JP5722561B2 - 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体 - Google Patents
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具体的には、数平均分子量10万の水添ブロック共重合体100質量部に、動粘度(40℃)が100mm2/sec以上である非芳香族系ゴム用軟化剤150質量部とポリプロピレン12.5質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物(特許文献1参照)、重量平均分子量25万以上の水添ブロック共重合体100質量部に、動粘度(40℃)が350〜400mm2/sec且つ分子量分布(Mw/Mn)が1.8以下である非芳香族系ゴム用軟化剤60〜170質量部とポリプロピレン12.5〜20質量部配合した熱可塑性エラストマー組成物(特許文献2参照)、水添ブロック共重合体100質量部に、動粘度(40℃)が100〜600mm2/secの軟化剤50〜400質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物(特許文献3参照)などが挙げられる。
[1](A)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、重量平均分子量が30万〜70万である水添ブロック共重合体100質量部、(B)ポリプロピレン3〜15質量部及び(C)ポリフェニレンエーテル樹脂10〜200質量部からなる樹脂成分100質量部相当に対して、(D)(i)40℃における動粘度が90mm2/sec以下であり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.3以下である非芳香族系ゴム用軟化剤30〜80質量%及び(ii)40℃における動粘度が350〜400mm2/secであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.3以下である非芳香族系ゴム用軟化剤70〜20質量%からなる非芳香族系ゴム用軟化剤170〜270質量部を含有する、熱可塑性エラストマー組成物。
[2]前記(D)成分において、(i)成分の非芳香族系ゴム用軟化剤の含有率が50〜70質量%であり、(ii)成分の非芳香族系ゴム用軟化剤の含有率が50〜30質量%である、上記[1]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[3](A)成分である水添ブロック共重合体が、ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合体、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンのトリブロック共重合体及びポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンのトリブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[4]前記樹脂成分中の(C)成分の含有量が20〜50質量部である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体。
(A)成分である、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体の重量平均分子量は、30万〜70万である必要があり、好ましくは30万〜45万、より好ましくは33万〜42万、さらに好ましくは35万〜40万である。(A)成分の重量平均分子量が30万未満の場合、後述する(D)成分の含有量に耐えられず、熱可塑性エラストマー組成物から(D)成分がブリードアウトする傾向にあり、また、得られる熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪が大きくなる。(A)成分の重量平均分子量が70万を超える水添ブロック共重合体では、混練性の悪化により加工性が著しく低下する。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、単分散ポリスチレンを基準としてポリスチレン換算で求めた値である。
SEBSの製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、SEBSは市販されており、重量平均分子量が前記範囲である市販品を使用してもよい。
SEPSの製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、SEPSは市販されており、重量平均分子量が前記範囲である市販品を使用してもよい。
SEEPSの製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、SEEPSは市販されており、重量平均分子量が前記範囲である市販品を使用してもよい。
(B)成分のポリプロピレンに特に制限は無いが、成形性の観点からは、JIS K7210[190℃、21.18N(2.16kgf)]に従って測定したメルトフローレート(以下、MFRと略称する。)が、0.1〜100g/10分であるポリオレフィンを使用することが好ましく、0.5〜50g/10分であるポリオレフィンを使用することがより好ましい。このようなポリプロピレンは市販されており、市販品としては、例えば「ノバテック(登録商標)BC05B」(商品名、日本ポリプロ株式会社製)、M1600(商品名、サンアロマー株式会社製)などがあり、これらを使用してもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して3〜15質量部である必要があり、好ましくは3〜10質量部、より好ましくは3〜8質量部、さらに好ましくは4〜7質量部である。(A)成分100質量部に対して3質量部未満であると、一見、熱可塑性エラストマー組成物に完全に配合されている(D)成分が、混練後、熱可塑性エラストマー組成物をカットする際にブリードアウトする傾向にあり、同時に成形性の向上も見込めない。また、(A)成分100質量部に対して15質量部を超えると、ショアA硬度が12度を超えてしまい、超低硬度の熱可塑性エラストマー組成物を得ることができない。
