JP5727315B2 - 過渡走行シミュレーション装置及び方法 - Google Patents
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したがって、適合試験では、エンジンの特性を加味して、燃費向上や排気ガスの清浄化といったような要求を満たす性能を最大限に発揮することを目的として行われる。
なお、EGR(排気再循環、Exhaust Gas Recirculation)とは、燃焼後の排気ガスの一部を取り出し、吸気側へ導き再度吸気させることであり、シリンダへの再度の吸気により、シリンダ内の燃焼温度を下げて、排気ガス中のNOx(窒素酸化物)の排出量を抑制することを目的として行われる。吸気への再吸気の調節は、排気管5に接続され、シリンダに接続される排気流弁(EGRバルブ)の開閉の割合(以下、EGR開度という。)を変化させて行う。本実施形態において、ECU3は、エンジン2の吸排気制御をEGRバルブの開閉により制御する。
計測機4は、主に排気ガス等のエミッション要素や燃料消費等を計測可能に構成される。
また、計測機4は、本実施形態においては、エミッション要素のうち、少なくとも、スモークオパシ(以下、単にオパシという。)、一酸化炭素、二酸化炭素、NOx又はHC(炭化水素)を計測可能に構成される。なお、オパシは、計測機4により、排気ガス中の粒子状物質に対する光の透過率(スモーク透過度)として、計測される。
処理部12は、実験計画法に基づいて算定されたデータ(以下、実験計画データという。)や取得されたデータに基づいて、ECU3の設定を行う。
これに対して定常状態とは、過渡状態に対応する用語であり、試験時間内において、エンジン2の設定値を変化させない状態のことをいう。
また、トレードオフの関係とは、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという二律背反する関係(例えば、エミッション要素のうち、NOxとオパシとの関係)をいう。
走行モードデータd2は、排ガス規制基準の目安となる走行状態を規定したデータである。
定常駆動データd3は、所定の設定の下、定常状態(スロットル開度一定にした状態)でエンジン2を駆動させて実際に計測をした出力値や、計測した出力値(実測値)から予測した出力値(予測値)の設定データである。
過渡駆動データd4は、所定の設定の下、加速状態においてエンジン2を駆動させて、実際に計測をした出力値や、計測した出力値(実測値)から予測した出力値(予測値)の設定データである。本実施形態において、過渡駆動データd4は、所定の回転数及び所定の加速時間において、EGR開度及びVGT開度を変化させた駆動試験において計測されるデータである。所定の加速時間は、走行頻度表データd5を参照し、回転速度ごとの所定の頻度より頻度の高い加速時間である。
走行頻度表データd5は、走行モードデータd2を解析することにより作成される。
また、数学における最適化問題においては、本実施形態において出力値に相当する用語が目的関数であり、設定値に相当する用語が設計変数である。この際、最適化とは、上述した最適解を算出(選択)することであり、多目的最適化とは、複数のトレードオフの関係となる目的関数についての最適解の算出(選択)することをいう。
また、過渡運転試験装置1は、これら複数の出力値の組み合わせのうちで、他の出力値の組み合わせに優越されることがない出力値の組み合わせを複数選択(算出)することができる。
まず、データの作成処理の概要について説明する。データの作成処理は、データ取得工程ST1と、対応付け工程ST2、最適解選択工程ST3と、最適解抽出工程ST4とからなる。
対応付け工程ST2は、データ取得工程ST1により取得された出力値と設定値とを対応付ける。
最適解選択工程ST3は、前記対応付け工程により対応付けられた複数の出力値の組み合わせに基づいて、他の出力値の組み合わせに優越されない出力値の組み合わせである最適解を選択する。
最適解抽出工程ST4は、最適解を抽出し、最適解データd6を作成する。
