実施の形態1.
本実施の形態に係る点灯装置1000は、例えば、光源としてLED(Light・Emitting・Diode:発光ダイオード)等を用いた照明器具に用いられる点灯装置であり、例えば、LED点灯装置である。点灯装置1000は、照明器具(図示なし)の備える光源(図示なし)を点灯させる点灯装置である。点灯装置1000は、照明器具の本体に取り付けられる。すなわち、照明器具は、本実施の形態に係る点灯装置1000と、点灯装置1000を取り付ける本体とを備えている。
図1は、実施の形態1に係る点灯装置1000の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る点灯装置1000の上面から見たときの上視図である。図1及び図2を用いて、点灯装置1000の構成について説明する。
図1、図2に示すように、点灯装置1000は、点灯回路部100と、点灯回路部100が取り付けられる点灯装置ケース200と、点灯回路部100を覆うように点灯装置ケース200に取り付けられる点灯装置カバー300とを備える。
点灯回路部100は、点灯回路等の電子部品を備える回路基板110(点灯基板)と、入力端子台120aと、出力端子台120bとを備える。点灯回路部100は、入力端子台120を介して商用電源AC(交流電流)を入力し、直流電流に変換し、直流電流を出力端子台120bを介して光源(図示なし)に供給する。
回路基板110は、電子部品が実装される略長方形の基板であり、長手方向の一方の端部側に実装される端子台(以下、入力端子台120aという)と、長手方向の他方の端部側(入力端子台120aが実装される一方側に対して反対側)に実装される端子台(以下、出力端子台120bという)とを備える。
また、点灯装置1000は、入力端子台120aを覆うように取り付けられるカバー(以下、入力端子台カバー130aという)と、出力端子台120bを覆うように取り付けられるカバー(以下、出力端子台カバー130bという)とを備える。
なお、入力端子台120aの構造と出力端子台120bの構造とは、ほぼ同じであるため、入力端子台120aと出力端子台120bとを単に端子台120という場合がある。同様に、入力端子台カバー130aと出力端子台カバー130bとを、単に端子台カバー130という場合がある。
図3は、実施の形態1に係る点灯装置1000における図2のA方向からの正面図である。図4は、実施の形態1に係る端子台120の図3のC方向からの端子台120の側面図である。図5は、実施の形態1に係る端子台120の図3のB−B断面図である。図6は、実施の形態1に係る端子台カバー130の斜視図であり、(a)は端子台カバー130の上面斜視図であり、(b)は端子台カバー130の下面斜視図である。
図3〜図6を用いて、端子台120及び端子台カバー130の構成について説明する。
図3に示すように、回路基板110は、点灯装置ケース200の底部近傍に、点灯装置ケース200の底面に略平行に取り付けられている。点灯装置1000には、両端部に開放された部分である開放部155が形成される。端子台120は、点灯装置1000の開放部155近傍に装着される。図1,図2に示すように、端子台120は、回路基板110の領域のうち、点灯装置カバー300に覆われていない領域に取り付けられる。あるいは、端子台120の一部が開放部155から点灯装置1000の内部に入るように取り付けられていてもよい。
図5に示すように、端子台120は、外郭ケース121と、外郭ケース121に収納される電極122とを備える。端子台120は、複数の面を有する箱状である。外郭ケース121の外形は、ほぼ直方体形状をなしている。外郭ケース121は、1つの面に電線が挿入される端子台側電線挿入孔121aを備える。外郭ケース121は、端子台側電線挿入孔121aの下側に階段状に凹んだ外郭ケース凹部121bを備え、天面128側に開口部121cを備える。
端子台120は、後述する被覆で覆われた電線400の被覆を途中まで剥がして露出させた所定長の露出芯線(後述する)を結線する電極122(結線部)を外郭ケース121の内部に備える。端子台120は、1つの面に所定長の露出芯線を電極122(結線部)に挿入させる端子台側電線挿入孔121a(端子台挿入孔)を有する。以下、端子台側電線挿入孔121aを有する面を端子台孔形成面129という。
電極122は、「く」の字状に折り曲げられて形成されて、後述する電線400の露出芯線410と電気的に接触する金属性かつバネ性の電極バネ部122aと、「コ」の字状に折り曲げられて形成される収納部122b1と、回路基板110のパターンに半田で接触される接触ピン122b2とを有する電極バネ部収納部122bを備える。
