JP2012067898A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力部材の回転速度の検出精度が低下する低い回転速度域でも、入出力間摩擦係合要素を係合させる場合に、トルクショックが生じることを抑制できる制御装置の実現。
【解決手段】少なくとも回転電機を有する駆動力源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、入力部材と出力部材とを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素と、を備えた車両用駆動装置の制御装置であって、入出力間摩擦係合要素を滑らせてトルクを伝達させつつ、車両を走行させるスリップ走行モードの実行中に、回転速度制御による回転電機の出力トルクの負方向への変化量が所定値以上となった際に完全係合条件が成立したと判定して、入出力間摩擦係合要素の係合圧を、滑りのない係合状態を維持できる係合圧である完全係合圧まで増加させる制御装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも回転電機を有する駆動力源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、係合状態に応じて前記入力部材と前記出力部材とを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素と、を備えた車両用駆動装置の制御をおこなうための制御装置に関する。
内燃機関及び回転電機を駆動力源として備えるハイブリッド車両用の駆動装置として、例えば、下記の特許文献1に記載された装置が既に知られている。このハイブリッド車両には、トルクコンバータのように駆動力源の回転速度を吸収する要素が備えられていない。このため、特許文献1に記載の技術では、駆動装置に備えられている摩擦係合要素を、車両の発進時や極低速走行時や内燃機関の始動時などにおいて滑り係合状態に制御して、駆動力源の回転速度を吸収させている。
また、特許文献1の技術は、内燃機関と回転電機とを選択的に駆動連結する第1の摩擦係合要素(第1締結要素)と、回転電機と車輪とを選択的に駆動連結する第2の摩擦係合要素(第2締結要素)と、各摩擦係合要素の温度に応じて、各摩擦係合要素のスリップ量(差回転速度)を制御するように構成されている。よって、第2の摩擦係合要素に加えて、第1の摩擦係合要素を滑り係合状態に制御する場合には、第1の摩擦係合要素のスリップ量の分、内燃機関の回転速度に対して回転電機の回転速度が低下されて、第2の摩擦係合要素のスリップ量が減少される。
このように、第2の摩擦係合要素に加えて、第1の摩擦係合要素も滑り係合状態にされる場合は、第1の摩擦係合要素が滑りのない直結係合状態にされる通常の場合に比べて、より低い車速(出力部材の回転速度)及び回転電機(入力部材)の回転速度で、第2の摩擦係合要素の差回転速度がゼロまで減少する。よって、通常よりも、低い出力部材及び入力部材の回転速度域で、第2の摩擦係合要素の係合圧を増加させて直結係合状態に制御する必要が生じる。
しかしながら、通常よりも低い出力部材の回転速度域では、センサによる出力部材の回転速度の検出精度が低下する。例えば、パルス信号を出力するタイプの回転速度センサが用いられている場合には、回転速度が低下するにつれてパルス間隔が長くなり、回転速度の検出精度が悪化する。従って、出力部材の回転速度の検出結果に基づいて、第2の摩擦係合要素の係合圧を増加させて直結係合状態に制御するように構成したのでは、実際に差回転速度がゼロになるタイミングに対して、差回転速度がゼロになったことを検出するタイミングに誤差が生じて、係合に伴うトルクショックが生じる恐れがある。
また、内燃機関が停止されるとともに第一の摩擦係合要素を解放状態に制御されている状態で、回転電機の回転速度が低い場合においても、通常よりも低い出力部材の回転速度域で、第2の摩擦係合要素の係合圧を増加させて直結係合状態に制御する必要が生じる。この場合も、上記のように、通常よりも低い回転速度域での出力部材の回転速度の検出結果に基づいて、第2の摩擦係合要素を直結係合状態に制御するように構成したのでは、係合に伴うトルクショックが生じる恐れがある。
特開2008−7094号公報
そこで、入力部材と出力部材とを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素を滑り係合状態としつつ車両を走行させる車両用駆動装置において、出力部材の回転速度の検出精度が低下する低回転速度域においても、入出力間摩擦係合要素の係合圧を増加させて直結係合状態に制御する場合に、トルクショックが生じることを抑制できる制御装置が求められる。
本発明に係る、少なくとも回転電機を有する駆動力源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、係合状態に応じて前記入力部材と前記出力部材とを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素と、を備えた車両用駆動装置の制御をおこなうための制御装置の特徴構成は、前記入力部材が回転している状態で、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を制御することにより、前記入出力間摩擦係合要素を滑らせて、前記入力部材側から前記出力部材側にトルクを伝達させつつ車両を走行させるスリップ走行モードを実行可能であり、前記スリップ走行モードの実行中に、前記回転電機の回転速度を目標回転速度に一致させるように制御する回転速度制御の実行を指令するとともに、当該回転速度制御による前記回転電機の出力トルクの負方向への変化量を検出し、前記変化量が所定値以上となった際に完全係合条件が成立したと判定して、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を、滑りのない係合状態を維持できる係合圧である完全係合圧まで増加させる点にある。
なお、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合要素、例えば摩擦クラッチや噛み合い式クラッチ等が含まれていてもよい。
上記の特徴構成によれば、回転速度の検出精度が低下する出力部材の低回転速度域においても、回転速度の検出結果に基づく方法以外の方法、すなわち、回転速度制御による回転電機の出力トルクの負方向への変化量に基づき、入出力間摩擦係合要素の完全係合条件を判定することができる。
車速の増加などにより、入出力間摩擦係合要素の差回転速度がゼロまで減少し、滑りのない直結係合状態になると、入力部材側の回転部材と、出力部材側の回転部材とが、一体的に回転するようになる。この状態になると、回転速度制御中の回転電機は、車速の増加を抑制するように出力トルクを減少させる。回転速度制御による回転電機の出力トルクの負方向への変化量に基づいて、このような現象を検出し、入出力間摩擦係合要素の差回転速度がゼロまで減少したか否か判定できる。
よって、回転速度の検出精度の悪化に影響されず、入出力間摩擦係合要素の係合圧を完全係合圧まで増加させるタイミングを判定することができる。従って、係合圧を増加させるタイミングが前後することにより生じるトルクショックの発生を抑制することができる。
ここで、前記駆動力源は、更に内燃機関を有し、前記車両用駆動装置は、係合状態に応じて前記内燃機関を前記入力部材に選択的に駆動連結する内燃機関分離摩擦係合要素を有し、少なくとも前記スリップ走行モードの実行中に、前記内燃機関が回転している状態で、前記内燃機関分離摩擦係合要素を滑らせて、前記内燃機関から前記入力部材にトルクを伝達しつつ車両を走行させる構成とすると好適である。
この構成では、内燃機関分離摩擦係合要素を滑らせて、内燃機関の回転速度に対して、回転電機(入力部材)の回転速度が低くなるので、通常よりも、検出精度が低下する出力部材の低回転速度域で、入出力間摩擦係合要素の差回転速度がゼロまで減少する。そして、当該回転速度域で、入出力間摩擦係合要素の係合圧を増加させて直結係合状態に制御する必要が生じる。よって、上記のように、回転速度制御による回転電機の出力トルクの負方向への変化量に基づいて、入出力間摩擦係合要素の完全係合条件を判定する構成を、より効果的に適用することができる。
ここで、前記回転速度制御における前記回転電機の回転速度が所定値以上である場合には、前記変化量が所定値以上となったことに代えて、前記入力部材の回転速度及び前記出力部材の回転速度に基づいて検出される前記入出力間摩擦係合要素の差回転速度が所定値以下となった際に前記完全係合条件が成立したと判定して、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を、前記完全係合圧まで増加させる構成とすると好適である。
この構成によれば、回転電機(入力部材)の回転速度が、検出精度が良好になるような所定値以上の回転速度である場合には、回転電機の出力トルクに基づく判定方法に代えて、回転速度に基づき、入出力間摩擦係合要素の完全係合条件を判定することができる。よって、回転電機(入力部材)の回転速度に応じて、適切な判定方法を選択することができる。