本実施形態におけるエンジン2の駆動試験(以下、単に駆動試験という)は、実験計画法により決定され、所定の回転数(750rpm、1000rpm及び1250rpm)で、所定の時間(2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒及び9秒)エンジン2を加速させる。各時間においてエンジン2を加速させた状態で、所定のポイント(秒数)で設定値(EGR開度及びVGT開度)を変更させた状態で出力(エミッションの内、本実施形態においてはNOx及びオパシ)を計測する。また、所定ポイントでの各設定値は、本実施形態においては25パターンの組み合わせが設定される。
なお、本実施形態において、所定のポイントとは、図9(a)から(c)に示すように、ベースマップに基づいて決定された切り替えポイントP(後の変更箇所決定部122において詳述する。)において、EGR開度及びVGT開度の設定値を変更するポイントである。
加速時間の決定方法は、まず、図7(a)に示す走行データでの加速時間の頻度を算出することにより行われる。図7(b)に示すように、各速度の変化から加速箇所を特定する。次に、特定された加速箇所において、図7(c)に示すように、速度変化をスロットル開度の移行時間に変換することにより、加速時間を割り出す。
全加速箇所において、加速時間を割り出すことにより、加速時間の頻度が分かるために、この加速時間の頻度と、駆動試験の実施回数とを考慮して、駆動試験に供する加速時間を決定する。
ベースマップは、例えば、図9(a)において、四角で示すように、定常状態の運転により測定された値(本実施形態においては、オパシ値及びNOx値)を基にして決定された各噴射量での最適な設定値(EGR開度)からなる。すなわち、ベースマップは、予め行われた定常適合試験の結果、作成されたECUマップである。
ステップST10においては、データ取得部121は、計測機4から駆動試験により計測した出力値の取得を行う。駆動試験は、図10(a)に示すように、所定時間(例えば、2秒)においてスロットル開度を0%から100%まで変化させて行う。図10(a)において、スロットル開度を0%から100%まで変化させると、スロットル開度の変化に伴って、スロットルに対応する鎖線で示す燃料噴射量も変化する。また、上述した変更箇所決定部122により決定された設定値の変更箇所(切り替えポイントP1、切り替えポイントP2)を起点に、図10(a)において実線で示したEGR開度及び図10(a)において二点鎖線で示したVGT開度を所定の値に変化させる。
そして、近似モデル作成部102は、回転速度及び加速時間ごとに一次近似モデルを作成し、図18に示される多層過渡近似モデルを作成する。なお、図18において、単位Qfindは、p(トルク)に相当する。
(1)図7の走行モードデータd2から毎秒の回転、トルク(≒Qfind)、加速時間を計算する。
(2)計算した毎秒の回転と加速時間とに基づいて、多層過渡近似モデルから適用する一次近似モデルを選択する。毎秒の回転と加速時間と複数の一次近似モデルから補間することもできる。
(3)一次近似モデルに、(2)で計算したトルク値を入力し、毎秒のNOx値を得る。
(4)毎秒のNOx値を加算し、累積する。その結果、例えば、図19のような、走行モードデータd2に従って走行した場合のシミュレーション値が得られる。
そして、求められた回転数でのEGR開度(又はVGT開度)から、駆動試験を行っていない回転数での各噴射量におけるEGR開度(又はVGT開度)を補間して求める。
結果的に、ステップST260及びステップST270において、全回転数の各噴射量におけるEGR開度(又はVGT開度)が求められる。
したがって、過渡走行シミュレーション装置10は、過渡状態におけるエンジンの性能を客観的に、精度よく推定することができる。
2 エンジン
3 ECU
4 計測機
5 排気管
6 EGRユニット
7 VGTユニット
10 過渡走行シミュレーション装置
101 最適解取得部
102 近似モデル作成部
103 性能算出部
104 規定値判定部
105 最適解格納部
106 マップ作成部
1061 噴射量補間部
1062 回転数補間部
11 記憶部
12 処理部
121 データ取得部
122 変更箇所決定部
123 対応付け部
124 遅れ補正部
125 応答曲面モデル作成部
126 出力値評価部
127 最適解選択部
128 初期値抽出部
129 最適解探索部