端子台カバー130は、2つの面を有し、側面形状がL字形状となっている。端子台カバー130は、端子台孔形成面129を覆うように端子台120に取り付けられる。端子台カバー130は、端子台120に取り付けられた場合に、端子台側電線挿入孔121aに対応する位置に端子台側電線挿入孔121aと連通するカバー側電線挿入孔131(カバー側挿入孔)を有する。端子台カバー130において、カバー側電線挿入孔131が形成されている面をカバー孔形成面139という。カバー側電線挿入孔131は、丸穴、角穴等の形状でも良いが、露出芯線410を挿入することを考慮すると丸穴が好適である。
端子台120は、端子台孔形成面129に端子台側電線挿入孔121aを複数備える。端子台カバー130は、端子台側電線挿入孔121aに連通するカバー側電線挿入孔131を複数備える。端子台カバー130は、複数の端子台側電線挿入孔121aの各端子台側電線挿入孔121aに対応する各位置に、複数のカバー側電線挿入孔131の各カバー側電線挿入孔131を備える。本実施の形態では、端子台120は2つの端子台側電線挿入孔121aを端子台孔形成面129に備える。また、端子台カバー130は、2つの端子台側電線挿入孔121aにそれぞれ対応する2つのカバー側電線挿入孔131をカバー孔形成面139に備える。
図6に示すように、端子台カバー130は、カバー孔形成面139に、電線400が挿入されるカバー側電線挿入孔131を備える。端子台カバー130は、カバー側電線挿入孔131に対向する位置に、端子台120の外郭ケース121に接触する接触部132(固定部)を備える。つまり、端子台カバー130の2つの面のうちカバー孔形成面139ではない方の面(カバー天面138という)の縁部(端部、辺部)に接触部132(固定部)が形成される。接触部132は、カバー天面138の縁部から略直角に下方(端子台120に取り付けられた場合に回路基板の方向)に突出した部分である。
接触部132は、端子台カバー130が端子台120に取り付けられた場合に、内側の面が端子台120の背面の上部と当接する(図5参照)。つまり、接触部132とカバー天面138とにより形成される角部の内側と、端子台120の後方角部の表面とが当接する。
また、端子台カバー130は、カバー孔形成面139の縁部(端部、辺部)に、外郭ケース凹部121bに係止するためのカバー凸部133(固定部)が形成される。カバー凸部133は、カバー孔形成面139の下方の縁部から略直角に内側方向(端子台120に取り付けられた場合に端子台120の方向)に突き出した部分である。カバー凸部133の先端が端子台120の表面に当接する(接触する)ことにより係止する。カバー凸部133の先端と端子台120の表面とが当接する部分を当接部550とする。また、カバー凸部133の内側の面は端子台120の表面に当接する。
端子台カバー130は、外郭ケース121に取り付けられたときに外郭ケース121の開口部121cに対応する位置に、開口部121cと連通する解除穴134を備える。つまり、端子台カバー130は、カバー天面138に開口部121cと連通する解除穴134を備える。本実施の形態では、端子台120は2つの開口部121cを備え、端子台カバー130は、2つの開口部121cにそれぞれ対応する2つの解除穴134を備える。
端子台カバー130は、カバー天面138の両側の側部の一部から下方に略直角に突出したスライド規制凸部135を備える。スライド規制凸部135は、端子台カバー130が外郭ケース121に取り付けられたときに、外郭ケース121の両側の側面に接触するように形成される(図4参照)。スライド規制凸部135が外郭ケース121の両側の側面に接触することにより、端子台カバー130が点灯装置1000の短手方向(図3参照)にずれるのを防止することができる。
以上のように、端子台カバー130は、端子台孔形成面129(電線挿入面)に接するカバー孔形成面139(第一接触部)と、カバー孔形成面139と対向する位置に形成され、かつ、端子台の裏面側(背面)に接触する接触部132(第二接触部)とを有することを特徴とする。
次に、端子台120に端子台カバー130を取り付ける工程について説明する。
まず、端子台カバー130のカバー天面138を、回路基板110(端子台120の天面)に対してQ2方向(図5参照)に傾けて、端子台カバー130のカバー凸部133を端子台120の外郭ケース凹部121bに引っ掛ける。カバー凸部133の先端を端子台120の表面に当接させる。カバー凸部133の先端と端子台120の表面との当接部分を当接部550とする(図5参照)。