また、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を前記完全係合圧まで増加させる場合に、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を次第に増加させる係合圧スイープアップ制御を行った後、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を前記完全係合圧まで増加させる係合圧増加制御を行う構成とすると好適である。
この構成によれば、完全係合条件が成立したと判定されるタイミングが前後する誤差が生じたとしても、入出力間摩擦係合要素の係合圧が次第に増加されるので、例えば、入出力間摩擦係合要素の差回転速度が十分減少していない段階で、その伝達トルクが急増して、トルクショックが生じることを抑制することができる。
また、前記完全係合条件が成立したと判定した場合に、前記回転速度制御を終了し、前記回転電機の出力トルクを目標トルクに一致させるように制御するトルク制御の実行を指令する構成とすると好適である。
入出力間摩擦係合要素の差回転速度が減少して直結係合状態になった後も、回転速度制御が継続されると、回転電機が車速を一定にするようにトルクを出力するため、車両の加速度が変化し、運転者に違和感を生じさせる可能性がある。上記の構成によれば、完全係合条件が成立したと判定した場合に、回転速度制御からトルク制御に切り替えられるので、車両の加速度が変化することを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の処理を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る制御装置の処理を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る制御装置の処理を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る制御装置の処理を説明する図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の処理を示すフローチャートである。 本発明のその他の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態に係る車両用駆動装置及び制御装置の概略構成を示す模式図である。
〔第一の実施形態〕
本発明に係る制御装置30の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両用駆動装置1の概略構成を示す模式図である。この図に示すように、車両用駆動装置1を搭載した車両は、駆動力源として内燃機関であるエンジンEと回転電機MGを備えたハイブリッド車両とされている。この図において、実線は駆動力の伝達経路を示し、破線は作動油の供給経路を示し、一点鎖線は信号の伝達経路を示している。この図に示すように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、回転電機MG及びエンジンEを有する駆動力源に駆動連結される入力部材としての入力軸Iと、車輪Wに駆動連結される出力部材としての出力軸Oと、係合状態に応じて入力軸Iと出力軸Oとを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素CL1と、を備える。また、ハイブリッド車両は、車両用駆動装置1を制御するための制御装置30を備える。
本実施形態では、車両用駆動装置1は、変速段を形成するための複数の摩擦係合要素C1、B1・・・を有するとともに、当該複数の摩擦係合要素の係合状態に応じて複数の変速段が形成され、入力軸Iの回転速度を各変速段の変速比で変速して出力軸Oに伝達する変速機構TMを備えている。また、車両用駆動装置1は、入力軸IをエンジンEに選択的に駆動連結するエンジン分離クラッチCL2を備えている。また、車両用駆動装置1は、変速機構TM、並びに入出力間摩擦係合要素CL1やエンジン分離クラッチCL2等の各部に所定油圧の作動油を供給するための油圧制御装置PCを備えている。なお、エンジン分離クラッチCL2が、本願における「内燃機関分離摩擦係合要素」である。
このような構成において、本実施形態に係る制御装置30は、入力軸Iが回転している状態で、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を制御することにより、入出力間摩擦係合要素CL1を滑らせて、入力軸I側から出力軸O側にトルクを伝達させつつ車両を走行させるスリップ走行モードを実行可能である。本実施形態では、複数の摩擦係合要素C1、B1・・・の一つ(例えば、第一クラッチC1)が、スリップ走行モードで滑らされる入出力間摩擦係合要素CL1とされる。そして、制御装置30は、スリップ走行モードの実行中に、回転電機MGの回転速度を目標回転速度に一致させるように制御する回転速度制御の実行を指令するとともに、当該回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量を検出する。そして、制御装置30は、変化量が所定値以上となった際に完全係合条件が成立したと判定して、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を、滑りのない係合状態を維持できる係合圧である完全係合圧まで増加させる点に特徴を有している。以下、本実施形態に係る制御装置30について、詳細に説明する。
1.車両用駆動装置の構成
まず、本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動伝達系の構成について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両は、車両の駆動力源としてエンジンE及び回転電機MGを備え、これらのエンジンEと回転電機MGとが直列に駆動連結されるパラレル方式のハイブリッド車両となっている。ハイブリッド車両は、変速機構TMを備えており、当該変速機構TMにより、入力軸Iに伝達されたエンジンE及び回転電機MGの回転速度を変速すると共にトルクを変換して出力軸Oに伝達する。
エンジンEは、燃料の燃焼により駆動される内燃機関であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の各種エンジンを用いることができる。本例では、エンジンEのクランクシャフト等のエンジン出力軸Eoが、エンジン分離クラッチCL2を介して入力軸Iと選択的に駆動連結される。すなわち、車両用駆動装置1の入力軸Iは、摩擦係合要素であるエンジン分離クラッチCL2を介してエンジンEと選択的に駆動連結される。なお、エンジン出力軸Eoが、ダンパ等の他の部材を介してエンジン分離クラッチCL2の入力部材に駆動連結された構成としても好適である。
回転電機MGは、非回転部材に固定されたステータと、このステータの径方向内側に回転自在に支持されたロータと、を有している。この回転電機MGのロータは、入力軸Iと一体回転するように駆動連結されている。すなわち、本実施形態においては、入力軸IにエンジンE及び回転電機MGの双方が駆動連結される構成となっている。回転電機MGは、蓄電装置としてのバッテリ(不図示)に電気的に接続されている。そして、回転電機MGは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能と、を果たすことが可能とされている。すなわち、回転電機MGは、バッテリからの電力供給を受けて力行し、或いはエンジンEや車輪Wから伝達される回転駆動力により発電した電力をバッテリに蓄電する。なお、バッテリは蓄電装置の一例であり、キャパシタなどの他の蓄電装置を用い、或いは複数種類の蓄電装置を併用することも可能である。なお、以下では回転電機MGによる発電を回生と称し、発電中に回転電機MGが出力する負トルクを回生トルクと称する。回転電機の目標出力トルクが負トルクの場合には、回転電機MGは、エンジンEや車輪Wから伝達される回転駆動力により発電しつつ回生トルクを出力する状態となる。
駆動力源が駆動連結される入力軸Iには、変速機構TMが駆動連結されている。本実施形態では、変速機構TMは、変速比の異なる複数の変速段を有する有段の自動変速装置である。変速機構TMは、これら複数の変速段を形成するため、遊星歯車機構等の歯車機構と複数の摩擦係合要素B1、C1、・・・とを備えている。変速機構TMは、各変速段の変速比で、入力軸Iの回転速度を変速するとともにトルクを変換して、出力軸Oへ伝達する。変速機構TMから出力軸Oへ伝達されたトルクは、出力用差動歯車装置DFを介して左右二つの車輪Wに分配されて伝達される。ここで、変速比は、変速機構TMにおいて各変速段が形成された場合の、出力軸Oの回転速度に対する入力軸Iの回転速度の比であり、本願では入力軸Iの回転速度を出力軸Oの回転速度で除算した値である。すなわち、入力軸Iの回転速度を変速比で除算した回転速度が、出力軸Oの回転速度になる。また、入力軸Iから変速機構TMに伝達されるトルクに、変速比を乗算したトルクが、変速機構TMから出力軸Oに伝達されるトルクになる。
本例では、エンジン分離クラッチCL2、及び複数の摩擦係合要素B1、C1、・・・は、それぞれ摩擦材を有して構成されるクラッチやブレーキ等の係合要素である。これらの摩擦係合要素CL2、B1、C1、・・・は、供給される油圧を制御することによりその係合圧を制御して伝達トルク容量の増減を連続的に制御することが可能とされている。このような摩擦係合要素としては、例えば湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキ等が好適に用いられる。
