JP5732712B2 - 水性インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

媒体上に、インクジェット法により画像を形成する記録方法に用いられるインクジェットインクに関し特に水性のインクジェットインクおよびそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。
様々な印刷分野の用途に応じて、インクジェット記録方式に用いられるインクジェットインクとしては、種々のものが知られている。
例えば塩ビシートなどの非吸収性記録媒体に直接印字する場合には、有機溶剤をビヒクルとした溶剤インク、紫外線で硬化する所謂UVインクと称されるインクが知られている。
しかしながら、これらのインクを用いる方式では、臭気、安全性など環境負荷が大きい、UV硬化装置を必要とし高価となる、等の問題があった。
そして、環境負荷が比較的少ないインクとして、液体部分が水を主体として構成される水性のインクジェットインクが知られており、インクに対して非吸収性の記録媒体に対しても、例えば、少なくとも80質量%の水を含有する液状媒体、水不溶性着色剤、ポリマーバインダーおよび乾燥抑制剤などを含有する水性のインクジェットインクが知られている(特許文献1参照)。
また、非吸収性記録媒体に高画質で印字でき、画像の耐久性などを向上させた、水不溶性樹脂で被覆された顔料、インクに溶解している樹脂、グリコール、グリコールエーテルなどの水溶性有機溶剤含有する、水性のインクジェットインクが知られている(特許文献2および3参照)。
他方、近年インクジェット記録方式には、高速化が求められ、例えば小ロットやオンデマンドの印刷を行うことのできる印刷機として利用するような場合など、高速で印刷を行う高速度印刷が要求されてきている。
そして、高速度印刷を達成する一つの方法として、従来のスキャン型に対して、ワンパス型ラインヘッドインクジェットシステムと呼ばれる方式が利用されるようになってきている。
ワンパス型ラインヘッドインクジェットシステムは、印刷範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッド即ち、ラインヘッドを用い、紙送りに同期してラインヘッド下に紙を一度通過することで全てのドットを形成させる方法である。
一方、通常オフセット印刷に用いられる印刷用塗工紙としては、白色顔料と澱粉などのつなぎからなる塗工層が表裏に設けられ、平滑さと光沢感を高めたものが使用され、これらの印刷用塗工紙に、高速でインクジェット方式により印刷することが求められている。
しかしながら、例えばワンパス型ラインヘッドを用いて、画像記録を行った場合、特に印刷用塗工紙を用いた場合には、液滴吐出後の液滴同志のつながりによる生じる濃度ムラが発生する場合がある、異色インク同志が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリードを生じる場合がある等の問題があった。
特開2005−113147号公報 特開2008−208153号公報 特解2008−231219号公報
本発明の目的は、良好な光沢性および良好なインクの吐出性を維持して、濃度ムラの発生防止性、ブリード発生防止性に優れる、インクジェットインクおよび画像形成方法を提供することにあり、特に高速で印刷用塗工紙に印刷を行った場合でも、良好な光沢性および良好なインクの吐出性を維持して、濃度ムラの発生防止性、ブリード発生防止性に優れる、インクジェットインクおよびインクジェット記録方法を提供することにある。
1.水を30質量%〜90質量%含有し、酸基を有する第一の樹脂、溶媒および顔料を含有する水性インクジェットインクであって、さらに、酸基を有し該第一の樹脂のpKaの値より0.5以上高いpKaの値を有する第二の樹脂を含有し、前記第一の樹脂および第二の樹脂の酸基の対塩基としてアンモニアを含有し、該第一の樹脂および該第二の樹脂の少なくとも1つが、水性インクジェットインクに溶解して含有されている樹脂であり、
前記第一の樹脂および前記第二の樹脂が、下記の式1を満たす樹脂であることを特徴とする、水性インクジェットインク。
式1 {(C1)×(A1)}/{(C2)×(A2)}≧ 2.1
((C1):第一の樹脂のインク全量に対する濃度(質量%/l)の値
(A1):第一の樹脂の酸価(KOH量(mg)/樹脂100g)の値
(C2):第二の樹脂のインク全量に対する濃度(質量%/l)の値
(A2):第二の樹脂の酸価(KOH量(mg)/樹脂100g)の値
但し、第一の樹脂と第二の樹脂を複数組含有する場合には、式中の第一の樹脂とは、当該複数組のうちで最大のpKaを有する樹脂Mを指し、{(C1)×(A1)}は、当該樹脂Mおよび樹脂Mより小さなpKa値を有する全ての樹脂についての濃度と酸価の積の合計を表し、式中の第二の樹脂とは、当該複数組のうちで前記樹脂Mより大きくかつ最小のpKaを有する樹脂Nを指し、式中の{(C2)×(A2)}の値は、当該樹脂NのpKaの値より大きなpKaの値を有する全ての樹脂についての濃度と酸価の積の合計を表す。)