次に、カバー凸部133を支点にして(当接部550を支点として)、端子台カバー130をQ1方向(図5参照)に回転させる。端子台カバー130を回転させているとき、端子台カバー130のカバー凸部133が端子台120に接触しているので、端子台カバー130のカバー天面138が弾性変形する。そして、端子台カバー130のカバー天面138の縁部(カバー凸部133に対向する後方角部(接触部132と天面との境目))を押すことにより、端子台カバー130の接触部132が端子台120の後方角部に係合する。このとき、端子台カバー130は端子台120を覆うように取り付けた状態となるので、端子台カバー130は回路基板110(あるいは、端子台120)に対して平行となる傾きとなる。つまり、カバー天面138は、回路基板110(あるいは、端子台120の天面128)と略平行となり、カバー孔形成面139は、回路基板110(あるいは、端子台120の天面128)に対して略直角となる。すなわち、カバー孔形成面139と端子台孔形成面129とは略平行となる。
以上のように、端子台カバー130のカバー凸部133と外郭ケース凹部121bとが端子台120に係合するとともに接触部132が端子台120の後方角部に係合するので、端子台カバー130が端子台120から容易に外れてしまうのを防止することができる。
さらに、端子台カバー130が端子台120に取り付けられた状態のとき、端子台カバー130の内側に設けられた2つのスライド規制凸部135が端子台120の側壁(側面)に接触する。したがって、スライド規制凸部135が端子台120の側壁に接触することにより、端子台カバー130が端子台120に対して横方向(短手方向)にスライドしてしまうのを防止することができる。
以上のように、カバー凸部133と接触部132とスライド規制凸部135の少なくとも3点の支点で、端子台カバー130が端子台120に取り付けられる位置が固定される。これにより、端子台カバー130は、縦、横、及び、高さの位置を固定することができるとともに、端子台カバー130のカバー側電線挿入孔131と端子台120の端子台側電線挿入孔121aとの位置を合わせることができる。カバー側電線挿入孔131と端子台側電線挿入孔121aとが連通し、解除穴134と開口部121cとが連通するように端子台120と端子台カバー130とを構成することができる。
図7は、実施の形態1に係る点灯装置1000の端子台120に電線400を接続する工程を示す図である。図7を用いて、端子台120に電線400を接続する工程について説明する。
電線400は、露出芯線410が被覆420により覆われている。電線400を端子台120に接続する際には、電線400の被覆420を途中まで剥がし、露出させた露出芯線410を所定長の露出芯線として端子台12に接続(結線)する。
まず、電線400の被覆420を端部から6mm程度剥き(剥き代L=6mm)、露出芯線410を引き出す。つまり、所定長の露出芯線の長さは、約6mmである。
次に、端子台120を覆うように取り付けられている端子台カバー130のカバー側電線挿入孔131から電線400(露出芯線410)を挿入し、さらに、端子台側電線挿入孔121aに挿入する。このとき、露出芯線410は、端子台120の電極122に接触し、電線400をさらに押し込むと、電極バネ部122aが弾性変形して、露出芯線410が電極バネ部122aと電極バネ部収納部122bに挟まれて嵌合し、機械的に結合するとともに、電気的に結合する。
露出芯線410が電極バネ部122aと電極バネ部収納部122bに挟まれて嵌合するとき、所定の強さまでの力であれば、電線400を引っ張っても端子台120から電線400が抜けることがなくなる。このとき、カバー側電線挿入孔131に電線400が挿通されているので、電線400によって、端子台カバー130が可動できる方向が限定される。このとき、端子台カバー130が可動できる方向に対して、端子台カバー130の接触部132が、端子台120に接触するので、端子台カバー130は端子台120から外れることがなくなる。
端子台カバー130は、カバー側電線挿入孔131を形成するカバー孔形成部139aから電極122(結線部)までの距離(空間距離B)が、電極122に挿入される所定長の露出芯線410の長さより長くなるように端子台120に取り付けられる。
次に、上記空間距離Bと、端子台120の電極122(結線部)から外郭ケース121の外郭(端子台側電線挿入孔121aの入口部分)までの距離(空間距離A)と、端子台カバー130の厚さRと、電線400の剥き代Lと、カバー孔形成部139aの内側の面と端子台側電線挿入孔121aの入口との間の隙間rの関係について説明する。