摩擦係合要素は、その入出力部材間の摩擦により、入出力部材間でトルクを伝達する。摩擦係合要素の入出力部材間に回転速度差(滑り)がある場合は、回転速度の大きい方の部材から小さい方の部材に伝達トルク容量の大きさのトルクが伝達される。摩擦係合要素の入出力部材間に回転速度差(滑り)がない場合は、摩擦係合要素は、伝達トルク容量の大きさを上限として、摩擦係合要素の入出力部材に作用するトルクを伝達する。ここで、伝達トルク容量とは、摩擦係合要素が摩擦により伝達することができる最大のトルクの大きさである。伝達トルク容量の大きさは、摩擦係合要素の係合圧に比例して変化する。係合圧とは、入力側摩擦板と出力側摩擦板とを相互に押し付け合う圧力である。本実施形態では、係合圧は、供給されている油圧の大きさに比例して変化する。すなわち、本実施形態では、伝達トルク容量の大きさは、摩擦係合要素に供給されている油圧の大きさに比例して変化する。
各摩擦係合要素は、リターンばねを備えており、ばねの反力により解放側に付勢されている。そして、各摩擦係合要素に供給される油圧により生じる力がばねの反力を上回ると、各摩擦係合要素に伝達トルク容量が生じ始め、各摩擦係合要素は、解放状態から係合状態に変化する。この伝達トルク容量が生じ始めるときの油圧を、ストロークエンド圧と称す。各摩擦係合要素は、供給される油圧がストロークエンド圧を上回った後、油圧の増加に比例して、その伝達トルク容量が増加するように構成されている。
本実施形態において、係合状態とは、摩擦係合要素に伝達トルク容量が生じている状態であり、解放状態とは、摩擦係合要素に伝達トルク容量が生じていない状態である。また、滑り係合状態とは、摩擦係合要素の入出力部材間に滑りがある係合状態であり、直結係合状態とは、摩擦係合要素の入出力部材間に滑りがない係合状態である。
2.油圧制御系の構成
次に、車両用駆動装置1の油圧制御系について説明する。油圧制御系は、図示しないオイルパンに蓄えられた作動油を吸引し、車両用駆動装置1の各部に作動油を供給するための油圧源として、少なくとも機械式油圧ポンプMOPの油圧ポンプを備えている。機械式油圧ポンプMOPは、駆動力源からの回転駆動力が伝達される入力軸Iに駆動連結され、エンジンE及び回転電機MGの一方又は双方の回転駆動力により駆動される。
また、油圧制御系は、機械式油圧ポンプMOPなどから供給される作動油の油圧を所定圧に調整するための油圧制御装置PCを備えている。ここでは詳しい説明を省略するが、油圧制御装置PCは、油圧調整用のリニアソレノイド弁からの信号圧に基づき一又は二以上の調整弁の開度を調整することにより、当該調整弁からドレインする作動油の量を調整して作動油の油圧を一又は二以上の所定圧に調整する。所定圧に調整された作動油は、それぞれ必要とされるレベルの油圧で、変速機構TM、並びに入出力間摩擦係合要素CL1やエンジン分離クラッチCL2の各摩擦係合要素等に供給される。
3.制御装置の構成
次に、車両用駆動装置1の制御を行う制御装置30の構成について説明する。本実施形態では、図1、2に示すように、制御装置30は、回転電機MGの制御を行う回転電機制御ユニット32と、変速機構TM、並びに入出力間摩擦係合要素CL1及びエンジン分離クラッチCL2の制御を行う動力伝達制御ユニット33と、これらの制御装置を統合して車両用駆動装置1の制御を行う車両制御ユニット34と、を有している。また、制御装置30は、エンジンEの制御を行うエンジン制御ユニット31と、通信可能に接続されている。
制御装置30は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、各制御装置のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、図2に示すような制御装置30の各機能部42〜46が構成されている。また、各制御ユニット31〜34は、互いに通信を行うように構成されており、センサの検出情報及び制御パラメータ等の各種情報を共有するとともに協調制御を行い、各機能部41〜46の機能が実現される。
また、車両用駆動装置1は、センサSe1〜Se4を備えており、各センサから出力される電気信号は制御装置30に入力される。制御装置30は、入力された電気信号に基づき各センサの検出情報を算出する。エンジン回転速度センサSe1は、エンジン出力軸Eo(エンジンE)の回転速度を検出するためのセンサである。制御装置30は、エンジン回転速度センサSe1の入力信号に基づいてエンジンEの回転速度を検出する。入力軸回転速度センサSe2は、入力軸Iの回転速度を検出するためのセンサである。入力軸Iには回転電機MGのロータが一体的に駆動連結されているので、制御装置30は、入力軸回転速度センサSe2の入力信号に基づいて入力軸I及び回転電機MGの回転速度を検出する。出力軸回転速度センサSe3は、出力軸Oの回転速度を検出するためのセンサである。制御装置30は、出力軸回転速度センサSe3の入力信号に基づいて出力軸Oの回転速度を検出する。また、出力軸Oの回転速度は車速に比例するため、変速制御装置31は、出力軸回転速度センサSe3の入力信号に基づいて車速を算出する。また、アクセル開度検出センサSe4は、運転者により操作されるアクセルペダルAPの操作量を検出することによりアクセル開度を検出するためのセンサである。制御装置30は、アクセル開度検出センサSe4の入力信号に基づいてアクセル開度を検出する。
本実施形態では、出力軸回転速度センサSe3は、パルス信号を出力するタイプのセンサであり、回転速度に比例して、出力されるパルス信号の時間間隔であるパルス間隔が短くなる。従って、制御装置30は、パルス信号のパルス間隔に基づき、出力軸Oの回転速度を検出する。例えば、出力軸回転速度センサSe3は、電磁ピップアップの原理を応用したセンサであり、出力軸Oと一体的に回転するパークギヤやクラッチドラムのような、回転周方向に沿って所定距離で凹凸が変化するような凹凸面(歯)を持った磁性体に近づけて設置される。そして、出力軸Oの回転により、磁性体とセンサとの距離が変化すると、センサから出力されるハイ/ローの電圧レベルが変化して、パルス信号が出力される。よって、パルス信号を出力するタイプのセンサでは、回転速度が低下するとパルス間隔が長くなり、単位時間当たりのパルス数が減少する。このため、回転速度の変化に対する検出精度(分解能)が低下する。
3−1.エンジン制御ユニット
エンジン制御ユニット31は、エンジン制御部41を備えている。エンジン制御部41は、エンジンEの動作制御を行う機能部である。本実施形態では、エンジン制御部41は、車両制御ユニット34からエンジンEの目標出力トルクが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令された目標出力トルクをトルク指令値に設定し、エンジンEがトルク指令値のトルクを出力するように制御するトルク制御を行う。
3−2.回転電機制御ユニット
回転電気制御装置32は、回転電機制御部42を備えている。回転電機制御部42は、回転電機MGの動作制御を行う機能部である。本実施形態では、回転電機制御部42は、車両制御ユニット34から回転電機MGの目標出力トルクが指令されている場合は、回転電機目標出力トルクをトルク指令値に設定し、回転電機MGがトルク指令値のトルクを出力するように制御するトルク制御を行う。一方、回転電機制御部42は、車両制御ユニット34から回転電機MGの目標回転速度が指令されている場合は、回転電機MGの回転速度を目標回転速度に一致させる回転速度制御を行う。具体的には、回転電機制御部42は、回転電機MGの回転速度を目標回転速度に一致させるように、トルク指令値を増減するフィードバック制御を行う。回転電機MGの回転速度が目標回転速度より大きい場合は、トルク指令値を減少させ、回転速度が目標回転速度より小さい場合は、トルク指令値を増加させる。
回転電機MGは、基本的に正方向に回転するため、トルク制御及び回転速度制御において、トルク指令値が負に設定されている場合は、回転電機MGは発電を行う。すなわち、回転電機MGは正方向に回転しつつ負方向の回生トルクを出力して発電する。よって、エンジンE又は車輪Wから伝達される回転駆動力により回生発電を行う場合には、トルク指令値は負に設定される。なお、回転速度制御において回生発電を行う場合は、エンジンE又は車輪Wから伝達される正のトルクに抗して、回転速度を目標回転速度に一致させるフィードバック制御により自動的に、トルク指令値は負の値に設定される。また、回転電機制御部42は、トルク指令値、及び回転電機MGが実際に出力している実出力トルクなどの回転電機MGの出力トルクの情報を他の機能部に伝達するように構成されている。回転電機制御部42は、トルク指令値に基づき実出力トルクを算出するようにしてもよいし、回転電機MGに流れる電流等から実出力トルクを推定するようにしてもよい。
3−3.動力伝達制御ユニット
動力伝達制御ユニット33は、変速機構TM、並びに入出力間摩擦係合要素CL1及びエンジン分離クラッチCL2の制御を行う制御装置である。動力伝達制御ユニット33には、入力軸回転速度センサSe2、出力軸回転速度センサSe3等のセンサの検出情報が入力されている。動力伝達制御ユニット33は、変速機構制御部43、及びエンジン分離クラッチ制御部44を備えている。
3−3−1.変速機構制御部
