JP5726529B2 - 単一試料からのゲノムdna、rnaおよびタンパク質の単離方法 - Google Patents

単一試料からのゲノムdna、rnaおよびタンパク質の単離方法 Download PDF

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Description

関連出願のクロス・リファレンス
本出願は、2007年11月30日出願の米国予備特許出願第60/991,337号および2008年9月17日出願の同第61/097,604号に優先権を主張し;それらの開示は、本明細書中にそのまま援用される。
本発明は、ゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質の単離方法に関する。より詳しくは、それは、単一試料からのゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質の抽出および精製のための簡単且つ迅速なシステムおよび方法に関する。
ここ30年間には、生物学的源からの核酸およびタンパク質の単離および精製のための改良方法の開発にかなりの努力がなされた。これは、主として、医学および生物科学における核酸およびタンパク質の増加しつつある用途のためであった。血液、組織または培養細胞から単離されたゲノムDNAは、いくつかの用途を有するが、それには、PCR、配列決定、遺伝子型決定、ハイブリダイゼーションおよびサザンブロッティングが含まれる。プラスミドDNAは、配列決定、PCR、ワクチンの開発および遺伝子治療に利用されてきた。単離されたRNAは、in vitro 翻訳、cDNA合成、RT−PCRおよびマイクロアレイ遺伝子発現分析用を含めたいろいろな下流の用途を有する。タンパク質分野において、ウェスタンブロッティングによるタンパク質の識別は、ウイルスタンパク質検出によって示されたように、診断目的用の特定のタンパク質の基本的研究および識別において遺伝子発現を研究する場合の重要な手段になった。
核酸およびタンパク質の分析および in vitro 操作に先だって、引き続きのプロセシング手順を妨げるかもしれない望ましくない混入物から試料を分離するために、典型的に、単離工程を行う。研究および診断的分子生物学双方における極めて多数の手順について、抽出された核酸およびタンパク質は、最初の工程として必要とされる。
RNA、DNAおよびタンパク質の増加した使用は、DNA、RNAおよびタンパク質を単離するための急速で簡単且つ信頼できる方法および試薬への要求を生じた。多数の用途において、生物学的材料試料を集めることおよび引き続きのその分析は、それら三つの細胞性成分(RNA、DNAおよびタンパク質)が、単一試料から同時に単離されうるならば、実質的に単純化されると考えられる。同時単離は、試料サイズが、生検の場合のように、DNA、RNAおよびタンパク質について別々の単離プロトコルを行うことが、一層小さい試料へのその分離を妨げるように小さい場合、特に重要である。
更に、DNA、RNAおよびタンパク質の全3種類のレベルは、異なった理由について価値のある情報を与える。DNAまたは遺伝子型は、遺伝的素因および後天的突然変異/局所再配列についての情報を与える。mRNAおよびタンパク質双方のプロフィールは、生物学的状態/ステージまたは疾患の「分子ポートレート」を生じ、そして更に、疾患進展および処置のステージ分類および監視に用いることができる。DNAとは反対に、mRNAおよびタンパク質双方のプロフィールは、周囲環境に応答して絶えず変化しているので、それらは、細胞の生物学の「断片(snap shots)」である。転写レベル、翻訳レベルおよび翻訳後レベルで働いている調節機構ゆえに、mRNAおよびタンパク質のレベルは、常に相関してはいない。したがって、同じ試料からのmRNAおよびタンパク質双方を研究することは、極めて重要である。
したがって、上述のように、mRNAレベルとタンパク質レベルとの間には、しかしながら、必ずしも1:1の相関は存在しない。タンパク質レベルおよび相当するmRNAレベルを比較する場合、mRNAおよびタンパク質の比率が1:1でない全てのタンパク質について、このタンパク質を、いくつかの形の興味深い転写後および/または翻訳後調節に供する。特定の遺伝子のmRNA/タンパク質比率は、しばしば、疾患状態の間に移動する。調節機構を研究し且つmRNA/タンパク質比率のこのような移動の裏にある理由を解明することを可能にするために、同じ試料からmRNAおよびタンパク質を単離することは、極めて重要である。
更に、マイクロRNA(miRNA)調節遺伝子発現およびmiRNAの調節異常は、多数の疾患または状態に関連していた。マイクロRNAを、全タンパク質、ゲノムDNAおよび全RNAと一緒に同じ試料から単離することができるならば、それらの間の相互作用および効果についての理解への明らかな利点が存在する。マイクロRNAの単離に有効な手段は、特に、癌、神経学、心臓病学の分野において、マイクロRNAに基づく診断法および治療法の開発をも助けると考えられる。
同じ試料からのゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の単離を行うための新規な且つ好都合な方法を、本明細書中で与える。
概して、本発明は、同じ試料からの二本鎖核酸および一本鎖核酸の迅速な分離および単離のための改良された方法、システムおよびキットを提供する。二本鎖核酸は、高濃度のカオトロピック塩の存在下において鉱物支持体に選択的に吸着する。一本鎖核酸を含有するフロースルーは、一本鎖核酸が第二鉱物支持体に吸着するように調整される。タンパク質は、第二鉱物支持体のフロースルーから精製することができるが、核酸は、各々の鉱物支持体からそれぞれ溶離される。
したがって、本発明の一つの側面は、ゲノムDNA、RNAおよびタンパク質より選択される少なくとも二つの細胞性成分の分離および/または精製の方法を提供する。その方法は、最初に、生物学的試料を溶解させて、細胞性成分を含有する水溶液を生成し;次に、その水溶液を、ゲノムDNAが結合する条件下において第一鉱物支持体に加え;そして未結合RNAおよびタンパク質を含有するフロースルーを集めることを包含する。その方法は、更に、フロースルーを、RNAが結合する条件下において第二鉱物支持体に加え、そしてタンパク質を含有するフロースルーを集めることを包含する。
本発明の特定の態様において、試料は、カオトロピック塩、非イオン性洗剤および還元剤を含有する溶解溶液を用いて溶解させる。好ましくは、カオトロピック塩は、グアニジン塩酸塩(GuHCl)である。更に好ましくは、非イオン性洗剤は、NP−40であり、そして還元剤は、β−メルカプトエタノール(β−ME)である。本発明の他の態様において、第一鉱物支持体からのフロースルーは、第二鉱物支持体へのRNAの結合前に、有機物質と混合される。好ましい態様において、その有機物質は、極性または双極性非プロトン性溶媒である。最も好ましくは、有機物質は、アセトンである。
特定の態様において、その方法は、更に、第一鉱物支持体を洗浄し、そしてそれからゲノムDNAを溶離することを含む。他の態様において、その方法は、更に、第二鉱物支持体を洗浄し、そしてそれからRNAを溶離することを包含する。また他の態様において、その方法は、更に、フロースルーからタンパク質を単離することを更に包含する。
