JP5724103B2 - 誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法 - Google Patents
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Description
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償手段と、
前記制御信号を前記直列補償手段に供給する制御手段と、
前記直列補償手段から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定して、特定された当該基本波成分の量が所定値へと収束するように前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償手段に供給する制御信号供給手段と、を備える。
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償部と、前記直列補償部から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御装置であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定して、特定された当該基本波成分の量が所定値へと収束するように前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給手段と、を備える。
外部の交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部の誘導電動機へと印加する直列補償部と、前記直列補償部から前記誘導電動機へと印加される負荷電圧の量を検出し、検出した当該負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御方法であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す負荷電圧の基本波成分の量を特定して、特定された当該基本波成分の量が所定値へと収束するように前記タイミングを決定するタイミング決定ステップと、
前記制御信号を、前記タイミング決定ステップで決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給ステップと、より構成されている。
本発明の第1の実施の形態に係る誘導電動機駆動装置10は、図1に示すように、3個のMERS(磁気エネルギー回生スイッチ:Magnetic Energy Recovery Switch)100u、100v及び100wと、電圧検出部VMと、制御部200とから構成されている。
このような接続関係をとる結果、各逆導通型半導体スイッチはいずれも、スイッチ部のドレインからソースに向かう方向(順方向)に流れる電流を、当該スイッチ部のゲートに印加される信号の値に応じてオン/オフする。一方、当該スイッチ部のソースからドレインに向かう方向(逆方向)の電流については、逆方向導通部がこの電流のバイパスを確保する結果、常にオン状態を保つ。
MERS100vの交流入力端子AC1は、交流電源VSの極Vに接続され、MERS100vの交流出力端子AC2は、誘導電動機Mの極vに接続される。MERS100wの交流入力端子AC1は、交流電源VSの極Wに接続され、MERS100wの交流出力端子AC2は、誘導電動機Mの極wに接続される。
同様に、本明細書及び図面では、MERS100vを構成する要素に付された参照符号については、末尾に更に「v」を付した表記も行う場合があるものとし、MERS100wを構成する要素に付された参照符号については、末尾に更に「w」を付した表記も行う場合があるものとする。
なお、数式1及び後述の数式2において、Vuv(t)、Vvw(t)及びVwu(t)は、それぞれ、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuを時刻tのベクトル関数として表記したものであり、ωは交流電源VSが出力する三相交流電圧の角周波数であり、Tは当該三相交流電圧の周期すなわち(2π/ω)である。なお、jは虚数単位である。
なお、「ある電圧とその基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の、ある期間全域内での実効値」とは、具体的には、当該電圧及び当該単位ベクトルの両者を複素表現した場合における、両者の実部の係数同士の積を当該期間全域で定積分した値と、両者の虚部の係数同士の積を当該期間全域で定積分した値との幾何平均をいう。また、「1周期前」とは、(t−2T)から時刻(t−T)までの1周期分の期間を指す。
