JP5722290B2 - 軸送り制御方式判別機能を有するワイヤ放電加工機 - Google Patents
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Description
しかし、製造メーカは全てのワーク材質や全ての板厚について加工条件を提供しているわけではないので、製造メーカが加工条件を提供していないワーク材質や板厚を加工する場合が出てくる。
請求項2に係る発明は、前記軸送り制御部は、極間電圧に応じて軸送りを行う電圧制御と、常に一定速度で軸送りを行う一定速度制御と、極間電圧が予め設定された電圧値より低い場合には減速し、予め設定された電圧値よりも高い場合には一定速度で軸送りを行う、減速付き一定速度制御のうち、少なくとも1つを含む2つ以上の軸送り制御方式で軸送りを実行可能であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機である。
請求項3に係る発明は、前記軸送り制御方式記憶部に記憶される加工条件のパラメータは、加工電源の電圧設定と、極間に印加する電圧サイクルの周波数設定のうち、何れかを含むことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載のワイヤ放電加工機である。
請求項4に係る発明は、前記パラメータは所定の範囲の数値で設定されるパラメータであって、前記軸送り制御方式記憶部はパラメータの設定値を複数の範囲で分割し、該分割した設定値と制御可能な軸送り制御方式とを対応付けて記憶したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機である。
請求項6に係る発明は、前記軸送り制御方式記憶部は、前記加工条件に含まれる少なくとも1つのパラメータの設定値、または複数のパラメータの設定値の組み合わせと、制御可能な前記軸送り制御方式とを対応付けて記憶したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機である。
請求項7に係る発明は、前記加工条件は前記軸送り制御方式を決定するパラメータを含み、前記加工条件のパラメータによって決められる軸送り制御方式が、軸送り制御方式記憶部に含まれていれば、その軸送り制御方式を用いて加工開始し、含まれていなければ、軸送りを行わないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機である。
請求項9に係る発明は、数値制御装置の表示器に、前記判別した軸送り制御方式を表示することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機である。
極間電圧波形と軸送り制御方式との不適合による加工不良を防ぐため、本発明では、加工開始時、極間に電圧を印加する前に、設定された加工条件から、軸送り可能な制御方式を判別する。例えば、加工条件のうち、加工電源の電圧設定や、極間に印加する電圧サイクルの周波数設定に関わる加工条件から、軸送り可能な制御方式を判別する。その結果を数値制御装置の画面に表示させてオペレータが選択してから加工を開始するようにしたり、予め全ての軸送り制御方式に優先順位を付けておき、軸送り可能な制御方式から、優先順位が最も高い制御方式を選択して、自動的に加工を開始する。
<実施形態1>
図2,図1を参照しながら説明する。ワイヤ放電加工機により加工プログラムに従って加工を行う場合、キーボードなどの入力装置11あるいはメモリ12である加工条件入力部から、加工条件が軸送り制御方式判別部に送られる。軸送り制御方式判別部は、送られてきた加工条件と、軸送り制御方式記憶部に記憶された対応関係とを比較することで、軸送り可能な制御方式を自動的に判別する。
前述したように、加工条件のパラメータとは、加工電源電圧設定・加工周波数設定・ワイヤ送り速度・加工液量・ワーク材質や板厚・ワイヤ材質や線径といった、一般的にワイヤ放電加工機に添付される「加工条件表」に含まれるパラメータだけでなく、例えば加工液タンクの加工液の温度制御方法を表すパラメータなど、加工電圧・加工電流・加工速度・加工面粗さ・加工精度の少なくとも1つに影響する、予め設定可能な全てのパラメータを意味する。
Ma:電圧制御(荒加工・仕上げ加工兼用)
Mb:放電パルス制御(荒加工用)
Mc:状態判別制御(仕上げ加工用)
