実施の形態1.
本実施の形態に係る放電灯点灯装置100(点灯装置の一例)は、端部(基板端部31)に端子台4(端子台5)を備えたプリント基板3と、プリント基板3を収納するケースとから構成される。本実施の形態に係る放電灯点灯装置100は、ケースの端部(すなわち、端子台4(端子台5)付近)のケース開放部12に、端子台4(端子台5)の露出をなるべく少なくしつつケース開放部12を塞ぐ保護カバー6(閉塞部材の一例)を別部品(別パーツ)として取り付けることができる。
図1は、実施の形態1に係る放電灯点灯装置100であって、後述する保護カバー6を装着していない状態の放電灯点灯装置100の斜視図である。図1(a)は、入力側の端子台4側からの斜視図、図1(b)は、出力側の端子台5側からの斜視図である。図2は、図1(a)におけるA方向からの矢視図である。図3は、実施の形態1に係る保護カバー6であり、(a)は入力側の端子台4側に装着される保護カバー6、(b)は出力側の端子台5側に装着される保護カバー6である。図4は、実施の形態1に係る放電灯点灯装置100であって、保護カバー6を装着した状態の放電灯点灯装置100の斜視図である。図4(a)は、入力側の端子台4側からの斜視図、図4(b)は、出力側の端子台5側からの斜視図である。図5は、図4(a)におけるB方向からの矢視図(部分側面図)であり、(a)はケース本体1のみの部分側面図、(b)はケース本体1にケース蓋2及び保護カバー6を取り付けた状態の部分側面図である。
図1〜図5を用いて、本実施の形態に係る放電灯点灯装置100の構成について説明する。まず、図1及び図2を用いて、保護カバー6を装着していない状態の放電灯点灯装置100について説明する。
図1(a)、(b)に示すように、放電灯点灯装置100は、放電灯を点灯させる点灯回路(図示せず)や端子台等が実装されたプリント基板3と、プリント基板3を収納するケース本体1と、ケース本体1の少なくとも一部を覆うケース蓋2とから構成される。ケース本体1とケース蓋2とを組み合わせた状態を、ケースと呼ぶものとする。プリント基板3は、その両端部(基板端部31)に、入力側の端子台4と出力側の端子台5とを備えている。図1(a)は、入力側の端子台4側からの斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の長辺方向反対側から見た図(すなわち、出力側の端子台5側からの斜視図)を示している。
端子台4(端子台5)(速結端子)は、プリント基板3と外部電源及び放電灯等の外部機器とを接続するための信号線(電線の一例)を結線(接続)する。ここで、端子台4(端子台5)に接続されるのは、例えば、電力を供給するための電線や電気信号(制御信号)を入出力するための電線である。以下では、信号線を例に説明するが、その他の線(光ファイバなど)でも構わない。端子台4,5は、信号線(あるいはその他の線)を結線(接続)するために、放電灯点灯装置100のケースから露出する位置、あるいは、端子台の一部(結線する部位)がケースから露出する位置に配置される必要がある。
実施の形態1における放電灯点灯装置100のケースは、ケース本体1とケース蓋2とから構成されている。ケース本体1及びケース蓋2の材質は、金属あるいはUL94−V0相当の難燃グレードを有する樹脂(プラスチック樹脂)等が好適である。ここで、UL94(UL94垂直燃焼試験)とは、米国UL(Underwriter’s Laboratolies Incorporated)規格のひとつであり、難燃規格の中でも最も厳しい部類に属し、その厳しさから材料の実用性を判定する指標として広く使用されている。通常では、V0レベルが高い難燃性を示すものとして認識され、V1やV2のレベルでは、難燃性にやや優れていることを示し、V2に未達(V2不合格)のレベルでは難燃性が劣ることを示すものとして認識されている。
ケース本体1は、略矩形状のケース本体底部15と、ケース本体底部15の短辺方向両側にケース本体側部11を有する断面略コ字状(あるいは、断面略凹字状)に形成されている。ケース本体1は、凹字状の内部にケース本体底部15と略平行にプリント基板3を収納(保持)する。つまり、プリント基板3は、ケース本体底部15から所定の距離だけ離れて(浮いて)ケース本体底部15と略平行に収納(保持)される。ケース本体1におけるプリント基板3の収納(保持)方法については、後述する。
