JP5725371B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機と車輪に駆動連結された出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、係合装置を備えた変速機構、又は係合装置及び変速機構が設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置に関する。
上記のような制御装置に関して、例えば下記の特許文献1に記載された技術が既に知られている。特許文献1に記載されている技術は、回転電機の回転速度に対して、動力伝達経路の伝達特性の逆特性1/Gp(s)及びハイパスフィルタH(s)からなるフィルタ処理H(s)/Gp(s)を行って、外乱の振動成分を抽出して、振動成分を低減させるように回転電機の出力トルクを補正する制振制御を行うように構成されている。
また、特許文献1の技術は、変速機構の変速段の変更制御中(変速制御中)などにおいて、係合装置が非直結係合状態である場合に、振動成分を低減させるように回転電機の出力トルクを補正する制振制御を中断するように構成されている。そして、特許文献1の技術は、制振制御の中断中は、回転電機の回転速度に代えて、出力部材の回転速度に変速機構の変速比(ギヤ比)を乗算して算出した回転電機の擬似回転速度に対して、フィルタ処理H(s)/Gp(s)を行って、外乱の振動成分を抽出するように構成されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、出力部材の回転速度に変速比を乗算した後に、フィルタ処理を行うように構成されており、変速比が変化した場合、変速比の変化に対して、フィルタ値が位相遅れ及び減衰を有して変化する。このため、変速制御が終了し、制振制御を再開する際に、フィルタ値の変動が収束しておらず、制振制御によりトルク外乱が増加する恐れがある。特許文献1の技術では、変速比に、変速機構の変速制御の終了後の変速段の変速比が設定されるように構成されており、変速制御の開始時点で、変速比が変化して、フィルタ処理への入力値が変化するように構成されている。しかしながら、特許文献1の技術では、変速制御の期間が短い場合や、変速比の変化量が大きい場合などにおいて、制振制御を再開する際に、フィルタ値の変動が収束していない恐れがある。
また、特許文献1の技術では、制振制御の実施中及び中断中で、同じフィルタ処理が用いられているため、出力部材の回転速度に対して変速比を乗算して回転電機の回転速度相当に換算したものをフィルタ処理へ入力して、フィルタ処理の入出力値の連続性を保つ必要がある。すなわち、特許文献1の技術では、出力部材の回転速度への変速比の乗算処理は、フィルタ処理の前に行う必要があり、処理順序の自由度が制限される。
特開2010−200587号公報
そこで、動力伝達経路の回転速度の振動成分を低減させるように、回転電機の出力トルクを補正する制振制御を行う制御装置において、回転電機の回転速度と出力部材の回転速度との間の回転速度比(変速比)が変化しても、制振制御を中断した後、再開するときに、変速比の変化により、制振制御による回転電機の出力トルクの補正値が変動することを抑制できる制御装置が求められる。
本発明に係る、回転電機と車輪に駆動連結された出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、係合装置を備えた変速機構、又は係合装置及び変速機構が設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置の特徴構成は、前記回転電機の回転速度に対して、微分演算処理及び第一のフィルタ処理を行って第一フィルタ値を算出し、当該第一フィルタ値に基づいて前記動力伝達経路の回転速度の振動成分を低減させるような制振トルク指令を算出して、前記回転電機の出力トルクを補正する制振制御を行う制振制御部を備え、前記制振制御部は、前記出力部材の回転速度に対して、微分演算処理及び第二のフィルタ処理を行い、当該第二のフィルタ処理が有する遅延器の値に対して前記変速機構の変速比を乗算して遅延器換算値を算出する出力側演算部を備え、前記係合装置が滑り係合状態又は解放状態である間に、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を中断すると共に前記出力側演算部による前記遅延器換算値の算出を実行し、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を再開するときに、前記出力側演算部により算出された前記遅延器換算値に基づいて、前記第一のフィルタ処理が有する遅延器の初期値を設定する中断再開処理を行う点にある。
なお、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等が含まれていてもよい。
上記の特徴構成によれば、制振制御部は、回転電機の回転速度に対してフィルタ処理を行う第一のフィルタ処理とは別に、出力部材の回転速度に対してフィルタ処理を行う第二のフィルタ処理を備えているため、第二のフィルタ処理への入力値が第一のフィルタ処理への入力値と異なっている場合でも、第一のフィルタ処理の出力値に対応する出力値の連続性を保つことが可能となる。そのため、従来の構成のように、フィルタ処理の入出力値の連続性を保つため、出力部材の回転速度に対して変速比を乗算して回転電機の回転速度相当に換算したものを、第二のフィルタ処理に入力する必要がない。よって、上記の特徴構成のように、出力部材の回転速度に対して、変速比を乗算することなく直接、微分演算処理及び第二のフィルタ処理を行うことができる。よって、変速比が変化した場合、変速比の変化に対して、第二のフィルタ処理のフィルタ値及び遅延器の値が、位相遅れ及び減衰を有して変化することを防止できる。
また、第二のフィルタ処理を行った後の値である遅延器の値に対して、変速比を乗算して遅延器換算値を算出するように構成されているので、第一のフィルタ処理の遅延器の値相当に換算することができると共に、遅延器換算値が、変速比の変化に対して比例して変化するようにでき、位相遅れ及び減衰を有して変化することを防止できる。
また、上記の特徴構成によれば、係合装置が滑り係合状態又は解放状態である間に、制振トルク指令による回転電機の出力トルクの補正が中断されるので、変速比の変化などによる回転電機の回転速度の変動に対して、第一フィルタ値及び制振トルク指令が変動し、回転電機の回転速度が意図せず変動することを防止できる。
また、係合装置が滑り係合状態又は解放状態である間に、出力側演算部による遅延器換算値の算出が実行されるので、変速比の変化などによる変動のない第一のフィルタ処理の遅延器の値を、遅延器換算値により得ることができる。
そして、制振トルク指令による回転電機の出力トルクの補正を再開するときに、遅延器換算値に基づいて、第一のフィルタ処理の遅延器の初期値を設定するので、補正を再開するときに、第一のフィルタ処理の遅延器の値が変動し、第一フィルタ値及び制振トルク指令が変動することを防止できる。
また、遅延器換算値は、変速比の変化に対して、位相遅れ及び減衰を有して変化しないため、変速比の変化後の整定期間を考慮する必要がなく、補正の中断期間が短い場合にも対応できる。よって、係合装置が直結係合状態になった後、直ちに動力伝達経路の回転速度の振動成分を低減させることが可能となる。
ここで、前記変速機構は前記係合装置を備えた有段変速機であり、前記制振制御部は、前記中断再開処理において、前記係合装置を滑り係合状態又は解放状態に制御して前記変速機構の変速比を変更する変速制御が実行されている間に、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を中断すると共に前記出力側演算部による前記遅延器換算値の算出を実行すると好適である。
この構成によれば、変速比が変化する変速機構の変速制御中に、制振トルク指令による回転電機の出力トルクの補正が中断されるので、変速比の変化による回転電機の回転速度の変動に対して、第一フィルタ値及び制振トルク指令が変動し、回転電機の回転速度が意図せず変動することを防止できる。
また、変速比が変化する変速機構の変速制御中に、出力側演算部による遅延器換算値の算出が実行されるので、変速制御が終了し、制振トルク指令による回転電機の出力トルクの補正が再開されるときに、第一フィルタ値及び制振トルク指令の変動によりトルクショックが生じることを防止でき、動力伝達経路の回転速度の振動成分を低減させることが可能となる。
ここで、前記制振制御部は、前記変速制御が開始されたら、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を中断すると共に前記出力側演算部による前記遅延器換算値の算出を実行し、前記回転電機の回転速度が前記変速制御による変速比の変更後の回転速度に一致したと判定され、且つ前記係合装置の係合圧が前記回転電機側に伝達されるトルクを前記出力部材側に伝達可能な最小の係合圧より大きくなると、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を再開すると好適である。
回転電機の回転速度が変速制御による変速比の変更後の回転速度に一致した場合、又は係合装置の係合圧が回転電機側に伝達されるトルクを出力部材側に伝達可能な最小の係合圧より大きくなった場合は、係合装置が滑り係合状態又は解放状態から直結係合状態に移行する可能性が高くなる。そして、係合装置が直結係合状態へ移行したときに、トルクショックが生じ、動力伝達経路の回転速度に振動成分が生じ易くなる。
上記の構成によれば、係合装置が直結係合状態に移行する可能性が高くなるまでの、変速比が変動している可能性の高い期間は、制振トルク指令による回転電機の出力トルクの補正を中断し、出力側演算部による遅延器換算値の算出を実行することができる。また、係合装置が直結係合状態に移行する可能性が高くなった場合に、制振トルク指令による回転電機の出力トルクの補正を再開して、係合装置が直結係合状態へ移行したときに生じる動力伝達経路の回転速度の振動成分を低減させることできる。
ここで、前記制振制御部は、前記第二のフィルタ処理が有する遅延器の値に対して、前記変速制御終了後の前記変速機構の変速比を乗算して前記遅延器換算値を算出すると好適である。
この構成によれば、変速制御の目標変速段の変速比など、変速制御終了後の変速機構の変速比を用いて、容易に遅延器換算値を算出することができる。
本発明の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制振制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る第一のフィルタ処理の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る第二のフィルタ処理の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る動力伝達経路の軸ねじれ振動系のモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係る動力伝達経路の軸ねじれ振動系のボード線図である。 本発明の実施形態に係る動力伝達経路の軸ねじれ振動系のボード線図である。 本発明の比較例に係る制振制御の処理を説明するためのアップシフトの場合のタイミングチャートである。 本発明の比較例に係る制振制御の処理を説明するためのダウンシフトの場合のタイミングチャートである。 本発明の比較例に係る制振制御の処理を説明するためのアップシフトの場合のタイミングチャートである。 本発明の比較例に係る制振制御の処理を説明するためのダウンシフトの場合のタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る制振制御の処理を説明するためのアップシフトの場合のタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る制振制御の処理を説明するためのダウンシフトの場合のタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る制振制御の再開判定の処理を示すフローチャートである。 本発明のその他の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。