Md:一定速度制御(荒加工・仕上げ加工兼用)
表2の通り、本実施形態では加工条件内にPa〜Peの5種類のパラメータがある。パラメータPa,Pc,Pdでは、表2のように範囲が2つ以上に分割されている。パラメータPaは設定範囲Pa1,Pa2に分割され、Pcでは設定範囲Pc1〜Pc3の3つに分割され、パラメータPdはPd1,Pd2の2つに分割されている。また、パラメータPeでは、範囲を分割するのではなく、3つの設定値(設定値Pe1〜Pe3)に分かれている。
<実施形態2>
実施形態2は、軸送り制御部にて制御可能な軸送り制御方式には、極間電圧に応じて軸送りを行う電圧制御(荒加工・仕上げ加工兼用)Maと、常に一定速度で軸送りを行う一定速度制御(荒加工・仕上げ加工兼用)Mdと、極間電圧が予め決められた電圧値より低い場合には減速し、予め決められた電圧値よりも高い場合には一定速度で送りを行う、減速付き一定速度制御の軸送り制御方式のうち1つを含むようにしたものである。
実施形態3は、軸送り制御方式判別部にて判別に用いる加工条件のパラメータとして、加工電源の電圧設定と、極間に印加する電圧サイクルの周波数設定のうち、少なくともどちらか一方を用いるようにしたものである(表4,表5を参照)。
実施形態4は、加工条件のパラメータを所定の範囲の数値で設定されるパラメータとして、軸送り制御方式記憶部において、パラメータの設定値を複数の範囲で分割し、該分割した値と制御可能な軸送り制御方式を対応付けて記憶するようにしたものである(表2参照)。
実施形態5は、加工条件のパラメータを複数の値で設定されるパラメータとして、軸送り制御方式記憶部において、パラメータの設定値と制御可能な軸送り制御方式を対応付けて記憶するようにしたものである(表3参照)。
実施形態6は、軸送り制御方式記憶部において、実施形態4または5で指定される加工条件のパラメータのうち、少なくとも1つのパラメータの設定値、または複数のパラメータの設定値の組み合わせと、制御可能な軸送り制御方式とを対応付けて記憶するようにしたものである。実施形態1の表3の通り、各パラメータから、分割された範囲または設定値を1つずつ選択して組み合わせることで1つの設定範囲群とし、パラメータ毎に分割された全ての設定範囲の組み合わせに対して設定範囲群を設定する。各パラメータは、実施形態4のような分割された範囲(表3のパラメータPa,Pc,Pd)でもよいし、実施形態5のような設定値(表3のパラメータPe)であっても良い。
Ma:電圧制御(荒加工・仕上げ加工兼用)
Mb:放電パルス制御(荒加工用)
Mc:状態判別制御(仕上げ加工用)
Md:一定速度制御(荒加工・仕上げ加工兼用)
これらの軸送り制御は、極間電圧波形の電圧の大きさと、電圧印加周波数によって、適さない場合がある。つまり、加工条件によって規定される加工電源の電圧設定と、電圧印加周波数設定によって、軸送り可能かどうかを判別できる。
一定速度制御(荒加工・仕上げ加工兼用)Mdは、常に設定された速度で送る方式である。
また、実施形態7のように、判別の結果、現在の加工条件で決まる軸送り制御方式が軸送り可能であれば加工を開始し、現在の加工条件が軸送り不可能であれば、軸送り制御を中止するようにすることで、加工不能に陥るような加工条件で加工開始することを事前に防止することができる。
現在の加工条件から決まる軸送り制御方式について、軸送り可能かどうかを判別し、軸送り不可能であれば、変更が必要なパラメータ名(電源電圧設定、電圧印加周波数設定、加工回数のいずれかのパラメータ名)を、数値制御装置1の表示装置18の画面に表示し、オペレータに変更を促すようにしても良い。
符号Ma〜Mdの軸送り制御方式に対して優先順位を付けておき、軸送り可能な制御方式の中から、最も優先順位の高い制御方式を設定し、加工を開始するようにしても良い。表9に、各軸送り制御方式に優性順位を付加した例を示す。数字が小さいほど、優先順位が高いことを表す。
表7において、加工条件が設定範囲群No.5の場合、軸送り制御方式Ma,Mb,Mdが判別結果から選ばれるが、表9により、軸送り制御方式Mbが最も優先順位が高いため、軸送り制御方式Mbにて加工を開始することができる。
数値制御装置1の表示装置18に、判別した軸送り制御方式を表示するようにしてもよい。軸送り可能な制御方法を数値制御装置の画面に表示して、オペレータに軸送り可能な制御方式から選ばせることで、加工不能に陥るはずの加工を、事前に加工できる様に軸送り制御方式を変更できる。
