JP5728646B2 - 木質化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内装建材などに使用される木質化粧板の製造方法に関する。
従来より、木質繊維板またはそれを表面に有する木質繊維板複合材の表面に表面化粧材を積層一体化させた木質化粧板が知られている。木質繊維板は一般的には衝撃力等の外力が加わると欠けや層間剥離が生じやすいという欠点があり、木質化粧板の製造の際、その製造工程で受ける衝撃力によって木質繊維板に部分的に欠けや層間剥離が生じる場合があった。これらは不良品として廃棄されコストアップの一因となっている。
そこで、木質繊維板の表面にホルマリン系樹脂以外の高分子化合物を塗布含浸し、高分子化合物が未硬化の状態でその上に水性接着剤を塗布し、さらに表面化粧材を積層し、加熱圧締して木質化粧板を製造する方法が報告されている(特許文献1参照)。
特許第3462656号公報
特許文献1記載の木質化粧板の製造方法によれば、木質繊維板の表層部に、高分子化合物による高硬度の樹脂含浸層が形成される。これによって、木質繊維板の耐衝撃強度および剥離強度が向上し、製造工程で受ける衝撃力により木質繊維板に生じる欠けや層間剥離を低減することができる。
しかしながら、上記木質化粧板の製造方法においては以下の問題が指摘されている。すなわち、加熱圧締時、水性接着剤中の水分などが加熱水となりこの加熱水が木質繊維板内において表面化粧材を積層した側から反対の側の部分に向かって浸透する。加熱水の作用は浸透の程度が大きいほど大きくなるため、木質繊維板内において表面化粧材を積層した側の部分では、加熱水の作用によって湿熱負荷およびそれに伴う収縮が反対側の部分よりも大きくなり、木質化粧板に反りが発生する。反り量が大きい場合には不良品として廃棄される。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、木質繊維板(以下、木質繊維の成型板ともいう)と表面化粧材とを水性接着剤を用いて積層一体化して製造する木質化粧板の不良品の発生を低減できる木質化粧板の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の木質化粧板の製造方法は、木質繊維の成型板またはそれを表面に有する複合材の表面に水性接着剤を塗布して表面化粧材を積層一体化する木質化粧板の製造方法において、水性接着剤の塗布前に、木質繊維の成型板に対して、この木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも低い圧力下で、撥水剤を含有する水を用いて加湿加熱処理を施すことを特徴とする。
また、この木質化粧板の製造方法においては、撥水剤の溶融温度は、木質繊維の成型板と表面化粧材とを積層一体化する際の加熱圧締時の温度よりも高いことが好ましい。
さらにまた、この木質化粧板の製造方法においては、加湿加熱処理後、水性接着剤の塗布前に、木質繊維の成型板の表面に撥水剤を塗布することが好ましい。
この木質化粧板の製造方法においては、加湿加熱処理前に、木質繊維の成型板の表面に切込み加工を施すことが好ましい。
この木質化粧板の製造方法においては、加湿加熱処理の加熱温度が、撥水剤の融点以上であることが好ましい。
また、この木質化粧板の製造方法においては、撥水剤は、パラフィンワックス、脂肪酸アミドおよびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の木質化粧板の製造方法によれば、木質化粧板の不良品の発生を低減できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、木質繊維の成型板の表面に水性接着剤を塗布しその上に表面化粧材を積層して、木質繊維の成型板と表面化粧材とを積層一体化して木質化粧板を製造している。そして木質繊維の成型板の表面に水性接着剤を塗布する前に、木質繊維の成型板に対して、この木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも低い圧力下で加湿加熱処理を施し次いで必要に応じて乾燥処理を施している。
