JP5728777B2 - 有機化合物、有機半導体化合物、半導体素子及び太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、有機化合物、特に、有機半導体化合物、半導体素子、太陽電池及び有機半導体化合物の製造方法に関する。
Si系アモルファス半導体は、その優れた加工性から現在市場の大半を占めている。例えば、液晶ディスプレイのTFT(Thin Film Transistor)や太陽電池には、Si系アモルファス半導体が頻繁に用いられる。
一方、有機半導体は、軽量、柔軟性という特性からウエラブルなデバイスへの応用が期待されている。しかしながら、主に半導体部は結晶またはドープされたポリマーが主流であり、世界的に見ても有機アモルファス半導体などの有機半導体の開発は著しく遅れているのが現状である。
また、低分子π化合物や光伝導性ドープポリマーを用いた有機薄膜太陽電池や、有機EL(Organic Electro-Luminescence)素子の開発が現在進められているが、その性能は無機Si系アモルファス固体に比べて劣ることがよく知られている。これは、薄膜やチップなどの加工形態において高い性能や安定性を維持できないことと関係がある。加工形態に依存せず高い性能を有する無機Si系アモルファスのように、有機アモルファス固体などの有機化合物には工業的な観点から高いポテンシャルが期待されるが、これまでに応用された例は極めて少ない。それは、有機アモルファス固体として知られているものは、類似したπ電子系スターバスト分子群に限られており、これらのラジカル体に伝導性の発現するものも存在するがその値は一般に極めて低いためである。
さらに、一般の電荷移動型の有機導体は電気分解法などにより作成していたため、配列制御を行うことは困難である。また、電子物性は結晶構造に大きく依存しているため、工業化に必要とされるポリマー化や液晶化による薄膜への応用の点でも難がある。
また、ドーピングを行うことにより半導体化する伝導性高分子は、配列を制御することは困難であるため、電荷分離能の向上は困難である。また、化学的な安定性に欠け、経時劣化が激しい。
高いホール効果を有するInScやGaAs結晶は、稀少金属であるため高価であり、また、加工性に乏しい。熱電材料として知られるコバルト酸化物結晶も、軽量化や薄膜化は困難である。
特開2005-112951 特表2007-526640
本発明は、上述の背景技術に鑑みてなされたものであり、多くの機能を制御可能な材料となり得る化合物などを提供することを目的とする。
この発明によれば、上述の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。以下、この発明を詳細に説明する。
本発明の第1の側面は、
(化1a)で表されるいずれかの化合物であり、
(化1a)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)であることを特徴とする有機化合物

(式中、XからXはS又はSe、Rは(化2)に表されるいずれかである。)


(式中、X からX はS又はSeである。)
にある。
本発明の第2の側面は、
(化1b)で表されるいずれかの化合物であり、
(化1b)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)
であることを特徴とする有機化合物

(式中、XからXはS又はSe、XからXはN、O、S又はSe、Rは(化2)に表されるいずれ
かである。)


(式中、X からX はS又はSeである。)
にある。
本発明の第3の側面は、
(化1b)で表されるいずれかの化合物であり、
(化1b)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)
であることを特徴とする有機化合物

(式中、XからXはS又はSe、Rは(化2)に表されるいずれかである。)


(式中、X からX はS又はSeである。)
にある。
本発明の第4の側面は、
(化4)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物

にある。
本発明の第5の側面は、
(化5)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物

にある。
本発明の第6の側面は、
半導体であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の有機化合物
にある。
本発明の第7の側面は、
請求項6記載の有機化合物を有することを特徴とする半導体素子
にある。
本発明の第8の側面は、
請求項6記載の有機化合物を有することを特徴とする太陽電池
にある。
本発明の第9の側面は、
テトラチアフルバレン−2−カルボン酸・アンモニア塩であることを特徴とする有機半導体化合物
にある。
本発明の他の側面としては下記の場合であってもよい。
他の第1の側面は、
ドナーとなる有機分子を無機酸あるいは無機塩基と塩形成させることによって形成され、
自己集積することを特徴とする有機半導体化合物。
にある。
本構成によれば、シンプルな手法で有機半導体化合物が得られる。
他の第2の側面は、
アンモニウム部位を有することを特徴とする請求項1記載の有機半導体化合物。
にある。
本構成によれば、アンモニウム部位回転および振動運動に由来するメカニズムにより熱起電力が発生する有機半導体化合物が得られる。
他の第3の側面は、
自己集積した状態でアンモニウム部位に対して水素結合がなされることを特徴とする請求項2記載の有機半導体化合物。
にある。
本構成によれば、電子伝導性に優れる有機半導体化合物が得られる。
他の第4の側面は、
テトラチアフルバレン類縁体部位を骨格に含みプロトン酸官能基を有する化合物を、アンモニア塩又はヒドロキシアミン塩へと誘導させることによって形成されることを特徴とする有機化合物。
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な有機化合物が得られる。
他の第5の側面は、
テトラチアフルバレン類縁体部位を骨格に含み第一級アミンを有する化合物を、無機酸との塩へと誘導させることによって形成されることを特徴とする有機化合物。
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な有機化合物が得られる。
他の第6の側面は、
(化1)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物。

