JP5289643B1 - ワイヤ放電加工装置および制御装置 - Google Patents

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Abstract

上部ワイヤガイド8aの位置を移動させることによって、ワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を変化させる駆動部7aと、下部ワイヤガイド8bの位置を移動させることによって、ワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を変化させる駆動部7bと、被加工物14に対して加工を行なう部分の加工形状に基づいて、駆動部7a,7bを駆動する駆動制御部6a,6bと、ワイヤ電極12の張力を含む加工条件に対応する、ワイヤ電極12への位置補正量を、予め記憶しておく補正量記憶部3と、加工条件に対応する位置補正量を補正量記憶部3から読み出す補正量読み出し部4と、読み出した位置補正量に基づいて、ワイヤ電極12と被加工物14との間の相対距離を、駆動制御部6a,6bに補正させるワイヤ位置補正部5と、を備える。

Description

本発明は、ワイヤ電極の位置変位を補正することによって加工輪郭誤差を低減するワイヤ放電加工装置および制御装置に関するものである。
従来のワイヤ放電加工装置は、ワイヤを用いて被加工物を加工する際に、ノズルを備えたワイヤガイドが、ワイヤに対して加工液を送出している。このワイヤ放電加工装置は、加工液の圧力に起因するワイヤの変位量を検出し、検出した変位量からワイヤの位置補正量を決定している。そして、ワイヤ放電加工装置は、位置補正量を用いて被加工物とワイヤとの間の相対位置を補正し、これにより加工輪郭誤差を補正している(例えば、特許文献1参照)。
特開平2-160424号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ワイヤ張力に依存するワイヤガイドの弾性変形に起因するワイヤの位置変位が考慮されていないので、高精度な加工輪郭誤差を補正できないという問題があった。例えば、粗加工と仕上げ加工のようにワイヤ張力が異なる場合には、粗加工時の加工輪郭誤差のために、仕上げ加工時の加工除去量が加工方向に依存して変化してしまう。このため、加工除去量が大きくなる加工面では加工速度が低下するという問題と、加工面精度が劣化するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワイヤ電極の高精度な位置誤差補正が可能なワイヤ放電加工装置および制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の位置でワイヤ電極を支持するとともに被加工物側に前記ワイヤ電極を送出する第1のワイヤガイドと、前記第1の位置に対向する第2の位置で前記ワイヤ電極を支持するとともに前記被加工物側から送られてくる前記ワイヤ電極を巻き取る第2のワイヤガイドと、前記第1のワイヤガイドの位置を移動させることによって、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対位置を変化させる第1の駆動部と、前記第2のワイヤガイドの位置を移動させることによって、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対位置を変化させる第2の駆動部と、前記被加工物に対して加工を行なう部分の加工形状に基づいて、前記第1の駆動部を制御する第1の駆動制御部と、前記加工形状に基づいて、前記第2の駆動部を制御する第2の駆動制御部と、前記第1のワイヤガイドと前記第2のワイヤガイドとの間に張架された前記ワイヤ電極の張力を含む加工条件を設定する加工条件設定部と、前記加工条件に対応する前記ワイヤ電極への位置補正量を予め記憶しておく補正量記憶部と、前記加工条件に対応する前記ワイヤ電極への位置補正量を前記補正量記憶部から読み出す補正量読み出し部と、前記位置補正量に基づいて、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対距離を、前記第1および第2の駆動制御部に補正させるワイヤ位置補正部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ワイヤ電極の高精度な位置誤差補正が可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。 図2は、加工条件に依存して変化するワイヤ電極の位置を説明するための図である。 図3は、粗加工時のワイヤ位置変位が仕上げ加工に及ぼす影響を説明するための模式図である。 図4は、ワイヤ張力および加工液圧力による、ワイヤガイドの弾性変形を説明するための図である。 図5は、ワイヤガイドのノズルと被加工物との間の距離が所定値よりも遠い場合の加工液反力の影響を説明するための図である。 図6は、ワイヤ電極の変形に起因する加工誤差を説明するための図である。 図7は、加工液反力に起因する被加工物の弾性変形を説明するための図である。 図8−1は、被加工物の加工形状計測結果例を示す図である。 図8−2は、加工条件毎のワイヤ位置補正量の一例を示す図である。 図9は、加工条件の実用上の最大値と最小値をワイヤ位置補正量の実測点とした場合の、加工条件の補間点を説明するための図である。 図10は、加工条件の実用上の中心値をワイヤ位置補正量の実測点とした場合の、加工条件の補間点を説明するための図である。 図11は、ワイヤガイドの変位量を計測する方法を説明するための図である。 図12は、ワイヤガイドの変位量および被加工物の変位量を計測する方法を説明するための図である。 図13は、実施の形態6に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工装置および制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。ワイヤ放電加工装置1aは、ワイヤ電極12と被加工物14との間に電圧を印加することによって被加工物14を放電加工する装置である。本実施の形態のワイヤ放電加工装置1aは、ワイヤ張力に依存するワイヤガイド(上部ワイヤガイド8a、下部ワイヤガイド8b)の弾性変形に起因するワイヤ電極12の位置変位を考慮して、被加工物14とワイヤ電極12との間の相対位置を補正する。
ワイヤ放電加工装置1aは、制御装置10と、加工部20と、を備えている。制御装置10は、加工条件設定部2と、補正量記憶部3と、補正量読み出し部4と、ワイヤ位置補正部5と、駆動制御部6a,6bと、指令生成部9と、電源制御部15と、を有している。また、加工部20は、駆動部7a,7bと、上部ワイヤガイド8aと、下部ワイヤガイド8bと、電源11と、ワイヤ電極12と、を有している。
加工部20では、被加工物(ワーク)14への加工を行う位置の上部側に上部ワイヤガイド8aが配置され、下部側に下部ワイヤガイド8bが配置されている。換言すると、被加工物(ワーク)14を上下で挟むように、上部ワイヤガイド8aと下部ワイヤガイド8bとが配置されている。
上部ワイヤガイド8aは、ワイヤ電極12を上部側から支持するとともに、下部側にワイヤ電極12を送出する。また、下部ワイヤガイド8bは、ワイヤ電極12を下側から支持するとともに、ワイヤ電極12を巻き取る。このように、ワイヤ電極12は、上部ワイヤガイド8aと下部ワイヤガイド8bとの間に長架される。そして、上部ワイヤガイド8aから下部ワイヤガイド8bに向かって、ワイヤ電極12が一定方向に送給される。
電源11は、ワイヤ電極12および被加工物14に接続されている。ワイヤ電極12と被加工物14との間には、電源11によってパルス状電圧が印加され、この電圧の印加によって発生した放電によって被加工物14が糸鋸状に加工される。