2.粘度が100mPa・s以下であることを特徴とする、1に記載の水性インクジェットインク。
3.1または2に記載の水性インクジェットインクを用い、記録媒体上にインクジェット法により画像を記録することを特徴とする、インクジェット記録方法。
4.温度が40℃以上90℃以下である前記記録媒体上に画像を記録することを特徴とする、3に記載のインクジェット記録方法。
本発明の上記手段により、良好な光沢性および良好なインクの吐出性を維持して、濃度ムラの発生防止性、ブリード発生防止性に優れる、インクジェットインクおよび画像形成方法を提供することにあり、特に高速で印刷用塗工紙に印刷を行った場合でも、良好な光沢性および良好なインクの吐出性を維持して、インクのドット同士のつながりやインク同士が寄り集まることによる濃度のムラの発生を抑え、微吸収性の媒体に高速で印字した際に発生する色間でのブリードを防止した、インクジェットインクおよびインクジェット記録方法が提供できる。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる画像形成装置の一例の模式図である。 ヘッド111およびヘッド112の配置を示した図である。
本発明は、水を30質量%〜90質量%含有し、酸基を有する第一の樹脂、溶媒および顔料を含有する水性インクジェットインクであって、さらに、酸基を有し該第一の樹脂のpKaの値より0.5以上高いpKaの値を有する第二の樹脂を含有し、前記第一の樹脂および第二の樹脂の酸基の対塩基としてアンモニアを含有し、該第一の樹脂および該第二の樹脂の少なくとも1つが、水性インクジェットインクに溶解して含有されている樹脂であることを特徴とする。
本発明においては、特に、酸基を有する樹脂であって、樹脂のpKaの値が0.5以上離れた2種類の樹脂をインク中に含有し、アンモニアを含有することで、液よりによる濃度ムラ防止性に優れかつ、インク同士の混合によるブリードの防止性に優れるインクジェットインクを提供することができる。
(水系インク)
本発明は、水性インクジェットインクであり、インクに対して、30質量%〜90質量%の水を含有する。
(第一の樹脂)
本発明において、酸基を有する樹脂とは、樹脂中にカルボン酸またはスルホン酸基を有する樹脂である。
酸基を有する樹脂としては、カルボン酸基またはスルホン酸基を有する、アクリル系、スチレンアクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニルアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系などの樹脂を挙げることができる。
酸基を有する樹脂は、酸基を有するモノマーを用いた重合あるいは共重合により得られる。
酸基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびカルボン酸基、スルホン酸基を有するスチレン誘導体などが挙げられる。
これらをラジカル重合あるいは必要に応じ他のモノマーと共に共重合することで本発明に係る酸基を有する樹脂が得られる。
本発明に係る樹脂とは、質量平均分子量が1000以上のものを指し、射出性と粘度の観点から、質量平均分子量が30000以下であるものが好ましく、さらに質量平均分子量が5000以上、20000以下のものがより好ましい。
樹脂は酸基を有するが、酸価としては、50以上のものが好ましく、特に50以上、300以下であることが好ましい。
酸価は、樹脂100gを中和するに必要な塩基の量をKOHの量(mg)で表した数値である。
(第二の樹脂)
本発明の水性インクジェットインクは、上記第一の樹脂に加えて、第二の樹脂を含有する。
第二の樹脂は、酸基を有し第一の樹脂のpKaの値より0.5以上高いpKaの値を有する。
pKaは、下記の方法により滴定曲線を求めその変曲点から求めた値である。
樹脂の濃度0.5質量の水溶液100mlを調整し、0.02Nの強酸により、1滴/5分の速度で攪拌を行いながら滴定を行い、滴定曲線を求める。
第二の樹脂としては、第一の樹脂と同様のものを用いることができ、含有される酸基の量、種類を制御することで、第二の樹脂とすることができる。
第二の樹脂のpKaとしては、5以上のものが好ましく、特に6以上のものが好ましく用いられる。
第二の樹脂の酸価としては、30以上が好ましく、特に50以上、300以下が好ましく、用いられる。
インク中の第一の樹脂と第二の樹脂との合計量はインクに対して、0.5質量%〜20質量%であることが、液より防止性、ブリード防止性およびインクの吐出性などから好ましい。
本発明のインクジェットインクは、第一の樹脂および第二の樹脂の酸基の対塩基としてアンモニアを有する。本発明では、インクが、対塩基としてアンモニアを含有し、上記特定の樹脂を組み合わせ有することで、本願の効果が得られる。