本発明に係る制御装置30の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両用駆動装置1及び制御装置30の概略構成を示す模式図である。この図において、実線は駆動力の伝達経路を示し、破線は作動油の供給経路を示し、一点鎖線は信号の伝達経路を示している。この図に示すように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、概略的には、エンジンE及び回転電機MGを駆動力源として備え、これらの駆動力源の駆動力を、動力伝達機構を介して車輪Wへ伝達する構成となっている。車両用駆動装置1には、回転電機MGと車輪Wに駆動連結された出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路2に、第二係合装置CL2を備えた変速機構TMが設けられていると共にエンジンEと回転電機MGとの間に第一係合装置CL1が設けられ、回転電機MGとエンジンEとの間に第一係合装置CL1が設けられている。ここで、第一係合装置CL1は、その係合状態に応じて、エンジンEと回転電機MGとの間を選択的に連結した状態又は分離した状態とする。第二係合装置CL2は、その係合状態に応じて、回転電機MGと出力軸Oとの間を選択的に連結した状態又は分離した状態とする。本実施形態に係る車両用駆動装置1には、回転電機MGと車輪Wとの間の動力伝達経路2に変速機構TMが備えられている。そして、第二係合装置CL2は、変速機構TMの変速段を形成する単数又は複数の係合装置とされ、後述する変速制御中は、係合側係合装置及び解放側係合装置とされる。
なお、出力軸Oが、本発明における「出力部材」であり、第二係合装置CL2が、本発明における「係合装置」である。
ハイブリッド車両には、車両用駆動装置1を制御対象とする制御装置30が備えられている。本実施形態に係わる制御装置30は、回転電機MGの制御を行う回転電機制御ユニット32と、変速機構TM、第一係合装置CL1、及び第二係合装置CL2の制御を行う動力伝達制御ユニット33と、これらの制御装置を統合して車両用駆動装置1の制御を行う車両制御ユニット34と、を有している。また、ハイブリッド車両には、エンジンEの制御を行うエンジン制御装置31も備えられている。
制御装置30は、図2及び図3に示すように、回転電機MGの回転速度ωmに対して、微分演算処理51及び第一のフィルタ処理BPF1を行って第一フィルタ値αmfを算出し、当該第一フィルタ値αmfに基づいて動力伝達経路2の回転速度の振動成分を低減させるような制振トルク指令Tpを算出して、回転電機MGの出力トルクTmを補正する制振制御を行う制振制御部46を備えている。
制振制御部46は、出力軸Oの回転速度ωoに対して、微分演算処理54及び第二のフィルタ処理BPF2を行い、当該第二のフィルタ処理BPF2が有する遅延器D2の値に対して、変速機構TMの変速比Krを乗算して遅延器換算値Yzoを算出する出力側演算部47を備えている。
そして、制振制御部46は、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzoの算出を実行し、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するときに、出力側演算部47により算出された遅延器換算値Yzoに基づいて、第一のフィルタ処理BPF1が有する遅延器D1の初期値を設定する中断再開処理を行う点に特徴を有している。
以下、本実施形態に係る車両用駆動装置1及び制御装置30について、詳細に説明する。
1.車両用駆動装置1の構成
まず、本実施形態に係るハイブリッド車両の車両用駆動装置1の構成について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両は、車両の駆動力源としてエンジンE及び回転電機MGを備え、これらのエンジンEと回転電機MGとが直列に駆動連結されるパラレル方式のハイブリッド車両となっている。ハイブリッド車両は、変速機構TMを備えており、当該変速機構TMにより、中間軸Mに伝達されたエンジンE及び回転電機MGの回転速度ωmを変速すると共にトルクを変換して出力軸Oに伝達する。
エンジンEは、燃料の燃焼により駆動される内燃機関であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の各種エンジンを用いることができる。本例では、エンジンEのクランクシャフト等のエンジン出力軸Eoが、第一係合装置CL1を介して、回転電機MGに駆動連結された入力軸Iと選択的に駆動連結される。すなわち、エンジンEは、摩擦係合要素である第一係合装置CL1を介して回転電機MGに選択的に駆動連結される。また、エンジン出力軸Eoには、ダンパが備えられており、エンジンEの間欠的な燃焼による出力トルク及び回転速度の変動を減衰して、車輪W側に伝達可能に構成されている。
回転電機MGは、非回転部材に固定されたステータと、このステータと対応する位置で径方向内側に回転自在に支持されたロータと、を有している。この回転電機MGのロータは、入力軸I及び中間軸Mと一体回転するように駆動連結されている。すなわち、本実施形態においては、入力軸I及び中間軸MにエンジンE及び回転電機MGの双方が駆動連結される構成となっている。回転電機MGは、直流交流変換を行うインバータを介して蓄電装置としてのバッテリに電気的に接続されている。そして、回転電機MGは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能と、を果たすことが可能とされている。すなわち、回転電機MGは、インバータを介してバッテリからの電力供給を受けて力行し、或いはエンジンEや車輪Wから伝達される回転駆動力により発電し、発電された電力は、インバータを介してバッテリに蓄電される。
駆動力源が駆動連結される中間軸Mには、変速機構TMが駆動連結されている。本実施形態では、変速機構TMは、変速比の異なる複数の変速段を有する有段の自動変速装置である。変速機構TMは、これら複数の変速段を形成するため、遊星歯車機構等の歯車機構と複数の係合装置とを備えている。本実施形態では、変速機構TMの変速段を形成する単数又は複数の係合装置が、第二係合装置CL2とされ、後述する変速制御中は、係合側係合装置及び解放側係合装置が、第二係合装置CL2とされる。この変速機構TMは、各変速段の変速比で、中間軸Mの回転速度を変速するとともにトルクを変換して、出力軸Oへ伝達する。変速機構TMから出力軸Oへ伝達されたトルクは、出力用差動歯車装置DFを介して左右二つの車軸AXに分配されて伝達され、各車軸AXに駆動連結された車輪Wに伝達される。ここで、変速比は、変速機構TMにおいて各変速段が形成された場合の、出力軸Oの回転速度に対する中間軸Mの回転速度の比であり、本願では中間軸Mの回転速度を出力軸Oの回転速度で除算した値である。すなわち、中間軸Mの回転速度を変速比で除算した回転速度が、出力軸Oの回転速度になる。また、中間軸Mから変速機構TMに伝達されるトルクに、変速比を乗算したトルクが、変速機構TMから出力軸Oに伝達されるトルクになる。
本例では、変速機構TMの複数の係合装置(第二係合装置CL2を含む)、及び第一係合装置CL1は、それぞれ摩擦材を有して構成されるクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素である。これらの摩擦係合要素は、供給される油圧を制御することによりその係合圧を制御して伝達トルク容量の増減を連続的に制御することが可能とされている。このような摩擦係合要素としては、例えば湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキ等が好適に用いられる。
摩擦係合要素は、その係合部材間の摩擦により、係合部材間でトルクを伝達する。摩擦係合要素の係合部材間に回転速度差(滑り)がある場合は、動摩擦により回転速度の大きい方の部材から小さい方の部材に伝達トルク容量の大きさのトルク(スリップトルク)が伝達される。摩擦係合要素の係合部材間に回転速度差(滑り)がない場合は、摩擦係合要素は、伝達トルク容量の大きさを上限として、静摩擦により摩擦係合要素の係合部材間に作用するトルクを伝達する。ここで、伝達トルク容量とは、摩擦係合要素が摩擦により伝達することができる最大のトルクの大きさである。伝達トルク容量の大きさは、摩擦係合要素の係合圧に比例して変化する。係合圧とは、入力側係合部材(摩擦板)と出力側係合部材(摩擦板)とを相互に押し付け合う圧力である。本実施形態では、係合圧は、供給されている油圧の大きさに比例して変化する。すなわち、本実施形態では、伝達トルク容量の大きさは、摩擦係合要素に供給されている油圧の大きさに比例して変化する。
各摩擦係合要素は、リターンばねを備えており、ばねの反力により解放側に付勢されている。そして、各摩擦係合要素の油圧シリンダに供給される油圧により生じる力がばねの反力を上回ると、各摩擦係合要素に伝達トルク容量が生じ始め、各摩擦係合要素は、解放状態から係合状態に変化する。この伝達トルク容量が生じ始めるときの油圧を、ストロークエンド圧と称す。各摩擦係合要素は、供給される油圧がストロークエンド圧を上回った後、油圧の増加に比例して、その伝達トルク容量が増加するように構成されている。なお、摩擦係合要素は、リターンばねを備えておらず、油圧シリンダのピストンの両側にかかる油圧の差圧によって制御させる構造でもよい。
本実施形態において、係合状態とは、摩擦係合要素に伝達トルク容量が生じている状態であり滑り係合状態と直結係合状態とが含まれる。解放状態とは、摩擦係合要素に伝達トルク容量が生じていない状態である。また、滑り係合状態とは、摩擦係合要素の係合部材間に回転速度差(滑り)がある係合状態であり、直結係合状態とは、摩擦係合要素の係合部材間に回転速度差(滑り)がない係合状態である。また、非直結係合状態とは、直結係合状態以外の係合状態であり、解放状態と滑り係合状態とが含まれる。
なお、摩擦係合要素には、制御装置30により伝達トルク容量を生じさせる指令が出されていない場合でも、係合部材(摩擦部材)同士の引き摺りによって伝達トルク容量が生じる場合がある。例えば、ピストンにより摩擦部材同士が押圧されていない場合でも、摩擦部材同士が接触し、摩擦部材同士の引き摺りによって伝達トルク容量が生じる場合がある。そこで、「解放状態」には、制御装置30が摩擦係合装置に伝達トルク容量を生じさせる指令を出していない場合に、摩擦部材同士の引き摺りにより、伝達トルク容量が生じている状態も含まれるものとする。
2.油圧制御系の構成
