JP5725800B2 - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、帯電粒子を制御するための偏向電極、この偏向電極を備えた液体吐出ヘッド、および、この液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置に関する。
いわゆるコンティニュアス方式の液滴吐出装置は、ポンプで液体に常時圧力をかけてノズルから押し出し、さらに加振手段により振動を加えることで、ノズルから吐出された液体が規則正しく液滴を形成する状態を形成する。この方式では、液滴がノズルから吐出され続けるので、印刷データにあわせて印刷に使用する液滴と使用しない液滴を選別する必要がある。いわゆる荷電偏向方式では、液滴を選択的に帯電させ、電場によって偏向させ、非帯電液滴と異なる軌道を飛翔するようにして選別を行う。選別された非印刷液滴は、ガターによって捕獲、回収する。これらの機能を実現するため、ノズルから液滴飛翔軌道に沿って、帯電電極、偏向電極、ガターが設けられる。
ノズルから吐出された液柱が液滴となり、さらに、偏向電極により選別に十分な偏向を与えられるようにするには、ノズルから被印刷媒体までの距離がある程度必要となる。このため、ノズルから吐出される液滴の角度のわずかなずれが着弾精度に大きな影響を及ぼす。一般に帯電粒子を収束させる電極構成として静電レンズが知られている。静電レンズは、帯電粒子の進行方向に複数の電極を設けることでレンズの光軸に関して対称な電界を形成する。静電レンズの種類は、電極の形状および数により、界浸レンズ、円筒レンズ、静電単レンズなどが挙げられる。これらの回転対称な静電レンズに共通な点は、帯電粒子の極性、帯電量によって、焦点距離は変化するが、帯電粒子はレンズの光軸に収束することである。すなわち、一般的な静電レンズでは、あらゆる荷電粒子は同一の光軸上に収束する。
特許文献1では、液滴を帯電させるための帯電電極と選別のための偏向電極の間に、静電レンズを形成するような電極群を設け、印刷液滴の軌道補正を行っている。ここでの電極は、同じ寸法形状の開口を有する電極を液滴軌道上に並べることで、上述の収束効果を発現させている。
特公昭59−003154号公報
ところで、特許文献1に開示された静電レンズは、帯電粒子の速度や極性に関わらず、帯電粒子をレンズの光軸上に収束させてしまうため、偏向させる場合には、偏向電極と収束のための静電レンズを個別に設ける必要がある。従って、偏向用に少なくとも2枚、収束用に少なくとも2枚、合計4枚の電極が必要であった。このため、製造コストが高くなるという問題がある。また、液滴吐出装置においては、さらにノズルから被印刷媒体までの距離が長くなり、液滴の着弾精度が低下する可能性もある。
本発明の目的は、簡素な電極構成により帯電粒子を一の軸に向かわせる収束効果と収束する軸の方向を変える偏向効果の両方の機能を実現可能な偏向電極、液滴吐出ノズルおよび液滴吐出装置を提供することにある。さらに本発明の目的は、荷電偏向型コンティニュアス式の液体吐出装置における液滴の着弾精度を向上させることにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、液滴を吐出するためのノズルと、前記ノズルから吐出されて飛翔する液滴のうち、記録に用いられる液滴に対して第1の電荷を与え、記録に用いられない液滴に対して、前記第1の電荷と電荷量及び極性の少なくとも一方が異なる第2の電荷を与え、または、電荷を与えない帯電電極と、飛翔する液滴を通過させるための開口を備え、該開口に前記液滴が進入する軌道軸線の方向に配列された複数の電極を含み、前記帯電電極によって電荷が付与された液滴を偏向するための偏向電極と、を備え、前記偏向電極の前記複数の電極は前記軌道軸線の方向に沿って前記ノズルに近い側からこの順に配列される第1、第2および第3の電極を含み、前記第1の電極と前記第2の電極とは電位差を有し、前記電位差により形成される電界は、前記第1及び第3の電極の付近では前記軌道軸線に関して対称であり、前記第2の電極の付近では前記軌道軸線に関して非対称であり、前記第1及び第3の電極の開口の形状は前記軌道軸線に対して対称であり、前記第2の電極の開口の形状は前記軌道軸線に対して非対称である、ことを特徴とする。
本発明は、簡素な電極構成により帯電粒子を一の軸に向かわせる収束効果と収束する軸の方向を変える偏向効果の両方の機能を実現することができる。
本発明の液滴吐出装置の概要図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの側面の概略図である。 本発明の第1の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第1の実施形態における収束偏向電極板の上面図、および、収束偏向電極の電界を表す図である。 本発明の第1の実施形態における液滴の飛翔軌道を表す図である。 本発明の第1の実施形態における液滴の飛翔軌道を表すグラフである。 本発明の第1の実施形態における液滴の速度と偏向量の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における液滴吐出ヘッドの斜視図と分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第2の実施形態における電界と液滴の飛翔軌道を示す図である。 本発明の第3の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第3の実施形態における電界と液滴の飛翔軌道を示す図である。 本発明の第4の実施形態における収束偏向電極板の上面図である。 本発明の第4の実施形態における収束偏向電極の電界を表す図である。 本発明の第4の実施形態における液滴の飛翔軌道を示すグラフである。 本発明の第5の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第5の実施形態における電界と液滴の飛翔軌道を示す図である。 本発明の第6の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第6の実施形態における電界と液滴の飛翔軌道を示す図である。 本発明の第6の実施形態における液滴吐出ヘッドの斜視図と分解斜視図である。 本発明の第7の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第7の実施形態における電界と液滴の飛翔軌道を示す図である。 本発明の第8の実施形態における収束偏向電極の斜視図である。 本発明の第8の実施形態における電界と液滴の飛翔軌道を示す図である。 本発明の第8の実施形態における液滴吐出ヘッドの斜視図と分解斜視図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、液滴吐出装置について述べているが、本発明に係る収束偏向電極は、電子顕微鏡や荷電粒子線装置など、帯電粒子(荷電粒子)の制御装置全般に適用可能なものである。また、本発明の液滴吐出装置の吐出対象は、色材を用いた印刷用インクにとどまらず、帯電可能な液体全般に適用可能なものである。
また、収束という用語は広義には偏向に含まれるが、本発明では、収束と区別して「偏向」という用語を用いる。すなわち、本発明において帯電粒子が「収束」するとは、異なる飛翔軌道を有する帯電粒子が、1点に向かうように方向を変えることを指す。一方、「偏向」するとは、異なる飛翔軌道を有する帯電粒子が軌道によらず、特定の方向に向きを変えることを指すものとする。また、帯電粒子が「収束かつ偏向」するとは、1つの軸上へ収束するとともに、収束する軸の方向を変えることを意味する。本発明における偏向電極は、収束効果を有するため、「収束偏向電極」と呼ぶこととする。
