図7(a)をブドウ棚用とするなど、スイッチによりいずれかを選択できるようにしてもよい。したがって、自動設定部14に用いる測距センサ14sは、前述したように、果樹の種類を判別するための果樹判別センサとして機能させることができる。
本発明に係る風量設定装置は、複数の噴射ノズルから噴射される薬液を、送風部からの送風により少なくとも上方を含む放射方向の所定範囲に噴霧可能に構成した各種スピードスプレーヤに利用できる。なお、本発明におけるスピードスプレーヤとは、薬液を散布する各種車両が含まれ、例えば、薬液散布装置を荷台に搭載した四輪トラックやトラクタ等も含まれる。
1:風量設定装置,2:送風部,3:アクチュエータ,4:駆動制御手段,11…:回動軸,12…:リンク機構,13:手動操作部,14:自動設定部,14s:測距センサ,14m:コントローラ,M:スピードスプレーヤ,N…:噴射ノズル,Wf:風量,Fw:送風方向,P…:制風板,Po…:開口部,Pc…:切欠部,La:距離,Lb:距離,Xc:閉塞位置

Claims (2)

  1. 複数の噴射ノズルから噴射される薬液を、送風部からの送風により少なくとも上方を含む放射方向の所定範囲に噴霧する際における風量を設定するスピードスプレーヤの風量設定装置であって、前記噴射ノズルに対する送風方向の上流側における上方に向かう送風に対して、一端側を回動軸により回動可能に支持し、かつリンク機構を介して他の回動軸に対して連動可能に構成するとともに、変位により、通過する風量を変更し、かつ閉塞位置に変位させた際に最少風量の通過を許容する一又は二以上の開口部及び/又は一又は二以上の切欠部を設けてなる一又は二以上の制風板と、これらの制風板を変位させるアクチュエータと、このアクチュエータを駆動制御する駆動制御手段とを備えてなることを特徴とするスピードスプレーヤの風量設定装置。
  2. 前記駆動制御手段は、手動操作により前記制風板の変位量を設定可能な手動操作部,及び/又は非接触方式の測距センサにより前記噴射ノズルと噴射対象物間の距離を検出し、検出した結果に対応して前記制風板の変位量を自動で設定可能なコントローラを有する自動設定部を備えてなることを特徴とする請求項1記載のスピードスプレーヤの風量設定装置。
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