JP5724415B2 - 半導体モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、圧接により半導体素子と電極端子とを電気的に接続する半導体モジュール、及びこの半導体モジュールに備えられる応力緩衝部材に関する。
代表的な絶縁形パワー半導体モジュールとして、インバータ等電力変換装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュールがある。また、このIGBTモジュールに代表される「絶緑形パワー半導体モジュール」若しくは「Isolated power semiconductor devices」は、それぞれJEC−2407−2007、IEC60747−15にて規格が制定されている。
一般的な絶緑形パワー半導体モジュールにおいて、スイッチング素子であるIGBTやダイオード等の半導体素子は、半導体素子の下面に形成された電極層をDBC(Direct Bond Copper)基板(或いはDCB基板)の銅回路箔上にはんだ付けすることにより設けられる(例えば、非特許文献1)。DBC基板とは、セラミックス等からなる絶縁板に銅回路箔を直接接合したものである。
半導体素子の上面に形成される電極層には、例えば、超音波ボンディング等の方法によりアルミワイヤが接続され、DBC基板上の銅回路箔と電気的に結線される。そして、はんだ付け等によりDBC基板の銅回路箔から外部へ電気を接続するための銅端子(リードフレームやブスバー)が銅回路箔と接続される。さらに、この周りは(スーパー)エンジニアリングプラスチックのケースで囲まれ、その中を電気絶緑のためのシリコンゲル等が充填される。
近年、半導体素子の動作温度の高温化が進んでいる。動作温度が、175℃〜200℃となると、この温度がはんだ材料の融点に近いため、従来のはんだ材料を用いることができない場合がある。そこで、はんだに置換する材料として、例えば、金属系高温はんだ(Bi、Zn、Au)、化合物系高温はんだ(Sn−Cu)、低温焼結金属(Ag粉、nanoAg)等が提案されている。また、次世代の半導体素子であるSiCは、250〜300℃での動作が報告されている。
はんだを用いた絶緑形パワー半導体モジュールの課題は、例えば、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)に対応するため、はんだの鉛フリー化を行うことや、半導体モジュールの温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性を向上することである。
はんだの鉛フリー化の課題に対して、鉛フリーはんだを用いることやはんだを用いない半導体モジュール構造が検討されている。鉛フリーはんだ材料としては、例えば、上述のようなSn−Ag系やSn−Cu系のものが検討されている。また、はんだを用いない半導体モジュール構造として平型圧接構造パッケージが提案されている(非特許文献1、2)。
一般的な平型圧接構造パッケージでは、半導体素子(例えば、IGBT、ダイオード)の端部に半導体素子及びコンタクト端子の位置決めをするガイドが設けられる。さらに、半導体素子の上面電極層がコンタクト端子に接触した状態で半導体素子が基板(Mo基板やDBC基板等)上に設けられる。そして、コンタクト端子及び基板が半導体素子を押圧した状態で、半導体素子が半導体モジュールの筺体内に備えられる。このように、平型圧接構造パッケージでは、圧接によりコンタクト端子と半導体素子との接続、及び半導体素子と基板との接続が行われる。
平型圧接構造パッケージは、半導体素子や電極端子等の構成部材を圧接により接続するので、はんだを用いることなく半導体素子を電気的、熱的に外部と接続できる。また、平型構造であることから半導体素子を両面から冷却できる。このため、一般的にコンタクト端子及び基板を半導体素子方向にヒートシンクで押圧して平型圧接構造パッケージを構成する。そして、平型圧接構造パッケージの両面を冷却するとともに、そのヒートシンクを導電部材として用いる。
この平型圧接構造の半導体モジュールでは、圧接力が各半導体素子等に均等にかかるように半導体モジュールを組み立てる必要がある。この圧接は平型圧接構造パッケージの上下のヒートシンク間とを電気的に絶緑する必要がある。また、平型圧接構造パッケージを押圧する板ばねの設計圧接力が平型圧接構造パッケージの電極ポストに均等にかかるようにする必要がある。これらにはノウハウがあり、圧接が不良であった場合は半導体素子の破壊の原因となるおそれがある。なお、ヒートシンクと平型圧接構造パッケージの圧接は、主にユーザが実施する。また、回路を構成するのに、このヒートシンクや圧接のための板バネが小型化の妨げとなる等、使いこなすのには熟練が要求される。このことから平型圧接構造パッケージは限られた装置への適用となり、代わりに使い勝手の良い従来型の絶縁形パワー半導体モジュールが広く使われている。