図1は、本発明の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置のシステム概要図である。本発明の液滴吐出装置は、インクタンク001、加圧ポンプ002、加振機構003、ヘッド004、回収ポンプ006、インク調整部007からなる。
図2は、さらに本発明のヘッド部の構成の概要図である。
ヘッド部は、オリフィスプレート101、帯電電極板102、収束偏向電極103およびガター005を含む。これらは、図2に示すようにインクの飛翔方向に上記の順で配列されている。オリフィスプレート101には液滴が吐出されるノズル111が形成されている。帯電電極板102には、吐出されたインクが通過する開口が設けられ、開口周辺には電極が形成されている。電極は配線に接続され、個別に帯電電圧を印加することができるようになっている。帯電電極板102は、ノズルから吐出されて飛翔する液滴のうち、記録に用いられる液滴に対して第1の電荷を付与する。また、記録に用いられない液滴に対して、第1の電荷と電気量及び極性の少なくとも一方が異なる第2の電荷を与え、または、電荷を与えない。
収束偏向電極103は、液滴飛翔軌道軸線が通過する部分に開口を有する複数の電極板が液滴の飛翔方向に配列された構成となっている。収束偏向電極103の各電極板にはそれぞれ、電極が形成されている。電極は、電極板自体に金属などの導電性部材を用い、開口を形成することによって作製することができる。あるいは、電極板に樹脂やセラミック、ガラスなどの絶縁部材を支持体として用い、電極を表面や開口側壁に金属などの導電層を形成し、パターニングすることによっても作製することができる。前者の場合は、電極の形状と開口形状は一致するが、後者の場合は、開口の形状とは異なる電極を形成することができ、設計自由度が高い。一部の電極板の電極は液滴が通過する開口の周辺で液滴の進入軌道に関して対称な形状をしており、残りの電極板の電極は液滴が通過する開口の周辺で液滴の軌道軸線に関して非対称な形状をしている。
収束偏向電極103の各電極板は互いに絶縁されるとともに、配線に接続されており、個別に電圧を印加することで電位を与えることができるようになっている。収束偏向電極103の各電極板に電圧を印加することにより、電極間の電位差によって電極の周辺に電界が形成される。収束偏向電極103の電極形状により、開口周辺に液滴の軌道軸線に関して対称な電極を有する電極板の開口周辺には液滴軌道軸線に関して対称な電界が形成される。一方、開口部周辺に液滴の軌道軸線に関して非対称な電極を有する電極板の開口周辺には非対称な電界が形成される。これらの対称な電界と非対称な電界の組み合わせにより、収束効果と偏向効果が生まれる。
ガター005は非印刷液滴の飛翔軌道上に開口部を有し、非印刷液滴を捕獲することができるようになっている。
次に、本発明の液滴吐出装置の動作を説明する。まず、インクには帯電させるために導電性のものを使用する。インクタンク001に貯えられたインクは、加圧ポンプ002によって加圧され、ヘッド004に供給される。ヘッド004に供給されたインクは、加振機構003によって振動を与えられ、共通液室100を通り、ノズル111から吐出される。ノズル111から吐出されたインクは、1mm程度飛翔すると、液柱から液滴に分裂する。帯電電極板102はこの液滴に分裂する位置で貫通孔を通過するように設置されている。液滴への分裂時に電極に電圧が印加されていると液滴は帯電し、電圧が印加されていないと液滴は帯電しない。また、帯電電圧の大きさに応じて、帯電量が変化する。従って、印刷データにあわせ、印刷に使用する液滴と印刷に用いない液滴で異なる帯電量を与えるように帯電電極への印加電圧を制御する。収束効果を得るためには、帯電量は非ゼロである必要がある。従って、印刷精度を高めるため、本発明の液滴吐出装置の印刷液滴への帯電量は、非ゼロである。一方、非印刷液滴への帯電量はゼロでもかまわないが、選別を効果的におこなうには、印刷液滴の帯電量との差がなるべく大きい方が好ましい。特に、印刷液滴と非印刷液滴で極性を異ならせることで、偏向方向が逆になり、大きな偏向差を得ることができる。
その後、帯電液滴は、収束偏向電極103において、液滴軌道が偏向されるとともに同軌道上に収束される。印刷液滴と非印刷液滴とで帯電量が異なるため、偏向量が異なり、液滴軌道は2つに分かれ、印刷液滴は、収束偏向電極の被印刷媒体へと着弾し、非印刷液滴は偏向後、ガター005に着弾し、回収される。回収されたインクは、回収ポンプ006によって吸引され、インク調整部007でごみの除去や粘度調整を行った後、再び加圧ポンプ002によって加圧され、印刷のためにヘッドへと循環される。
[第1の実施例]
本発明の第1の実施例を説明する。本実施例の収束偏向電極103の斜視図を図3に示す。収束偏向電極103は、第1の収束偏向電極板201、第2の収束偏向電極板202、および、第3の収束偏向電極板203の3枚の電極板で構成されている。第1の収束偏向電極板201、第3の収束偏向電極板203の上面図を図4(a)に、第2の収束偏向電極板202の上面図を図4(b)に示す。図に記されているように、ノズル面に垂直な軸であって吐出方向が負となるように規定されたZ軸と、このZ軸に垂直な面上に、X軸およびY軸をとる。X軸とY軸とは直交している。
収束偏向電極板201、202、203は、いずれも液滴が通過する開口(空隙)を有している。本実施形態では、各電極板には厚さ50μmの金属板を用い、開口形状が電極の形状となっている。各電極の配列間隔はともに50μmである。この間隔を保つためには、周囲から保持してもよいし、電極板間に厚さ50μmの絶縁スペーサを挿入してもよい。絶縁スペーサには、ガラス、プラスティック、セラミックス、ゴムなどを用いることができる。絶縁スペーサを設けることで、電極間隔を一定に保ちやすいだけでなく、電極間の絶縁破壊に対する耐圧を高めることができる。
第1の収束偏向電極板201および第3の収束偏向電極板203の開口形状は、直径100μmの2つの円形開口が、X軸方向に互いに150μm離れて設けられており、液滴は、そのうちの一方(図4(a)の左の開口)の中心を通過する。第2の収束偏向電極板202の開口は、図4(b)に示すように、中心が互いに100μm離れている100μmの曲率半径をもつ2つの半円弧をつないだ長穴形状となっている。
第1の収束偏向電極板201および第3の収束偏向電極板203の液滴が通過する開口の形状は液滴の進入軌道に関して回転対称である。一方、第2の収束偏向電極板202の液滴が通過する開口の形状は液滴の進入軌道に関して非対称である。
ここで、電極の開口が対称であるということについて、さらに詳しく述べる。第1の収束偏向電極板201および第3の収束偏向電極板203は、液滴が通過する開口以外に別の開口(図4(a)の右の開口)があるため、電極全体では、液滴の進入軌道に関して非対称である。しかしながら、図4(a)の右の開口と左の開口との間は電極形状によって完全に分離されているため、左の開口は、右の開口内の電界の形成にほとんど寄与しない。すなわち、液滴通過する開口付近での電界の形成には、液滴が通過する開口の形状が重要である。そこで、本発明において、液滴が通過する開口の形状とは、進入軌道を取り囲むように形成されている導電部のエッジ形状(電極板の開口の内周壁を含む)を意味する。収束偏向電極板が導体からなる場合には液滴が通過する開口の内縁の形状と一致する。図4(a)の場合は、左の開口形状が液滴が通過する開口周辺の電極形状に当たるため、軌道軸に対して対称であるといえる。
