JP5725954B2 - 弾性舗装体の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は競技用グラウンド、トラックの走路の表面を舗装する弾性舗装体を形成する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は環境変化による温度変化等によっても表面に形成した凹凸が不均一にならないように弾性舗装体を形成する方法に関する。
従来から運動競技用のグラウンド或いはジョギングなどの走路の表面を各種の高分子弾性舗装材で形成することが知られている。
特に舗装材が屋外施設である場合、全天候型であることが必要になり、近時こうした全天候型舗装材で表面処理した競技施設の需要が高まっている。
これらの全天候型競技施設を形成するのに、ウレタン弾性舗装材料は卓越した特性を有すると共に施工が容易であるとの利点を有しており、広汎に使用されている。
しかしながらこれらのポリウレタン舗装体は、その表面が平滑すぎて光沢が高く競技をしにくいとの問題を有している。特に屋外の場合、太陽光が反射しやすく、競技がしにくいと共に、表面が平滑すぎて競技中にスリップ転倒しやすいとの問題がある。
このような問題を解消するために、従来はウレタンが硬化する前に、微小なポリウレタンチップ、あるいは微小なゴムチップをまく方法(トッピング仕上げ法)が採用されている。
しかしながら、このトッピング仕上げ法で形成された施設あるいは走路はトッピングしたウレタンチップ或いはゴムチップを用いることにより発生するトッピング仕上げに起因する横ぶれという特異的な現象が発現し、競技者の能力を充分に発揮できないという問題があることがわかった。
このようなトッピング仕上げに起因する横ぶれを防止するために、揺変性を有するポリウレタンをローラを用いて表面をローラエンボス加工することが提案されている。
例えば、特許第2810227号公報には、ウレタン樹脂液をローラを用いてエンボス状に仕上げて揺変性を賦与する方法が開示されている。
しかしながら、運動競技用グランドあるいはジョギング走路の表面の仕上げ方法に関し、揺変性を有するポリウレタン樹脂液を、ローラを用いてエンボス状に仕上げようとすると、冬季、夏季、あるいは施工環境による温度変化等に伴い、表面仕上げの凹凸模様が不均一になるという問題があり、これらの改善が望まれていた。
特許第2810227号公報
本発明は、舗装材料自体に揺変性を賦与すると共に、この舗装材料を用いて適正に表面処理することにより優れた揺変性を有する走路あるいは施設を形成可能な弾性舗装材料を用いて弾性舗装体を形成する方法を提供することを目的としている。
本発明の弾性舗装体の形成方法は、樹脂組成物(a)による弾性舗装の舗装面に、平均粒子径が30,000nm(ナノメートル)以下であって且つBET法による比表面積が100m2/g以上の粒子からなる揺変性賦与剤、極性溶媒および/またはポリエチレングリコール、ポリイソシアネート化合物および活性水素含有化合物からなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、並びに、カルボン酸とアミンとの反応により得られる融点が50〜145℃の範囲内にあるアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含む分散剤を含有する弾性舗装材料を、該弾性舗装材料の可使時間以内に、櫛刃状スクイジーを用いて平坦にならす工程と、短毛もしくは中毛のウーローラを作業進行方向に沿って転走する工程(ウーローラ転走工程)と、該ウーローラの進行方向に直角に砂骨ローラを転送して弾性舗装体表面に微細な凹凸を形成する工程(第1砂骨ローラ転送工程)を含む砂骨ローラ転送工程を少なくとも3回行うことを特徴としている。
また、本発明の弾性舗装体の舗装方法は、樹脂組成物(a)による弾性舗装の舗装面に、表面処理炭酸カルシウムおよびポリイソシアネート化合物および活性水素含有化合物からなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、並びに、カルボン酸とアミンとの反応により得られる融点が50〜145℃の範囲内にあるアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含む分散剤を含有する弾性舗装材料を、該弾性舗装材料の可使時間以内に、櫛刃状スクイジーを用いて平坦にならす工程と、短毛もしくは中毛のウーローラを作業進行方向に沿って転走する工程(ウーローラ転走工程)と、該ウーローラの進行方向に直角に砂骨ローラを転送して弾性舗装体表面に微細な凹凸を形成する工程(第1砂骨ローラ転送工程)を含む砂骨ローラ転送工程を少なくとも3回行うことを特徴としている。
即ち、本発明の弾性舗装体の舗装方法には、
(1)特定の揺変剤と極性溶剤と分散剤とを配合する態様、
(2)特定の揺変剤とPEGと分散剤とを配合する態様
(3)表面処理炭酸カルシウムと分散剤とを配合する態様がある。
本発明によれば、舗装材料自体が弾性を有し、しかも特定の方法で表面仕上げをすることにより、優れた揺変性を発現させることができると共に、表面に微細な凹凸を形成することにより太陽光などの反射を抑制することができる舗装体を容易に形成することができる。
また、本発明の弾性舗装材料を用いることにより、夏季、冬季の温度変化等による作業環境の変化に左右されることなく均一性の高い弾性舗装面を形成することができるため、陸上競技場あるいは多目的運動場の表面仕上げ材料として好適であり、光の反射の少ない均一な凹凸面を形成することができ、このようにして形成された舗装表面はスリップの虞が著しく低減される。
さらに、本発明の弾性舗装材料を用いることにより、温度依存性が小さく、冬季および夏季のいずれの環境下においても順調に舗装作業をすることができ、しかも塗装作業温度によっても仕上がり面が影響を受けることがない弾性舗装体を容易に形成することができる。
図1は、本発明の弾性舗装体を形成する際の工程図の例である。 図2は、本発明の弾性舗装材料を用いて舗装する際に用いるスクイジーを、模式的に示す図である。 図3Aは、スクイジーで本発明の弾性舗装材を流涎した際にスクイジーの両端に形成される畝の状態を示す図であり、図3Bは短毛を植設したウーローラを転送して畝を消した状態を模式的に示す断面図である。 図4は、短毛を植設したウーローラの断面を示す断面図である。 図5は、砂骨ローラの断面を示す断面図である。