また、半導体モジュールの温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性を向上させる課題に対して、半導体モジュールを構成する各部材(半導体、金属、セラミックス等)の熱膨張率の違いより生じるせん断応力に対応する必要がある(例えば、特許文献1、2)。すなわち、基板−銅ベース間、基板−銅端子間において、銅とセラミックスの熱膨張係数の差から、各部材間のはんだにせん断応力が働き、はんだに亀裂が生じて熱抵抗が増大したり端子が剥離したりするおそれがある。さらに、半導体素子−基板間のはんだにも亀裂が生じる場合がある。その他、半導体素子上のアルミワイヤの接続部でもアルミニウムと半導体素子の熱膨張の差で応力が発生してアルミワイヤが疲労破断する場合がある。
年々電力密度の増加に伴い半導体素子上の電極とアルミワイヤ間等の接合温度が高くなることから、はんだのせん断応力、アルミワイヤの応力が大きくなってきている。これに対して熱膨張の影響が半導体モジュールの設計寿命に至るまでの期間に亘って顕在化しないように半導体モジュールの構造を設計する必要がある。SiCやGaNのような高温で使用できるワイドバンドキャップ半導体素子の出現により、さらに熱膨張の影響の低減が要求されている。このSiC、GaNなどの高温で使用可能な半導体素子の性能を活かすためにも、導体モジュールの温度サイクル、パワーサイクルの信頼性の向上が求められている。
そこで、高信頼性、環境性、利便性を同時に実現するために、圧接のようにはんだ接合あるいはワイヤーボンドを用いず、かつ使い勝手の良い絶縁形パワー半導体モジュールが再び脚光を浴びてきた。
特開2009−302579号公報 特開2009−105456号公報
電気学会高性能高機能パワーデバイス・パワーIC調査専門委員会、「パワーデバイス・パワーICハンドブック」、コロナ社、1996年7月、p289、p336 森睦宏、関康和、「大容量IGBTの最近の進歩」、電気学会誌、社団法人電気学会、1998年5月、Vol.118(5)、pp.274−277
半導体モジュールを構成する各部材(半導体素子や電極端子等)を圧接により接続する半導体モジュールにおいて、温度サイクルやパワーサイクルにおける動作信頼性の向上が求められている。
圧接により半導体素子や電極端子等を電気的に接続する半導体モジュールの信頼性を高めるには、半導体モジュールを構成する部材同士の接触面全体に対してできるだけ均一な接触圧力を確保する必要がある。なぜなら、接触圧が低い箇所は電気伝導度が低下し、その結果良好な接触が保たれている箇所に電流が集中し、また通電によるジュール発熱を放熱するパスも狭くなり、特定の部材が局所的に温度上昇する結果となる場合があるからである。特定の部材が局所的に温度上昇すると、局所的に部材が熱膨張して、複雑な形状に熱変形し、部材間の接触面において均一な接触圧を維持することが困難になるおそれがある。このような場合、局所的に応力が集中して半導体モジュールの信頼性が低下する要因になるおそれがある。
上記課題を解決する本発明の半導体モジュール及びこの半導体モジュールに備えられる応力緩衝部材は、応力緩衝部材の半導体素子が設けられる面に複数の溝を形成したことを特徴としている。
すなわち、本発明の半導体モジュールは、半導体素子と、当該半導体素子に設けられる応力緩衝部材と、を備える半導体モジュールであって、前記応力緩衝部材の主面であって、前記半導体素子と接触する面には複数の溝が形成され、前記複数の溝は、前記半導体素子の側端からの距離が近い溝ほど深く形成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、半導体素子と、当該半導体素子に設けられる応力緩衝部材と、を備える半導体モジュールであって、前記応力緩衝部材の主面であって、前記半導体素子と接触する面には複数の溝が形成され、前記複数の溝の幅は、前記半導体素子の側端からの距離が近い溝ほど広く形成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、上記の半導体モジュールにおいて、前記溝には、前記応力緩衝部材より熱伝導が高い材料からなる充填材が充填されることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、上記の半導体モジュールにおいて、前記充填材の熱伝導率が、20W/mK以上であることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、上記の半導体モジュールにおいて、前記充填材が、グラファイトシートであり、前記グラファイトシートのグラファイト層と前記溝とが略平行になるように前記グラファイトシートが前記溝に嵌入されることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、上記の半導体モジュールにおいて、前記溝は、前記半導体素子の外周形状に沿って形成される溝が同心状に複数形成されることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、上記の半導体モジュールにおいて、前記半導体素子を挟装するように、前記応力緩衝部材を1対設け、前記応力緩衝部材の前記半導体素子が設けられる面は、当該応力緩衝部材と前記半導体素子との接触面よりも大きく、前記1対の応力緩衝部材の前記半導体素子が設けられる面であって、前記半導体素子と接触していない面には溝が形成され、前記1対の応力緩衝部材の前記半導体素子と接触していない面に形成されたそれぞれの溝に絶縁部材を嵌挿して、前記絶縁部材を前記応力緩衝部材間に設けることを特徴としている。