その他の本実施例の液滴吐出装置の構成、および、運転条件を説明する。ノズル径は7.4μmとなっており、加圧ポンプ002の圧力は0.8MPaとなっている。また、加振機構003の振動数は50kHz程度である。この場合、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度となる。飛翔液滴は空気抵抗によって減速し、収束偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっている。
帯電電極板102は、厚さ500μm、開口部は直径300μmの円形とし、厚さ方向の中央がノズル111から1mm離れた位置になり、液滴軌道が開口中心を通過するように配置する。開口側壁には導電層が形成され円筒状電極となっている。印刷液滴への帯電電圧を200V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−200Vとすると、帯電量はそれぞれ、−3.0×10-13C、3.0×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズル111から2mm、ガター005はノズル111から2.5mm、被印刷媒体はノズル111から3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極板201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極板202の電圧Vd2を300V、第3の収束偏向電極板203の電圧Vd3を0Vとし、収束偏向電極103での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには、3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図4(c)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極板201および第3の収束偏向電極板203の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極板202付近では電極板開口に対称な電界が形成されており、液滴の進入軌道に対しては非対称な電界となっている。電界形状が軌道軸に対して対称か非対称かは、実施形態において述べたように、電極板の電極(開口形状)が液滴軌道に対して対称であるかどうかに起因している。
図5(a)は、液滴の吐出方向が、Z軸に対して、X軸方向に−2.5mrad、−1mrad、0mrad、1mrad、2.5mradとなった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。収束偏向電極103を通過すると、液滴は−X方向に偏向するとともに、偏向された軸上に収束しているのがわかる。図6(a)は、より正確な液滴の軌道をグラフ化した図である。ノズル111から約3mm離れた点に収束点があることがわかる。収束偏向電極103が無かった場合に吐出方向が2.5mradずれると、着弾位置は7.5μmずれるのに対し、この収束偏向電極103の効果で0.45μmとなっている。同様に、収束偏向電極103が無かった場合に吐出方向が1mradずれると、着弾位置は3μmずれるのに対し、この収束偏向電極103の効果で0.15μmとなっている。従って、1200dpi以上の高精細吐出ヘッドに対しても、十分な着弾精度を得ることができる。
飛翔する帯電液滴は、等電位線に対して垂直な方向に力を受けるので、収束偏向電極103を通過中に液滴が受ける力は以下のように説明できる。負に帯電した液滴が収束偏向電極103内に進入したとする。負に帯電した液滴は、電場によって第1の収束偏向電極板201から第2の収束偏向電極板202に向かう間は加速し、第2の収束偏向電極板202から第3の収束偏向電極板203に向かう間は減速する。また、この液滴が軌道中心に対して、右(+X)方向にずれて進入すると、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203周辺を通過する際には左(−X)向きの力を受ける。一方、左(−X)方向にずれて進入すると、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203周辺を通過する際には右(+X)向きの力を受ける。すなわち、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203周辺の電界によって、収束効果が生まれる。一方、第2の偏向電極202の周辺を通過する際には液滴軌道のズレに関わらず左(−X)向きの力を受ける。すなわち、第2の収束偏向電極板202周辺の電界によって偏向効果が生まれる。また、第2の収束偏向電極202におけるX方向の電場は均一ではなく、より左(−X)にずれた液滴の方が強い力を受ける。従って、第2の収束偏向電極202付近では、液滴は発散する。しかしながら、先に述べたように、第1および第3の収束偏向電極201、203付近での液滴の速度は第2の収束偏向電極202付近での液滴の速度に比べて遅いため、第1および第3の収束偏向電極201、203付近の電界の影響をより受ける。そのため、発散効果よりも収束効果の方が勝り、最終的に負に帯電した液滴は収束する。以上が負の液滴に対する収束および偏向のメカニズムである。
また、図4(d)は、YZ面内の等電位線を表している。液滴の進入軌道に対し、収束偏向電極の電極形状はY方向には対称となっているため、生じる電界もY方向には液滴の進入軌道に対し対称となっている。図5(b)は、液滴の吐出方向が、Z軸に対して、Y軸方向に−2.5mrad、−1mrad、0mrad、1mrad、2.5mradとなった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。X方向と異なり、非対称な電界がないため、偏向は発生していないことがわかる。図6(b)は、より正確な液滴の軌道をグラフ化した図である。液滴軌道は軌道中心に対して対称で、また、収束偏向電極103によって収束されているのがわかる。収束偏向電極103が無かった場合に吐出方向が2.5mradずれると、着弾位置は7.5μmずれるのに対し、この収束偏向電極103の効果で4.2μmとなっている。同様に、収束偏向電極103が無かった場合に吐出方向が1mradずれると、着弾位置は3μmずれるのに対し、この収束偏向電極103の効果で1.7μmとなっている。X方向のずれに対する収束効果に対し、Y方向の収束効果は若干小さいものの、着弾誤差を50%程度に低減できている。
次に、非印刷液滴に対する軌道の解析を行った。図5(c)は、液滴の吐出方向が、Z軸に対して、X軸方向に−2.5mrad、−1mrad、0mrad、1mrad、2.5mradとなった場合の正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道を示している。印刷液滴とは異なり、右(+X)方向に偏向しているのがわかる。図6(c)は、より正確な液滴の軌道をグラフ化した図である。ガターがあるノズル111から2.5mm離れた点において、約125μmの偏向量が得られている。同じ距離において、印刷液滴は約60μm偏向しており、印刷液滴との差は185μmである。これは、印刷液滴と非印刷液滴を選別するのに十分な差である。
また、非印刷液滴も、印刷液滴と同様に収束していることがわかる。具体的には、収束偏向電極103が無かった場合に吐出方向が2.5mradずれると、ガター005での着弾位置は6.3μmずれるのに対し、収束偏向電極103の効果で4.1μmとなっている。同様に、収束偏向電極103が無かった場合に吐出方向が1mradずれると、ガター005での着弾位置は2.5μmずれるのに対し、この収束偏向電極103の効果で1.7μmとなっている。このように収束効果を有することで、ガター005への回収精度も高めることができる。これは、回収しそこなった液滴が飛翔路壁面に着き、目詰まりや液だれの原因となったり、チャージを発生させて液滴軌道をずらしたりするのを防ぐ効果がある。