端子台カバー130を装着していない状態では、端子台120の内部の電極122から電線400を挿入する端子台側電線挿入孔121aの入口までの長さ(空間距離A)が短い。そして、電線取付作業において、指定される電線400の被覆420の剥き代Lは短く(剥き代Lは約6mm)、また、指定する剥き代Lの範囲も狭い。そこで、電線取付作業において、被覆420の剥き代Lが長くなったとき、端子台120に接続された露出芯線410が端子台120の外側まではみ出す可能性がある。すると、端子台120の外側まではみ出した露出芯線410が隣り合う電線400あるいは露出芯線410と接触したり、作業者が露出芯線410に接触したりする虞がある。つまり、隣り合う箇所で剥かれている電線400同士(すなわち、露出芯線410同士)が接触する虞がある。
端子台120に対して、端子台120に端子台カバー130を取り付けることによって、端子台120の内部の電極122から電線400を挿入するカバー側電線挿入孔131までの長さ(空間距離B)を長くすることができる。これにより、隣り合う露出芯線410同士が接触したり、作業者が露出芯線410に接触したりする虞が低減する。
電線400が挿入される電極122からカバー側電線挿入孔131(カバー側電線挿入孔131を形成するカバー側孔形成部139a)までの長さ(空間距離B)は、例えば、電気用品安全法で示される空間距離である6mmを満足するように構成する。つまり、空間距離Bは、例えば、6mm以上とする。
図7(a)に示すように、空間距離Bは、空間距離Aと、端子台カバー130の厚さRと、隙間rとの和である。端子台カバー130を取り付けることにより空間距離Bを調節するには、端子台カバー130の厚さRを調節したり、隙間rを調節したりすることにより実現される。
以上のように、点灯装置1000は、入力する交流電力を直流電力に変換して、ランプ(光源(図示なし))を点灯する点灯装置1000であって、点灯回路を有する点灯基板と、この点灯基板に実装され、電気的かつ機械的に電線が接触する電極と、この電極を覆うとともに、電線が挿入される端子台側電線挿入孔が形成される電線挿入面を有する外郭ケースとを有する端子台と、前記電極との空間距離が所定値以上となるように、前記端子台を覆うとともに、前記電線が前記端子台の電極に接するように前記電線が挿通されるカバー側電線挿入孔を有するカバーとを備える点灯装置1000である。
以上のように、端子台120に端子台カバー130を取り付けることで、電極122からの空間距離Bを長くすることができ、電線400の被覆420を剥がす剥き代Lの指定幅の範囲を広くすることができる。
使用者が電線400を端子台120に差し込むとき、電線400の絶縁を保つ被覆420の剥き代Lを指定の長さ(端子台カバー130がないときの剥き代Lの指定の長さ)よりも長く剥いてしまった場合でも、電線400を端子台に安全に差し込むことができ、点灯装置1000を安全に使用することができる。
特に、電線400を被覆420の抜き代Lの指定幅(管理幅)を狭めてしまうと、工場内で点灯装置1000を照明器具に組み込んだり、点灯装置1000を供給したりするとき、工場内の歩留まり(作業性)が悪くなることがある。
本実施の形態の点灯装置1000のように、端子台120に端子台カバー130を備えることによって、端子台120の電極から端子台カバー130の外郭までの空間距離Bを長くすることができるので、電線400を被覆420の抜き代Lの管理幅を広げることができ、工場内の歩留まり(作業性)を良くすることができる。また、端子台120の電極122から端子台カバー130の外郭までの空間距離Bを長くすることができるので、電線400の露出芯線410同士が接触してしまうというトラブルを少なくすることができ、より安全性を高めることができる。
端子台120が出力端子台120bである場合は、光源LAを接続する出力端子台120bに、出力端子台カバー130bを備えることで、電線400同士が接触するのを防止でき、2次側短絡などの異常モードの発生を抑制することができる。
また、端子台120は、挿入した電線400を解除する(取り付けた電線400を端子台120から取り外せるようにする)電線解除機構を有している。この電線解除機構は、開口部121cに電極122が露出していることがある。この開口部121cには電線400を挿入せず、また、人が外部から容易に触れることができない構造としているため、端子台カバー130により開口部を覆う必要はないが、端子台カバー130を備えることにより、電極122までの距離を充分確保することができ、より安全性を高めることができる。この場合、電線解除機構は電線400を外せるようにすることを目的としているので、端子台カバー130は、開口部121cに解除具がアクセスできるように、開口部121cに対応する位置に、解除穴134を有することが望ましい。
実施の形態2.