別の側面において、本発明は、二本鎖核酸、一本鎖核酸およびタンパク質を分離するおよび単離するためのキットを提供する。そのキットは、生物学的試料を溶解するための溶解溶液;二本鎖核酸を結合するための第一鉱物支持体;一本鎖核酸を結合するための第二鉱物支持体;第一鉱物支持体から二本鎖核酸を溶離するための溶離溶液;および第二鉱物支持体から一本鎖核酸を溶離するための溶離溶液を包含する。場合により、キットは、更に、ゲノムDNAおよびRNAが、それぞれの鉱物支持体に結合後に、フロースルーからタンパク質を単離するための手段を包含する。
好ましい態様において、溶解溶液は、カオトロピック塩、非イオン性洗剤および還元剤を包含する。また別の好ましい態様において、第一鉱物支持体および第二鉱物支持体は各々、シリカメンブランである。
本発明の上のおよび追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲から一層明らかになるであろう。
図1は、本発明の態様による、単一試料からのゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質の単離方法の略図を示す。 図2は、本発明の一つの態様によって単離されたゲノムDNAおよび全RNAのゲル画像を示す。 図3は、市販製品より得られたものと比較される、本発明の特定の態様によって単離されたゲノムDNAおよびRNA試料のゲル画像を示す。上部:全RNA;下部:ゲノムDNA。左側パネルは、培養HeLa細胞より単離された核酸試料を示す。右側パネルは、ラット肝組織より単離された核酸試料を示す。 図4は、市販製品よりのものと比較される、本発明の態様によってHeLa細胞培養物より単離された全RNA試料の Agilent Bioanalyzer より得られた画像である。 図5は、市販製品を用いて得られたものを含めた、試料の間で認められる極めて類似の増幅プロフィールを有する、HeLa細胞培養物からのゲノムDNA試料より得られたリアルタイムPCR増幅結果を示す。 図6は、市販製品を用いて得られたものを含めた、試料の間で認められる極めて類似の増幅プロフィールを有する、HeLa細胞培養物からの全RNA試料より得られたリアルタイムRT−PCR増幅結果を示す。 図7は、SDS−PAGEゲルのクーマシー染色であり、本発明の態様によってHeLa細胞培養物より単離された全タンパク質、更には、市販製品より単離されたものを示す。 図8は、市販製品を用いて単離されたものと比較される、本発明の態様によって単離されたタンパク質試料のウェスタンブロッティング実験より得られた結果を示す。 図9は、市販製品よりのものと比較される、本発明の態様によってラット肝組織より単離された全RNA試料の Agilent Bioanalyzer より得られた画像である。 図10は、市販製品よりを含めた、試料の間で認められる極めて類似の増幅プロフィールを有する、ラット肝組織からのゲノムDNA試料より得られたリアルタイムPCR増幅結果を示す。 図11は、市販製品を用いて得られたものを含めた、試料の間で認められる極めて類似の増幅プロフィールを有する、ラット肝組織からの全RNA試料より得られたリアルタイムRT−PCR増幅結果を示す。 図12は、SDS−PAGEゲルのクーマシー染色であり、本発明の特定の態様によってラット肝組織より単離された全タンパク質を示す。 図13は、SDS−PAGEゲルのクーマシー染色であり、本発明の態様によってラット肝組織より単離された全タンパク質、更には、市販製品より単離されたものを示す。 図14は、本発明の特定の態様によってHeLa細胞より単離されたゲノムDNAおよび全RNAのゲル画像および収量結果を示す。 図15は、本発明の特定の態様によってラット肝組織より単離されたゲノムDNAおよび全RNAのゲル画像および収量結果を示す。 図16は、本発明の態様によって精製された全RNAより単離された低分子RNA(レーン1、2、3)および対照試料(QおよびQ)のゲル画像および収量結果を示す。全RNA源材料を、別の対照として加えた(「投入」レーン)。 図17は、4種類のマイクロRNAについてのqRT−PCRグラフを示し、単離された低分子RNA試料中の低コピー数および高コピー数双方のマイクロRNAの存在が確かめられる。 図18は、本方法によって単離された全RNAからの低分子RNA単離と、二つの市販製品からのものとを比較する。低分子RNAは、下部パネル上に示され、「大型」RNA(低分子RNAを奪われた全RNA)は、上部パネル上である。
本発明は、細胞、組織および体液などの単一の生物学的材料からのゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の極めて有効で簡単な抽出のための組成物、方法およびキットを提供する。好都合には、これらは、毒性または腐食性の試薬の使用を伴うことなくおよび高価な超遠心分離装置の使用を伴うことなく達成することができる。ゲノムDNAおよび全RNAは、本発明の試薬および方法を利用して、30分もの短時間で、そしてタンパク質は45分もの短時間で単離することができる。これら結果は、個々の成分の単離のための既存の方法よりも実質的に速い。
本発明は、更に、RNA、DNA、タンパク質またはこれら細胞性成分のいずれかの少なくとも二つの組合せの別々の単離に応用可能である。得られた単離されたゲノムDNAおよび全RNAは、下流の用途に用いるのに適する高品質を有する。本発明者は、更に、他の市販プロトコルより単離された全RNAと比較したところ、本方法によって単離された全RNAは、はるかに高レベルの低分子RNAを含有するということを発見した。したがって、本発明は、更に、低分子RNAを単離する方法であって、本方法によって単離された全RNAを、既知の低分子RNA単離手順のいずれか一つに供することによる方法を提供する。低分子RNAは、したがって、他の成分(すなわち、ゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質)と一緒に、同じ出発試料から単離されうると考えられる。
「生物学的材料」または「生物学的試料」という用語は、広い意味で用いられ、そして核酸およびタンパク質を含有するいろいろな生物学的源を包含する意味である。このような源には、制限されることなく、生検材料および吸引液を含めた全組織;一次および二次細胞、形質転換された細胞系、および組織および血液細胞を含めた in vitro 培養細胞;および尿、喀痰、精液、分泌物、洗眼液および吸引液、肺洗浄液および吸引液などの体液が含まれる。葉、根、幹およびカサなどの真菌および植物の組織も、本発明の範囲内である。生物学的試料上または中に存在するかもしれない微生物およびウイルスは、本発明の範囲内である。細菌細胞も、本発明の範囲内である。
その最も広範な側面において、本発明は、組織、細胞および体液を含めた生物学的材料から実質的に純粋な且つ未分解の全RNA、ゲノムDNAおよびタンパク質を単離する方法を包含する。したがって、生物学的試料を、最初に溶解させて、細胞性成分を含有する水溶液を生成し;次に、その水溶液を、ゲノムDNAが結合する条件下において第一鉱物支持体に加え;同時に、未結合RNAおよびタンパク質を含有するフロースルーを集める。そのフロースルーを、RNAが結合する条件下において第二鉱物支持体に加え;そしてタンパク質を含有するそのフロースルーを集める。ゲノムDNAおよび全RNAは、それぞれ、第一および第二鉱物支持体より溶離する。本発明の一つの態様による作業の流れの一例を、図1に示す。