プリント基板3は、放電灯を点灯させるための電子回路である点灯回路等を実装し、プリント基板3の長辺方向の端部である基板端部31には端子台4(入力側)を実装し(図1(a)参照)、端子台4側の長辺方向反対側の基板端部31には端子台5(出力側)を実装する(図1(b)参照)。端子台4(入力側)と端子台5(出力側)との違いは、形状の違いのみである。したがって、以下の説明では、おもに、端子台4側の図1(a)を用いて説明する。
端子台4には、電源や他の制御装置等と接続するための信号線80が接続される。端子台4は、上面に信号線80を結線する結線部41を2つ備えている。結線部41は、信号線80の端部が挿入される電線挿入穴である。実際には、信号線80はその端部の絶縁被膜が剥がされて金属の導線部分が結線部41に挿入される。図1(b)においても同様に、端子台5は、信号線80を接続し結線するための結線部51を上面に4つ備えている。
ケース本体1では、短辺方向の長さはプリント基板3の短辺方向の長さと略等しいか、あるいはプリント基板3の短辺方向の長さよりも若干長く形成される。また、ケース本体1の長辺方向の長さはプリント基板3の長辺方向の長さよりも長く形成される。あるいは、ケース本体1の長辺方向の長さは、少なくともプリント基板3の電子回路が実装された部分よりは長く形成されるとしても良い。プリント基板3は、ケース本体1のケース本体底部15とケース本体側部11とから構成される凹状の部分(ケース本体1の内部)に、ケース本体底部15と略平行に、かつ、ケース本体底部15から所定の距離だけ浮かせて収納される。プリント基板3は、ケース本体側部11に設けられた保持爪111(図2参照)によりケース本体1に保持される。保持爪111については、後述する。
ケース蓋2は、略矩形のケース蓋上面部25と、ケース蓋上面部25の短辺方向両側の下方向に延設されたケース蓋側部21とを有する断面略コ字状(あるいは、断面略逆凹字状)に形成されている。ケース蓋上面部25の短辺方向の長さは、ケース本体底部15の短辺方向の長さと略等しいか若干長く形成されている。ケース蓋2は、ケース本体1に蓋をするように被せられ、ケース蓋側部21がケース本体側部11の外側に当接するように取り付けられる。また、ケース蓋2は、ケース本体1に収納されたプリント基板3の少なくとも電子回路が実装されている部分を覆うように、ケース本体1に取り付けられる。
ケース蓋上面部25の長辺方向の長さは、少なくともプリント基板3の電子回路が実装されている部分を覆う長さであり、プリント基板3の長辺方向の長さよりも短く形成される。ケース蓋上面部25の長辺方向の長さは、基板端部31に実装された端子台4及び端子台5が露出する長さに形成される。図1では、ケース蓋上面部25の長辺方向の長さは、端子台4及び端子台5の全体が露出する長さになっているが、端子台4及び端子台5の一部が露出する長さでもよい。例えば、少なくとも端子台4及び端子台5の結線部41及び結線部51の部分が露出する長さであってもよい。また、ケース蓋上面部25の長辺方向の両端部には、ケース蓋上面部25からプリント基板3側(下側)に略垂直に延設されたケース蓋折り曲げ部22が形成される。
ケース本体1とケース蓋2とを組み合わせたケースは、内部が空洞となり、プリント基板3の電子回路が実装された部分とケースの外部とを絶縁する。また、図2に示すように、ケースの長辺方向端部には、端子台4(端子台5)を露出させるための開放された部分(開口部分)ができる。このケースの開放された部分をケース開放部12と呼ぶ。図1(a),(b)に示すように、ケース開放部12からは、端子台4及び端子台5が実装された部分のプリント基板3(すなわち基板端部31)がケース蓋2の外部に現れる(露出する)。本実施の形態では、ケース本体1の長辺方向の長さはプリント基板3の長辺方向の長さよりも長くなっているので、プリント基板3がケース本体1の外側にはみ出さず、プリント基板3の下側(はんだ面)はすべてがケース本体1で覆われ、外部と絶縁される。