次に弾性舗装材を用いた本発明の弾性舗装体の形成方法について図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明の弾性舗装体の形成方法では、特定の弾性舗装材料を、図2、図4、図5に示すようなスクイジー20、ウーローラ30、砂骨ローラ40を用いて流涎し、表面処理をする。即ち、特定の弾性舗装材料をスクイジー20で流涎し、スクイジーにより流涎された舗装材料を短毛もしくは中毛のウーローラ30を転走する工程(ウーローラ転送工程)と、該砂骨ローラ40を転送して弾性舗装体表面に微細な凹凸を形成する工程(第1砂骨ローラ転送工程)を含む砂骨ローラ転送工程を少なくとも3回行う。砂骨ローラ40の転送方向は、一回目の砂骨ローラの転送方向は作業進行方向(多くの場合走路方向)に沿って転送し、二回目および三回目の砂骨ローラは一回目の砂骨ローラの転送方向と直行するように転送させる。
本発明で使用する弾性舗装材料は、図1に示すように、基本的に、揺変性賦与剤、無機充填剤、ウレタンプレポリマーおよび分散剤を含んでなる。さらに、通常は、本発明の弾性舗装材料には、舗装体を着色するためのトナー、ウレタンの反応触媒、舗装体に弾性を賦与するための分散剤、耐候安定剤などが含まれている。
本発明において、揺変性賦与剤は、平均粒子径が30,000nm以下、好ましくは5〜15,000nmであって且つBET法による比表面積が100m2/g以上、好ましくは150〜410m2/gの粒子を用いる。このような揺変性賦与剤として使用される粒子の例としては、通常は超微粒子状シリカ、Al23含有超微粒子状シリカ、および、TiO2含有超微粒子状シリカを挙げることができる。これらは単独であるいは組合わせて使用することができる。上記のような平均粒子径および比表面積を有する超微粒子状の粉末を揺変性賦与剤として使用することにより、舗装材料を構成する主たる材料であるポリウレタンと協同して、スパイクなどにより応力が加わったときにその応力が緩和され、その一部が吸収されるように作用する。
このような揺変性賦与剤として市販されている粒子を使用することができ、このような市販されている揺変性賦与剤の例としては、アエロジル(日本アエロジル(株)製)、表面処理された重質炭酸カルシウム粉末、カーボジル(Carbosil(株)製)、ハイシール(PPGジャパン(株)製)、ウルトラシール(デグッサ(株)製)、カープレックス(シオノギ製薬(株)製)、ニップシール(日本シリカ工業(株)製)等を挙げることができる。その他揺変性賦与剤として含水珪酸マグネシウムを主成分とした無機繊維、例えば鉱物名をセピオライトという天然の繊維状粘土鉱物を用いることができ、より具体的には、水澤化学工業(株)製の商品名エードプラス、(株)セピオジャパン社の商品名ミルコン、および、近江工業(株)製の商品名ミラクレーなどを好適に使用することができる。特に本発明ではアエロジル#200あるいはアエロジル#380を使用することにより、たいへん優れた揺変性を発現させることができると共に、所定の凹凸が形成された均質な舗装面を形成することができる。
このような揺変性賦与剤は、本発明の弾性舗装用材料の固形分100重量部中に通常は0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲内の量で使用される。
舗装面に形成される凹凸の効果を増大させるためには上記揺変性賦与剤の配合量を増加させればよいが、上記規定する量の上限を超えて使用すると舗装面の特性低下を招来する虞がある。また、上記下限を下回って配合しても揺変性賦与剤としての効果が発現しない。
本発明の弾性舗装材料には、粉体として上記の揺変性賦与剤とは別に、平均粒子径が0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲内にある無機充填剤が配合されている。この無機充填剤は、本発明の弾性舗装材料における活性または非活性充填剤であり、具体的には、重質炭酸カルシウム、タルク、炭酸バリウム、亜鉛華などを使用することができる、これらの無機充填剤は単独であるいは組合わせて使用することができる。これらの中でも重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
本発明において、上記無機充填剤は、弾性舗装材料100重量部中に20〜80重量部、好ましくは40〜60重量部の範囲内の量で使用される。
特に本発明では、上述の揺変性賦与剤と、上記無機充填剤とは、通常は1:10〜1:70、好ましくは1:30〜1:50の範囲内の重量比率で配合することが望ましい。このように両者の配合比率を調整することにより、舗装表面の特性がよく、安定感がある高速走路を形成することができる。
また、粉体である上述の揺変性賦与剤と無機充填剤との合計量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して,通常は30〜80重量部、好ましくは40〜60重量部の範囲内の量で使用される。このような良否で揺変性賦与剤と無機充填剤を配合し特定の分散剤を含有するウレタンプレポリマーから形成された走路は、優れた揺変性と弾性とを有しており、例えば好記録達成用の弾性舗装走路として好適である。
本発明で使用するウレタンプレポリマーは、例えばポリオール類あるいはカルボン酸あるいはジカルボン酸のような活性水素含有化合物と過剰のポリイソシアネート化合物からなる末端にイソシアネート基とを反応させることにより得ることができる。
ここで使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内に複数のイソシアネート基を有する化合物であり、本発明では特に限定されずに通常使用されているポリイソシアネート基を有する化合物を使用することができる。このようなポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとの混合物、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその変性物ノルボルネンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのジイソシアネート化合物を挙げることができる。これらは単独で或いは組合わせて使用することができる。