本発明において、対塩基としてアンモニアを含有するとは、インクジェットインク中に含有される塩基の内、90モル%以上がアンモニアであることをいい、95%モル以上であることが好ましく特に全てがアンモニアであることが好ましい。
pKaが0.5以上異なる2種の樹脂を含有させることで、本発明の効果が得られる理由は、明確ではないが、以下のように推測される。
吐出されたインクは、アンモニア、水の蒸発により固形化する。
この際に、アンモニアの蒸発によりインク中の樹脂は溶解性が低下する。溶解性が低下することでインクの粘度が上昇する。
粘度の上昇を引き起こすのに必要なアンモニアの蒸発量が、下記のように一種類の樹脂の場合、と2種類の樹脂を含む場合で異なり、2種類の樹脂を含む場合には少ない蒸発量で粘度の上昇を引き起こし、粘度が上昇するため、インクの広がりなどが押さられると考えられる。
アンモニアが蒸発する際には、pKaの高い酸基から優先的に中和されていない平衡状態へと推移する。
このため、pKaの異なる二種類の酸基を有する樹脂をインク中に有する場合、アンモニアの蒸発により一方の樹脂の酸基のみ溶解性が低下することになる。
すなわち、カウンターカチオンの蒸発により未中和となった酸基を、一つの樹脂に局在化させることで樹脂の溶解性を極度に落とし、そうすることによってインクの増粘が行われる。
樹脂が一種類の場合、pKaの異なる二種類の酸基を有する樹脂を併用した場合であれば強い増粘を起こすほどの量のアンモニアが蒸発した場合であっても、中和されていない酸基が全樹脂に非局在化しているのみであるため、樹脂全体の溶解度は多少低下するものの大きな粘度増大には繋がらない。そして、このような粘度上昇の効果が、他の塩基に比較して、特に大きく発揮されると推測される。
本発明では、インク中の第一の樹脂が有する酸基の数は、インク中の第二の樹脂が有する酸基の数より多いことが好ましく、3倍以上であることが好ましく特に10倍以上であることが好ましい。
そして、下記の式1のような条件を有する場合が特に本発明においては、好ましい態様である。
式1 {(C1)×(A1)}/{(C2)×(A2)}≧ 2.1
(C1)は、第一の樹脂のインク全量に対する濃度(質量%/l)の値を、(A1)は、第一の樹脂の酸価(KOH量(mg)/樹脂100g)の値を、(C2)は、第二の樹脂のインク全量に対する濃度(質量%/l)の値を、(A2)は、第二の樹脂の酸価(KOH量(mg)/樹脂100g)の値を表す。
但し、第一の樹脂と第二の樹脂を複数組含有する場合には、式中の第一の樹脂とは、当該複数組のうちで最大のpKaを有する樹脂Mを指し、((C1)×(A1))は、当該樹脂Mおよび樹脂Mより小さなpKa値を有する全ての樹脂についての濃度と酸価の積の合計を表し、式中の第二の樹脂とは、当該複数組のうちで当該樹脂Mより大きくかつ最小のpKaを有する樹脂Nを指し式中の((C2)×(A2))の値は、当該樹脂NのpKaの値より大きなpKaの値を有する全ての樹脂についての濃度と酸価の積の合計を表す。
本発明においては、さらに下記式2のような条件を有する場合がさらに好ましい態様である。
式2 {(C1)×(A1)}/{(C2)×(A2)}≧10
第一の樹脂と第二の樹脂との含有量の割合(第一の樹脂/第二の樹脂)としては、概ね質量比で、0.1〜10の範囲が好ましい。
本発明において、第一の樹脂および第二の樹脂の形態としては、インクに溶解している形態、顔料などの分散剤として固体である形態がある。
本発明では、第一の樹脂または第二の樹脂の少なくとも1つは、インクに溶解して含有されている形態であることが必要である。
これは、本発明の効果は、上記のようにアミン化合物の蒸発によって、樹脂の不溶化による粘度増大効果が発揮されることによると考えられるが、このような効果を発揮するには少なくとも1つの樹脂がインクに溶解している必要がある。
光沢性や、処方設計のやりやすさの点から、少なくとも第一の樹脂がインク中に溶解して含有されていることが好ましい。
(顔料)
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料および、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の他にレッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば C.I.Pigment Red;209、224、177、194、 C.I.Pigment Orange;43、 C.I.Vat Violet;3、 C.I.Pigment Violet;19、23、37、 C.I.Pigment Green;36、7、 C.I.Pigment Blue;15:6、等が用いられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明で用いられる顔料は、分散剤およびその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、分散の安定性、インクの保存性などの面から、10nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましく、10nm以上50nm以下がさらに好ましい。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