車両用駆動装置1の油圧制御系は、車両の駆動力源や専用のモータによって駆動される油圧ポンプから供給される作動油の油圧を所定圧に調整するための油圧制御装置PCを備えている。ここでは詳しい説明を省略するが、油圧制御装置PCは、油圧調整用のリニアソレノイド弁からの信号圧に基づき一又は二以上の調整弁の開度を調整することにより、当該調整弁からドレインする作動油の量を調整して作動油の油圧を一又は二以上の所定圧に調整する。所定圧に調整された作動油は、それぞれ必要とされるレベルの油圧で、変速機構TM、並びに第一係合装置CL1や第二係合装置CL2の各摩擦係合要素等に供給される。
3.制御装置の構成
次に、車両用駆動装置1の制御を行う制御装置30及びエンジン制御装置31の構成について、図2を参照して説明する。
制御装置30の制御ユニット32〜34及びエンジン制御装置31は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、制御装置のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置30の各機能部41〜46などが構成されている。また、制御装置30の制御ユニット32〜34及びエンジン制御装置31は、互いに通信を行うように構成されており、センサの検出情報及び制御パラメータ等の各種情報を共有するとともに協調制御を行い、各機能部41〜46の機能が実現される。
また、車両用駆動装置1は、センサSe1〜Se3を備えており、各センサから出力される電気信号は制御装置30及びエンジン制御装置31に入力される。制御装置30及びエンジン制御装置31は、入力された電気信号に基づき各センサの検出情報を算出する。
入力回転速度センサSe1は、入力軸I及び中間軸Mの回転速度を検出するためのセンサである。入力軸I及び中間軸Mには回転電機MGのロータが一体的に駆動連結されているので、回転電機制御ユニット32は、入力回転速度センサSe1の入力信号に基づいて回転電機MGの回転速度ωm(角速度)、並びに入力軸I及び中間軸Mの回転速度を検出する。出力回転速度センサSe2は、出力軸Oの回転速度を検出するためのセンサである。動力伝達制御ユニット33は、出力回転速度センサSe2の入力信号に基づいて出力軸Oの回転速度(角速度)を検出する。また、出力軸Oの回転速度は車速に比例するため、動力伝達制御ユニット33は、出力回転速度センサSe2の入力信号に基づいて車速を算出する。エンジン回転速度センサSe3は、エンジン出力軸Eo(エンジンE)の回転速度を検出するためのセンサである。エンジン制御装置31は、エンジン回転速度センサSe3の入力信号に基づいてエンジンEの回転速度(角速度)を検出する。
3−1.エンジン制御装置31
エンジン制御装置31は、エンジンEの動作制御を行うエンジン制御部41を備えている。本実施形態では、エンジン制御部41は、車両制御ユニット34からエンジン要求トルクが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令されたエンジン要求トルクを出力トルク指令値に設定し、エンジンEが出力トルク指令値のトルクを出力するように制御するトルク制御を行う。また、エンジン制御装置31は、エンジンの燃焼開始要求があった場合は、エンジンEの燃焼開始が指令されたと判定して、エンジンEへの燃料供給及び点火を開始するなどして、エンジンEの燃焼を開始する制御を行う。
3−2.動力伝達制御ユニット33
動力伝達制御ユニット33は、変速機構TMの制御を行う変速機構制御部43と、第一係合装置CL1の制御を行う第一係合装置制御部44と、エンジンEの始動制御などにおいて第二係合装置CL2の制御を行う第二係合装置制御部45と、を備えている。
3−2−1.変速機構制御部43
変速機構制御部43は、変速機構TMを制御する機能部である。変速機構制御部43は、車速、アクセル開度、及びシフト位置などのセンサ検出情報に基づいて変速機構TMにおける目標変速段を決定する。そして、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCを介して変速機構TMに備えられた各係合装置に供給される油圧を制御することにより、各係合装置を係合又は解放して目標とされた変速段を変速機構TMに形成させる。具体的には、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCに各係合装置の目標油圧(指令圧)を指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を各係合装置に供給する。
変速機構制御部43は、変速マップを参照して目標変速段を決定する。変速マップは、アクセル開度及び車速と、変速機構TMにおける目標変速段との関係を規定したマップである。変速マップには複数のアップシフト線と複数のダウンシフト線とが設定されており、車速及びアクセル開度が変化して変速マップ上でアップシフト線又はダウンシフト線を跨ぐと、変速機構制御部43は、変速機構TMにおける新たな目標変速段を決定する。また、シフト位置の変更があった場合も、目標変速段が変更される。例えば、セカンドレンジ、又はローレンジに変更されたと検出した場合にも、目標変速段が変更される場合がある。なお、ここでは、アップシフトとは変速比の大きい変速段から変速比の小さい変速段への切り替えを意味し、ダウンシフトとは変速比の小さい変速段から変速比の大きい変速段への切り替えを意味する。
変速機構制御部43は、変速段の切り替え制御(変速制御)を行なう場合は、各係合装置の油圧指令を制御して、各係合装置の係合又は解放を行い、変速機構TMに形成させる変速段を目標変速段に切り替える。この際、変速機構制御部43は、予め計画された変速制御のシーケンスに従い、変速前において係合している係合装置のうちの一つ(以下、解放側係合装置と称す)を解放させると共に、変速前において解放されている係合装置のうちの一つ(以下、係合側係合装置と称す)を係合させる、いわゆる架け替え変速を行う。例えば、ダウンシフトが行われる場合には、変速機構制御部43は、変速比が小さい高速段を形成する係合装置の1つである解放側係合装置を解放させるとともに、変速比が大きい低速段を形成する係合装置の1つである係合側係合装置を係合させるダウンシフト制御を行う。また、アップシフトが行われる場合には、変速機構制御部43は、変速比が大きい低速段を形成する係合装置の1つである解放側係合装置を解放させるとともに、変速比が小さい高速段を形成する係合装置の1つである係合側係合装置を係合させるアップシフト制御を行う。
3−2−2.第一係合装置制御部44
第一係合装置制御部44は、第一係合装置CL1の係合状態を制御する。本実施形態では、第一係合装置制御部44は、第一係合装置CL1の伝達トルク容量が、車両制御ユニット34から指令された第一目標トルク容量に一致するように、油圧制御装置PCを介して第一係合装置CL1に供給される油圧を制御する。具体的には、第一係合装置制御部44は、第一目標トルク容量に基づき設定した目標油圧(指令圧)を、油圧制御装置PCに指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を第一係合装置CL1に供給する。
3−2−3.第二係合装置制御部45
第二係合装置制御部45は、エンジンEの始動制御中に第二係合装置CL2の係合状態を制御する。本実施形態では、第二係合装置制御部45は、第二係合装置CL2の伝達トルク容量が、車両制御ユニット34から指令された第二目標トルク容量に一致するように、油圧制御装置PCを介して第二係合装置CL2に供給される油圧を制御する。具体的には、第二係合装置制御部45は、第二目標トルク容量に基づき設定した目標油圧(指令圧)を、油圧制御装置PCに指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を第二係合装置CL2に供給する。
3−3.回転電機制御ユニット32
回転電機制御ユニット32は、回転電機MGの動作制御を行う回転電機制御部42を備えている。本実施形態では、回転電機制御部42は、車両制御ユニット34から回転電機要求トルクが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令された回転電機要求トルクTmoを出力トルク指令値に設定し、回転電機MGが出力トルク指令値のトルクを出力するように制御する。具体的には、回転電機制御部42は、インバータが備える複数のスイッチング素子をオンオフ制御することにより、回転電機MGの出力トルクTmを制御する。
3−4.車両制御ユニット34
車両制御ユニット34は、エンジンE、回転電機MG、変速機構TM、第一係合装置CL1、及び第二係合装置CL2等に対して行われる各種トルク制御、及び各係合装置の係合制御等を車両全体として統合する制御を行う機能部を備えている。
車両制御ユニット34は、アクセル開度、車速、及びバッテリの充電量等に応じて、車輪Wの駆動のために要求されているトルクであって、中間軸M側から出力軸O側に伝達される目標駆動力である車両要求トルクを算出するとともに、エンジンE及び回転電機MGの運転モードを決定する。そして、車両制御ユニット34は、エンジンEに対して要求する出力トルクであるエンジン要求トルク、回転電機MGに対して要求する出力トルクである回転電機要求トルクTmo、第一係合装置CL1に対して要求する伝達トルク容量である第一目標トルク容量、及び第二係合装置CL2に対して要求する伝達トルク容量である第二目標トルク容量を算出し、それらを他の制御ユニット32、33及びエンジン制御装置31に指令して統合制御を行う機能部である。
本実施形態では、車両制御ユニット34は、制振制御を行う制振制御部46を備えている。
以下、制振制御部46について詳細に説明する。
3−4−1.制振制御部46
制振制御部46は、図3に示すように、回転電機MGの回転速度ωmに対して、微分演算処理51及び第一のフィルタ処理BPF1を行って第一フィルタ値αmfを算出し、当該第一フィルタ値αmfに基づいて動力伝達経路2の回転速度の振動成分を低減させるような制振トルク指令Tpを算出して、回転電機MGの出力トルクTmを補正する制振制御を行う機能部である。
3−4−1−1.制振制御の原理
<軸ねじれ振動系のモデル>
図6に、制振制御の基礎となる動力伝達経路2のモデルを示す。動力伝達経路2を軸ねじれ振動系にモデル化している。回転電機MGは、第二係合装置CL2が直結係合状態である場合に変速機構TMを介して出力軸Oに駆動連結され、第一係合装置CL1が直結係合状態である場合にエンジンEに駆動連結される。出力軸Oは、車軸AXを介して、負荷Lとなる車両に駆動連結されている。変速機構TMは、変速比Krで、回転電機MGと出力軸Oとの間の回転速度を変速すると共に、トルクの変換を行う。なお、以下では出力軸O及び車軸AXをまとめて、出力シャフトと称する。
エンジンE、回転電機MG、及び負荷L(車両)を、それぞれ慣性モーメント(イナーシャ)Je、Jm、Jlを有する剛体としてモデル化している。各剛体間は、エンジン出力軸Eo、入力軸I、中間軸M、出力シャフトの軸により駆動連結されている。第二係合装置CL2が直結係合状態であり、第一係合装置CL1が非直結係合状態である場合は、回転電機MGと、負荷(車両)と、の2慣性系にモデル化できる。また、第二係合装置CL2が直結係合状態であり、第一係合装置CL1が直結係合状態である場合も、エンジン出力軸Eo及び入力軸Iのばね定数が出力シャフトのばね定数より大きいため、簡略化して回転電機MG及びエンジンEと、負荷(車両)と、の2慣性系にモデル化している。ここで、Kcは出力シャフトのねじりばね定数であり、Ccは出力シャフトの粘性摩擦係数である。