(式中、X1からX4はS又はSe、R1は(化2)に表されるいずれかである。)
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な有機化合物が得られる。
他の第7の側面は、
(化1)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)であることを特徴とする請求項6記載の有機化合物。

(式中、X からX はS又はSeである。)
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な有機化合物が得られる。
他の第8の側面は、
(化4)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物。
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な有機化合物が得られる。
他の第9の側面は、
(化5)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物。
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な有機化合物が得られる。
他の第10の側面は、
半導体であることを特徴とする請求項4から請求項9までのいずれかに記載の有機化合物。
にある。
本構成によれば、多くの機能を制御可能な材料が得られる。
他の第11の側面は、
請求項10記載の有機化合物を有することを特徴とする半導体素子。
にある。
他の第12の側面は、
請求項10記載の有機化合物を有することを特徴とする太陽電池。
にある。
他の第13の側面は、
テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩であることを特徴とする有機半導体化合物。
にある。
本構成によれば、化学的に安定で劣化しにくい有機半導体化合物が得られる。
他の第14の側面は、
ドナーとなる有機分子を無機酸あるいは無機塩基と1対1で塩形成させることによって形成し、自己集積する化合物を製造することを特徴とする有機半導体化合物の製造方法。
にある。
本構成によれば、シンプルな手法で有機半導体化合物を得られる。
他の第15の側面は、
擬似閉殻配置を有することを特徴とする有機半導体化合物
にある。
本構成によれば、シンプルな手法で有機半導体化合物が得られる。
ここで、プロトン酸官能基には、例えば、-COOH、-SO3H、-PO3H、-PSO2Hがある。第一級アミンは例えば-NHnD3-n(n=2〜0)(ここでDは重水素)で表される。また、無機酸には、例えばHBF4, HClO4, HCl, HBr, HI, DBF4, DClO4, DCl, DBr, DIがある。無機塩基には、例えばNHnD3-n (n=3〜0), NHnD2-nOH (n=2〜0), NHnD2-nOD (n=2〜0)がある。
なお、半導体とは、電気を通す導体や電気を通さない絶縁体に対して、それらの中間的な性質を示す物質を指す。例えば、室温付近で、電気伝導度がほぼ102〜10-6Scm-1(SはΩ-1)の範囲のものである。
ドナーとは電子供与体(電子供与分子ないしは電子供与基)を指す。また、アクセプターとは電子受容体(電子受容分子ないしは電子受容基)を指す。
テトラチアフルバレン(TTF)類縁体部位を骨格に含むとは、1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)エチルアミン、テトラチアフルバレン-2-カルボン酸のように、分子の骨格中にテトラチアフルバレン構造を有するものを指す。
また、本明細書及び本特許請求の範囲の化合物には、同等の構造を有し、重水素などの元素同位体で元素が置換された化合物も含まれる。したがって、例えば、上述の(化2)には下記の(化2A)で表されるものも含まれる。
本発明によれば、多くの機能を制御可能な材料となり得る化合物などが得られる。
本発明のさらに他の目的、特徴又は利点は、後述する本発明の実施の形態や添付する図面に基づく詳細な説明によって明らかになるであろう。
300Kにおける結晶構造を示す模式図である。 電気伝導度の温度依存性を示す図である。 熱起電力を示す図である。 示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter(DSC))の熱量測定結果を示す図である。 熱重量分析計(Thermogravimetric analyzer(TGA))による熱重量測定結果を示す図である。 誘電率を示す図ある。 温度を変化させながら光伝導性を測定した際の測定データを示す図である。 温度を変化させながら光伝導性を測定した際の測定データを示す図である。 温度を変化させながら光伝導性を測定した際の測定データを示す図である。 熱起電力を示す図である。 電気伝導度の温度依存性を示す図である。 電気伝導度の温度依存性を示す図である。 拡散反射スペクトルを示す図である。 熱起電力の温度依存性を示す図である。 各化合物の拡散反射スペクトルを示す図である。 テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩の粉末X線結晶構造解析である。 重水素化テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩の粉末X線結晶構造解析である。 分子間結合と分子間相互作用に着目した立体構造を示す模式図である。 分子間結合と分子間相互作用に着目した立体構造を示す模式図である。 TTFCOO・NH4塩の4量体中に1分子のラジカル種TTF・+COO・NH4が埋没されたモデルを用いた非制限Hartree-Fock法(UHF)/6-31G*による電子状態を示す図である。 4分子ユニット中に1つラジカル種を含むクラスターモデルに対して、水素結合方向(1次元)の周期性を考慮して行った周期的量子化学計算の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[概要]