本発明で使用されるウレタン樹脂は、使用に際して、ポリエーテルまたはポリエステルなどのポリオール(分子内に活性水素原子を有する化合物であって、分子量が300〜7000程度のもの)と、このポリオールに対して過剰のポリイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を反応させてウレタンプレポリマーを形成して使用する。
ここで使用されるポリエーテルの例としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコール等の他、エチレンジアミン、エタノールアミン、芳香族ポリアミンなどのアミン類、フェノール樹脂などの多価フェノール類を出発物質としてこれにアルキレンオキシドを開環重合させたものを使用することができる。
また、分子内に活性水素原子を有する化合物として、アジピン酸、フタル酸、セバチン酸、ダイマー酸などの有機酸を使用することもでき、さらに、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ブチレングリコール、ヘキサントリオールなどを使用することもできる。
本発明では上記のような分子内に活性水素を有する化合物の水酸基価よりも過剰のポリイソシアネート化合物を使用して分子末端がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーを形成して使用する。通常は分子内に活性水素を有する化合物の水酸基価に対して1〜10倍、好ましくは2〜5倍になるようにポリイソシアネート化合物を使用する。このように末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを使用することにより、可使時間および粘度を舗装作業に適した範囲内に調整することができる。
なお、このときのウレタンプレポリマーの分子量は、通常は1000〜10000、好ましくは1500〜5000の範囲内にあり、ウレタンプレポリマー単独の25℃における粘度は、通常は3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・sの範囲内になり、良好な流動性を有している。
本発明において、上記のようなウレタンプレポリマーは、舗装材料100重量部中に、通常は20〜80重量部、好ましくは40〜60重量部の範囲内で配合されている。
本発明では、さらに融点が50〜145℃の範囲内にあるアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含有する分散剤を含有している。
本発明で使用するポリアマイド化合物は、カルボン酸とポリアミドとの反応物であり、その融点が50〜145℃、好ましくは70〜100℃の範囲内にあり、分子内に−CONH-構造を有する化合物である。このポリアマイド化合物を調製する際に使用されるカルボン酸には脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、多塩基性カルボン酸がある。
本発明で使用可能な脂肪族カルボン酸の例としては、カプロン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、ウンデシル酸、ドデカンジカルボキシ酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、2-エチルヘキシル酸および水素添加ひまわり油脂肪酸を挙げることができる。
また、芳香族カルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸、ナフタリン酸等の一価の芳香族カルボン酸を挙げることができる。
さらに、本発明で使用されるカルボン酸は多塩基性カルボン酸を使用することもでき、このような多塩基性カルボン酸の例としては、ダイマー酸、コハク酸、アゼラン酸、グリタン酸、アジピン酸、ピぺリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸、ドデカン二酸を挙げることができる。これらは単独であるいは組合わせて使用することができるし、多価塩基性カルボン酸の有するカルボン酸基の一部をアミン化合物と結合させて使用することもできる。
また、上記カルボン酸と反応するアミン化合物の例としては、モノメタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミンなどのアルコールアミン;
ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、2-エチルヘキシルアミンなどのモノアミン;
メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、4,4-ジアミノブタン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1.10-ドデカメチレンジアミン、1,11-ドデカメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、キシリレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミンなどのポリアミン類;
ベンジルアミンおよびその誘導体;を挙げることができる。
上記カルボン酸あるいはジカルボン酸と、アミン化合物とを、アミン化合物が過剰になるように配合して溶媒中で加熱することにより分子中に−NHCO-基を有するアマイド化合物を調製することができる。
このようにして得られるポリアマイドの酸価は、通常は10〜200、好ましくは20〜60の範囲内にあり、その平均分子量は、通常は1万〜5万の範囲内にある。
さらに本発明で使用する分散剤には、(メタ)アクリル酸系の化合物を(共)重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体を含有していてもよい。
