JP5721658B2 - アルミン酸マグネシウム質焼結体 - Google Patents

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本発明は、アルミン酸マグネシウム質焼結体に関する。
従来、気相成長、エッチングまたはクリーニング等の半導体製造工程では、フッ素、塩素や臭素等のハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマが利用されている。このため、半導体製造装置に用いられる部材には、ハロゲン系腐食性ガスまたはそのプラズマに対し高い耐食性を有するセラミック部材が用いられており、その中でも特に高い耐食性を有するセラミック部材として、従来からY焼結体が用いられていた。
しかしながら、近年では、Yなどの希土類元素は需要増大による価格上昇や、資源の地域的偏在に伴う供給面において不安定であることから、希土類元素を含有することなく、耐食性に優れる部材が求められている。
それゆえ、本出願人は、このような、希土類元素を含有することなく耐食性に優れる部材として、例えば特許文献1において、アルミン酸マグネシウムを主結晶相とし、かつNiAlの結晶を含むアルミン酸マグネシウム質焼結体を提案してきた。
特許第3623054号公報
ところで、特許文献1に記載されたアルミン酸マグネシウム質焼結体は、優れた耐食性を有しているが、近年ではさらに高い耐食性を有するセラミック部材が要求されている。
それゆえ本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性が優れたアルミン酸マグネシウム質焼結体を提供することを目的とする。
本発明のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、アルミン酸マグネシウムを主結晶相とし、かつMgNiOの結晶を含むことを特徴とするものである。
本発明のアルミン酸マグネシウム質焼結体によれば、アルミン酸マグネシウムを主結晶相とし、かつMgNiOの結晶を含むことにより、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性が優れたものとすることができる。
本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体を備えるプラズマエッチング装置の一例を示す断面図である。
以下、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体の一例について説明する。
本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、アルミン酸マグネシウムを主結晶相とし、かつMgNiOの結晶を含む。また、主結晶相以外の結晶相は、MgNiOの他に、例えば、Al,MgO,NiO等を含むことができる。
本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、上記構成であると、従来のNiAlの結晶を含むアルミン酸マグネシウム質焼結体に比べてハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性(以下、単に耐食性ともいう。)が優れたものとなる。これは、MgNiOの結晶がMgAlの結晶に比べ、フッ素系ガスなどのハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れているためと考えられる。
なお、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、主結晶相であるアルミン酸マグネシウムは組成式がMgAlとして表され、MgOとAlとのモル比が1:1の理論定比、すなわち質量比が28.6:71.4であることが好適であるが、MgOの比率が理論定比より多いことで耐食性がより高まる傾向があるため、MgOとAlとの比率が、質量比で28.6〜30.0:71.4〜70.0であることが好適である。
また、主結晶相とは、アルミン酸マグネシウム質焼結体を構成する各種の結晶相の中で最も存在比率の大きい結晶相のことであり、主結晶相であるか否かの確認においては、以下のように面積で確認する。具体例としては、アルミン酸マグネシウム質焼結体に前処理として研磨加工を施し、金属顕微鏡、SEM(Scanning Electron Microscope)またはEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)等を用いて、任意の倍率で、例えば100μm×100μmの範囲について撮影し、この撮影画像を画像解析装置で解析することにより、50
面積%を超える結晶を主結晶相とする。
ここで、画像解析装置としては、例えば、ニレコ社製のLUZEX−FS等を用いればよい。また、主結晶相であるMgAlやMgNiOの結晶の同定については、例えば、X線回折法またはTEM(Transmission Electron Microscope)による電子回折法等により得られたデータをJCPDSカードデータと照合することによって同定することができる。
