JP7091758B2 - ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7091758B2
JP7091758B2 JP2018055559A JP2018055559A JP7091758B2 JP 7091758 B2 JP7091758 B2 JP 7091758B2 JP 2018055559 A JP2018055559 A JP 2018055559A JP 2018055559 A JP2018055559 A JP 2018055559A JP 7091758 B2 JP7091758 B2 JP 7091758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation speed
clutch
motor
difference
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018055559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019166935A (ja
Inventor
宗利 上野
康弘 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2018055559A priority Critical patent/JP7091758B2/ja
Publication of JP2019166935A publication Critical patent/JP2019166935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7091758B2 publication Critical patent/JP7091758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本開示は、ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置に関する。
従来、EVモードでの走行中にアクセルペダルが踏み込まれ、EV走行可能な駆動力以上の要求となったらエンジンを始動させてHEVモードでの走行に遷移する。このエンジン始動させる際にモータと駆動輪間の駆動力を断続するクラッチを半クラッチ状態(=目標スリップ量によるスリップ締結状態)にして、エンジン始動をさせる。そして、エンジン始動後に半クラッチ状態にしたクラッチを再締結させるハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、「EV」は走行用駆動源がモータである電気自動車の略称であり、「HEV」は走行用駆動源がエンジンとモータであるハイブリッド車の略称である。
特開2010-30486号公報
従来装置にあっては、半クラッチ状態にしたクラッチを再締結させる締結フェーズ処理区間において、モータ回転数制御(=MG回転数制御)とクラッチを滑らかに締結するスムースロックアップ制御(=スムースLU制御)を併用している。その際、MG回転数制御中のモータトルクは駆動力相当のトルク指令値以上を指令しないよう制限されており、モータトルクがその制限トルクで制限されている状態ではクラッチのスムースLU制御のみで差回転数を収束させていることになる。このため、差回転数が大きい状態でスムースLU制御のみで締結させるとクラッチへの指示トルクに対して実トルクが大きくなる側に油圧等がばらついた場合は、差回転数が急速に収束してその際の回転慣性による駆動力変動が発生する。そして、駆動力変動が発生すると、車両前後方向に加減速を繰り返す車両挙動変化が発生してしまう、という問題がある。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、エンジン始動後に半クラッチ状態のクラッチを再締結する際、クラッチ締結応答のばらつきにかかわらずクラッチ再締結時の車両挙動変化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、エンジンの始動完了後に半クラッチ状態にしたクラッチを締結するクラッチ締結処理フェーズの途中でクラッチが急締結することを想定したときに駆動力変動が許容される差回転数を差回転数閾値に設定する。
クラッチ締結処理フェーズを開始してから差回転数閾値以下まで差回転数が低下するまでの区間を、モータのモータ回転数制御のみにより差回転数を収束させるモータ回転数制御区間とする。
差回転数が差回転数閾値以下に到達してからクラッチを締結するまでの区間を、クラッチの締結トルクを徐々に増加させるスムース締結制御により差回転数を収束させるスムース締結制御区間とする。
スムース締結制御区間を、モータ回転数制御とスムース締結制御とを併用する区間とする。
モータ回転数制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルクの上限制限をすることなく差回転数を収束させる制御とする。
スムース締結制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルク制御を想定したときのモータトルク指令値を上限として制限し、差回転数変化量を小さくする目標回転数の設定による制御とする。
このように、差回転数閾値に到達するまでの差回転数収束をモータ回転数制御により行うことで、エンジン始動後に半クラッチ状態のクラッチを再締結する際、クラッチ締結応答のばらつきにかかわらずクラッチ再締結時の車両挙動変化を抑制することができる。加えて、クラッチの締結完了後にモータ回転数制御からモータトルク制御に切り替わった際のモータトルクの段差を小さくし、駆動力段差を低減することができる。
実施例1のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示すハード構成図である。 実施例1のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示すソフト構成図である。 実施例1においてモータ/ジェネレータと駆動輪の間に介装された自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 実施例1における自動変速機での変速段ごとの各摩擦要素の締結状態及び第2クラッチを示す締結作動表である。 実施例1の自動変速機による変速制御で用いられる変速マップの一例を示す変速マップ図である。 実施例1の統合コントローラの内部構成を示す演算ブロック図である。 統合コントローラの目標駆動力演算部での演算に用いられる目標定常駆動力マップ(a)とMGアシスト駆動力マップ(b)を示す駆動力マップ図である。 統合コントローラのモード選択部での運転モードの選択演算に用いられるエンジン始動線特性とエンジン停止線特性を示すエンジン始動停止線マップ図である。 統合コントローラの目標発電出力演算部での演算に用いられるバッテリSOCに対する走行中発電要求出力特性を示す走行中発電要求出力マップ図である。 統合コントローラの目標発電出力演算部での演算に用いられるエンジンの最良燃費線を示す最良燃費線特性図である。 統合コントローラのエンジン始動制御部で実行されるCL2締結フェーズ開始判定処理の流れを示すフローチャートである。 統合コントローラのエンジン始動制御部で実行されるCL2締結フェーズ処理の流れを示すフローチャートである。 比較例においてEVモードからエンジン始動制御を経由してHEVモードへ遷移するときの各特性を示すタイムチャートである。 実施例1においてEVモードからエンジン始動制御を経由してHEVモードへ遷移するときの各特性を示すタイムチャートである。 自動変速機の各変速段での入力差回転数を同じ差回転数としたときのCL2差回転数の違いを示す差回転数比較図である。 CL2締結フェーズ処理開始時に目標回転数<実回転である場合のスムースLU開始判定とロックアップ判定を示すタイムチャートである。 CL2締結フェーズ処理開始時に目標回転数>実回転である場合のスムースLU開始判定とロックアップ判定を示すタイムチャートである。 CL2締結フェーズ処理開始後にクラッチ締結判定を前出しする場合のスムースLU開始判定とロックアップ判定を示すタイムチャートである。
以下、本開示によるハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1におけるエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置は、1モータ・2クラッチと呼ばれるハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「パワートレーン系構成」、「制御システム構成」、「自動変速機の概略構成」、「統合コントローラ構成」、「CL2締結フェーズ開始判定処理及びCL2締結フェーズ処理構成」に分けて説明する。
[パワートレーン系構成]