図5(a)に示すように、ケース本体1のケース本体側部11は、ケース蓋2が被さる部分のケース本体側部11(以下ケース蓋取付側部122という)と、ケース蓋2が被さらない部分のケース本体側部11(以下、保護カバー取付側部121という)とからなる。ケース蓋取付側部122の縦方向の長さQは、保護カバー取付側部121の縦方向の長さPよりも長くなっている。図5(a)(b)に示すように、ケース蓋取付側部122は、ケース本体1にケース蓋2を被せたときに、ケース蓋取付側部122の上辺123がケース蓋上面部25の裏面と当接してケース蓋2を係止するように形成される。また、保護カバー取付側部121に、保護カバー6を取り付けた際には、端子台4が所定の長さL分だけ露出する。保護カバー6を保護カバー取付側部121に取り付ける際の取付方法については後述する。
図2は、図1(a)のA方向からの矢視図である。図2に示すように、プリント基板3は、ケース本体1のケース本体側部11に設けられた保持爪111により、ケース本体底部15から所定の距離だけ浮かせて保持され、ケース本体1の内部にケース本体底部15と略平行に収納されている。ケース蓋折り曲げ部22は、ケース蓋上面部25の長辺方向の端部から端子台4の方向へ延設されている。すなわち、ケース蓋折り曲げ部22は、ケース開放部12を上側から塞ぐように設けられている。
ここで、ケース蓋折り曲げ部22の上下方向の長さをできる限り長くしてケース開放部12を塞いだとしても、安全上の観点から、ケース蓋折り曲げ部22の下辺221をプリント基板3の実装面側にあまり近づけることはできず、プリント基板3の実装面側(上側)には開放部分ができてしまう。また、プリント基板3の下側(はんだ面側)にも開放部分ができてしまう。プリント基板3に燃焼や発煙が生じた場合には、このような開放部分から照明器具等に延焼してしまう虞がある。また、ケース蓋折り曲げ部22は、端子台4をすべて露出させた状態でケース開放部12の一部を塞いでいるので、端子台4が燃えた場合等は照明器具への延焼を防ぐことができない。したがって、端子台4の露出をなるべく少なくしつつケース開放部12を塞ぐ保護カバー6が有効となる。
次に、図3及び図4を用いて、実施の形態1に係る保護カバー6と保護カバー6を装着した状態の放電灯点灯装置100について説明する。
図3に示すように、保護カバー6(閉塞部材の一例)は、略箱形に形成され、部材上面63と、部材上面63の両側の部材側面66と、部材前面67とから構成される。保護カバー6は、ケースに取り付けられる際にケース開放部12側となる面が開口面となっている。以下、この開口面を部材開口部62とする。また、保護カバー6の部材上面63に対向する面も、開口となっている。以下、この開口を底面開口部68と呼ぶ。また、保護カバー6の部材前面67と部材側面66との間の辺には、スリット64が形成されている。すなわち、部材前面67の両端にスリット64が形成される。
図4に示すように、保護カバー6は、部材前面67の両側のスリット64にケース本体側部11を挟んでケースに取り付けられる。保護カバー6は、部材開口部62(図3参照)とケースのケース開放部12(図1参照)とが連通し、かつ、部材開口部62の周縁でケース開放部12を覆って、ケース開放部12を塞ぐように取り付けられる。このとき、保護カバー6は、部材前面67の下辺である部材下辺671がケース本体底部15に隙間無く密接するように取り付けられる。このため、保護カバー6の底面開口部68(図3参照)は、ケース本体底部15により隙間無く塞がれる。
保護カバー6の材質は、金属あるいはUL94−V0相当の難燃グレードの樹脂等が好適である。上述したようにケース(ケース本体1及びケース蓋2)の材質も金属あるいはUL94−V0相当の難燃グレードの樹脂等であることから、製造コスト等を考慮すると、保護カバー6はケース(ケース本体1及びケース蓋2)と同一の材質が好適である。
保護カバー6の部材上面63には、端子台4の一部を露出させるための開口部61が形成される。開口部61は、端子台4に信号線を結線する部位である結線部41を露出させるための開口部61である。図3(a)では、入力側の端子台4の形状に合わせた形状の開口部61を備え、図3(b)では、出力側の端子台5の形状に合わせた形状の開口部61を備えている。このように、端子台4(端子台5)の形状に合わせて開口部61を形成することで、端子台4(端子台5)の露出を最小限にすることができ、余計な開口部位あるいは端子台4(端子台5)との隙間を減らすことができる。
図4に示すように、保護カバー6は、開口部61から端子台4の結線部41を露出させて、ケースに取り付けられる。保護カバー6のスリット64にケース本体側部11を挟んで、部材側面66がケース本体側部11(保護カバー取付側部121)の外側に当接するように取り付けられる。また、保護カバー6の部材前面67の底辺である部材下辺671は、ケース本体底部15に密接させる。このように、保護カバー6により、プリント基板3の上側のケース開放部12部分も下側のケース開放部12部分も塞がれる。
