JP2013104330A - 過給エンジンの吸気流量推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給エンジンの吸気流量を正確且つ簡易に推定することのできる吸気流量推定装置を提供する。
【解決手段】吸気管圧力と筒内ガス量との間に近似的に成り立つ一次関係式を用いて、吸気管圧力“Pm”から筒内ガス量“Mcyl”を算出する。そして、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”より大きい場合、筒内ガス量“Mcyl”にスカベンジ量“Msca”を加算して得られる値を吸気流量“Mc”として算出する。一方、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”以下の場合、筒内ガス量“Mcyl”に内部EGR量“Megr”を加算して得られる値を吸気流量“Mc”として算出する。スカベンジ量“Msca”は、一次関係式“Msca=d*(Pm-Pc)”を用いて計算し、内部EGR量“Megr”は、一次関係式“Megr=c*(Pm-Pc)”を用いて計算する。
【選択図】図7

Description

本発明は、過給エンジンの吸気流量、すなわち、吸気バルブを通過して筒内に吸入される空気の流量を推定する装置に関する。
自動車用のレシプロエンジン(以下、単にエンジンという)では、吸気管圧力と吸気流量との関係が一次関係式で近似できることが実験により確かめられている。ただし、可変バルブタイミング機構を備えるエンジンの場合には、バルブオーバーラップの有無によって吸気管圧力と吸気流量との関係は異なったものとなる。よって、吸気管圧力と吸気流量との関係を全域において1つの一次関係式で近似することはできない。この場合、吸気管圧力と吸気流量との関係をより高次の関係式で近似する方法や、吸気管圧力と吸気流量とを対応させるマップを作成する方法が1つの案として考えられる。しかし、それらの方法では、適合作業に要する工数が多大になるとともに、データ量の増大によって大きなROM容量が必要となる。
特開2002−180877号公報には、上記の問題に対する解決策が開示されている。この公報に開示された発明によれば、吸気管圧力と吸気流量との関係を表す関係式として、所定の閾値圧力において交差する2つの一次関係式が用いられる。吸気管圧力が閾値圧力以下の場合には傾きの小さい第1の一次関係式を用いて吸気流量が算出され、吸気管圧力が閾値圧力より大きい場合には傾きの大きい第2の一次関係式を用いて吸気流量が算出される。この発明によれば、同一点を通る2つの一次関係式の切片及び傾きを設定すればよいので、関係式の作成に要する適合工数は少なくて済み、また、設定データが少ないことによりメモリ容量を低減することもできる。
特開2002−180877号公報 特開2006−522889号公報
ところで、過給エンジンでは、吸気管圧力が背圧より低い場合、排気管から吸気管へ吹き戻される排気ガスの流量、すなわち、内部EGR量が吸気管圧力と吸気流量との関係に影響する。一方、吸気管圧力が背圧より高い場合は、吸気管から排気管へ吹き抜ける空気の流量、すなわち、スカベンジ量が吸気管圧力と吸気流量との関係に影響する。さらに、過給エンジンがウエストゲートバルブを有する場合には、ウエストゲートバルブの動作は背圧を変化させ、内部EGR量やスカベンジ量を変化させる。このため、過給エンジン、特にウエストゲートバルブを有する過給エンジンでは、吸気管圧力と吸気流量との関係を1つの一次関係式で近似することは難しい。
図8は、過給エンジンにおける吸気管圧力と吸気流量との関係について調べた結果を示すグラフである。このグラフでは、ウエストゲートバルブ(WGV)が閉じている場合と開いている場合のそれぞれのケースにおける実験データが示されている。このグラフには、吸気管圧力と筒内ガス量(単位:g/s)との関係も併せて示されている。筒内ガス量は吹き抜けと吹き戻しのどちらも発生しない場合の吸気流量に等しいことから、吸気管圧力と筒内ガス量との関係は1つの一次関係式で表すことができる。図9は、図8の実験データを加工して得られた内部EGR量及びスカベンジ量と吸気管圧力との関係を示すグラフである。図8のグラフにおいて吸気流量が筒内ガス量よりも大きい場合、その差分がスカベンジ量であり、吸気流量が筒内ガス量よりも小さい場合、その差分が内部EGR量である。