(a) 比例積分制御部PIは、値Verrを表す最新のデータを供給されるたびにこのデータを取得して記憶し、当該最新のデータを含め直近の過去の所定回数にわたって供給された値Verrを表すデータも、引き続き記憶する。また、θsetの最新の値を決定し、当該値を示すデータを生成するたびに、このデータも記憶する。ただし、θsetの値がまだ1個も決定されていない間は、たとえばθsetの所定の初期値(初期位相)を示すデータを記憶する。
(b) 一方、比例積分制御部PIは、値Verrを表す最新データを供給されるたびに、当該最新のデータを参照し、当該最新のデータが示す値Verrに所定の第1の比例係数を乗じたものに相当する値(第1の値)を求める。また、記憶している過去の所定回数分の値Verrを表す各データを参照し、これらのデータの値に基づいて、値Verrを直近の所定期間積分して所定の第2の比例定数を乗じたものに相当する値(第2の値)を求める。値Verrを積分する所定期間は、たとえば、値Verrを表すデータとして記憶している最も古いデータの生成に用いられた電圧Vloadの値が測定された時点から、最新のデータの生成に用いられた電圧Vloadの値が測定された時点までの期間であればよい。
(c) そして、比例積分制御部PIは、過去最新のθsetの値を示すデータとして記憶しているデータを参照し、このデータの値、上述の第1及び第2の値の三者を互いに加算し、得られた値を最新のθsetの値として決定する。(そして上述した通り、決定したこの新たなθsetの値を示すデータを生成して記憶する。)
次に、上記構成の誘導電動機駆動装置10の動作を説明する。
まず、制御部200により制御されるMERS100uが交流電源VSの極Uから誘導電動機Mへと交流電圧を供給する動作は、たとえば上記特許文献の段落0055〜0066に記載されている、MERSが交流電源からモータへと電圧を供給する動作と実質的に同一である。
このようなゲート信号により制御部200は、(i)まずペアP1がONしてペアP2がOFFする動作と、(ii)極Uの電圧が負に転じてからペアP1がOFFしてペアP2がONする動作と、を併せて1サイクルとして、このサイクルを極Uの電圧の周期と実質的に等しい周期でMERS100uに繰り返し行わせる。
制御部200は、このゼロクロスポイントを検出するため、たとえば、極Uの相電圧の極性を検出して検出結果を示す信号を生成する公知の電気回路を備えていればよい。具体的には、たとえば制御部200は単に極Uに接続されていればよく、あるいは極Uの相電圧を図示しない分圧抵抗等により分圧して得られる電圧を、極性の検出結果を示す信号として扱うこととしてもよい。
一方、ペアP1がOFFしてペアP2がONすることにより、コンデンサCMの正極は極Uに電気的に接続され、負極は極Uから電気的に切り離され、極uに電気的に接続される。この結果、交流電源VSとコンデンサCMとは、極Uに接続されるコンデンサCMの極が上記第1の向きの直列回路とは異なる第2の直列回路を形成することになる。このとき極uには、極Uの相電圧と、コンデンサCMの正極に対する負極の電圧との和に相当する電圧が印加される。
そして、コンデンサCMの両端間に発生する電圧は、極Uの相電圧に対してθsetだけ変動したものとなるから、交流電源VSとコンデンサCMとの直列回路の両端間に発生する電圧は、交流電源VSの電圧に位相補償が加えられたものに相当するということができる。
(A) 交流電源VSの極V及び極Wの位相は、極Uの相電圧の位相に対しそれぞれ(2π/3)ラジアン及び(4π/3)ラジアン遅れている。
(B) ゲート信号SGG1v,SGG2v,SGG3v及びSGG4vは、それぞれゲート信号SGG1u,SGG2u,SGG3u及びSGG4uの位相を(2π/3)ラジアン遅らせたものとなる。また、ゲート信号SGG1w,SGG2w,SGG3w及びSGG4wは、それぞれゲート信号SGG1u,SGG2u,SGG3u及びSGG4uの位相を(4π/3)ラジアン遅らせたものとなる。
(C) 交流電源VSとMERS100vとの間に流れる電流は、極V及び交流入力端子AC1vを介して流れ、誘導電動機MとMERS100vとの間に流れる電流は、交流出力端子AC2v及び極vを介して流れる。同様に、交流電源VSとMERS100wとの間に流れる電流は、極W及び交流入力端子AC1wを介して流れ、誘導電動機MとMERS100wとの間に流れる電流は、交流出力端子AC2w及び極wを介して流れる。
なお、図4は、誘導電動機Mの回転速度の目標値が1800[min−1]である場合の負荷電流、負荷電圧、負荷電圧の基本波成分、回転速度及びゲート位相角の推移を図示するものである。図4からは、起動時からの経過時間が10秒程度たった後、回転速度の増加が頭打ちとなって上記目標値に達しなくなっていることが分かる。