図5(b)は、図4(a)においてB方向から見た部分側面図(B方向矢視図)である。図5(b)に示すように、保護カバー6は、開口部61から端子台4の結線部41が露出するように取り付けられる。図5(b)では、部材上面63から長さLだけ端子台4が露出している。露出する端子台4の材質は、端子台4が燃焼したときの延焼を抑制するために難燃グレードUL94−V0相当の材質とする。開口部61から端子台4が露出した状態における開口部61と端子台4(あるいは端子台5)との間には、多少の隙間が公差により生じる。したがって、たとえ端子台4が難燃性であっても、開口部61の隙間から炎が漏れる虞があるため、端子台4(あるいは端子台5)との隙間ができるだけ小さくなるように開口部61を形成するのが好ましい。例えば、保護カバー6の開口部61に折り返し部分を設け、端子台を開口部61から露出させて保護カバー6をケースに取り付けてから、折り返し部分を端子台に当接させて隙間を塞ぐ構造としてもよい。
また、結線部41には、信号線80の端部の絶縁被膜を剥がして金属の部分を露出させた導線部分の信号線80が挿入される。したがって、保護カバー6の開口部61から露出する端子台の露出長さLは、保護カバー6と信号線80の金属部分との接触等が生じないような距離をとることが好ましい。
図6は、実施の形態1を示す図であり、(a)はケース本体1の部分斜視図、(b)はケース本体1にプリント基板3を取り付けた状態を示すD方向矢視図、(c)はケース本体1に保護カバー6を取り付ける状態を示すC方向矢視図である。
図6(a)に示すように、ケース本体側部11の保護カバー取付側部121には、保持爪111、保持孔112、位置決め爪113が形成されている。保持孔112は、保護カバー取付側部121を略E形状に打ち抜いて加工したものである。保護カバー取付側部121に略E形状の穴を形成するように加工すると、保持孔112の内部に上下に2つの爪部(保持爪111)が形成される。保持爪111は上下の2つの爪であり、ケース本体1の内側に折り曲げられる。図6(b)に示すように、上下の2つの保持爪111を内側に折り曲げることにより、保持爪111の上側の爪(上保持爪111a)と下側の爪(下保持爪111b)との間にプリント基板3を挟んで保持することができる。プリント基板3を上下の保持爪111(上保持爪111aと下保持爪111b)で挟んで保持することで、プリント基板3の浮き/沈み込みを防止することができる。また、プリント基板3を上下の保持爪111で挟んで固定することができるので、プリント基板3がケースから容易に外れることがない構造とすることができる。
位置決め爪113は、保護カバー取付側部121の所定の部位を、内側に押し出して形成した爪であり、プリント基板3の端部先端を当接させて、プリント基板3の位置決めを行う爪である。
ケース本体側部11の保護カバー取付側部121には、保持爪111、保持孔112、位置決め爪113等の形成のための加工により、開口(孔、穴)が形成されることになる。例えば、プリント基板3上で電子部品の燃焼が発生すると、ケース本体側部11の開口から外部への延焼の虞がある。図6(c)(及び図5(b))に示すように、保護カバー6は、ケースに取り付けられる際に、保護カバー6の部材側面66がケース本体側部11の保護カバー取付側部121の外側に当接する。したがって、保護カバー6を取り付けることにより、保護カバー取付側部121に形成された開口(保持孔112、位置決め爪113等)を、保護カバー6の部材側面66で覆って塞ぐことができる。このように、保護カバー6により、ケース本体側部11にある開口が塞がれて、安全性がより向上する。
また、図6(c)に示すように、保護カバー6には両側の部材側面66に取付爪部65(固定爪の一例)が形成される。取付爪部65は、ケース本体側部11の保護カバー取付側部121に設けられた保持孔112に引っ掛けることにより保護カバー6をケースに係止(固定)するための爪部である。取付爪部65は、なるべく開口を形成しないような押し出し加工が好ましい。