好ましくは、生物学的試料または細胞を、最初に、カオトロピック物質および/または他の塩を含有する水性溶解系中に、最も簡単な場合は、それを細胞に加えることによって溶解させる。本明細書中で用いられる「カオトロープ(chaotrope)」または「カオトロピック塩」という用語は、例えば、これに制限されるわけではないが、タンパク質または核酸の二次、三次または四次構造を変化させるが、その一次構造を無傷のまま残すことで、タンパク質または核酸に障害を引き起こす物質を意味する。代表的なカオトロープには、グアニジン塩酸塩、グアニジニウムチオシアネート、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウムおよび尿素が含まれるが、これに制限されるわけではない。カオトロピック強さを減少させる順に示される典型的な陰イオン性カオトロピック系列には、CClCOO→CNS→CFCOO→ClO >I→CHCOO→Br、ClまたはCHO が含まれる。
挙げられた出発材料のいくつか、例えば、細菌などは、それらの細胞壁の状態ゆえに、カオトロピック物質を含有する水性系中に直接的に溶解させることができない。したがって、これら出発材料は、本発明による方法で用いる前に、例えば、溶菌酵素で前処理されるべきである。
RNAおよびタンパク質の単離における最も重要な側面の一つは、単離手順の際のそれらの分解を妨げることである。したがって、生物学的試料を溶解させるための本試薬は、好ましくは、大量のカオトロピックイオンを含有する溶液である。この溶解緩衝液は、ほとんど全ての酵素を直ちに失活させて、RNAおよびタンパク質の酵素的分解を妨げる。その溶解溶液は、カオトロピック物質を、1〜10Mなどの0.1〜10Mの濃度で含有する。これらカオトロピック物質として、具体的には、過塩素酸ナトリウム、塩化グアニジニウム、グアニジニウムイソチオシアネート/グアニジニウムチオシアネート、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムおよび/またはその組合せなどの塩が用いられてよい。
好ましくは、溶解溶液は、更に、カオトロープでのRNアーゼの変性を容易にする且つ未分解のRNAの単離を助ける還元剤を包含する。好ましくは、還元剤は、2−アミノエタンチオール、トリスカルボキシエチルホスフィン(TCEP)またはβ−メルカプトエタノールである。
場合により、溶解溶液は、更に、非イオン性界面活性剤(すなわち、洗剤)を包含する。洗剤の存在は、鉱物支持体へのゲノムDNAの選択的結合を可能にする。代表的な非イオン性界面活性剤には、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TRITON X−100TM)、(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPALTMCA−630/NP−40)、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(BRIJTM30)、ソルビタリモノラウレート(Sorbitari Monolaurate)(SPANTM20)、またはポリソルベート20(すなわち、TWEENTM20)などのポリソルベート系の化学薬品が含まれるが、これに制限されるわけではない。他の商業的に入手可能なポリソルベートには、TWEENTM40、TWEENTM60およびTWEENTM80(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)が含まれる。これらおよび他の関連化学薬品はいずれも、TWEENTM20の代替品として有効である。
二本鎖核酸の選択的結合のための有効量の非イオン性洗剤は、いろいろな洗剤の間で僅かに変化しうると考えられる。しかしながら、各々の洗剤(または洗剤組合せ)の最適濃度は、いくつかの簡単な実験で容易に決定することができる。概して、0.5%またはそれより大の最終洗剤濃度は、二本鎖核酸の選択的結合に有効であるということが知られている。特定の態様において、その有効濃度は、0.5%〜約10%である。好ましい態様において、その濃度は、1%〜8%である。更に、洗剤の組合せ濃度が、0.5%〜約10%の範囲内である限り、二つ以上の非イオン性洗剤を組み合わせることができるということが注目される。
特定の濃度での洗剤の存在は、核酸回収率を改善するのみならず、精製された一本鎖核酸中の二本鎖核酸混入を減少させるということが知られている。これは、少なくとも一部分は、シリカメンブラン上の改善されたゲノムDNA結合によって達成される。
好ましい態様において、溶解溶液は、NP−40(IGEPALTMCA−630)を包含する。最も好ましい態様において、溶解溶液は、グアニジンHCl、TWEENTM20、NP−40およびβ−メルカプトエタノールを包含する。
本発明の溶解溶液は、好ましくは、その溶液のpHを維持するのに十分な量の緩衝剤を更に含有する。RNA、DNAおよびタンパク質の同時単離には、pHは、約5〜8の範囲内で維持されるべきである。溶解溶液に用いるのに好ましい緩衝剤には、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(Tris−HCl)、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム・ホウ酸およびグリシン・水酸化ナトリウムが含まれる。
生物学的試料がいったん溶解したら、細胞性成分を含有するその水溶液を、鉱物支持体に加える。溶解溶液(一定量の非イオン性洗剤を含む)の条件下において、ほとんど全部のゲノムDNAは、その第一鉱物支持体に結合するが、全RNAおよびタンパク質は、結合しないので、簡単なスピンによってフロースルーとして集められるということが知られている。
鉱物支持体は、好ましくは、多孔質または非多孔質の金属酸化物または混合金属酸化物、シリカゲル、シリカメンブラン、主として、未変性ガラス粒子、粉末ガラス、石英、アルミナ、ゼオライト、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムなどのガラスから成る材料から成る。鉱物支持体材料の粒度は、0.1μm〜1000μmであり、そして細孔度は、2〜1000μmである。この多孔質または非多孔質支持体材料は、荒充填の形で存在してよいし、またはガラス、石英またはセラミックから作られるフィルター層;および/またはシリカゲルが配列されているメンブラン;および/または鉱物支持体から作られる粒子または繊維;および石英またはグラスウールの織物;更には、官能基を含むまたは不含のラテックス粒子;またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、特に、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレンから作られるフリット材料の形で具体化されてよい。