該スチレン系樹脂は、公知の製造方法で得られたものを使用でき、ラジカル重合法、イオン重合法のいずれの方法で製造してもよい。スチレン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000であり、分子量分布は5以下のものが好ましい。
該スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン単位含有量60質量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−t−ブチルスチレンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分とスチレン系樹脂を併用する場合、(B)成分とスチレン系樹脂の合計に対するスチレン系樹脂の含有量が、5〜15質量%であることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、(C)成分としてポリフェニレンエーテル樹脂を含有させることにより、機械的強度及び耐熱性を改善すると共に、耐溶剤性も向上する。本明細書において、耐溶剤性は、熱可塑性エラストマー組成物を溶剤と接触させたときの熱可塑性エラストマー組成物の変化のし難さを示すものであり、実施例に記載の方法等によって評価することができる。なお、溶剤としては、例えば、セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジベンジルエーテルや、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類などのエーテル類;シクロヘキサン、シクロオクタンなどのシクロアルカン;ベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、アニリンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;ペンタン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセトフェノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、下記一般式
で表される繰り返し単位からなる単独重合体又は該繰り返し単位を含む共重合体であり、本発明においては、ポリスチレン、ポリプロピレン又はポリアミドとのアロイも含む。
かかる一般式中、R1〜R4が表すハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。また、R1〜R4が表す炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基などが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂は市販されており、市販品としては、例えば旭化成ケミカルズ株式会社製の「ザイロン(登録商標)」シリーズ、日本GEプラスチックス株式会社製の「ノリル(登録商標)」シリーズなどがあり、これらを使用してもよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して10〜200質量部である必要がある。10質量部未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐溶剤性が不十分となる。一方、200質量部以上であると、硬度が上昇し過ぎて配合バランスをとりにくくなり、目的とする超低硬度の熱可塑性エラストマー組成物が得られなくなる。
本発明では、(D)成分として、(i)動粘度(40℃)が90mm2/sec以下であり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.3以下である非芳香族系ゴム用軟化剤[以下、非芳香族系ゴム用軟化剤(i)又は成分(i)と称することがある。]と、(ii)動粘度(40℃)が350〜400mm2/secであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.3以下である非芳香族系ゴム用軟化剤[以下、非芳香族系ゴム用軟化剤(ii)又は成分(ii)と称することがある。]とを特定の比率で組み合わせて用いる。なお、動粘度はJIS K2283に準じて測定した値である。
非芳香族系ゴム用軟化剤(i)の動粘度(40℃)は、タック性及び非芳香族系ゴム用軟化剤保持性(オイル保持性)の観点から、5〜80mm2/secが好ましく、10〜70mm2/secがより好ましく、15〜60mm2/secがより好ましく、20〜50mm2/secがさらに好ましい。また、非芳香族系ゴム用軟化剤(ii)の動粘度(40℃)は、タック性及びオイル保持性の観点から、360〜400mm2/secが好ましく、370〜400mm2/secがより好ましく、370〜390mm2/secがさらに好ましい。
非芳香族系ゴム用軟化剤(i)及び(ii)の分子量分布は、いずれも1〜1.25が好ましく、1〜1.2がより好ましい。
上記特定の動粘度及び分子量分布を有する非芳香族系ゴム用軟化剤(i)と非芳香族系ゴム用軟化剤(ii)とを、上記特定比率で用いない場合、得られる熱可塑性エラストマー組成物から(D)成分がブリードアウトすることがあり、また、タック性が高くなって、成形時や製品輸送時の取り扱い性が悪化するという問題や、他にも圧縮永久歪が大きくなるという問題が生じる。