ここで、加湿加熱処理とは、木質繊維の成型板に水分および熱を加えて吸湿させる処理のことをいい、この処理によって木質繊維の成型板が収縮する。
加湿加熱処理によって木質繊維の成型板が収縮するのは次の理由によるものと考えられる。木質繊維の成型板を成形するときには比較的高い圧力がかかるため、木質繊維は伸ばされた状態で接着されて板になっていると考えられる。そしてこの状態の木質繊維の成型板に対して、水分および熱を加えて吸湿させると、伸ばされた状態の木質繊維が元に戻ろうとし、木質繊維の収縮が生じ、その結果、木質繊維の成型板が収縮すると考えられる。
本発明では、木質繊維の成型板に対して、木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも低い圧力下で加湿加熱処理を施している。これによって、処理後の木質繊維の成型板の厚みの低下や厚みバラツキ(同一の木質繊維の成型板での厚みのバラツキ)が抑制される。加湿加熱処理による木質繊維の成型板の収縮に伴う厚みの低下は小さく、その厚みの低下を加味しても、加湿加熱処理前の木質繊維の成型板と同程度の厚みと厚みバラツキを有する木質繊維の成型板を得ることができる。
木質繊維の成型板製造時の成型圧力を超える圧力下で加湿加熱処理を施した場合、加湿加熱処理前の木質繊維の成型板と比べて厚みが薄くなったり、同一の木質繊維の成型板での厚みのバラツキが大きくなったりする。木質繊維の成型板の厚みが薄いと、得られる木質化粧板の厚みが所定の厚みよりも薄くなり、同一の木質繊維の成型板での厚みのバラツキが大きいと、得られる木質化粧板では表面化粧材の剥離が生じやすくなるなど不良品の発生を低減することができない。
木質繊維の成型板と表面化粧材との積層一体化は加熱圧締により行われるが、その加熱圧締の際には、上述したように、水性接着剤中の水分などが加熱水となって木質繊維の成型板に作用する。木質繊維の成型板内の、表面化粧材を積層した側の部分では、加熱水の作用による湿熱負荷に伴って生じる収縮が、表面化粧材を積層した側とは反対側の部分よりも大きくなり、木質化粧板に反りが発生する。本発明では、上記のとおり、水性接着剤の塗布前に、木質繊維の成型板を加湿加熱処理して収縮させている。これによって、その後の加熱圧締に伴う加熱水の作用により木質繊維の成型板において表面化粧材を積層した側の部分に生じる収縮とその反対側の部分に生じる収縮との差が小さくなり、木質化粧板に反りが生じにくくなる。また、反りが発生してもその反り量は小さいので不良品の発生を低減することができる。
上記の加湿加熱処理は、木質繊維の成型板全部分に対して施すことができるが、木質繊維の成型板において表面化粧材を積層する側の表層部分のみ施すこともできる。加熱水の作用により木質繊維の成型板において表面化粧材を積層した側の部分に生じる収縮が大きいので、その部分の収縮を抑制すれば木質化粧板の反りの発生や反り量を効率よく抑えることができるからである。また、加湿加熱処理の低コスト化が図れるという利点を有する。
上記の加湿加熱処理は、木質繊維の成型板において表面化粧材を積層する側の表層部分およびその反対側の表層部分に施すこともできる。この場合、加熱水の作用により木質繊維の成型板内において表面化粧材を積層した側の部分に生じる収縮とその反対側の部分に生じる収縮との差をより小さくすることができ、木質化粧板の反りの発生や反り量をより一層効率よく抑えることができる。また、木質繊維の成型板全部分に対して加湿加熱処理を施すよりも低コスト化が図れるという利点を有する。
加湿加熱処理の方法としては、例えば、木質繊維の成型板に水を散布し、その後加熱処理する方法が挙げられる。水の散布は、木質繊維の成型板の、表面化粧材を積層する側の面に対してのみなされていてもよいし、両面に対してなされていてもよい。水を木質繊維の成型板に散布する際、木質繊維の成型板内部での結露を抑制し浸透を良好にするために、板面温度を必要に応じて高くしてもよい。