変速機構制御部43は、変速機構TM並びに入出力間摩擦係合要素CL1を制御する機能部である。変速機構制御部43は、車速、アクセル開度、及びシフト位置などのセンサ検出情報に基づいて変速機構TMにおける目標変速段を決定する。そして、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCを介して変速機構TMに備えられた各摩擦係合要素C1、B1、・・・に供給される油圧を制御することにより、各摩擦係合要素を係合又は解放して目標とされた変速段を変速機構TMに形成させる。具体的には、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCに各摩擦係合要素B1、C1、・・・の目標油圧(指令圧)を指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を各摩擦係合要素に供給する。
変速機構制御部43は、通常の変速段の切り替え制御(変速制御)を行なう場合は、予め計画された変速制御のシーケンスに従い、各摩擦係合要素B1、C1、・・・の油圧指令を制御して、各摩擦係合要素の係合又は解放を行い、変速機構TMに形成させる変速段を目標変速段に切り替える。この際、係合又は解放される摩擦係合要素が一時的に滑り係合状態にされるが、予め計画された変速制御のシーケンスの期間内であり、スリップ制御の場合と比べ比較的短時間となる。
一方、変速機構制御部43は、スリップ走行モードである場合は、車両制御ユニット34からの指令に基づき、変速段を構成する摩擦係合要素の一つを入出力間摩擦係合要素CL1として、その入出力部材間に滑りがある滑り係合状態に制御するスリップ制御を行う。
3−3−2.エンジン分離クラッチ制御部
エンジン分離クラッチ制御部44は、エンジン分離クラッチCL2を制御する機能部である。ここで、エンジン分離クラッチ制御部44は、スリップ走行モードである場合は、車両制御ユニット34からの指令に基づき、油圧制御装置PCを介してエンジン分離クラッチCL2に供給される油圧を制御することにより、エンジン分離クラッチCL2の入出力部材間に滑りがある滑り係合状態に制御するスリップ制御を行う。
3−4.車両制御ユニット
車両制御ユニット34は、エンジンE、回転電機MG、変速機構TM、並びに入出力間摩擦係合要素CL1及びエンジン分離クラッチCL2等に対して行われる各種トルク制御、及び各摩擦係合要素の係合制御等を車両全体として統合する制御を行う制御装置である。車両制御ユニット34は、統合制御部45、スリップ制御部46を備えている。
3−4−1.統合制御部
統合制御部45は、アクセル開度及び車速、並びにバッテリの充電量等に応じて、入力軸I側から出力軸O側に伝達される目標駆動力である出力軸目標トルクを算出するとともに、エンジンE及び回転電機MGの運転モードを決定し、エンジンEの目標出力トルク、回転電機の目標出力トルク又は目標回転速度、入出力間摩擦係合要素CL1の目標伝達トルク容量、及びエンジン分離クラッチCL2の目標伝達トルク容量を算出し、それらを他の制御部41〜44に指令して統合制御を行う機能部である。
統合制御部45は、アクセル開度、車速、及びバッテリの充電量等に基づいて、各駆動力源の運転モードを決定する。ここで、バッテリの充電量は、バッテリ状態検出センサにより検出される。本実施形態では、運転モードとして、回転電機MGのみを駆動力源とする電動モードと、少なくともエンジンEを駆動力源とするパラレルモードと、エンジンEの回転駆動力により回転電機MGの回生発電を行うエンジン発電モードと、車輪から伝達される回転駆動力により回転電機MGの回生発電を行う回生発電モードと、回転電機MGの回転駆動力によりエンジンEを始動させるエンジン始動モードと、を有する。
ここで、エンジンEに燃焼を行わせて駆動力を発生させる運転モードは、パラレルモード、エンジン発電モード、及びエンジン始動モードとなる。よって、パラレルモード、エンジン発電モード、及びエンジン始動モードでは、エンジンEに安定的な燃焼を行わせるため、エンジンEの回転速度を所定の下限回転速度以上で運転させる。下限回転速度は、アイドリング回転速度、例えば、600rpmから1000rpmに設定される。
また、本実施形態では、機械式油圧ポンプMOPが入力軸Iに駆動連結されており、各摩擦係合要素に十分な油圧を供給するためには、入力軸I(回転電機MG)を所定の回転速度以上で回転させる必要がある。従って、エンジンEに燃焼を行わせない電動モードでも、回転電機MG(入力軸I)の回転速度を機械式油圧ポンプMOPの油圧生成のために必要な所定の油圧生成回転速度(例えば、300rpm)以上で運転させる。
よって、本実施形態では、パラレルモード、エンジン発電モード、エンジン始動モード、並びに電動モードが、後述するスリップ制御部46において実行されるスリップ走行モードに関連している。すなわち、エンジンEの回転速度を所定の下限回転速度以上、又は回転電機MGの回転速度を所定の油圧生成回転速度以上で運転させるために、スリップ走行モードを実行して少なくとも入出力間摩擦係合要素CL1を滑らせる。
また、統合制御部45は、基本的には、エンジン発電モードでは、回転電機MGの目標出力トルクを必要とされる発電量が確保できる負トルクに設定するとともに、回転電機MGの当該負トルクとエンジンEの目標出力トルクとを合計したトルクが、出力軸目標トルクに一致するように、エンジンEの目標出力トルクを設定する。
3−4−2.スリップ制御部
スリップ制御部46は、入力軸Iが回転している状態で、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を制御することにより、少なくとも入出力間摩擦係合要素CL1を滑らせて、入力軸I側から出力軸O側にトルクを伝達させつつ車両を走行させるスリップ走行モードを実行する機能部である。
そして、スリップ制御部46は、スリップ走行モードの実行中に、回転電機MGの回転速度を目標回転速度に一致させるように制御する回転速度制御の実行を指令するとともに、当該回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量を検出する。そして、スリップ制御部4は、負方向への変化量が所定値以上となった際に完全係合条件が成立したと判定して、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を、滑りのない係合状態を維持できる係合圧である完全係合圧まで増加させる。
また、スリップ制御部46は、回転電機MGの回転速度制御の実行中における回転電機MGの回転速度が所定の切替判定値以上である場合には、負方向への変化量が所定値以上となったことに代えて、入力軸Iの回転速度及び出力軸Oの回転速度に基づいて検出される入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度が所定値以下となった際に完全係合条件が成立したと判定して、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を、完全係合圧まで増加させる。
なお、完全係合圧は、駆動力源から入力軸Iに伝達されるトルクが変動しても、滑りのない係合状態を維持できる係合圧である。本実施形態では、完全係合圧は、エンジンE及び回転電機MGの駆動力源から出力されるトルクが最大の出力トルクとなっても摩擦係合要素に滑りを生じない係合圧(指令圧)に設定される。
以下で、スリップ制御部46によって実行されるスリップ走行モードの処理について、図3〜図5に示すタイムチャートの例、及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。
3−4−2−1.スリップ走行モードの決定
スリップ制御部46は、出力軸Oの回転速度(車速)、及び変速機構TMの目標変速段に基づき、スリップ走行モード、及び直結走行モードのいずれかの走行モードを決定する(図7のステップ#01)。すなわち、スリップ制御部46は、各摩擦係合要素を直結係合状態にした場合に、エンジンEの回転速度又は回転電機MGの回転速度が、所定の判定回転速度より小さくなると判断される場合は、スリップ走行モードに決定し、所定の判定回転速度以上になると判断される場合は、直結走行モードに決定する。
ここで、スリップ走行モードは、少なくとも入出力間摩擦係合要素CL1を滑らせた係合状態(滑り係合状態)で、入力軸I側から出力軸O側にトルクを伝達しつつ車両を走行させる走行モードであり、直結走行モードは、変速段を構成する各摩擦係合要素、並びに少なくとも入出力間摩擦係合要素CL1を滑りのない係合状態(直結係合状態)で、入力軸I側から出力軸O側にトルクを伝達しつつ車両を走行させる通常の走行モードである。
本実施形態では、スリップ制御部46は、実際に検出した出力軸Oの回転速度に、目標変速段の変速比を乗算した回転速度を、変速段を構成する各摩擦係合要素、並びに入出力間摩擦係合要素CL1を直結係合状態にしたと仮定した状態における入力軸Iの回転速度である直結入力回転速度として算出する。
そして、スリップ制御部46は、直結入力回転速度が判定回転速度より小さくなる場合は、スリップ走行モードに決定し、直結入力回転速度が判定回転速度以上になる場合は、直結走行モードに決定する。
少なくとも出力軸Oの回転速度(車速)がゼロ付近である場合は、出力軸Oの回転速度に目標変速段の変速比を乗算して算出される直結入力回転速度がゼロ付近になり、直結入力回転速度が判定回転速度より小さくなる。従って、出力軸Oの回転速度(車速)がゼロ付近となる極低車速において、直結入力回転速度が判定回転速度より小さくなり、スリップ走行モードが選択される場合が生じる。