本実施の形態の点灯装置1000aでは、実施の形態1の点灯装置1000の端子台カバー130の形状とは異なる形状の端子台カバー140(140a,140b)を用いている。本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、実施の形態2の点灯装置1000aを上面から見たときの上視図である。図9は、実施の形態2の点灯装置1000aから端子台カバー140を外した状態の上視図である。図10は、実施の形態2の端子台カバー140の斜視図であり、図10(a)は、端子台カバー140の斜め上方から見たときの上面斜視図であり、図10(b)は、端子台カバー140の斜め下方から見たときの下面斜視図である。
点灯装置1000aは、商用電源AC(交流電流)が入力され、直流電流に変換して、接続される光源LA(図示なし)に直流電流を供給する点灯回路部100aと、点灯回路部100aが取り付けられる点灯装置ケース200と、点灯回路部100aを覆うように点灯装置ケース200に取り付けられる点灯装置カバー300とを備える。
点灯回路部100aは、電子部品が実装される略長方形の回路基板110aと、この回路基板110aの長手方向の一方の端部側に実装される入力端子台120aと、回路基板110aの長手方向の他方の端部側(入力端子台120aが実装される一方の端部側に対して反対側)に実装される出力端子台120bとを備える。また、入力端子台120aには、入力端子台120aを覆うように取り付けられる入力端子台カバー140aが取り付けられる。出力端子台120bには、出力端子台120bを覆うように取り付けられる出力端子台カバー140bが取り付けられている。
なお、入力端子台120aと出力端子台120b、入力端子台カバー140aと出力端子台カバー140bの構造はほぼ同じため、それぞれ単に端子台120、端子台カバー140という場合がある。
回路基板110aは、端子台120が取り付けられた場合に側面の底辺(図4及び図9参照)の略中央に対応する位置に、端子台カバー140を取り付けるための取付穴111を備える。つまり、回路基板110aは、入力端子台120aと出力端子台120bが取り付けられる場合、入力端子台120a及び出力端子台120bの両側に対応する位置に、取付穴111が設けられる。
図10に示すように、端子台カバー140は、略直方体形状をなし、隣り合う2面が開口している。端子台カバー140は、カバー側電線挿入孔131が形成されるカバー孔形成面139と、解除穴134が形成されるカバー天面138と、カバー孔形成面139とカバー天面138とに連続する2つの対向するカバー側面145とを備える。カバー側面145は、端子台カバー140が端子台120に取り付けられた場合に、端子台120の側面を覆う面である。
カバー側面145の底辺には、底辺から突出した係止爪141が形成される。係止爪141は、端子台カバー140が端子台120に取り付けられる場合に回路基板110aの取付穴111に挿入され、回路基板110aの裏面に引っ掛けて係止するための係止爪141である。
係止爪141の両側には、係止爪141に沿って設けられるスリット142を備える。つまり、係止爪141は、片持ち梁状であり、端子台カバー140のD方向(端子台カバー140の内側から外側及び外側から内側)に弾性変形可能である。
係止爪141は、弾性変形する弾性部141aと、弾性部141aの先端から外側に向かって突出する係止凸部141bとを備える。
次に、端子台カバー140を回路基板110aに取り付ける工程について説明する。端子台カバー140の係止凸部141bを取付穴111の縁部に接触させ、端子台カバー140を回路基板110a側に押し付ける。
このとき、取付穴111の縁部により係止凸部141bが端子台カバー140の内側に押され、係止爪141の弾性部141aが端子台カバー140の内側に弾性変形する。
さらに、端子台カバー140を回路基板110aに押し付けると、係止凸部141bが取付穴111を貫通し、取付穴111の縁部が係止凸部141bを押す力が解除され、弾性部141aの弾性変形も解除される。
このとき、係止凸部141bが回路基板110aの裏面側に係止し、端子台カバー140は端子台120を覆う状態となる。
なお、電線400の取り付け工程などは実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
本実施の形態の点灯装置1000aでは、端子台カバー140の係止爪141を回路基板110aの取付穴111に係止させるようにしたので、端子台120の形状によらず、端子台カバー140によって端子台120を覆うことができる。
図11は、実施の形態2の端子台カバー140bの斜視図であり、図11(a)は、端子台カバー140bの上面斜視図であり、図11(b)は、端子台カバー140bの下面斜視図である。
図11に示す端子台カバー140bは、係止凸部143bの形状が図10に示す端子台カバー140の係止凸部143bの形状と異なる。端子台カバー140の係止凸部141bは、端子台カバー140の外側に向かって突出した凸部であるが、端子台カバー140bの係止凸部143bは、端子台カバー140bの内側に向かって突出した凸部である。
図12は、実施の形態2の端子台カバー140cの斜視図であり、図12(a)は、端子台カバー140cの上面斜視図であり、図12(b)は、端子台カバー140cの下面斜視図である。
図12に示すように、端子台カバー140cは、カバー孔形成面139に対向する位置にカバー背面146を備える。カバー背面146は、端子台120に端子台カバー140cが取り付けられた場合に、端子台120の背面(図5参照)を覆う面である。
実施の形態3.