図8に示す実際の吸気管圧力と吸気流量との関係は複雑であるが、2次以上の高次の関係式を用いるならば高い精度で近似することも不可能ではない。ただし、その場合には、設定すべき係数の数が増大するために適合作業に要する工数が多大になる。また、データ量の増大によって大きなROM容量が必要にもなる。
また、別の方法として、内部EGR量とスカベンジ量とをそれぞれ計算で求める方法が考えられる。具体的には、内部EGR量“Megr”は吸気管圧力“Pm”が背圧“Pex”よりも低いことを条件にして次の式Aによって計算することができる。そして、スカベンジ量“Msca”は吸気管圧力“Pm”が背圧“Pex”よりも高いことを条件にして次の式Bによって計算することができる。なお、各式において、“μ”は流量係数、“Avl”は吸気バルブから排気バルブまでを1つの絞りとみなした場合の流路面積、“Tex”は排気管温度、“Tm”は吸気管温度、“φ”は圧力比の関数である。
Figure 2013104330
吸気管圧力“Pm”が背圧“Pex”よりも低い場合には、上記の式Aを用いて算出した内部EGR量“Megr”を筒内ガス量に加算することによって吸気流量を算出することができる。また、吸気管圧力“Pm”が背圧“Pex”よりも高い場合には、上記の式Bを用いて算出したスカベンジ量“Msca”を筒内ガス量に加算することによって吸気流量を算出することができる。しかし、この方法では、各式の係数の設定のために適合作業に要する工数が多大になる。また、この方法では、複雑な計算のためにECUの演算負荷が大きくなってしまう。
以上述べたように、吸気流量を正確且つ簡易に推定できるようにすることは、過給エンジン、特にウエストゲートバルブを有する過給エンジンを的確に制御する上での1つの課題である。
上記の課題を達成するために、本発明に係る過給エンジンの吸気流量推定装置は、以下の動作を行うように構成される。
本発明の1つの形態によれば、本吸気流量推定装置は、吸気管圧力を取得し、吸気管圧力と筒内ガス量との間に近似的に成り立つ一次関係式を用いて、吸気管圧力の取得値から筒内ガス量の推定値を算出する。吸気管圧力を取得する方法としては、圧力センサによる計測でもよいし、モデルを用いた計算でもよい。そして、本吸気流量推定装置は、吸気管圧力取得値が所定の閾値圧力より大きい場合は、筒内ガス量推定値に後述するスカベンジ量推定値を加算して得られる値を吸気流量の推定値として算出する。一方、吸気管圧力取得値が閾値圧力以下の場合は、筒内ガス量推定値から後述する内部EGR量推定値を減算して得られる値を吸気流量の推定値として算出する。なお、ここではスカベンジ量推定値と内部EGR量推定値はともにプラスの値であるとする。
本吸気流量推定装置は、スカベンジ量推定値を吸気管圧力取得値から計算する。また、内部EGR量も吸気管圧力取得値から計算する。スカベンジ量推定値の計算には、吸気管圧力とスカベンジ量との間に近似的に成り立つ関係式であって吸気管圧力が閾値圧力のときにスカベンジ量がゼロとなる一次関係式を使用する。内部EGR量推定値の計算には、吸気管圧力と内部EGR量との間に近似的に成り立つ関係式であって吸気管圧力が閾値圧力のときに内部EGR量がゼロとなる一次関係式を使用する。
このように吸気管圧力からスカベンジ量或いは内部EGR量を算出し、それにより筒内ガス量を補正したものを吸気流量として算出することにより、吸気管圧力と吸気流量との関係を実際の状態に近似させることができるので、過給エンジンにおける吸気流量を正確に計算することができる。また、筒内ガス量だけでなくスカベンジ量も内部EGR量も一次関係式を用いて算出するため、高次の関係式を用いる場合や吸気管圧力と吸気流量とを対応付けるマップを用いる場合と比較して吸気流量の計算は簡易なものとなる。