すなわち、まず、負荷電圧の各成分のうち誘導電動機Mの正常な回転に寄与するのは基本波成分であるといえる。一方、負荷電圧の各成分のうちMERS100u,100v及び100wのゲート位相角を変化させることにより制御できるのもまた基本波成分であると考えられる。このため、MERS100u,100v及び100wのゲート位相角を制御する制御部200が、負荷電圧ないし負荷電流の総量を制御対象としてこの総量を所定量に収束させるようにゲート位相角を決定したとしても、MERS100u,100v及び100wが供給する負荷電圧ないし負荷電流の基本波成分は、必ずしも所定量に収束するような値とならない(すなわち、当該基本波成分の量とこの所定量との差が0に収束しない)。このことは、たとえば図4に示す負荷電圧の推移において、起動時から14秒程度経過した時点で負荷電圧の総量に対する高調波成分の比率が高まり、負荷電圧の基本波成分の量が低下していることからもうかがえる通りである。この現象が、誘導電動機Mの正常な起動を妨げる原因と考えられるのである。
図5から分かるように、負荷電圧の基本波成分の量は起動時よりほぼ一定となり、誘導電動機Mの回転速度は、起動から4秒程度で目標値に達している。このことから、負荷電圧の基本波成分を十分な所定量に収束させれば誘導電動機Mの正常な起動が確保される、という関係の存在が推察される。
たとえば、交流電源VS及び誘導電動機Mの相の数は3より多くてもよい。交流電源VSがp相交流電源からなり(pは3以上の整数)、誘導電動機Mがp相誘導電動機からなる場合、誘導電動機起動装置10は、それぞれMERS100uと実質的に同一の構成を有するp個のMERSを備えていればよい。この場合、これらp個のMERSの計p個の交流入力端子AC1は、交流電源VSのp個の極に1対1に接続されればよい。そして、計p個の交流出力端子AC2は、誘導電動機Mのp個の極に1対1に接続されればよい。
そして、たとえば交流電源VSのq番目の極(qはp以下の自然数)の相電圧の位相が、1番目の極の相電圧に対して{2π(q−1)/p}ラジアン遅れているとすれば、制御部200は、交流電源VSの1番目の極に接続されたMERSのスイッチ部S1,S2,S3及びS4に供給するゲート信号の位相をそれぞれ{2π(q−1)/p}ラジアン遅らせたものを、交流電源VSのq番目の極に接続されたMERSのスイッチ部S1,S2,S3及びS4に供給するものとすればよい。
上述の第1の実施の形態では、制御部200は、誘導電動機Mの各極の相電圧の基本波成分の実効値の平均に相当する値Vrmsを特定するため、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuのそれぞれにつき、1周期前の基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の実効値を1周期にわたって求め、これら3個の実効値の算術平均をとっていた。しかし、制御部200は、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuのそれぞれにつき、3分の1周期前の基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の実効値を3分の1周期にわたって求め、これら3個の実効値の算術平均をとることにより値Vrmsを特定してもよい。
この場合、制御部200は、具体的には、例えば、以下に示す数式2の右辺を計算する処理を実行することによってVrmsの値を特定すればよい。
そして、第2の実施の形態の誘導電動機駆動装置によれば、第1の実施の形態の誘導電動機制御装置10により誘導電動機Mを起動した場合になお生じ得る弊害が抑制される。
なお、図6は、誘導電動機Mの回転速度の目標値が1500[min−1]である場合の負荷電流、負荷電圧、負荷電圧の基本波成分、回転速度及びゲート位相角の推移を図示するものである。図6に示す例では、起動時からの経過時間が3秒〜5秒程度の期間で負荷電流が振動している。
図7から分かるように、負荷電圧の基本波成分の量は起動時よりほぼ一定となるのに加え、負荷電流は図5に示すものに比べて振動が抑制されている。また、誘導電動機Mの回転速度は、起動から4秒程度で目標値に達している。また、目標値Vsetとして、第1の実施の形態においてVrmsの値を収束させることが可能な最低値より低い値を用いても、誘導電動機Mを正常に起動することができる。
また、制御部200は、線間電圧Vuv、Vvw及びVwuの各値に基づいて、仮想の(3・2n)相交流における各相電圧に相当する(3・2n)個の値を生成し(ただしnはゼロを含む任意の自然数)、生成したこれらの値のそれぞれにつき、{1/(3・2n)}周期にわたって上述の内積の実効値を計(3・2n)個求め、これらの実効値の算術平均をとることにより値Vrmsを特定してもよい。
仮想の(3・2k+1)相交流(kは0以上n−1以下の自然数)における各相電圧の値は、たとえば、(3・2k)相交流における各相電圧の値に基づいて生成できる。また、三相交流における各線間電圧の値を用いて、当該三相交流における各相電圧の値を導くこともできる。