図1は実施例1のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示す。以下、図1に基づいてパワートレーン系構成を説明する。
パワートレーン系は、図1に示すように、エンジン1と、モータ/ジェネレータ2(モータ)と、自動変速機3(変速機)と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5(クラッチ)と、ディファレンシャルギヤ6と、駆動輪7と、を備えている。つまり、エンジン1に1モータ・2クラッチを加えたパワートレーン系構成を持つハイブリッド車両である。ハイブリッド車両の主な運転モードとしては、第1クラッチ4の締結による「HEVモード(ハイブリッド車モード)」と、第1クラッチ4の解放による「EVモード(電気自動車モード)」と、を有する。
エンジン1は、その出力軸とモータ/ジェネレータ2(略称:「MG」)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4(略称:「CL1」)を介して連結される。
モータ/ジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称:「AT」)の入力軸とが連結される。
自動変速機3は、前進7速後退1速の変速段を有する変速機であり、その出力軸にディファレンシャルギヤ6を介して駆動輪7が連結される。この自動変速機3は、車速VSPとアクセル開度APOに応じて変速段を自動選択する自動変速を行う。
第2クラッチ5(略称:「CL2」)は、自動変速機3の変速要素として内蔵されている変速クラッチや変速ブレーキ等による摩擦要素のうち、トルク伝達を担っているトルク容量可変の1つの要素を用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータ/ジェネレータ2から入力される動力を合成して駆動輪7へ出力する。
第1クラッチ4と第2クラッチ5には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる乾式単板クラッチや湿式多板クラッチ等を用いればよい。このパワートレーン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータ/ジェネレータ2の動力のみで走行する「EVモード」であり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータ/ジェネレータ2の動力で走行する「HEVモード」である。
パワートレーン系には、CL1インプット回転センサ10と、CL1アウトプット回転センサ11と、AT入力回転センサ12と、AT出力回転センサ13と、が設けられる。CL1インプット回転センサ10は、第1クラッチ4の入力回転数を検出する。CL1アウトプット回転センサ11は、第1クラッチ4の出力回転数(=モータ回転数)を検出する。AT入力回転センサ12は、自動変速機3の入力軸回転数を検出する。AT出力回転センサ13は、自動変速機3の出力軸回転数(=車速)を検出する。
[制御システム構成]
図2は実施例1のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す。以下、図2に基づいて制御システム構成を説明する。
制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20(略称:「HCM」)と、エンジンコントローラ21(略称:「ECM」)と、モータコントローラ22(略称:「MGCM」)と、ATコントローラ25(略称:「ATCM」)と、を備えている。これらのコントローラ20,21,22,25は、双方向通信線(CAN通信線等)により情報交換可能に接続されている。
統合コントローラ20は、各回転センサ10,11,12,13、アクセル開度センサ17、ブレーキ油圧センサ23、バッテリSOCセンサ16等からの情報を入力し、パワートレーン系構成要素の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態SOCと車速VSPとに応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、ATコントローラ25にCL1ソレノイド電流と目標CL2トルクを指令する。
エンジンコントローラ21は、統合コントローラ20から目標エンジントルク指令を入力すると、目標エンジントルクを得るようにエンジン1を制御する。
モータコントローラ22は、統合コントローラ20から目標MGトルク指令もしくは目標MG回転数指令を入力すると、インバータ8へ制御指令を出力し、モータ/ジェネレータ2を制御(MGトルク制御、MG回転数制御)する。インバータ8は、力行時にバッテリ9からの直流を三相交流に変換し、モータ/ジェネレータ2を駆動する。回生時に駆動輪7からの回転エネルギによりモータ/ジェネレータ2により発電された三相交流を直流に変換し、バッテリ9へ充電する。
ここで、「MGトルク制御」とは、実モータトルクを目標モータトルクに収束させる制御であり、「EVモード」や「HEVモード」の定常時に選択される。MGトルク制御中のモータ回転数は、例えば、エンジン回転数や車速等により決まる駆動系の回転数に合わせたものになる。「MG回転数制御」とは、実モータ回転数を目標モータ回転数に収束させる制御であり、スリップイン制御時等の過渡時に選択される。MG回転数制御中のモータトルクは、モータトルクに制限を与えていないと、そのときのモータ/ジェネレータ2に加えられる駆動系負荷抵抗に応じたトルクになる。
ATコントローラ25は、自動変速機3を変速制御する。この変速制御以外に、統合コントローラ20からCL1ソレノイド電流指令を入力すると、第1クラッチ4(CL1)へのクラッチ油圧を制御する第1ソレノイドバルブ14を駆動制御する。そして、統合コントローラ20から目標CL2トルク指令を入力すると、第2クラッチ5(CL2)へのクラッチ油圧を制御する第2ソレノイドバルブ15を駆動制御する。
[自動変速機の概略構成]
以下、図3~図5に基づいて自動変速機3の概略構成を説明する。
自動変速機3は、図3に示すように、前進7速後退1速の有段式自動変速機である。自動変速機3へは、エンジン1とモータ/ジェネレータ2のうち、少なくとも一方からの駆動力が変速機入力軸Inputから入力される。そして、4個の遊星ギヤと7個の摩擦要素を有する変速ギヤ機構によって、入力回転数が変速されて変速機出力軸Outputから出力される。
変速ギヤ機構としては、同軸上に、第1遊星ギヤG1及び第2遊星ギヤG2による第1遊星ギヤセットGS1と、第3遊星ギヤG3及び第4遊星ギヤG4による第2遊星ギヤセットGS2と、が順に配置されている。また、油圧作動の摩擦要素として、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、第3クラッチC3と、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2と、第3ブレーキB3と、第4ブレーキB4との7個の摩擦要素が配置されている。また、機械作動の係合要素として、第1ワンウェイクラッチF1と、第2ワンウェイクラッチF2との2個のワンウェイクラッチが配置されている。
第1遊星ギヤG1、第2遊星ギヤG2、第3遊星ギヤG3、第4遊星ギヤG4は、サンギヤ(S1~S4)と、リングギヤ(R1~R4)と、両ギヤ(S1~S4),(R1~R4)に噛み合うピニオン(P1~P4)を支持するキャリア(PC1~PC4)と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。
変速機入力軸Inputは、第2リングギヤR2に連結され、エンジン1とモータ/ジェネレータ2の少なくとも一方からの回転駆動力を入力する。変速機出力軸Outputは、第3キャリアPC3に連結され、出力回転駆動力を、ファイナルギヤ等を介して駆動輪7に伝達する。
第1リングギヤR1と第2キャリアPC2と第4リングギヤR4とは、第1連結メンバM1により一体的に連結される。第3リングギヤR3と第4キャリアPC4とは、第2連結メンバM2により一体的に連結される。第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とは、第3連結メンバM3により一体的に連結される。
図4は締結作動表である。図4において、○印はドライブ時(アクセルON時)に当該摩擦要素が油圧締結状態であることを示す。(○)印はコースト時(アクセルOFF時)に当該摩擦要素が油圧締結状態(ドライブ時にワンウェイクラッチ作動状態)であることを示す。無印は当該摩擦要素が解放状態であることを示す。そして、ハッチングにて示される締結状態の摩擦要素は、各変速段にて第2クラッチ5(CL2)として用いる摩擦要素を示す。
前進7速で後退1速の変速段のそれぞれの変速段は、7個の摩擦要素のうち、3個の摩擦要素を、図4に示すように各変速段にて締結することで実現される。そして、隣接する変速段への変速については、3個の摩擦要素のうち、締結していた1つの摩擦要素を解放し、解放していた1つの摩擦要素を締結するという架け替え変速により、図4に示すように、前進7速の変速が実現される。