上部ワイヤガイド8aと下部ワイヤガイド8bに設置された各ノズル(後述するノズル30a,30b)からは、ワイヤ電極12に沿って、加工液13が供給される。この加工液13は、例えば、ワイヤ電極12と被加工物14との間の絶縁状態を維持し、かつ被加工物14への加工によって発生した加工除去物を排出し、かつ被加工物14およびワイヤ電極12を冷却するために供給される。
駆動部7aは、上部ワイヤガイド8aを駆動させ、駆動部7bは、下部ワイヤガイド8bを駆動させる。駆動部7aは、例えば、ワイヤ電極12に垂直な平面内で上部ワイヤガイド8aの位置を移動させる。また、駆動部7bは、例えば、ワイヤ電極12に垂直な平面内で下部ワイヤガイド8bの位置を移動させる。駆動部7a,7bおよび電源11は、制御装置10によって制御される。
制御装置10の指令生成部9には、外部装置(図示せず)などから加工形状が入力される。指令生成部9は、入力された加工形状に基づいて、駆動制御部6a,6bおよび電源制御部15に対する指令を生成する。指令生成部9に入力される加工形状は、被加工物14に対して加工を行なう部分の形状である。なお、加工形状は、被加工物14に加工を行うことによって形成される被加工物14の加工後形状であってもよい。
指令生成部9が駆動制御部6aに対して生成する指令(上部駆動指令)は、駆動制御部6aが駆動部7aを制御するための指令であり、駆動部7aが上部ワイヤガイド8aを駆動するための指令である。
また、指令生成部9が駆動制御部6bに対して生成する指令(下部駆動指令)は、駆動制御部6bが駆動部7bを制御するための指令であり、駆動部7bが下部ワイヤガイド8bを駆動するための指令である。
また、指令生成部9が電源制御部15に対して生成する指令(電源指令)は、電源制御部15が電源11を制御するための指令であり、電源11がワイヤ電極12と被加工物14との間に与える電圧を制御するための指令である。
駆動制御部6aは、上部駆動指令に基づいて、駆動部7aを制御する。駆動制御部6bは、下部駆動指令に基づいて、駆動部7bを制御する。電源制御部15は、電源指令に基づいて、電源11を制御する。駆動制御部6a,6bが、駆動部7a,7bを制御することによって、駆動部7a,7bが上部ワイヤガイド8aと下部ワイヤガイド8bを駆動させる。これにより、上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bの被加工物14に対する相対位置が、加工形状に対応する上部駆動指令および下部駆動指令に沿って制御される。この結果、加工形状に応じた形状に被加工物14が切断加工される。また、加工中は、電源制御部15が、ワイヤ電極12と被加工物14の間の放電現象が電源指令に応じた適切な状態に保たれるように、電源11を制御する。なお、以下の説明では、上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bを、ワイヤガイド8という場合がある。
ここで、加工条件に依存して変化するワイヤ電極12の位置について説明する。図2は、加工条件に依存して変化するワイヤ電極の位置を説明するための図である。図2では、ワイヤガイド8の断面図を示している。上下一対の上部ワイヤガイド8aと下部ワイヤガイド8bとの間には、ワイヤ電極12を直線状に保つために、ワイヤ張力を作用させている。
図2に示すように、ワイヤ張力が大きい場合には、ワイヤガイド8の弾性変形量が大きくなる。ここでは、弾性変形している場合(ワイヤ張力が大きい場合)の上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bを、それぞれ実線で図示している。
ワイヤ張力が小さい場合には、ワイヤガイド8の弾性変形量が小さくなる。ここでは、弾性変形していない場合の上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bを、それぞれ破線で図示している。また、ワイヤガイド8が弾性変形している場合のワイヤ電極12を実線で図示し、ワイヤガイド8が弾性変形していない場合のワイヤ電極12を破線で図示している。
ワイヤ電極12は、ワイヤガイド8に支持されているので、ワイヤガイド8の弾性変形量が変化すると、弾性変形量の大きさに応じた位置に引っ張られる。このように、ワイヤ張力が変化すると、ワイヤ張力の大小に応じて、ワイヤ電極12による被加工物14の切断位置が変化し、加工位置に誤差が生じる。
図3は、粗加工時のワイヤ位置変位が仕上げ加工に及ぼす影響を説明するための模式図である。図3では、被加工物14の上面図(ワイヤ電極12の断面図)を示している。例えば、被加工物14の内側(内部領域41)を加工する際には、実線で示す粗加工ライン31に沿って被加工物14を粗加工した後、破線で示す仕上げ加工ライン32に沿って被加工物14を仕上げ加工する。これにより、被加工物14から内部領域41が除去されて概略環状の外部領域42が残される。なお、図3では、被加工物14の内部領域41までのアプローチラインの図示を省略している。
例えば、粗加工時には、ワイヤ張力が低めに設定され、仕上げ加工時にはワイヤ張力が高めに設定される。そのため、粗加工と仕上げ加工とでは、ワイヤガイド8の弾性変形量に違いが生じ、その結果、被加工物14上のワイヤ電極12の位置に差が生じる。
図3に示すように、ワイヤ電極12の位置補正が無い状態で、粗加工条件を用いた粗加工を行うと、粗加工ライン31に沿った軌跡で被加工物14が加工される。ところが、仕上げ加工条件を用いた仕上げ加工時には、粗加工時と比べてワイヤガイド8の弾性変形量に違いが生じる。このため、ワイヤ電極12は、粗加工ライン31から位置ずれした仕上げ加工ライン32に沿った軌跡で被加工物14を加工してしまう。このとき、紙面の左側に示した被加工物14の位置で仕上げ加工を行う際には、被加工物14の除去量21が多くなり、紙面の右側に示した位置で仕上げ加工を行う際には、被加工物14の除去量22が少なくなる。このため、ワイヤ電極12の位置補正が無い状態で粗加工を行うと、加工除去量が大きな位置(加工面)では、加工面の加工精度が劣化し、加工時間が長くなるという問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、粗加工を実施する際に、ワイヤ電極12の位置を補正することによって、粗加工ライン31が仕上げ加工ライン32と同じになるよう、被加工物14を加工する。このように、本実施の形態では、同一の位置指令に対して粗加工時と仕上げ加工時とでワイヤ電極12の位置を一致させる。これにより、仕上げ加工時の除去量が加工方向に寄らず均一化され、加工面の加工精度が向上するとともに、加工速度が向上する。
ここで、図1に戻って、加工条件設定部2、補正量記憶部3、補正量読み出し部4、ワイヤ位置補正部5について説明する。補正量記憶部3は、ワイヤ位置補正量を記憶するメモリなどである。補正量記憶部3には、予め加工条件毎のワイヤ位置補正量を記憶させておく。
加工条件設定部2は、外部入力される加工条件を制御装置10に設定する。加工条件設定部2が設定する加工条件は、例えばワイヤ張力などを含んでいる。なお、加工条件は、粗加工または仕上げ加工などの加工の種類であってもよい。この場合、加工条件設定部2には、予め加工の種類と加工条件との対応関係を登録しておく。そして、加工条件設定部2は、登録しておいた対応関係に基づいて、加工の種類に対応する加工条件を抽出し、制御装置10に設定する。
補正量読み出し部4は、被加工物14への加工を行なう際に、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。補正量読み出し部4は、読み出したワイヤ位置補正量をワイヤ位置補正部5に送る。
ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量に従って、駆動制御部6a,6bが制御する制御位置を補正する。換言すると、ワイヤ位置補正部5は、駆動制御部6a,6bが駆動部7a,7bに出力する制御指示(制御位置)を、ワイヤ位置補正量で補正させる。これにより、駆動部7a,7bは、ワイヤ位置補正量で補正された制御位置にワイヤガイド8の位置を補正する。