本発明の好ましい形態によれば、本吸気流量推定装置は、上述の動作を行うことに加えて、スカベンジ量推定値の計算に用いる一次関係式の傾きをウエストゲートバルブの開度に応じて変更したり、内部EGR量推定値の計算に用いる一次関係式の傾きをウエストゲートバルブの開度に応じて変更したりする。より好ましくは、ウエストゲートバルブの開度に応じて閾値圧力も変更する。過給エンジンがウエストゲートバルブを有する場合、ウエストゲートバルブの開度が変化すれば背圧が変化することとなって、吸気管圧力とスカベンジ量及び内部EGR量との関係にも変化が生じる。このような特性を踏まえ、ウエストゲートバルブの開度に応じて各一次関係式の傾きを変化させ、さらには、ウエストゲートバルブの開度に応じて閾値圧力を変更することにより、吸気流量のより正確な計算が可能となる。
本発明の別の好ましい形態によれば、本吸気流量推定装置は、上述の動作を行うことに加えて、算出するスカベンジ量推定値の大きさを所定の制限値によって制限したり、算出する内部EGR量推定値の大きさを所定の制限値によって制限したりする。スカベンジ量は吸気管圧力に対する背圧の比が小さくなるにつれて一定値に近づき、内部EGR量は背圧に対する吸気管圧力の比が小さくなるにつれて一定値に近づいていく。このような特性を踏まえ、スカベンジ量と内部EGR量のそれぞれに制限値を設けることにより、吸気流量のより正確な計算が可能となる。この場合、過給エンジンが可変バルブタイミング機構を備えるのであれば、各制限値の大きさをバルブオーバーラップ量に応じて変更することがより好ましい。スカベンジ量や内部EGR量の最大値はバルブオーバーラップ量によって変化するからである。
また、吸気バルブの作用角が可変であるならば、筒内ガス量推定値の計算に用いる一次関係式の傾き及び切片は吸気バルブの作用角に応じて変更することが好ましい。吸気バルブの作用角が変化すれば吸気管圧力と筒内ガス量との関係にも変化が生じるからである。
以上述べたように、本吸気流量推定装置によれば、過給エンジンの吸気流量を正確且つ簡易に推定することができる。
本発明の実施の形態の吸気流量推定装置の機能を示す図である。 図1の吸気流量推定装置により算出される筒内ガス量と吸気管圧力との関係を示すグラフである。 図1の吸気流量推定装置により算出されるスカベンジ量及び内部EGR量と吸気管圧力との関係を示すグラフである。 図1の吸気流量推定装置により算出されるスカベンジ量及び内部EGR量とウエストゲートバルブ開度との関係を示すグラフである。 図1の吸気流量推定装置により算出されるスカベンジ量及び内部EGR量とバルブオーバーラップ量との関係を示すグラフである。 図1の吸気流量推定装置により算出される吸気流量と吸気管圧力との関係を示すグラフである。 図1の吸気流量推定装置の動作を示すフローチャートである。 過給エンジンにおける吸気管圧力と吸気流量との関係について調べた結果を示すグラフである。 図8の実験データを加工して得られた内部EGR量及びスカベンジ量と吸気管圧力との関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態において本発明の吸気流量推定装置が適用されるエンジンは、吸気バルブ及び排気バルブを備える4サイクルレシプロエンジンであり、ターボ過給機を備えた過給エンジンである。より詳しくは、ウエストゲートバルブを有する過給エンジンである。本実施の形態の過給エンジンは、吸気バルブと排気バルブのバルブオーバーラップ量と吸気バルブの作用角とを独立して或いは連動して変化させることができる可変動弁機構を備えている。