使用される顔料が高分子分散樹脂により分散されている場合、高分子分散樹脂を本発明の係る酸基を有する第一の樹脂として使用しても良い。
(本発明に係る樹脂以外の樹脂)
また、本発明の効果を損なわない限りの範囲であれば、上記、酸基を有する樹脂とは別に種々の目的でさらに樹脂を含んでもよい。これらの樹脂は、エマルジョン状態で分散されていても構わない。エマルジョン状態で分散させる場合、インクジェットによる射出性を損なわないという観点から、300nm以下の粒径であることが好ましい。溶解性ポリマーの場合、組成や分子量は特に限定は無いが、重合度の高いポリマーほど射出性が悪化する傾向があるため、ポリマーの組成にもよるが好ましい分子量50000以下であることが好ましい。
(溶媒)
本発明に係る溶媒は、水に溶解する溶剤であり、下記のものが挙げられ、本発明の効果を損なわない限り、溶剤の種類には特に制限はない。
例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、デカグリセリル、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、1,2,6ヘキサントリオール、2ピロリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、1,2ヘキサンジオール、1,2ペンタンジオール、1,2ブタンジオール、等を挙げることができる。
(活性剤・添加剤)
本発明のインクは、吐出性向上や濡れ性向上のため、活性剤を含んでいることが好ましい。使用される界面活性剤としては陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることができる。使用される界面活性剤の具体例としては、特に限定するものではないが、例えば、陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等、陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等、非イオン活性剤としては、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。さらに低表面張力化の観点から、これらの界面活性剤の一部がフッ素原子あるいは珪素原子に置換されていることが好ましい。
これらの界面活性剤や溶剤を単独で用いても良いし複数を併用しても良い。
本発明のインクにはさらに種々の目的で添加物を含んでも良い。出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号および同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号および同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明のインクは必要に応じてpH調整剤を含むこともできる。公知の酸やアルカリ、バッファ類を使用することが可能だが、本発明の効果を損なわないという点で、アルカリとバッファ類については、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノールなどのアミン類をもしくはその塩を使用することが好ましい。
(インク物性)
インクジェットにより吐出できるインクの物性値としては、インクの粘度が1mPa・s以上100mPa・s以下(25℃における)であることが好ましく、特に吐出の安定性の面から、インクの粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは1mPa・s以上15mPa・s以下である。
インクの表面張力については、吐出の安定性、記録媒体への濡れ性などの面から、20mN/m以上50mN/m以下であることが好ましい。さらに好ましくは20mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。
インクの表張は上記活性剤や溶媒を用いて調整することができる。
(記録方法)
本発明の水性インクジェットインクは非吸収もしくは微吸収性の記録媒体に対し大きな効果を発揮する。本発明における非吸収性並びに微吸収性の用紙とは2秒でのインク転移量が8ml/m以下の記録媒体のことを指すものとする。
本発明においては、特に記録媒体が、2秒でのインク転移量(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87)が8ml/m以下であるインクジェット記録方法が好ましい態様である。