パラフィン系オイルとしては、例えば「ダイアナプロセスオイルPW32」(商品名、出光興産株式会社製、Mw=400、Mw/Mn=1.15、動粘度(40℃)=31mm2/S、パラフィン系オイル)などを非芳香族系ゴム用軟化剤(i)として利用可能であり、例えば「ダイアナプロセスオイルPW380」(商品名、出光興産株式会社製、Mw=750、Mw/Mn=1.15、動粘度(40℃)=380mm2/S、パラフィン系オイル)などを非芳香族系ゴム用軟化剤(ii)として利用可能である。
シリコーンオイルとしては、市販されているシリコーンオイル及び変性シリコーンオイルを使用できる。
植物系オイルとしては、例えばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、梛子油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などが挙げられる。
(D)成分の含有量は、熱可塑性エラストマー組成物を超低硬度にしながらもブリードアウトを抑制するという観点から、樹脂成分である(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して170〜270質量部である必要があり、好ましくは175〜270質量部、より好ましくは180〜260質量部である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造するに際し、本発明の目的が損なわれない範囲で、前記(A)〜(D)成分以外に、さらにその他の添加剤を含有させてもよい。
かかる添加剤としては、例えばセラミック、カーボンブラック、アンバー、シェンナ、カオリン、ニッケルチタンイエロー、コバルトブルー、プラマスターグレー、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの顔料:難燃剤:老化防止剤:帯電防止剤:抗菌剤:酸化防止剤:タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、ガラス粉、ガラスバルーンなどの無機中空フィラー、セラミックス粉、マイカなどの無機充填剤:コルク粉末、木粉、グラファイトなどの有機充填剤:ステアリン酸などの離型剤:光安定剤:ロジン誘導体などの粘着付与剤(タッキファイヤー):「レオストマー(登録商標)B」(商品名、理研テクノス株式会社製)などの接着性エラストマー:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂などが挙げられる。
添加剤を含有させる場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
架橋剤としては、有機パーオキサイドが好ましい。有機パーオキサイドの具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ジクミルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド;1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン;ベンゾイルパーオキサイド;1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
また、架橋助剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンジメタクリレート、ジアリルフタレート、キノンジオキシム、フェニレンビスマレイミド、ポリエチレングリコールジメタクリレート、不飽和シラン化合物などが挙げられる。
架橋剤及び架橋助剤は、1種を単独で使用してもよいし、それぞれ2種以上を併用してもよい。
架橋剤及び架橋助剤を使用する場合は、熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0.1〜5質量部の範囲で任意に使用し、架橋度を調整することができる。
なお、架橋助剤として不飽和シラン化合物を使用した場合には、さらにシラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させて架橋を進行させることができる。
(A)〜(D)成分及び必要に応じて上記添加剤などを混合し、例えば一軸混練機、二軸混練機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサーなどを用いて、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜230℃で溶融混練することにより、熱可塑性エラストマー組成物を得ることがきる。
特に、(D)成分である非芳香族系ゴム用軟化剤を各成分と十分に混合するためには、特に限定するわけではないが、例えば以下の方法で混合すればよい。
「スクリュー全長/シリンダ径」が30以上、好ましくは50〜70であり、スクリュー全長に対する混練帯域の長さの比率が30%以上、好ましくは40〜70%である二軸混練機を用意する。予め、(D)成分の一部又は全部を、(A)成分、(B)成分及び(C)成分並びに必要に応じて前記添加剤へ加えて混合しておき、用意した二軸混練機のポリマー投入口からフィードするとともに、残りの(D)成分があれば、ポリマー投入口又はサイドフィード口からフィードして溶融混練することにより、(D)成分が組成物中へ十分に混入した、ブリードし難いペレットを得る。
なお、予め、(D)成分の一部又は全部を、(A)成分、(B)成分及び(C)成分並びに必要に応じて前記添加剤へ加えて混合しておくことをせず、それぞれ同時にポリマー投入口からフィードしてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、圧縮永久歪が35%以下(30〜35%)であり、タック性が低く、オイル保持性及び耐溶剤性に優れている。いずれも、実施例に記載の方法により測定及び評価したものである。