つぎに、ワイヤ電極12の実施の形態1に係る位置補正処理手順について説明する。補正量記憶部3には、加工条件に対応付けされたワイヤ位置補正量を記憶させておく。また、加工条件設定部2は、外部入力される加工条件を制御装置10に設定しておく。また、指令生成部9には、加工形状が入力される。指令生成部9は、入力された加工形状に基づいて、駆動制御部6a,6bおよび電源制御部15に対する指令を生成する。
電源制御部15は、電源指令に基づいて、電源11を制御する。また、駆動制御部6aは、上部駆動指令に基づいて、駆動部7aを制御し、駆動制御部6bは、下部駆動指令に基づいて、駆動部7bを制御する。
このとき、補正量読み出し部4は、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。そして、補正量読み出し部4は、読み出したワイヤ位置補正量をワイヤ位置補正部5に送る。
ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量に従って、駆動制御部6a,6bが制御する制御位置を補正する。これにより、駆動部7a,7bは、ワイヤ位置補正量で補正された制御位置にワイヤガイド8の位置を補正する。この結果、加工条件に応じた位置にワイヤ電極12の位置が補正される。
なお、本実施の形態では、上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bを駆動する場合について説明したが、上部ワイヤガイド8a、下部ワイヤガイド8b、被加工物14のうちの少なくとも2つを駆動すればよい。例えば、被加工物14とワイヤ電極12の相対位置、およびワイヤ電極12の傾きを制御することでも、上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bの位置を制御する場合と同様な効果を得ることができる。
また、仕上げ加工ライン32および粗加工ライン31の少なくとも一方を補正することにより、ワイヤ電極12の位置を補正してもよい。例えば、仕上げ加工を実施する際に、仕上げ加工ライン32が粗加工ライン31と同じになるよう、ワイヤ電極12の位置を補正してもよい。
また、本実施の形態では、1対のワイヤガイド8が上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bである場合について説明したが、1対のワイヤガイド8は、何れの方向に配置してもよい。例えば、1対のワイヤガイド8を水平方向に配置してもよい。この場合、一方のワイヤガイドが右側に配置され、他方のワイヤガイドが左側に配置される。このように、一方のワイヤガイドは、第1の位置に配置され、他方のワイヤガイドは、被加工物14を挟んで対向する第2の位置に配置される。
このように、実施の形態1によれば、ワイヤ張力などの加工条件に応じたワイヤ位置補正を行っているので、加工条件に依存して変化するワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を補正することができる。これにより、加工条件に影響されない高精度な輪郭加工形状を得ることができる。例えば、粗加工と仕上げ加工とで加工条件が異なる場合には、仕上げ加工における加工除去量を一定にすることができる。したがって、ワイヤ張力に基づいたワイヤ電極12への位置補正を行わない場合に比べて、加工面の加工精度が向上するとともに、加工時間を短縮させることが可能となる。
実施の形態2.
つぎに、図4を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1では、加工条件としてワイヤ張力を考慮したが、実施の形態2では、加工液13の反力(加工液圧力)をさらに考慮して、ワイヤ電極12の位置補正を行う。
図4は、ワイヤ張力および加工液圧力による、ワイヤガイドの弾性変形を説明するための図である。図4では、ワイヤ張力および加工液圧力(加工液の圧力)に依存して変化するワイヤガイド8およびワイヤ電極12の位置を断面図で示している。
上部ワイヤガイド8aには、ワイヤ電極12による下向きのワイヤ張力と、加工液13による上向きの加工反力(加工液圧力)が作用する。図4に示す上部ワイヤガイド8aは、ワイヤ張力の影響の方が、加工液反力による影響よりも大きい場合であり、上部ワイヤガイド8aが下向きに弾性変形する例を示している。
同様に、下部ワイヤガイド8bには、ワイヤ電極12による上向きのワイヤ張力と、加工液13による下向きの加工液反力が作用する。図4に示す下部ワイヤガイド8bは、加工液反力の影響の方が、ワイヤ張力による影響よりも大きい場合であり、下部ワイヤガイド8bが下向きに弾性変形する例を示している。
ワイヤ張力が大きい場合には、被加工物14側への弾性変形量が大きくなり、加工液反力が大きい場合には、被加工物14とは反対側への弾性変形量が大きくなる。ここでは、弾性変形している場合の上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bを、それぞれ実線で図示している。また、弾性変形していない場合の上部ワイヤガイド8aおよび下部ワイヤガイド8bを、それぞれ破線で図示している。また、ワイヤガイド8が弾性変形している場合のワイヤ電極12を実線で図示し、ワイヤガイド8が弾性変形していない場合のワイヤ電極12を破線で図示している。
ここで、本実施の形態の加工条件設定部2、補正量記憶部3、補正量読み出し部4について説明する。本実施の形態の補正量記憶部3は、予めワイヤ張力と加工液圧力との組み合わせ毎に設定されたワイヤ位置補正量(加工条件とワイヤ位置補正量の対応関係)を記憶しておく。このとき、補正量記憶部3は、上部ワイヤガイド8aと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量と、下部ワイヤガイド8bと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量と、を加工条件毎に記憶しておく。なお、上部ワイヤガイド8a用のワイヤ位置補正量と、下部ワイヤガイド8b用のワイヤ位置補正量と、を同じ値としてもよい。
また、本実施の形態の加工条件設定部2は、外部入力される加工条件として、ワイヤ張力および加工液圧力を制御装置10に設定する。また、本実施の形態の補正量読み出し部4は、被加工物14への加工を行なう際に、加工条件設定部2から加工条件(ワイヤ張力および加工液圧力)を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。
つぎに、ワイヤ電極12の実施の形態2に係る位置補正処理手順について説明する。なお、実施の形態1で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。補正量記憶部3には、加工条件(ワイヤ張力およびと加工液圧力との組)に対応付けされたワイヤ位置補正量を記憶させておく。加工液圧力が上部ワイヤガイド8a側と下部ワイヤガイド8b側とで異なる場合があるので、加工条件としては、上部ワイヤガイド8a側用の加工条件と、下部ワイヤガイド8b側用の加工条件と、を補正量記憶部3に記憶させておく。
また、加工条件設定部2は、ワイヤ張力および加工液圧力を加工条件として制御装置10に設定する。また、指令生成部9には、加工形状が入力される。指令生成部9は、入力された加工形状に基づいて、駆動制御部6a,6bおよび電源制御部15に対する指令を生成する。
電源制御部15は、電源指令に基づいて、電源11を制御する。また、駆動制御部6aは、上部駆動指令に基づいて、駆動部7aを制御し、駆動制御部6bは、下部駆動指令に基づいて、駆動部7bを制御する。このとき、補正量読み出し部4は、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。具体的には、補正量読み出し部4は、加工条件(ワイヤ張力と、加工液圧力と、の組み合わせ)に対応した上部ワイヤガイド8aと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量(例えば、ワイヤ位置補正量ΔX1,ΔY1)を、補正量記憶部3から読み出す。