このような記録媒体の例としては、印刷用塗工紙や塩ビシート、PETなどのフィルムが挙げられる。
本発明においてはインクの吐出時に、画質の面から、記録媒体の表面温度を40℃以上90℃未満に加温することでアミンの蒸発を促進しインクの増粘を助ける方法が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる装置としては、記録媒体を加温するためのヒーターが備わっていることが好ましい。
記録媒体の加熱方法については、印刷塗工紙を裏面から加熱しても良い。また、印刷塗工紙がヘッド下に搬送される直前に赤外線によって表面を加温する方法も好ましい。ヒーターの種類については特に制限はなく、赤外線ヒーター、電熱線、UVランプ、ガス、熱風ドライヤーなど公知の方法より、必要な方法を選択して使うことが好ましい、中でも、電熱線、赤外線ヒーターによる加温が安全性やエネルギー効率の点から好ましい。
本発明のインクジェットインク記録方法においては、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させることで印字を行う。
インクを吐出して画像記録を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等などいずれの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明のインクジェット記録方法においては、30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドを使用することが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法としては、ワンパス型のインクジェット記録方法であることが好ましい。ワンパス型のインクジェット記録方法とは、メディアが一つのインクジェットヘッドユニットの下を通過した際に、一度の通過でドットの形成されるべきすべての画素にインク滴が供給されるインクジェット記録方法である。
ワンパス型のインクジェット記録方法を達成する手段として、ラインヘッド型のインクジェットヘッドを使用することが好ましい。
ラインヘッド型のインクジェットヘッドとは、印刷範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッドのことを指す。ラインヘッド型のインクジェットヘッドとしては、一つのヘッドで印刷範囲の幅以上であっても良いし、特開2007−320278号公報に開示のように複数のヘッドを組み合わせて印刷範囲の幅を超えるよう構成してもよい。
ラインヘッド型のインクジェットヘッドを一つの色について複数用いることもできる。この場合、ドットの不均化防止の面から、同色同士のヘッドは隣接していることが好ましい。
配置する色の順序としては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックで画像を構成する場合、イエローを吐出するヘッドを最後に配置することが好ましい。色ごとのインクの凝集性にも左右されるが、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に吐出することがより好ましい。これは、処理液を塗布後時間が経つと処理液の乾燥蒸発により凝集性が減じるため、画質劣化の影響の出にくい薄い色を吐出するヘッドを搬送後部に配置することが好ましいからである。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる画像形成装置の一例の模式図を図1に示す。
図1において、ヘッドユニット11は、ヘッド111、112、113および114から構成されている。各ヘッドのノズルピッチは360dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)である。それぞれヘッド111とヘッド112、ヘッド113とヘッド114のノズルが図2に示すような千鳥配列となっている。
搬送機構12により紙Pがヘッドユニット11の下を通過することでヘッド幅分の画像が出力される装置である。
赤外線ヒーター13が取り付けられ紙をあらかじめ暖めることが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(インクセット1〜18調製)
下記のようにして、樹脂A〜F、顔料分散体を準備し、これらを用い、インクセット1〜18を調製した。
(樹脂A〜F、および顔料分散体の準備)
樹脂A:JDX6500 BASF株式会社製 アクリル酸樹脂 酸価 75、分子量 (質量平均、以下同様である)6500(29.7%水溶液)
樹脂B:マレイン酸−スチレン酸樹脂 酸価 240、分子量10000
樹脂C:ジョンクリル70 BASF株式会社製 アクリル酸−メタクリル酸共重合樹脂 酸価 240、分子量16500(30%水溶液)