正に帯電した液滴に対する収束・偏向のメカニズムをより詳しく述べる。これは、上述の負に帯電した液滴の収束とは異なるメカニズムである。正に帯電した液滴は、電場によって第1の収束偏向電極板201から第2の収束偏向電極板202に向かう間は減速し、第2の収束偏向電極板202から第3の収束偏向電極板203に向かう間は加速する。また、正に帯電した液滴が軌道中心に対して、右(+X)方向にずれて進入すると、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203周辺を通過する際には右(+X)向きの力を受ける。一方、左(−X)方向にずれて進入すると、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の周辺を通過する際には左(―X)向きの力を受ける。すなわち、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の周辺の対称な電界によって、液滴は発散してしまい収束効果は得られない。一方、第2の偏向電極202周辺を通過する際には液滴軌道のズレに関わらず右(+X)向きの力を受ける。すなわち、第2の収束偏向電極板202周辺の電界によって偏向効果が生まれ、この向きは負の帯電液滴とは逆の向きとなる。さらに、第2の収束偏向電極板202周辺の電界をより詳しく観察すると、等電位線の間隔から、この右(+X)向きの力は、開口中心側の方が弱いことがわかる。すなわち、より左(−X)にある液滴ほど偏向量が大きいため、収束効果が生まれる。先に述べたように、第1および第3の収束偏向電極201、203付近での正に帯電した液滴の速度は、第2の収束偏向電極202付近での液滴の速度に比べて速い。従って、より第2の収束偏向電極202付近の電界の影響を受ける。そのため、発散効果よりも収束効果の方が勝り、最終的に正に帯電した液滴は収束する。従って、正の液滴に対しての収束効果は、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203周辺の対称な電界によるものではなく、第2の偏向電極202周辺の電界によるものである。
以上の解析結果から、収束偏向電極103が、収束効果と偏向効果の両方を有しており、帯電量によって、偏向量が異なるため、液滴の選別手段として有効であるとともに着弾精度を向上させる効果があることがわかる。
本実施形態では収束偏向電極103は3枚の電極板からなっているが、実施形態2で述べるように2枚でも収束・偏向効果が得られる。しかしながら、先に述べたように液滴は電極間を通過する際に加速、あるいは、減速する。従って、液滴の速度が収束偏向電極103の前後で変化しないようにするには、電極を3枚以上とし、液滴進入方向における両端部の外側電極の電位が等しいことが好ましい。さらに、外側電極が周辺の部材との間に電界を形成し、帯電液滴に対し、速度変化や飛翔方向のずれを生まないようにするには、外側の電極の電位は0V(GND)として接地されていることが好ましい。すなわち、本実施形態の様に3個の偏向電極があれば、電極の入口と出口での液滴の速度が変わらず、かつ、収束、および、偏向の効果が得られる。
次に、印刷液滴の収束偏向電極103への進入速度と偏向量の関係をグラフにしたのが図7である。偏向量は液滴の速度によって変化し、例えば液滴の進入速度が5.5m/s〜9.5m/sの範囲では、ノズル111から第1の収束偏向電極板201の開口中心に垂直に進入する液滴の偏向量はΔXは、液滴の進入速度vとの間に、
ΔX=0.004v-1.7 ・・・(1)
の関係が成り立っている。図7のグラフから、液滴の進入速度が速いほど偏向量は小さくなり、遅いほど偏向量は大きくなることがわかる。これは、速度に反比例して収束偏向電極103内を通過する時間が長くなり、電界から力をうける時間が長くなるためである。
一方、液滴の速度がばらつくと被印刷媒体への着弾時差となり、その間に被印刷媒体が搬送される距離分の着弾誤差となる。そこで、印刷液滴の偏向する方向(本実施形態では−X方向)と被印刷媒体の搬送方向を同じ向きにすると、液滴の速度のばらつきによる収束偏向電極103での偏向量のばらつきと着弾時差による誤差を相殺することができる。
例えば、液滴の平均流速、および、収束偏向電極103への進入速度を8m/sとしたとき、液滴の流速が1%速くなると、飛翔距離3mmでは、着弾時間は3.71μs早くなる。被印刷媒体の搬送速度を、例えば、0.83m/sとすると、着弾時差による着弾誤差は、被印刷媒体の搬送方向を負として、−3.09μmである。一方、収束偏向電極での偏向量の変化に伴う着弾誤差は1.8μmとなる。従って、両者の効果を合わせた着弾誤差は、−1.29μmとなる。両者による誤差が完全に相殺される条件を以下に求める。(1)の関数は帯電電圧や収束偏向電極板の各電圧や電極形状によって変化するが、これらの構成が決まると、定式化することができるので、(1)式の関数を一般化してΔX=f(vdrop)とする。また、液滴の平均速度vdrop、ノズル111から紙までの距離l、被印刷媒体の搬送速度vmediaとすると、
と表される。液滴の速度変動Δvdropが十分に小さな範囲で式を整理すると、
となる。印刷液滴の偏向する方向と被印刷媒体の搬送方向を同じ向きにすれば、上述の誤差相殺効果が得られるが、より好ましくは、(3)式を満たすようにvdrop、l、vmedia、各電極の電圧のバランスを決めれば、誤差相殺効果は最も大きくなる。尚、f(vdrop)は、帯電電圧、および、収束偏向電極の電圧にほぼ比例する。なぜなら、液滴の帯電量は帯電電圧にほぼ比例し、また、収束偏向電極の電界の強さは収束偏向電極の電圧にほぼ比例し、帯電液滴が受ける力はこれらに比例するためである。
また、液滴の帯電量は、帯電電極板102の印加電圧が同じであっても、先行する液滴の帯電状態によって変動する。これは先行する帯電液滴による静電誘導が原因である。そこで、印刷データに基づいて、先行液滴の帯電量を予測し、前記静電誘導をキャンセルするように帯電電極板102の印加電圧を制御することで、液滴の帯電量のばらつきを低減することができる。
これまで、ノズル111を一つ備えた液滴吐出装置について述べてきたが、ノズル111の数は複数あってもよい。図8は、複数のノズル111を有する場合の本発明の液滴吐出ヘッドの斜視図および分解斜視図である。ヘッド部の構成部材は、それぞれ、板状部材であり、インクの飛翔方向に積層されている。オリフィスプレート104は、共通液室100にはり合わせられている。オリフィスプレート101には、インクを吐出するノズルが主面の第1の方向とこれに直交する第2の方向に2次元状に複数配列されている。帯電電極板102には、吐出されたインクが通過する開口が設けられ、さらに貫通孔の側壁には電極が形成されている。電極は配線に接続され、個別に帯電電圧を印加することができるようになっている。
収束偏向電極103のそれぞれの電極板201、202、203には、吐出されたインクが通過する開口が個別に設けられている。収束偏向電極103の各電極板は互いに絶縁されている必要があるが、帯電電極板102の電極とは異なり、ノズルごとに個別に電圧をコントロールする必要がないので、同一の電極板内では同電位になるように、互いに配線によってつながっていてもよい。また、第1の偏向電極板103を導電性部材で作製することによって、部材全体を同電位とし、電極板内の電極や配線のパターニングを省略してもよい。ガター005には、各ノズル111からの印刷に使用されない液滴を回収するための開口が設けられており、さらに、回収した液滴を回収ポンプ006へ送るための流路が設けられている。オリフィスプレート104、帯電電極板103、各収束偏向電極板201、202、203およびガター005の間には、それぞれ、両者の間隔に保ち、また、電極間を絶縁するため、絶縁スペーサ301、302、303、304、305が設けられている。このように、ヘッドを構成する部材を複数のノズルに対応した板状構造とすることで、各ノズルに対し、個別に電極板を設けるよりも、組み立てが非常に簡便になる。さらに、収束偏向電極103の各電極板201、202、203内においては、各ノズルに対応する電極は同一の電位でよく、また、個別にスイッチングする必要がないので、配線を簡略化することができる。