第2クラッチ5(CL2)については、変速段が1速段及び2速段のときに第2ブレーキB2とされる。変速段が3速段のときに第2クラッチC2とされる。変速段が4速段及び5速段のときに第3クラッチC3とされる。変速段が6速段及び7速段のときに第1クラッチC1とされる。変速段が後退段のときに第4ブレーキB4とされる。
図5は自動変速機3の変速制御で用いられる変速マップの一例を示す変速マップ図である。なお、図5に示す変速マップは、ATコントローラ25のメモリに予め記憶設定されていて、実線はアップシフト線を示し、点線はダウンシフト線を示す。
Dレンジの選択時には、AT出力回転センサ13(=車速センサ)からの車速VSPと、アクセル開度センサ17からのアクセル開度APOに基づき決まる運転点(VSP,APO)が、変速マップ上において存在する位置を検索する。そして、運転点(VSP,APO)が全く動かない、或いは、運転点(VSP,APO)が動いても図5の変速マップ上で1つの変速段領域内に存在したままであれば、そのときの変速段をそのまま維持する。一方、運転点(VSP,APO)が動いて図5の変速マップ上でアップシフト線を横切るとアップシフト指令を出力し、ダウンシフト線を横切るとダウンシフト指令を出力する。
[統合コントローラ構成]
図6は実施例1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図6~図10に基づいて統合コントローラ構成を説明する。
統合コントローラ20は、図6に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
目標駆動力演算部100は、図7(a)に示す目標定常駆動力マップと、図7(b)に示すMGアシスト駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから、目標定常駆動力とMGアシスト駆動力を算出する。
モード選択部200は、図8に示す車速VSP毎のアクセル開度APOで設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、運転モード(HEVモード、EVモード)を演算する。エンジン始動線とエンジン停止線は、エンジン始動線(SOC高、SOC低)とエンジン停止線(SOC高、SOC低)の特性に代表されるように、バッテリSOCが低くなるにつれて、アクセル開度APOが小さくなる方向に低下する特性として設定されている。
目標発電出力演算部300は、図9に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。また、現在の動作点から図10に示す最良燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。
動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常駆動力、MGアシスト駆動力と目標モードと車速VSPと要求発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標変速比とCL1ソレノイド電流指令を演算する。
動作点指令部400には、「EVモード」での走行中、運転点(VSP,APO)が図8のエンジン始動線を横切ることでエンジン始動要求が出されると、モータ/ジェネレータ2をスタータモータとしてエンジン1を始動するエンジン始動制御部20aを有する。
エンジン始動制御部20aでのエンジン始動処理は、エンジン始動要求が出されると、第2クラッチ5(CL2)のトルク容量を低下させ、その後、モータ/ジェネレータ2をMG回転数制御とし、第2クラッチ5(CL2)を半クラッチ状態にスリップさせる。第2クラッチ5(CL2)のスリップ開始が判断されると、第1クラッチ4(CL1)のスリップ締結を開始してエンジン回転数を上昇させる。エンジン回転数が初爆可能な回転数に到達したら、エンジン1を自立運転させ、MG回転数とエンジン回転数が近くなったところで第1クラッチ4(CL1)を完全に締結する。
エンジン始動が完了した後、モータ/ジェネレータ2のMG回転数制御を継続したままで半クラッチ状態の第2クラッチ5(CL2)を再締結させる制御(CL2締結フェーズ処理)を行う。そして、CL2締結の完了が判断されると、モータ/ジェネレータ2の制御をMG回転数制御からMGトルク制御に切り替え、「HEVモード」に遷移させる。実施例1のエンジン始動制御は、CL2締結フェーズ処理を特徴とする。
変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。車速VSPとアクセル開度APOと図5に示す変速マップから現在の変速段から次変速段をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速用の摩擦要素を制御して変速させる。
[CL2締結フェーズ開始判定処理及びCL2締結フェーズ処理構成]
図11は統合コントローラ20のエンジン始動制御部20aで実行されるCL2締結フェーズ開始判定処理の流れを示す。以下、図11の各ステップについて説明する。
ステップS1では、スタートに続き、モータ回転数Nm(CL1アウトプット回転センサ11)とエンジン回転数Ne(CL1インプット回転センサ10)を読み込み、ステップS2へ進む。
ステップS2では、S1でのモータ回転数Nmとエンジン回転数Neの読み込みに続き、第1クラッチ4(CL1)が解放か否かを判断する。YES(CL1解放)の場合はステップS3へ進み、NO(CL1締結)の場合はステップS7へ進む。
ステップS3では、S2でのCL1解放であるとの判断に続き、モータ回転数Nmとエンジン回転数Neの回転数差絶対値が、CL1締結完了判定閾値以下であるか否かを判断する。YES(|Nm-Ne|≦CL1締結完了判定閾値)の場合はステップS4へ進み、NO(|Nm-Ne|>CL1締結完了判定閾値)の場合はリターンへ進む。
ステップS4では、S3での|Nm-Ne|≦CL1締結完了判定閾値であるとの判断に続き、タイマーカウントを開始し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、S4でのタイマーカウント開始に続き、タイマー時間が所定値を超えているか否かを判断する。YES(タイマー時間>所定値)の場合はステップS6へ進み、NO(タイマー時間≦所定値)の場合はリターンへ進む。
ここで、「所定値」は、CL1締結完了であると判断するため、|Nm-Ne|≦CL1締結完了判定閾値である状態の継続時間条件として予め設定される。
ステップS6では、S5でのタイマー時間>所定値であるとの判断に続き、CL1締結完了であると決定し、リターンへ進む。
ステップS7では、S2でのCL1締結であるとの判断に続き、エンジン始動制御で第2クラッチ5(CL2)が目標スリップ量による半クラッチ状態のままであるというCL2締結フェーズ移行判断を行い、ステップS8へ進む。
ステップS8では、S7でのCL2締結フェーズ移行判断に続き、CL2締結フェーズ移行が可能であるか否かを判断する。YES(CL2締結フェーズ移行可能)の場合はステップS9へ進み、NO(CL2締結フェーズ移行不可能)の場合はリターンへ進む。
ステップS9では、ステップS8でのCL2締結フェーズ移行可能であるとの判断に続き、CL2締結フェーズ処理(図12)を実行し、リターンへ進む。
図12は統合コントローラ20のエンジン始動制御部20aで実行されるCL2締結フェーズ処理(ステップS9)の流れを示す。以下、図12の各ステップについて説明する。
ステップS91では、スタートに続き、AT入力回転数Nin(AT入力回転センサ12)とAT出力回転数Nout(AT出力回転センサ13)を読み込み、ステップS92へ進む。
ステップS92では、S91でのAT入力回転数NinとAT出力回転数Noutの読み込みに続き、目標回転数(=目標MG回転数)を生成し、目標回転数によるMG回転数制御を実行し、ステップS93へ進む。
ここで、「目標回転数」は、モータ/ジェネレータ2により回転数制御が可能な第2クラッチ5(CL2)のクラッチ入力回転数がクラッチ出力回転数に応答良く収束するように、第2クラッチ5(CL2)のクラッチ出力回転数に基づいて設定される。つまり、目標回転数は、CL2締結フェーズ処理が開始される際にCL2差回転数を0にする値に設定される。そして、設定された値に一次遅れのフィルタを掛けた値とAT出力回転×ギヤ比にローパスフィルタを掛けた値を足し合わせて設定される。
ステップS93では、S92での目標回転数生成に続き、(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦差回転保持下限閾値であるか否かを判断する。YES{(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦差回転保持下限閾値}の場合はステップS94へ進み、NO{(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)>差回転保持下限閾値}の場合はステップS95へ進む。