また、本発明の半導体モジュールは、上記の半導体モジュールにおいて、前記絶縁部材が、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウムのいずれかを含有する焼結体であることを特徴としている。
また、本発明の応力緩衝部材は、半導体素子に設けられる応力緩衝部材であって、前記応力緩衝部材の主面であって、前記半導体素子と接触する面には複数の溝が形成され、前記複数の溝は、前記半導体素子の側端からの距離が近い溝ほど深く形成されることを特徴としている。
また、本発明の応力緩衝部材は、半導体素子に設けられる応力緩衝部材であって、前記応力緩衝部材の主面であって、前記半導体素子と接触する面には複数の溝が形成され、前記複数の溝の幅は、前記半導体素子の側端からの距離が近いほど広く形成されることを特徴としている。
また、本発明の応力緩衝部材は、上記応力緩衝部材において、前記溝には、前記応力緩衝部材より熱伝導が高い材料からなる充填材が充填されることを特徴としている。
以上の発明によれば、半導体モジュールの信頼性の向上に貢献することができる。
本発明の実施形態1に係る半導体モジュールの概略断面図である。 (a)本発明の実施形態1に係る半導体モジュールの要部拡大断面図、(b)本発明の実施形態1に係る応力緩衝部材の半導体素子が設けられる面の上面図である。 本発明の実施形態1に係る応力緩衝部材を用いた場合の半導体素子と応力緩衝部材との接触面(断面図)での応力の値を示す図である。 半導体素子と応力緩衝部材との接触面にかかる応力分布を示す図(ANSYSによる構造解析結果)であり、(a)従来技術に係る応力緩衝部材を用いた場合、(b)本発明の実施形態1に係る応力緩衝部材を用いた場合の図である。 (a)本発明の実施形態2に係る半導体モジュールの要部拡大断面図、(b)本発明の実施形態2に係る応力緩衝板の半導体素子が設けられる面の上面図である。 (a)本発明の実施形態3に係る半導体モジュールの要部拡大断面図、(b)本発明の実施形態3に係る応力緩衝板の半導体素子が設けられる面の上面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る半導体モジュール及び本発明の実施形態に係る応力緩衝部材について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1は、半導体素子2と、この半導体素子2の電極層(図示省略)と接続されるコンタクト材3、3(応力緩衝部材)と、半導体素子2の電極層と電気的に接続される電極端子4、4とを備える。
半導体素子2は、例えば、IGBTやMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)等の絶縁ゲート型の半導体素子2やフリーホイールダイオード(FWD)等の半導体素子2が挙げられる。例えば、半導体素子2をIGBT素子として説明すると、半導体素子2には、図示省略するが、上面にエミッタ、ゲート(制御電極)が形成され、底面にコレクタが形成される。半導体素子2のエミッタ、コレクタ(以後、電極層とする)には、コンタクト材3を介して電極端子4が電気的に接続される。なお、実施形態の説明では、便宜上、上面及び底面とするが上下方向は、本発明をなんら限定するものではない。また、ゲート(制御電極)と制御回路との接続については、従来の接続方法を用いればよいので図示省略する。
コンタクト材3は、例えば、平板状であり、熱伝導率ができるだけ高く(例えば、熱伝導率100W/mK以上)、熱膨張係数はできるだけ半導体素子2に近い材料(例えば10ppm/℃以下)を適宜選択して用いる。コンタクト材3としては、熱膨張係数が5ppm/℃程度であるモリブデン(Mo)やタングステン(W)、若しくはそのいずれかの成分と銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を含む合金を例示することができる。なお、コンタクト材3の材質は、これらに限定するものではなく、一般的に半導体モジュールのコンタクト材として用いられる銅合金等を適宜選択して用いる。
コンタクト材3を構成する低熱膨張材料は、一般的にヤング率が大きい(300GPa以上)。コンタクト材3を構成する材料がヤング率の大きい材料であった場合、コンタクト材3と半導体素子2との接触面において、応力が蓄積しやすい。特に、半導体素子2周辺部やコンタクト材3周辺部に応力が集中しやすい。そこで、図2に示すように、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1では、半導体素子2と接するコンタクト材3の表面に溝3a〜3dを形成した。