また、本実施形態では、スリップ制御部46は、運転モードに応じて、判定回転速度を切り替える。すなわち、スリップ制御部46は、駆動力源の運転モードが、エンジンEに燃焼を行わせて駆動力を発生させる各運転モード、すなわち、パラレルモード、エンジン始動モード、又はエンジン発電モードである場合には、判定回転速度として第一判定回転速度を用いる。また、スリップ制御部46は、駆動力源の運転モードが電動モードである場合には、判定回転速度として第二判定回転速度を用いる。なお、スリップ制御部46は、駆動力源の運転モードが回生発電モードである場合には、直結走行モードに決定する。
ここで、第一判定回転速度は、エンジンEの安定的な燃焼のために必要な下限回転速度以上の回転速度に設定される。また、第二判定回転速度は、機械式油圧ポンプMOPの油圧生成のために必要な油圧生成回転速度以上の回転速度に設定される。
図3〜図5に示す例では、エンジン発電モード(図3及び図4)又は電動モード(図5)で停車している状態において、ブレーキがオフになるとともにアクセル開度が増加して出力軸目標トルクがゼロから増加した場合(図3の時刻t11、図4の時刻t21)に、スリップ制御部46は、車両を走行させると判定して、スリップ走行モード及び直結走行モードのいずれかの走行モードを決定する。図3〜図5に示す例では、車速がゼロであり、直結入力回転速度が判定回転速度より小さくなるので、スリップ制御部46は、スリップ走行モードに決定する。
なお、図3及び図4に示す例では、時刻t11、時刻t21までは、エンジン分離クラッチCL2は、その係合圧(指令圧)が完全係合圧にされ、直結係合状態となっており、エンジンE及び回転電機MG(入力軸I)は下限回転速度以上で回転している。また、図5に示す例では、エンジン分離クラッチCL2は、解放状態にされ、エンジンEの回転速度はゼロとなっており、回転電機MGは油圧生成回転速度以上で回転している。
3−4−2−2.スリップ制御
スリップ制御部46は、スリップ走行モードに決定されている場合に、少なくとも入出力間摩擦係合要素CL1を、その入出力部材間に滑りがある滑り係合状態に制御するスリップ制御を行う。
3−4−2−2−1.入出力間スリップ制御の開始
スリップ制御部46は、スリップ走行モードに決定された場合(図7のステップ#01:Yes)に、入出力間摩擦係合要素CL1を介して、入力軸Iから出力軸O側に伝達されるトルクである入出力間伝達トルクが出力軸目標トルクとなるように、入出力間摩擦係合要素CL1を滑り係合状態に制御する入出力間スリップ制御を開始する(図7のステップ#02)。本実施形態では、スリップ制御部46は、出力軸目標トルクに基づいて、入出力間摩擦係合要素CL1の目標伝達トルク容量を算出する。ここで、入出力間摩擦係合要素CL1の入力部材が、入力軸Iと同じ回転速度で回転する摩擦係合要素とされる場合には、出力軸目標トルクが目標伝達トルク容量に設定される。一方、入出力間摩擦係合要素CL1の入力部材が、ギヤなどが介在することにより、入力軸Iと同じ回転速度で回転しない摩擦係合要素である場合には、出力軸目標トルクと各ギヤ比とに基づいて、出力軸目標トルクから入出力間摩擦係合要素CL1の入力部材に作用するトルクを算出して、当該作用トルクを入出力間摩擦係合要素CL1の目標伝達トルク容量に設定する。そして、スリップ制御部46は、動力伝達制御ユニット33に指令して、入出力間摩擦係合要素CL1の伝達トルク容量を目標伝達トルク容量に制御する。本実施形態では、スリップ制御部46は、スリップ走行モードに決定された場合に、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を、予備係合圧に設定した後、目標伝達トルク容量に対応する係合圧(指令圧)まで増加させる。ここで、予備係合圧は、ストロークエンド圧より所定圧だけ小さい圧に設定される。また、ストロークエンド圧は、摩擦係合要素に伝達トルク容量を発生させる直前の係合圧である。
3−4−2−2−2.回転電機の回転速度制御の開始
スリップ制御部46は、スリップ走行モードに決定された場合に、回転電機MGの回転速度を目標回転速度に一致させるように制御する回転速度制御の実行開始を指令する(図7のステップ#03)。本実施形態では、スリップ制御部46は、回転電機制御部42に、回転電機MGの回転速度制御の実行を指令するとともに、回転速度制御における目標回転速度を指令する。スリップ制御部46は、回転電機MGの目標回転速度を、駆動力源の運転モードがパラレルモード、エンジン始動モード、又はエンジン発電モードである場合には、下限回転速度以上の所定の回転速度に設定し、電動モードである場合には、油圧生成回転速度以上の所定の回転速度に設定する。
図3〜図5に示す例では、スリップ走行モードに決定された場合(時刻t11、時刻21、時刻31)に、既に回転電機MGの回転速度制御が実行されているが、この時点からスリップ制御部46による、回転電機MGの回転速度制御の実行を開始している。
3−4−2−2−3.エンジン分離クラッチのスリップ判定
スリップ制御部46は、エンジン分離クラッチCL2が直結係合状態であって、入出力間摩擦係合要素CL1の摩擦熱が所定値以上になる場合に、当該摩擦熱を低下させるために、エンジン分離クラッチCL2を滑り係合状態に制御する分離スリップ条件が成立したと判定する(図7のステップ#04:Yes)。一方、スリップ制御部46は、入出力間摩擦係合要素CL1の摩擦熱が所定値より小さくなる場合には、エンジン分離クラッチCL2を直結係合状態に維持すると判定し、分離スリップ条件が不成立であると判定する(図7のステップ#04:No)。なお、スリップ制御部46は、電動モードの場合は、エンジン分離クラッチCL2が解放状態にされるため、分離スリップ条件が不成立であると判定する(図7のステップ#04:No)。
摩擦係合要素の摩擦熱は、その伝達トルク容量と差回転速度とを乗算した値に比例する。摩擦係合要素の摩擦熱が、その冷却性能又は耐熱性能を継続して上回ると、摩擦板同士が固着するなどして摩擦係合要素が故障する恐れが生じる。
本実施形態では、スリップ制御部46は、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度と伝達トルク容量とを乗算した値が、所定の分離スリップ判定値以上になる場合に、分離スリップ条件が成立したと判定する。具体的には、スリップ制御部46は、入力軸Iの回転速度から直結入力回転速度を減算した差回転速度である入出力間差回転速度と、出力軸目標トルクとを乗算した値を入出力間摩擦熱として算出する。そして、スリップ制御部46は、入出力間摩擦熱が分離スリップ判定値以上である場合に、分離スリップ条件が成立したと判定する。ここで、直結入力回転速度は、上記したように、出力軸Oの回転速度に、目標変速段の変速比を乗算した回転速度であり、変速段を構成する各摩擦係合要素、並びに入出力間摩擦係合要素CL1を直結係合状態にしたと仮定した状態における入力軸Iの回転速度である。
図3、図4に示す例では、車速がゼロであり、入力軸Iの回転速度が高い状態のため入出力間差回転速度が大きく、出力軸目標トルクが比較的大きいため、入出力間摩擦熱が分離スリップ判定値以上になり、分離スリップ条件が成立したと判定されている(時刻t11、時刻21)。なお、図5に示す例では、エンジン分離クラッチCL2が解放状態にされているため、分離スリップ条件が不成立であると判定されている(時刻t31)。
3−4−2−2−4.分離スリップ制御の開始
スリップ制御部46は、分離スリップ条件が成立したと判定した場合(図7のステップ#04:Yes)に、エンジン分離クラッチCL2を滑り係合状態に制御する分離スリップ制御を開始する(図7のステップ#05)。分離スリップ制御により、エンジンEの回転速度を下限回転速度以上に維持しつつ入力軸Iの回転速度を低下させる。これにより、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度を減少させて入出力間摩擦熱を低下させる。一方、入力軸Iの回転速度の低下分だけ、エンジン分離クラッチCL2の差回転速度が増加し、その摩擦熱が増加する。従って、分離スリップ制御により、入出力間摩擦係合要素CL1の摩擦熱を、エンジン分離クラッチCL2に分散させて低下させることができる。
スリップ制御部46は、分離スリップ制御を開始した後、エンジン分離クラッチCL2が直結係合状態から滑り係合状態になるように、その伝達トルク容量を減少させる。すなわち、スリップ制御部46は、エンジンEの出力トルクよりも、エンジン分離クラッチCL2の伝達トルク容量を下回らせる。本実施形態では、スリップ制御部46は、エンジン分離クラッチCL2の係合圧(指令圧)を、エンジン分離クラッチCL2の差回転速度が生じるまで減少させる。より具体的には、スリップ制御部46は、分離スリップ条件が成立したと判定した場合に、エンジン分離クラッチCL2の係合圧(指令圧)を、完全係合圧から次第に減少させていく。そして、スリップ制御部46は、エンジンEの回転速度から入力軸Iの回転速度を減算した差回転速度W2が、所定の判定値以上になった場合に、エンジン分離クラッチCL2が滑り係合状態(分離スリップ状態)になったと判定して、係合圧(指令圧)の減少を終了する。