図7は、実施の形態1に係るケース本体1とケース蓋2とを示す部分斜視図であり、(a)はケース本体1とケース蓋2とが組み合わされていない状態の部分斜視図、(b)はケース本体1とケース蓋2とが組み合わされた状態の部分斜視図である。
図7(a)に示すように、ケース本体側部11のケース蓋2に覆われる部分であるケース蓋取付側部122に、浮き防止孔114及び浮き防止爪115が設けられている。浮き防止孔114は、ケース蓋取付側部122を逆凹形の形状に打ち抜いて加工したものである。ケース蓋取付側部122に略逆凹形状で穴をつくるように加工し、形成された爪部(浮き防止爪115)をケースの内部に折り曲げることにより、プリント基板3の浮き防止用の爪となる。このように、浮き防止孔114及び浮き防止爪115を形成することにより、ケース本体側部11のケース蓋取付側部122に開口が生じることになる。
図7(b)に示すように、ケース本体1にケース蓋2を組み合わせることで、ケース蓋2のケース蓋側部21がケース本体1のケース蓋取付側部122の外側に当接されるので、ケース本体側部11のケース蓋取付側部122に形成された開口(浮き防止孔114等)を塞ぐことができる。
以上のように、ケース本体側部11に形成された開口(保持孔、浮き防止孔、位置決め爪等)は、ケース蓋2あるいは保護カバー6を取り付けることにより、すべて塞ぐことができる。すなわち、ケースを組み合わせた状態で、端子台4及び端子台5の露出している部分以外には、外部から見える部品(部分)がないようなケース構造とすることができる。つまり、本実施の形態に係る放電灯点灯装置100のケースは、外から貫通する穴がないケース構造である。
以上のように、実施の形態1にかかる放電灯点灯装置100は、放電灯を点灯させる点灯回路の電子部品が実装されたプリント基板3と、前記プリント基板3を収納するケース本体1とケース蓋2とを備え、ケース開放部12の開口を塞ぐ1または複数の部品(保護カバー6)とからなり、プリント基板3に実装された端子台4及び端子台5の結線部41及び結線部51以外の露出がないことを特徴とするので、例えば、プリント基板3等の燃焼が発生した場合でも照明器具等への延焼を極力防止することができる。
また、実施の形態1に係る放電灯点灯装置100は、端部(基板端部31)に端子台4(端子台5)を備えたプリント基板3と、プリント基板3を収納するケースとから構成される。プリント基板3が収納されているケースの端子台4(端子台5)付近のケース開放部12に、端子台4(端子台5)の露出をなるべく少なくしつつケース開放部12を塞ぐ保護カバー6(閉塞部材の一例)を別部品(別パーツ)として取り付けることができるところが大きな特徴のひとつであるので、延焼の防止が考慮された照明器具に搭載される場合には、保護カバー6を使用しない状態でも使用は可能であり、リニューアルなどで放電灯点灯装置100単体で販売する場合には、保護カバー6を取り付けて販売すれば良く、コストの削減を図ることができる。
また、実施の形態1に記載の放電灯点灯装置100と、放電灯(ランプの一例)を接続する放電灯接続部(ランプ接続部の一例)とを備えた照明器具は、例えば、照明器具自体が延焼防止機能を備えていて、保護カバー6を取り付ける必要がない場合には、保護カバー6を取り付けない状態の放電灯点灯装置100を搭載することができ、コストを抑えることができる。また、照明器具において、より安全性を向上させたい場合には、リニューアル時に保護カバー6を取り付けることもできる。また、照明器具自体が延焼防止機能を備えていない場合には、保護カバー6を取り付けた状態の放電灯点灯装置100を搭載することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、保護カバー6が放電灯点灯装置100に取り付けられると、端子台4(端子台5)の結線部41(結線部51)が露出する状態となる構造の放電灯点灯装置100について説明した。本実施の形態では、保護カバー7が放電灯点灯装置200に取り付けられると、端子台4(端子台5)が保護カバー6の内部に収納された状態となり、端子台の露出する部分がない状態となる場合について説明する。