130 最適解抽出部
13 表示部
14 操作入力部
d1 車両諸元データ
d2 走行モードデータ
d3 定常駆動データ
d4 過渡駆動データ
d5 走行頻度表データ
d6 最適解データ
d7 ECUマップ
Claims (2)
- エンジンの制御要素に係る設定値に従って制御駆動される当該エンジンの性能を所定の走行モードによってシミュレーションする過渡走行シミュレーション装置であって、
前記走行モードについてエンジンの回転速度ごとに加速時間の頻度を対応付けた走行頻度表を記憶する走行頻度表データ記憶部と、
前記走行頻度表データ記憶部に記憶された各回転速度について、所定の頻度より高い頻度の加速時間ごとに、複数の変更した設定値を用いてエンジンの駆動試験を行い、前記エンジンの性能を示す複数種類の出力値を計測した過渡駆動データから抽出された最適解であって、前記複数の変更した設定値による複数種類の出力値の組み合わせが、他の設定値による出力値の組み合わせに優越されないような設定値である前記最適解を記憶する最適解データ記憶部と、
前記最適解データ記憶部から一組の最適解を取得する最適解取得部と、
前記最適解取得部によって取得された前記一組の最適解に基づいて、前記回転速度及び前記加速時間ごとに負荷の入力に対して前記エンジンの性能を示す出力値を出力する近似モデルを作成する近似モデル作成部と、
前記近似モデル作成部によって作成された近似モデルと、前記所定の走行モードとによって、前記エンジンの性能を算出する性能算出部と、
前記性能算出部によって算出された性能が、所定の規定値を満たすか否かを判定し、所定の規定値を満たさないと判定した場合に、前記最適解取得部による取得と前記近似モデル作成部による作成と前記性能算出部による算出とを繰り返す規定値判定部と、
前記規定値判定部によって前記規定値を満たすと判定された前記一組の最適解を記憶する最適解格納部と、
前記最適解格納部によって記憶された前記一組の最適解に対応するマップであって、前記回転速度及び前記負荷に対して前記設定値をマップ化した前記マップを作成するマップ作成部と、
を備える過渡走行シミュレーション装置。 - エンジンの制御要素に係る設定値に従って制御駆動される当該エンジンの性能を所定の走行モードによってシミュレーションする過渡走行シミュレーション装置が実行する方法であって、
前記過渡走行シミュレーション装置は、
前記走行モードについてエンジンの回転速度ごとに加速時間の頻度を対応付けた走行頻度表を記憶する走行頻度表データ記憶部と、
前記走行頻度表データ記憶部に記憶された各回転速度について、所定の頻度より高い頻度の加速時間ごとに、複数の変更した設定値を用いてエンジンの駆動試験を行い、前記エンジンの性能を示す複数種類の出力値を計測した過渡駆動データから抽出された最適解であって、前記複数の変更した設定値による複数種類の出力値の組み合わせが、他の設定値による出力値の組み合わせに優越されないような設定値である前記最適解を記憶する最適解データ記憶部と、を備え、
前記方法は、
前記最適解データ記憶部から一組の最適解を取得する最適解取得ステップと、
前記最適解取得ステップによって取得された前記一組の最適解に基づいて、前記回転速度及び前記加速時間ごとに負荷の入力に対して前記エンジンの性能を示す出力値を出力する近似モデルを作成する近似モデル作成ステップと、
前記近似モデル作成ステップによって作成された近似モデルと、前記所定の走行モードとによって、前記エンジンの性能を算出する性能算出ステップと、
前記性能算出ステップによって算出された性能が、所定の規定値を満たすか否かを判定し、所定の規定値を満たさないと判定した場合に、前記最適解取得ステップによる取得と前記近似モデル作成ステップによる作成と前記性能算出ステップによる算出とを繰り返す規定値判定ステップと、
前記規定値判定ステップによって前記規定値を満たすと判定された前記一組の最適解を記憶する最適解格納ステップと、
前記最適解格納ステップによって記憶された前記一組の最適解に対応するマップであって、前記回転速度及び前記負荷に対して前記設定値をマップ化した前記マップを作成するマップ作成ステップと、
を備える方法。
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