第一鉱物支持体からのフロースルーは、全RNAおよびタンパク質を含有する。そのフロースルーを、有機溶媒と混合し、そして第二鉱物支持体に加える。特定の有機溶媒の存在下において、RNAは、その鉱物支持体に結合するが、タンパク質は結合しないということが知られている。簡単な遠心分離工程は、鉱物支持体に結合したRNAを、フロースルー中のタンパク質から分離する。
一例として、低級脂肪族アルコールなどの極性プロトン性溶媒は、適する有機溶媒である。好ましくは、有機溶媒は、双極性非プロトン性溶媒である。適する双極性非プロトン性溶媒には、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO)が含まれるが、これに制限されるわけではない。最も好ましくは、有機溶媒は、アセトンまたはアセトニトリルである。
RNA結合のための第二鉱物支持体は、上記の第一鉱物支持体と類似の材料から成る。好ましくは、第一鉱物支持体および第二鉱物支持体は各々、シリカメンブランである。
特定の用途において、ゲノムDNAおよびRNA双方を、同じ鉱物カラムに一緒に結合させることは好都合であろうと考えられる。これは、第一カラムの充填前の、双極性非プロトン性溶媒などの有機溶媒の添加によって達成することができる。DNAおよびRNAの分離は、溶離条件を制御することによるなどの慣用的な技法によって実現することができる。或いは、一方の核酸を、酵素反応によって除去することができる。
場合により行われる洗浄工程後、第一鉱物支持体上に吸着した二本鎖核酸および第二鉱物支持体上に吸着した一本鎖核酸は、それぞれ、低イオン強度の条件下においてまたは水で溶離することができる。
場合により、洗浄工程は、それぞれの核酸(一本鎖核酸または二本鎖核酸)の溶離前に行ってもよい。二本鎖ゲノムDNAを精製するために、第一鉱物支持体(すなわち、カラム)の溶解緩衝液での任意の洗浄は、残留量のRNAを全て除去する。更に、低級脂肪族アルコールなどの高濃度の有機溶媒を含有する洗浄用緩衝液は、ゲノムDNAおよびRNA双方の精製に用いられて、所望の核酸以外の成分を急速遠心分離工程によって除去することができる。
図1に示される作業の流れおよび下の実施例2および実施例3に更に記載の実験条件の後、DNAおよび全RNAは、生物学的試料から首尾よく精製された。表1は、培養細胞並びにラット肝組織を用いて得られたDNAおよび全RNA単離データを示す。良品質核酸は、これら実験から、本産業標準との比較によってまたは他の商業的に入手可能な精製キットによって得られる(下を参照されたい)。
フロースルー中のタンパク質は、更に、沈殿、ゲル濾過または疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)などの、それ自体は既知の方法で精製することができる。好ましくは、タンパク質は、沈殿によって精製される。より好ましくは、タンパク質は、二価の金属陽イオンの存在下での沈殿によって精製される。最も好ましくは、タンパク質は、ZnSOの存在下での沈殿によって単離される。表2は、いろいろな下流のタンパク質単離方法を用いて入手可能なタンパク質収量を示す。
本発明は、更に、同じ試料から低分子RNAを単離する方法を提供する。簡単にいうと、上の方法によって精製された全RNAは、他の市販プロトコルより単離された全RNAと比較して、はるかに高レベルの低分子RNAを含有するので、その精製された全RNAから、マイクロRNAを含めた低分子RNAの単離を可能にする。本発明者は、市販のマイクロRNA単離キットが、本方法によって得られた全RNA試料から低分子RNAを単離する場合に有効であるということを示している。単離された低分子RNAは、高コピー数並びに低コピー数双方のマイクロRNAを包含する。
更に、生物学的試料からのゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質の分離および/または精製のためのキットを提供する。そのキットは、生物学的試料を溶解するための溶解溶液;ゲノムDNAを結合するための第一鉱物支持体;RNAを結合するための第二鉱物支持体;第一鉱物支持体からゲノムDNAを溶離するための溶離溶液;第二鉱物支持体からRNAを溶離するための溶離溶液、そしてアセトンなどの有機溶媒を含む。場合により、そのキットは、更に、ゲノムDNAおよびRNAが、それぞれの鉱物支持体に結合後に、フロースルーからタンパク質を単離するための手段、更には、使用者手引書を包含する。
好ましくは、キット中の溶解溶液は、カオトロピック塩、非イオン性洗剤および還元剤を包含する。最も好ましくは、溶解溶液は、グアニジンHCl、TWEENTM20、NP−40およびβ−メルカプトエタノールを包含する。
鉱物支持体は、二つの手段の間に固定された荒充填で、またはカラムの中空体内に配列されているメンブランの形で存在してよい。好ましくは、第一鉱物支持体および第二鉱物支持体は各々、シリカメンブランである。
本発明の他の特徴および利点は、次の実施例からおよび請求の範囲から明らかであろう。
次の実施例は、本発明の態様による単一源からのゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の単離方法を詳しく説明するのに役立つが、制限するものではない。
溶液およびプロトコル
1.実施例に用いられる溶液およびカラム
2.試料破壊および均一化
2.1 細胞破壊および均一化:
a.1x10個の培養細胞を、1.5mlミクロ遠心分離管中において8000xgで1分間の遠心分離によってペレットにする。
b.上澄みを吸引によって完全に除去する。
c.350μlの溶解緩衝液(β−ME含有)を加える。
d.細胞ペレットを旋回させて再懸濁させる。
e.溶解産物を、RNアーゼおよびDNアーゼ不含シリンジに装着した20ゲージ針を介して少なくとも5回通過させることによって、それを均一化する。
f.工程3へ進める。
2.2 POLYTRONTMホモジナイザー(Kinematica AG, Switzerland)を用いた組織破壊および均一化:
a.10mgの組織を、適当なサイズの試験管に入れる。
b.350μlの溶解緩衝液(βME含有)を加える。
c.POLYTRONTMの使用者手引書にしたがって組織を均一化する。
d.調製されたホモジネートを目視検査し、そして完全な均一化を確かめる。
e.工程3へ進める。
2.3 乳鉢および乳棒を用いた組織破壊後、針およびシリンジを用いた均一化:
a.秤量済み組織を直ちに液体窒素中に入れ、そして乳鉢および乳棒で完全に粉砕する。
b.組織粉末および液体窒素を、RNアーゼ不含の、液体窒素で冷却された2mlミクロ遠心分離管中に傾瀉する。
c.液体窒素を蒸発させるが、組織を融解させない。
d.適当な容量の溶解緩衝液を加え、そして溶解産物を、RNアーゼ不含シリンジに装着した20ゲージ針を介して少なくとも5回通過させることによって均一化する。
3.gDNA精製
3.1 gDNA結合
a.新しいスピンカラムを新しい採集管中に入れる。
b.工程2による均一化された溶解産物(約350μl)をカラムに移す。
c.11000xgで1分間遠心分離する。
d.そのフロースルーを、RNAおよびタンパク質の精製用に蓄える。
e.カラムを、新しい2ml採集管に移す。
3.2 カラム洗浄
a.500μlの溶解緩衝液をカラムに加える。
b.11000xgで1分間遠心分離する。フロースルーを捨てる。
c.カラムを同じ採集管中に戻し入れる。