同様に、補正量読み出し部4は、加工条件に対応した下部ワイヤガイド8bと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量(例えば、ワイヤ位置補正量ΔX2,ΔY2)を、補正量記憶部3から読み出す。
そして、補正量読み出し部4は、読み出した各ワイヤ位置補正量をワイヤ位置補正部5に送る。ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量ΔX1,ΔY1に従って駆動制御部6aの制御量を補正する。これにより、駆動部7aを介して、上部ワイヤガイド8aと被加工物14との相対位置が補正される。
同様に、ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量ΔX2,ΔY2に従って駆動制御部6bの制御量を補正する。これにより、駆動部7bを介して、下部ワイヤガイド8bと被加工物14との相対位置が補正される。
このように、ワイヤ放電加工装置1aは、上部ワイヤガイド8a側用の加工条件を用いて上部ワイヤガイド8aと被加工物14との相対位置を補正する。また、ワイヤ放電加工装置1aは、下部ワイヤガイド8b側用の加工条件を用いて下部ワイヤガイド8bと被加工物14との相対位置を補正する。
このように、実施の形態2によれば、加工条件がワイヤ張力および加工液圧力を含んでいるので、ワイヤ張力および加工液圧力の双方に依存して変化するワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を補正することができる。したがって、加工条件に影響されない高精度な輪郭加工形状を得ることができる。
実施の形態3.
つぎに、図5を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。実施の形態2では、加工条件としてワイヤ張力および加工液圧力を考慮したが、実施の形態3では、ワイヤガイド8のノズル(加工液ノズル)と被加工物14との間の距離をさらに考慮して、ワイヤ電極12の位置補正を行う。
図5は、ワイヤガイドのノズルと被加工物との間の距離が所定値よりも遠い場合の加工液反力の影響を説明するための図である。上部ワイヤガイド8aの先端部(被加工物14側)には、加工液13を送出するノズル(第1のノズル)30aが配置されている。また、下部ワイヤガイド8bの先端部(被加工物14側)には、加工液13を送出するノズル(第2のノズル)30bが配置されている。
ここでは、図5のノズル30bと被加工物14との間の距離(以下、下部側距離Dbという)が、図4の下部側距離Dbよりも長い場合について説明する。この場合、図4の下部ワイヤガイド8bの場合に比べて、図5の下部ワイヤガイド8bの方が加工液反力の影響が小さくなる。
したがって、ワイヤ張力と加工液圧力が同じであっても、下部側距離Dbに応じて、下部ワイヤガイド8bの弾性変形量に違いが生じる。同様に、ワイヤ張力と加工液圧力が同じであっても、上部ワイヤガイド8aのノズル30aと被加工物14との間の距離(以下、上部側距離Daという)に応じて、上部ワイヤガイド8aの弾性変形量に違いが生じる。そこで、本実施の形態では、加工条件に、下部側距離Dbと、上部側距離Daと、を加えてワイヤ電極12の位置補正を実施する。
ここで、本実施の形態の加工条件設定部2、補正量記憶部3、補正量読み出し部4について説明する。補正量記憶部3は、上部ワイヤガイド8aと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量と、下部ワイヤガイド8bと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量と、を加工条件毎に記憶しておく。具体的には、補正量記憶部3は、予めワイヤ張力と加工液圧力と下部側距離Dbとの組み合わせ毎に設定されたワイヤ位置補正量(加工条件とワイヤ位置補正量の対応関係)を記憶しておく。また、補正量記憶部3は、予めワイヤ張力と加工液圧力と上部側距離Daとの組み合わせ毎に設定されたワイヤ位置補正量(加工条件とワイヤ位置補正量の対応関係)を記憶しておく。
また、本実施の形態の加工条件設定部2は、外部入力される加工条件として、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Dbを制御装置10に設定する。また、補正量読み出し部4は、被加工物14への加工を行なう際に、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。
つぎに、ワイヤ電極12の実施の形態3に係る位置補正処理手順について説明する。なお、実施の形態1,2で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。補正量記憶部3には、加工条件に対応付けされたワイヤ位置補正量を記憶させておく。補正量記憶部3が記憶しておくワイヤ位置補正量は、ノズル30a用のワイヤ位置補正量とノズル30b用のワイヤ位置補正量である。ノズル30a用のワイヤ位置補正量は、ワイヤ張力と、加工液圧力と、上部側距離Daとの組に対応付けされている。また、ノズル30b用のワイヤ位置補正量は、ワイヤ張力と、加工液圧力と、下部側距離Dbとの組に対応付けされている。
また、加工条件設定部2は、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Dbを加工条件として制御装置10に設定する。また、指令生成部9には、加工形状が入力される。指令生成部9は、入力された加工形状に基づいて、駆動制御部6a,6bおよび電源制御部15に対する指令を生成する。
電源制御部15は、電源指令に基づいて、電源11を制御する。また、駆動制御部6aは、上部駆動指令に基づいて、駆動部7aを制御し、駆動制御部6bは、下部駆動指令に基づいて、駆動部7bを制御する。このとき、補正量読み出し部4は、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。具体的には、補正量読み出し部4は、加工条件(ワイヤ張力と、加工液圧力と、下部側距離Dbとの組合せ)に対応した下部ワイヤガイド8bと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量を、補正量記憶部3から読み出す。
同様に、補正量読み出し部4は、加工条件(ワイヤ張力と、加工液圧力と、上部側距離Daとの組合せ)に対応した上部ワイヤガイド8aと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量を、補正量記憶部3から読み出す。
そして、補正量読み出し部4は、読み出した各ワイヤ位置補正量をワイヤ位置補正部5に送る。ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量に従って駆動制御部6bの制御量を補正する。これにより、駆動部7bを介して、下部ワイヤガイド8bと被加工物14との相対位置が補正される。
同様に、ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量に従って駆動制御部6aの制御量を補正する。これにより、駆動部7aを介して、上部ワイヤガイド8aと被加工物14との相対位置が補正される。
このように、実施の形態3によれば、加工条件がワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Dbを含んでいるので、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Dbに依存して変化するワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を補正することができる。したがって、加工条件に影響されない高精度な輪郭加工形状を得ることができる。
実施の形態4.