図3及び図4に示す例では、スリップ制御部46は、分離スリップ条件が成立したと判定した場合(時刻t11、時刻21)に、エンジン分離クラッチCL2の係合圧(指令圧)を、完全係合圧から所定値だけステップ的に減少させた後、次第に減少させている。そして、エンジン分離クラッチCL2の伝達トルク容量が、エンジンEの出力トルクより小さくなった場合(時刻t12、時刻t22)に、エンジン分離クラッチCL2が直結係合状態から滑り係合状態になり、その差回転速度がゼロから増加し始める。そして、スリップ制御部46は、差回転速度W2が所定値判定値以上になった場合(時刻t13、時刻23)に、エンジン分離クラッチCL2が滑り係合状態(分離スリップ状態)になったと判定して、係合圧(指令圧)の減少を終了する。
3−4−2−2−5.回転電機の目標回転速度の低下
スリップ制御部46は、エンジン分離クラッチCL2を滑り係合状態(分離スリップ状態)にした場合の入出力間摩擦熱が、目標入出力間摩擦熱以下まで低下するように、回転電機MGの目標回転速度を低下させる(図7のステップ#06)。すなわち、スリップ制御部46は、回転電機MGの目標回転速度から直結入力回転速度を減算した入出力間差回転速度と、出力軸目標トルクとを乗算した入出力間摩擦熱が、目標入出力間摩擦熱に一致するような、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度を算出する。よって、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度は、出力軸目標トルクに比例して減少されるように算出される。図3に示す例では、出力軸目標トルクが大きいため、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度は、後述する切替判定値以下まで低下されており、低下量が大きくなっている。一方、図4に示す例では、出力軸目標トルクが小さいため、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度は、切替判定値より大きい回転速度に留まっており、低下量は小さくなっている。
また、スリップ制御部46は、必要される発電量に応じて、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度を補正する。例えば、必要とされる発電量が大きい場合は、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度が増加され、切替判定値より大きくなる場合がある。
本実施形態では、スリップ制御部46は、分離スリップ条件が成立したと判定した場合に、分離スリップ状態における回転電機MGの目標回転速度を算出する。そして、スリップ制御部46は、分離スリップ状態になったと判定した場合に、回転電機MGの目標回転速度を、分離スリップ状態の目標回転速度まで低下させる。図3及び図4に示す例では、スリップ制御部46は、分離スリップ状態になったと判定した場合(時刻t13、時刻t23)に、回転電機MGの目標回転速度を、分離スリップ状態における目標回転速度まで低下させている。
3−4−2−2−6.入出力間摩擦係合要素の係合圧の増加
スリップ制御部46は、回転電機MGの目標回転速度を低下させた後、又は低下と同時に、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を、予備係合圧から目標伝達トルク容量に対応する係合圧(指令圧)まで増加させる増加制御を開始する(図7のステップ#07)。一方、スリップ制御部46は、分離スリップ条件が不成立であると判定した場合(図7のステップ#04:No)は、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を予備係合圧に設定してから所定時間経過した後に、目標伝達トルク容量に対応する係合圧(指令圧)まで増加させる(図7のステップ#07)。この係合圧の増加により、入出力間摩擦係合要素CL1を介して、入力軸Iから出力軸O側に伝達される入出力間伝達トルクが出力軸目標トルクまで増加する。
図3、図4に示す例では、スリップ制御部46は、回転電機MGの目標回転速度を低下させ(時刻t13、時刻t23)、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を、予備係合圧から目標伝達トルク容量に対応する係合圧(指令圧)まで次第に増加させている。また、図5に示す例では、スリップ制御部46は、予備係合圧に設定してから所定時間経過した場合(時刻t32)に、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を、予備係合圧から目標伝達トルク容量に対応する係合圧(指令圧)まで次第に増加させている。
3−4−2−2−7.エンジン分離クラッチの係合圧の増加
スリップ制御部46は、入出力間伝達トルクの増加を開始した後、又は開始と同時に、エンジン分離クラッチCL2の目標伝達トルク容量を、入出力間伝達トルクの増加分だけ増加させる増加制御を開始する(図7のステップ#08)。また、スリップ制御部46は、エンジンEの目標出力トルクを、入出力間伝達トルクの増加分だけ増加させる。
図3から図5に示す例では、スリップ制御部46は、入出力間伝達トルクの増加に同期させて、エンジン分離クラッチCL2の係合圧(指令圧)を、入出力間伝達トルクの増加分に対応するように、次第に増加させている(時刻t13からt14、時刻t23からt24、時刻t32からt33)。
3−4−2−2−8.完全係合条件の判定方法の切替
スリップ制御部46は、入出力間摩擦係合要素CL1のスリップ制御中に、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度が減少して直結係合状態になる、又は直結係合状態になったと判定した場合に、完全係合条件が成立したと判定する。本実施形態では、回転速度制御における回転電機MGの回転速度が所定の切替判定値以上である場合と、切替判定値より小さい場合とで、完全係合条件の判定方法を切り替える。
すなわち、スリップ制御部46は、回転電機MGの回転速度が切替判定値より小さい場合(図7のステップ#09:Yes)は、出力軸Oの回転速度の検出精度が悪くなるため、出力軸Oの回転速度に基づく方法以外の方法、すなわち、回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量に基づき、完全係合条件の成立を判定する。すなわち、回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量が所定の係合判定値以上となった場合(図7のステップ#10:Yes)に、完全係合条件が成立したと判定する(図7のステップ#12)。一方、スリップ制御部46は、回転電機MGの回転速度が切替判定値以上である場合(図7のステップ#09:No)は、出力軸Oの回転速度の検出精度が許容できるほど良好になるため、入力軸Iの回転速度及び出力軸Oの回転速度に基づき、完全係合条件の成立を判定する。すなわち、入力軸Iの回転速度及び出力軸Oの回転速度に基づき検出される入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度が所定値以下となった場合(図7のステップ#11:Yes)に、完全係合条件が成立したと判定する(図7のステップ#12)。なお、切替判定値と比較される回転電機MGの回転速度は、回転電機MGの目標回転速度であっても、実際の回転速度であってもよい。
上記のように、出力軸回転速度センサSe3は、パルス信号を出力するタイプのセンサであり、出力軸Oの回転速度が低下するにつれてパルス間隔が長くなり、出力軸Oの回転速度の検出精度(分解能)が悪化する。分離スリップ制御により入力軸I(回転電機MG)の回転速度が低下された場合は、通常よりも低い出力軸Oの回転速度域で、入出力間摩擦係合要素CL1が直結係合状態にされる。また、スリップ走行モードが実行される低車速では、変速比の大きい変速段が形成されるため、上記直結係合時の出力軸Oの回転速度域は非常に低くなる。よって、図6の例に示すように、ケース1のように入力軸Iの回転速度が切替判定値より低い回転速度域(例えば、時間間隔ΔT3に対応する回転速度域)では、出力軸Oの回転速度に変速比を乗算した直結入力回転速度が入力軸Iの回転速度に一致して、入出力間摩擦係合要素CL1が直結係合状態になるときの、出力軸回転速度センサSe3の単位時間当たりのパルス数が少なくなり、出力軸Oの回転速度の検出精度が悪化する。また、出力軸回転速度センサSe3の単位時間当たりのパルス数が少なくなると、磁性体の凹凸面の加工バラツキによる、出力軸Oの回転速度検出誤差の影響を受け易くなり、出力軸Oの回転速度の検出精度が悪化する。
一方、ケース2のように入力軸Iの回転速度が切替判定値以上の回転速度域(例えば時間間隔ΔT4に対応する回転速度域)では、入出力間摩擦係合要素CL1が直結係合状態になるときの、出力軸回転速度センサSe3の単位時間当たりのパルス数が多くなり、出力軸Oの回転速度の検出精度が許容できるほど良好になる。