一部の収束偏向電極板の電極は液滴が通過する開口部の周辺で液滴の進入軌道に対して対称な形状をしており、残りの収束偏向電極板の電極は液滴が通過する開口部の周辺で液滴の進入軌道に対して非対称な形状をしている。ここで、本発明において、液滴が通過する開口周辺の電極形状とは、液滴の通過軌道と電極板の形成する面との交点から電極板を見た際に、軌道軸を取り囲むように形成されている導電部のエッジ形状(電極板の開口側壁を含む)を意味する。収束偏向電極板全体から見ると、各ノズル111に対応した開口が設けられているため、液滴の進入軌道に対して非対称である。しかしながら、周辺のノズルのために開けられた開口は、距離が遠いのと、間にある電極に遮られ、当該液滴の侵入軌道上の電界形成にほとんど影響を与えない。すなわち、液滴通過する開口付近での電界の形成には、液滴が通過する開口周辺の電極の形状が重要である。図8の複数のノズル111を有する構成での各ノズルから吐出された液滴の飛翔軌道は、先に述べた単ノズルでの解析結果と同様のものとなり、それぞれに収束かつ偏向効果を有する。
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例について説明する。本実施例では、収束偏向電極103は2枚の電極板201、202からなる(図9)。第1の電極板201の形状は図4(a)に示す第1の実施例における第1の偏向電極板201と同様で、第2の電極板202の形状は図4(b)に示す第1の実施例における第2の偏向電極板202と同様である。また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も実施形態1と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を400V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−400Vとすると、帯電量はそれぞれ、−6.0×10-13C、6.0×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極板201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極板202の電圧Vd2を100Vとし、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図10(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極板201の開口(空隙)周辺では、液滴の軌道軸線に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極板202付近では、液滴の軌道軸線に対しては非対称な電界となっている。これは、実施例において述べたように、電極板の電極(開口形状)が液滴軌道軸線に関して対称であるかどうかに起因している。
液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示したのが11(b)である。液滴が収束偏向電極103を通過することで、左(−X方向)に偏向され、かつ収束していくのがわかる。一方、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を図10(c)に示す。印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。ガター005はこの非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。
以上のことから、収束偏向電極103が2枚の電極板からなる場合でも、収束かつ偏向の効果が得られることがわかる。電極板を2枚とすることで、より構成を単純にすることができる。印刷液滴の偏向方向と被印刷媒体の搬送方向を同じにすると、液滴の速度ばらつきに起因する誤差を低減できるのは、第1の実施例と同様である。また、複数のノズル111を設けた液滴吐出ヘッドに適用可能なのは、第1の実施例と同様である。
[第3の実施例]
本発明の第3の実施例について説明する。本実施例では、図11に示すように、収束偏向電極103は3枚の電極板201、202、203からなる。第1の電極板201、および、第3の電極板203の形状は、図4(b)に示す第1の実施例における第2の偏向電極板202と同様で、第2の電極板202の形状は図4(a)に示す第1の実施例における第1および第3の偏向電極板201、203と同様である。すなわち、本実施形態では、Z方向の外側電極板201および203の開口(空隙)が液滴の進入軌道に関して非対称で、内側電極板202の開口が液滴の進入軌道に対して対称となっている。
また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も第1の実施例と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を400V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−400Vとすると、帯電量はそれぞれ、−6.0×10-13C、6.0×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極板201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極板202の電圧Vd2を−100V(実施形態1とは逆極性)、第3の収束偏向電極板203の電圧Vd3を0Vとした。そして、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図12(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第2の収束偏向電極板202の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の開口付近では液滴の進入軌道に対し非対称な電界となっている。これは、実施例において述べたように、電極板の電極(開口形状)が液滴軌道に対して対称であるかどうかに起因している。
図12(b)は、液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。液滴が収束偏向電極103を通過することで、左(−X方向)に偏向され、かつ収束していくのがわかる。一方、図12(c)は、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を示す。印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。ガター005はこの非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。
以上のことから、収束偏向電極103を構成する複数の電極板のうち、液滴軌道に対して対称な電極板と非対称な電極板の数や順序を変更しても、収束かつ偏向の効果は得られることがわかる。印刷液滴の偏向方向と被印刷媒体の搬送方向を同じにすると、液滴の速度ばらつきに起因する誤差を低減できるのは、第1の実施例と同様である。また、複数のノズル111を設けた液滴吐出ヘッドに適用可能なのは、第1の実施例と同様である。