本実施の形態の吸気流量推定装置は、上述のような過給エンジンを制御するECU(Electronic Control Unit)の一機能として実現される。ECUが吸気流量推定装置として動作する場合の機能と入出力信号とを図1に示す。吸気流量推定装置は、筒内ガス量の推定機能、スカベンジ量の推定機能、内部EGR量の推定機能、及び吸気流量の推定機能を備える。吸気流量推定装置への入力信号には、吸気管圧力、ウエストゲートバルブの開度(以下、WGV開度と表記する)、バルブオーバーラップ量(以下、バルブO/L量と表記する)、及び吸気バルブ作用角が含まれる。吸気流量推定装置からの出力信号には、筒内ガス量、スカベンジ量、内部EGR量、及び吸気流量が含まれる。なお、本明細書では、筒内ガス量とは、サイクル当たり筒内ガス量ではなく、それをサイクルタイムで除した値、すなわち時間当たり筒内ガス量を意味する。スカベンジ量及び内部EGR量についても同様であって、それぞれ、時間当たりスカベンジ量と時間当たり内部EGR量とを意味する。よって、本明細書における筒内ガス量、スカベンジ量、内部EGR量、及び吸気流量の単位は、何れも“g/s”である。
以下、吸気流量推定装置が備える各機能の内容について説明する。
まず、筒内ガス量推定機能から説明する。この機能によって推定される筒内ガス量は、吸気流量推定装置の最終的な出力である吸気流量の計算に用いられる。本明細書における筒内ガス量は、気筒内に閉じ込められるガスの時間当たりの量である。筒内ガス量は、エンジンが発生させるトルクの計算や点火時期の計算にも用いることができるが、本明細書ではそれについての説明は省略する。
筒内ガス量推定機能によれば、次の式1によって吸気管圧力“Pm”から筒内ガス量“Mcyl”が算出される。吸気管圧力とは、吸気管における吸気バルブの上流の圧力である。吸気管圧力“Pm”は、吸気管に圧力センサを備える場合には、その圧力センサの信号から算出することができる。また、そのようなセンサを備えない場合であっても、吸気通路における空気の挙動をモデル化した物理モデルを用いて吸気管圧力“Pm”を算出することができる。
Mcyl=a*Pm−b ・・・式1
式1に示すように、吸気管圧力“Pm”と筒内ガス量“Mcyl”との関係は一次関係式によって近似することができる。図2のグラフには、吸気管圧力“Pm”と筒内ガス量“Mcyl”との関係が直線で示されている。この直線は、吸気流量を算出する上での基準線としての意味を有する。式1の一次関係式で示す関係は、エンジンの運転域の全域で成り立つ関係である。ただし、吸気バルブの作用角の大小によって、一次関係式の1次の係数“a”とゼロ次の係数“b”の各値が変更される。つまり、グラフ中に点線で示すように、吸気バルブの作用角に応じて基準線の傾きと切片の値が変更される。吸気バルブの作用角が大きいほど吸気管から気筒内に吸入される空気量は大きくなることから、各係数“a、b”は図2に示すような特性が得られるように設定される。なお、各係数“a、b”の具体的な値は吸気バルブの作用角を変更しながら行う適合によって決定される。
次に、内部EGR量推定機能とスカベンジ量推定機能とについて併せて説明する。内部EGR量推定機能は、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”以下の場合に実行される機能である。一方、スカベンジ量推定機能は、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”よりも大きい場合に実行される機能である。閾値圧力“Pc”は、エンジンの運転状態に関する情報に基づき算出される背圧の推定値である。吸気管圧力が背圧より小さければ、排気管から吸気管へ排気ガスが吹き戻される現象、すなわち、内部EGRが発生する。逆に吸気管圧力が背圧より大きければ、吸気管から排気管へ空気が吹き抜ける現象、すなわち、スカベンジが発生する。
内部EGR量推定機能によって推定される内部EGR量は、吸気流量推定装置の最終的な出力である吸気流量の計算に用いられる。同様に、スカベンジ量推定機能によって推定されるスカベンジ量も吸気流量の計算に用いられる。本明細書における内部EGR量は、排気管から気筒内或いは吸気管へ吹き戻される排気ガスの時間当たりの量である。また、本明細書におけるスカベンジ量は、吸気管から排気管へ吹き抜ける空気の時間当たりの量である。内部EGR量はEGR率のフィードバック制御において実EGR率の計算に用いることができ、スカベンジ量は触媒床温の推定のための入力情報として用いることができる。ただし、本明細書ではそれらについての説明は省略する。