図2(a)に示すように、コンタクト材3の半導体素子2(すなわち、半導体素子2の電極層2a)と接する面に形成される溝3a〜3cは、半導体素子2の角部2b(周辺部)からの距離が近い位置に形成される溝ほど深い溝が形成される。例えば、コンタクト材3の表面には、図2(b)に示すように、半導体素子2の外周に沿うように形成された複数の溝3a〜3dが同心状に形成される。つまり、コンタクト材3の主面であって半導体素子2が設けられる面には、半導体素子2の外周に沿った溝3a〜3dが2重以上形成される。なお、コンタクト材3の半導体素子2と接する面に形成される溝3a〜3cの幅を、半導体素子2の角部2bの近傍に形成される溝ほど広くしてもよい。
コンタクト材3の主面に形成される溝3a〜3dの上面からみた形状は、上記実施形態のように半導体素子2の外周形状に沿って形成する形態に限定されるものではなく、円、楕円、矩形、コンタクト材3の外周形状に沿って形成する等適宜選択して形成すればよい。また、溝3a〜3dの断面形状も図2(a)に例示した矩形に限定されるものではく、三角形状、半楕円状でもよい。また、溝3a〜3dの配置形態も特に限定するものではなく、適宜半導体素子2の角部2bにかかる応力が低減するように配置すればよい。コンタクト材3の半導体素子2が接触する面の中心点に対して対称となるように溝3a〜3dを形成すると、コンタクト材3が半導体素子2を押圧する圧力が略均一になる。
さらに、コンタクト材3の半導体素子2が設けられる面であって、半導体素子2と接触しない面に溝3dを形成してもよい。このような溝3dを設ける場合は、溝の幅、溝の深さ等は、コンタクト材3の中心部付近に形成された溝3a〜3cと比較して、溝の幅や深さは、小さく形成してもよい。つまり、コンタクト材3の半導体素子2と接している面に形成された溝3a〜3cにおいて、半導体素子2の角部2bからの距離が最も近い位置に形成された溝3aの溝幅若しくは、溝の深さが最大となるように溝を形成する。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1は、コンタクト材3、3を介して1対の電極端子4、4が半導体素子2を挟持し、この半導体素子2を挟持した電極端子4、4が、絶縁材5、5を介してケース6、6に収納されることにより構成される。ケース6は、コンタクト材3及び電極端子4を半導体素子2方向に押圧するように備えられる。そして、電極端子4(及び、コンタクト材3)が半導体素子2を押圧する力が所定の圧力となるように、ケース6、6間にばね7、7等の弾性部材が設けられる。なお、ケース6はヒートシンクを兼ねる場合があり、その場合には、半導体素子2で発生した熱はコンタクト材3及び電極端子4を介してケース6により放熱される。
図1に示した半導体モジュール1は、押圧により半導体素子2と電極端子4とを電気的に接続する半導体モジュール1の一般的な構造を例示したものである。よって、本発明の半導体モジュール1の圧接方法は、この圧接方法に限定するものではなく、周知の方法を適宜選択して用いればよい。そして、電極端子4についても、一般的に半導体モジュールに設けられる電極端子を適宜選択して用いればよい。また、コンタクト材3と電極端子4が一体に形成された形態としてもよい。
本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1は、コンタクト材3が半導体素子2を押圧して備えられているので、この押圧により半導体素子2に応力がかかる。そこで、半導体素子2にかかる応力を、図3、図4に例示する。
図3に示すように、半導体素子2において、半導体素子2の角部2b(チップエッジ)に応力が集中する傾向がある。コンタクト材3に溝を形成しない場合(図3の(1)に示す)と比較して、コンタクト材3の半導体素子2と接触する面に半導体素子2の外周に沿うような溝を1周形成した場合(図3の(2)に示す)、半導体素子2の角部2bにかかる応力が低減されている。さらに、コンタクト材3の半導体素子2と接触する面に半導体素子2の外周に沿うような溝を2周形成した場合(図3の(3)に示す)、図3の(2)で示した場合と比較してさらに半導体素子2の角部2bにかかる応力が低下されていることがわかる。同様に、図4から明らかであるように、コンタクト材3に、図2に例示した溝3a〜3dを形成することで(図4の(b)に示す)、コンタクト材に溝を形成しない場合(図4の(a)に示す)と比較して、半導体素子2の角部2bにかかる応力が緩和される。特に、コンタクト材に溝を形成しない場合において、半導体素子2の4隅にみられる応力集中部が、コンタクト材3に溝3a〜3dを形成することで消失している。