加熱処理の加熱温度は、木質繊維の成型板に水を吸湿させ、かつ木質繊維を傷めない温度であればよく、例えば70℃以上200℃以下であることが考慮される。なかでも130℃以上200℃以下であることが好ましく、特に150℃以上200℃以下であることが好ましい。加熱温度が高いほど木質繊維の成型板の収縮が大きくなる傾向にあり、木質化粧板の反りの発生や反り量を効率よく抑えることができる。
加湿加熱処理では、加湿加熱処理前の木質繊維の成型板と同程度の厚みと厚みバラツキを維持しつつ成型板の木質繊維を収縮させる必要があるため、加熱処理は無加圧下など木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも低い圧力下で行うことが重要である。木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも高い圧力で行った場合、上述したように、得られる木質化粧板の厚みが薄くなったり、厚みバラツキが大きくなったりする。
加湿加熱処理の別の方法として、100℃以上の水蒸気を木質繊維の成型板に吹き付ける方法や70℃以上の温水中に木質繊維の成型板を浸漬する方法などが挙げられる。水蒸気の吹き付けは、木質繊維の成型板の、表面化粧材を積層する側の面に対してのみなされていてもよいし、両面に対してなされていてもよい。この水蒸気を吹き付ける方法の場合、水蒸気を結露無く透過させる為に、木質繊維の成型板を予め蒸気温度まで加熱しておき、更に、水蒸気を吹き付ける面とは反対側の面から真空吸引しながら吹き付ける方法が好ましい。
加湿加熱処理後に乾燥処理を施すと、木質繊維の成型板がより収縮しやすくなるため、不良品の発生をより低減することができ好ましい。この乾燥処理は、加湿加熱処理によって木質繊維の成型板に吸湿させた水分を蒸発させることができればその方法は特に制限されない。例えば、木質繊維を傷めない温度で加熱してもよいし、自然乾燥させてもよい。
加湿加熱処理を施す木質繊維の成型板は、例えば、ラワン、カラマツ、スギなどの木質繊維を原料としてこれをボード状に成型したものであり、バインダーとして樹脂成分が含まれていてもよい。木質繊維の成型板の具体例としては、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、インシュレーションボードなどが挙げられる。その他、ケナフ繊維、ジュート繊維、合成繊維などを解繊混合しこれを圧締したものなどでもよい。比重や厚さは特に限定されない。
木質繊維の成型板は、加湿加熱処理前に、表面に切込み加工を施しておくことが好ましい。切込み加工は、ピン、刃物等によって木質繊維の成型板の表層から内部に至る穴、スジ等の切込みを木質繊維の成型板に施す物理的加工である。このような切込み加工を施すことで、加湿加熱処理において水分および熱が木質繊維の成型板の内部にまで及びやすくなり、寸法安定化の効果をより高めることができるなど加湿加熱処理の効果をより高くすることができる。切込み加工は、木質繊維の成型板の片面にのみ施してもよいし、両面に施してもよい。また、切込み加工は、木質繊維の成型板の面全体に施してもよいし面の一部にのみ施してもよい。
木質繊維の成型板は、強度を大きく損なわない程度に撥水剤が含有されていてもよい。撥水剤が木質繊維の成型板中に含有されていると、木質繊維の成型板と表面化粧材との加熱圧締の際、木質繊維の成型板への水性接着剤中の水分などの浸透が抑制され、加熱水の作用による湿熱負荷が低減し、結果として反りの発生や反り量が抑制されるので好ましい。撥水剤の含有率としては、例えば木質繊維の成型板に対して1wt%以上5%wt%以下とすることができる。
木質繊維の成型板中に撥水剤が含有されている状態で加湿加熱処理が施されると、撥水剤の一部が溶出する場合がある。そこで、加湿加熱処理に使用する水に撥水剤を含有させ、この撥水剤含有水を用いて加湿加熱処理することが好ましい。これによって、木質繊維の成型板に撥水剤をより効果的に付与することができ、反りの発生や反り量をより効果的に抑制することができる。