ドナー分子を無機酸あるいは無機塩基と塩形成させるというシンプルな手法で有機半導体が得られることが、本発明者らの日々の誠意研究の結果、判明した。同様の手法で多様な有機半導体を製造できる見込みがあり、この手法は画期的なものである。ここでは、その具体例として2つの例を簡潔に示す。
1)テトラチアフルバレン(TTF)から2工程にてテトラチアフルバレン-2-カルボン酸を全収率65%で得た後に、28%アンモニア水溶液で塩を調製し、元素分析レベルで純粋な1:1のテトラチアフルバレニルカルボン酸・アンモニア塩を得た。
得られた粉末状固体をペレット化した際の電気伝導性は、室温で1.0x10-3 S/cm程度であった。
2)エチルメチルケトンを出発原料とし、15工程にてジベンゾテトラチアフルバレニルエチルアミンを全収率1%で得た後に、42%四フッ化ホウ素酸水溶液または47-49%臭素酸水溶液で塩を調製し、いずれも元素分析レベルで純粋な1:1のジベンゾテトラチアフルバレニルエチルアミン・四フッ化ホウ素酸塩およびジベンゾテトラチアフルバレニルエチルアミン・臭素酸塩を得た。
得られた粉末状アモルファス固体をペレット化した際の電気伝導性は、室温で1.0x10-3〜10-4S/cm程度であった。
次に、テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩の分子集合構造の概要などについて説明する。
200K以上の高温領域では、アンモニウム部位回転および振動運動に由来するメカニズムにより高い熱起電力が発生する点で、特にこれまでにない新規な特性が観測された。アンモニウム部位に対して水素結合能を有さないカウンターカチオンおよびアンモニウムプロトンの一部を置換基で置き換えた場合はそれほど優れた物性を発揮しないことから、アンモニウムの回転運動が物性発現の大きな鍵になることが実験的に証明されている。
また、電気伝導に関しては、重水素化サンプルの誘電分散の周波数依存性から、水素結合が電子伝導にあらわに関与していることが明らかとなっている。
アンモニウムは物性発現の鍵になるだけでなく、TTF(ドナー)分子をキャリア輸送現象に適した分子配列に有効に自己集積させる役割を担っている。
まず、一例として300Kにおける結晶構造について説明する。
図1は、300Kにおける結晶構造を示す模式図である。図に示すとおり、アンモニウムを中心としてカラム状の水素結合ネットワークが形成されており、それらが入れ子状にスタックすることにより有効なπ-π相互作用とS・・・S接触を発生している。キャリアは2次元的な配列中を動き回ることができる。
以下では、特定の化合物を例示しながら、その化合物の物性などを詳細に説明する。
[物性など]
まず、下記の化合物の物性について説明する。
図2は、電気伝導度の温度依存性を示す図である。測定の際には4端子法を採用した。図3は、熱起電力を示す図である。図に示すように、温度を低温から高温、または高温から低温に変化させても相転移による変化が観測されず、抵抗率の温度依存性が熱活性型の半導体であることがわかる。また、熱起電力の温度依存性はほとんどなく、広い温度範囲でこの化合物は優れた物性を持つことがわかる。特に、熱電効果を利用した熱発電などへの応用が期待できることをこのデータは示している。
図4は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter(DSC))の熱量測定結果を示す図である。図5は、熱重量分析計(Thermogravimetric analyzer(TGA))による熱重量測定結果を示す図である。140℃以下まではいずれの測定値もほぼ安定しているが、およそ140℃を超えると測定値が大きく変化した。これは140℃を超えるとNH3が失われることを示唆していると考えられる。
図6は、誘電率を示す図ある。図に示すとおり、分極、誘電応答が観測された。この結果は、強誘電性により、強誘電体メモリ、ひいては圧電効果を利用するアクチュエータなどとしての応用の可能性を示唆するものである。
図7、図8及び図9は、温度を変化させながら光伝導性を測定した際の測定データを示す図である。図7、図8及び図9は、それぞれ、0℃、20℃、30℃で測定を行った際のデータを示している。ペレット化したサンプル(幅0.08 cm、厚み0.03 cm)を使用し、銀ペーストにて端子付けを行う2端子法を採用した。また、可視光領域を全て含む波長領域の光照射を行った。
次に、下記の化合物の物性について説明する。
図10は、熱起電力を示す図である。上述の化合物と同様に、温度を低温から高温、または高温から低温に変化させても相転移による変化が観測されず、抵抗率の温度依存性が熱活性型の半導体であることがわかる。また、熱起電力の温度依存性はほとんどなく、広い温度範囲でこの化合物も優れた物性を持つことがわかる。この化合物もまた、熱電効果を利用した熱発電などへの応用が期待できることをこのデータは示している。
次に、下記の化合物の物性について説明する。
図11は、電気伝導度の温度依存性を示す図である。一方、図12は化6の化合物の電気伝導度の温度依存性を示す図である。図に示すように、両者の電気伝導度の温度依存性はよく似ており、他の点においても似た物性を示すことが示唆される。
図13は、電気伝導度の温度依存性を示す図である。一方、図12は化6の化合物の電気伝導度の温度依存性を示す図である。図に示すように、両者の電気伝導度の温度依存性はよく似ており、他の点においても似た物性を示すことが示唆される。
図14は、熱起電力の温度依存性を示す図である。図3、図10と同様に高い熱起電力を示すとともに、温度依存性は少ないことから、この化合物も優れた物性を持つことが分かる。この化合物もまた、熱電効果を利用した熱発電などへの応用が期待できることをこのデータは示している。