以上のように、本発明の実施形態1に係るコンタクト材3によれば、半導体素子2の角部2bに集中する応力を緩和することができる。このコンタクト材3は半導体素子2と接触する範囲において、コンタクト材2の外周側ほどコンタクト材3の代表的な径(肉厚)が薄くなるように溝3a〜3cの深さが形成されている。その結果、コンタクト材3は、コンタクト材3にかかる一定の力に対し変形しやすくなる。また、コンタクト材3に溝3a〜3cを設けることで、半導体素子2の最外周近傍の位置において、半導体素子2とコンタクト材3との接触領域を制限し、両者の界面に係る応力を低減することができる。また、コンタクト材3の半導体素子2と接する面に形成される溝3a〜3cの幅を、半導体素子2の角部2bからの距離が近い溝ほど広く形成することで、コンタクト材3の外周側にいくほどコンタクト材3と半導体素子2の水平方向の連続した接触距離が短くなる。その結果、コンタクト材3の実効的なヤング率が低下するので、半導体素子2の中央部と比較して半導体素子2の角部2bに集中しやすい応力を緩和することができる。
半導体素子2の角部2bを除き、半導体素子2にかかる半導体素子2の主面に対して水平方向の応力は、コンタクト材3と半導体素子2の熱膨張係数の差に比例する。本発明の実施形態1に係るコンタクト材3は、コンタクト材3の材質を変化させることなく実効的なヤング率を低減している。よって、コンタクト材3と半導体素子2の接触面での応力(接触面と水平方向の応力)は、従来のように低減させることができ、さらに、実効的なヤング率を低減させることでコンタクト材3が圧接方向の応力を緩和する役目を担う。その結果、半導体素子2にかかる応力をさらに低減することができる。
また、コンタクト材3に溝3a〜3dを形成することで、コンタクト材3において、コンタクト材3の主面と平行方向の熱の伝導を抑制し、コンタクト材3の厚み方向に熱が伝わるようになる。さらに、コンタクト材3において、半導体素子2の中央部近傍と接するコンタクト材3に溝を形成しないため、コンタクト材3中央部ではコンタクト材3の厚み方向において高い放熱性を維 持できる。半導体素子2の周辺部は、放電や電流集中が起きないよう、またスイッチングデバイスではゲート端子を取り出すための領域が半導体素子2の周辺部にあるため、半導体素子2においては、通電領域は半導体素子2の中央部側が主となるように設計されている。よって、半導体素子2中央側の温度が周辺と比較して上がり易い。ゆえに、コンタクト材3の構造を、コンタクト材3の厚み方向に熱伝導するような構造とすることで、半導体素子2の放熱を効率よく行うことが可能となる。
なお、本発明の実施形態1に係るコンタクト材3は、コンタクト材3の半導体素子2が設けられる面に溝3a〜3dを形成する加工を行うだけなので、製造に大幅な手間がかからない。さらに、コンタクト材3に溝3a〜3dを形成することで、コンタクト材3の材料費を低減することができる。なお、コンタクト材3にモリブデンやタングステン等の硬い材料を用いず、安価で加工しやすい材料を用い、半導体素子2周辺部と接触するコンタクト材3の表面に溝形成加工を行うと、さらに製造の手間がかからず、材料コストを低減させることができる。
以上のように、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1によれば、コンタクト材3を備えることで、半導体素子2とコンタクト材3との界面において、半導体素子の角部2b近傍にかかる応力を軽減することができる。その結果、半導体モジュール1の放熱性を落とすことなく半導体素子2にかかる応力を略均一にで き、半導体モジュール1の信頼性を向上させることができる。つまり、 圧接型半導体モジュール1を構成する部材の点数を増やすことなく、圧接型半導体モジュール1の放熱性及び信頼性を向上(部材間の応力緩和)させることができる。
圧接により半導体素子や電極端子等を接続する半導体モジュールは、はんだを使わないため放熱性が低下するおそれがあるが、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1によれば、放熱性を高く維持するために部材間の接触圧力を一定圧力(例えば、1MPa)以上としても、半導体素子2にかかる応力を略均一にすることができる。
また、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1によれば、半導体素子2表裏面において適切な接触圧を維持することができるので、半導体素子2への圧接力が過大になることを防止し、コンタクト材3が半導体素子2表面に蒸着等により膜付けされたアルミニウム等の電極層2a表面を傷つけることを防止する。
また、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1において、コンタクト材3を半導体素子2を構成する材料の熱膨張係数と近い材質のものを用いると、熱膨張係数の異なる部材間の接触領域での(せん断)応力の蓄積を防止する。さらに、コンタクト材3がクリープ(上下面の部材の反り、部材間の界面に発生する応力を緩和する)材料として作用することで、部材間における接触面の上下の反り(歪み)量が異なる場合においても、部材間の接触状態の変化を緩和することができる。