本実施の形態の点灯装置1000bでは、実施の形態1の点灯装置1000の端子台カバー130の形状とは異なる形状の端子台カバー150を用いる場合について説明する。本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13は、実施の形態3に係る点灯装置1000bを示す斜視図である。図14は、実施の形態3に係る点灯装置1000bの入力端子台側から見たときの正面図である。図15は、実施の形態3に係る端子台カバー150の斜視図であり、図15(a)は、端子台カバー150を斜め上方から見たときの上面斜視図であり、図15(b)は、端子台カバー150を斜め下方から見たときの下面斜視図である。
点灯装置1000bは、商用電源AC(交流電流)が入力され、直流電流に変換して、接続される光源LA(図示なし)に直流電流を供給する点灯回路部100と、点灯回路部100が取り付けられる点灯装置ケース200aと、点灯回路部100を覆うように点灯装置ケース200aに取り付けられる点灯装置カバー300とを備える。
点灯回路部100は、電子部品が実装される略長方形の回路基板110と、回路基板110の長手方向の一端側に実装される入力端子台120a(図示なし)と、回路基板110aの長手方向の他端側に実装される出力端子台120b(図示なし)とを備える。点灯装置1000bは、入力端子台120aを覆うように取り付けられる入力端子台カバー150aと、出力端子台120bを覆うように取り付けられる出力端子台カバー150bとを備える。
なお、入力端子台120aと出力端子台120b、入力端子台カバー150aと出力端子台カバー150bの構造はほぼ同じため、それぞれ単に端子台120、端子台カバー150という。
点灯装置ケース200aは、側面の長手方向の両端部にそれぞれ2つのカバー取付穴201を有する。点灯装置ケース200aの側面を立ち上がり片ともいう。
上述した、実施の形態1又は実施の形態2では、端子台カバー130,140は端子台120の形状に沿った大きさのものであった。端子台カバー130,140は、端子台120の形状と同等の形状あるいはやや大きい形状であったので、端子台120をくるむように取り付けられており、点灯装置1000の開放部155(図3参照)を塞ぐことはない。
本実施の形態では、端子台カバー150は点灯装置ケース200aの両側の側面に係止されるので、点灯装置ケース200aの両側の側面をまたがった大きさの端子台カバー150となる。図14に示すように、端子台カバー150は、点灯装置1000bの開放部155を塞ぐように取り付けられる。
図15に示すように、端子台カバー150は、ほぼ直方体形状をなし、カバー孔形成面139と、カバー天面138と、2つのカバー側面145とから構成される。端子台カバー150の幅は、点灯装置ケース200aに取り付けられた場合に、2つのカバー側面145が点灯装置ケース200aの側面(立ち上がり片)の内側に当接する長さである。
端子台カバー150は、点灯装置ケース200aに取り付けられた場合に、点灯装置ケース200aの側面に当接するカバー側面145上の位置であって、カバー取付穴201に対応する位置に係止凸部151を備える。すなわち、端子台カバー150は、カバー側面145に端子台カバー150の外方に向かって突出する係止凸部151を備える。
また、端子台カバー150は、カバー孔形成面139のカバー側面145よりの両端部にスリット152を備える。
次に、端子台カバー150を点灯装置1000bに取り付ける工程について説明する。
端子台カバー150の係止凸部151を点灯装置ケース200aの立ち上がり片(側面)に接触させ、端子台カバー150を回路基板110側に押し付ける。
このとき、点灯装置ケース200aの立ち上がり片(側面)が係止凸部151を端子台カバー150の内側に押す力が発生し、端子台カバー150のカバー側面145が内側に弾性変形する。端子台カバー150では、カバー側面145の内側にスリット152があるため、カバー側面145が内側に弾性変形することができる。
さらに、端子台カバー150を回路基板110に押し付けると、係止凸部151がカバー取付穴201に入り、点灯装置ケース200aの立ち上がり片(側面)が係止凸部151を押す力が解除されるとともに端子台カバー150の弾性変形も解除される。
以上のように、係止凸部151がカバー取付穴201に係止し、端子台カバー150は端子台120を覆う状態となる。
なお、電線400の取り付け工程などは実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
本実施の形態の点灯装置1000bでは、端子台カバー150の係止凸部151を点灯装置ケース200aの立ち上がり片(側面)のカバー取付穴201に係止させるようにしたので、端子台120の形状によらず、端子台カバー150によって端子台120を覆うことができる。
実施の形態4.