内部EGR量推定機能によれば、次の式2によって吸気管圧力“Pm”から内部EGR量“Megr”が算出される。また、スカベンジ量推定機能によれば、次の式3によって吸気管圧力“Pm”からスカベンジ量“Msca”が算出される。なお、式2及び式3では、エンジン内のガスの流れの順方向をプラス方向としている。よって、内部EGR量“Megr”はマイナス値となり、スカベンジ量“Msca”はプラス値となる。
Megr=c*(Pm−Pc) ・・・式2
Msca=d*(Pm−Pc) ・・・式3
式2に示すように、吸気管圧力“Pm”と内部EGR量“Megr”との関係は一次関係式によって近似することができる。また、吸気管圧力“Pm”とスカベンジ量“Msca”との関係も一次関係式によって近似することができる。ただし、これらの関係が成り立つのは吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”に近い場合であり、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”よりも小さいほど内部EGR量“Megr”は一定値に近づく。また、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”よりも大きいほどスカベンジ量“Msca”は一定値に近づく。このことは図8に示す実験データから確認することができる。このため、内部EGR量推定機能では、内部EGR量“Megr”の大きさが所定の制限値で制限される。同様に、スカベンジ量推定機能でも、スカベンジ量“Msca”の大きさが所定の制限値で制限される。図3のグラフには、吸気流量推定装置によって算出される内部EGR量“Megr”及びスカベンジ量“Msca”と吸気管圧力“Pm”との関係が折線で示されている。
式2に示す一次関係式の係数“c”と式3に示す一次関係式の係数“d”の各値は適合によって決定される。図3のグラフでは2つの係数“c、d”の値は同値であるように線分が描かれているが、それらは必ずしも同値ではない。上記の適合はWGV開度を変更しながら行われる。WGV開度が変われば背圧が変化し、背圧が変われば吸気管圧力“Pm”に対する内部EGR量“Megr”やスカベンジ量“Msca”の関係にも変化が生じるからである。また、背圧が変化すれば閾値圧力“Pc”の値も変化する。吸気流量推定装置は、WGV開度ごとに適合されたデータに基づき、WGV開度の大小に応じて各一次関係式の係数“c、d”の値と閾値圧力“Pc”の値を変更する。図4のグラフは、吸気管圧力“Pm”に対する内部EGR量“Megr”及びスカベンジ量“Msca”の変化を示す折線の形状がWGV開度によってどのように変わるかを示している。このグラフ中に点線で示すように、WGV開度を小さくした場合、背圧が高くなることによって閾値圧力“Pc”の値は大きくなり、折線の傾きに相当する係数“c、d”の値は小さくなる。なお、WGV開度が最大の場合の閾値圧力“Pc”の値は大気圧付近とされている。
また、内部EGR量の制限値とスカベンジ量の制限値の各値も適合によって決定される。各制限値の適合はバルブO/L量を変更しながら行われる。内部EGRの発生時に排気管から吸気管へ吹き戻される排気ガスの量はバルブO/L量の大小によって変わり、また、スカベンジの発生時に吸気管から排気管へ吹き抜ける空気の量もそれによって変わるからである。この事実は、前述の式A及び式Bにおける流路面積“Avl”の値がバルブO/L量の関数として表されることによって理論的に裏付けされる。吸気流量推定装置は、バルブO/L量ごとに適合されたデータに基づき、バルブO/L量の大小に応じて各制限値の値を変更する。図5のグラフは、吸気管圧力“Pm”に対する内部EGR量“Megr”及びスカベンジ量“Msca”の変化を示す折線の形状がバルブO/L量によってどのように変わるかを示している。このグラフ中に点線で示すように、バルブO/L量を大きくした場合、内部EGR量の制限値はマイナス側により大きくなり、スカベンジ量の制限値はプラス側により大きくなる。