図8は、実施の形態2に係る放電灯点灯装置200であって保護カバー7を装着していない状態の放電灯点灯装置200の斜視図であり、(a)は入力側の端子台側からの斜視図、(b)は出力側の端子台側からの斜視図である。図8は、実施の形態1における図1と同様の構造・構成を備えた放電灯点灯装置200であるが、端子台40(入力側)及び端子台50(出力側)の形状が図1とは異なる。図8において、図1の構造・構成と同様の構造・構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、端子台40(端子台50)は、前面に信号線80を結線する結線部402(結線部502)を備え、上面に治具を挿入することにより結線部402(結線部502)から信号線80を取り外すための解除部403(解除部503)を備える。端子台40は入力側の端子台(図8(a))であり、端子台50は出力側の端子台(図8(b))を示している。
図9は、実施の形態2に係る保護カバー7であり、(a)は入力側の端子台側に装着される保護カバー7、(b)は出力側の端子台側に装着される保護カバー7である。図9に示す保護カバー7は、実施の形態1における図3の保護カバー6とほぼ同様の構造・構成を備えているが、保護カバー7に形成されている開口の数・形状・位置等が図3の保護カバー6とは異なる。図9において、図3の構成と同様の構造・構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、実施の形態2に係る保護カバー7を装着した状態の放電灯点灯装置200の斜視図であり、(a)は入力側の端子台側からの斜視図、(b)は出力側の端子台側からの斜視図である。図10に示す放電灯点灯装置200は、実施の形態1における図4の保護カバー6を装着した放電灯点灯装置100とほぼ同様の構造・構成を備えているが、図10の放電灯点灯装置200では、保護カバー7から端子台40(端子台50)に露出する部分がなく、端子台40(端子台50)の全体を保護カバー7で囲っているところが図4の放電灯点灯装置100と異なる。図10において、図4の構成と同様の構造・構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示す保護カバー7は、全体形状及びケースへの取り付け方法については実施の形態1で説明した保護カバー6と同様である。異なる点は、保護カバー7に形成される開口の役割と、それに伴う開口の位置、形状、数等である。以下に、図9及び図10を用いて、実施の形態2に係る保護カバー7と保護カバー7を取り付けた放電灯点灯装置200について説明する。
図9及び図10に示すように、実施の形態2に係る放電灯点灯装置200では、保護カバー7の内部に端子台40(端子台50)全体が収納されており、端子台40(端子台50)の結線部402(結線部502)さえも露出していない構造となっている。
保護カバー7には、保護カバー7をケースに取り付けた場合に、内部に収納された端子台40の結線部402と向かい合う面(すなわち部材前面67)に、結線部402に結線された信号線80を保護カバー7の内部から外部に通過させるための信号線開口部72(電線開口部)が形成される。また、保護カバー7には、保護カバー7をケースに取り付けた場合に、内部に収納された端子台40の解除部403と向かい合う面(すなわち部材上面63)に、解除部403に治具を挿入するための開口である治具挿入開口部73形成される。
図9及び図10に示すように、治具挿入開口部73は、ひとつの解除部403に対してひとつ形成される。すなわち、治具挿入開口部73は、解除部403毎に形成される。図8に示すように、入力側の端子台40では、前面に結線部402を2つ、上面に解除部403を2つ備えている。したがって、入力側の保護カバー7においては、治具挿入開口部73は、部材上面63における解除部403に対応する位置に2つ形成される。これは、解除部403毎に治具挿入開口部73を設けることにより、なるべく無駄な開口を形成しないようにして、安全性を高めるためである。
図9及び図10に示すように、信号線開口部72は、内部に収納した端子台40のすべての結線部402に接続できるようなひとつの開口として形成される。入力側の端子台40では、前面に結線部402を2つ、上面に解除部403を2つ備えている。したがって、入力側の保護カバー7においては、信号線開口部72は、端子台40の2つの結線部402に接続できるようなひとつの開口として部材前面67に形成される。これは、信号線開口部72を小さくしてしまうと、信号線開口部72の周縁により結線部402に結線された信号線80の被膜を傷つけてしまうことを回避するためである。しかし、保護カバー7における開口部分をなるべく少なくするために、信号線開口部72も結線部402毎に形成しても構わない。