<2慣性モデルの伝達関数>
動力伝達経路2を2慣性系にモデル化した場合、回転電機MGの出力トルクTmから回転電機MGの回転速度ωmまでの伝達関数P(s)は、式(1)に示すようになる。また、図7に、伝達関数P(s)のボード線図の例(制振制御無し)を示す。
Figure 0005725371
ここで、ωaは共振周波数であり、ζaは共振点減衰率であり、ωzは反共振周波数であり、ζzは反共振点減衰率である。それらは、出力シャフトのねじりばね定数Kc及び粘性摩擦係数Cc、負荷(車両)慣性モーメントJl、回転電機MG側の慣性モーメントJd、及び変速比Krを用いて、次式のようになる。
また、回転電機MG側の慣性モーメントJdは、第一係合装置CL1が非直結係合状態又は直結係合状態であるかで変化する。また、変速比Krは、変速機構TMに形成される変速段によって変化する。よって、次式からわかるように、共振周波数ωaは、非直結係合状態又は直結係合状態、及び変速比Krによって変化する。
Figure 0005725371
共振周波数ωaは、式(2)から、第一係合装置CL1が直結係合状態になると、回転電機MG側の慣性モーメントJdがエンジンEの慣性モーメントJeの分だけ増加するので、減少することがわかる。また、共振周波数ωaは、式(2)から、変速比Krが増加すると、減少することがわかる。
<制振制御の設計指針>
式(1)から、回転電機MGの回転速度ωmは、回転電機MGの出力トルクTmを、軸ねじれ振動系(動力伝達経路2)全体の慣性モーメント(Jl/Kr+Jd)で除算した回転加速度を積分(1/s)した定常状態の回転速度に、式(3)及び図8のボード線図に示すような伝達関数により、共振周波数ωaを中心とする周波数の軸ねじれ振動成分が乗った回転速度になることがわかる。
Figure 0005725371
よって、回転電機MGの回転速度ωmの軸ねじれ振動成分を低減させる制振制御を行うためには、回転電機MGの回転速度ωmから、共振周波数ωa付近の周波数成分(振動成分)を抽出し、抽出した振動成分を低減させるように、回転電機MGの出力トルクTmを補正すればよい。このため、制振制御部46は、共振周波数ωa付近の周波数帯域の信号成分を通過するフィルタを備えている。
また、回転電機MGの回転速度ωmの軸ねじれ振動成分を微分すると共に、回転電機MGの慣性モーメントJmで除算することにより、出力シャフトから回転電機MGに伝達されているねじりトルクの振動成分を算出することができる。よって、ねじりトルクの振動成分の正負の符号を反転させたトルク成分を回転電機MGに出力させることで、ねじりトルクの振動成分を回転電機MGの出力トルクTmにより打ち消すことができ、回転電機MGの回転速度ωmの軸ねじれ振動成分を低減させることができる。
従って、回転電機MGの回転速度ωmに対して、共振周波数ωa付近の周波数帯域の信号成分を通過するフィルタ処理(第一のフィルタ処理BPF1)、微分演算処理51、回転電機MGの慣性モーメントJmの逆数などに基づいて設定した制御ゲインの乗算処理52、及び符号反転処理57を行って算出したトルク成分を回転電機MGに出力させることで、回転電機MGの回転速度ωmの振動成分を低減させる制振制御を行うことができる。なお、第一のフィルタ処理BPF1、微分演算処理51、制御ゲインの乗算処理52、及び符号反転処理57の処理順序は、任意の順序とすることができる。
3−4−1−2.制振制御の基本構成
本実施形態では、図3に示すように、制振制御部46は、回転電機MGの回転速度ωmに対して微分演算処理51を行って回転加速度αmを算出し、当該回転加速度αmに対して第一のフィルタ処理BPF1を行って第一フィルタ値αmfを算出し、第一フィルタ値αmfに対して制御ゲインの乗算処理52及び符号反転処理57を行って制振トルク指令Tpを算出するように構成されている。
第一のフィルタ処理BPF1は、動力伝達経路2の共振周波数ωaを含む周波数帯域の信号成分を通過するフィルタとされている。本実施形態では、第一のフィルタ処理BPF1は、動力伝達経路2の共振周波数ωaを含む周波数帯域の信号成分を通過するバンドパスフィルタとされている。なお、第一のフィルタ処理BPF1は、動力伝達経路2の共振周波数ωaを含む周波数帯域の信号成分を通過するハイパスフィルタであってもよい。バンドパスフィルタは、一般に、通過周波数帯域より小さい周波数の信号成分を減衰するハイパスフィルタの特性と、通過周波数帯域より大きい周波数の信号成分を減衰するローパスフィルタの特性とを備えている。バンドパスフィルタの通過周波数帯域は、バンドパスフィルタの伝達関数において、ゲインが−3dB以上となる周波数帯域と定義することができる。そして、第一のフィルタ処理BPF1の通過周波数帯域は、動力伝達経路2の共振周波数ωaを含む周波数帯域に設定されている。典型的には、共振周波数ωaを中心とする周波数帯域に設定される。上記のように、動力伝達経路2の共振周波数ωaは、変速比Kr及び第一係合装置CL1の係合状態に応じて変化するため、第一のフィルタ処理BPF1の通過周波数帯域は、変速比Kr及び第一係合装置CL1の係合状態に応じて変化されるように構成されている。
第一のフィルタ処理BPF1には、様々な伝達関数を有するバンドパスフィルタを用いることができる。例えば、式(4)に示すように、2次系の伝達関数Gbpf(s)を有するバンドパスフィルタを用いることができる。
Figure 0005725371
或いは、式(5)に示すように、ローパスパスフィルタLPFの伝達関数Glpf(s)と、ハイパスフィルタHPFの伝達関数Ghpf(s)と、から構成されるバンドパスフィルタの伝達関数Gbpf(s)を用いることができる。
Figure 0005725371
そして、ローパスパスフィルタLPFの伝達関数Glpf(s)、ハイパスフィルタHPFの伝達関数Ghpf(s)には、例えば、式(6)に示すような1次系伝達関数や、2次系伝達関数を用いることができる。
Figure 0005725371
第一のフィルタ処理BPF1は、デジタル演算処理のために、離散化されており、複数(n個)の遅延器D11〜D1nを有している。図3には、遅延器をZ−1で表している。遅延器は、遅延器に入力された信号を、1演算周期だけ遅らせて出力する機能を有している。具体的には、遅延器は、ある演算周期で入力された信号をRAMに記憶し、次の演算周期でRAMに記憶されている入力信号を出力する。また、第一のフィルタ処理BPF1は、図4に示すように、信号を係数K1倍する係数倍器G1、及び信号の加算又は減算を行う加算減算器PM1を、それぞれ複数有している。すなわち、第一のフィルタ処理BPF1は、複数の遅延器D1、複数の係数倍器G1、及び複数の加算減算器PM1が、フィルタ処理を行うように接続されて構成されている。なお、第一のフィルタ処理BPF1が有する遅延器D1の個数は、概ね、連続系での第一のフィルタ処理BPF1の伝達関数の次数に比例する。
第一のフィルタ処理BPF1の連続系での伝達関数が、式(5)及び式(6)に示すように設定されている場合は、第一のフィルタ処理BPF1は、離散化されて、例えば図4に示すように構成することができる。この場合は、第一のフィルタ処理BPF1は、2つの遅延器D11、D12、2つの係数倍器G11、G12、及び5つの加算減算器PM11、PM12、PM13、PM14、PM15を有しており、これらがフィルタ処理を行うように接続されて構成されている。
3−4−1−3.制振制御の第一の課題
回転電機MGと出力軸Oとを駆動連結する第二係合装置CL2が、解放状態又は滑り係合状態になると、出力軸Oから回転電機MGに出力シャフトのねじりトルクが伝達されなくなり、軸ねじれ振動系が変化する。
また、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態になると、回転電機MGの回転速度ωmが、軸ねじれ振動及び車速とは関係なく変化し、回転電機MGの回転速度ωmと出力軸Oの回転速度ωoとの間の回転速度比(変速比)が変化する。回転電機MG側の慣性モーメントJdは、負荷(車両)の慣性モーメントJlよりも遥かに小さいため、回転電機MGの回転速度ωmは応答性良く変化する。このため、回転電機MGの回転速度ωmにおいて、軸ねじれ振動と関係ない変動成分と、軸ねじれ振動成分との間の周波数帯域の分離が難しくなる。軸ねじれ振動と関係ない回転電機MGの回転速度ωmの変動成分により、第一のフィルタ処理BPF1の第一フィルタ値αmfが変動する。この第一フィルタ値αmfの変動により、制振トルク指令Tpが変動して、回転電機MGの出力トルクTmが変動し、回転電機MGの回転速度ωmが意図せず変動する恐れがある。
また、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態から直結係合状態になったときに、第二係合装置CL2を伝達するトルクが、第二係合装置CL2の伝達トルク容量に応じたトルク(スリップトルク)又はゼロから、回転電機MG側から第二係合装置CL2の回転電機MG側の係合部材に伝達されているトルクに切り替わる。このため、第二係合装置CL2が直結係合状態になったときに、動力伝達経路2が2慣性の軸ねじれ振動系になると共に、動力伝達経路2にトルクショックが伝達される。このトルクショックにより動力伝達経路2に軸ねじれ振動が励起される。よって、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後、直ちに制振制御により軸ねじれ振動が制振され、車輪Wにトルク振動が伝達されることを抑制することが望まれる。
しかし、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である間に変動した第一フィルタ値αmfは、第二係合装置CL2が直結係合状態になり、回転電機MGの回転速度ωmが軸ねじれ振動及び車速と関係なく変動しなくなった後も直ちに収束せずに、制振トルク指令Tpの変動がしばらく継続する。このため、第二係合装置CL2が直結係合状態になることにより生じたトルクショックに、制振トルク指令Tpの変動が加えられ、トルクショックが大きくなる恐れがある。よって、制振制御を実行することにより、直結係合状態になったときに励起される軸ねじれ振動が増加し、車輪Wに伝達されるトルクショックが増加する恐れがある。よって、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後、直ちに制振制御により軸ねじれ振動を制振することは容易でない。
<変速制御中の例>
この制振制御の第一の課題について、変速制御を例に説明する。図9に、アップシフトの変速制御の比較例を示し、図10に、ダウンシフトの変速制御の比較例を示す。
<アップシフトの場合>
まず、図9のアップシフトの比較例について説明する。時刻t01において、目標変速段がより小さい高速段に変更されてアップシフトの変速制御が開始している。詳しくは図13を用いて後述するが、時刻t02から時刻t04までの間は、解放側係合装置が直結係合状態から滑り係合状態又は解放状態に移行されており、係合側係合装置が解放状態から滑り係合状態に移行されている。すなわち、時刻t02から時刻t04までの間は、変速制御中に回転電機MGと出力軸Oとを駆動連結する第二係合装置CL2としての解放側係合装置及び係合側係合装置の双方が、滑り係合状態又は解放状態とされている。ここで、時刻t02から時刻t03までの間は、後述するトルク制御相とされており、回転電機MGの回転速度ωmは、変速前の同期回転速度からできるだけ変化しないように制御されている。トルク制御相の後の時刻t03から時刻t04までの間で、回転電機MGの回転速度ωmは、変速前の同期回転速度から変速後の同期回転速度に変化されている。ここで、変速前の同期回転速度は、出力軸Oの回転速度ωoに変速制御開始前(変速前)の変速比Krを乗算した回転速度であり、回転電機MGの回転速度ωmが変速前の同期回転速度に一致している場合は、解放側係合装置の係合部材間に回転速度差が生じていない。変速後の同期回転速度は、出力軸Oの回転速度ωoに変速制御開始後(変速後)の変速比Krを乗算した回転速度であり、回転電機MGの回転速度ωmが変速後の同期回転速度に一致している場合は、係合側係合装置の係合部材間に回転速度差が生じていない。