ここで、「差回転保持下限閾値」は、MG回転数制御区間から移行するCL2スムースLU制御区間において、MG回転数制御を継続するときの差回転数閾値として、保持しておくべき下限差回転数の値に設定される。差回転保持下限閾値は、LU完了判定閾値<差回転保持下限閾値<差回転保持許可閾値の関係により与えられる。
ステップS94では、S93での(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦差回転保持下限閾値であるとの判断に続き、目標回転数を修正し、ステップS96へ進む。
ここで、「目標回転数の修正」とは、目標回転数の差回転数が差回転保持下限閾値以下の場合は、差回転保持下限閾値をキープするように目標回転数を修正することをいう。つまり、目標回転数=(AT出力回転×ギヤ比)から目標回転数={(AT出力回転数×ギヤ比)+差回転保持下限閾値}へと修正する。
ステップS95では、S93での(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)>差回転保持下限閾値であるとの判断、或いは、S94での目標回転数修正に続き、(AT入力回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦スムースLU開始閾値であるか否かを判断する。YES{(AT入力回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦スムースLU開始閾値}の場合はステップS97へ進み、NO{(AT入力回転数-AT出力回転数×ギヤ比)>スムースLU開始閾値}の場合はステップS96へ進む。
ここで、「スムースLU開始閾値」とは、MG回転数制御区間からCL2スムースLU制御区間への切り替え条件である自動変速機3の入力差回転数(=AT入力回転数-AT出力回転数×ギヤ比)の差回転数閾値をいう。「スムースLU開始閾値」は、エンジン1の始動完了後に半クラッチ状態にした第2クラッチ5(CL2)を締結するクラッチ締結処理フェーズの途中で第2クラッチ5(CL2)が急締結することを想定したとき、駆動力変動が許容される差回転数に設定される。さらに、「スムースLU開始閾値」は、自動変速機3のギヤ段によって異なる値とされる。例えば、自動変速機3が1~3,6,7速段のときは、差回転保持下限閾値<スムースLU開始閾値(例えば、40rpm以下)<差回転保持許容閾値の関係になるように設定される(図17参照)。また、自動変速機3が4,5速段のときは、差回転保持下限閾値<差回転保持許容閾値(例えば、40rpm以下)<スムースLU開始閾値の関係になるように設定される(図18参照)。
ステップS96では、S95での(AT入力回転数-AT出力回転数×ギヤ比)>スムースLU開始閾値であるとの判断に続き、モータトルク予測値≦(モータトルク下限値+α)であるか否かを判断する。但し、モータトルク下限値は負の値である。YES{モータトルク予測値≦(モータトルク下限値+α)}の場合はステップS97へ進み、NO{モータトルク予測値>(モータトルク下限値+α)}の場合はリターンへ進む。なお、「モータトルク予測値」とは、バッテリ温度等によるトルク制限を含み、MG回転数制御中においてモータ/ジェネレータ2が出力しているトルク予測値をいう。
ステップS97では、S95での(AT入力回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦スムースLU開始閾値、或いは、S96でのモータトルク予測値≦(モータトルク下限値+α)であるとの判断に続き、CL2クラッチトルク増加指令を出力し、ステップS98へ進む。
ここで、「CL2クラッチトルク増加指令の出力」とは、第2クラッチ5(CL2)へのトルク指令を駆動トルク分の指令に対して徐々に増加させることで、滑らかに第2クラッチ5(CL2)を締結させるCL2スムースLU制御を実行することをいう。つまり、入力差回転数がスムースLU開始閾値以下となった場合、CL2クラッチトルクを増加させて差回転数の収束を促進させる。また、入力差回転数がスムースLU開始閾値より大であっても、モータトルク予測値がモータトルク下限値(負)+α以下となった場合は、CL2スムースLU制御を開始する。
ステップS98では、S97でのCL2クラッチトルク増加指令に続き、(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦差回転保持許可閾値であるか否かを判断する。YES{(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦差回転保持許可閾値}の場合はステップS99へ進み、NO{(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)>差回転保持許可閾値}の場合はリターンへ進み、それまでの目標回転数を継続する。
ここで、「差回転保持許可閾値」とは、MG回転数制御区間から移行するCL2スムースLU制御区間において、MG回転数制御を継続するときの差回転数閾値として、保持が許可される上限差回転数の値に設定される。
ステップS99では、S98での(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)≦差回転保持許可閾値であるとの判断に続き、目標回転数を修正し、リターンへ進む。
ここで、「目標回転数の修正」とは、(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)=差回転保持許可閾値のとき、目標回転数を、目標回転数=(目標回転数-AT出力回転数×ギヤ比)+差回転保持許可閾値にする。上記以外のとき、目標回転数を、目標回転数=(AT出力回転数×ギヤ比+CL2クラッチトルク増加指令開始時の差回転数)にすることをいう。
つまり、目標回転数の差回転数が差回転保持許可閾値以下の場合は、その差回転数を保持するように目標回転数を修正する。また、AT入力回転数の差回転数がスムースLU開始閾値以下となった時に既に、目標回転数の差回転数が差回転保持許可閾値以下の場合、その時の目標回転数の差回転数を保持するように目標回転数を修正する。なお、差回転数の保持は、差回転数を保持するだけではなく、差回転数が徐々に広がるように目標回転数を修正してもよい。
次に、実施例1の作用を、「比較例でのCL2締結制御における課題」、「実施例1でのCL2締結制御作用」、「他のCL2締結制御作用」に分けて説明する。
[比較例でのCL2締結制御における課題]
エンジン始動制御中、第1クラッチの締結を完了した後、半クラッチ状態の第2クラッチを再締結する際、CL2締結フェーズ処理において、MG回転数制御と第2クラッチCL2のスムースLU制御を併用するものを比較例とする。
この比較例において、「EVモード」での走行中、アクセル踏み込み操作等によりエンジン始動要求があり、エンジン始動制御を経由して「HEVモード」へモード遷移するときの制御動作を、図13に示すタイムチャートにより説明する。
時刻t1は「EVモード」での走行中におけるエンジン始動要求の出力時刻である。時刻t1になると、CL2クラッチ油圧指示を低下することで入力差回転数を上昇させ、入力差回転数が所定回転に到達するスリップイン判定時刻t2になると、MG回転数制御が開始される。そして、第2クラッチCL2が目標差回転数による半クラッチ状態になったと判断される時刻t3になると、第1クラッチCL1のスリップ締結が開始され、モータによるエンジンクランキングでエンジン回転数が上昇を開始する。そして、エンジン回転数が初爆回転数に到達すると、燃料噴射と点火によりエンジンを始動させる。
エンジン始動後、自立運転状態となったエンジン回転数が入力回転数(=モータ回転数)に収束する時刻t4になると、第1クラッチCL1が完全締結する。時刻t4での第1クラッチCL1の完全締結によって時刻t4直後の時刻t5から入力差回転数が一時的に上昇するが、MG回転数制御により時刻t6にて入力差回転数が目標差回転数に収束する。
入力差回転数が目標差回転数に収束する時刻t6になると、CL2締結フェーズ処理が開始される。時刻t6にてCL2締結フェーズ処理が開始されると、目標回転数をCL2締結回転数に変更してトルク制限を加えたMG回転数制御が開始されると同時に、第2クラッチのスムースLU制御が開始される。よって、時刻t6からCL2締結判定時刻t8までのCL2締結フェーズ処理中は、入力差回転数をMG回転数制御で収束させつつ、第2クラッチCL2のスムースLU制御により第2クラッチCL2の締結を目指すことになる。