[第4の実施例]
本発明の第4の実施例を述べる。本実施例では、収束偏向電極103は3枚の電極板201、202、203からなる。第1の電極板201、および、第3の電極板203の形状は、図4(a)に示す第1の実施例における第1、第3の偏向電極板201、203と同様で、第2の電極板202の形状は図4(b)に示す第1の実施例における第2の偏向電極板202と同様である。ただし、第2の偏向電極板202は、図13の収束偏向電極103の上面図に示すように、他の電極板201、203に対して、+Y方向に50μmずらして配置されている。これにより、第2の偏向電極板202の開口(空隙)付近の電極は、液滴飛翔軌道に対して、X方向だけでなく、Y方向にも非対称になっている。
また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も第1の実施例と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を400V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−400Vとすると、帯電量はそれぞれ、−6.0×10-13C、6.0×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極板201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極板202の電圧Vd2を100V、第3の収束偏向電極板203の電圧Vd3を0Vとし、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図14(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極板202の開口付近では液滴の進入軌道に対し非対称な電界となっている。これは、第1の実施例の解析結果と同様である。一方、図14(b)は、YZ面内の等電位線を示している。Y方向に対しても、第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の開口形状は液滴進入軌道に対して対称なのに対し、第2の収束偏向電極板202の開口形状は非対称である。そのため、YZ面内の等電位線も第2の収束偏向電極板202周辺で液滴進入軌道に対して非対称になっている。
図15(a)は、液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。−Y方向から見た正面図(上)から液滴が収束偏向電極103を通過することで、左(−X方向)に偏向され、かつ収束していくのがわかる。さらに、+Z方向から見た上面図(下)を見ると、液滴がX方向だけでなく、Y方向にも偏向されながら収束していることがわかる。これが、第2の偏向電極202を液滴の進入軌道に対してY方向にも非対称にした影響である。
一方、図15(b)は、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を示している。−Y方向から見た正面図(上)から、印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。さらに、+Z方向から見た上面図(下)を見ると、液滴がX方向だけでなく、Y方向にも印刷液滴とは反対側に偏向されているのがわかる。これも、第2の偏向電極202を液滴の進入軌道に対してY方向にも非対称にした影響である。ガター005は、この非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。
以上のことから、X軸だけでなくY軸方向にも液滴軌道に対して非対称な電極とすることで、収束機能を有したままY方向にも偏向させられることがわかる。印刷液滴の偏向方向と被印刷媒体の搬送方向を同じにすると、液滴の速度ばらつきに起因する誤差を低減できるのは、第1の実施例と同様である。また、複数のノズル111を設けた液滴吐出ヘッドに適用可能なのは、第1の実施例と同様である。
[第5の実施例]
本発明の第5の実施例について説明する。本実施例では、図16に示すように、収束偏向電極103は3枚の電極板201、202、203からなる。第1の電極板201、および、第3の電極板203の形状は、図4(a)に示す第1の実施例における第1および第3の偏向電極板201、203と同様である。また、第2の電極板202の形状は図4(b)に示す第1の実施例における第2の偏向電極板202の開口(空隙)側壁のみに電極が形成されている。
また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も第1の実施例と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を400V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−400Vとすると、帯電量はそれぞれ、−6.0×10-13C、6.0×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極板201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極板202の電圧Vd2を100V、第3の収束偏向電極板203の電圧Vd3を0Vとし、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図17(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極板202の開口付近では液滴の進入軌道に対し非対称な電界となっている。これは、第1の実施例の解析結果と同様である。
図17(b)は、液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。液滴が収束かつ偏向(−X方向)している様子が分かる。
一方、図17(c)は、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を示す。印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。ガター005は、この非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。
以上のことから、収束偏向電極板103の電極は、電極板の表面ではなく、開口の内周面に形成しても効果があることがわかる。印刷液滴の偏向方向と被印刷媒体の搬送方向を同じにすると、液滴の速度ばらつきに起因する誤差を低減できるのは、第1の実施例と同様である。また、複数のノズル111を設けた液滴吐出ヘッドに適用可能なのは、第1の実施例と同様である。
[第6の実施例]
本発明の第6の実施例について説明する。本実施例では、図18に示すように、収束偏向電極103は3枚の電極板201、202、203からなる。本実施形態の収束偏向電極103に設けられた開口(空隙)は、スリット状である。図18において収束偏向電極103の各電極は、それぞれ、複数の部品からなっているが、印加される電圧は、同一の電極板内では同一の電圧値である。
第1および第3の収束偏向電極板201、203の電極形状は、厚さ50μmで、Y軸方向に沿って100μm幅のスリット状の開口が空いている。液滴の飛翔軌道はY軸に平行で、本スリットの両壁から等距離の位置を通過する。一方、第2の収束偏向電極板202の電極形状は、Y軸方向に沿って幅300μm幅のスリット状の開口が空いており、液滴の軌道は、スリットの一方の壁から100μm、もう一方の壁から200μm離れた位置を通過する。すなわち、X軸方向に関して、液滴の軌道に対し、第1および第3の収束偏向電極板201、203の電極形状は対称となっており、第2の収束偏向電極板202の電極形状は非対称となっている。