図9に示すアップシフトの比較例では、本実施形態と異なり、変速制御中に第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が滑り係合状態又は解放状態になった場合(時刻t02〜時刻t04)も、制振トルク指令Tpの算出が中断されることなく継続して実行されている。この間、回転電機MGの回転速度ωmが、軸ねじれ振動及び車速の変化とは関係なく、変速前の同期回転速度から変速後の同期回転速度まで変化している。この回転電機MGの回転速度ωmの変動により、回転電機MGの回転加速度αmが変動し、第一のフィルタ処理BPF1後の第一フィルタ値αmfも変動している。制振トルク指令Tpは、第一フィルタ値αmfの符号反転値に比例するため、制振トルク指令Tpも変動し、回転電機MGの回転速度ωmが意図せず変動する恐れがある。よって、回転電機MGと出力軸Oとを駆動連結する第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態になった場合には、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断する必要がある。
なお、図9〜図14に示す例では、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の挙動を理解し易くするために、制振トルク指令Tpの算出は行われているが、回転電機MGの出力トルクTmには反映させないように構成されており、フィードバック制御は行われていない。
また、第一フィルタ値αmfの変動は、第二係合装置CL2(係合側係合装置)が直結係合状態になり(時刻t04)、回転電機MGの回転速度ωmにおける軸ねじれ振動と関係ない変動が生じなくなった後も、直ちに収束しておらず、第一フィルタ値αmfの変動がしばらく継続している。よって、第二係合装置CL2が直結係合状態になることにより生じたトルクショックが、制振制御により更に増加する恐れがある。
<ダウンシフトの場合>
次に、図10のダウンシフトの比較例について説明する。時刻t11において、目標変速段がより大きい低速段に変更されてダウンシフトの変速制御が開始している。詳しくは図14を用いて後述するが、時刻t12から時刻t15までの間において、解放側係合装置が直結係合状態から滑り係合状態に移行されており、係合側係合装置が解放状態から滑り係合状態に移行されている。よって、時刻t12から時刻t15までの間において、変速制御中に回転電機MGと出力軸Oとを駆動連結する第二係合装置CL2としての解放側係合装置及び係合側係合装置の双方が、滑り係合状態又は解放状態に移行されている。ここで、時刻t14から時刻t15までの間は、後述するトルク制御相とされており、回転電機MGの回転速度ωmは、変速後の同期回転速度からできるだけ変化しないように制御されている。時刻t13から時刻t14までの間で、回転電機MGの回転速度ωmは、変速前の同期回転速度から変速後の同期回転速度に変化されている。
図10に示す比較例でも、本実施形態と異なり、変速制御中に第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が滑り係合状態又は解放状態に移行される場合(時刻t12〜時刻t15)も、制振トルク指令Tpの算出が中断されることなく継続して実行されている。この間、回転電機MGの回転速度ωmが、軸ねじれ振動及び車速の変化とは関係なく、変速前の同期回転速度から変速後の同期回転速度まで変化している。この回転電機MGの回転速度ωmの変動により、回転電機MGの回転加速度αmが変動し、第一のフィルタ処理BPF1後の第一フィルタ値αmfも変動している。よって、ダウンシフトの場合も、回転電機MGと出力軸Oとを駆動連結する第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態になった場合には、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断する必要がある。
3−4−1−4.第一の課題に対する制振制御の構成
以上の第一の課題から、回転電機MGと出力軸Oとを駆動連結する第二係合装置CL2が解放状態又は滑り係合状態である間に、回転電機MGの回転速度ωmが軸ねじれ振動と関係なく変動するため、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断する必要があることがわかる。
これに対し、第二係合装置CL2が解放状態又は滑り係合状態である間に制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の算出だけを実行し、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正だけを中断するように構成しても、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の変動が収束していない場合がある。このため、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後、直ちに制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開しても、軸ねじれ振動を抑制することが困難である。
この第一の課題に対して、第二係合装置CL2が解放状態又は滑り係合状態である間に、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の算出を中断して、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断する方法が考えられる。
本実施形態では、制振制御部46は、図3に示すように、第二係合装置CL2が解放状態又は滑り係合状態である間に、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の算出を中断するために、第一のフィルタ処理BPF1が有する複数の遅延器D11〜D1nそれぞれにおける1演算周期前の入力信号の記憶値を所定値(本実施形態ではゼロ)にリセットとするように構成されている。また、本実施形態では、第一のフィルタ処理BPF1の出力値(第一フィルタ値αmf)もゼロにリセットするように構成されている。
3−4−1−5.制振制御の第二の課題
しかし、上記のように構成しても、以下で説明する、解決するべき新たな課題(第二の課題)が生じる。
すなわち、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の算出を再開するときに、リセットされていた各遅延器D11〜D1nにおける記憶値の初期値の設定が問題となる。具体的には、第一フィルタ値αmfの算出を再開したときに、各遅延器D11〜D1nの値(出力値)が所定のリセット値(ゼロ)になると共に、次の演算周期で、各遅延器D11〜D1nの値が所定のリセット値(ゼロ)からステップ的に変化する。
第一のフィルタ処理BPF1が有するハイパスフィルタの特性には、微分特性が含まれる。当該微分特性の出力値は、遅延器D1の値のステップ的な変化により、インパルス的に変化する。また、第一のフィルタ処理BPF1が有するローパスフィルタの特性及びハイパスフィルタの特性は、位相遅れ及び減衰の特性を有しており、その出力値は、遅延器D1の値のステップ的な変化及び微分特性のインパルス的な変化に対して、位相遅れ及び減衰を有して変化する。
よって、第一フィルタ値αmfの算出を再開したときに生じる、各遅延器D11〜D1nの値のステップ的な変化に対して、第一のフィルタ処理BPF1内の各演算値が、インパルス的に変化したり、位相遅れ及び減衰を有して変化したりする。このため、第一フィルタ値αmfが、第一フィルタ値αmfの算出を再開した後、しばらくの間変動する。
従って、第二係合装置CL2が解放状態又は滑り係合状態である間に、第一フィルタ値αmfの算出を単に中断するだけでは、第一フィルタ値αmfの算出の再開後に、第一フィルタ値αmfがしばらくの間変動し、第二係合装置CL2が直結係合状態になったときに励起される軸ねじれ振動が増加し、車輪Wに伝達されるトルクショックが増加する恐れがある。よって、この場合も、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後、直ちに制振制御により軸ねじれ振動を制振することが困難である。
<変速制御中の例>
この制振制御の第二の課題について、変速制御を例に説明する。図11に、図9の場合と同様のアップシフトの変速制御の比較例を示し、図12に、図10の場合と同様のダウンシフトの変速制御の比較例を示す。
<アップシフトの場合>
まず、図11のアップシフトの比較例について説明する。図9の時刻t02から時刻t04までの間と同様に、時刻t22から時刻t24までの間は、第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が、滑り係合状態又は解放状態とされている。図11に示す比較例では、本実施形態と同様に、第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t22〜時刻t24)に、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の算出が中断されるように構成されている。すなわち、第一のフィルタ処理BPF1の各遅延器D11〜D1nの記憶値を所定のリセット値(ゼロ)にリセットとする共に、第一のフィルタ処理BPF1の出力値(第一フィルタ値αmf)をゼロにリセットするように構成されている。
このため、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t22〜時刻t24)に、第一フィルタ値αmfの変動が生じなくなっている。しかし、上記の第二の課題で説明したように、第一フィルタ値αmfの算出を再開したときに生じる、各遅延器D11〜D1nの値のステップ的な変化により、第一フィルタ値αmfの算出を再開した後、第一フィルタ値αmfがしばらくの間変動している(時刻t24以降)。よって、第一フィルタ値αmfの算出を中断するだけでは、第二係合装置CL2が直結係合状態になることにより生じたトルクショックが、制振制御により更に増加する恐れがある。
<ダウンシフトの場合>
次に、図12のダウンシフトの比較例について説明する。図10の時刻t12から時刻t15までの間と同様に、時刻t32から時刻t35までの間は、第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が、滑り係合状態又は解放状態とされている。
図12に示す比較例でも、本実施形態と同様に、第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t32〜時刻t35)に、第一フィルタ値αmfの算出が中断されるように構成されている。