つぎに、図6を用いてこの発明の実施の形態4について説明する。実施の形態3では、加工条件としてワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Dbを考慮したが、実施の形態4では、ワイヤ電極12自身の変形をさらに考慮して、ワイヤ電極12の位置補正を行う。
図6は、ワイヤ電極の変形に起因する加工誤差を説明するための図である。ワイヤ張力および加工液反力によってワイヤガイド8が弾性変形することに加えて、加工条件に依存してワイヤ電極12が変形する。このため、ワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置が変化する。
ワイヤ電極12は、ワイヤ材質に依存して変化する剛性が低いほど変形しやすい。また、ワイヤ電極12の直径が細いほど変形しやすい。更に、ワイヤガイド8aとワイヤガイド8bとの間の距離が長いほど変形しやすい。
そこで、本実施の形態では、加工条件として、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Dbの他に、ワイヤ電極12の剛性と径、並びに、一対のワイヤガイド8aとワイヤガイド8bの間の距離(以下、ガイド間距離Dcという)を加える。そして、ワイヤ放電加工装置1aは、ワイヤ電極12の変形を考慮してワイヤ電極12の位置補正を実施する。
ここで、本実施の形態の加工条件設定部2、補正量記憶部3、補正量読み出し部4について説明する。本実施の形態の補正量記憶部3は、予めワイヤ張力と、加工液圧力と、上部ワイヤガイド8aまたは下部側距離Dbと、ワイヤ電極12の剛性(ワイヤ剛性)と、ワイヤ電極12の径(ワイヤ径)と、ガイド間距離Dcと、の組み合わせ毎に設定されたワイヤ位置補正量を記憶しておく。
また、本実施の形態の加工条件設定部2は、外部入力される加工条件として、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径およびガイド間距離Dcを制御装置10に設定する。また、補正量読み出し部4は、被加工物14への加工を行なう際に、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。
つぎに、ワイヤ電極12の実施の形態4に係る位置補正処理手順について説明する。なお、上部ワイヤガイド8aを用いた位置補正処理と下部ワイヤガイド8bを用いた位置補正処理とは、同様であるので、ここでは上部ワイヤガイド8aを用いた位置補正処理について説明する。また、実施の形態1〜3で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。
補正量記憶部3には、加工条件に対応付けされたワイヤ位置補正量を記憶させておく。ノズル30a用のワイヤ位置補正量は、ワイヤ張力と、加工液圧力と、上部側距離Daと、ワイヤ電極12の剛性と、ワイヤ電極12の径と、ガイド間距離Dcとの組に対応付けされている。
また、加工条件設定部2は、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、および、ガイド間距離Dcを加工条件として制御装置10に設定する。駆動制御部6bが、下部駆動指令に基づいて、駆動部7bを制御する際には、補正量読み出し部4は、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。具体的には、補正量読み出し部4は、加工条件(ワイヤ張力と、加工液圧力と、上部側距離Daと、ワイヤ電極12の剛性と、ワイヤ電極12の径と、ガイド間距離との組合せ)に対応した上部ワイヤガイド8aと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量を、補正量記憶部3から読み出す。
そして、ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量に従って駆動制御部6bの制御量を補正する。これにより、駆動部7aを介して、上部ワイヤガイド8aと被加工物14との相対位置が補正される。
なお、加工条件設定部2では、ワイヤ電極12の剛性の代わりにワイヤ電極12の材質を設定してもよい。この場合、補正量記憶部3には、ワイヤ電極12の材質に対応付けてワイヤ電極12の剛性(弾性係数など)を記憶させておく。そして、補正量読み出し部4が、補正量記憶部3内の対応付けに基づいて、ワイヤ電極12の剛性を抽出する。この場合であっても、加工条件設定部2においてワイヤ電極12の剛性を設定した場合と同様な効果を得ることができる。
さらに、加工条件として、ワイヤガイド8の形状、剛性、材質、ノズル30a,30bの形状、剛性、材質などを加えてもよい。この場合、ワイヤガイド8の変形またはノズル30a,30bの変形を考慮したワイヤ電極12の位置補正を行うことによって、さらに加工輪郭精度の向上を図ることができる。
このように、実施の形態4によれば、加工条件がワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、および、ガイド間距離Dcを含んでいるので、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、および、ガイド間距離Dcに依存して変化するワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を補正することができる。したがって、加工条件に影響されない高精度な輪郭加工形状を得ることができる。
実施の形態5.