なお、半導体素子2を挟み込むコンタクト材3の大きさは、大きいほど半導体モジュール1の放熱性が向上するので大きい設計とした方がよい。一方で、コンタクト材3の大きさが半導体素子2の大きさに比べて大きい場合、半導体素子2の角部2bに強い応力がかかる。本発明の実施形態1に係るコンタクト材3は、半導体素子2の角部2bにかかる応力を低減できるので、コンタクト材3を大きく設計することができる。その結果、半導体モジュール1の放熱性が向上し、半導体モジュール1の動作信頼性が向上する。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る半導体モジュールについて図5を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態2に係る半導体モジュール10は、半導体モジュール10に備えられるコンタクト材8(応力緩衝部材)が異なること以外は、図1で示した実施形態1に係る半導体モジュール1と同じである。よって、実施形態2に係る半導体モジュール10については、コンタクト材8についてのみ詳細に説明する。なお、その他の構成については、図1を例示して説明した実施形態1に係る半導体モジュール1と同じであるので図示省略する。
図5に示すように、本発明の実施形態2に係る半導体モジュール10に備えられるコンタクト材8は、コンタクト材本体8eの半導体素子2が設けられる面に溝8a〜8dが形成され、この溝8a〜8dにコンタクト材本体8eを構成する材料より熱伝導が大きい充填材9が充填される。
コンタクト材本体8eは、例えば、実施形態1で説明したコンタクト材3と同様のものを用いる。なお、コンタクト材本体8eに形成される溝8a〜8dは、図5に示した例に限定されるものではなく、適宜コンタクト材8の放熱性と半導体素子2にかかる応力を考慮して各々の溝8a〜8dの深さを決める。つまり、溝8a〜8dの深さが深い方が、コンタクト材8の厚み方向の放熱性が向上するので、コンタクト材8の中心部付近に形成される溝8cを深く形成し、この溝8cに熱伝導性の高い充填材9を充填することで、厚み方向の放熱性をより向上させることができる。一方で、実施形態1で述べたように、半導体素子2の端部2bにかかる応力を低減するためには、半導体素子2の角部2bに形成される溝8aほど深く形成することが求められる。よって、コンタクト材8の厚み方向の放熱性と、半導体素子2の角部2bにかかる応力とのバランスを考えて、コンタクト材8の溝8a〜8dの深さを決める。
充填材9は、コンタクト材本体8eに形成された溝8a〜8dに充填される。充填材9は、コンタクト材8を構成する材料より熱伝導が大きい材料から構成される。例えば、グラファイトシートが挙げられる。
グラファイトシートは、低熱膨張、高熱伝導、低ヤング率のシート材であり、近年、はんだを用いるタイプの半導体モジュールにおいて、このグラファイトシートをはんだの代わりの応力(変位)緩和層として用いる試みが行われている。しかしながら、圧接により半導体素子の電極層と電極端子とを電気的に接続する半導体モジュールにおいては、半導体素子を均等に圧接するため、または、半導体素子の温度を必要以上に高くしないために、半導体モジュール内で用いる部材点数は(特に圧接方向に)できるだけ減らした方がよい。つまり、半導体モジュールを構成する部材間の界面の数が多いほど、界面での接触(熱、電気)抵抗など、信頼性を損なう可能性がある要因が増大してしまう。
実施形態2に係る半導体モジュール10では、 肉厚1mm程度以下で柔軟性を有するグラファイトシート9を用いた例を示して説明する。
実施形態2に係るコンタクト材8は、図5に示すように、コンタクト材本体8eに、半導体素子2の外周形状に沿って溝8a〜8dが形成される。そして、この溝8a〜8dの形状、幅に合わせて形成されたグラファイトシート9が嵌挿される。特に、グラファイトシート9の平面方向がコンタクト材8の溝8a〜8d深さ方向となるように、グラファイトシート9が溝8a〜8dに嵌挿される。すなわち、グラファイトシート9の厚み方向が溝8a〜8dの幅方向となるように、グラファイトシート9が溝8a〜8dに嵌挿される。グラファイトシート9は、層状の化合物であるグラファイトから構成される。そこで、本発明の実施形態の説明では、グラファイト層の積層方向を厚み方向、グラファイト層の層に対して平行な方向を平面方向とする。
グラファイトシート9は、平面方向の熱伝導率が厚み方向に比べて2桁程度熱伝導率が高いことが知られている(代表的な熱伝導率は、グラファイトシート9の場合、平面方向:400W/mK、厚み方向:4W/mK)。そこで、グラファイトシート9の平面方向がコンタクト材本体8eに形成された溝8a〜8dの深さ方向と略平行となるようにグラファイトシート9を溝8a〜8dに充填する。その結果、半導体素子2が発する熱をコンタクト材8の厚み方向に放熱する能力を高めることができる。なお、グラファイトシート9の平面方向における電気抵抗は金属並に低いので(例えば、電気抵抗率:10-5Ωm以下)、ジュール熱の低減にも寄与しうる。また、グラファイトシート9及びコンタクト材本体8eは、温度上昇と共に熱膨張するため、両部材が高温になればなるほど、熱膨張により、グラファイトシート9とコンタクト材本体8eとの接触がよくなりコンタクト材8の放熱性が向上する。すなわち、半導体モジュール10の内部温度が上昇するほど、コンタクト材8の放熱性が向上する。