また、アルミン酸マグネシウム質焼結体を構成する各成分の酸化物に換算した含有量については、アルミン酸マグネシウム質焼結体の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸などの溶液に溶解した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100等)を用いて測定し、得られた各成分の金属量を酸化物に換算することにより求めることができる。
次に、アルミン酸マグネシウム質焼結体の耐食性については、例えば、縦が10mm、横が10mm、厚みが1mmの試料を準備し、試料の表面の一部をマスキングした後、この試料をRIE(Reactive Ion Etching)装置にセットする。次いで、試料の表面をCFガス雰囲気下でプラズマ中に数時間曝露する試験を行なう。そして、プラズマに曝された表面とマスキングによりプラズマに曝されていない表面との段差について、表面粗さ計を用いて測定する。そして、同じ条件で試験した比較試料、例えば、アルミン酸マグネシウムからなるアルミン酸マグネシウム質焼結体の段差の測定結果を1とした場合の相対比較値をエッチングレート比として評価することができる。
また、アルミン酸マグネシウム質焼結体の機械的特性の1つである強度については、JIS R 1601−1995の3点曲げ強度試験に準拠し測定することができる。
また、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、主結晶相がMgAlであるとき、2θ=36.8°〜36.9°の間のMgAlのX線回折ピーク強度Iと、2
θ=42.5°〜43.5°の間のMgNiOのX線回折ピーク強度Iとのピーク強度比(I/I)が、0.001≦I/I≦0.2であることが好適である。X線回折チャートにおける主結晶相であるMgAlのピーク強度Iに対し、MgNiOのピーク強度Iの比率(I/I)を上記範囲内とすることにより、アルミン酸マグネシウム質焼結体中に含まれるMgNiOの量を適正化することができるため、耐食性を向上させることができるとともに、結晶粒界に存在するMgNiO結晶が、主結晶相であるMgAlの粒成長を抑制して微細で均質な結晶組織となるため、緻密性を向上させることが可能となる。
なお、MgAlおよびMgNiO結晶のピーク強度は、前述のX線回折法またはTEMによる電子回折法等により得られたデータをもとに算出することができる。
また、アルミン酸マグネシウム質焼結体の緻密性については、JIS R 1634−1998の密度測定方法(アルキメデス法)により求められる気孔率の値を測定することにより確認することができる。
また、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、SiおよびPのうち少なくとも一種を焼結助剤として含むことができる。なお、SiおよびPはアルミン酸マグネシウムの密度向上に作用し、より高密度化することが可能であるとともに、従来よりも低温域でアルミン酸マグネシウム質焼結体を高密度に焼結させることができるため、製造コストを低く抑えることができる。
次に、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体の製造方法の一例について説明する。
出発原料として、高純度の水酸化マグネシウム(Mg(OH)),酸化アルミニウム(Al)およびNi源として酸化ニッケル(NiO)とを準備する。次に、水酸化マグネシウム(Mg(OH))と酸化アルミニウム(Al)を所定の割合となるように秤量後、秤量した粉末と、純水と、ジルコニアボールとをボールミルに入れて、混合および粉砕を1〜50時間行うことにより混合スラリーを得る。なお、MgNiOの結晶を析出し易くするには、水酸化マグネシウム(Mg(OH))と酸化アルミニウム(Al)との質量比率をそれぞれMgO,Al換算で29:71〜30.0:70.0と理論定比である28.6:71.4よりもMgOが多くするのがより好適である。
そして、得られた混合スラリーを乾燥機内で乾燥して乾燥体を得た後、電気炉内で1100℃以上1300℃以下の温度で1〜10時間加熱して熱処理した粉体(以下、単に仮焼体ともいう。)を得る。
次に、上記仮焼体に、所定の割合の酸化ニッケル(NiO)粉末を秤量して添加し、純水,バインダおよびジルコニアボールとともにボールミルに入れて、混合および粉砕を1〜50時間行い、平均結晶粒径が2μm以下、好ましくは平均結晶粒径が1.5μm以下とな
るまで湿式粉砕した後、スプレードライヤーで噴霧造粒して本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体の原料粉末を得る。
ここで、酸化ニッケル(NiO)粉末を仮焼体に添加する代わりに、酸化ニッケル(NiO)および水酸化マグネシウムを混合した混合スラリーを乾燥機内で乾燥して乾燥体を得た後、電気炉内で1300℃以上の温度で1〜10時間加熱してMgNiOの結晶からなる焼結体を得て、これを所望の粒度に粉砕し、仮焼体に添加してもよい。なお、この場合には仮焼体のもととなる混合スラリー中の水酸化マグネシウム(Mg(OH))と酸化アルミニウム(Al)の質量比率をそれぞれMgO,Al換算で28.6:71.4の
理論定比の質量比率で混合するのがより好適である。
また、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体をMgNiOの結晶を含むものとし、さらにその表面のX線回折チャートにおいて、2θ=36.8°〜36.9°の間のMgAlのX線回折ピーク強度Iと、2θ=42.5°〜43.5°の間のMgNiOのX線回折ピーク強度Iとのピーク強度比(I/I)が、0.001≦I/I≦0.2の範囲となるように調整するためには、酸化ニッケル(NiO)粉末を、水酸化マグネシウム(Mg(OH))と酸化アルミニウム(Al)が所望の割合で混合された仮焼体100質量%に対して、0.2質量%以上1.5質量%以下で添加すればよい。