この(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体を調製するために使用する(メタ)アクリル酸系の単量体は、好適には炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体あるいは共重合体であり、このアルキル基には水酸基等の官能基が含有されていてもよい。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体あるいは共重合体を形成するモノマーの例としては、炭素数2〜18のアルキル成分を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単独であるいは組み合わせて重合させたポリマーを挙げることができる。なお、ポリマーの特性を損なわない範囲で、スチレンなどの(メタ)アクリル酸系モノマー以外のモノマーが共重合していてもよい。(メタ)アクリル酸系モノマー以外のモノマーの共重合量は、通常は30重量%以下である。
この(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、平均分子量が通常は1000〜10000の範囲内にあり、ガラス転移温度が通常は20℃以下、好ましくは20℃〜−50℃の範囲内にある。
分散剤が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体を含む場合、分散剤として上記のポリアマイド化合物と(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体とは、60:40〜90:10の範囲内の重量比で含有しているものを用いることが望ましい。
上記のようなアマイド化合物は、キシレン、ポリアルキレングリコール等に容易に溶解するので、本発明では、分散剤は例えばキシレン/ポリプロピレングリコール混合溶媒等に溶解して使用される。
本発明で使用される弾性舗装材料の分散剤は、このようなアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含む分散液を含有している。アマイド化合物と(メタ)アクリル酸アルキル(共)重合体との一体化物の例としては、ディスパロン3900(楠本化成(株)製)として市販されている。
本発明で使用するポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含有する分散剤は、一分子内に,複数のエーテル結合と、エステル結合を有するノニオン型の界面活性剤であり、エチレングリコールのようなアルキレングリコールからポリエーテル構造(-R−O−R−)を形成し、多くの場合エステル結合(-COO−)は、分子中に存在するか、分子末端にエステル結合により分子封止されている。そして、アルキレングリコールの付加量によってこのポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含有する分散剤の極性が変化する。このポリエーテルポリエステル型活性剤には、上述のアマイド結合を含有させることができ、アマイド結合(あるいは化合物)の量によって、ポリアマイド化合物と見ることもできるしポリエーテル・エステル結合が多ければ、ポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含有する分散剤として認識することもできる。因みにアマイド結合(あるいは化合物)量が少ないものとして例えばディスパロン3600N(楠本化成(株)製)を挙げることができる。
また、本発明では、揺変剤として、表面処理した重質炭酸カルシウムを用いることもできる。
本発明では、上記成分に加えて必要により、トナー、液状添加物、ウレタンプレポリマーの反応触媒、液体ポリアミンおよび耐候安定剤を配合することができる。
ここで使用されるトナーは、弾性舗装材料を着色するものであり、具体的には、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロム、シアニンブルー、シアニングリーンを挙げることができる。これらのトナーは、本発明の弾性舗装材料中にある固形分100重量部中に通常は2〜10重量部、好ましくは4〜6重量部の範囲内の量で使用することができる。
また液体添加物は、主として可塑剤であり、これらの例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼラン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどの脂肪族二塩基酸エステル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジペンタエリスリトール、ヘキサエステルペンタエリスリトールなどのグリコールエステル類;リン酸トリオクチルなどのリン酸エステル類;エポキシ価大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチルなどのエポキシ系可塑剤を挙げることができる。
これらのなかでもフタル酸ジブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、アジピン酸ジオクチル、リン酸トリクレジルなどを使用することが好ましい。これらは単独であるいは組合わせて使用することができる。
これらの液体添加物は、本発明で使用される弾性舗装材料中にある固形分100重量部中に通常は0〜10重量部、好ましくは3〜7重量部の範囲内の量で使用することができる。上記のような量で使用することにより、本発明の弾性舗装材料から形成された舗装体が硬質にならずに良好な弾性を有するようになる。
上述したウレタンプレポリマーを反応硬化させるための硬化剤成分として、メチレンビス-o-クロロアニリン(MBOCA)、o-クロロアニリンと、アニリンおよび/またはホルマリンとの縮合物(混合物を含む)、ポリプロピレングリコール(PPG,好適な分子量:1000〜10000)等を挙げることができる。本発明において、液状ポリアミンがメチレンビス-o-クロロアニリンを含有する化合物であり、この活性水素化合物は、本発明の弾性舗装材料中にある固形分100重量部中に通常は2〜15重量部、好ましくは4〜10重量部の範囲内の量で使用することができる。