つぎに、図7を用いてこの発明の実施の形態5について説明する。実施の形態4では、加工条件としてワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、および、ガイド間距離Dcを考慮したが、実施の形態5では、加工液圧力に起因する被加工物14の弾性変形量をさらに考慮して、ワイヤ電極12の位置補正を行う。
図7は、加工液反力に起因する被加工物の弾性変形を説明するための図である。ワイヤ張力および加工液反力によってワイヤガイド8が弾性変形することに加えて、加工液反力によって被加工物14が弾性変形する。このため、ワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置が変化する。
そこで、本実施の形態では、加工条件として、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、および、ガイド間距離Dcの他に、被加工物14の形状(支持点から加工点までの長さおよび板厚など)および剛性を加える。そして、ワイヤ放電加工装置1aは、被加工物14の形状および剛性を考慮してワイヤ電極12の位置補正を実施する。
ここで、本実施の形態の加工条件設定部2、補正量記憶部3、補正量読み出し部4について説明する。本実施の形態の補正量記憶部3は、予めワイヤ張力と、加工液圧力と、上部ワイヤガイド8aまたは下部側距離Dbと、ワイヤ電極12の剛性と、ワイヤ電極12の径と、ガイド間距離Dcと、被加工物14の形状/剛性情報(形状および剛性)と、の組み合わせ毎に設定されたワイヤ位置補正量を記憶しておく。
また、本実施の形態の加工条件設定部2は、外部入力される加工条件として、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、ガイド間距離Dcおよび形状/剛性情報を制御装置10に設定する。また、補正量読み出し部4は、被加工物14への加工を行なう際に、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。
つぎに、ワイヤ電極12の実施の形態4に係る位置補正処理手順について説明する。なお、上部ワイヤガイド8aを用いた位置補正処理と下部ワイヤガイド8bを用いた位置補正処理とは、同様であるので、ここでは上部ワイヤガイド8aを用いた位置補正処理について説明する。また、実施の形態1〜3で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。
補正量記憶部3には、加工条件に対応付けされたワイヤ位置補正量を記憶させておく。ノズル30a用のワイヤ位置補正量は、ワイヤ張力と、加工液圧力と、上部側距離Daと、ワイヤ電極12の剛性と、ワイヤ電極12の径と、ガイド間距離Dcと、形状/剛性情報との組に対応付けされている。
また、加工条件設定部2は、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、ガイド間距離Dcおよび形状/剛性情報を加工条件として制御装置10に設定する。駆動制御部6bが、下部駆動指令に基づいて、駆動部7bを制御する際には、補正量読み出し部4は、加工条件設定部2から加工条件を読み出すとともに、加工条件に対応するワイヤ位置補正量を補正量記憶部3から読み出す。具体的には、補正量読み出し部4は、加工条件(ワイヤ張力と、加工液圧力と、上部側距離Daと、ワイヤ電極12の剛性と、ワイヤ電極12の径と、ガイド間距離Dcと、形状/剛性情報との組合せ)に対応した上部ワイヤガイド8aと被加工物14との間の相対位置を補正するワイヤ位置補正量を、補正量記憶部3から読み出す。
そして、ワイヤ位置補正部5は、ワイヤ位置補正量に従って駆動制御部6bの制御量を補正する。これにより、駆動部7aを介して、上部ワイヤガイド8aと被加工物14との相対位置が補正される。
なお、加工条件設定部2では、被加工物14の剛性の代わりに被加工物14の材質を設定してもよい。換言すると、形状/剛性情報に被加工物14の形状および材質を設定してもよい。この場合、補正量記憶部3には、被加工物14の材質に対応付けて被加工物14の剛性(弾性係数など)を記憶させておく。そして、補正量読み出し部4が、補正量記憶部3内の対応付けと、形状/剛性情報内の材質と、に基づいて、被加工物14の剛性を抽出する。この場合であっても、形状/剛性情報に被加工物14の形状および剛性を設定した場合と同様な効果を得ることができる。
また、被加工物14の形状は加工の進行とともに変化するので、ワイヤ放電加工装置1aは、加工の進行に応じた形状/剛性情報を複数用いてもよい。また、形状/剛性情報に被加工物14の大きさ、重さなどを加えてもよい。
このように、実施の形態5によれば、加工条件がワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Daおよび下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、ガイド間距離Dc、形状/剛性情報を含んでいるので、ワイヤ張力、加工液圧力、上部側距離Da、下部側距離Db、ワイヤ電極12の剛性、ワイヤ電極12の径、および形状/剛性情報に依存して変化するワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を補正することができる。したがって、加工条件に影響されない高精度な輪郭加工形状を得ることができる。
実施の形態6.
つぎに、図8−1〜図10を用いてこの発明の実施の形態6について説明する。実施の形態6では、種々の加工条件で加工した被加工物14の加工形状計測結果(加工後の形状)から、補正量記憶部3に記憶させるワイヤ位置補正量を決定する。
まず、被加工物14の加工形状計測に基づく、ワイヤ位置補正量の設定方法を説明する。図8−1は、被加工物の加工形状計測結果例を示す図である。図8−1では、加工後の被加工物14の上面図を示している。図8−1では、X軸方向が基準面50と同じ方向であり、Y軸方向が基準面50に垂直な方向である。図8−2は、加工条件毎のワイヤ位置補正量の一例を示す図である。
ワイヤ放電加工装置1aは、種々の加工条件で被加工物14を加工する。その際、最も高精度な加工が可能な加工条件で基準面50を加工し、他の加工条件との比較対象基準とする。複数の加工条件での加工を連続して実施することで、被加工物14の設置誤差など、他の要因による加工形状誤差の影響が混入することを防止できる。
加工完了後に被加工物14の形状を計測して、加工条件に依存する加工輪郭誤差を把握しておく。図8−1の例では、基準面50と加工条件(1)から(4)までを用いた加工を実施した場合の被加工物14の形状を示している。被加工物14の加工形状計測結果は、補正量記憶部3に記憶させる。
例えば、加工条件(1)による加工面(加工完了後の面)が基準面50に対して−2μmであれば、加工条件(1)におけるY軸方向のワイヤ位置補正量51は、+2μmとなる。この場合、補正量記憶部3は、Y軸方向のワイヤ位置補正量51として、+2μmを記憶しておく。これにより、補正後の加工時には、ワイヤ位置をY軸方向に+2μm補正して加工される。この結果、加工条件(1)の加工面を基準面50に合わせることができる。