図15は、各化合物の拡散反射スペクトルを示す図である。図に示すとおり、各化合物は、通常の酸・塩基の塩とは異なり、900nm付近まで吸収を有することが判明した。これは、長波長の電磁波の吸収が実現していることを示しており、太陽電池などの応用にこれらの化合物が適していることを示している。
なお、下記の化合物は電気伝導性から2つのグループに分類された。
1)電気伝導性が〜10-2S/cm程度のグループ
2)電気伝導性が〜10-3S/cm程度のグループ
[分子集合構造]
図16は、テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩の粉末X線結晶構造解析である。また、図17は、重水素化テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩の粉末X線結晶構造解析である。いずれも、シンクロトロン光を使用し、1.3000オングストロームの条件下で測定した。これらを解析することにより、テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩は一定の規則性をその分子集合構造中に有する微結晶状態となっていることが明らかである。
図18及び図19は、分子間結合と分子間相互作用に着目した立体構造を示す模式図である。図に示すように、テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩などの化合物は、各分子が重なり合い、分子間では水素結合による多数の緩やかな結合があり、全体としてTTF部位がカラム状に配列している。S原子とS原子との接触距離が3.5オングストローム以下であり、隣り合うS原子の軌道が重なり合い、安定な立体構造が保たれている。
[擬似閉殻配置]
擬似閉殻配置は、キャリア発生の鍵となる酸と塩基とからなる水素結合ネットワークによる自己集積化によって有機ラジカル種を閉殻分子配列の間に埋め込むというシンプルな手法により実現している。擬似閉殻配置(quasi-closed-shell configuration)とは、例えば、遷移金属d軌道や特に希土類金属f軌道で見られる電子配置のことであり、この配置では、スピンは化学結合に関与せず、低い軌道エネルギーを有し、他のエネルギー状態の高い電子に遮蔽されているため原子軌道内部に孤立、局在する。これは、固体状態において強い電子相関効果を誘引し、強相関系金属に特有の種々の高い物性発現の源となる。また、この系のことは、強い電子相関効果から電子の有効質量を増大させるため「重い電子系」とも呼ばれる。これまで説明してきた一連の化合物群は、有機固体で初めて実現されたf電子系金属に位置づけられる。
このことは理論計算により裏付けられる。粉末X線結晶構造より得られたTTFCOO・NH4塩の原子座標を基にして、2個以上60個以下の原子中に1個の有機ラジカル種を水素結合によって埋め込んだクラスターモデルを用いてab initio計算(量子化学計算)を行った。
図20は、TTFCOO・NH4塩の4量体中に1分子のラジカル種TTF・+COO・NH4が埋没されたモデルを用いた非制限Hartree-Fock法(UHF)/6-31G*による電子状態を示す図である。図において、a) 擬似閉殻配置、b) 分子軌道図である。いずれの結果においても、ラジカル種の単占有軌道(singly occupied molecular orbital: SOMO)はフロンティア軌道にはおらず、より安定化された軌道に局在することが明らかとなった。この擬似閉殻配置は、ラジカル種が水素結合を利用した超分子配列中に埋め込まれた形を有する化合物について発現する。
例として、アクセプター性分子で同様の効果を発現すると考えられるものを以下列挙する。
図21は、4分子ユニット中に1つラジカル種を含むクラスターモデルに対して、水素結合方向(1次元)の周期性を考慮して行った周期的量子化学計算の結果を示す図である。M点のバンドギャップはわずか0.3 eVであり、半導体的性質をよく再現する。これは、擬似閉殻配置により、SOMO近傍の軌道がスプリットされることにより伝導キャリアが発生していることを裏付けている。なお、計算方法は以下のとおりであった。
Periodic Boundary Condition (PBC)-UHF/3-21G*
ブリリアンゾーンサンプリング: 40k x 1 x 1 点
計算プログラム: Gaussian03, Rev. D 01
[合成方法]
次に、化合物の具体的な合成方法について説明する。
(テトラチアフルバレン-2-カルボン酸の合成)
アルゴン雰囲気下ジイソプロピルアミン(0.65 ml, 5.42 mmol)に乾燥ジエチルエーテル(10 ml)を加え、n-BuLi (1.65 mol/ L, 5.45 mmol)をゆっくり滴下した。これを氷浴上で1時間撹拌し、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)を調製した。アルゴン雰囲気下、テトラチアフルバレン (TTF) (1.014 g, 4.96 mmol) を乾燥ジエチルエーテル(100 ml)に溶解し、-78 ℃で撹拌しながら、調製したLDAをキャヌラーを用いてゆっくり滴下した。温度を維持したまま15分間撹拌し、リチオ体の沈殿を確認した。そこに乾燥ジエチルエーテルにくぐらせたドライアイスを投入し、一晩かけて温度を室温に戻した。濾過により固体を得た後にジエチルエーテルで洗浄した。得られた固体をアルカリ水に溶解し、ジエチルエーテルにより水層を洗浄した。水層に、3M HClを加えて酸性にし、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、赤色固体のテトラチアフルバレン-2-カルボン酸 (0.8023 g, 3.23 mmol, 65%) を得た。
1H NMR(DMSO) : δ= 7.67 (s, 1H), 6.75 (s, 2H) ppm.
IR (KBr) : 3060, 2930, 1650, 1530, 1420, 1290 cm-1.
(テトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩の調製)
テトラチアフルバレン-2-カルボン酸 (150 mg, 0.604 mmol)を乾燥ジエチルエーテル(30 ml)に溶解し、不溶成分を吸引ろ過により取り除いた。ろ液に28%アンモニア水溶液を滴下し、超音波発生装置に15秒かけて固体を析出させた。析出した固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、さらにトルエン (3 ml) 中で懸濁させながら撹拌し、その後にろ過することによりテトラチアフルバレン-2-カルボン酸・アンモニア塩 (130.8 mg, 0.493 mmol, 82%)を得た。
1H NMR(DMSO) : δ= 6.75 (s, 2H), 7.67 (s, 1H) ppm.
IR (KBr) : 2930, 1650, 1530, 1420, 1290 cm-1.
Anal. Calcd. for C7H6N O2S4: C, 31.68; H, 2.66; N, 5.28. Found. C, 31.59; H, 2.75; N, 5.10.
(1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)エチルアミンの合成)
<1,3-ベンゾジチオール-2-チオン>
アルゴン置換した100 mlフラスコにイソアミルアルコール (0.80 ml, 0.73 mmol),二硫化炭素 (4.0 ml, 6.6 mmol),1,2-ジクロロエタン(20 ml),イソアミルニトリル (0.97 ml, 0.73 mmol)を加え、加熱撹拌しながら1,4-ジオキサン(4 ml)に溶解したアントラニル酸 (1.00 g, 7.30 mmol)を加えた。10時間加熱還流した後,水を加えて反応を停止し、3M水酸化カリウム水溶液を加え,ジクロロメタンにより抽出し,乾燥,濃縮することで1.29 gの茶色液体を得た。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより原点成分を除いた。これに、硫黄(0.143 g, 4.46 mmol)とオルトジクロロベンゼン(2.0 ml)を加え、4時間加熱還流した。これを一晩放置し,生じた結晶をろ過して茶色針状結晶の1,3-ベンゾジチオール-2-チオン (0.383 g, 2.08 mmol, 51 %)を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 7.26-7.42 (m,2H), 7.46-7.50 (m,2H) ppm.
IR (KBr) : 1434, 1264, 1119, 1059, 1025, 741, 474, 892 cm-1.
<4,5-ジメチル-1,3-ジチオール-2-オン>
アルゴン雰囲気下で,蒸留精製したエチルメチルケトン (0.53 mg, 5.9 mmol)をアセトニトリル (8 ml)に溶解した溶液を30 mlフラスコ中に加え,室温で撹拌しながらブロモテトラメチルシラン (0.86 ml, 6.2 mmol),蒸留精製したジメチルスルホキシド (0.46ml, 6.5 mmol)を加え,氷浴上で一時間撹拌した。これにイソプロピルキサントゲン酸カリウム (1.14 g, 6.53 mmol)を加え更に室温で1時間撹拌した。水を加えて反応を停止し,1M塩酸を加え,ジエチルエーテルで抽出し,乾燥,濃縮した。濃縮物をクロロホルム/エーテル(1:1)溶液 (8 ml)に溶解し、50 mlフラスコ中で撹拌しながら60%過塩素酸水溶液 (2 ml) を滴下し、滴下終了後1時間加熱還流した。水を加えて反応を停止し,ジエチルエーテルにより抽出し,乾燥,濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン/ジクロロメタン(3:1))により精製することで、無色結晶の4,5-ジメチル-1,3-ジチオール-2-オン(0.37 g,2.5 mmol, 43%)を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 2.15 (s,6H) ppm.
IR (KBr) : 1655, 1600, 1438, 1188, 1092, 885, 755, 418 cm-1.
<5-アセチル-1,3-ベンゾジチオール-2-オン>
アルゴン雰囲気下で,50 mlフラスコに4,5-ジメチル-1,3-ジチオール-2-オン (0.445 g, 3.04 mmol)の四塩化炭素 (18 ml)溶液を加えて撹拌し,ここにN-ブロモスクシンイミド(NBS)(2.38 g, 13.4 mmol)を加えた。白熱電球照射下で10時間加熱還流し,その後13.5時間室温で撹拌した。反応液をろ過し,濾液を濃縮乾固,乾燥することにより、1.26 gの黒色固体(粗収率107%)を得た。得られた黒色固体とヨウ化テトラブチルアンモニウム (2.34 g, 9.09 mmol)を50 mlフラスコ中に加え,アセトニトリル (14 ml) に溶解させて5時間加熱還流し,ここにメチルビニルケトン (1.93 ml, 12.7 mmol)を滴下した後,30分間加熱還流した。濃縮後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ヘキサン(1:1)→(4:3))により精製し,5-アセチル-1,3-ベンゾジチオール-2-オン(0.222 g, 1.06 mmol, 39%)を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 2.63 (s,3H), 7.60 (d,1H,J = 4.2 Hz), 7.90 (dd,1H,J = 1.7 Hz,J = 3.3 Hz), 8.09 (d,1H,J = 1.2 Hz) ppm.
IR (KBr) : 3078, 2923, 1687, 1638, 1391, 1355, 1273, 1248, 889, 818 cm-1.