また、焼結助剤を添加するときは、酸化珪素(SiO)および五酸化二リン(P)のうち少なくとも一種を適宜秤量して、仮焼体に添加すればよい。
次に、前記原料粉末を用いて、金型プレス成形法、冷間静水圧プレス成形法、押出成形法等により任意の形状に成形して成形体を得て、その成形体を大気雰囲気中で、最高温度を1400℃以上1800℃以下の範囲で選択し、この最高温度で1〜10時間保持して焼成した後、必要に応じて研削加工を施すことにより、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体を得ることができる。また、より緻密化を促進させる手段としては熱間静水圧プレス(HIP)成形法を用いることも可能である。
そして、上述の製造方法により作製された本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、優れた耐食性と高い強度を有していることから、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気中で用いられるのが好適であり、例えば、半導体製造装置用部材であるチャンバー(内壁材)、マイクロ波導入窓、シャワーヘッド、フォーカスリング、シールドリング等の耐食性部材として好適に用いることができる。また、半導体製造装置に真空度を高めるために使用されるクライオポンプまたはターボ分子ポンプ等の構成部品としても使用することができる。なお、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体は、Ni成分を含むことで、濃青色である暗色系の色調となるため、半導体製造工程内でプラズマエッチングの状態確認を光学系機器で実施する場合に、アルミン酸マグネシウム質焼結体の表面に入射した入射光を吸収しやすくなるため、入射光の反射を抑制でき、エッチング状態の確認が容易になる。特に、アルミン酸マグネシウム質焼結体のピーク強度比(I/I)が0.001以上
であると、特に、明度が小さくなる傾向があるため、入射光の反射を抑制できる傾向がある。
ここで、本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体をプラズマエッチング装置に用いた一例を、図1の概略説明図を用いて説明する。
図1に示す、プラズマエッチング装置10は、ドーム状の上部容器(チャンバー)1と、この上部容器1に密着するように設けられた下部容器2とからなる容器3を有している。容器3内には、支持テーブル4が配置され、この支持テーブル4の上には、半導体ウエハ6を静電吸着するための電極を備えた静電チャック5が設けられている。そして、この静電チャック5の電極には直流電源(図示しない)が接続されており、通電することによって、静電チャック5の上面に半導体ウエハ6が静電吸着される。
また、下部容器2には、真空ポンプ9が接続されており、容器3内を真空雰囲気とすることができる。加えて、下部容器2には、CF4ガス等のエッチングガスを供給するガス
供給ノズル7が設けられている。また、上部容器1の周囲には、誘導コイル8が設けられている。
このようなプラズマエッチング装置10を用いて、半導体ウエハ6をエッチングするには
、真空ポンプ9により容器3内を所定の真空度まで排気して、次いで、静電チャック5により半導体ウエハ6を静電吸着した後、ガス供給ノズル7からエッチングガスとして、例えばハロゲン系腐食性ガスを供給しつつ、RF電源から誘導コイル8に通電する。これにより、半導体ウエハ6の上方部分にエッチングガスのプラズマが形成され、半導体ウエハ6が所定パターンにエッチングされる。
ここで、ハロゲン系腐食性ガスとしては、フッ素系ガスを使用するのであればSF、CF、CHF、ClF、NF、CおよびHF等のフッ素化合物を使用でき、塩素系ガスを使用するのであれば、Cl、HCl、BClおよびCCl等の塩素化合物を使用でき、臭素系ガスを使用するであれば、Br、HBrおよびBBr等の臭素化合物を使用できる。
そのため、このようなプラズマエッチング装置10において、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに曝される容器3、支持テーブル4、静電チャック5等が本実施形態のアルミン酸マグネシウム質焼結体からなれば、耐食性に優れ、緻密で高い強度を有しているため、長期間にわたって使用することができ、交換頻度および交換による装置の停止時間が少なくなるので、半導体の製造コストを大幅に削減することが可能となる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明のアルミン酸マグネシウム質焼結体の実施例を示す。
本発明のアルミン酸マグネシウム質焼結体および従来のアルミン酸マグネシウム質焼結体の試料を作製し、耐食性を比較する試験を実施した。
まず、出発原料として水酸化マグネシウム(Mg(OH))、酸化アルミニウム(Al)および酸化ニッケル(NiO)の各粉末を準備した。次に、水酸化マグネシウムと酸化アルミニウムを質量比で29:71となるように秤量後、秤量した粉末と、純水と、ジルコニアボールボールとをボールミルに入れて、平均粒径が1μm以下となるまで混合および粉砕し混合スラリーを得た。そして、得られた混合スラリーを乾燥機内で乾燥して乾燥体を得た後、電気炉内で1200℃以下の温度で2時間加熱して熱処理して仮焼体を得た。