[実施例]
実施形態2に係るコンタクト材8の具体的な実施例を示す。図5に示すように、Mo製のコンタクト材本体8eに半導体素子2の外周形状に沿った溝8a〜8dを形成し、この溝8a〜8dにグラファイトシート9を嵌挿して、コンタクト材8を構成した。溝8a〜8dの深さは、半導体素子2と接触する面の最外周に形成される溝8aの深さを3mmとし、半導体素子2と接触する面の最内周に形成される溝8cの深さを1mm、その他の溝8b、8dの深さを2mmとした。そして、それぞれの溝8a〜8dの幅は1mmとし、それぞれの溝8a〜8dに厚さ1mmのグラファイトシート9を嵌挿した。
上記構成からなるコンタクト材8の熱抵抗を測定すると、Mo製のコンタクト材本体に同様の溝を形成し、グラファイトシートを嵌挿しない場合と比較して、コンタクト材の上下面間の熱抵抗が30%低下した。
以上のように、本発明の実施形態2に係るコンタクト材8によれば、実施形態1のコンタクト材3の効果に加えて、コンタクト材8の厚み方向の放熱性を向上させることができる。よって、本発明の実施形態2に係るコンタクト材8を備えた半導体モジュール10の放熱性が向上する。
なお、コンタクト材本体8eに形成された溝8a〜8dすべてに充填材9を充填する必要はないが、すべての溝8a〜8dに充填材9を充填すれば、コンタクト材8の厚み方向に対して高い放熱性を得ることができる。なお、半導体素子2の外周部と接するコンタクト材8の表面近傍に、半導体素子2の外周に沿って溝8aを形成し、この溝8aにヤング率の低い充填材9を充填することで、充填材9が半導体素子2の押圧方向にかかる応力を緩和する役目を担い、半導体素子2にかかる応力を低下させることができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る半導体モジュールについて図6を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態3に係る半導体モジュール11は、半導体モジュール11に半導体素子2を挟装して備えられる1対のコンタクト材8、8(応力緩衝部材)間に絶縁部材12を設けること以外は、実施形態2に係る半導体モジュール10と同様である。よって、実施形態3に係る半導体モジュール11については、絶縁部材12が設けられる部分のみ詳細に説明し、実施形態2と同様のものについては同じ符号を付しその詳細な説明は省略する。また、半導体モジュール11のその他の構成については、図1を例示して説明した実施形態1に係る半導体モジュール1と同じであるので図示省略する。なお、実施形態3に係る半導体モジュール11の他例として、実施形態1に係る半導体モジュール1において、1対のコンタクト材3、3間に絶縁部材12を設ける形態としてもよい。
図6に示すように、本発明の実施形態3に係る半導体モジュール11には、1対のコンタクト材8、8が半導体素子2を挟装した状態で備えられる。
コンタクト材8は、半導体素子2の外周形状に沿って溝8a〜8dが形成されたコンタクト材本体8eと、この溝8a〜8dのうち半導体素子2と接触する面に形成された溝8a〜8cに充填されたグラファイトシート9(充填材)より構成される。
半導体素子2が設けられるコンタクト材8の主面であって半導体素子2と接していない面に形成される溝8dは、各コンタクト材8、8に対して対となるように設けられる。そして、それぞれの溝8d、8dに半導体素子2を囲むように板状の絶縁部材12を嵌入することで、コンタクト材8、8間に絶縁部材12が設けられる。
絶縁部材12は、例えば、溝8d、8dと嵌合する嵌合部が形成された板状の部材である。 この絶縁部材12として、高熱伝導性(例えば、熱伝導率:20W/mK以上)であり、高絶縁性(例えば、抵抗率:1013Ωcm以上)の部材を用いると、コンタクト材8、8間の絶縁性を維持するとともに半導体素子2の放熱性が向上する。絶縁部材12としては、例えば、 窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、あるいは酸化アルミニウム(Al23)粒子等を含有し、こ れらを焼結して得られるシート状の絶縁部材12が挙げられる。なお、絶縁部材12の形状は、実施形態に限定するものではなく、筒状、棒状等、コンタクト材8、8間に設けることができるものであればその形状は特に限定されるものではない。
[実施例]
本発明の実施形態3に係る半導体モジュール11の具体的な実施例を示す。図6に示すように、半導体素子2(Si製 サイズ7×7mm)の周囲から1mm離れた位置に半導体素子2を囲むように肉厚2mmの酸化アルミニウム(Al23)製の絶縁部材12を配置した。コンタクト材8及び充填材9の形状等は、図5を参照して説明した実施形態2の半導体モジュール10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
このようにコンタクト材8、8間に絶縁部材12を配置することで、実施形態2の半導体モジュール10と比較して、半導体モジュール11の熱抵抗がさらに10%低減した。