このため、図11のアップシフトの場合と同様に、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t32〜時刻t35)に、第一フィルタ値αmfの変動が生じなくなっている。しかし、アップシフトの場合と同様に、第一フィルタ値αmfの算出を再開した後、第一フィルタ値αmfがしばらくの間変動している(時刻t35以降)。よって、第一フィルタ値αmfの算出を中断するだけでは、第二係合装置CL2が直結係合状態になることにより生じたトルクショックが、制振制御により更に増加する恐れがある。
3−4−1−6.第二の課題に対する制振制御の構成
以上の第二の課題から、各遅延器D11〜D1nの値のステップ的な変化により、第一フィルタ値αmfの算出を再開した後、第一フィルタ値αmfがしばらくの間変動するため、第一フィルタ値αmfの算出を再開したときの、各遅延器D11〜D1nの値(記憶値又は出力値)の初期値を適切に設定する必要があることがわかる。
そこで、本実施形態では、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合でも、回転電機MGの回転速度ωmとは異なり、軸ねじれ振動及び車速の変化と関係のない変動が小さい出力軸Oの回転速度ωoに基づいて、各遅延器D11〜D1nの値(記憶値又は出力値)の初期値を設定するように構成されている。
具体的には、制振制御部46は、図3に示すように、出力軸Oの回転速度ωoに対して、微分演算処理54及び第二のフィルタ処理BPF2を行い、当該第二のフィルタ処理BPF2が有する遅延器D21〜D2nの値(記憶値又は出力値)に対して変速比Krを乗算して遅延器換算値Yzo1〜Yzonを算出する出力側演算部47を備えている。
そして、制振制御部46は、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzoの算出を実行し、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するときに、出力側演算部47により算出された遅延器換算値Yzo1〜Yzonに基づいて、第一のフィルタ処理BPF1が有する遅延器D11〜D1nの初期値(記憶値又は出力値の初期値)を設定する中断再開処理を行うように構成されている。
第二のフィルタ処理BPF2が有する遅延器D2、係数倍器G2、及び加算減算器PM2の各個数及び接続は、第一のフィルタ処理BPF1が有する遅延器D1、係数倍器G1、及び加算減算器PM1の各個数及び接続と、同じに構成されている。すなわち、第二のフィルタ処理BPF2は、第一のフィルタ処理BPF1と第二のフィルタ処理BPF2とに同じ値が入力されている場合に、第一のフィルタ処理BPF1の各遅延器D11〜D1nの値と、各遅延器D11〜D1nに対応する第二のフィルタ処理BPF2の各遅延器D21〜D2nの値とが、同じになるように構成されている。
そして、再開するときの第一のフィルタ処理BPF1の各遅延器D11〜D1nの初期値(記憶値又は出力値の初期値)は、各遅延器D11〜D1nに対応する第二のフィルタ処理BPF2の各遅延器D21〜D2nの値(記憶値又は出力値)に変速比Krを乗算した遅延器換算値Yzo1〜Yzonに基づいて、設定されるように構成されている。
例えば、第一のフィルタ処理BPF1が図4に示すように構成されている場合は、第二のフィルタ処理BPF2は図5に示すように構成される。この場合は、BPF1の遅延器D11とBPF2の遅延器D21とが対応しており、再開するときのBPF1の遅延器D11の初期値は、BPF2の遅延器D21の値に変速比Krを乗算した遅延器換算値Yzo1に基づいて設定される。また、BPF1の遅延器D12とBPF2の遅延器D22とが対応しており、再開するときのBPF1の遅延器D12の初期値は、BPF2の遅延器D22の値に変速比Krを乗算した遅延器換算値Yzo2に基づいて設定される。
本実施形態では、第二のフィルタ処理BPF2は、第一のフィルタ処理BPF1と同様に、バンドパスフィルタとされている。なお、第一のフィルタ処理BPF1がハイパスフィルタとされる場合は、第二のフィルタ処理BPF2は、ハイパスフィルタであってもよい。第二のフィルタ処理BPF2の通過周波数帯域は、第一のフィルタ処理BPF1の通過周波数帯域と同じになるように構成されている。具体的には、第二のフィルタ処理BPF2が有する各係数倍器G2の係数K2には、対応する第一のフィルタ処理BPF1が有する各係数倍器G1の係数K1の設定値と同じ値が設定されている。
例えば、第一及び第二のフィルタ処理BPF1、BPF2が図4及び図5に示すように構成されている場合は、BPF2の係数倍器G21の係数K21には、BPF1の係数倍器G11の係数K11の設定値と同じ値が設定されており、BPF2の係数倍器G22の係数K22には、BPF1の係数倍器G12の係数K12の設定値と同じ値が設定されている。
本実施形態では、第二のフィルタ処理BPF2の各遅延器D21〜D2nの値に乗算される変速比Krは、変速制御終了後の変速機構TMの変速比となる目標変速比の値に設定されている。なお、変速比Krは、回転電機MGの回転速度ωm及び出力軸Oの回転速度ωoに基づいて算出した実変速比の値に設定されるように構成されてもよい。
図9のアップシフトの例に示すように、出力軸Oの回転速度ωoは、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t02〜時刻t04)でも、軸ねじれ振動及び車速の変化と関係のない変動が小さく、変速比Krが変化しても変動しない。このため、出力軸Oの回転速度ωoに対して微分演算処理及び第二のフィルタ処理BPF2を行って算出した第二フィルタ値αofは、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合でも変動が小さく、第二のフィルタ処理BPF2の遅延器D21〜D2nの値の変動も小さくなる。出力軸Oの回転速度ωoに変速比Krを乗算した回転速度が回転電機MGの回転速度ωmとなるため、第二フィルタ値αof及び遅延器D21〜D2nの値に、それぞれ変速比Krを乗算した第二フィルタ換算値αofm及び遅延器換算値Yzo1〜Yzonが、第一フィルタ値αmf及び遅延器D11〜D1nの値相当の換算値となる。
また、図3に示すように、変速比Krの乗算処理を、微分演算処理54及び第二のフィルタ処理BPF2を行う前ではなく行った後に、実行しているので、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t02〜時刻t04)に、変速比Krが変化したとしても、第二フィルタ値αof及び遅延器D21〜D2nの値が変速比Krの変化に対して位相遅れ及び減衰を有して変化しない。よって、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合に第二フィルタ値αofの算出を実行していたとしても、第一フィルタ値αmfの場合とは異なり、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するとき(時刻t04)、変速比Krの変化による第二フィルタ値αof(第二フィルタ換算値αofm)の値の変動が生じておらず、遅延器D21〜D2nの値(遅延器換算値Yzo1〜Yzon)の変動も生じない。すなわち、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合に、出力軸Oの回転速度ωoに基づいて第二フィルタ値αofを算出して、遅延器換算値Yzo1〜Yzonを算出することで、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するときに、変速比Krの変化による変動のない遅延器D11〜D1nの値を得ることができる。そして、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するときに、遅延器換算値Yzo1〜Yzonに基づいて、遅延器D11〜D1nの初期値を設定することで、遅延器D11〜D1nの値のステップ的な変化により第一フィルタ値αmfが変動することを防止できる。よって、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後、直ちに制振制御により軸ねじれ振動を制振することが可能になる。
なお、上記のような利点のある第二フィルタ値αof(第二フィルタ換算値αofm)に基づいて制振トルク指令Tpを算出することも考えられるが、回転電機MGの出力トルクTmにより軸ねじれ振動の制振制御を行う上で、出力回転速度センサSe2に比べて回転電機MGのより近くに配置された入力回転速度センサSe1を用いる方が、応答性の観点から望ましい。また、回転電機MGの制御用の入力回転速度センサSe1の方が、一般に、出力回転速度センサSe2に比べて、回転速度(回転角度)の変化に対する検出精度(分解能)がよいため、回転加速度を用いる制振制御を行う上で望ましい。よって、出力軸Oの回転速度ωoに基づく算出値は、遅延器D11〜D1nの初期値の設定にのみ用い、初期値設定後の第一フィルタ値αmfの算出には、回転電機MGの回転速度ωmを用いている。
<制振制御の中断、再開判定>
本実施形態では、第二係合装置CL2は、回転電機MGと出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路2に設けられた変速機構TMに備えられた単数又は複数の係合装置とされ、変速制御中は、係合側係合装置及び解放側係合装置とされる。
そして、制振制御部46は、中断再開処理において、第二係合装置CL2を滑り係合状態又は解放状態に制御して変速機構TMの変速比Krを変更する変速制御が実行されている間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出を実行するように構成されている。
また、本実施形態では、制振制御部46は、変速制御が開始されたら、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクtmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出を実行し、回転電機MGの回転速度ωmが変速制御による変速比Krの変更後の回転速度(変速後の同期回転速度)に一致したと判定され、且つ第二係合装置CL2の係合圧(指令圧)が、変速機構TMの回転電機MG側に伝達されるトルクを出力軸O側に伝達可能な最小の係合圧(指令圧)である最小係合圧より大きくなると、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するように構成されている。
本実施形態では、制振制御部46は、変速制御が開始されてから、解放側係合装置の係合部材間の回転速度差が判定しきい値より大きくなったと判定した場合、又は解放側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧より小さくなったと判定した場合に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断するように構成されている。