最後に、吸気流量推定機能について説明する。吸気流量推定機能によれば、前述の各機能の実行によって得られた筒内ガス量“Mcyl”と内部EGR量“Megr”とを用いて、或いは、筒内ガス量“Mcyl”とスカベンジ量“Msca”とを用いて吸気流量“Mc”が算出される。具体的には、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”以下の場合、次の式4に示すように、筒内ガス量“Mcyl”に内部EGR量“Megr”を加算して得られる値、或いは、筒内ガス量“Mcyl”から内部EGR量“Megr”の絶対値を減算して得られる値が吸気流量“Mc”として算出される。一方、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”より大きい場合は、次の式5に示すように、筒内ガス量“Mcyl”にスカベンジ量“Msca”を加算して得られる値が吸気流量“Mc”として算出される。
Mc=Mcyl+Megr(=Mcyl−|Megr|) ・・・式4
Mc=Mcyl+Msca ・・・式5
図6は、前述の各機能の実行によって得られる吸気流量と吸気管圧力との関係を示すグラフである。図8のグラフに示す実験データとの比較から分かるように、図6のグラフに示す吸気管圧力“Pm”と吸気流量“Mc”との関係は実際の関係に上手く近似されている。よって、本実施の形態の吸気流量推定装置によれば、吸気管圧力“Pm”から吸気流量“Mc”を正確に計算することができる。しかも、吸気流量“Mc”の計算に用いる内部EGR量“Megr”とスカベンジ量“Msca”の計算には簡素な一次関係式が用いられている。勿論、これらを2次以上の高次の関係式で表すことも可能である。しかし、関係式の次数を大きくするほど近似の精度は高くなる反面、適合に要する工数が増えるとともにECUの演算負荷が大きくなり、また、大きなROM容量が必要となる。よって、内部EGR量“Megr”やスカベンジ量“Msca”の計算に一次関係式を用いることには、近似の精度と適合工数や演算負荷等とのバランスの観点において技術的な意義がある。
図7のフローチャートは、吸気流量推定装置としてのECUに上述の一連の機能を実行させるためのルーチンを示している。このルーチンによれば、最初のステップS1にて吸気管圧力“Pm”の演算が行われる。次のステップS2では、前述の式1によって吸気管圧力“Pm”から筒内ガス量“Mcyl”が算出される。また、ステップS3では、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”以下かどうか判定される。そして、その判定結果に応じてステップS4、S5及びS6の処理、或いは、ステップS7、S8及びS9の処理が選択される。
吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”以下の場合、ステップS4、S5及びS6の処理が実行される。ステップS4では、前述の式2によって吸気管圧力“Pm”から内部EGR量“Megr”が算出される。続くステップS5では、ステップS4で算出された内部EGR量“Megr”の大きさが所定の制限値によって制限される。そして、ステップS6では、前述の式4に従い、筒内ガス量“Mcyl”に内部EGR量“Megr”を加算して得られる値が吸気流量“Mc”として算出される。
一方、吸気管圧力“Pm”が閾値圧力“Pc”より大きい場合、ステップS7、S8及びS9の処理が実行される。ステップS7では、前述の式3によって吸気管圧力“Pm”からスカベンジ量“Msca”が算出される。続くステップS8では、ステップS7で算出されたスカベンジ量“Msca”の大きさが所定の制限値によって制限される。そして、ステップS9では、前述の式5に従い、筒内ガス量“Mcyl”にスカベンジ量“Msca”を加算して得られる値が吸気流量“Mc”として算出される。
このようなルーチンがECUにより実行されることによって、上述の一連の機能を備えた吸気流量推定装置が実現されることになる。