次に、仮焼体と、この仮焼体100質量%に対し、酸化ニッケル粉末1質量%、バインダ
5質量%および純水100質量%を添加してアルミナボールを使用したボールミルにより混
合し、スプレードライヤーで噴霧造粒し試料No.1の原料粉末を得た。
次に、この原料粉末を用いて、金型プレス成形法により板状の成形体を得た。そして得られた成形体を大気中1650℃の焼成温度で2時間保持して焼結体とし、表面に研削加工を施して縦50mm横50mm厚みが5mmの板状体である本発明のアルミン酸マグネシウム質焼結体の試料No.1を得た。
また、秤量した水酸化マグネシウムと酸化アルミニウムの粉末に、予め、酸化ニッケル(NiO)を添加した以外は、前記と同様の工程にて作製して従来のアルミン酸マグネシウム質焼結体からなる試料No.2を得た。
また、酸化ニッケル(NiO)の粉末を添加していない以外は試料No.1と同様の工程にて作製してアルミン酸マグネシウム質焼結体からなる試料No.3を得た。
そして、試料No.1〜3のアルミン酸マグネシウム質焼結体の試料表面をX線回折装置(BrukersAXS社製 ADVANCE)を用いて2θ=10°〜90°,CuKα測定の条件で測定
し、得られたX線回折チャートの各ピークをJCPDSカードに基づき主結晶相を同定するとともに、MgNiOの結晶およびMgAlの結晶の有無を確認した。
また、試料No.1〜3のアルミン酸マグネシウム質焼結体の各試料について耐食性試験を実施した。各試料の表面の一部にマスキングを施した後、この試験片をRIE装置にセットし、試験片の表面をCFとCHとアルゴンを60:40:20の割合とした混合ガス雰囲気下で、出力140W,周波数13.56MHzのプラズマ中に4時間曝す試験内容とし、試験後にプラズマに曝された表面とマスキングによりプラズマに曝されていない表面との段差について、表面粗さ計を用いて測定を行った。そして、試料No.3の段差の測定結果を1とした場合の相対比較値をエッチングレート比としてそれぞれ算出した。
なお、各試料の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸に溶解した後、ICP発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100)を用いて測定し、得られた各成分の金属量を酸化物に換算し、NiをNiOに換算した含有量が表1に示す通りであることを確認した。結果を表1に示す。
Figure 0005721658
表1から、MgNiOの結晶を含むNo.1が、試料No.2,3に比べて、良好な耐食性を有することがわかった。
仮焼体に添加する酸化ニッケル(NiO)量を表2に示すように種々変更し、MgNiO結晶の存在量を調整した以外は試料No.1と同様にして試料No.4〜10を作製し、その耐食性を確認する試験を実施した。
試料No.4〜10中のMgNiO結晶の存在量については、実施例1と同様に各試料表面をX線回折装置(BrukersAXS社製 ADVANCE)を用いて2θ=10°〜90°,CuKα
測定の条件で測定し、得られたX線回折チャートの各ピークをJCPDSカードに基づき同定した後、主結晶相であるMgAlのピーク強度Iと、MgNiOのピーク強度Iの比率I/Iを求めた。
また、各試料の緻密性をJIS R 1634−1998の密度測定方法(アルキメデス法)に基づき気孔率の値を測定することにより求め、エッチングレート比については、試料No.3との相対比較値を実施例1と同様の方法を用いて求めた。
なお、実施例1と同様に各試料の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸に溶解した後、ICP発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100)を用いて測定し、得られた各成分の金属量を酸化物に換算し、NiをNiOに換算した含有量が表2に示す通りであることを確認した。結果を表2に示す。
Figure 0005721658
表2から、Ni添加量が0.2質量%以上1.5質量%以下であり、I/Iの値が0.001
以上0.2以下である試料No.5〜9は、気孔率が0.1%以下となっており、エッチングレート比が0.85以下で特に耐食性が良好となることがわかった。
1:上部容器(チャンバー)
2:下部容器
3:容器
4:支持テーブル
5:静電チャック
6:半導体ウエハ
7:ガス供給ノズル
8:誘導コイル
9:真空ポンプ
10:プラズマエッチング装置

Claims (2)

  1. アルミン酸マグネシウムを主結晶相とし、かつMgNiOの結晶を含むことを特徴とするアルミン酸マグネシウム質焼結体。
  2. 前記アルミン酸マグネシウムがMgAlであって、2θ=36.8°〜36.9°の間のMgAlのX線回折ピーク強度Iと、2θ=42.5°〜43.5°の間のMgNiOのX線回折ピーク強度Iとのピーク強度比(I/I)が、0.001≦I/I≦0.2であることを特徴とする請求項1に記載のアルミン酸マグネシウム質焼結体。
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