d.500μlの洗浄緩衝液をカラムに加える。
e.11000xgで1分間遠心分離する。
f.カラムを、DNアーゼ不含の1.5mlミクロ遠心分離管に移す。
3.3 gDNA溶離
a.100μlのgDNA溶離緩衝液を、カラムの中央に加える。
b.8000xgで1分間遠心分離する。
c.カラムを捨て、そして純粋なgDNAが入っている管を−20℃で貯蔵する。
4.全RNA精製
4.1 RNA結合
a.新しいスピンカラムを新しい採集管中に入れる。
b.工程3.1.d.によるフロースルーに、350μlの100%アセトンを加える。ピペットで数回上下することで十分に混合する。混合物全部をカラムに移す。
c.11000xgで1分間遠心分離する。
d.そのフロースルーを、タンパク質精製用に蓄える。
e.カラムを、新しい2ml採集管に移す。
4.2 カラム洗浄
a.500μlの洗浄緩衝液をカラムに加える。
b.11000xgで1分間遠心分離する。
c.カラムを、RNアーゼ不含の1.5mlミクロ遠心分離管に移す。
4.3 RNA溶離
a.100μlの溶離緩衝液を、カラムの中央に加える。
b.8000xgで1分間遠心分離する。
c.カラムを捨て、そして純粋なRNAが入っている管を−80℃で、必要とされるまで貯蔵する。
5.2−D Clean-Up キット(GE Healthcare)を用いた全タンパク質精製
注記:全ての工程を、特に断らない限り、氷上で行うべきである。
5.1 タンパク質精製
a.工程4.1によるフロースルーを、タンパク質沈殿のための出発点として用いる。十分に混合し、そして100μlのフロースルーを、新しい1.5mlミクロ遠心分離管に移す。
b.300μlの沈殿剤を加え、十分に混合する。氷上で15分間インキュベートする。
c.300μlの共沈殿剤を混合物に加える。短時間混合する。
d.管を、最大速度で5分間遠心分離する。
e.上澄みを、ピペットで取るまたは傾瀉することによってできるだけ完全に除去する。
f.400μlの共沈殿剤をペレットの上に加え、氷上で15分間インキュベートする。
g.管を、最大速度で5分間遠心分離する。上澄みを注意深く取り出し且つ捨てる。
5.2 タンパク質ペレット洗浄
a.25μlの脱イオン水をペレットにピペットで加える。管を5分間旋回させる。
b.1mlの予備冷却された洗浄緩衝液および5μlの洗浄添加剤を、各々の管に加える。激しく旋回させる。(注記:ペレットは、洗浄緩衝液中に溶解しないであろう。)
c.管を、−20℃で30分間インキュベートし、10分毎に20〜30秒1回旋回させる。
d.管を、最大速度で5分間遠心分離する。
e.上澄みを注意深く取り出し且つ捨てる。白色ペレットは、この工程で目に見えるはずである。
f.蓋を開けたままにし、沈殿物を室温で最大5分間乾燥させる。
5.3 タンパク質ペレット再懸濁
a.100μlまでの5%SDSまたは7M尿素を加え、そして激しく混合して、タンパク質ペレットを溶解させる。ピペットの先端を用いてペレットを分散させる。
b.95℃で3分間インキュベートして、タンパク質を完全に溶解させ且つ変性させる。次に、試料を室温に冷却させる。
c.11000xgで1分間遠心分離して、残留する不溶性材料を全てペレットにする。上澄みを、下流の用途、すなわち、SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティングに用いる。試料は、−20℃で数ヶ月間または4℃で数日間貯蔵することができる。
6.全タンパク質単離(ZnSO を用いた沈殿)
6.1 タンパク質沈殿
a.工程4.1.dによるフロースルーを、タンパク質沈殿のための出発点として用いる。
b.600μlの10%ZnSO溶液を加える。
c.激しく混合し、そして室温で10分間インキュベートして、タンパク質を沈殿させる。
d.16000xgで10分間遠心分離する。
e.上澄みをピペットで取るまたは傾瀉することによって注意深く除去する。
6.2 タンパク質ペレット洗浄
a.500μlの50%エタノールをタンパク質ペレットに加える。
b.16000xgで1分間遠心分離する。
c.上澄みを、ピペットを用いることによってまたはできるだけの液体を傾瀉することによって除去する。
d.蓋を開けたままにし、沈殿物を室温で5〜10分間乾燥させる。
6.3 タンパク質ペレット再懸濁
a.SDS−PAGE前のタンパク質定量化のために、最低100μlの5%SDS(または7M尿素)を加え、そして激しく混合して、タンパク質ペレットを溶解させる。ピペットの先端を用いてペレットを分散させる。
b.必要ならば、1mlまでの5%SDS(または7M尿素)を加えて、ペレットを完全に溶解させる。
c.95℃で5分間インキュベートして、タンパク質を完全に溶解させ且つ変性させる。激しく旋回させる。
d.試料を室温に5分間冷却させる。
e.16000xgで1分間遠心分離する。
f.上澄みを、新しい1.5mlミクロ遠心分離管に移す。
g.SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティングのために、上澄みを用いる。
h.試料を、−20℃で数ヶ月間または4℃で数日間貯蔵する。
実施例1:作業の流れの最適化
最適の作業の流れを見出そうとして、本発明者は、HeLa細胞培養物からのゲノムDNA、全RNAおよび全タンパク質の抽出および精製についていろいろな溶液および添加剤を調べた。
本発明者は、7MグアニジンHCl、50mM Tris−HCl、pH7の(洗剤、例えば、5%NP−40またはTWEENTM20を含むまたは不含)混合物を含有する溶解緩衝液が、還元剤(例えば、TECPまたはβ−ME)の存在下で十分に作用するということを発見した。或いは、7MグアニジンHCl、50mM Tris−HCl、pH5の(洗剤、例えば、5%NP−40を含む)混合物を含有する溶解溶液も、還元剤(例えば、TECPまたはβ−ME)の存在下で十分に作用する。生物学的試料は、どちらかの溶液と混合した時に、上に与えられたプロトコルにしたがって均一化し、それをシリカメンブランカラム上に充填した。急速スピンで、フロースルーとしての混合物およびカラムに結合したゲノムDNAを取り出した。ゲノムDNAを含有するカラムを、上のプロトコルにしたがって更に処理して、純粋なゲノムDNAを単離した。
フロースルーは、全RNA並びにタンパク質を含有する。全RNAのタンパク質からの更なる分離のために、0.7容量のアセトンは、全RNAをシリカメンブランカラムに選択的に結合させるのに有効であることが判明した。したがって、0.7容量のアセトンをフロースルーに加えた後、その混合物を、シリカメンブランカラムに充填した。急速スピンは、タンパク質を今のところ含有しているフロースルーとしての混合物と、RNAを上に結合した状態で含むカラムとを分離した。そのカラムを、上のプロトコルにしたがって更に処理して、純粋なRNAを単離し、同時に、フロースルーをタンパク質精製用に用いた。
本発明者は、更に、低級脂肪族アルコールなどの極性プロトン性溶媒、更には、双極性非プロトン性溶媒を調べた。予想されるように、低級脂肪族アルコールは、シリカメンブランカラムへのRNA結合を可能にする。本発明者は、多数の双極性非プロトン性溶媒が、この目的にも有用であるということを発見した。具体的には、アセトンおよびアセトニトリルは、調べられた他の双極性非プロトン性溶媒も同様に作用することが判明したとはいえ(データは示されていない)、他のものより好ましいことが判明した。