以上のように、本発明の実施形態3に係る半導体モジュール11によれば、コンタクト材8、8の間に高熱伝導性の絶縁部材12を設けることで、実施形態1または実施形態2に係る半導体モジュール1、10の効果に加えて、さらに放熱性が向上する。また、各々のコンタクト材8、8に形成された溝8d、8dに絶縁部材12を設けることで、各コンタクト材8、8の相互の位置関係が固定されるため、半導体素子2の圧接方向と垂直な方向に過大な力が作用した場合でも、半導体モジュール11内でコンタクト材8の位置が変化する(滑り移動する)ことが防止される。
さらに、半導体素子2の近傍若しくは半導体素子2と接するように絶縁部材12を設けると、絶縁部材12が半導体素子2の外部ガイドとなり、半導体素子2の圧接方向と垂直な方向に過大な力が作用した場合でも、半導体素子2の位置が変化する(滑り移動する)ことが防止される。
なお、この絶縁部材12を多数配置することで、半導体素子2にかかる圧接方向の応力の一部をこの絶縁部材12が受け止め緩和することができ、半導体素子2の角部2bにかかる応力を軽減することができる。その結果、半導体素子2にかかる応力を均―化することができる。
以上のように、本発明のコンタクト材及び半導体モジュールによれば、半導体素子にかかる応力を略均一化できる。また、コンタクト材の放熱性を向上させることができる。その結果、半導体モジュールの動作信頼性(温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性)が向上する。特に、SiCやGaNのようなワイドバンドギャップ半導体素子のように高温での動作が期待される半導体素子を本発明に係る半導体モジュールに適用すると、温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性が向上し、半導体モジュールの長寿命化を図ることができる。
1、10、11…半導体モジュール
2…半導体素子
2a…電極層
2b…角部
3、8…コンタクト材(応力緩衝部材)
3a〜3d、8a〜8d…溝
4…電極端子
8e…コンタクト材本体
9…グラファイトシート(充填材)
12…絶縁部材

Claims (8)

  1. 半導体素子と、
    当該半導体素子に圧接により設けられる応力緩衝部材と、を備える半導体モジュールであって、
    前記応力緩衝部材の主面であって、前記半導体素子と接触する面には複数の溝が形成され、
    前記複数の溝は、前記半導体素子の側端からの距離が近い溝ほど深く形成される
    ことを特徴とする半導体モジュール。
  2. 半導体素子と、
    当該半導体素子に圧接により設けられる応力緩衝部材と、を備える半導体モジュールであって、
    前記応力緩衝部材の主面であって、前記半導体素子と接触する面には複数の溝が形成され、
    前記複数の溝の幅は、前記半導体素子の側端からの距離が近い溝ほど広く形成される
    ことを特徴とする半導体モジュール。
  3. 前記溝には、前記応力緩衝部材より熱伝導が高い材料からなる充填材が充填される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体モジュール。
  4. 前記充填材の熱伝導率は、20W/mK以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体モジュール。
  5. 前記充填材は、グラファイトシートであり、
    前記グラファイトシートのグラファイト層と前記溝とが略平行になるように前記グラファイトシートが前記溝に嵌入される
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体モジュール。
  6. 前記溝は、前記半導体素子の外周形状に沿って形成される溝が同心状に複数形成される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体モジュール。
  7. 前記半導体素子を挟装するように、前記応力緩衝部材を1対設け、
    前記応力緩衝部材の前記半導体素子が設けられる面は、当該応力緩衝部材と前記半導体素子との接触面よりも大きく、
    前記1対の応力緩衝部材の前記半導体素子が設けられる面であって、前記半導体素子と接触していない面には溝が形成され、
    前記1対の応力緩衝部材の前記半導体素子と接触していない面に形成されたそれぞれの溝に絶縁部材を嵌挿して、前記絶縁部材を前記応力緩衝部材間に設ける
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体モジュール。
  8. 前記絶縁部材は、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウムを含有する焼結体である
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体モジュール。
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