本実施の形態では、入力端子部分の形状(構成)が実施の形態1〜3で説明した点灯装置の入力端子部分の形状(構成)と異なる点灯装置1000cについて説明する。実施の形態1〜3で説明した構成と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図16は、実施の形態4に係る点灯装置1000cの斜視図である。図17は、実施の形態4に係る点灯装置1000cの上視図である。図18は、実施の形態4に係る点灯装置1000cの端子台カバー160を外した状態を示す斜視図である。
点灯装置1000cは、商用電源AC(交流電流)が入力され、直流電流に変換して、接続される光源LA(図示なし)に直流電流を供給する点灯回路部100bと、点灯回路部100bが取り付けられる点灯装置ケース200と、点灯回路部100bを覆うように点灯装置ケース200に取り付けられる点灯装置カバー300とを備える。
点灯回路部100bは、電子部品が実装される略長方形の回路基板110bと、回路基板110bの長手方向の一端側に実装される入力端子台120aと、回路基板110bの長手方向の他端側に実装される出力端子台120bとを備える。点灯装置1000cは、入力端子台120aを覆うように取り付けられる入力端子台カバー160aと、出力端子台120bを覆うように取り付けられる出力端子台カバー130bと、入力端子台120aに並んで設けられるアース端子台170とを備える。
なお、入力端子台120aと出力端子台120bの構造はほぼ同じため、単に端子台120という場合がある。
本実施の形態では、商用電源ACを入力する入力端子台120aとは別に、接地用のアース端子台170を備える。アース端子台170は、回路基板110b上のパターンと電気的に繋がっている。さらに、回路基板110b上のパターンはネジ180等を介して、点灯装置1000cの点灯装置ケース200と電気的に接続する。これにより、アース端子台170と点灯装置ケース200は電気的に接続され、点灯装置1000cの感電に対する安全性を確保することができる。
図16、図17に示すように、入力端子台カバー160aは、入力端子台120aとともにアース端子台170も覆う形状である。カバー孔形成面139には3つのカバー側電線挿入孔131を有し、カバー天面138には3つの解除穴134を有する。端子台カバー160の取付構造については、実施の形態1〜3で説明した構成を適用することができる。
端子台カバー160は、接地用のアース端子台170を必ずしも覆う必要はない。入力端子台120aを入力端子台カバー160aで覆うため、入力端子台120aの電極122とカバー側電線挿入孔131までの長さ(空間距離B)は確保されている。したがって、たとえアース端子台170の外側にアース線の露出芯線が露出していても隣の露出芯線410と接触する虞は無いからであり、アース端子台170に長さ(空間距離)が必要ないためである。
本実施の形態の点灯装置1000cでは、入力端子台カバー160aを入力端子台120aに備えることによって、アース端子台170を入力端子台120aに並べても、電線400の露出芯線410が、アース接地用のアース線の芯線に接触する恐れが低減でき、入力側の電線400が地絡してしまうトラブルを軽減できる。
また、商用電源ACが供給される入力側の電線400が挿入される入力端子台120aに並べて、アース接地用にアース端子台170を設けることによって、アース線をネジなどによって取り付ける工程が不要となり、作業性が向上する。
また、アース端子台170を入力端子台120aに並べて配置することができるので、作業者は、入力側の電線400を挿入する作業とともに、アース線を接続する作業も行うことができる。特に、入力側の電線400とアース線とがビニール被覆などで纏まっている場合、作業効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、主に実施の形態1と異なる構造について説明したが、回路基板の形状、点灯装置カバーの形状、端子台カバーの形状等が実施の形態2または実施の形態3のものと同様であっても構わない。
以上、実施の形態1〜4について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
実施の形態5.
本実施の形態では、実施の形態4において説明した点灯装置1000cを備える照明器具800について説明する。点灯装置1000cは、アース端子台170を備える点灯装置である。
図19は、本実施の形態に係る照明器具800の側面図である。図20は、本実施の形態に係る照明器具800の端面図である。図21は、本実施の形態に係る照明器具800の本体810の斜視図である。図22は、本実施の形態に係る照明器具800の本体810の斜視図である。図23は、図22の照明器具800のA−A断面図である。図24は、本実施の形態に係るアース端子台170の断面図である。
本実施の形態に係る照明器具800は、接地するための接地用口金と給電のための給電用口金とを備える直管形LEDランプ(ランプ)を、着脱可能に取り付ける照明器具である。ここで、直管形LEDランプは、例えば、(社)日本電球工業会規格(JEL801)によるランプである。照明器具800は、天井面等に取り付けられて使用される。
図19、図20に示すように、照明器具800は、本体810、給電用ソケット821、接地用ソケット822、反射カバー850を備える。
照明器具800に装着される光源は、例えば、両端に口金を有する直管形LEDランプである。この直管形LEDランプは、一方の口金が給電用の給電用口金であり、他方の口金が接地用の接地用口金である。したがって、照明器具800は、直管形LEDランプの給電用口金を取り付ける給電用ソケット821と、直管形LEDランプの接地用口金を取り付ける接地用ソケット822との2種類のソケットを備えている。