樹脂D:ポリスチレンスルホン酸樹脂 酸価 210、分子量 15000
樹脂E:ジョンクリル678 BASF株式会社製 アクリル酸−メタクリル酸共重合樹脂 酸価 215、分子量 8500
樹脂F:アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸2ヒドロキシエチル/アクリル酸/アクリロニトリル/2アクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸共重合樹脂 酸価78、分子量 9000
イソプロピルアルコール150部を80℃に還流させながら加熱し、無水マレイン酸21質量部とアクリル酸メチルを79質量部を混合し、アゾビスイソブチロニトリル1部と共に2時間で滴下したが、そのままの温度で4時間反応させた。しかる後、イソプロピルアルコールを蒸発させ、マレイン酸−アクリル酸樹脂(樹脂固形分95%)を105質量部得た。樹脂の分子量と酸価を測定したところ、分子量10000 酸価240であった。
(樹脂Dの作製)
イソプロピルアルコール150部を80℃に還流させながら加熱し、スチレンスルホネイト39質量部とアクリル酸メチルを61質量部を混合し、アゾビスイソブチロニトリル1部と共に2時間で滴下したが、そのままの温度で4時間反応させた。しかる後、イソプロピルアルコールを蒸発させ、ポリスチレンスルホン酸樹脂(樹脂固形分95%)を105質量部得た。樹脂の分子量と酸価を測定したところ、分子量15000 酸価210であった。
(樹脂Fの作製)
特開2008−231219号公報の実施例に記載の樹脂R−6と同様の作製方法で樹脂Fを作製した。
各樹脂について、固形分濃度0.5質量%の水溶液を100mlを調製し、0.02Nの塩酸により、1滴/5分の速度で攪拌を行いながら滴定を行い、pKaを求めた。測定により得られた各樹脂のpKaの値を表1に示す。
Figure 0005732712
(顔料分散体の調製)
<マゼンタ分散体1>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、アンモニア水溶液(5%)25質量部、イオン交換水52質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体1>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、アンモニア水溶液(5%)25質量部、イオン交換水52質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体2>
顔料分散剤として上記調製した樹脂Dを5質量部、アンモニア水溶液(5%)25質量部、イオン交換水50質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体2>
顔料分散剤として上記調製した樹脂Dを5質量部、アンモニア水溶液(5%)25質量部、イオン交換水50質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体3>
顔料分散剤として上記調製した樹脂Bを3質量部、アンモニア水溶液(5%)25質量部、イオン交換水52質量部を混合し、充分に加熱攪拌して溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体3>
顔料分散剤として上記調製した樹脂Bを3質量部、アンモニア水溶液(5%)25質量部、イオン交換水52質量部を混合し、充分に加熱攪拌して溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体4>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、アミノエタノール2.5質量部、イオン交換水74.5質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体4>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、アミノエタノール2.5質量部、イオン交換水74.5質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体5>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、トリエタノールアミン3質量部、イオン交換水74質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体5>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、トリエタノールアミン3質量部、イオン交換水74質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体6>