また、本実施形態では、図15のフローチャートに示すように、制振制御部46は、変速制御が開始されて、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断した後、係合側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧より大きくなったと判定した場合(ステップ♯01:Yes)であって、係合側係合装置の係合部材間の回転速度差が判定しきい値以下になったと判定した場合(ステップ♯02:Yes)に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するように構成されている(ステップ♯03)。
なお、本実施形態では、出力側演算部47による遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出は、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正の中断中だけでなく、常に実行されるように構成されている。
<変速制御中の例>
第二の課題に対する制振制御の構成について、変速制御を例に説明する。図13に、図9及び図11の場合と同様のアップシフトの変速制御における本実施形態に係わる例を示し、図14に、図10及び図12の場合と同様のダウンシフトの変速制御における本実施形態に係わる例を示す。
<アップシフトの場合>
まず、図13のアップシフトの本実施形態に係わる例について説明する。図11の時刻t22から時刻t24までの間と同様に、時刻t42から時刻t45までの間は、第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が、滑り係合状態又は解放状態とされている。以下でより詳細に説明する。
時刻t41において、目標変速段がより小さい高速段に変更されてアップシフトの変速制御が開始している。目標変速段の変更にともない、目標変速比がステップ的に減少している。変速制御の開始後、解放側係合装置に対する指令圧が次第に減少されていき、解放側係合装置の伝達トルク容量が減少していく。一方、変速制御の開始後、係合側係合装置に対する指令圧がストロークエンド圧付近まで増加される。図13に示す例では、油圧シリンダへの作動油の充填を早めるため、指令圧が、変速制御の開始後、一時的にストロークエンド圧より高く設定されている。そして、解放側係合装置の係合圧(指令圧)が、駆動力源から出力軸O側に伝達されるトルクを伝達可能な最小係合圧を下回る(時刻t42)と、係合側係合装置の係合圧(指令圧)が、ストロークエンド圧付近から最小係合圧まで次第に増加されていく(時刻t42から時刻t43)。一方、解放側係合装置の指令圧が、最小係合圧からストロークエンド圧未満まで次第に減少されていく(時刻t42から時刻t43)。すなわち、時刻t42から時刻t43の間で、係合圧(伝達トルク容量)を解放側係合装置から係合側係合装置に入れ替えると共に、回転電機MGの回転速度ωmを変速前の同期回転速度に維持するトルク制御相の制御が実行されている。
解放側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧を下回ると、解放側係合装置の係合部材間に回転速度差が生じる状態になり、解放側係合装置が直結係合状態から滑り係合状態に移行する。制振制御部46は、解放側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧より小さくなったと判定した場合(時刻t42)に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断している(制振制御OFF)。一方、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正の中断中も、出力側演算部47による第二フィルタ値αofの算出及び遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出は継続して実施されている。
トルク制御相が終了した後、回転電機MGの回転速度ωmを、変速前の同期回転速度から変速後の同期回転速度まで変化させるイナーシャ制御相の制御が実行される(時刻t43〜時刻t44)。そして、回転電機MGの回転速度ωmと変速後の同期回転速度との回転速度差がイナーシャ制御相の終了判定値以下になったと判定した場合に、係合側係合装置の係合圧を完全係合係合圧まで次第に増加させるスイープアップ制御を開始する(時刻t44)。
スイープアップ制御の開始後、制振制御部46が、係合側係合装置の回転速度差が判定しきい値以下になったと判定すると共に、係合側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧より大きくなったと判定した場合(時刻t45)に、係合側係合装置が直結係合状態になる可能性が高いと判定し、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開している(制振制御ON)。
なお、図13に示す例では、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開した時点(時刻t45)と、係合側係合装置が直結係合状態になり、トルクショックが生じ、軸ねじれ振動が励起された時点(時刻t45)と、が一致している。しかし、実際には、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開する時点が、係合側係合装置が直結係合状態になる時点より前になるように、回転速度差の判定しきい値などが設定されている。すなわち、係合側係合装置が直結係合状態になる前に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開することができ、制振制御により軸ねじれ振動を制振することができる。
図9を参照して上述したように、出力軸Oの回転速度ωoは、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t42〜時刻t45)でも、軸ねじれ振動及び車速の変化と関係のない変動が小さく、変速比Krが変化しても変動していない。このため、出力軸Oの回転速度ωoに基づいて算出した第二フィルタ値αof(第二フィルタ換算値αofm)は、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合でも変動が小さくなっており、第二のフィルタ処理BPF2の遅延器D21〜D2nの値の変動も小さくなる。
また、変速比Krの乗算処理を、第二フィルタ値αofの算出を行った後に、実行しているので、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するとき(時刻t45)、変速比Krの変化による第二フィルタ値αof(第二フィルタ換算値αofm)の値の変動が生じておらず、遅延器D21〜D2nの値(遅延器換算値Yzo1〜Yzon)の変動も生じない。そして、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するとき(時刻t45)に、遅延器換算値Yzo1〜Yzonに基づいて、遅延器D11〜D1nの初期値を設定することで、遅延器D11〜D1nの値のステップ的な変化により第一フィルタ値αmfが変動することを防止できている(時刻t45以降)。よって、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後(時刻t45以降)、直ちに制振制御により軸ねじれ振動を制振することが可能になる。
なお、上記したように、図13及び後述する図14に示す例では、制振トルク指令Tp(第一フィルタ値αmf)の挙動を理解し易くするために、制振トルク指令Tpの算出は行われているが、回転電機MGの出力トルクTmには反映させないように構成されているため、直結係合状態になったときに励起された軸ねじれ振動は減衰していない。制振トルク指令Tpを回転電機MGの出力トルクTmに反映させるように構成した場合は、直結係合状態になったときに励起された軸ねじれ振動は、速やかに減衰する。
<ダウンシフトの場合>
次に、図14のダウンシフトの本実施形態に係わる例について説明する。図12の時刻t32から時刻t35までの間と同様に、時刻t52から時刻t55までの間は、第二係合装置CL2(解放側係合装置及び係合側係合装置)が、滑り係合状態又は解放状態とされている。以下でより詳細に説明する。
時刻t51において、目標変速段がより大きい低速段に変更されてダウンシフトの変速制御が開始している。目標変速段の変更にともない、目標変速比がステップ的に増加している。変速制御の開始後、解放側係合装置に対する係合圧(指令圧)が、最小係合圧より高く設定された所定圧まで減少される(時刻t51から時刻t52)。そして、解放側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧より高く設定された所定圧から最小係合圧より小さくなるように次第に減少されていく(時刻t52から時刻t53)。そして、回転電機MGの回転速度ωmが、変速前の同期回転速度から変動した(大きくなった)と判定した後、回転電機MGの回転速度ωmを、変速前の同期回転速度から変速後の同期回転速度まで変化させるイナーシャ制御相の制御が実行される(時刻t53〜時刻t54)。
一方、変速制御の開始後、係合側係合装置に対する指令圧がストロークエンド圧付近まで増加される(時刻t51から時刻t54)。図14に示す例では、油圧シリンダへの作動油の充填を早めるため、指令圧が、変速制御の開始後、一時的にストロークエンド圧より高く設定されている。
解放側係合装置の係合圧(指令圧)を、最小係合圧より高く設定された所定圧から次第に減少させ始めた後(時刻t52以降)、解放側係合装置が直結係合状態から滑り係合状態に移行するので、制振制御部46は、当該係合圧の減少が開始された場合(時刻t52)に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断している(制振制御OFF)。一方、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正の中断中も、出力側演算部47による第二フィルタ値αofの算出及び遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出は継続して実施されている。
回転電機MGの回転速度ωmと変速後の同期回転速度との回転速度差がイナーシャ制御相の終了判定値以下になったと判定した場合に、解放側係合装置の係合圧(指令圧)をストロークエンド圧未満まで次第に減少させていくと共に、係合側係合装置の係合圧(指令圧)をストロークエンド圧付近から最小係合圧より大きい圧まで次第に増加させていく(時刻t54から時刻t56)。すなわち、時刻t54から時刻t56の間で、係合圧(伝達トルク容量)を解放側係合装置から係合側係合装置に入れ替えると共に、回転電機MGの回転速度ωmを変速後の同期回転速度に維持するトルク制御相の制御が実行されている。
トルク制御相の開始後、時刻t55にて、制振制御部46が、係合側係合装置の回転速度差が判定しきい値以下になったと判定すると共に、係合側係合装置の係合圧(指令圧)が、最小係合圧より大きくなったと判定し、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開している(制振制御ON)。