このため、入力軸Iの回転速度が切替判定値より小さい場合に、本実施形態とは異なり、出力軸Oの回転速度に基づいて完全係合条件の成立を判定するように構成したのでは、判定精度が悪化する。完全係合条件の成立の判定精度が悪化すると、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度が大きい状態で、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧が完全係合圧まで増加されて伝達トルクの増加によるトルクショックが発生したり、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度がなくなり直結係合状態になっても、回転電機MGの回転速度制御からトルク制御に切り替えられず、回転速度制御が継続されることにより車両の加速度が変化して運転者に違和感を生じさせたりする。従って、本実施形態では、入力軸Iの回転速度が切替判定値より小さい場合には、回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量に基づいて完全係合条件の成立を判定するように構成している。従って、本実施形態によれば、出力軸Oの回転速度の検出精度の悪化に伴う、各トルクショックの発生を抑制することができる。
なお、切替判定値は、パルス信号における一回転当たりのパルス数などの仕様、及び変速機構TMの変速比などに応じて、出力軸Oの検出精度の悪化に伴い発生するトルクショックが許容できるレベル内に収まるように設定される。また、切替判定値は、スリップ走行モードの実行中に形成される変速段に応じて変更されるようにしてもよい。この場合、変速段の変速比が低くなるに従い、切替判定値が高く設定されると好適である。
図3及び図5に示す例は、回転電機MGの目標回転速度が切替判定値より小さい場合であるので、スリップ制御部46は、回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量に基づき、完全係合条件の成立を判定する。一方、図4に示す例は、回転電機MGの目標回転速度が切替判定値以上である場合であるので、スリップ制御部46は、入力軸Iの回転速度及び出力軸Oの回転速度に基づき、完全係合条件の成立を判定する。
3−4−2−2−9.回転電機の出力トルクに基づく完全係合条件の判定
スリップ制御部46は、上記のように、入力軸Iの回転速度が切替判定値より小さい場合には、回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの負方向への変化量に基づいて完全係合条件の成立を判定する。
本実施形態では、スリップ制御部46は、回転速度制御中の回転電機MGのトルク指令値における基準指令値からの負方向の変化量が所定の係合判定値以上になった場合(図7のステップ#10:Yes)に、完全係合条件が成立したと判定する(図7のステップ#12)。スリップ制御部46は、基準指令値を、回転電機MGのトルク指令値に対して移動平均処理又は一次遅れフィルタ処理などのローパスフィルタ処理を行った値に設定する。もしくは、スリップ制御部46は、基準指令値を、仮に、回転電機MGのトルク制御を行うようにした場合に、設定されるトルク指令値に設定するようにしてもよい。また、トルク指令値に代えて、回転電機MGの実際の出力トルクが用いられるようにしてもよい。
入出力間伝達トルクにより車速が増加するなどして、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度がゼロまで減少して直結係合状態になった場合(図3の時刻t15、図5の時刻t34)に、入出力間摩擦係合要素CL1における、入力軸I側の回転部材と、出力軸O側の回転部材とが、一体的に回転するようになる。よって、駆動力源側から入力軸Iに伝達されているトルク、すなわち、エンジン分離クラッチCL2の伝達トルクと回転電機MGの出力トルクとを合計したトルクが、入力軸Iの回転速度と出力軸Oの回転速度とを、一体的に増加させるように作用する。一方、回転電機MGの回転速度制御により、回転電機MG(入力軸I)の回転速度が目標回転速度から増加しないように、回転電機MGの出力トルクが減少される。すなわち、車速(入力軸I及び出力軸Oの回転速度)の増加がゼロになるように、回転電機MGの出力トルクが減少される。理論的には、回転電機MGの出力トルクは、駆動力源側から入力軸Iに伝達されているトルクから、車両の走行抵抗などにより車輪Wから入力軸I側に伝達されている走行抵抗トルクの大きさを減算した理論トルク分だけ減少される。このように、車速の増加がゼロになるまで、回転電機MGの出力トルクが減少されると、車両の加速度が変化して運転者に違和感を生じさせる恐れがある。
本実施形態では、回転電機MGの回転速度制御は、フィードバック制御であり、回転電機MGのトルク指令値は、ステップ的には理論トルク分だけ減少されず、ある程度の遅れをもって理論トルク分だけ減少されていくように構成されている。よって、図3及び図5に示す例では、係合判定値は理論トルク分より小さく設定されており、回転電機MGの出力トルクが、理論トルク分だけ減少されるより前に、完全係合条件が成立したと判定される(図3の時刻t16、図5の時刻t35)。また後述するように、完全係合条件が成立した場合に、回転電機MGの回転速度制御は終了され、トルク制御に切り替えられる。よって、回転速度制御による回転電機MGの出力トルクの減少が途中で終了し、トルク制御により、回転電機MGの出力トルクが増加される(図3の時刻t16、図5の時刻t35)。また、係合判定値は、車輪Wに伝達されるトルクの変化が許容範囲内に収まるように、回転電機MGの出力トルクの減少が大きくならないように設定されるので、トルクショックの発生を抑制することができる。
なお、直結係合状態になったときの回転電機MGの回転速度制御による出力トルクの減少速度が大きくならないように、完全係合条件の判定中は、回転電機MGの回転速度制御におけるフィードバック制御のゲインを減少させるようにしてもよい。もしくは、入力軸I及び出力軸Oの回転速度に基づき、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度が所定値以下まで、ある程度減少した場合に、フィードバック制御のゲインを減少させるようにしてもよい。
なお、図3及び図5に示す例では、入出力間摩擦係合要素CL1及びエンジン分離クラッチCL2の係合圧を増加させた後(時刻t14以降、時刻t33以降)に、回転電機MGの出力トルクに基づく完全係合条件の判定を開始している。
3−4−2−2−10.回転速度に基づく完全係合条件の判定
スリップ制御部46は、上記のように、入力軸Iの回転速度が切替判定値以上の場合には、入力軸Iの回転速度及び出力軸Oの回転速度に基づき、完全係合条件の成立を判定する。
本実施形態では、スリップ制御部46は、入力軸Iの回転速度、出力軸Oの回転速度、及び変速段の変速比に基づき、入出力間摩擦係合要素CL1の差回転速度が所定値以下となった場合(図7のステップ#11:Yes)に、完全係合条件が成立したと判定する(図7のステップ#12)。図4に示す例では、入力軸Iの回転速度と、出力軸Oの回転速度に変速段の変速比を乗算した直結入力回転速度との差回転速度W1が、判定差回転速度以下になった場合(時刻t25)に、完全係合条件が成立したと判定している。また、後述するように、完全係合条件が成立した場合に、回転電機MGの回転速度制御が終了され、トルク制御に切り替えられる(時刻t25)。よって、直結係合状態になる前に、回転電機MGの回転速度制御が終了するので、上記のように、回転電機MGの出力トルクの減少によるトルクショックの発生が抑制される。また、判定差回転速度は、完全係合条件が成立したと判定された場合に、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧が完全係合圧まで増加されても、係合に伴うトルクショックの発生が抑制されるような値に設定される。
3−4−2−2−11.回転速度からトルク制御への切り替え
スリップ制御部46は、完全係合条件が成立したと判定した場合(図7のステップ#12)に、回転電機MGの回転速度制御を終了し、回転電機MGの出力トルクを目標トルクに一致させるように制御するトルク制御の実行を指令する(図7のステップ#13)。
本実施形態では、スリップ制御部46は、完全係合条件が成立したと判定した場合に、回転電機制御ユニット32に、目標回転速度に代えて、トルク指令値を伝達する。回転電機MGのトルク指令値は、駆動力源側から入力軸Iに伝達されているトルクが出力軸目標トルクに一致するように設定される。図3及び図4に示す例では、回転電機MGのトルク指令値は、エンジン分離クラッチCL2の伝達トルクと回転電機MGのトルク指令値とを合計したトルクが出力軸目標トルクに一致するように設定される(時刻t16、時刻t25)。図5に示す例では、回転電機MGのトルク指令値は、出力軸目標トルクに一致するように設定される(時刻t35)。なお、滑り係合状態においても、回転電機MGの回転速度制御により自動的に、回転電機MGの出力トルクは、駆動力源側から入力軸Iに伝達されているトルクが出力軸目標トルクに一致するように設定されるので、回転速度制御からトルク制御への切替前後で大きなトルク段差が生じない。
3−4−2−2−12.完全係合圧までの増加
スリップ制御部46は、完全係合条件が成立したと判定した場合(図7のステップ#12)に、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を、駆動力源から入力軸Iに伝達されるトルクが変動しても滑りのない係合状態を維持できる係合圧である完全係合圧まで増加させる(図7のステップ#14)。