<5-(2-メチル-1,3-ジオキサラン-2-イル)-1,3-ベンゾジチオール-2-オン>
アルゴン置換した50 mlフラスコに5-アセチル-1,3-ベンゾジチオール-2-オン(0.222 g, 1.06 mmol)のトルエン (12 ml) 溶液を加え撹拌し,これにパラトルエンスルホン酸一水和物 (0.059 g, 0.34 mmol)を加え,更にエチレングリコール(0.3 ml)を加えて4時間加熱還流した。その後、約1.5 mlのトリエチルアミンを加えて反応を停止し,更に一時間室温で撹拌した。反応液を濃縮,乾燥して、0.359 gの茶色オイルを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ヘキサン(2:1)→ジクロロメタンのみ)により精製し,5-(2-メチル-1,3-ジオキサラン-2-イル)-1,3-ベンゾジチオール-2-オン (0.158 g,0.621 mmol, 59%)を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 1.66 (s,3H), 3.76-3.81 (m,2H), 4.04-4.09 (m,2H), 7.45 (s,2H), 7.63 (s,1H) ppm.
IR (KBr) : 3421, 1685, 1638, 1375, 1274, 1243, 1195, 1038, 878 cm-1.
<2-アセチルジベンゾテトラチアフルバレン>
1,3-ベンゾジチオール-2-チオン (1.19 g, 6.46 mmol)と5-(2-メチル-1,3-ジオキサラン-2-イル)-1,3-ベンゾジチオール-2-オン (0.66 g, 2.60 mmol),トリエチルホスファイト (70 ml) をアルゴン置換した200 mlフラスコに加え,9時間加熱還流した。水を加え,氷浴で冷却しながら3M塩酸を滴下したのち,濃縮,乾燥した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後(クロロホルムのみ→酢酸エチルのみ),クロロホルムから再結晶することにより、2-アセチルジベンゾテトラチアフルバレン(0.481 g,1.39 mmol, 53%)を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 2.57 (s,3H), 7.12-7.15 (m,2H), 7.26-7.33 (m,2H), 7.69 (dd,2H,J = 3.5 Hz,J = 0.6 Hz), 7.83 (d,1H,J = 0.8 Hz) ppm.
IR (KBr) : 1668, 1568, 1447, 1390, 1348, 1272, 1235, 1121, 810, 748 cm-1.
<O-メチル-2-アセチルジベンゾテトラチアフルバレンオキシム>
200 mlフラスコに2-アセチルジベンゾテトラチアフルバレン (0.98 g, 2.83 mmol) を加え,ピリジン (70 ml) を加えて撹拌し,ここにO-メチルヒドロキシアミン塩酸塩 (0.354, 4.24 mmol)を加えて6時間加熱還流し,室温で40時間撹拌した。反応液に水を加えてジクロロメタンで抽出し,有機層を濃縮,乾燥させ、生成物をクロロホルムで再結晶し,O-メチル-2-アセチルジベンゾテトラチアフルバレンオキシム (0.85 g, 2.26 mmol, 80%) を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 2.17 (d,3H,E/Z mixture), 3.98 (d,3H,E/Z mixture), 7.10-7.13 (m,2H), 7.21-7.27 (m,5H), 7.38 (d,1H,J = 4.2 Hz), 7.58 (d,1H,E/Z mixture) ppm.
IR (KBr) : 3436, 2923, 1653, 1444, 1050, 892, 818, 745 cm-1.
<1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)エチルアミン>
アルゴン置換した300 mlフラスコにO-メチル-2-アセチルジベンゾテトラチアフルバレンオキシム(1.92 g, 5.12 mmol)とTHF (160 ml) を加えて撹拌し,氷冷下ボランテトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液 (21.1 ml, 21.4 mmol) を加え,3時間加熱還流した。冷却した反応液に1M塩酸 (20 ml) を加えて反応を停止し,水酸化カリウム水溶液を少量ずつ加えるとともに濃縮してTHFをある程度除去した後,液性を塩基性にし,ジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮,乾燥して, 1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)-エチルアミン(1.67 g,4.79 mmol, 94%)を得た。
1H NMR (CDCl3) : δ= 1.35 (d,3H,J = 3.3 Hz), 4.08 (q,1H,J = 3.3 Hz), 7.08-7.14 (m,3H), 7.19-7.29 (m,4H) ppm.
IR (KBr) : 3046, 2922, 1561, 1445, 1428, 1260, 1120, 1028, 811, 776, 737 cm-1.
(ブレンステッド酸塩の調製)
各種酸との塩は,1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)エチルアミンを溶媒(ジエチルエーテル又はジクロロメタン)に溶解し,そこにブレンステッド酸水溶液 (HBr, HBF4) を滴下し,数分間超音波を当て,生成した固体を濾過することにより調製した。1回の洗浄に用いる蒸留水はパスツールピペットで2、3滴,これを5回程度行なうことによって洗浄とした。