また本発明の弾性舗装材料には触媒が配合されており、このようなウレタンプレポリマーを反応硬化させるための触媒としては、錫化合物、オクチル酸鉛、トリエチルアミン、ナフテン酸鉛を挙げることができる。これらの触媒は、本発明の弾性舗装材料中にある固形分100重量部中に通常は0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部の範囲内の量で使用することができる。
また、本発明の弾性舗装材料には通常は耐候安定剤が配合されている。ここで耐候安定剤は本発明の弾性舗装材料を用いて形成された弾性舗装体の劣化を防止するためのものであり、通常はベンゾトリアゾール系などの紫外線劣化防止剤、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤を挙げることができる、これらの耐候安定剤は、本発明の弾性舗装材料中にある固形分100重量部中に通常は0.1〜2重量部、好ましくは0.3〜1重量部の範囲内の量で使用することができる。
また、本発明の弾性舗装材料は、ローラを用いて所定の厚さに流涎して弾性舗装を形成することから、25℃における粘度が通常は100〜800Pa・sの範囲内、好ましくは200〜500Pa・sの範囲内にある。本発明の弾性舗装材料を上記のような粘度にするために、本発明の弾性舗装材料は、ウレタンプレポリマーに対して溶解性あるは分散性を有するが反応性を有していない有機溶媒を用いて粘度調整することが望ましい。このような有機溶媒の例としては、キシレン、トルエンなどの芳香族溶媒などの極性の低い溶媒(または非極性溶媒)を用いることができる。これらの溶媒は単独で或いは組合わせて使用することができる。このような有機溶媒は、本発明の弾性舗装材料の粘度が上記の範囲内になるような量で配合することができる。
本発明の弾性舗装材料は、上述のように、揺変性賦与剤、無機充填剤、ウレタンプレポリマー、および、アマイド化合物を含有する分散剤、さらに必要により、トナー、液状添加剤、ウレタンプレポリマーの反応触媒、液状ポリアミン、および、耐候安定剤を一括して混合して使用することもできるが、ウレタンプレポリマーの反応が進行しないように、分包しておくことが好ましい。
通常は、ウレタンプレポリマー(A成分)と、ウレタンプレポリマー以外の揺変性賦与剤、無機充填剤、アマイド化合物を含有する分散剤、さらに必要により、トナー、液状添加剤、ウレタンプレポリマーの反応触媒、液状ポリアミンおよび耐候安定剤(B成分)とを分包する。
また、上記B成分のうち、トナー、液状添加物、ウレタンプレポリマーの反応触媒などを有機溶媒に別途混合して(B-1成分)成分を調整し、これ以外のB成分である揺変性賦与剤、ジメチルアセトアミド、液状ポリアミンを有機溶媒に分散させてさらに分包してもよい(B-2成分)。
本発明で極性溶剤を使用する場合、極性溶剤としては、ジメチルスルフォオキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、これらの混合物を挙げることができ、これらは単独であるいは組合わせて使用することができる。また、これらの極性溶剤は、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの非極性溶剤と混合して用いることもできる。極性溶剤の量は、主体とするポリウレタン材料システムの固形分に対して重量比で0.5〜10重量%が適当である。通常の場合、非極性溶剤も併せて使用するが、非極性溶剤の量は全溶剤中に、通常は1〜50重量%が適当である。また、ポリエチレングリコールを使用する場合、このポリエチレングリコールとしては、平均分子量100〜20,000で任意のエーテルか若しくはエステル化誘導体を含む。ポリエチレングリコールの使用量はポリウレタン材料システム中の固形分に対して通常は0.01〜10重量%である。
本発明の弾性舗装材料を用いた弾性舗装体は、たとえば次のようにして製造することができる。
まず、本発明の弾性塗装材料の内、揺変剤、極性溶媒および/またはポリエチレングリコールまたはその誘導体を使用することなく、表面処理無機充填剤の使用、具体的には表面処理炭酸カルシウム、その他の助剤を配合し変性したものにアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸(例えばディスパロン3600N(楠本化成(株)製)を含む分散剤を配合することもできる。このときのアマイド化合物或いはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸の添加量は、本発明の舗装材料中の固形分1000重量部に対して1〜3重量部である。添加剤は、予めウレタンプレポリマー中に配合しておいても構わないが、ウレタンプレポリマーを形成した後、このウレタンプレポリマーに添加した方が材料が安定する。
なお、添加剤としてディスパロン3600Nの代わりに、ディスパロン3900(楠本化成(株)製)を用いても同様の効果が得られる。
これらの舗装材料は、三枚以上の羽根を有する混合機を用いて混合される。このような混合器のとしては東芝(株)製のパワーミキサーPM-220B-R2などを挙げることができる。これらの成分の混合に際しては、混合回転数を通常は100〜400回転/分、好ましくは250〜350回転/分の低速で攪拌することが望ましい。このような回転速度で材料を混合することにより、材料中への空気の巻き込みを低減することができる。上記の成分を混合するとウレタンプレポリマーの硬化反応が進行し始めるので、攪拌操作はできるだけ短時間で行うことが望ましく、通常は3〜10分間、好ましくは5〜8分間である。
上記のようにして調製した舗装材料は、予めアスコン等の基層表面に塗布設されたポリウレタンベース表面に、図2に示すようなスクイジーあるいは櫛ごてで、走路の走行方向に沿ってあるいは走路とクロスするように流涎する。