しかし、CL2締結フェーズ処理中、第2クラッチCL2の油圧を増加させているので、MG回転数制御中のモータトルクを要求駆動トルク以上指令すると、駆動力が出過ぎるのでモータの上限トルクを駆動トルク相当に制限される。このため、入力差回転数の大きなCL2締結フェーズの開始域でMG回転数制御によるモータトルクが上昇すると、CL2締結フェーズ開始域でモータ上限トルクにより制限されることになる。なお、図13における入力差回転数は、最上部に示す回転数特性のうち、入力回転数特性とCL2締結入力回転数特性の回転数差で示される。
このため、モータトルクがモータ上限トルクにより制限された後、時刻t7にて第2クラッチCL2への油圧がばらついて指示圧に対して実圧が出過ぎると入力差回転数が急低下する。よって、図13の矢印Aで囲まれる入力差回転数特性に示すように、時刻t7の前後において入力差回転数の変動が発生する。この時、モータトルクは、図13の矢印Cで囲まれるモータトルク特性に示すように、モータ上限トルクで制限されるので、入力差回転数の急低下をMG回転数制御によって抑制することができない。
このように、比較例では、モータトルクがモータ上限トルクで制限されている状態になると、MG回転数制御が効かず、第2クラッチCL2のスムースLU制御のみで入力差回転数を収束させることになる。このため、第2クラッチCL2のみで締結させるとクラッチ指示トルクに対して実トルクが大きくなる側に油圧等がばらついた場合には、入力差回転数が急速に収束してその際の回転慣性による駆動力変動が発生する、という課題がある。そして、駆動力変動が発生することで、図13の矢印Bで囲まれる加速度特性に示すように、車両前後方向の加速度変動により車両挙動が変化し、乗員に違和感を与える。
比較例では、MG回転数制御により目標回転数を徐々に変速機の入力回転まで近づけているが、その場合はMG回転数制御のロバスト性を向上させるためにモータの応答を遅らせている。このため、モータトルクが駆動トルク相当に戻るのに応答遅れがあり、第2クラッチCL2のLU完了が判定される時刻t8にてMG回転数制御からMGトルク制御へ移行すると、駆動力段差を発生してしまう、という課題がある。
[実施例1でのCL2締結制御作用]
実施例1のCL2締結制御は、上記課題に着目してなされたもので、第2クラッチCL2のスムースLU制御を開始するタイミングをCL2急締結となっても駆動力変動を最小限にできる微小差回転数域に低下するまで遅らせたのが特徴である。
即ち、第2クラッチCL2のCL2締結フェーズ処理区間を、差回転数をスムースLU開始閾値まで低下させるMG回転数制御区間と、スムースLU開始閾値に到達した後のCL2スムースLU制御区間と、に分けた。これにより第2クラッチCL2のスムースLU時におけるクラッチ締結応答のばらつきに対応するようにした。ここで、CL2締結フェーズ処理は、統合コントローラ20のエンジン始動制御部20aにて、図11及び図12に示すフローチャートにしたがって実行される。
実施例1において、「EVモード」での走行中、アクセル踏み込み操作等によりエンジン始動要求があり、エンジン始動制御を経由して「HEVモード」へモード遷移するときのエンジン始動制御動作を、図14に示すタイムチャートにより説明する。なお、時刻t1~時刻t6までの動作は、図13に示す比較例のタイムチャートと同様であるため説明を省略する。
MG回転数制御により時刻t6にて入力差回転数が目標差回転数に収束すると、目標回転数を修正し、入力差回転数をゼロ差回転数に向かって収束させるモータトルク制限無しのMG回転数制御のみが実行される。このMG回転数制御の実行により時刻t7にて入力差回転数が収束していき、スムースLU開始閾値に到達する時刻t7になると、時刻t7から第2クラッチCL2のスムースLU制御が開始される。スムースLU制御では、スムースLU開始閾値まで収束させた入力差回転数を、第2クラッチCL2を駆動力相当の油圧から徐々に指示圧が上がるようにして入力差回転数を収束させる。
なお、時刻t7からCL2締結判定時刻t8まで、MG回転数制御も継続されるが、入力差回転数をゼロ差回転数に向かって収束させる制御を行うと、MG回転数制御中にモータトルクが高くならず、モータ上限トルクにぶつからない。よって、MG回転数制御での目標回転数を、所定の入力差回転数を保つように、CL2締結入力回転数特性と平行な回転数特性で与えている。
比較例のように、時刻t7の直前にて第2クラッチCL2への油圧がばらついて指示圧に対して実圧が出過ぎると入力差回転が急低下となるが、図14の矢印A’で囲まれる入力差回転数特性に示すように、時刻t7の前後における駆動力変動が抑えられる。この理由は、時刻t6~時刻t7では、CL2スムースLU制御を行わず、MG回転数制御のみを実行する。しかも、モータトルクは上限トルクで制限されていないMG回転数制御であるため、入力差回転数が急低下しようとしてもMG回転数制御によって抑制することができることによる。
このように、実施例1では、入力差回転数がスムースLU開始閾値に到達するまでは、第2クラッチCL2のスムースLU制御を使わず、MG回転数制御のみで入力差回転数を収束させることになる。このため、時刻t7以降において、第2クラッチCL2へのクラッチ指示トルクに対して実トルクが大きくなる側に油圧等がばらついて入力差回転数が急速に収束したとしても、入力差回転数の乖離幅がスムースLU開始閾値より小さくなる。
よって、図14の矢印A’で囲まれる入力差回転数特性に示すように、入力差回転数が急速に収束しない場合には、時刻t7以降における回転慣性による駆動力変動が解消される。そして、駆動力変動が解消されることで、図14の矢印B’で囲まれる加速度特性に示すように、車両前後方向の加速度変動による車両挙動変化も解消される。
さらに、第2クラッチCL2へのクラッチ指示トルクに対して実トルクが大きくなる側に油圧等がばらついて入力差回転数が急速に収束した場合であっても、時刻t7以降における回転慣性による駆動力変動が小さく抑えられる。そして、駆動力変動が小さく抑えられることで、車両前後方向の加速度変動による車両挙動が変化も抑えられることになる。
実施例1では、時刻t7~時刻t8までのMG回転数制御を、時刻t7に到達したときの差回転数を保つように目標回転数を修正している。このため、時刻t7~時刻t8までのMG回転数制御において、モータトルクは、図14の矢印C’で囲まれるモータトルク特性に示すように、モータトルクが高くなってモータ上限トルクにぶつかり、駆動トルク相当に下げられる。よって、CL2締結判定時刻t8にてMG回転数制御からMGトルク制御へ移行しても駆動力段差の発生を抑制することができる。
[他のCL2締結制御作用]
実施例1では、有段の自動変速機3を備え、エンジン始動時に駆動力断続するための第2クラッチ5(CL2)を変速用の摩擦要素と共用している。このHEVシステムにおいては、半クラッチ状態での自動変速機3の入力差回転数とクラッチ端のCL2差回転数を比較すると、図15に示すように、ギヤ段によっては自動変速機3の入力差回転数よりクラッチ端のCL2差回転数の方が数倍大きい場合がある。
この場合、自動変速機3の入力差回転数が同じスムースLU開始閾値になったときにCL2スムースLU制御を開始し、第2クラッチ5(CL2)の締結トルクによる差回転数収束を実施してもCL2完全締結になるまでの時間が異なる。つまり、自動変速機3の入力差回転数よりクラッチ端のCL2差回転数の方が大きい4速段や5速段の場合、CL2スムースLU制御による差回転数収束の時間が長くなる傾向である。
よって、自動変速機3の入力差回転数よりクラッチ端のCL2差回転数の方が大きい場合は、スムースLU開始閾値を大きく設定することでスムースLU制御の開始を早めることができる。
図16は、目標回転数が入力回転数よりも小さい場合のスムースLU制御時の動作を説明している。時刻t1にて目標回転数が差回転保持許可閾値を下回り差回転保持下限閾値まで先に低下した場合は、時刻t1での差回転数(=差回転保持下限閾値)を保持する。その後、入力回転が時刻t2にてスムースLU開始閾値以下になると、時刻t2からスムースLU制御を開始し、時刻t3に到達するとスムースLU制御を終了する。なお、図16のΔtは、目標回転数がLU完了判定閾値以下になってから「HEVモード」へ移行するモード移行判定時間である。
図17は、例えば、変速段が1~3速段等のように、スムースLU開始閾値を小さく設定したときの目標回転数が入力回転数よりも大きい場合のスムースLU制御時の動作を説明している。時刻t1にて入力回転数がスムースLU開始閾値以下となったとき、目標回転数が差回転保持許可閾値以下の場合、目標回転数を時刻t1での回転数に保持する。そして、時刻t1からスムースLU制御を開始し、時刻t2に到達するとスムースLU制御を終了する。
図18は、例えば、変速段が4~7速段等のように、スムースLU開始閾値を大きく設定することで、CL2スムースLU制御の開始タイミングを前出した場合を説明している。入力回転がスムースLU開始閾値を下回る時刻t1になったらスムースLU制御を開始する。しかし、目標回転数は、差回転保持許可閾値以下となるまで目標回転数の差回転数保持を実施しない。そして、目標回転数が差回転保持許可閾値への到達時刻t2になったら、その後、目標回転数を差回転保持許可閾値に保持する。そして、時刻t3に到達するとスムースLU制御を終了する。