10 プロセッサ(CPU)
11 入力装置
12 メモリ
13 X軸用軸制御回路
14 X軸用サーボアンプ
15 Y軸用軸制御回路
16 Y軸用サーボアンプ
17 バス
18 表示装置
2 加工機
20 X軸用サーボモータ
21 X軸用エンコーダ
22 Y軸用サーボモータ
23 Y軸用エンコーダ
24 ワイヤ電極
25 ワーク
26 電流制限抵抗器
27 スイッチング素子
28 直流電源
29 スイッチング駆動回路
Claims (9)
- ワイヤ電極に対するテーブルの相対位置を移動させながら、前記ワイヤ電極と前記テーブル上に配置されたワークとの間である極間に電圧を印加して放電を発生させ、ワークを加工するワイヤ放電加工機において、
複数の軸送り制御方式で軸送りを実行することが可能な軸送り制御部と、
加工条件を決定するパラメータを入力する加工条件入力部と、
前記加工条件に含まれるパラメータの設定値と制御可能な前記軸送り制御方式とを対応付けて記憶した軸送り制御方式記憶部と、
前記加工条件入力部により入力されたパラメータと、前記軸送り制御方式記憶部との内容から、制御可能な軸送り制御方式を判別する軸送り制御方式判別部と、
を備え、
全ての軸送り制御方式に対し、予め優先順位を付けて置き、判別された全ての軸送り制御方式の中から、最も優先順位の高い軸送り制御方式を選択して加工開始することを特徴とするワイヤ放電加工機。 - 前記軸送り制御部は、極間電圧に応じて軸送りを行う電圧制御と、常に一定速度で軸送りを行う一定速度制御と、極間電圧が予め設定された電圧値より低い場合には減速し、予め設定された電圧値よりも高い場合には一定速度で軸送りを行う、減速付き一定速度制御のうち、少なくとも1つを含む2つ以上の軸送り制御方式で軸送りを実行可能であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
- 前記軸送り制御方式記憶部に記憶される加工条件のパラメータは、加工電源の電圧設定と、極間に印加する電圧サイクルの周波数設定のうち、何れかを含むことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載のワイヤ放電加工機。
- 前記パラメータは所定の範囲の数値で設定されるパラメータであって、前記軸送り制御方式記憶部はパラメータの設定値を複数の範囲で分割し、該分割した設定値と制御可能な軸送り制御方式とを対応付けて記憶したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
- 前記パラメータは複数の値で設定されるパラメータであって、前記軸送り制御方式記憶部は前記複数の値のそれぞれと制御可能な軸送り制御方式とを対応付けて記憶したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
- 前記軸送り制御方式記憶部は、前記加工条件に含まれる少なくとも1つのパラメータの設定値、または複数のパラメータの設定値の組み合わせと、制御可能な前記軸送り制御方式とを対応付けて記憶したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
- 前記加工条件は前記軸送り制御方式を決定するパラメータを含み、前記加工条件のパラメータによって決められる軸送り制御方式が、軸送り制御方式記憶部に含まれていれば、その軸送り制御方式を用いて加工開始し、含まれていなければ、軸送りを行わないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
- 前記加工条件は前記軸送り制御方式を決定するパラメータを含み、前記加工条件のパラメータによって決められる軸送り制御方式が、軸送り制御方式記憶部に含まれていない場合、前記加工条件によって決められた軸送り制御方式を実行するために変更が必要なパラメータ名を、数値制御装置の表示器に表示することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
- 数値制御装置の表示器に、前記判別した軸送り制御方式を表示することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
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