上記のアスコン上に施工されたウレタン層(樹脂組成物(a)のによる弾性舗装の舗装面)を施工した後、樹脂が完全に硬化しない間に本発明の弾性舗装材料を塗設するのが好ましく、下地施工後6時間〜100時間程度の比較的早い時点で弾性舗装材料を塗設することが好ましいが、下地処理した樹脂(樹脂組成物(a))にべたつきがなくなった場合には各種溶剤を塗布するか、新たにプライマーなどを下地樹脂に塗布することにより、下地層と弾性舗装材料とを完全に密着させることができる。なお、下地樹脂は必ずしもポリウレタンに限定されず、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエスエル、SBR、塩化ビニル樹脂などの樹脂、またはこれらの樹脂にチップをバインダーで固めた複合体も好ましく使用することができる。しかし、実用上は、ポリウレタン系あるいはこれにチップをバインダーで固めた複合材料が最も好ましい。
ここで使用する櫛刃を形成したスクイジーは、図1に示すように、櫛の高さhが通常は2〜5mm、好ましくは2.5〜4.0mmであり、櫛の形成ピッチPが4.0〜10.0mmで幅であり、スクイジーの幅w(レーキ幅が)が通常は400〜800mm、好ましくは500〜700mmであり、柄を含めた総重量が通常は800〜1500g、好ましくは900〜1300gである。
このような重さのスクイジー20を用いることにより、高粘度の舗装材料を均一にならすことができ、また過度に塗装材料を引き延ばすことがないので、所定の厚さの舗装面を形成することができる。このようなスクイジーを用いることにより弾性舗装材料中に含有される空気が放出されやすくなる。
しかも、このような形状を有するスクイジー20を用いて舗装材料を流涎することにより、舗装材料は、図2に示すように、スクイジー20に形成された櫛状に対応した形状に流涎される。しかしながらスクイジーの境界部分は、図2Aに示すように、他の部分よりも高い畝(段差)が形成されることがあるので、図2のBに示すように、この堆い畝を平坦にするために、本発明でスクイジー20を用いた後に、ウーローラ30を用いて畝の均一化を行う。
次いで、上記のようにスクイジーによって形成された段差を消すために、短毛もしくは中毛のウーローラ(第2)30を転走させる。ここで使用される短毛もしくは中毛のウーローラは、芯材に短毛の場合、毛足wLが4〜5mm、中毛の場合5mm以上14mm以下のポリエステル繊維を植設したローラである。また、ウーローラの代わりに、後述する多孔質ローラの表面を加工して大きな凹凸を形成したローラを使用することもできる。
このウーローラ30は胴体内壁径wd3が通常は30〜45mm、好ましくは35〜40mm、であって胴体外壁径wd2が通常は30〜50mm、好ましくは35〜45mmの有底筒状体の表面に、短毛ウーローラの場合、長さwLが通常は3〜6mm、好ましくは通常は4〜5mmの繊維、中毛ウーローラの場合、長さwLが通常は11〜15mm、好ましくは通常は12〜14mmのポリエステル繊維を植設したローラを用いる。
このような短毛もしくは中毛のウーローラを好適には走路方向に沿って転走することにより、スクイジーによって形成された段差を沿って消すことができる。
このウーローラの全体の重さは通常は200〜300gであり、スクイジーによって形成された段差は除去されるが、スクイジーによって形成された櫛あとはほとんどそのままの形態を維持する。
なお、毛足が15mmを超えて長い長毛ウーローラもあるが、ポリエステル繊維を植設した長毛ウーローラを用いると、塗設した舗装材料を巻き込んでスクイジーによって形成された畝を完全に消してしまうことがあり、本発明で使用するのは適切ではない。
本発明において、弾性舗装体の厚みを均一にするためには、スクイジーまたは櫛ごて(第1)で縦あるいは横方向に弾性舗装材料を均一に塗設した後、ウーローラ(第2)により予め転走して表面の大きな段差を消すことが後の工程で均一な厚みと凹凸面を得るために重要である。
次いで、本発明では、上記のようにしてウーローラで段差を消した舗装面に多孔質ローラ(第3〜第5)を転走させる。
ここで多孔質ローラとは、ローラの中でも多孔質に加工したもので、たとえばマスチックハンドローラ、パターンローラ、砂骨ローラ等(いずれも大塚刷毛製造(株)製)を挙げることができる。
このような多孔質ローラの材質は、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂などの樹脂を発泡させた多孔質樹脂ローラ、ステンレス、真鍮、アルミニウムなどの金属性の金網あるいはパンチングメタルを巻回したものなどがあるが、本発明ではポリウレタン樹脂を発泡させた後加工したスケルトンフォームを用いるのが特に好ましい。また、マスチックローラ、金属ローラ、砂骨ローラも使用することができるが、マスチックローラを使用すると表面の凹凸が顕著になる傾向がある。
これらのローラの表面に形成されている穴の大きさは通常は2〜20メッシュ、好ましくは4〜10メッシュの範囲内にある。
また、これらのローラ材質のASKER F硬度計により測定した硬さは、通常は30〜60、好ましくは40〜50である。この硬度が15の多孔質ローラを用いて塗布したところ、塗装表面に凹凸模様が充分に形成されなかった。また、硬度91の多孔質ローラを使用して同様に塗布したところ、エンボス加工される材料そのものが移動してしまい大小の不陸模様が形成されてしまう。
本発明では上記のような多孔質ローラによる表面処理を3回行う(第3、第4、第5)。
以下多孔質ローラとして砂骨ローラを用いた場合を例にして説明する。
第3、第4、第5の砂骨ローラの転走速度および転走方向は仕上がり面の均一性に多大な影響を及ぼす。
第3の砂骨ローラは、走路方向に対して平行方向に通常は毎秒2〜4m、好ましくは2.2〜3.8mの転走速度で処理することが望ましい。
また第4の砂骨ローラは、第3の砂骨ローラの転走方向に対して略直角に通常は毎秒0.5〜1.5m、好ましくは0.7〜1.3mの転走速度で処理することが望ましい。
さらに、第5の砂骨ローラは、第4の砂骨ローラの転走方向に対して平行方向に通常は毎秒0.5〜1.5m、好ましくは0.7〜1.3mの転走速度で処理することが望ましい。第5の砂骨ローラの転走方向および速度は、この弾性舗装体の最終仕上がり状態を決定するので特に、注意深く行うことが必要である。
このようにローラの転走方向を最初のローラ(第3)を縦方向(走路方向に対して平行)にしたら、次のローラを横方向(走路方向に対して直角)に転走させる方が凹凸模様の凸部が独立する。縦方向だけあるいは横方向だけに転走させると凹凸の凸部が連続的に繋がり易くなる。さらに同様に次のローラ(第5)は横方向(走路方向に対して直角)に転走することにより目的とする均一な凹凸面が形成される。