以上説明したように、実施例1のハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1) 走行用駆動源にエンジン1とモータ(モータ/ジェネレータ2)を備える。EVモードでの走行中、エンジン始動要求があると、モータと駆動輪7との間に介装されたクラッチ(第2クラッチ5)を半クラッチ状態にし、エンジン1を始動させてHEVモードに遷移するエンジン始動制御方法である。
エンジン1の始動完了後に半クラッチ状態にしたクラッチを締結するクラッチ締結処理フェーズの途中でクラッチが急締結することを想定したときに駆動力変動が許容される差回転数(入力差回転数)を差回転数閾値(スムースLU開始閾値)に設定する。
クラッチ締結処理フェーズを開始してから差回転数閾値以下まで差回転数が低下するまでの区間を、モータ(モータ/ジェネレータ2)のモータ回転数制御(MG回転数制御)のみにより差回転数を収束させるモータ回転数制御区間(図14のt6~t7)とする。
差回転数が差回転数閾値以下に到達してからクラッチ(第2クラッチ5)を締結するまでの区間を、クラッチの締結トルクを徐々に増加させるスムース締結制御(CL2スムースLU制御)により差回転数を収束させるスムース締結制御区間(図14のt7~t8)とする。
このように、差回転数閾値(スムースLU開始閾値)に到達するまでの差回転数収束をモータ回転数制御(MG回転数制御)により行う。この結果、エンジン始動後に半クラッチ状態のクラッチ(第2クラッチ5)を再締結する際、クラッチ締結応答のばらつきにかかわらずクラッチ再締結時の車両挙動変化を抑制するハイブリッド車両のエンジン始動制御方法を提供することができる。
(2) スムース締結制御区間を、モータ回転数制御(MG回転数制御)とスムース締結制御(CL2スムースLU制御)とを併用する区間とする。
モータ回転数制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルクの上限制限をすることなく差回転数を収束させる制御とする。
スムース締結制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルク制御を想定したときのモータトルク指令値を上限として制限し、差回転数変化量を小さくする目標回転数の設定による制御とする(図14)。
このように、スムース締結制御区間でのモータ回転数制御(MG回転数制御)を、トルク上限を制限しつつ、差回転数変化量を小さくする制御としている。これにより、スムース締結制御(CL2スムースLU制御)での油圧上昇により駆動トルクが出過ぎるのを防止しつつ、モータ回転数制御中のモータトルクを上限トルクに当たるように制御できる。その結果、クラッチ(第2クラッチ5)の締結完了後にモータ回転数制御からモータトルク制御(MGトルク制御)に切り替わった際のモータトルクの段差を小さくし、駆動力段差を低減することができる。
(3) スムース締結制御区間での目標回転数の特性を、クラッチ締結回転数との差回転数を保持する平行特性以上となるように設定にする(図14)。
このため、クラッチ(第2クラッチ5)の締結完了後にモータ回転数制御からモータトルク制御(MGトルク制御)に切り替わった際のモータトルク段差を小さく抑えることができる。
即ち、MG回転数制御からMGトルク制御に切り替わる際にモータトルクが駆動トルク指令相当になっていないと、第2クラッチ5の締結が完了した後に駆動力段差が発生する。そのため、積極的にMG回転数制御中のモータトルクのF/B量を正側に補正するように、目標回転数の特性を、クラッチ締結回転数との差回転数を保持する平行特性以上となるように設定にする。そうすることで目標回転数と収束に向かっているクラッチ入力回転数の偏差が大きくなるため、MG回転数制御中のモータトルクF/B量は正側に増加する。このために、モータトルクは駆動トルク相当に制限されたモータ上限トルクで制限され易くすることができる。
(4) モータ回転数制御区間において、モータトルクが負側の下限トルクに対して余裕分αを確保した値まで低下した場合は、クラッチ締結処理フェーズを開始してから差回転数閾値まで差回転数が低下していなくてもスムース締結制御区間へ移行する(図12)。
このように、モータトルクが負側の下限トルクに対して余裕分αを確保した値まで低下した場合は、差回転が大きくてもCL2スムースLU制御による差回転収束を開始することで、モータトルクが制限されている条件でも差回転を収束させることができる。
即ち、バッテリ9の温度が極低温等でバッテリ9への入力電力が制限される場合、モータ/ジェネレータ2の回生トルクも制限されることになる。モータトルクが制限されるとMG回転数制御中のクラッチ入力回転数を低下させるのが困難となり、差回転の収束ができなくなる。
(5) 差回転数閾値より小さい差回転保持下限閾値を設定する。
スムース締結制御区間でのモータ回転数制御(MG回転数制御)における目標回転数を、差回転保持下限閾値により制限する(図16)。
このように、モータ回転数制御(MG回転数制御)における目標回転数を、差回転保持許可閾値と差回転保持下限閾値により制限することで、スムース締結制御区間でモータトルクが余計な仕事をして駆動力変動を引き起こすことを防止することができる。
即ち、目標回転数は、回転変動によるモータトルクの指令トルクの変動を抑える目的で自動変速機3の出力回転数にフィルタを掛けたものをベースに作成している。よって、目標回転数は、実回転に対して若干の遅れがあるため、目標回転数を差回転数ゼロまでに近づけると、実回転数に対してマイナス差回転数となる場合がある。その場合にモータトルクが余計な仕事(目標駆動トルクに対して負側に大きく補正する等)をして駆動力変動を引き起こす場合がある。
(6) クラッチ(第2クラッチ5)を、モータ(モータ/ジェネレータ2)と駆動輪7の間に介装した自動変速機3に内蔵される変速用摩擦要素と共用する。
差回転数を、モータ回転数制御(MG回転数制御)による変速機入力回転数と、変速機出力回転数とギヤ比によりクラッチが締結状態であると想定したときのクラッチ締結入力回転数との入力差回転数とする。
入力差回転数の差回転数閾値(スムースLU開始閾値)を、自動変速機3のギヤ段毎に異なるクラッチ差回転数(CL2差回転数)に応じて設定する(図15)。
このように、入力差回転数の差回転数閾値をギヤ段毎に設定することで、クラッチ差回転数(CL2差回転数)に応じてCL2スムースLU制御による差回転収束の開始タイミングを適切なタイミングに設定にすることができる。
即ち、実施例1は、複数の変速段を有する自動変速機3を備え、エンジン始動時に駆動力断続するための第2クラッチCL2を変速用の摩擦要素と共用している。このHEVシステムにおいては、半クラッチ状態の自動変速機3の変速機入力軸の入力差回転とクラッチ端のCL2差回転を比較するとギヤ段によってはATの入力軸の差回転よりクラッチ端の差回転の方が数倍大きい場合がある(図15参照)。その場合、入力差回転数が同じであっても第2クラッチCL2による差回転収束を実施しても完全締結するまでの時間が異なる。入力差回転数よりクラッチ端のCL2差回転数の方が大きい場合、第2クラッチCL2による差回転数の収束時間が長くなる傾向である。よって、第2クラッチCL2による差回転収束を開始する差回転閾値をギヤ段毎に設定することで、第2クラッチCL2による差回転収束を行うタイミングを変更することができる。
(7) 入力差回転数が差回転数閾値(スムースLU開始閾値)以下になる前のモータ回転数制御区間にて目標回転数が差回転保持下限閾値に到達した場合、その後の目標回転数を、差回転保持下限閾値を保つように修正する(図16)。
このように、モータ回転数制御区間での目標回転数の低下が大きいとき、モータ回転数制御(MG回転数制御)による目標回転数が、差回転保持下限閾値に制限される。この結果、目標回転数<実回転数等であってモータ回転数制御区間にて目標回転数が差回転保持下限閾値に到達した場合、その後のモータ回転数制御(MG回転数制御)による駆動力変動を引き起こすことを防止することができる。
(8) 入力差回転数が差回転数閾値(スムースLU開始閾値)以下になったとき、目標回転数が差回転保持許可閾値以下であって、かつ、差回転保持下限閾値を超えている場合、スムース締結制御区間での目標回転数を、入力差回転数が差回転数閾値以下になった時点の回転数に保持する(図17)。
このように、モータ回転数制御区間での目標回転数の低下が小さいとき、モータ回転数制御(MG回転数制御)による目標回転数が、差回転保持許可閾値と差回転保持下限閾値の間の値に制限される。この結果、目標回転数>実回転数等であってスムース締結制御区間が開始されるときに目標回転数が差回転保持許可閾値以下である場合、その後のモータ回転数制御(MG回転数制御)による駆動力変動を引き起こすことを防止することができる。
(9) 入力差回転数が差回転数閾値(スムースLU開始閾値)以下になったとき、目標回転数が差回転保持許可閾値を超えている場合、スムース締結制御区間での目標回転数を、入力差回転数が差回転保持許可閾値まで低下するのを待ってから差回転保持許可閾値を保つように修正する(図18)。