図2は、この方法より単離されたゲノムDNAおよび全RNAのゲル画像を示す。出発材料は、100万個のHeLa細胞であった。溶解溶液は、7M GuHCl、50mM Tris−HCl、pH7、5%TWEENTM20および1%TECPを含有した。第二鉱物支持体の充填前に、フロースルーを、アセトンまたはアセトニトリルと混合した。それ以外は、上のプロトコルにしたがった。ゲノムDNAを、200μlの最終容量中で溶離した。全RNAは、100μlの最終容量中で溶離した。ゲルの各レーンは、10μlの溶離試料を含有した。ゲノムDNAおよび全RNA双方の単離および精製について、プロトコルが十分に作用したということは明らかである(レーン1〜3:アセトンを用いて単離された全RNA;4〜5:アセトニトリルを用いて単離された全RNA;M:λHindIIIマーカー)。
実施例2:培養細胞からのゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の単離
培養細胞を、作業の流れの性能について更に調べた。本発明者は、更に、作業の流れを、市販製品、すなわち、AllPrep キット(Qiagen Inc., Valencia, CA)およびNUCLEOSPINTMRNA/Protein キット(DNA溶離緩衝液セット付加、MACHEREY−NAGELGmbH & Co. KG. Germany)と比較して調べた。多重試料を処理して、プロトコルの一貫性を評価した。製品の純度は、UV分光光度法でおよびゲル分析で評価した。得られた試料は、更に、リアルタイムPCR、RT−PCRおよびウェスタンブロッティング実験などの下流の用途において評価した。本発明者の結果は、上記のプロトコルが、培養細胞について一貫して且つ十分に作用するということを示している。
本発明者は、1x10個のHeLa細胞培養物より出発した。それら細胞をペレットにし、そして1x10個のアリコートへ希釈後、調製を開始した。3人の作業者が各々、アリコートの一つについて上のまたは製造者からの同じプロトコルにしたがった。各々のプロトコルにおいて任意の工程は行わなかった。ゲノムDNAおよびRNAは、初日に単離した。タンパク質フロースルーは、その翌日に、3種類の異なった方法、すなわち、2−D Clean-Up Kit(GE Healthcare, Piscataway, NJ)、NUCLEOSPINTM Protein Pecipitator キット(Macherey-Nagel)および AllPrep Protein Precipitation キット(Qiagen)で更に精製した。
ゲノムDNAおよび全RNA単離収量結果は、上の表1に示されている。タンパク質精製収量結果は、上の表2に示されている。ゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質を単離する場合に、プロトコルが、一貫した高品質の結果を生じるということは理解されうる。
ゲノムDNAおよびRNAの純度も、アガロースゲル分析によって調べた。図3は、市販製品と比較される、ゲノムDNAおよびRNA試料のゲル画像を示す。上部:全RNA;下部:ゲノムDNA。左側パネルは、培養HeLa細胞より単離された核酸試料を示す。右側パネルは、ラット肝組織より単離された核酸試料を示す(実施例3を参照されたい)。M:マーカーλ/HindIII(100ng);D:ラットゲノムDNA対照(400ng);R:ラット肝全RNA対照(600ng)。ゲノムDNAについて、本方法およびNUCLEOSPINTMには、ウェルにつき2μlを充填したが、AllPrep には、4μlを充填した。全RNAについて、本方法および AllPrep には、ウェルにつき5μlを充填したが、NUCLEOSPINTMには3μlを充填した。単離されたゲノムDNAおよびRNAが、純粋であり且つ交差混入がほとんどないということは、それらゲル画像から明らかである。
本発明者は、更に、単離された全RNAを、Agilent Bioanalyzer(Agilent Technologies, Inc., Santa Clara, CA)を用いて分析した。再度、それら画像は、異なったプロトコルによる類似の結果を示している(図4)。
精製されたゲノムDNAの品質は、リアルタイムPCR検定で評価した。リアルタイムPCR反応は、100ng/試料の精製ゲノムDNAを用い、PuReTaqREADY−TO−GOTMPCRビーズ(GE Healthcare, Piscataway, NJ)をGELSTARTM染料(Cambrex, Baltimore, MD)の存在下で用い、GAPDH遺伝子に特異的なプライマーを用いて設定した。
リアルタイムPCR反応
ゲノムDNA鋳型を、水中20ng/μlに希釈する。
増幅は、以下のこれらサイクリング条件にしたがって、ABI7900HT Fast Real-time PCR System(Applied Biosystems Inc., Foster City, CA)で監視した。
シグナルの量は、GAPDH遺伝子の増幅に相関する。シグナルが、バックグラウンド閾値より上に上昇する地点を、増幅のCt値として定義する。調べられた試料は全て、極めて類似の増幅プロフィールを示す(図5)。
同様に、全RNAを、リアルタイムRT−PCRで調べた。図6は、市販製品によるものを含めた、試料の間で認められる極めて類似の増幅プロフィールを有する、得られた増幅結果を示す。
単離されたタンパク質を、クーマシー染色を伴うSDS−PAGEゲルで分析した。RNAカラムからのフロースルーを、修飾2−D Clean-Up Kit プロトコルを用いて処理した。沈殿したタンパク質を、50μlの5%SDSで再構成させた。各々のウェルに、5μlの試料タンパク質を充填した。図7は、HeLa細胞培養物より単離された全タンパク質が、本発明によるプロトコルと、市販製品(AllPrep)のものとの間で比較しうるということを示す。
それらタンパク質試料を、更に、抗β−アクチン抗体でのウェスタンブロッティング実験を用いて分析し、そして市販製品と比較した。結果を、図8に示す。M:Full-Range Rainbow Molecular Weigt Markers(GE Healthcare)。レーン1〜2、6〜7および10:2−D Clean-Up Kit での本プロトコルによるフロースルー。レーン3〜4および8〜9,AllPrep Protein ppt。レーン5,Macherey-Nagel Protein Pecipitator でのNUCLEOSPINTMフロースルー。HeLa細胞より単離されたタンパク質には、ウェルにつき5μgを用い、組織より単離されたタンパク質には、10μgを用いた(実施例3を参照されたい)。
精製されたゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の分析は、作業の流れが、培養細胞について十分に作用するということを明らかに示している。
実施例3:組織試料からのゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の単離