撥水剤含有水を用いて加湿加熱処理する際、その加熱温度は撥水剤の融点以上であることが好ましい。そうすることで、撥水剤の木質繊維への絡みが良くなり、表面化粧材を積層一体化した際の反りの発生や反り量をより一層効果的に抑制することができる。
撥水剤としては、撥水成分としてパラフィンワックスや脂肪酸アミド等を含有するものが挙げられる。また、アクリル樹脂を含有するものも挙げられる。パラフィンワックスの具体例としては、石油抽出系や合成系の直鎖炭化水素系パラフィンワックス、分岐炭化水素系パラフィンワックス、これらを空気酸化した直鎖炭化水素系酸化パラフィンワックス、分岐炭化水素系酸化パラフィンワックス、分子量400〜4000程度の低分子ポリエチレンや低分子ポリプロピレン、さらにこれらを空気酸化した酸化ポリエチレンや酸化ポリプロピレン、低分子ポリエチレンや低分子ポリプロピレンの無水マレイン酸部分付加物等が挙げられる。脂肪酸アミドの具体例としては、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド等が挙げられる。アクリル樹脂は、例えば(メタ)アクリル酸エステル等の重合体や共重合体である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば炭素数1〜4のものを挙げることができ、具体例として、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンの共重合体である(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等が挙げられる。
以上の撥水成分は、単独もしくは複数種組合わせて使用することができる。アクリル樹脂を含有する撥水剤は、加湿加熱処理で収縮した木質繊維への絡まりが良く、寸法安定化の効果をより高くすることができるので好ましい。撥水剤中のアクリル樹脂の含有率は、要求される性能により調整可能であり、特に限定されるものではない。
撥水剤は、木質繊維の成型板と表面化粧材とを積層一体化する際の加熱圧締時の温度よりも高い溶融温度を有するものが好ましく用いられる。このような溶融温度を有する撥水剤を用いると、木質繊維の成型板と表面化粧材との加熱圧締の際、木質繊維の成型板から撥水剤が流れ出すことを防止できる。これにより、木質繊維の成型板に対する水性接着剤中の水分などの浸透がより抑制され、反りの発生や反り量をより一層効果的に抑制することができる。
撥水剤含有水は例えばエマルジョンの形態で使用される。撥水剤含有水には、木質繊維の成型板への浸透を促進させるために、界面活性剤などが含有されていてもよい。
以上の撥水剤は、加湿加熱処理後、木質繊維の成型板に水性接着剤を塗布する前に、木質繊維の成型板の表面に塗布することもできる。この場合、加湿加熱処理時の温度を考慮して撥水剤を設定する必要がないので撥水剤の選択の幅が広がる。また、木質繊維の成型板に撥水剤をより効果的に付与することができ、反りの発生や反り量をより効果的に抑制することができる。
木質繊維の成型板の表面に積層される表面化粧材としては、例えば、突板、単板、印刷シート、これらの表面に塗装が施されているものなどが挙げられる。表面化粧材として水分が含浸した湿式突板を用いた場合、従来法による木質繊維の成型板への加熱圧着時に木質繊維の成型板の表面側の部分が受ける湿熱負荷が特に大きくなり木質化粧板の反り量も大きくなるが、本方法によれば木質化粧板の反りの発生や反り量を低減することができる。
木質繊維の成型板の表面に塗布される水性接着剤としては、例えば、エマルジョン系接着剤、水溶性接着剤、水分散型接着剤などであり、酢酸ビニル樹脂、水性ビニルウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などの樹脂を含有するものが挙げられる。
木質化粧板は、木質繊維の成型板の裏面(表面化粧材が積層される面とは反対側の面)側に、合板、パーティクルボード、OSB(Oriented Strand Board)、無機質板などの基材が上記した水性接着剤などで接着されているものであってもよい。この木質化粧板は、加湿加熱処理を施した木質繊維の成型板と基材とを接着して複合化した後、木質繊維の成型板の表面に水性接着剤を塗布し、表面化粧材を載置して加熱圧締することによって製造される。