また、端子台40(端子台50)と信号線開口部72及び治具挿入開口部73との隙間をできるだけ小さくするために、信号線開口部72及び治具挿入開口部73の周縁を保護カバー7の内部に折り込んで隙間をできるだけ無くすような構成とすることもできる。
実施の形態2に係る放電灯点灯装置200のケース(ケース本体1、ケース蓋)及び保護カバー7の材質は、実施の形態1と同様に、金属またはUL94−V0以上の難燃グレートのものである。また、端子台40,50の材質は、UL94−V0以上の難燃グレートのものであることが好ましい。
以上のように、実施の形態2に係る放電灯点灯装置200は、放電灯を点灯させる点灯回路の電子部品が実装されたプリント基板3と、前記プリント基板3を収納するケース本体1とケース蓋2とを備え、プリント基板3に実装された端子台40(端子台50)がケース(ケース本体1、ケース蓋2、保護カバー7)に全面(全体)を囲われているので、ケース内で電子回路の発火等が発生した場合でも延焼を防ぐことができる安全性にすぐれた放電灯点灯装置200を提供することができる。
また、実施の形態2に記載の放電灯点灯装置200と、放電灯を接続する放電灯接続部とを備えた照明器具は、例えば、照明器具自体が延焼防止機能を備えていて、保護カバー7を取り付ける必要がない場合には、保護カバー7を取り付けない状態の放電灯点灯装置200を搭載することができ、コストを抑えることができる。また、照明器具において、より安全性を向上させたい場合には、リニューアル時に保護カバー7のみを取り付けることもできる。また、照明器具自体が延焼防止機能を備えていない場合には、保護カバー7を取り付けた状態の放電灯点灯装置200を搭載することができる。また、安全上の観点や、照明器具の構造の観点等から、保護カバー7と保護カバー6との交換等を行うこともできる。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2では、保護カバー6(保護カバー7)が着脱自在である放電灯点灯装置100(放電灯点灯装置200)について説明した。実施の形態3では、保護カバー6(保護カバー7)に相当する部分が、ケース蓋2と一体となって形成されている放電灯点灯装置300について説明する。
図11は、実施の形態3に係る放電灯点灯装置300を示す図であり、(a)は入力側の端子台40側からの斜視図、(b)は出力側の端子台50側からの斜視図である。図12は、実施の形態3に係る放電灯点灯装置300のケース本体1とケース蓋2を示す図であり、(a)は入力側の端子台40側からの斜視図、(b)は出力側の端子台50側からの斜視図である。
図11及び図12を用いて、実施の形態3に係る放電灯点灯装置300の構成について説明する。図11に示すように、本実施の形態に係る放電灯点灯装置300は、ケース本体1とケース蓋2とを組み合わせた状態で、実施の形態2の図10の放電灯点灯装置200とほぼ同様の構成となる。異なる点は、本実施の形態では、実施の形態2の保護カバー7に相当する部分が、ケース蓋2と一体として形成されている点である。
図12に示すように、本実施の形態に係るケース蓋2は、実施の形態2で説明した保護カバー7に相当する部分である保護カバー部8を備えている。保護カバー部8はケース蓋折り曲げ部22から連続して延設される。保護カバー部8では、保護カバー7の部材上面63に相当する部分(部材上面部83)がケース蓋折り曲げ部22の下辺221から連続して延設される。したがって、着脱自在の保護カバー7の場合と比べると、ケース蓋折り曲げ部22の下辺221の部分に全く隙間が無くなり、安全性が向上する。
保護カバー部8は、保護カバー7の部材上面63に相当する部分(部材上面部83)に、保護カバー7と同様に治具挿入開口部89を備える。また、保護カバー部8では、保護カバー7の部材前面67に相当する部分(部材前面部87)に保護カバー7と同様に信号線開口部82(電線開口部)を備える。また、保護カバー部8は、保護カバー7の部材側面66に相当する部分(部材側面部86)と部材前面部87との境の辺にスリット84を備える。図11に示すように、ケース蓋2をケース本体1に取り付ける際には、ケース本体1のケース本体側部11(保護カバー取付側部121)をスリット84に挟んで、部材側面部86をケース本体側部11(保護カバー取付側部121)の外側に当接させて取り付ける。