本発明者は、作業の流れの性能について、ラット肝、脾臓および肺を含めたいろいろな組織源を調べた。本発明者は、更に、作業の流れを、市販製品、すなわち、AllPrep キットおよびNUCLEOSPINTMRNA/Protein キット(DNA溶離緩衝液セット付加)と比較して調べた。多重試料を処理して、プロトコルの一貫性を評価した。製品の純度は、UV分光光度法でおよびゲル分析で測定した。得られたゲノムDNAは、更に、リアルタイムPCR、RT−PCRおよびウェスタンブロッティング実験などの下流の用途において評価した。本発明者の結果は、上記のプロトコルが、組織試料について一貫して且つ十分に作用するということを示している。
一例として、ここで、ラット肝からのゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の単離についての詳細を与える。10mgのラット肝組織を、POLYTRONTMホモジナイザーを用いて均一化した。それら実験は、実施例2の場合と同様に設計する。簡単にいうと、3人の作業者が各々、上のまたは製造者からの同じプロトコルにしたがって、溶解産物のアリコートを処理する。各々のプロトコルにおいて任意の工程は行わなかった。ゲノムDNAおよびRNAは、初日に単離した。タンパク質フロースルーは、その翌日に、2−D Clean-Up キット、NUCLEOSPINTMProtein Pecipitator キットおよび AllPrep Protein Precipitation キットを含めた異なった方法で更に精製した。
ゲノムDNAおよび全RNA単離結果は、上の表1に示されている。タンパク質単離結果は、上の表2に示されている。プロトコルが、一貫した高品質ゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質を生じるということは理解されうる。
ゲノムDNAおよびRNAの純度も、アガロースゲル分析によって調べた。図3は、単離されたゲノムDNAおよびRNA試料のゲル画像を示す(詳細は、実施例2を参照されたい)。単離されたゲノムDNAおよびRNAが、純粋であり且つ交差混入がほとんどないということは、それらゲル画像から明らかである。本発明者は、更に、単離された全RNAを、Agilent Bioanalyzer を用いて分析した。再度、それら画像は、異なったプロトコルの間で類似の結果を示している(図9)。
精製されたゲノムDNAの品質は、リアルタイムPCR検定で評価した。リアルタイム反応は、実施例2のプロトコルにしたがって、100ng/試料の精製ゲノムDNAを用いて設定した。調べられた試料は全て、極めて類似の増幅プロフィールを示す(図10)。同様に、全RNAを、リアルタイムRT−PCRで調べた。図11は、市販製品によるものを含めた、試料の間で認められる極めて類似の増幅プロフィールを有する、得られた増幅結果を示す。
単離されたタンパク質を、クーマシー染色を伴うSDS−PAGEゲルで分析した。本プロトコルによるタンパク質フロースルーを、異なった量のZnSOまたはTCAを用いた沈殿を含めたいろいろな方法を用いて処理した。沈殿したタンパク質を、700μlの5%SDSで再構成させた。各々のウェルに、10μlの試料を充填した。図12は、ラット肝より単離された全タンパク質のプロフィールが、異なった沈殿プロトコルの間で比較しうるということを示す。図13は、本プロトコルによるタンパク質フロースルーを、2−D Clean-Up Kit、更には、Macherey-Nagel Protein Pecipitator キットを用いて更に精製することができるということを示す。収量は、市販の AllPrep キットまたはNUCLEOSPINTMキットの場合と同様である(図13)。
それらタンパク質試料を、更に、ウェスタンブロッティング実験を用いて分析し、そして市販製品と比較した(図8、詳細については、実施例2を参照されたい)。
精製されたゲノムDNA、RNAおよびタンパク質の分析は、作業の流れが、組織試料について十分に作用するということを明らかに示している。
実施例4:増加量の非イオン性洗剤は、ゲノムDNAおよび全RNA双方の収量を改善する
実施例2および実施例3で詳しく説明されたように、2%TWEENTM20を含む本発明者の標準溶解緩衝液は、十分に作用する。しかしながら、本発明者は、増加量の非イオン性洗剤が、第一の場合のシリカメンブランへのゲノムDNAの結合を改善し、それによって、ゲノムDNAおよび全RNA双方の回収率を増加させるということを発見した。したがって、実施例1を、溶解緩衝液中の5%TWEENTM20で行った。増加した洗剤レベルでの追加の利点は、少なくとも一部分は、第一の場合のシリカメンブランへのゲノムDNAの改善された結合ゆえの、単離された全RNA中のゲノムDNA交差混入の減少である。
本発明者は、多数の非イオン性洗剤(例えば、TWEENTM20、NP−40、TRITON X−100TM)はいずれも、この効果を達成しうるということを発見した。これら洗剤のいろいろな組合せも有効である。更に、この増加量の洗剤は、溶解溶液の一部分でありうると考えられる、またはそれは、シリカメンブランカラムへの試料の結合直前に加えうると考えられる。本発明者は、ここで、TWEENTM20およびNP−40の最適の組合せで得られた結果を与える。すなわち、溶解緩衝液中において、2%TWEENTM20および5%NP−40の組合せを、2%TWEENTM20の代わりに用いた。他の溶液およびプロトコルは、それら実施例の初めの部分に述べられたようにしたがったが、洗剤組合せおよびレベルのこの調整は、単離された全RNA中のゲノムDNA混入を大きく減少させた。更に、ゲノムDNAおよび全RNA双方の収量も増加した。全タンパク質の単離は、溶解緩衝液中のこの洗剤レベル増加によって悪影響を受けなかった(デーは示されていない)。図14は、100万個の細胞各々のHeLa細胞試料によるゲル画像および収量結果を示す。図15は、各々10mgのラット肝試料より得られたものを示す。
実施例5:単離された全RNAは、高レベルの低分子RNAを含有する
単離された全RNA中において、本発明者は、高濃度の低分子RNA分子を認めた(図14および図15を参照されたい)。ここで、本発明者は、上のプロトコルより精製された全RNA試料からの低分子RNA(200nt未満長さ)の豊富化および単離を示すデータを示し、そしてその単離された低分子RNAを、市販のマイクロRNA単離キットを用いて単離されたものと比較する。
本発明者は、最初に、Qiagen 製の市販キット(miRNeasy Mini Kit Qiagen, Cat#217004)を用いて、本発明によって単離された全RNAから低分子RNAを精製した。簡単にいうと、30μgの上で単離された全RNA(10mgのラット肝組織より単離された全RNAの約3分の2に相当する)を用いて、市販キットのプロトコルにしたがって低分子RNAを精製した。対照として、更に、低分子RNAを、miRNeasy Mini Kit に与えられたプロトコルを用いて、10mgのラット肝組織より直接的に単離した。図16は、それら結果を示す。レーン1、2、3は、本プロトコルにしたがって単離された全RNAより精製された低分子RNAである。Cと標識されたレーンは、ラット肝組織より直接的に単離された対照低分子RNAを示す。本発明者は、更に、単離された全RNAを別の対照(例えば、「投入」と標識されたレーン)として実験する。組織試料から直接的によりも多くの低分子RNAを、本方法にしたがって単離することができるということは明らかである。