以上、本発明の1つの実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、本発明の吸気流量推定装置が適用される過給エンジンはバルブO/L量が固定されているエンジンでもよく、吸気バルブの作用角が固定されているエンジンでもよい。さらに、ウエストゲートバルブを有しない過給エンジンにも本発明の吸気流量推定装置を適用することは可能である。

Claims (6)

  1. 吸気管圧力を取得する手段と、
    吸気管圧力と筒内ガス量との間に近似的に成り立つ一次関係式を用いて、吸気管圧力の取得値から筒内ガス量の推定値を算出する筒内ガス量推定手段と、
    前記吸気管圧力取得値からスカベンジ量の推定値を計算するスカベンジ量推定手段と、
    前記吸気管圧力取得値から内部EGR量の推定値を計算する内部EGR量推定手段と、
    前記吸気管圧力取得値が所定の閾値圧力より大きい場合、前記筒内ガス量推定値に前記スカベンジ量推定値を加算して得られる値を吸気流量の推定値として算出し、前記吸気管圧力取得値が前記閾値圧力以下の場合、前記筒内ガス量推定値から前記内部EGR量推定値を減算して得られる値を吸気流量の推定値として算出する吸気流量推定手段とを備え、
    前記スカベンジ量推定手段は、吸気管圧力とスカベンジ量との間に近似的に成り立つ関係式であって吸気管圧力が前記閾値圧力のときにスカベンジ量がゼロとなる一次関係式を用いて前記スカベンジ量推定値を計算するように構成され、
    前記内部EGR量推定手段は、吸気管圧力と内部EGR量との間に近似的に成り立つ関係式であって吸気管圧力が前記閾値圧力のときに内部EGR量がゼロとなる一次関係式を用いて前記内部EGR量推定値を計算するように構成されていることを特徴とする過給エンジンの吸気流量推定装置。
  2. 前記スカベンジ量推定手段は、前記スカベンジ量推定値の計算に用いる前記一次関係式の傾きをウエストゲートバルブの開度に応じて変更するように構成され、
    前記内部EGR量推定手段は、前記内部EGR量推定値の計算に用いる前記一次関係式の傾きを前記ウエストゲートバルブの開度に応じて変更するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の過給エンジンの吸気流量推定装置。
  3. 前記吸気流量推定手段、前記スカベンジ量推定手段、並びに前記内部EGR量推定手段は、前記ウエストゲートバルブの開度に応じて前記閾値圧力を変更するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の過給エンジンの吸気流量推定装置。
  4. 前記スカベンジ量推定手段は、算出する前記スカベンジ量推定値の大きさを所定の制限値によって制限するように構成され、
    前記内部EGR量推定手段は、算出する前記内部EGR量推定値の大きさを所定の制限値によって制限するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の過給エンジンの吸気流量推定装置。
  5. 前記スカベンジ量推定手段は、前記制限値の大きさをバルブオーバーラップ量に応じて変更するように構成され、
    前記内部EGR量推定手段は、前記制限値の大きさをバルブオーバーラップ量に応じて変更するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の過給エンジンの吸気流量推定装置。
  6. 前記筒内ガス量推定手段は、前記筒内ガス量推定値の計算に用いる前記一次関係式の傾き及び切片を吸気バルブの作用角に応じて変更するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の過給エンジンの吸気流量推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016031037A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 日産自動車株式会社 エンジンの残ガス率推定装置及び点火時期制御装置

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