このように、モータ回転数制御区間からスムース締結制御区間へ移行するときの目標回転数が高いとき、モータ回転数制御(MG回転数制御)による目標回転数が、差回転保持許可閾値に制限される。この結果、スムース締結制御区間が開始されるときに目標回転数が差回転保持許可閾値を超えている場合、目標回転数が差回転保持許可閾値まで低下した後のモータ回転数制御(MG回転数制御)による駆動力変動を引き起こすことを防止することができる。
(10) 走行用駆動源にエンジン1とモータ(モータ/ジェネレータ2)を備える。EVモードでの走行中、エンジン始動要求があると、モータと駆動輪7との間に介装されたクラッチ(第2クラッチ5)を半クラッチ状態にし、エンジン1を始動させてHEVモードに遷移するエンジン始動制御部20aを備えるエンジン始動制御装置である。
エンジン始動制御部20aは、下記のクラッチ締結処理を実行する。
エンジン1の始動完了後に半クラッチ状態にしたクラッチを締結するクラッチ締結処理フェーズの途中でクラッチが急締結することを想定したときに駆動力変動が許容される差回転数(入力差回転数)を差回転数閾値(スムースLU開始閾値)に設定する。
クラッチ締結処理フェーズを開始してから差回転数閾値以下まで差回転数が低下するまでの区間を、モータ(モータ/ジェネレータ2)のモータ回転数制御(MG回転数制御)のみにより差回転数を収束させるモータ回転数制御区間とする。
差回転数が差回転数閾値以下に到達してからクラッチを締結するまでの区間を、クラッチの締結トルクを徐々に増加させるスムース締結制御(CL2スムースLU制御)により差回転数を収束させるスムース締結制御区間とする(図12)。
このように、差回転数閾値(スムースLU開始閾値)に到達するまでの差回転数収束をモータ回転数制御(MG回転数制御)により行う。この結果、エンジン始動後に半クラッチ状態のクラッチ(第2クラッチ5)を再締結する際、クラッチ締結応答のばらつきにかかわらずクラッチ再締結時の車両挙動変化を抑制するハイブリッド車両のエンジン始動制御装置を提供することができる。
以上、本開示のハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、差回転数を、MG回転数制御による変速機入力回転数と、変速機出力回転数とギヤ比によりクラッチが締結状態であると想定したときのクラッチ締結入力回転数との入力差回転数とする例を示した。しかし、差回転数としては、第2クラッチCL2の差回転数とする例であっても良い。
実施例1では、スムース締結制御区間を、MG回転数制御とCL2スムースLU制御とを併用する区間とする例を示した。しかし、スムース締結制御区間を、CL2スムースLU制御のみを用いる区間とし、スムース締結制御区間でのMG回転数制御をMGトルク制御とする例であっても良い。
実施例1では、モータと駆動輪との間に介装されるクラッチとして、自動変速機3に内蔵する変速用の摩擦要素を用いる例を示した。しかし、モータと駆動輪との間に介装されるクラッチとしては、変速機等と別体に、モータと変速機間に独立の第2クラッチを設ける例や変速機と駆動輪間に独立の第2クラッチを設ける例であっても良い。
実施例1では、本開示のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置を、1モータ・2クラッチと呼ばれるパワートレーン構造を備えるハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本開示のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置は、EVモードとHEVモードを有し、走行中にエンジン始動制御が実行される実施例1以外のパワートレーン構造を備えるハイブリッド車両に対しても適用することができる。
1 エンジン
2 モータ/ジェネレータ(モータ)
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ(クラッチ)
6 ディファレンシャルギヤ
7 駆動輪
10 CL1インプット回転センサ
11 CL1アウトプット回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14 第1ソレノイドバルブ
15 第2ソレノイドバルブ
20 統合コントローラ
20a エンジン始動制御部
21 エンジンコントローラ
22 モータコントローラ
25 ATコントローラ

Claims (9)

  1. 走行用駆動源にエンジンとモータを備え、
    前記モータを走行用駆動源とするEVモードでの走行中、エンジン始動要求があると、前記モータと駆動輪との間に介装されたクラッチを半クラッチ状態にし、前記エンジンを始動させてHEVモードに遷移するハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記エンジンの始動完了後に半クラッチ状態にした前記クラッチを締結するクラッチ締結処理フェーズの途中で前記クラッチが急締結することを想定したときに駆動力変動が許容される差回転数を差回転数閾値に設定し、
    前記クラッチ締結処理フェーズを開始してから前記差回転数閾値まで差回転数が低下するまでの区間を、前記モータのモータ回転数制御のみにより差回転数を収束させるモータ回転数制御区間とし、
    前記差回転数が前記差回転数閾値以下に到達してから前記クラッチを締結するまでの区間を、前記クラッチの締結トルクを徐々に増加させるスムース締結制御により差回転数を収束させるスムース締結制御区間とし、
    前記スムース締結制御区間を、モータ回転数制御とスムース締結制御とを併用する区間とし、
    前記モータ回転数制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルクの上限制限をすることなく差回転数を収束させる制御とし、
    前記スムース締結制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルク制御を想定したときのモータトルク指令値を上限として制限し、差回転数変化量を小さくする目標回転数の設定による制御とする
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記スムース締結制御区間での前記目標回転数の特性を、クラッチ締結回転数との差回転数を保持する平行特性以上となるように設定にする
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記モータ回転数制御区間において、モータトルクが負側の下限トルクに対して余裕分を確保した値まで低下した場合は、前記クラッチ締結処理フェーズを開始してから前記差回転数閾値まで差回転数が低下していなくても前記スムース締結制御区間へ移行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記差回転数閾値より小さい差回転保持許可閾値と、前記差回転保持許可閾値より小さい差回転保持下限閾値を設定し、
    前記スムース締結制御区間でのモータ回転数制御における前記目標回転数を、前記差回転保持下限閾値により制限する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記クラッチを、前記モータと前記駆動輪の間に介装した自動変速機に内蔵される変速用摩擦要素と共用し、
    前記差回転数を、前記モータ回転数制御による変速機入力回転数と、変速機出力回転数とギヤ比により前記クラッチが締結状態であると想定したときのクラッチ締結入力回転数との入力差回転数とし、
    前記入力差回転数の前記差回転数閾値を、前記自動変速機のギヤ段毎に異なるクラッチ差回転数に応じて設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  6. 請求項4を引用する請求項5に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記入力差回転数が前記差回転数閾値以下になる前のモータ回転数制御区間にて前記目標回転数が前記差回転保持下限閾値に到達した場合、その後の前記目標回転数を、前記差回転保持下限閾値を保つように修正する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  7. 請求項4を引用する請求項5又は6に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記入力差回転数が前記差回転数閾値以下になったとき、前記目標回転数が前記差回転保持許可閾値以下であって、かつ、前記差回転保持下限閾値を超えている場合、前記スムース締結制御区間での前記目標回転数を、前記入力差回転数が前記差回転数閾値以下になった時点の回転数に保持する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  8. 請求項4を引用する請求項5から7までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両のエンジン始動制御方法において、