補正量記憶部3は、例えば、実際に使用する加工条件のワイヤ位置補正量を網羅的に記憶する。なお、加工条件の組合せ数が多くなりすぎる場合は、加工条件の間を補間してワイヤ位置補正量を導出してもよい。これにより、少ない計測点数、少ない加工条件設定点数で、適切なワイヤ位置補正を実現することができる。
例えば、補正量記憶部3が、図8−2に示すワイヤ位置補正量を記憶している場合、ワイヤ張力=10で、加工液圧力=3の場合には、加工条件(1)と加工条件(2)を補間した(2+0)/2=1をワイヤ位置補正量とすればよい。
同様に、ワイヤ張力=9、加工液圧力=2の場合には、加工条件(2)と加工条件(4)を補間した(0+1.5)/2=0.75をワイヤ位置補正量とすればよい。更に、ワイヤ張力=9、加工液圧力=3の場合には、加工条件(1)(2)(3)(4)を補間した(2+0−3+1.5)/4=0.125をワイヤ位置補正量とする。
なお、補間によって導出したワイヤ位置補正量を用いて、さらに加工条件間を補間してもよい。例えば、ワイヤ張力=10で、加工液圧力=3.5の場合には、加工条件(1)と加工条件(2)を補間したワイヤ位置補正量と、加工条件(1)のワイヤ位置補正量と、を用いて、ワイヤ位置補正量を導出する。この場合、(1+2)/2=1.5をワイヤ位置補正量とすればよい。
図9および図10は、ワイヤ位置補正量(加工条件)の実測点と補間点を説明するための図である。実測点は、加工条件を用いて実際に被加工物14を加工し、加工形状を計測することによってワイヤ位置補正量を設定した点(加工条件)である。また、補間点は、実測点で取得したワイヤ位置補正量を用いた補間処理によって、ワイヤ位置補正量を設定した点(加工条件)である。
図9は、加工条件の実用上の最大値と最小値をワイヤ位置補正量の実測点とした場合の、加工条件の補間点を説明するための図である。図9では、加工条件をワイヤ張力と加工液圧力との組み合わせとしており、X軸がワイヤ張力であり、Y軸が加工液圧力である。図9では、ワイヤ張力の実用上の最大値および最小値と、加工液圧力の実用上の最大値および最小値と、を主とする加工条件で被加工物14を加工した場合の、実測点61(黒丸)および補間点62(白丸)を示している。
このように、本実施の形態では、実測点61の加工条件で加工結果を実測し、補間点62の加工条件は線形補間などの補間で補う。ワイヤ電極12の位置変位の原因が、ワイヤ張力と加工液反力の少なくとも一方によるワイヤガイド8の弾性変形であるので、ワイヤ電極12の位置変位量には線形性が成り立つものと考えられる。
ここで、加工液圧力については、ノズル30a,30bと被加工物14との間の距離(上部側距離Da、下部側距離Db)を考慮することによって、加工液圧力の設定値の調整を行なう。例えば、加工液圧力の実測結果に基づいて、参照テーブルを作成するか、近似式を作成することによって加工液圧力の設定値を調整する。以上により、少ない計測点(実測点61)数で、実際に使用する加工条件に対応したワイヤ位置補正量を導出することが可能となる。したがって、ワイヤ位置補正量を導出する際に、実際に被加工物14へ加工する回数を減らすことができる。
図10は、加工条件の実用上の中心値をワイヤ位置補正量の実測点とした場合の、加工条件の補間点を説明するための図である。図10では、図9と同様に、加工条件をワイヤ張力と加工液圧力との組み合わせとしており、X軸がワイヤ張力であり、Y軸が加工液圧力である。図10では、ワイヤ張力の実用上の中心値と、加工液圧力の実用上の中心と、を主とする加工条件で被加工物14を加工した場合の、実測点61(黒丸)および補間点62(白丸)を示している。
この場合であっても、図9の場合と同様に、少ない計測点(実測点61)数で、実際に使用する加工条件に対応したワイヤ位置補正量を導出することが可能となる。したがって、実際に被加工物14へ加工する回数を減らすことができる。
このように、実施の形態6によれば、種々の加工条件で加工した被加工物14の加工形状計測結果から、補正量記憶部3に記憶させるワイヤ位置補正量を決定するので、高精度なワイヤ位置補正を容易に実現することが可能となる。
また、計測した加工条件におけるワイヤ位置補正量から、線形補間によって、計測しない加工条件におけるワイヤ位置補正量を推定するので、少ない計測回数で容易に所望のワイヤ位置補正量を導出することができる。
実施の形態7.
つぎに、図11を用いてこの発明の実施の形態7について説明する。実施の形態7では、実施の形態6で説明した方法によってワイヤ位置補正量を導出する際に、加工中のワイヤガイド8の位置を計測しておく。そして、計測結果に基づいて、補正量記憶部3で記憶しておくワイヤ位置補正量を設定する。
図11は、ワイヤガイドの変位量を計測する方法を説明するための図である。本実施の形態では、ワイヤ放電加工装置1aに、ワイヤガイド8の位置(変位量)を計測する位置計測器16a,16bを設置しておく。そして、種々の加工条件を用いてワイヤ位置補正量を導出する際に、位置計測器16a,16bが、加工中のワイヤガイド8の位置を計測する。具体的には、位置計測器16aが加工中の上部ワイヤガイド8aの位置を計測し、位置計測器16bが加工中の下部ワイヤガイド8bの位置を計測する。
位置計測器16a,16bは、例えば、被加工物14とワイヤガイド8との間の相対距離を計測する。したがって、位置計測器16a,16bは、例えば、被加工物14とワイヤガイド8の間の相対距離を計測できる位置に配置される。この配置が困難な場合は、ワイヤ放電加工装置1aの架台(図示せず)に位置計測器16a,16bを固定してもよい。この場合、位置計測器16a,16bは、ワイヤガイド8とワイヤ放電加工装置1aの架台との間の距離を計測する。位置計測器16a,16bによってワイヤガイド8の位置が計測されると、計測した位置に基づいて、ワイヤ位置補正量を設定する。
このように、実施の形態7によれば、種々の加工条件で加工中のワイヤガイド8の変位量を計測し、この変位量計測結果から、補正量記憶部3に記憶させるワイヤ位置補正量を決定するので、高精度なワイヤ位置補正を実現することが可能となる。
実施の形態8.
つぎに、図12を用いてこの発明の実施の形態8について説明する。実施の形態8では、実施の形態6で説明した方法によってワイヤ位置補正量を導出する際に、加工中のワイヤガイド8の位置および被加工物14の変位量を計測しておく。そして、計測結果に基づいて、補正量記憶部3で記憶しておくワイヤ位置補正量を設定する。
図12は、ワイヤガイドの変位量および被加工物の変位量を計測する方法を説明するための図である。位置計測器16cは、ワイヤ放電加工装置1aの架台に対する被加工物14の位置(変位量)を計測する装置である。
位置計測器16cによって被加工物14の位置が計測されると、計測された被加工物14の変位量に基づいて、ワイヤ位置補正量を設定する。これにより、ワイヤ電極12と被加工物14との間の相対位置を高精度に補正可能となる。なお、被加工物14の加工形状計測結果から、補正量記憶部3に記憶させるワイヤ位置補正量を作成する手順は実施の形態6と同様であるので、その説明を省略する。
このように、実施の形態8によれば、種々の加工条件で加工中の被加工物14の変位量を計測し、この変位量計測結果から、補正量記憶部3に記憶させるワイヤ位置補正量を決定するので、高精度なワイヤ位置補正を実現することが可能となる。
実施の形態9.