なお、通常は1.3〜2.5メートルの幅ごとに施工幅を区切って塗布するが、施工部分によっては施工幅が4メートルにも達することがある。このような場合にはローラにローラ継ぎ手をとりつけることにより幅の広い個所に対応する。ローラの継ぎ手としては、大塚刷毛製造(株)製のアルミスライド継ぎ手、伸び長最大5.1mのものも使用されるが、伸び長3.5〜1.95mのものが使用しやすく、効率的である。
上述のように表面仕上げの凹凸模様の形状は、特に陸上競技場としては衝撃吸収性、緩衝性、反発性、適度のすべり抵抗などの点から記録性あるいは安全性などの走行性能、さらに維持管理、美観など、総合的に決められるべきものであり、ポリウレタン弾性舗装の出現以来トッピング仕上げが主流であったが、最近では上述の点を考慮してエンボスという凹凸模様に変化してきている。
上記のような形状構造は、前記弾性舗装材料の塗布厚は、通常は0.5〜3.0mm好ましくは1.0〜1.5mmである。
材料の塗布量は、固形分として1m2当たり0.5kg〜3kgが好適である。
施工の方法としては、通常は下地樹脂の施工後に現場で塗布する方法であるが、工場で塗布した樹脂シートを現場で張り合わせる、所謂プレハブ工法を採用した施工も可能である。
本発明によれば、従来のポリウレタン材料システムに、特殊な揺変付与効果を有する材料を下地樹脂の表面に先に述べたローラを用いて塗布するだけで簡単に経済的な方法により、適度の凹凸を有しており、かつ耐久性に富む高性能の舗装表面が得られるので、この効果は極めて顕著であり、かつ環境変化に伴う温度変化においてもチクソトロピックインデックスの変化が小さく、表面の仕上げ凹凸模様を均一に形成することができる。
このようにして最後に砂骨ローラを転送して得られるエンボス面の平均凹凸高さは、通常は0.25〜5mm、好ましくは0.5〜3.0mmの範囲にある。さらに上記のようにして形成された弾性舗装体の25℃における弾性率が通常は2〜50Pa・sの範囲内、好ましくは4〜15Pa・sの範囲内にある。
このような凹凸面を有し、弾性率が上記範囲内にある舗装体は、スパイクがしっかりとかかり、しかも優れた反発力を有するので、好記録達成用の全天候型舗装材として好適である。また、弾性舗装体の表面が適度に荒れているので、舗装体表面における反射が少なく、反射光が障害になることはない。
しかも好適な弾性率を有するのでスパイクなどのかかりがよく、転倒事故を防止するという特性が極めて高いとの利点もある。
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
ポリウレタン弾性舗装用原液システムのA液として、平均分子量2000のポリオキシプロピレンと、過剰のトリレンジイソシアナート(2,4-体/2,6-体=80:20,重量比)とを常温で反応させて末端イソシアナート基含有率5.2%のプレポリマーを製造した。
これとは別に本発明のポリウレタン弾性舗装用原液BシステムのB液としてメチレンビス(o-クロロアニリン)を含む液状アミン64kg、トナー40kg、重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.85μm)20kg、液状添加剤56kg、錫触媒8kgおよび耐候安定剤2kgからなるB液を製造した。
上記A液とB液とを1:1の重量比で攪拌混合して、本発明の弾性舗装材料を調製した。
予め公知の下地処理を施したアスコン下地の上に、上記A成分:B成分=1:1の混合液を厚さ12mmの厚さに舗装施工した。こうして施工された舗装材料のポットライフは、約60分である。このようにして施工した下地層を18時間放置した。
18時間経過後、A成分50kg、B成分50kg、アエロジル#200(超微粉末状シリカ(平均粒子径12nm、比表面積200m2/g))を3.5kg、ジメチルアセトアミド2.5kg、トルエン17.5kg、さらにディスパロン3600N(楠本化成(株)製)2kgを、攪拌羽根の枚数が3枚の攪拌装置を用いて空気をできるだけ巻き込まないようにして混合攪拌して本発明の弾性舗装材料を製造した。
このようにして製造した弾性舗装材料の25℃における粘度は300Pa・sであり、可使時間は90分であった。このような粘度の弾性舗装材料には攪拌の際に多少空気が巻き込まれ気泡が存在するが、スクイジーを用いた塗布の工程で殆どの気泡が消滅する。
こうして得られた弾性舗装材料を櫛目高が3.5mm、櫛目のピッチが7mmであり、持ち手(枝の部分)を含む本体重さ1kgのスクイジー(第1)を用いて走路の走行方向に沿って弾性舗装材料を押し広げるように動かすことにより均一に塗布した。
次いで長さが22.9cmの繊維が円筒状支持体の表面に多数植設されたハンドル部分を含む重さが272gのポリエステル繊維を植設したウーローラ(第2)を転走して主として表面にあるスクイーズの境目にできた大きな段差(畝)を消した。
次いで枝の部分を含めた重さが1573gの砂骨(多孔質)ローラ(第3)を塗装作業進行方向に対して平行に転走してその表面に粗い凹凸模様を形成した。引き続いて、上記砂骨ローラ(第4)を塗装作業に対して直角に転走し、さらに砂骨ローラ(第5)を作業の進行方向に対して直角に転走してその表面をさらに均質にしてさらに均質な凹凸模様に仕上げることができた。
なお塗布材料の量は1m2あたり約1.2kgであった。このときの下地ウレタン舗装面の温度は55℃であったが、表面温度が25℃のときに同様な方法で施工した仕上げ面と比較してみても両者の表面凹凸状態に差はなかった。
<チクソインデックスの測定方法>
本発明においてチクソインデックスの値は次に用にして測定した。
JAS-k-7117(液状樹脂の回転粘度系による粘度試験方法)に規定されるB型回転粘度計による樹脂粘度測定を実施した。樹脂温度は25℃、40℃、55℃の3水準とした。粘度測定のローターNo.は7号を使用した粘度計のローター回転数は2rpmおよび20rpmで測定し、2rpm測定値/20rpm測定値をチクソインデックスとした。
〔実施例2〕