    前記入力差回転数が前記差回転数閾値以下になったとき、前記目標回転数が前記差回転保持許可閾値を超えている場合、前記スムース締結制御区間での前記目標回転数を、前記入力差回転数が前記差回転保持許可閾値まで低下するのを待ってから前記差回転保持許可閾値を保つように修正する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
  9. 走行用駆動源にエンジンとモータを備えるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、
    前記モータを走行用駆動源とするEVモードでの走行中、エンジン始動要求があると、前記モータと駆動輪との間に介装されたクラッチを半クラッチ状態にし、前記エンジンを始動させてHEVモードに遷移するエンジン始動制御部を備え、
    前記エンジン始動制御部は、
    前記エンジンの始動完了後に半クラッチ状態にした前記クラッチを締結するクラッチ締結処理フェーズの途中で前記クラッチが急締結することを想定したときに駆動力変動が許容される差回転数を差回転数閾値に設定し、
    前記クラッチ締結処理フェーズを開始してから前記差回転数閾値まで差回転数が低下するまでの区間を、前記モータのモータ回転数制御のみにより差回転数を収束させモータ回転数制御区間とし、
    前記差回転数が前記差回転数閾値以下に到達してから前記クラッチを締結するまでの区間を、前記クラッチの締結トルクを徐々に増加させるスムース締結制御により差回転数を収束させるスムース締結制御区間とし、
    前記スムース締結制御区間を、モータ回転数制御とスムース締結制御とを併用する区間とし、
    前記モータ回転数制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルクの上限制限をすることなく差回転数を収束させる制御とし、
    前記スムース締結制御区間でのモータ回転数制御を、モータトルク制御を想定したときのモータトルク指令値を上限として制限し、差回転数変化量を小さくする目標回転数の設定による制御とするクラッチ締結処理を実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
JP2018055559A 2018-03-23 2018-03-23 ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置 Active JP7091758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055559A JP7091758B2 (ja) 2018-03-23 2018-03-23 ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055559A JP7091758B2 (ja) 2018-03-23 2018-03-23 ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019166935A JP2019166935A (ja) 2019-10-03
JP7091758B2 true JP7091758B2 (ja) 2022-06-28

Family

ID=68107927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018055559A Active JP7091758B2 (ja) 2018-03-23 2018-03-23 ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7091758B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113771832B (zh) * 2020-06-10 2024-05-24 广州汽车集团股份有限公司 混合动力车辆起动发动机控制方法
CN114909465B (zh) * 2021-02-07 2024-04-16 广汽埃安新能源汽车有限公司 一种车辆升挡控制方法、装置及存储介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012067898A (ja) 2010-09-27 2012-04-05 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
JP2013049327A (ja) 2011-08-30 2013-03-14 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
JP2018039317A (ja) 2016-09-06 2018-03-15 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御方法と制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012067898A (ja) 2010-09-27 2012-04-05 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
JP2013049327A (ja) 2011-08-30 2013-03-14 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
JP2018039317A (ja) 2016-09-06 2018-03-15 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御方法と制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019166935A (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108688643B (zh) 混合动力传动系统转速控制
CN106167023B (zh) 控制动力传动系统的系统和方法
JP5610193B2 (ja) 車両用変速装置
JP5590158B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP5542286B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2005009396A (ja) 車両の制御装置
JP2005009395A (ja) 車両の制御装置
JP4639760B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP4710566B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP7135361B2 (ja) 電動車両のトルク制御方法及びトルク制御装置
KR101724981B1 (ko) 자동 변속기의 제어 장치
JP7091758B2 (ja) ハイブリッド車両のエンジン始動制御方法及びエンジン始動制御装置
JP2021054135A (ja) ハイブリッド車の制御方法及び制御装置
JP4251025B2 (ja) 車両の制御装置
JP2004203218A (ja) ハイブリッド駆動装置の制御装置
JP2005016439A (ja) 車両の制御装置
JP2019151273A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP6377240B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2011011667A (ja) 電動車両の制御装置
JP7252169B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP4899457B2 (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
JP6717063B2 (ja) ハイブリッド車両の制御方法と制御装置
JP2008290715A (ja) 車両の制御装置
JP2019158086A (ja) 自動変速機のアップシフト制御装置
JP2008164121A (ja) 自動変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220530

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7091758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151