本実施形態では、スリップ制御部46は、完全係合条件が成立したと判定した場合に、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を次第に増加させる係合圧スイープアップ制御を行った後、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧(指令圧)を完全係合圧まで増加させる係合圧増加制御を行う。図3から図5に示す例では、スリップ制御部46は、完全係合条件が成立したと判定した時点から所定時間(時刻t16からt17、時刻t25からt26、時刻t35からt36)、スイープアップ制御を行った後、ステップ的に係合圧(指令圧)を完全係合圧まで増加している。そして、スリップ制御部46は、完全係合圧まで増加させた後、入出力間スリップ制御を終了する(時刻t17、時刻t26、時刻t36)。
3−4−2−2−13.エンジン分離クラッチの完全係合
スリップ制御部46は、車速の増加により、エンジン分離クラッチCL2の差回転速度W2が所定値以下に減少した場合に、エンジン分離クラッチCL2の係合圧(指令圧)を完全係合圧まで増加させて分離スリップ制御を終了するとともに、スリップ走行モードを終了する(図7のステップ#15:Yes)。図3及び図4に示す例では、スリップ制御部46は、エンジンEの回転速度と入力軸Iの差回転速度W2がゼロになった場合に、エンジン分離クラッチCL2の係合圧(指令圧)を完全係合圧までステップ的に増加させている(時刻t18、時刻t28)。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態においては、変速段を形成するための複数の摩擦係合要素C1、B1・・・の一つ(例えば、第一クラッチC1)が、スリップ走行モードで滑らされる入出力間摩擦係合要素CL1とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、車両用駆動装置1は、図8に示すように、複数の摩擦係合要素C1、B1・・・とは別に、スリップ走行モードで滑らされる入出力間摩擦係合要素CL1を備える構成としても良い。この場合、入出力間摩擦係合要素CL1は、入力軸Iと変速機構TMとの間に備えられており、入出力間摩擦係合要素CL1の入力部材は、入力軸Iに駆動連結されており、入出力間摩擦係合要素CL1の出力部材は、中間軸Mを介して変速機構TMに駆動連結されている。また、それに伴い、動力伝達制御ユニット33は、油圧制御装置PCを介して、入出力間摩擦係合要素CL1の係合圧を制御するように構成されている。そして、スリップ制御部46が、スリップ走行モードで、入出力間摩擦係合要素CL1のスリップ制御を行う。
(2)また、車両用駆動装置1は、図9に示すように、トルクコンバータTCを備え、トルクコンバータTCのロックアップクラッチCL1が、スリップ走行モードで滑らされる入出力間摩擦係合要素とされる構成としても良い。
ここで、トルクコンバータTCは、入力軸Iと変速機構TMとの間に備えられ、駆動力源から入力軸Iに伝達されるトルクを、流体継手又はロックアップクラッチCL1を介して変速機構TMに伝達する装置である。このトルクコンバータTCは、入力軸Iに駆動連結されたポンプインペラTCaと、変速機構TM(中間軸M)に駆動連結されたタービンランナTCbと、これらの間に設けられたステータTCcと、を備えて構成されている。そして、トルクコンバータTCは、内部に充填された作動油を介して、駆動側のポンプインペラTCaと従動側のタービンランナTCbとの間のトルクの伝達を行う、流体継手として機能する。ロックアップクラッチCL1は、伝達効率を高めるために、ポンプインペラTCaとタービンランナTCbとを一体回転させるように連結するクラッチである。また、動力伝達制御ユニット33は、油圧制御装置PCを介して、ロックアップクラッチCL1の係合圧を制御するように構成されている。そして、スリップ制御部46が、スリップ走行モードで、ロックアップクラッチCL1のスリップ制御を行う。
(3)上記の実施形態において、制御装置30は、複数の制御ユニット32〜34を備え、これら複数の制御ユニット32〜34が分担して複数の機能部42〜46を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、制御装置30は、上述した複数の制御ユニット32〜34を任意の組み合わせで統合又は分離した制御装置として備えるようにしてもよく、複数の機能部42〜46の分担も任意に設定することができる。
(4)上記の実施形態において、車両用駆動装置1は、駆動力源としてエンジンEと回転電機MGとを備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、車両用駆動装置1は、駆動力源としてエンジンEを備えず、単数又は複数の回転電機MGを備えるようにしてもよい。この場合は、エンジン分離クラッチCL2及びエンジン制御ユニット31が備えられないようにしてもよい。
(5)上記の実施形態において、車両用駆動装置1は、油圧ポンプとして、機械式油圧ポンプMOPを備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、車両用駆動装置1は、油圧ポンプとして、機械式油圧ポンプMOPとともに、又は機械式油圧ポンプMOPを備えずに、電動式油圧ポンプを備えるようにしてもよい。
本発明は、少なくとも回転電機を有する駆動力源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、係合状態に応じて前記入力部材と前記出力部材とを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素と、を備えた車両用駆動装置の制御を行うための制御装置に好適に利用することができる。
MG:回転電機
E:エンジン(内燃機関)
I:入力軸(入力部材)
O:出力軸(出力部材)
TM:変速機構
MOP:機械式油圧ポンプ
W:車輪
DF:出力用差動歯車装置
CL1:入出力間摩擦係合要素
CL2:内燃機関分離摩擦係合要素(エンジン分離クラッチ)
Se1:エンジン回転速度センサ
Se2:入力軸回転速度センサ
Se3:出力軸回転速度センサ
Se4:アクセル開度検出センサ
1:車両用駆動装置
30:制御装置
31:エンジン制御ユニット
32:回転電機制御ユニット
33:動力伝達制御ユニット
34:車両制御ユニット
41:エンジン制御部
42:回転電機制御部
43:変速機構制御部
44:エンジン分離クラッチ制御部
45:統合制御部
46:スリップ制御部

Claims (5)

  1. 少なくとも回転電機を有する駆動力源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、係合状態に応じて前記入力部材と前記出力部材とを選択的に駆動連結させる入出力間摩擦係合要素と、を備えた車両用駆動装置の制御をおこなうための制御装置であって、
    前記入力部材が回転している状態で、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を制御することにより、前記入出力間摩擦係合要素を滑らせて、前記入力部材側から前記出力部材側にトルクを伝達させつつ車両を走行させるスリップ走行モードを実行可能であり、
    前記スリップ走行モードの実行中に、前記回転電機の回転速度を目標回転速度に一致させるように制御する回転速度制御の実行を指令するとともに、当該回転速度制御による前記回転電機の出力トルクの負方向への変化量を検出し、
    前記変化量が所定値以上となった際に完全係合条件が成立したと判定して、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を、滑りのない係合状態を維持できる係合圧である完全係合圧まで増加させる制御装置。
  2. 前記駆動力源は、更に内燃機関を有し、
    前記車両用駆動装置は、係合状態に応じて前記内燃機関を前記入力部材に選択的に駆動連結する内燃機関分離摩擦係合要素を有し、
    少なくとも前記スリップ走行モードの実行中に、前記内燃機関が回転している状態で、前記内燃機関分離摩擦係合要素を滑らせて、前記内燃機関から前記入力部材にトルクを伝達しつつ車両を走行させる請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記回転速度制御における前記回転電機の回転速度が所定値以上である場合には、前記変化量が所定値以上となったことに代えて、前記入力部材の回転速度及び前記出力部材の回転速度に基づいて検出される前記入出力間摩擦係合要素の差回転速度が所定値以下となった際に前記完全係合条件が成立したと判定して、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を、前記完全係合圧まで増加させる請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を前記完全係合圧まで増加させる場合に、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を次第に増加させる係合圧スイープアップ制御を行った後、前記入出力間摩擦係合要素の係合圧を前記完全係合圧まで増加させる係合圧増加制御を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記完全係合条件が成立したと判定した場合に、前記回転速度制御を終了し、前記回転電機の出力トルクを目標トルクに一致させるように制御するトルク制御の実行を指令する請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
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