表1〜3に示した配合量(単位:質量部)で各成分を予め混合し、次いで二軸混練機(東芝機械株式会社製、TEM58BS型、スクリュー全長/シリンダ径=62.5、スクリュー全長に対する混練帯域の長さの比率=62%)にて180℃で混練し、ストランド状に押し出しながらカッターにてカットし、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。得られたペレットのショアA硬度、圧縮永久歪、タック性、耐溶剤性及びオイル保持性を以下のようにして測定・評価した。結果を表1〜3に示す。
JIS K6253(タイプA)に準拠して測定した。
(2)圧縮永久歪
JIS K6262に準拠し、直径13mm、厚さ6mmの試験片を用いて、25%圧縮で70℃にて22時間圧縮し、測定した。なお、圧縮永久歪は小さい方が好ましい。
(3)タック性
熱可塑性エラストマー組成物を成形した厚さ2mmのシートの表面に、SUS304製の円柱型プローブを下記条件にて押し付け、該プローブを引き上げる際の力を測定し、タック性の指標とした。
−プローブの押し付け条件−
プローブ直径:3mm
測定温度:23℃
押し込み速度:2.5mm/分
押し込み荷重−時間:14gf−1秒間(0.137N−1秒間)
引き上げ速度:120mm/分
熱可塑性エラストマー組成物を成形したシート(60mm、10mm、厚さ2mm)3枚を、曲げ半径R=10mmで折り曲げてから、70℃のトリエチレングリコールモノブチルエーテル5質量%水溶液に浸漬させ、クラックの発生の有無を調査し、以下の評価基準に従って評価した。
○:1週間後、3枚ともクラックが発生していなかった。
×:1週間以内にクラックが発生したものがあった。
(5)オイル保持性
熱可塑性エラストマー組成物を成形したシート(直径25mm、厚さ2mm)を鉄板に挟み、50%圧縮で、70℃にて48時間圧縮した。圧縮前後でのシート質量減少割合を測定し、熱可塑性エラストマー組成物がもつ、非芳香族系ゴム用軟化剤の保持性(オイル保持性)の指標とした。なお、評価は以下のように行った。
○:変化率3%以下。
△:変化率3%を超え、5%未満。
×:変化率5%以上。
2):「セプトン(登録商標)4099」、SEEPS、Mw=40万、ポリスチレンブロック含有率30%、株式会社クラレ製
3):「ダイアナプロセスオイルPW32」、パラフィン系オイル、Mw=400、Mw/Mn=1.15、動粘度(40℃)=31mm2/sec、出光興産株式会社製
4):「ダイアナプロセスオイルPW380」、パラフィン系オイル、Mw=750、Mw/Mn=1.15、動粘度(40℃)=380mm2/sec、出光興産株式会社製
5):「ダイアナプロセスオイルPW90」、パラフィン系オイル、Mw=530、Mw/Mn=1.15、動粘度(40℃)=96mm2/sec、出光興産株式会社製
6):「ルーカント(登録商標)HC−100」、パラフィン系オイル、Mw=1450、Mw/Mn=1.4、動粘度(40℃)=1700mm2/sec、三井化学株式会社製
7):「ノバテック(登録商標)BC05B」、MFR=50(g/10分)、日本ポリプロ株式会社製
8):「ザイロン(登録商標)X0108」、軟化点160℃、旭化成ケミカルズ株式会社製
一方、比較例1〜8が示すように、(C)成分のポリフェニレンエーテル樹脂の含有量が少ないと、耐溶剤性が悪化した。また、比較例9〜12が示すように、非芳香族系ゴム用軟化剤(i)又は(ii)のいずれか一方のみを用いた場合や、非芳香族系ゴム用軟化剤(i)又は(ii)に該当しない非芳香族系ゴム用軟化剤を用いた場合には、タック性の増大、圧縮永久歪の増大、耐溶剤性の悪化、オイル保持性の悪化などが見られた。
Claims (5)
- (A)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、重量平均分子量が30万〜70万である水添ブロック共重合体100質量部、(B)ポリプロピレン3〜15質量部及び(C)ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレンとのアロイ10〜200質量部からなる樹脂成分100質量部相当に対して、(D)(i)40℃における動粘度が5〜50mm2/secであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.3以下であるパラフィン系オイル30〜80質量%及び(ii)40℃における動粘度が350〜400mm2/secであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.3以下であるパラフィン系オイル70〜20質量%からなるパラフィン系オイル170〜270質量部を含有する、熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記(D)成分において、(i)成分のパラフィン系オイルの含有率が50〜70質量%であり、(ii)成分のパラフィン系オイルの含有率が50〜30質量%である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (A)成分である水添ブロック共重合体が、ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合体、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンのトリブロック共重合体及びポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンのトリブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記樹脂成分中の(C)成分の含有量が20〜50質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体。
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