また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も第1の実施例と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を400V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−400Vとすると、帯電量はそれぞれ、−6.0×10-13C、6.0×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極板201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極板202の電圧Vd2を100V、第3の収束偏向電極板203の電圧Vd3を0Vとし、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図19(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極板201、および、第3の収束偏向電極板203の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極板202の開口付近では液滴の進入軌道に対し非対称な電界となっている。これは、第1の実施例の解析結果と同様である。
図19(b)は、液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。液滴が収束かつ偏向(−X方向)している様子が分かる。一方、図19(c)は、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を示す。印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。ガター005は、この非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。以上のように、収束偏向電極板103の電極の開口はスリット状であっても収束、偏向の効果があることがわかる。ただし、Y方向に関しては、本実施形態では、レンズ効果を有する電界を形成しないため、収束効果は得られない。
また、第1の実施例と同様に複数のノズル111を設けてもよい。図20は、本実施例のスリット状の開口を複数のノズル111に適用した場合のヘッドの斜視図である。第1の実施例の複数のノズル111を具備した場合と同様に、ヘッドを構成する部材を複数のノズルに対応した板状部材とすることで、各ノズルに対し、個別に電極板を設けるよりも、組み立てが非常に簡便になる。さらに、収束偏向電極103の各電極板201、202、203内においては、各ノズルに対応する電極は同一の電位でよく、また、個別にスイッチングする必要がないので、配線を簡略化することができる。その上、本実施例においては、スリット状の開口をノズル列ごとに共有できるため、個々のノズル111からの液滴に対応した開口を個別に設けるよりもさらに作製しやすく、ノズル配列を高密度化できるという利点がある。また、長いスリット状の電極の開口空隙は、個別に円形の開口を設けるよりもミストによる目詰まりが起こり難く、また、万が一、ミストが付着した際にもクリーニングし易いという利点がある。
[第7の実施例]
本発明の第7の実施例について説明する。本実施例では、図21に示すように、収束偏向電極103は8本のワイヤ状電極が、それぞれ、3本、2本、3本ずつ液滴の進入軌道に対して垂直に層状となっている。各層を電極201、202、203とする。電極の各層は複数のワイヤからなっているが、印加される電圧は、同一の電極層内では同一の電圧値である。このように電極形状をワイヤ状にすることで、電極、および、電極を支えるための構造が少なく周辺に空間を多く取れるため、インクのミストが周囲に付着したり、電極でインクが目詰まりしたりしにくい構成となっている。
ワイヤの断面形状はいずれも円形で、直径は60μmとなっており、Y軸に平行になるように張られている。第1および第3の収束偏向電極201、203の隣り合うワイヤの中心間距離はいずれも150μmとなっている。液滴の飛翔軌道は隣り合う2本のワイヤから等距離の位置を通過する。一方、第2の収束偏向電極202は、2本のワイヤの中心間距離が350μmとなっており、液滴の軌道は、一方のワイヤの中心から100μm、もう一方のワイヤの中心から250μm離れた位置を通過する。すなわち、X軸方向に関して、液滴の軌道に対し、第1および第3の収束偏向電極201、203の電極形状は対称となっており、第2の収束偏向電極202の電極形状は非対称となっている。
また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も第1の実施例と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を80V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−80Vとすると、帯電量はそれぞれ、−1.2×10-13C、1.2×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極202の電圧Vd2を500V、第3の収束偏向電極203の電圧Vd3を0Vとし、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図22(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極201、および、第3の収束偏向電極203の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極203の開口付近では液滴の進入軌道に対し非対称な電界となっている。これは、第1の実施例の解析結果と同様である。
図22(b)は、液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。液滴が収束かつ偏向(−X方向)している様子が分かる。一方、図22(c)は、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を示す。印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。ガター005は、この非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。以上のように、収束偏向電極がワイヤ状であっても収束、偏向の効果があることがわかる。ただし、Y方向に関しては、本実施形態では、レンズ効果を有する電界を形成しないため、収束効果は得られない。
[第8の実施例]
本発明の第8の実施例について説明する。本実施例では、図23に示すように、第7の実施例と同様に収束偏向電極103はワイヤからなっている。ワイヤの断面形状はいずれも円形で、直径は60μmとなっており、Y軸に平行になるように張られている。また、ワイヤの総数は3本で、2本が液滴の進入軌道に対して垂直な面状にあり、第1の電極201を形成し、残りの1本が第2の電極202となっている。
第1の収束偏向電極201の2本のワイヤはワイヤの中心間距離は150μmとなっている。液滴の飛翔軌道は、2本のワイヤから等距離の位置を通過する。一方、第2の収束偏向電極202のワイヤの中心は液滴の軌道から100μm離れた位置となっている。すなわち、X軸方向に関して、液滴の軌道に対し、第1の収束偏向電極201の電極形状は対称となっており、第2の収束偏向電極202の電極形状は非対称となっている。