<1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)エチルアミン・臭素酸塩>
1H NMR (DMSO-d6) : δ= 1.49 (d,3H,J = 6.9 Hz), 4.40 (s,1H), 7.27-7.76 (m,7H), 8.21 (s,3H) ppm.
IR (KBr) : 2923, 1590, 1497, 1444, 1222, 1080, 738, 591, 435 cm-1.
Anal. Calcd. for C16H14BrNS4・H2O: C, 43.03%; H, 3.62%; N, 3.14%. Found. C, 43.24%; H, 3.37%, N, 3.04%.
<1-(ジベンゾテトラチアフルバレン-2-イル)エチルアミン・四フッ化ホウ素酸塩>
1H NMR (DMSO-d6) : δ= 1.50 (d,3H,J = 6.9 Hz), 4.39 (q,1H,J = 6.9 Hz), 7.33 (m,4H), 7.62 (m,5H) ppm.
IR (KBr) : 2924, 1616, 1498, 1445, 1225, 1083, 741, 591, 523, 415 cm-1.
Anal. Calcd. for C16 H14 B F4 N S4: C, 44.14%; H, 3.24%; N, 3.22%. Found. C, 43.96%; H, 3.40%, N, 3.17%.
[用途]
上述の化合物は、一般の有機導体とは異なる電子物性を示している。例えば、高いホール係数を示し、その値は高ホール係数を有するとされている今までに知られる物質中で最高レベルである。したがって、上述の化合物は、鋭敏な磁場センサーやホール素子へ応用することが考えられる。
また、高い熱起電力を示し、その値は有機物中ではトップクラスである。したがって、上述の化合物は、廃熱変換材料、太陽電池への応用も考えられる。
電気伝導度は通常の有機半導体と同程度である。したがって、ディスプレイの駆動素子、有機EL、デバイスへの応用への応用も考えられる。
特に、単結晶ではなく、微結晶加圧成形状態で高い物性値を示すことから、ポリマーや液晶へ形態変換し、薄膜化できる可能性が示唆される。塗布による薄膜形成は多くの用途への可能性を開くものである。
上述の手法は、加工形態を選ばない一般原理であるため、産業上の利用価値は無機Si系アモルファスを凌ぐ可能性がある。
なお、P型半導体、N型半導体を接合(PN接合)したダイオード、N型半導体をP型半導体で挟んだ、もしくはP型半導体をN型半導体で挟んだトランジスタ、PN接合を用いて設計される太陽電池、集積回路(IC・LSI)なども用途の例として挙げられる。また、テレビ受像機、携帯電話、コンピューターといった電気製品(電子機器)、自動車や各種産業機器などにもコンピューターなどの半導体素子を有する電子機器も用途の例として挙げられる。
特に、有機薄膜太陽電池としての応用、また、ドナー性分子を官能基変換することによる、ポリマー化、液晶化などへの応用は有望である。
[まとめ]
上述の方法では、極めて単純なドナー性有機分子を無機酸あるいは無機塩基と1:1の塩形成させることによって、合目的に有機半導体を製造できる。この手法では、ドーピングを行わなくても、安定した有機半導体を得ることが可能である。
また、上述の系では、通常の有機結晶とは異なり、加工形態に依存せずに伝導性を発現し、またドープされたポリマーと異なり、化学的に安定で劣化しにくい特徴(室温、空気中存在下合成後3年経過サンプルも合成時と同性能であることを確認)を有する化合物が提供される。
有機固体中では、水素結合ネットワークに由来する規則性がある程度保持されていることから、伝導分子は完全にランダムではなく配列の規則性が残存している。このことは、キャリアとなる伝導電子と正孔の電荷分離能を高くするものと考えられる。これは、有機太陽電池において最も課題とされているエネルギー変換効率の向上を促す効果が、上述の化合物の使用によって得られる可能性があることを示している。
さらに、上述の方法によれば、水素結合官能基を導入したドナー性分子と無機酸あるいは無機塩基の1:1の塩を形成するだけで簡便に高純度の有機半導体が得られる。
また、この系では、一般の電荷移動錯体とは異なりアクセプター性分子を必ずしも必要としない。
特に、上述の化合物は、有機イオン・無機イオンの塩であるので化学的に安定であり、例えば100度までの加熱であれば安定に存在する。
同様の効果を発現しうる候補化合物も多数考えられる。
このように、本実施形態は、多くの機能を制御可能な新素材を設計する際の基礎的な知見を提供するものである。
[権利解釈など]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について説明してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施形態の修正又は代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
また、この発明の説明用の実施形態が上述の目的を達成することは明らかであるが、多くの変更や他の実施例を当業者が行うことができることも理解されるところである。特許請求の範囲、明細書、図面及び説明用の各実施形態のエレメント又はコンポーネントを他の1つまたは組み合わせとともに採用してもよい。特許請求の範囲は、かかる変更や他の実施形態をも範囲に含むことを意図されており、これらは、この発明の技術思想および技術的範囲に含まれる。
上述の化合物は、一般の有機導体とは異なる電子物性を示している。例えば、高いホール係数を示し、その値は高ホール係数を有するとされている今までに知られる物質中で最高レベルである。したがって、上述の化合物は、鋭敏な磁場センサーやホール素子などへ応用することが考えられる。