実施例1において、ジメチルアセトアミド5kgの代わりに、ポリエチレングリコール(分子量:3000)を1kg加え、さらにディスパロン3600N2kgを攪拌混合した材料を櫛ゴテ(第1)を用いて均一に塗布し、次いでポリエステル繊維を植設したウーローラ短毛(第2)を用いて予め転走して表面の大きな段差を消した後、砂骨ローラ(第3)を走路の進行方向に対して平行に転走してその表面に粗い凹凸模様を形成した。引き続き、砂骨ローラ(第4)、砂骨ローラ(第5)を櫛ゴテの進行方向に対して直角に転走してその表面をさらに均質とし、均一な凹凸模様に仕上げた。
なお、塗布材料は1m2当たり約1.2kgであった、このときの下地ウレタン塗装面の表面温度は55℃であったが表面温度が25℃のときに同様の方法で施工した仕上がり面と比較したところ、同一な凹凸模様の表面を得ることができた。
〔実施例3〕
実施例1において、アエロジル#200を7kgとジメチルアセトアミド5kgおよび重質炭酸カルシウム20kgの代わりに、表面処理炭酸カルシウム(平均粒子径:1〜10μm、比表面積:15m2/g)を32kg加え、さらにディスパロン3600N2kgを攪拌混合した材料を櫛ゴテ(第1)を用いて均一に塗布し、次いでポリエステル繊維を植設したウーローラ短毛(第2)を用いて予め転走して表面の大きな段差を消した後、砂骨ローラ(第3)を櫛ゴテの進行方向に対して平行に転走してその表面に粗い凹凸模様を形成した。引き続き、砂骨ローラ(第4)、砂骨ローラ(第5)を櫛ゴテの進行方向に対して直角に転走してその表面をさらに均質とし、均一な凹凸模様に仕上げた。
なお、塗布材料は1m2当たり約1.2kgであった、このときの下地ウレタン塗装面の表面温度は55℃であったが表面温度が25℃のときに同様の方法で施工した仕上がり面と比較したところ、同一な凹凸模様の表面を得ることができた。

Claims (10)

  1. 樹脂組成物(a)による弾性舗装の舗装面に、平均粒子径が30,000nm以下であって且つBET法による比表面積が100m2/g以上の粒子からなる揺変性賦与剤、極性溶媒および/またはポリエチレングリコール、ポリイソシアネート化合物および活性水素含有化合物からなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、並びに、カルボン酸とアミンとの反応により得られる融点が50〜145℃の範囲内にあるアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含む分散剤を含有する弾性舗装材料を、該弾性舗装材料の可使時間以内に、櫛刃状スクイジーを用いて平坦にならす工程と、短毛もしくは中毛のウーローラを作業進行方向に沿って転走する工程(ウーローラ転走工程)と、該ウーローラの進行方向に直角に砂骨ローラを転送して弾性舗装体表面に微細な凹凸を形成する工程(第1砂骨ローラ転送工程)を含む砂骨ローラ転送工程を少なくとも3回行うことを特徴とする弾性舗装体の形成方法。
  2. 樹脂組成物(a)による弾性舗装の舗装面に、表面処理炭酸カルシウムおよびポリイソシアネート化合物および活性水素含有化合物からなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、並びに、カルボン酸とアミンとの反応により得られる融点が50〜145℃の範囲内にあるアマイド化合物および/またはポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を含む分散剤を含有する弾性舗装材料を、該弾性舗装材料の可使時間以内に、櫛刃状スクイジーを用いて平坦にならす工程と、短毛もしくは中毛のウーローラを作業進行方向に沿って転走する工程(ウーローラ転走工程)と、該ウーローラの進行方向に直角に砂骨ローラを転送して弾性舗装体表面に微細な凹凸を形成する工程(第1砂骨ローラ転送工程)を含む砂骨ローラ転送工程を少なくとも3回行うことを特徴とする弾性舗装体の形成方法。
  3. 上記砂骨ローラを用いた第1砂骨ローラ転送工程を経た後、該第1砂骨ローラの転送方向とは直角の方向に砂骨ローラを転送する工程(第2砂骨ローラ転送工程)および該第2砂骨ローラ転送工程を経た後、第2砂骨ローラ転送方向に沿った方向に砂骨ローラを転送する工程(第3砂骨ローラ転送工程)を行うことを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
  4. 上記分散剤が、さらに(メタ)アクリル系(共)重合体を含有することを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
  5. 上記分散剤が、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー:100重量部に対して1〜5重量%範囲内の量で含有されていることを特徴とする請求項第1項乃至第3項のいずれかの項記載の弾性舗装体の形成方法。
  6. 上記弾性舗装材料が、メチレンビス-o-クロロアニリン(MBOCA)、o-クロロアニリンと、アニリンおよび/またはホルマリンとの縮合物(混合物を含む)よりなる群から選ばれた少なくとも一種類の化合物をウレタン用硬化剤として含有することを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
  7. 上記弾性舗装材料の25℃における粘度が200〜500Pa・sの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
  8. 上記弾性舗装材料の可使時間が10分〜90分の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
  9. 最後に砂骨ローラを転送して得られるエンボス面の平均凹凸面の高さの差が0.25〜5.0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
  10. 上記のようにして形成された弾性舗装体の25℃における弾性率が2〜50Pa・sの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の弾性舗装体の形成方法。
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