また、その他のノズル111、帯電電極板102の配置、形状は第1の実施例と同様である。また、加圧ポンプ002、加振機構003の運転条件も第1の実施例と同様で、液滴サイズは4pL、吐出速度は10m/s程度で、第1の偏向電極板103を通過する際には、8m/s程度になっているのも同様である。
印刷液滴への帯電電圧を80V、非印刷液滴への帯電電圧Vcを−80Vとすると、帯電量はそれぞれ、−1.2×10-13C、1.2×10-13Cとなる。収束偏向電極103はノズルから2mm、被印刷媒体はノズルから3mm離れた位置にある。
第1の収束偏向電極201の電圧Vd1を0V、第2の収束偏向電極202の電圧Vd2を500Vとし、収束偏向電極での電場の等電位線、および、帯電した液滴の軌道をシミュレーションした。シミュレーションには3次元非線形静電場解析ソフトウェアELFIN(エルフ社)を用いた。図24(a)は、XZ面内の等電位線を表している。第1の収束偏向電極201の周辺では、液滴の進入軌道に対して対称な電界が形成されている。一方、第2の収束偏向電極202の開口付近では液滴の進入軌道に対し非対称な電界となっている。これは、第1の実施例の解析結果と同様である。
図24(b)は、液滴の吐出が、Z軸に並行で、第1の収束偏向電極板201の開口中心軸からX軸方向に−20μm、−10μm、0μm、10μm、20μm、となった場合の負に帯電した印刷液滴の飛翔軌道を示している。液滴が収束かつ偏向(−X方向)している様子が分かる。一方、図24(c)は、正に帯電した非印刷液滴の飛翔軌道についても同様の計算を行った結果を示す。印刷液滴とは反対の方向(+X方向)に偏向しているのがわかる。ガター005は、この非印刷液滴の飛翔軌道上に設ければよい。以上のように、収束偏向電極が少なくとも3本のワイヤからなっていれば収束、偏向の効果があることがわかる。ただし、Y方向に関しては、本実施形態では、レンズ効果を有する電界を形成しないため、収束効果は得られない。
また、第1の実施例と同様に複数のノズル111を設けてもよい。図25は、本実施例のスリット状の開口を複数のノズル111に適用した場合のヘッドの斜視図である。第1の実施例の複数のノズル111を具備した場合と同様に、ヘッドを構成する部材を複数のノズルに対応したワイヤ状部材とし、保持板302および303によって張り渡すことで、各ノズルに対し、個別に電極板を設けるよりも、組み立てが非常に簡便になる。さらに、収束偏向電極103の各電極板201、202内においては、各ノズルに対応する電極は同一の電位でよく、また、個別にスイッチングする必要がないので、配線を簡略化することができる。その上、本実施例においては、ワイヤ状の開口をノズル列ごとに共有できるため、個々のノズル111からの液滴に対応した開口を個別に設けるよりもさらに作製しやすく、ノズル配列を高密度化できるという利点がある。また、ワイヤ状の電極は電極の周囲に空間が多く取れ、個別に円形の開口を設けたり、スリット状の電極を設けるよりもミストによる目詰まりが起こり難いという利点がある。
印刷液滴の偏向方向と被印刷媒体の搬送方向を同じにすると、液滴の速度ばらつきに起因する誤差を低減できるのは、第1の実施例と同様である。
印刷液滴の偏向方向と被印刷媒体の搬送方向を同じにすると、液滴の速度ばらつきに起因する誤差を低減できるのは、第1の実施例と同様である。
本発明の収束偏向電極は、簡易な電極構成で帯電粒子に対し、収束および偏向を行うため、小型の帯電粒子制御装置を製造できる。また、本発明の液体吐出ヘッドは収束および偏向効果を有する電極を有するため、高精細な液滴吐出ヘッドの作製に利用することができる。
002 加圧ポンプ
003 加振機構
004 ヘッド
005 ガター
006 回収ポンプ
102 帯電電極板
103 収束偏向電極
111 ノズル
201 第1の収束偏向電極(板)
202 第2の収束偏向電極(板)
203 第3の収束偏向電極(板)

Claims (7)

  1. 液滴を吐出するためのノズルと、
    前記ノズルから吐出されて飛翔する液滴のうち、記録に用いられる液滴に対して第1の電荷を与え、記録に用いられない液滴に対して、前記第1の電荷と電荷量及び極性の少なくとも一方が異なる第2の電荷を与え、または、電荷を与えない帯電電極と、
    飛翔する液滴を通過させるための開口を備え、該開口に前記液滴が進入する軌道軸線の方向に配列された複数の電極を含み、前記帯電電極によって電荷が付与された液滴を偏向するための偏向電極と、を備え、
    前記偏向電極の前記複数の電極前記軌道軸線の方向に沿って前記ノズルに近い側からこの順に配列される第1、第2および第の電極を含み、
    前記第1の電極と前記第2の電極とは電位差を有し、
    前記電位差により形成される電界は、前記第1及び第3の電極の付近では前記軌道軸線に関して対称であり、前記第2の電極の付近では前記軌道軸線に関して対称であり、
    前記第1及び第3の電極の開口の形状は前記軌道軸線に対して対称であり、前記第2の電極の開口の形状は前記軌道軸線に対して非対称である、ことを特徴とする液吐出ヘッド。
  2. 前記第1及び第3の電極と前記第2の電極とは互いに異なる形状を有し、かつ、前記第2の電極の電位は、前記第1の電極の電位及び前記第3の電極の電位のいずれとも異なることを特徴とする請求項1に記載の液吐出ヘッド。
  3. 前記第1、第2及び第3の電極の配列間隔が等しく、かつ、前記第1及び第3の電極の電位は互いに等しく、かつ、前記第1及び第3の電極の形状が同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液吐出ヘッド。
  4. 前記第1、第2及び第3の電極は、それぞれ、前記軌道軸線が通過する位置に開口を有する支持体を有し、前記支持体の開口の形状が同一であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液吐出ヘッド。
  5. 前記ノズルから吐出される液滴の飛翔方向と交差する方向に、前記ノズルが複数配列されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の吐出ヘッド。
  6. 前記帯電電極、前記第1、第2及び第3の電極は、それぞれ前記ノズルから吐出された液滴が通過するための開口を備える板状部材であり、
    前記帯電電極、前記第1、第2及び第3の電極のそれぞれにおいて、前記開口は、前記板状部材の主面に沿った第1の方向と、該第1の方向とは異なる前記主面に沿った第2の方向と、のそれぞれに関して複数配列されており、
    前記帯電電極、前記第1、第2及び第3の電極は、前記ノズルから液滴が吐出する方向に積層されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記帯電電極は前記ノズルから吐出された液滴が通過するための開口を備える板状部材であり、
    前記第1、第2及び第3の電極は、それぞれ、1本あるいは複数のワイヤからなり、
    前記開口は、前記板状部材の主面に沿った第1の方向と、該第1の方向とは異なる前記主面に沿った第2の方向と、のそれぞれに関して複数配列されており、
    前記第1、第2及び第3の電極のそれぞれにおいて、前記ワイヤは、前記板状部材の主面に沿った第1の方向に沿って複数配列されており、
    前記帯電電極、前記第1、第2及び第3の電極は、前記ノズルから液滴が吐出する方向に積層されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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