反射カバー850は、照明器具800に装着される直管形LEDランプの発する光を反射する。
本体810は、導電性の金属(例えば、鋼板アルミニウム)により形成され、長方形形状の板状である。図21,22に示すように、本体810は、短手方向の両端の側部が光源側に折り曲げられ、断面コ字状に形成される。本体810は、天井面に取り付けられる天井取付面812と、天井取付面812の裏面であり点灯装置1000c等が取り付けられる装置取付面811とを備える。
装置取付面811には、点灯装置1000c、電源900が取り付けられる。点灯装置1000cは、入力端子台120aが電源900及び接地用ソケット822側に配置され、出力端子台120bが給電用ソケット821側に配置されるように装置取付面811に設置される。
図23は、図22の本体810に反射カバー850が装着されている状態の照明器具800のA−A断面図である。つまり、接地用ソケット822側から照明器具800のA−A断面を見ている図である。点灯装置1000cの接地用ソケット822側の端面には、入力端子台120aの端子台側電線挿入孔121aと、アース端子台170のアース線挿入孔771が配置される。
照明器具800に装着される直管形LEDランプは、給電用ソケット821に取り付けられる給電用口金により電力が供給される。図22に示すように、給電用ソケット821は、直管形LEDランプの給電用口金を挿入する給電用口金挿入孔823を備える。また、給電用口金挿入孔823の内部には、直管形LEDランプの給電用口金を取り付けるとともに、直管形LEDランプの給電用口金と導通する給電用ソケット電極825が配置される。
電線400bは、一端部が点灯装置1000cの出力端子台120bに結線される(図21参照)とともに、他端部が給電用ソケット電極825に接続される(図22参照)。また、電線400aは、一端部が点灯装置1000cの入力端子台120aに結線される(図22参照)とともに、他端部が電源900に結線される(図21参照)。
電線400a,400bを入力端子台120a、出力端子台120bに接続する方法については、実施の形態1〜4において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
照明器具800に装着される直管形LEDランプは、接地用ソケット822に取り付けられる接地用口金により接地がとられる。図21に示すように、接地用ソケット822は、直管形LEDランプの接地用口金を挿入する接地用口金挿入孔824を備える。また、接地用口金挿入孔824の内部には、直管形LEDランプの接地用口金を取り付けるとともに接地用口金と導通する接地用ソケット電極826が配置される。
接地用ソケット電極826は、アース線840の一端部に物理的及び電気的に接続される。そして、アース線840の他端部は、点灯装置1000cのアース端子台170のアース線挿入孔771に挿入され、内部の速結端子772(図24参照)に結線される。これにより、直管形LEDランプの接地用口金は、点灯装置1000cのアース端子台170と電気的に接続され、直管形LEDランプの接地がとれる。
図24は、本実施の形態に係るアース端子台170の断面図である。アース端子台170は、実施の形態1において説明した入力端子台120a、出力端子台120bと同様の構成のため、その構成を簡単に説明する。
アース端子台170の外郭ケース721は、点灯装置1000cが本体810に取り付けられた場合に接地用ソケット822側を向く面に、アース線挿入孔771を備える(図23参照)。また、外郭ケース721の内部には、アース線840を結線する速結端子772を備える。
速結端子772は、「く」の字状に折り曲げられて形成されてアース線841の露出芯線と電気的に接触する金属性かつバネ性の電極バネ部722と、「コ」の字状に折り曲げられて形成される収納部723と、回路基板110の導体パターン715に半田で接触される接触ピン773とを有する。
速結端子772にアース線840が結線されると、直管形LEDランプの接地用口金、接地用ソケット電極826、アース線840、アース端子台170の速結端子772、接触ピン773、回路基板110の導体パターン715とが導通し、直管形LEDランプが接地する。
以上のように、照明器具800は、直管形LEDランプを点灯させる点灯装置1000cと、点灯装置1000cが備える回路基板110b(点灯基板)に備えられ、回路基板110b(点灯基板)に実装される導体パターン(パターン)と導通する速結端子772(図24参照)を備えるアース端子台170とを備える。また、照明器具800は、直管形LEDランプを取り付けて直管形LEDランプの接地用口金と導通する接地用ソケット電極826(ソケット用電極)を備える接地用ソケット822と、接地用ソケット電極826に接続されるとともに、アース端子台170の速結端子772に接続されるアース線とを備える。
例えば、ランプの外郭の放熱部材と、照明器具のアース接続部材とを接触させて、ランプをアース接地させることもできるが、ランプの外郭に金属部がない場合は、ランプをアース接地できない。また、長尺状のランプの一端にアース端子を備え、ランプソケットを照明器具に電気的に接続してランプをアース接地する技術があるが、ランプソケットに接続される電線をネジなどによって器具本体に取り付ける必要があり、作業性に劣る。
本実施の形態に係る照明器具800によれば、接地用ソケット822の接地用ソケット電極826に接続されるアース線840をネジなどを用いることなくアース接地することができるとともに、ランプの外郭素材に関わらずランプを確実にアース接地することができる。