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、ジメチルアミノエタノール3質量部、イオン交換水74質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体6>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、ジメチルアミノエタノール3質量部、イオン交換水74質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体7>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、1N水酸化ナトリウム水溶液5質量部、イオン交換水77質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体7>
顔料分散剤として樹脂Eを3質量部、1N水酸化ナトリウム水溶液5質量部、イオン交換水77質量部を充分に加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ分散体8>
顔料分散剤として上記調製した樹脂Dを5質量部、ジメチルアミノエタノール2.5質量部、イオン交換水77.5質量部を加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントレッド122を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<シアン分散体8>
顔料分散剤として上記調製した樹脂Dを5質量部、ジメチルアミノエタノール2.5質量部、イオン交換水77.5質量部を加熱攪拌・混合し溶解した。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15質量部とトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量部を添加しプレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
(インクセット1の調製)
<インク1−Mの調製>
樹脂Bを3.68質量部(固形分にして3.5質量部)、樹脂Aを5.05質量部(固形分にして1.5質量部)とジエチレングリコールモノブチルエーテル15質量部、エチレングリコール10質量部、5%アンモニア水溶液15質量部と活性剤としてKF351(信越化学工業株式会社製)を0.3質量部に全量が70質量部となる量の水を60℃で十分攪拌混合し、マゼンタ分散体1の30質量部を少量づつ攪拌しながら加えた。十分に攪拌を行った後、この混合液を#3500メッシュの金属フィルターで濾過し、中空糸膜による脱気を行い、インク1−Mを調製した。
<インク1−Cの調製>
樹脂Bを3.68質量部(固形分にして3.5質量部)、樹脂Aを5.05質量部(固形分にして1.5質量部)とジエチレングリコールモノブチルエーテル15質量部、エチレングリコール10質量部、5%アンモニア水溶液15質量部と活性剤としてオルフィンKF351(信越化学工業株式会社製)を0.3質量部に全量が70質量部となる量の水を60℃で十分攪拌混合し、シアン分散体1の30質量部を少量づつ攪拌しながら加えた。十分に攪拌を行った後、この混合液を#3500メッシュの金属フィルターで濾過し、中空糸膜による脱気を行い、インク1−Cを調製した。
(インクセット2〜11の調製)
上記と同様にして表2〜5に記載の処方でそれぞれインクセット2〜11を調製した。
表2〜5中の樹脂について、表に記載されているのは固形分の値である。樹脂の量が表中の値となるよう樹脂もしくは樹脂水溶液を添加し、水の量により、最終的に得られるインクの全量が100部となるよう調製し各インクの調製を行った。
(インクセット12〜18の調製)
アンモニア水溶液の代わりに、表中のアミンまたは1N水酸化ナトリウム溶液を表中の量使用し、分散体4〜8を使用した以外は実施例1と同様にしてインクセット12〜18を調製した。
Figure 0005732712
Figure 0005732712
Figure 0005732712
Figure 0005732712
以上、調製したインクについての上記式1の((C1)×(A1))/((C2)×(A2))の計算値について表6、7に示す。
(印字(印刷))
印刷条件は以下の通りである。
図1に示す構成の装置を使用。
印字解像度:720dpi×720dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)(360dpi、16plのヘッドを各ヘッドのノズルが千鳥配置になるよう配座し印刷を行った。)
印刷用紙:SA金藤およびミラーコートプラチナ(王子製紙(株)製)
出力画像:0−100%までの印字率のパッチと、各パッチと接触した200%のベタ部を有する画像。
紙搬送速度:450mm/秒
記録媒体(紙)温度:45℃