以上のようにして製造された木質化粧板は、反りの程度が小さく、床材や収納建具材などの内装建材などに好ましく用いられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
<実施例1>
木質繊維の成型板の両面に水を塗布した後、1分間、130℃でプレスすることで木質繊維の成型板に加湿加熱処理を施した。加湿加熱処理を施した木質繊維の成型板を気乾放置し、重量が安定した後、この木質繊維の成型板と基材とをポリウレタン樹脂で接着複合化し複合基材とした。25℃で4日間放置した後、複合基材の木質繊維の成型板の表面に酢酸ビニル樹脂系の水性接着剤を塗布し、さらに表面化粧材を載置して110℃、1MPa、1分保持の条件で加熱圧着して木質化粧板を得た。
使用した木質繊維の成型板、基材、表面化粧材、水の塗布量および加湿加熱処理時のプレス条件は下記の通りである。
・木質繊維の成型板
MDF2.7mm厚、比重0.8、木質繊維の成型板製造時の成型圧力2.8MPa
・基材
ユーカリ合板、9.5mm厚
・表面化粧材
湿式突板、0.2mm厚、樹種:ブナ、含水率:約90%
・水の塗布量
木質繊維の成型板への塗布量は片面あたり50g/mとした。
・加湿加熱処理時のプレス条件
プレス機の加熱板面を木質繊維の成型板の両面に接触させ、無加圧(0.5MPa以下)で実施した。
<実施例2>
実施例1において水の代わりに撥水剤希釈液(撥水剤含有水)を用いて加湿加熱処理した以外は、実施例1と同様にして木質化粧板を得た。使用した撥水剤希釈液は下記の通りである。
・撥水剤希釈液
ポリエチレン酸化WAX(融点:50℃)とパラフィンWAX(融点:145℃)との混合物(混合比(ポリエチレン酸化WAX/パラフィンWAX)=1/1)の50%濃度エマルジョン液を水で10倍希釈して撥水剤希釈液を調製した。
撥水剤希釈液の木質繊維の成型板への塗布量は片面あたり50g/mとした。
<実施例3>
実施例2において170℃でプレスして加湿加熱処理した以外は、実施例2と同様にして木質化粧板を得た。
<実施例4>
実施例2において木質繊維の成型板として切込み加工を施したものを用いた以外は、実施例2と同様にして木質化粧板を得た。切込み加工仕様は下記の通りである。
・切込み加工仕様
ピン穴加工、直径0.5mm、深さ1mm、ピッチ3mm、2.7mm厚MDFの片面に実施
<実施例5>
実施例1において水の代わりにアクリル樹脂含有撥水剤希釈液(アクリル樹脂含有撥水剤を含有する水)を用いて加湿加熱処理した以外は、実施例1と同様にして木質化粧板を得た。使用したアクリル樹脂含有撥水剤希釈液は下記の通りである。
・アクリル樹脂含有撥水剤希釈液
アクリル樹脂含有撥水剤として、東邦化学工業(株)製ペルトールPS−700−2(約35%濃度エマルジョン)を水で10倍希釈してアクリル樹脂含有撥水剤希釈液を調製した。
アクリル樹脂含有撥水剤希釈液の木質繊維の成型板への塗布量は片面あたり50g/mとした。
<比較例1>
実施例1において木質繊維の成型板に加湿加熱処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして木質化粧板を得た。
<比較例2>
実施例1において木質繊維の成型板の加湿加熱処理時のプレス条件として3MPaで処理した以外は、実施例1と同様にして木質化粧板を得た。
以上のようにして得られた木質化粧板の1日後の反り量を測定し合否を判定した(実施例1−5および比較例1)。また、加湿加熱処理前の木質繊維の成型板、および、加湿加熱処理および乾燥処理を施した木質繊維の成型板についてそれぞれ複数箇所厚みを測定した。各成型板の厚みの平均値を求め、その差(処理前の成型板の厚み−処理後の成型板の厚み)および処理後の成型板の厚みのバラツキ(標準偏差σ)を求めた(実施例1−3および比較例2)。比較例1では処理前の成型板の厚みのバラツキ(標準偏差σ)を求めた。その結果を表1に示す。なお、木質繊維板に発生した反り量の測定方法および合否の判定基準は下記のとおりである。