本実施の形態では、ケース蓋2の保護カバー部8は、実施の形態2の保護カバー7と同様に、端子台全体を覆って信号線開口部82から内部に収納した端子台に結線された信号線80を通過させる構造とした。しかし、ケース蓋2の保護カバー部8は、実施の形態1の保護カバー6と同様の構造としてもよい。すなわち、ケース蓋2の保護カバー部8は、端子台の一部(結線部)が露出するような構造としてもよい。
以上のように、実施の形態3に係る放電灯点灯装置300によれば、部品の点数を減らし、かつ、安全性の高い放電灯点灯装置300を提供することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、放電灯を点灯させる点灯回路の電子部品が実装されたプリント基板3と、プリント基板3を収納するケース本体1とケース蓋2との間を絶縁する絶縁板を備える放電灯点灯装置について説明する。
図13は、実施の形態4に係る絶縁板の形状のバリエーションを示す図である。図13(a)は、ケース本体1とプリント基板3とを絶縁する絶縁板90を示す図である。図13(b)は、ケース蓋2とプリント基板3とを絶縁する絶縁板91を示す図である。図13(c)は、ケース本体1及びケース蓋2とプリント基板3との絶縁をひとつの絶縁板で実現することができる絶縁板92を示す図である。
図13(a)に示すように、ケース本体1とプリント基板3とを絶縁するための絶縁板90は、ケース本体1と略同一の形状に形成され、ケース本体1の内側に設置される。また、図13(b)に示すように、ケース蓋2とプリント基板3とを絶縁するための絶縁板91は、ケース蓋2と略同一の形状に形成され、ケース蓋2の内側に設置される。このように絶縁板90及び絶縁板91を設置したケース本体1とケース蓋2とを組み合わせて放電灯点灯装置のケースとすることにより、ケースの内部に収納されるプリント基板3全体に渡ってケース(外部)との絶縁を図ることができる。
また、図13(c)の絶縁板92に示すように、プリント基板3とケース本体1とを絶縁する部分である本体側絶縁板921と、プリント基板3とケース蓋2とを絶縁する蓋側絶縁板922とを一体的に形成しても良い。この場合も、ケースの内部に収納されるプリント基板3全体に渡ってケース(外部)との絶縁を実現することができる。
絶縁板90,91,92の材質は、例えば、UL94−V0相当の難燃グレードのプラスチック樹脂シート等が好適である。難燃グレードの高い材質の絶縁板によってプリント基板3全体に渡って絶縁されるので、プリント基板3とケース(ケース本体1及びケース蓋2)との隙間を小さくすることができ、放電灯点灯装置全体を小型化することができる。
以上、実施の形態1〜4について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
また、実施の形態1〜4では、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置について説明したが、これに限られるわけではない。実施の形態1〜4は、例えば、発光ダイオード(LED)やミニハロゲン電球等のランプを点灯させる点灯装置についても実施(応用)することができる。
1 ケース本体、2 ケース蓋、3 プリント基板、4 端子台、5 端子台、6 保護カバー、7 保護カバー、8 保護カバー部、11 ケース本体側部、12 ケース開放部、15 ケース本体底部、21 ケース蓋側部、22 ケース蓋折り曲げ部、25 ケース蓋上面部、31 基板端部、40 端子台、41 結線部、50 端子台、51 結線部、61 開口部、62 部材開口部、63 部材上面、64 スリット、65 取付爪部、66 部材側面、67 部材前面、68 底面開口部、72 信号線開口部、73 治具挿入開口部、80 信号線、82 信号線開口部、83 部材上面部、84 スリット、86 部材側面部、87 部材前面部、89 治具挿入開口部、90,91,92 絶縁板、100 放電灯点灯装置、111,111a,111b 保持爪、112 保持孔、113 位置決め爪、114 浮き防止孔、115 浮き防止爪、121 保護カバー取付側部、122 ケース蓋取付側部、123 上辺、200 放電灯点灯装置、300 放電灯点灯装置、402 結線部、403 解除部、502 結線部、503 解除部、671 部材下辺。