そして、これら(3・2k)個のベクトルにつき、座標平面上で隣り合う2個のベクトルの値同士を加算し、得られたベクトルをスカラー倍することで当該ベクトルを規格化する(すなわち、当該ベクトルの絶対値を、上述の加算に用いた各ベクトルの絶対値に等しくする)ことにより、これらのベクトルの中間に配置される(3・2k)個のベクトルを生成することができる。このようにベクトルの値を生成することで、ベクトルの総数を計(3・2k+1)個へと倍増させることができる。
そして制御部200は、生成したこれらの値のそれぞれにつき、{1/(3・2n)}周期前の基本波成分方向の単位ベクトルとの内積の実効値を計(3・2n)個求め、これらの実効値の算術平均をとることにより値Vrmsを特定すればよい。
相電圧Vw、Vv及びVuの各値を表すベクトルが図8に示すベクトルv1,v5及びv9であるとすると、まず、ベクトルv1及びv5を用いてベクトルv3を、ベクトルv5及びv9を用いてベクトルv7を、ベクトルv9及びv1を用いてベクトルv11を、それぞれ生成することができる。
次いで、ベクトルv1及びv3を用いてベクトルv2を、ベクトルv3及びv5を用いてベクトルv4を、ベクトルv5及びv7を用いてベクトルv6を、ベクトルv7及びv9を用いてベクトルv8を、ベクトルv9及びv11を用いてベクトルv10を、ベクトルv11及びv1を用いてベクトルv12を、それぞれ生成することができる。
そして、図示するように、これら12個の相電圧の波形を、互いに共通する12分の1周期分の期間で切り出し、切り出された波形をつなぎ合わせると、1周期分の単相交流電圧に相当する波形を合成することができる。
以上から分かるように、制御部200は、三相交流における各線間電圧の値から、仮想の12相交流における各相電圧に相当する12個の値を生成することができ、生成したこれらの値のそれぞれにつき、12分の1周期にわたって上述の内積の実効値を計12個求め、これらの実効値の算術平均をとることにより、値Vrmsに相当する値を得ることができる。
たとえば、誘導電動機駆動装置10は、交流電流の量を検出可能な公知の電気回路からなる電流検出部を備えていてもよい。この場合、電流検出部は、たとえば誘導電動機Mに流れる負荷電流の量を継続的に検出し、検出した負荷電流の量を表す信号を生成して、制御部200へと継続的に供給すればよい。
一方、制御部200はたとえば、電流検出部が供給する信号をデジタル信号に変換するためのA/D(Analog-to-Digital)コンバータを備えていればよい。ただし、電流検出部が負荷電流の量を示す信号をデジタル形式で供給するものである場合、制御部200はこのA/Dコンバータを備えている必要はない。
そして、制御部200は、電流検出部が供給した信号が示す値を特定し、特定した値に基づいて、値Vsetを決定してもよい。決定の手法は任意であり、たとえば、負荷電流の量と値Vsetとの対応関係を指定するデータを含むテーブルを制御部200が記憶し、電流検出部が供給した信号が示す値を検索キーとしてこのテーブルを検索することにより決定してもよい。また、Vsetの値を負荷電流の関数として表す所定の数式を示すデータを記憶し、電流検出部が供給した信号が示す値をこのデータが示す数式に代入して得られる値を算出することにより決定してもよい。
たとえばMERS100uが縦ハーフブリッジ型MERSから構成される場合、MERS100uは、たとえば図9に示すように、2個の逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2と、整流部D3及びD4と、コンデンサCM1及びCM2とから構成されている。
図9の構成において、逆導通型半導体スイッチSW1及びSW2をそれぞれ構成するスイッチ部S1及びS2の各ゲート(順に、G1u,G2u)は、いずれも制御部200に接続されている。
また、スイッチ部S1のドレインはコンデンサCM1の一端に接続されており、スイッチ部S1のソースはスイッチS2のドレインに接続されている。スイッチS2のソースはコンデンサCM2の一端に接続されている。コンデンサCM1及びCM2の他端同士は互いに接続されて交流出力端子AC2をなしている。
一方、逆導通型半導体スイッチSW1がOFFしてSW2がONすることにより、コンデンサCM2が極Uに電気的に接続される。この結果、交流電源VSとコンデンサCM2とが直列回路を形成することになり、極uには、基準電位に対する極Uの相電圧と、コンデンサCM2の両端間の電圧との和に相当する電圧が印加される。
たとえばMERS100uが横ハーフブリッジ型MERSから構成される場合、MERS100uは、たとえば図10に示すように、2個の逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4と、コンデンサCM1及びCM2とから構成されている。