つぎに、図13を用いてこの実施の発明の形態9について説明する。実施の形態5では、図8−2に示したような数値テーブル(表形式)を用いてワイヤ位置補正量を記憶しておく場合について説明したが、この実施の形態では、補正量記憶部3の代わりに、以下の式(1)に示す関数を用いて補正量決定部17でワイヤ位置補正量を生成する。なお、図13のワイヤ放電加工装置1bの構成は、補正量記憶部3が補正量決定部17に代わること以外は実施の形態1の図1と同じであるため、他の部分の説明は省略する。補正量決定部17へは、係数が入力される。
ΔY=f(T、P)・・・(1)
ここで、ΔYは、ワイヤ位置補正量、f()は関数、Tはワイヤ張力、Pは加工液圧力を示す。式(1)ではY軸方向の補正値のみを示しているが、X軸方向についても同様である。式(1)は具体的には、以下の式(2)で表される。
ΔY=(a×T)+(b×P)+c・・・(2)
ここで、a、b、cは係数であり、加工形状の計測結果から同定する。また、ノズル30a,30bと被加工物14との間の距離である上部側距離Daまたは下部側距離Dbを考慮する場合、式(1)は以下の式(3)となる。式(3)では、上部側距離Daおよび下部側距離Dbを、Lで示している。
ΔY=g(T、P、L)・・・(3)
具体的には、式(3)は、以下の式(4)で近似できる。
ΔY=(a×T)+(d×P/L2)+e・・・(4)
ここで、d、eは係数であり、加工形状の計測結果から同定する。
このように、実施の形態9によれば、種々の加工条件で加工した被加工物14の加工形状計測結果、あるいは、加工中のワイヤ電極13の位置から、補正量決定部17によってワイヤ位置補正量を決定するので、計測した加工条件におけるワイヤ位置補正量から、計測しない加工条件におけるワイヤ位置補正量を簡便、かつ、高精度に決定することができる。そのため、少ない計測回数で必要な精度のワイヤ位置補正量を決定することができる。また、放電加工装置の制御装置に必要となるメモリ量を節約することができるという効果も奏する。
以上のように、本発明に係るワイヤ放電加工装置および制御装置は、ワイヤ電極の位置変位を補正しながら行うワイヤ放電加工に適している。
1a,1b ワイヤ放電加工装置、2 加工条件設定部、3 補正量記憶部、4 補正量読み出し部、5 ワイヤ位置補正部、6a,6b 駆動制御部、7a,7b 駆動部、8a 上部ワイヤガイド、8b 下部ワイヤガイド、9 指令生成部、10 制御装置、11 電源、12 ワイヤ電極、13 加工液、14 被加工物、15 電源制御部、16a〜16c 位置計測器、17 補正量決定部、20 加工部、30a,30b ノズル、61 実測点、62 補間点。

Claims (9)

  1. 第1の位置でワイヤ電極を支持するとともに被加工物側に前記ワイヤ電極を送出する第1のワイヤガイドと、
    前記第1の位置に対向する第2の位置で前記ワイヤ電極を支持するとともに前記被加工物側から送られてくる前記ワイヤ電極を巻き取る第2のワイヤガイドと、
    前記第1のワイヤガイドの位置を移動させることによって、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対位置を変化させる第1の駆動部と、
    前記第2のワイヤガイドの位置を移動させることによって、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対位置を変化させる第2の駆動部と、
    前記被加工物に対して加工を行なう部分の加工形状に基づいて、前記第1の駆動部を制御する第1の駆動制御部と、
    前記加工形状に基づいて、前記第2の駆動部を制御する第2の駆動制御部と、
    前記第1のワイヤガイドと前記第2のワイヤガイドとの間に張架された前記ワイヤ電極の張力を含む加工条件を設定する加工条件設定部と、
    前記加工条件に対応する前記ワイヤ電極への位置補正量を予め記憶しておく補正量記憶部と、
    前記加工条件に対応する前記ワイヤ電極への位置補正量を前記補正量記憶部から読み出す補正量読み出し部と、
    前記位置補正量に基づいて、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対距離を、前記第1および第2の駆動制御部に補正させるワイヤ位置補正部と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記第1のワイヤガイドは、前記被加工物に加工液を供給する第1のノズルを有し、
    前記第2のワイヤガイドは、前記被加工物に加工液を供給する第2のノズルを有し、
    前記加工条件は、前記第1のノズルから供給される加工液の圧力と、前記第2のノズルから供給される加工液の圧力と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記加工条件は、前記被加工物と前記第1のノズルとの間の距離と、前記被加工物と前記第2のノズルとの間の距離と、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記加工条件は、前記ワイヤ電極の剛性、前記ワイヤ電極の径、および前記第1のワイヤガイドと前記第2のワイヤガイドとの間の距離を、さらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記加工条件は、前記被加工物の剛性および前記被加工物の形状を、さらに含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 前記位置補正量は、複数種類の加工条件で加工された前記被加工物の加工後の形状を計測することによって、決定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 前記位置補正量は、複数種類の加工条件で加工している間に計測された前記第1および第2のワイヤガイドの変位量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 前記位置補正量は、複数種類の加工条件で加工している間に計測された前記被加工物の変位量を用いて決定されることを特徴とする請求項5に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 第1の位置でワイヤ電極を支持するとともに被加工物側に前記ワイヤ電極を送出する第1のワイヤガイドに対し、前記第1のワイヤガイドの位置を移動させることによって、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対位置を変化させる第1の駆動部を、前記被加工物に対して加工を行なう部分の加工形状に基づいて、制御する第1の駆動制御部と、
    前記第1の位置に対向する第2の位置で前記ワイヤ電極を支持するとともに前記被加工物側から送られてくる前記ワイヤ電極を巻き取る第2のワイヤガイドに対し、前記第2のワイヤガイドの位置を移動させることによって、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対位置を変化させる第2の駆動部を、前記加工形状に基づいて、制御する第2の駆動制御部と、
    前記第1のワイヤガイドと前記第2のワイヤガイドとの間に張架された前記ワイヤ電極の張力を含む加工条件を設定する加工条件設定部と、
    前記加工条件に対応する前記ワイヤ電極への位置補正量を予め記憶しておく補正量記憶部と、
    前記加工条件に対応する前記ワイヤ電極への位置補正量を前記補正量記憶部から読み出す補正量読み出し部と、
    前記位置補正量に基づいて、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の相対距離を、前記第1および第2の駆動制御部に補正させるワイヤ位置補正部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
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