Claims (9)

  1. (化1a)で表されるいずれかの化合物であり、
    (化1a)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)
    であることを特徴とする有機化合物。

    (式中、XからXはS又はSe、Rは(化2)に表されるいずれかである。)


    (式中、X からX はS又はSeである。)
  2. (化1b)で表されるいずれかの化合物であり、
    (化1b)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)
    であることを特徴とする有機化合物。

    (式中、XからXはS又はSe、XからXはN、O、S又はSe、Rは(化2)に表されるいずれ
    かである。)


    (式中、X からX はS又はSeである。)
  3. (化1b)で表されるいずれかの化合物であり、
    (化1b)中のRからRは(化3)に表されるいずれか(同一でも異なっていてもよい。)
    であることを特徴とする有機化合物。

    (式中、XからXはS又はSe、R1は(化2)に表されるいずれかである。)


    (式中、X からX はS又はSeである。)
  4. (化4)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物。
  5. (化5)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする有機化合物。
  6. 半導体であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の有機化合物。
  7. 請求項6記載の有機化合物を有することを特徴とする半導体素子。
  8. 請求項6記載の有機化合物を有することを特徴とする太陽電池。
  9. テトラチアフルバレン−2−カルボン酸・アンモニア塩であることを特徴とする有機半導体
    化合物。
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