図13を参照して上述したアップシフトの場合と同様に、出力軸Oの回転速度ωoは、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合(時刻t52〜時刻t55)でも、軸ねじれ振動及び車速の変化と関係のない変動が小さく、変速比Krが変化しても変動していない。このため、出力軸Oの回転速度ωoに基づいて算出した第二フィルタ値αof(第二フィルタ換算値αofm)は、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である場合でも変動が小さくなっており、第二のフィルタ処理BPF2の遅延器D21〜D2nの値も変動が小さくなる。
また、アップシフトの場合と同様に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するとき(時刻t55)、変速比Krの変化による第二フィルタ値αof(第二フィルタ換算値αofm)の値の変動が生じておらず、遅延器D21〜D2nの値(遅延器換算値Yzo1〜Yzon)の変動も生じない。そして、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を再開するとき(時刻t55)に、遅延器換算値Yzo1〜Yzonに基づいて、遅延器D11〜D1nの初期値を設定することで、遅延器D11〜D1nの値のステップ的な変化により第一フィルタ値αmfが変動することを防止できている(時刻t55以降)。よって、アップシフトの場合と同様に、第二係合装置CL2が直結係合状態になった後(時刻t55以降)、直ちに制振制御により軸ねじれ振動を制振することが可能になる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態においては、制御装置30は、回転電機MGと車輪Wに駆動連結された出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路2に、第二係合装置CL2を備えた変速機構TMが設けられた車両用駆動装置を制御対象とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、制御装置30は、図16及び図17に示すように、回転電機MGと車輪Wに駆動連結された出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路2に、第二係合装置CL2及び変速機構TMが設けられた車両用駆動装置を制御対象とするように構成されてもよい。或いは、図16に示す車両用駆動装置1において、変速機構TMが係合装置を備えない構成とされてもよい。
車両用駆動装置1は、図17に示すように、回転電機MGと変速機構TMと間の動力伝達経路に更にトルクコンバータTCを備え、トルクコンバータTCの入出力部材間を直結係合状態にするロックアップクラッチが、第二係合装置CL2に設定されるように構成されてもよい。
これらの場合、制振制御部46は、変速機構TMとは別に設けられた第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzoの算出を実行する中断再開処理を行うように構成される。例えば、エンジンEを始動させるエンジン始動制御中や、変速機構TMの変速制御中に、変速機構TMとは別に設けられた第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態に制御される際に、中断再開処理が行われるように構成される。
或いは、車両用駆動装置1は、図18に示すように、エンジンE、第一係合装置CL1を備えないように構成されてもよい。この場合、エンジン制御装置31も備えられない。
(2)上記の実施形態においては、第二係合装置CL2が油圧により制御される係合装置である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二係合装置CL2は、油圧以外の駆動力、例えば、電磁石の駆動力、サーボモータの駆動力など、により制御される係合装置であってもよい。
(3)上記の実施形態においては、変速機構TMが有段の自動変速装置である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、変速機構TMが、連続的に変速比を変更可能な無段の自動変速装置など、有段の自動変速装置以外の変速装置にされるように構成されてもよい。この場合も、変速機構TMに備えられた係合装置が、第二係合装置CL2に設定される、或いは変速機構TMとは別に設けられた係合装置が第二係合装置CL2に設定されてもよい。
(4)上記の実施形態において、制御装置30は、複数の制御ユニット32〜34を備え、これら複数の制御ユニット32〜34が分担して複数の機能部41〜46を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、制御装置30は、上述した複数の制御ユニット32〜34を任意の組み合わせで統合又は分離した制御装置として備えるようにしてもよく、複数の機能部41〜46の分担も任意に設定することができる。
(5)上記の実施形態において、制振制御部46は、第二係合装置CL2を滑り係合状態又は解放状態に制御して変速制御が実行されている間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出を実行するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。
すなわち、制振制御部46は、回転電機MGと出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路2に設けられた第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態である間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出を実行するように構成されていればよい。例えば、エンジンEの始動制御など、変速制御以外の制御により、第二係合装置CL2が滑り係合状態又は解放状態に制御されている間に、制振トルク指令Tpによる回転電機MGの出力トルクTmの補正を中断すると共に出力側演算部47による遅延器換算値Yzo1〜Yzonの算出を実行するように構成されていてもよい。
本発明は、回転電機と車輪に駆動連結された出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、係合装置を備えた変速機構、又は係合装置及び変速機構が設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置に好適に利用することができる。
ωm :回転電機の回転速度
αm :回転電機の回転加速度
αmf :第一フィルタ値
ωo :出力軸の回転速度
αo :出力軸の回転加速度
αof :第二フィルタ値
αofm :第二フィルタ換算値
ωa :動力伝達経路の共振周波数
1 :車両用駆動装置
2 :動力伝達経路
30 :制御装置
31 :エンジン制御装置
32 :回転電機制御ユニット
33 :動力伝達制御ユニット
34 :車両制御ユニット
41 :エンジン制御部
42 :回転電機制御部
43 :変速機構制御部
44 :第一係合装置制御部
45 :第二係合装置制御部
46 :制振制御部
47 :出力側演算部
51 :第一のフィルタ処理の微分演算処理
52 :第一のフィルタ処理の制御ゲインの乗算処理
57 :第一のフィルタ処理の符号反転処理
54 :第二のフィルタ処理の微分演算処理
AX :車軸
BPF1 :第一のフィルタ処理
BPF2 :第二のフィルタ処理
CL1 :第一係合装置
CL2 :第二係合装置(係合装置)
D1 :第一のフィルタ処理の遅延器
D2 :第二のフィルタ処理の遅延器
E :エンジン
Eo :エンジン出力軸
G1 :第一のフィルタ処理の係数倍器
G2 :第二のフィルタ処理の係数倍器
HPF :ハイパスフィルタ
LPF :ローパスフィルタ
I :入力軸
Jd :回転電機側の慣性モーメント
Je :エンジンの慣性モーメント
Jl :負荷(車両)の慣性モーメント
Jm :回転電機の慣性モーメント
K1 :BPF1の係数倍器の係数
K2 :BPF2の係数倍器の係数
Kr :変速比
L :負荷(車両)
M :中間軸
MG :回転電機
O :出力軸(出力部材)
PC :油圧制御装置
PM1 :第一のフィルタ処理の加算減算器
PM2 :第二のフィルタ処理の加算減算器
Se1 :入力回転速度センサ
Se2 :出力回転速度センサ
Se3 :エンジン回転速度センサ
TM :変速機構
Tm :回転電機の出力トルク
Tmo :回転電機要求トルク
Tp :制振トルク指令
W :車輪
Yzo :遅延器換算値

Claims (4)

  1. 回転電機と車輪に駆動連結された出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、係合装置を備えた変速機構、又は係合装置及び変速機構が設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、
    前記回転電機の回転速度に対して、微分演算処理及び第一のフィルタ処理を行って第一フィルタ値を算出し、当該第一フィルタ値に基づいて前記動力伝達経路の回転速度の振動成分を低減させるような制振トルク指令を算出して、前記回転電機の出力トルクを補正する制振制御を行う制振制御部を備え、
    前記制振制御部は、前記出力部材の回転速度に対して、微分演算処理及び第二のフィルタ処理を行い、当該第二のフィルタ処理が有する遅延器の値に対して前記変速機構の変速比を乗算して遅延器換算値を算出する出力側演算部を備え、
    前記係合装置が滑り係合状態又は解放状態である間に、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を中断すると共に前記出力側演算部による前記遅延器換算値の算出を実行し、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を再開するときに、前記出力側演算部により算出された前記遅延器換算値に基づいて、前記第一のフィルタ処理が有する遅延器の初期値を設定する中断再開処理を行う制御装置。
  2. 前記変速機構は前記係合装置を備えた有段変速機であり、前記制振制御部は、前記中断再開処理において、前記係合装置を滑り係合状態又は解放状態に制御して前記変速機構の変速比を変更する変速制御が実行されている間に、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を中断すると共に前記出力側演算部による前記遅延器換算値の算出を実行する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制振制御部は、前記変速制御が開始されたら、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を中断すると共に前記出力側演算部による前記遅延器換算値の算出を実行し、前記回転電機の回転速度が前記変速制御による変速比の変更後の回転速度に一致したと判定され、且つ前記係合装置の係合圧が前記回転電機側に伝達されるトルクを前記出力部材側に伝達可能な最小の係合圧より大きくなると、前記制振トルク指令による前記回転電機の出力トルクの補正を再開する請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記制振制御部は、前記第二のフィルタ処理が有する遅延器の値に対して、前記変速制御終了後の前記変速機構の変速比を乗算して前記遅延器換算値を算出する請求項2又は3に記載の制御装置。
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