一方、図10の構成では、スイッチ部S2のドレインはコンデンサCM1の一端に接続されて交流入力端子AC1をなしており、スイッチ部S2のソースはスイッチS4のソースに接続されている。スイッチS4のドレインはコンデンサCM2の一端に接続されて交流出力端子AC2をなしている。コンデンサCM1及びCM2の各他端は、いずれもスイッチ部S2及びS4のソース同士の接続点に接続されている。
たとえばMERS100uがワンコンデンサ横ハーフブリッジ型MERSから構成される場合、MERS100uは、たとえば図11に示すように、2個の逆導通型半導体スイッチSW2及びSW4と、コンデンサCMとから構成されている。
一方、図11の構成では、スイッチ部S2のドレインはコンデンサCMの一端に接続されて交流入力端子AC1をなしており、スイッチ部S2のソースはスイッチS2のソースに接続されている。スイッチS4のドレインはコンデンサCMの他端に接続されて交流出力端子AC2をなしている。
図12の構成では、サイリスタZの電流路の一端をなす第1の主電極は交流入力端子AC1をなし、当該電流路の他端をなす第2の主電極は交流出力端子AC2をなす。サイリスタZのゲートは制御部200に接続されており、コンデンサCMはサイリスタZの電流路に並列に接続されている。
例えば、制御部200が行う上述の処理を実行させるためのプログラムを、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)あるいはその他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の制御部200を構成することができる。
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
100u,100v,100w MERS
200 制御部
VM 電圧検出部
AC1 交流入力端子
AC2 交流出力端子
SW1〜SW4 逆導通型半導体スイッチ
CM,CM1,CM2 コンデンサ
S1〜S4 スイッチ部
D1〜D4 逆方向導通部
G1〜G4 ゲート
SGG1u〜SGG4u,GG1v〜SGG4v,GG1w〜SGG4w ゲート信号
DFT 離散フーリエ変換部
LPF ローパスフィルタ
DFR 差分生成部
PI 比例積分制御部
GL ゲート論理生成部
VS 交流電源
M 誘導電動機
LD1〜LD3 誘導性負荷
L1〜L3 インダクタ
R1〜R3 抵抗
Z サイリスタ
Claims (7)
- pを3以上の整数として、外部のp相交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部のp相誘導電動機へと印加する、前記p相交流電源の各相の極に1対1に接続され、かつ、前記p相誘導電動機の各相の極に1対1に接続されるp個の直列補償手段と、
前記制御信号を前記直列補償手段に供給する制御手段と、
前記直列補償手段から前記p相誘導電動機へと印加される前記各相の負荷電圧の量を検出し、検出した当該各相の負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す前記p個の相の負荷電圧の基本波成分の実効値の平均量を特定して、特定された当該平均量が所定値へと収束するように、それぞれの前記直列補償手段につき前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償手段に供給する制御信号供給手段と、を備える、誘導電動機制御装置。 - 前記直列補償手段は、それぞれ電流路を備え、各自に供給される制御信号に応答して各自の電流路をオン及びオフするスイッチであって、各自の電流路を、オンしたとき双方向に実質的に導通させ、オフしたとき電流路の所定の一端から他端の一方向にのみ実質的に導通させる第1乃至第4のスイッチと、一端が前記第1のスイッチの電流路の前記他端及び前記第3のスイッチの電流路の前記他端に接続され、他端が前記第2のスイッチの電流路の前記一端及び前記第4のスイッチの電流路の前記一端に接続されたコンデンサと、より構成されており、前記第1のスイッチの電流路の前記一端及び前記第2のスイッチの電流路の前記他端が前記交流電源に接続され、前記第3のスイッチの電流路の前記一端及び前記第4のスイッチの電流路の前記他端が前記誘導電動機が接続されるものであり、
前記制御信号供給手段は、前記第2及び第3のスイッチの電流路をオンさせ前記第1及び第4のスイッチの電流路をオフさせる第1の前記制御信号を第1の前記タイミングで前記第1乃至第4のスイッチの各制御端に供給し、前記第2及び第3のスイッチの電流路をオフさせ前記第1及び第4のスイッチの電流路をオンさせる第2の前記制御信号を第2の前記タイミングで前記第1乃至第4のスイッチの各制御端に供給するものである、