各インクセットについて上記の条件で印字を行い以下のような評価を行った。
(濃度ムラの評価)
◎:濃度ムラが観察されない
○:ミラーコートプラチナにおいて中間調に若干の濃度ムラが観察されるがSA金藤においては濃度ムラが観察されない
△:印字率100%以上のベタ部では特に問題ないが、中間調に若干の濃度ムラがある
×:ベタ部においても濃度のムラが見られる。または、数個のドットが密集してつながってできた狭いベタ部分においてはっきりとした濃度の分布がある
△以上が実用的な範囲である。
(ブリードの評価)
拡大ルーペにより液の広がりを測定しブリード防止性の指標とした。
◎:ブリードは観察されない
○:100%ベタ部と200%のベタの接触部において、インクの流出(広がり)が0.02mmより小さい
△:100%ベタ部と200%のベタの接触部において、インクの流出が0.02mmより大きく0.05mm以下の範囲である
×:100%ベタ部に100%のベタをかぶせた場合、インクの流出が0.05mmより大きい
△以上が実用的な範囲である。
(光沢の評価)
◎:大きな光沢の低下はない
○:SA金藤において非印字部との光沢の差異は気にならないが、ミラーコートプラチナにおいて非印字部に対して光沢の低下が感じられる
△:SA金藤においても光沢の低下が感じられる
×:印字部がざらついて見える
△以上が実用的な範囲である。
(吐出性)
◎:特に吐出不良などは見られない
○:前の印字より2分以上放置した後に印字を行うと、画像の印字はじめの部分に若干の乱れが見られる場合がある
△:前の印字より30秒以上2分未満放置して後に印字を行うと、画像の印字はじめの部分に若干の乱れが見られる場合がある
×:前の印字より30秒未満で印字を行っても、画像の印字はじめの部分に若干の乱れが見られる
△以上が実用的な範囲である。
上記評価の結果を表6、7に示す。
また、インクセット1、6、7を用い、記録媒体(紙)の温度を30℃とした他は、上記と同様にして印字を行い、同様に評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 0005732712
Figure 0005732712
Figure 0005732712
表6〜8から、本発明の係る水性インクジェットインクを用いたインクセットでは、pKaが0.5以上異なる樹脂を含まないインクセット10、11、アンモニア中和でないインクセット12〜18と比較して、濃度ムラ防止性およびブリード防止性に優れることが分かる。また、記録媒体を加熱して記録を行う方法において特に効果が大きいことが分かる。
11 ヘッドユニット
12 搬送機構
13 赤外線ヒーター
111、112、113、114 ヘッド
P 紙

Claims (4)

  1. 水を30質量%〜90質量%含有し、酸基を有する第一の樹脂、溶媒および顔料を含有する水性インクジェットインクであって、さらに、酸基を有し該第一の樹脂のpKaの値より0.5以上高いpKaの値を有する第二の樹脂を含有し、前記第一の樹脂および第二の樹脂の酸基の対塩基としてアンモニアを含有し、該第一の樹脂および該第二の樹脂の少なくとも1つが、水性インクジェットインクに溶解して含有されている樹脂であり、
    前記第一の樹脂および前記第二の樹脂が、下記の式1を満たす樹脂であることを特徴とする、水性インクジェットインク。
    式1 {(C1)×(A1)}/{(C2)×(A2)}≧ 2.1
    ((C1):第一の樹脂のインク全量に対する濃度(質量%/l)の値
    (A1):第一の樹脂の酸価(KOH量(mg)/樹脂100g)の値
    (C2):第二の樹脂のインク全量に対する濃度(質量%/l)の値
    (A2):第二の樹脂の酸価(KOH量(mg)/樹脂100g)の値
    但し、第一の樹脂と第二の樹脂を複数組含有する場合には、式中の第一の樹脂とは、当該複数組のうちで最大のpKaを有する樹脂Mを指し、{(C1)×(A1)}は、当該樹脂Mおよび樹脂Mより小さなpKa値を有する全ての樹脂についての濃度と酸価の積の合計を表し、式中の第二の樹脂とは、当該複数組のうちで前記樹脂Mより大きくかつ最小のpKaを有する樹脂Nを指し式中の{(C2)×(A2)}の値は、当該樹脂NのpKaの値より大きなpKaの値を有する全ての樹脂についての濃度と酸価の積の合計を表す。)
  2. 粘度が100mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1に記載の水性インクジェットインク。
  3. 請求項1または2に記載の水性インクジェットインクを用い、記録媒体上にインクジェット法により画像を記録することを特徴とする、インクジェット記録方法。
  4. 温度が40℃以上90℃以下である前記記録媒体上に画像を記録することを特徴とする、請求項に記載のインクジェット記録方法。
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