<反り量の測定方法と合否の判定基準>
木質化粧板のサイズは幅30cm×長さ180cmとし、表面化粧材の加熱圧着前後での幅方向の反り量を測定した。凸反りを+、凹反りを−とした。反り量が、幅反りが目立たない−0.7mm以上+0.7mm以下の範囲の場合には「○」(合格)とし、その範囲から外れる場合には「×」(不合格)とした。また、特に幅反りが目立たない−0.5mm以上+0.5mm以下の範囲の場合には「◎」とした。
Figure 0005728646
表1の結果より、木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも低い圧力下で加湿加熱処理した場合、木質繊維の成型板の厚みの低下は小さく、厚みバラツキも小さいことが確認できた(実施例1−3)。また、その木質繊維の成型板を用いて製造された木質化粧板は、反り量が抑えられていることが確認できた(実施例1−5)。実施例2−3で得られた木質化粧板は、木質繊維の成型板と表面化粧材とを積層一体化する際の加熱圧締時の温度よりも高い溶融温度を有する撥水剤を含有する撥水剤希釈液を用いているので反り量が効果的に抑えられている。実施例3で得られた木質化粧板は、加湿加熱処理の加熱温度が実施例2と比べて高いので、実施例2で得られた木質化粧板よりも反り量がさらに効果的に抑えられている。実施例4で得られた木質化粧板は、切込み加工を施した木質繊維の成型板を用いているので反り量がより効果的に抑えられている。実施例5で得られた木質化粧板は、アクリル樹脂含有撥水剤希釈液を用いているので反り量がより効果的に抑えられている。これら実施例1−5で得られた木質化粧板の表面をサンダー仕上げし、床用塗装仕上げを施した結果、外観、平面剥離強度での不具合は見られなかった。
これに対して、木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも高い圧力下で加湿加熱処理した場合には、木質繊維の成型板の厚みの低下は大きく、厚みバラツキも大きくなっていることが確認できた(比較例2)。また、加湿加熱処理を施していない木質繊維の成型板を用いて製造された木質化粧板は、反り量が大きくなっていることが確認できた(比較例1)。

Claims (6)

  1. 木質繊維の成型板またはそれを表面に有する複合材の表面に水性接着剤を塗布して表面化粧材を積層一体化する木質化粧板の製造方法において、前記水性接着剤の塗布前に、前記木質繊維の成型板に対して、この木質繊維の成型板製造時の成型圧力よりも低い圧力下で、撥水剤を含有する水を用いて加湿加熱処理を施すことを特徴とする木質化粧板の製造方法。
  2. 前記撥水剤の溶融温度は、前記木質繊維の成型板と前記表面化粧材とを積層一体化する際の加熱圧締時の温度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の木質化粧板の製造方法。
  3. 前記加湿加熱処理後、前記水性接着剤の塗布前に、前記木質繊維の成型板の表面に前記撥水剤を塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の木質化粧板の製造方法。
  4. 前記加湿加熱処理前に、前記木質繊維の成型板の表面に切込み加工を施すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の木質化粧板の製造方法。
  5. 前記加湿加熱処理の加熱温度が、前記撥水剤の融点以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の木質化粧板の製造方法。
  6. 前記撥水剤は、パラフィンワックス、脂肪酸アミドおよびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項から5のいずれか一項に記載の木質化粧板の製造方法。
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