単離された低分子RNAが、マイクロRNAを含有するということを確かめるために、本発明者は、いろいろなコピー数の4種類の異なったマイクロRNAを用いてqRT−PCR検定を行った。本発明者は、試料中の全4種類のマイクロRNAを検出することに成功した(図17)。したがって、本発明者は、商業的に入手可能なキットを用いて、本方法より精製された全RNAからマイクロRNAを首尾よく単離した。
本発明者は、更に、単離された全RNA中の低分子RNAの存在および存在量に関して、本発明者のプロトコルを市販の製品と比較した。本発明者は、Qiagen 製の AllPrep および Norgen 製のRNA/DNA/Protein 精製キットを選択している。双方とも、ゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質の同時単離用に奨励される。本発明者は、これらキット並びに本発明者自身のプロトコルを用いて、全RNAを単離した。次に、本発明者は、miRNeasy Mini Kit を用いて、全RNAから低分子RNAを単離することを試みた。結果を、図18に示す。低分子RNAは、下部パネル上に示され、「大型」RNA(低分子RNAを奪われた全RNA)は、上部パネル上である。本方法による全RNA投入(cm)および AllPrep キット(Q)を、対照として示す。本発明者は、本発明者のプロトコルを用いて単離された全RNAが、10%を超える低分子RNAを含有し、他のキットより単離された全RNAが、3%未満の低分子RNAを含有すると予測している。
本明細書中に挙げられている特許、特許公報および他の公開参考文献は全て、各々が本明細書中に個々に且つ具体的に援用されたかのように、本明細書中にそのまま援用される。本発明の好ましい代表的な態様を記載しているが、当業者は、本発明が、単に例示の目的であって且つ制限としてではなく与えられているそれら記載の態様以外で実施されうるということを理解するであろう。本発明は、請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (16)

  1. ゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質より選択される少なくとも二つの細胞性成分の分離および/または精製方法であって、
    (a)生物学的試料をグアニジンHClおよびTris−HClの混合物を含むpH5から7の溶解溶液で溶解することによって、該細胞性成分を含有する水溶液を生成し;
    (b)該水溶液を、ゲノムDNAが第一鉱物支持体に結合するような条件下において第一鉱物支持体に加え;
    (c)未結合RNAおよびタンパク質を含有するフロースルーを集め;
    (d)工程(c)からの該フロースルーを、アセトンまたはアセトニトリルと混合して混合物を形成させた後、該混合物を、RNAが第二鉱物支持体に結合するような条件下において第二鉱物支持体に加え;
    (e)タンパク質を含有するフロースルーを集めること
    を含む方法。
  2. 前記第一鉱物支持体を洗浄し、そして該第一鉱物支持体からゲノムDNAを溶離することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第二鉱物支持体を洗浄し、そして該第二鉱物支持体からRNAを溶離することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 工程(e)のフロースルーからタンパク質を精製することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記タンパク質を、沈殿、ゲル濾過または疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によって精製する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記溶解溶液が、さらに、非イオン性洗剤および還元剤を包含する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記非イオン性洗剤が、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル、(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール、ソルビタリモノラウレート(Sorbitari Monolaurate)、T−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80またはその組合せより選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記非イオン性洗剤またはその組合せが、0.1〜10%の範囲内である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記溶解溶液が、1〜10MグアニジンHCl、0.1〜10%TWEENTM20および0.1〜10%NP−40を包含する、請求項1に記載の方法。
  10. 第一鉱物支持体および第二鉱物支持体が、多孔質または非多孔質であり、そして金属酸化物または混合金属酸化物、シリカゲル、シリカメンブラン、ガラス粒子、粉末ガラス、石英、アルミナ、ゼオライト、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムを含んで成る、請求項1に記載の方法。
  11. 第一鉱物支持体および第二鉱物支持体が各々、シリカメンブランである、請求項1に記載の方法。
  12. 前記生物学的試料が、培養細胞、微生物、植物、動物、または酵素反応による混合物より選択される、請求項1に記載の方法。
  13. マイクロRNAを単離する方法であって、請求項3に記載の方法により溶離された全RNAに、一つまたはそれを超える追加の分離工程を施して、マイクロRNAを精製することを含む方法。
  14. 単一生物学的試料からのゲノムDNA、全RNAおよびタンパク質の分離および/または精製のためのキットであって、
    (a)生物学的試料を溶解するためのグアニジンHClおよびTris−HClの混合物を含むpH5から7の溶解溶液;
    (b)ゲノムDNAを結合するための第一鉱物支持体;
    (c)RNAを結合するための第二鉱物支持体;
    (d)アセトンまたはアセトニトリル;
    (e)第一鉱物支持体からゲノムDNAを溶離するための溶離溶液;
    (f)第二鉱物支持体からRNAを溶離するための溶離溶液、
    を含み;場合により、該キットが、更に、
    ゲノムDNAおよびRNAが、それぞれの鉱物支持体に結合後に、フロースルーからタンパク質を単離するための手段を包含するキット。
  15. 前記溶解溶液が、さらに、非イオン性洗剤および還元剤を包含する、請求項14に記載のキット。
  16. 第一鉱物支持体および第二鉱物支持体が各々、シリカメンブランである、請求項14に記載のキット。
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