請求項1に記載の誘導電動機制御装置。 - 前記直列補償手段は、それぞれ電流路を備え、各自に供給される制御信号に応答して各自の電流路をオン及びオフするスイッチであって、各自の電流路を、オンしたとき双方向に実質的に導通させ、オフしたとき電流路の所定の一端から他端の一方向にのみ実質的に導通させる第1及び第2のスイッチと、各自の電流路が所定の一端から他端の一方向にのみ実質的に導通する第1及び第2の整流素子と、一端が前記第1のスイッチの電流路の前記他端及び前記第1の整流素子の電流路の前記他端に接続された第1のコンデンサと、一端が前記第2のスイッチの電流路の前記一端及び前記第2の整流素子の電流路の前記一端に接続された第2のコンデンサと、より構成されており、前記第1のスイッチの電流路の前記一端及び前記第2のスイッチの電流路の前記他端が前記交流電源に接続され、前記第1の整流素子の電流路の前記一端、前記第2の整流素子の電流路の前記他端、前記第1のコンデンサの前記他端及び前記第2のコンデンサの前記他端が互いに結合されて前記誘導電動機に接続されるものであり、
前記制御信号供給手段は、前記第2のスイッチの電流路をオンさせ前記第1のスイッチの電流路をオフさせる第1の前記制御信号を第1の前記タイミングで前記第1及び第2のスイッチの各制御端に供給し、前記第2のスイッチの電流路をオフさせ前記第1のスイッチの電流路をオンさせる第2の前記制御信号を第2の前記タイミングで前記第1及び第2のスイッチの各制御端に供給するものである、
請求項1に記載の誘導電動機制御装置。 - 前記タイミング決定手段は、前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号が示す前記p個の相の負荷電圧の、実質的にp分の1周期分の区間における基本波成分の実効値の平均量を特定して、特定された当該平均量が所定値へと収束するように、それぞれの前記直列補償手段につき前記タイミングを決定する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の誘導電動機制御装置。 - 前記タイミング決定手段は、
前記負荷電圧検出手段が生成した前記信号が示す前記n個の相の負荷電圧の値に基づき、nを自然数として(p・2n)個の仮想の負荷電圧の値を特定する手段と、
特定された各該負荷電圧の、実質的に{1/(p・2n)}周期分の区間における基本波成分の実効値の平均量を特定して、特定された当該平均量が所定値へと収束するように前記タイミングを決定する手段と、を備える、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の誘導電動機制御装置。 - pを3以上の整数として、外部のp相交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部のp相誘導電動機へと印加する、前記p相交流電源の各相の極に1対1に接続され、かつ、前記p相誘導電動機の各相の極に1対1に接続されるp個の直列補償部と、前記直列補償部から前記p相誘導電動機へと印加される前記各相の負荷電圧の量を検出し、検出した当該各相の負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御装置であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す前記p個の相の負荷電圧の基本波成分の実効値の平均量を特定して、特定された当該平均量が所定値へと収束するように、それぞれの前記直列補償手段につき前記タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記制御信号を、前記タイミング決定手段が決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給手段と、を備える、
誘導電動機制御装置。 - pを3以上の整数として、外部のp相交流電源が発生する入力交流電圧を取得し、当該入力交流電圧の位相を、自己に所定の制御信号が供給されるタイミングにより定まる量変動させたものに相当する補償電圧を生成して、当該入力交流電圧と当該補償電圧との和に相当する電圧を外部のp相誘導電動機へと印加する、前記p相交流電源の各相の極に1対1に接続され、かつ、前記p相誘導電動機の各相の極に1対1に接続されるp個の直列補償部と、前記直列補償部から前記p相誘導電動機へと印加される前記各相の負荷電圧の量を検出し、検出した当該各相の負荷電圧の量を示す信号を生成する負荷電圧検出部と、からなる装置を介して前記誘導電動機を制御する誘導電動機制御方法であって、
前記負荷電圧検出部が生成した前記信号を取得し、当該信号が示す前記p相の負荷電圧の基本波成分の実効値の平均量を特定して、特定された当該平均量が所定値へと収束するように、それぞれの前記直列補償手段につき前記タイミングを決定するタイミング決定ステップと、
前記制御信号を、前記タイミング決定ステップで決定したタイミングで前記直列補償部に供給する制御信号供給ステップと、より構成されている、
誘導電動機制御方法。
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