JP5721207B2 - Si多結晶インゴットの製造装置、Si多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハー - Google Patents

Si多結晶インゴットの製造装置、Si多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハー Download PDF

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Description

本発明は、Si多結晶インゴットの製造装置、Si多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハーに関する。
現在の太陽電池の大半には、コストが下がり、大量生産が可能で、資源が豊富で安全なSi多結晶インゴットが用いられている。その主要な製造技術として、一方向成長を利用したキャスト成長法が一般的に使用されている。一方向成長を利用したキャスト成長法とは、ルツボ内に入れたSi融液を用いて、ルツボ底面から上方向に向かって一方向にSi多結晶インゴットを成長させて製造する方法である。このキャスト成長法の利点は、低コストで大容量のSi多結晶インゴットが比較的容易に製造できることにある。
しかし、このキャスト成長法で製造されるインゴットは、結晶成長の初期段階で形成されるインゴット底部の多結晶組織を制御していないため、サイズの小さな多くの結晶粒が存在し、しかもそれらの結晶粒の方位がランダムに分布している。従って、亜粒界発生の原因となるランダム粒界が多数、インゴット下部に存在し、そのため結晶成長中に亜粒界や転位を発生させることになる。このため、従来のキャスト成長法で作製したSi多結晶インゴットの上部においては、亜粒界などの結晶欠陥が多数存在し、太陽電池の変換効率を低下させていた。また、インゴット底部に形成されたランダムな結晶方位分布がインゴット内に引き続き存在するため、このインゴットから切り出したウェハーを用いて太陽電池を作製した場合、高効率化プロセスの一つである表面テクスチャー構造を最適化することができない。その結果として、太陽電池のエネルギー変換効率を上げられないことになる。このことから、高効率な太陽電池を作製するためには、インゴット全体に渡って結晶方位が揃ったSi多結晶インゴットを製造する技術が必要である。
このようなSi多結晶インゴットの結晶組織を制御して製造する技術として、デンドライト利用キャスト成長法や浮遊キャスト成長法が提案されている(例えば、特許文献1、2または3参照)。そこでは、Si融液の底部または表面近傍でデンドライト結晶を発現させる重要性やその方法が述べられており、インゴットの成長初期にデンドライト結晶を発現させて、結晶粒サイズを大きくしたり、結晶粒方位をそろえたりする努力がなされている。
国際公開2007/063637号 特開2009−084145号公報 特開2009−051720号公報
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の技術では、成長初期に発現させるデンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御できていないため、真に高品質・高均質なSi多結晶インゴットを製造することはできないという課題があった。そのような理想的な組織制御と欠陥・不純物制御とを可能にする技術やSi多結晶インゴットを製造する装置は、これまでに存在していない。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、成長初期に発現させるデンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御可能であり、高品質・高均質なSi多結晶インゴットを製造することができるSi多結晶インゴットの製造装置、Si多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハーを提供することを目的としている。
本発明者らは、長年の研究により、ルツボ内に入れたSi融液の底部付近または表面付近で、周囲より融液温度が低く大きな過冷却度を有する線状、点状、円状、円周状、円弧状またはそれらのうちの複数を組み合わせた形状よりなる、図1に示すような領域を局所的に作り、周囲の融液温度が高い領域から低い局所領域に向けてデンドライト結晶を複数発現させたり、周囲の融液温度が高い領域に向けて低い局所領域からデンドライト結晶を複数発現させたりすることができることを見出した。しかも、この時にデンドライト結晶の向かう方向は、温度の低い局所領域の過冷却度によって、図2に示すように局所領域に向かうことも、図3に示すように局所領域から発生させることも、自在に制御可能であることを発見した。そして、こうして発現させた複数のデンドライト結晶の上面または下面を種結晶面として用いて、図4に示すようにSi多結晶を成長させることにより、結晶粒方位が揃い、結晶粒サイズが大きく、そのサイズも揃い、良質な結晶粒界性格を有し、ランダム粒界も少ないといった結晶組織を有する、図5に示すようなSi多結晶インゴットの製造が可能になることを見出した。このようにして、本発明者らは、本願発明に至った。
すなわち、上記目的を達成するために、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置は、デンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御した成長初期の結晶組織を反映したインゴット組織を有するSi多結晶インゴットの製造に際して、前記Si多結晶インゴットの成長の初期段階において、ルツボ内に入れたSi融液の底部付近の局所領域の過冷却度を変化させて温度または過冷却度の面内分布を制御することにより、前記局所領域における核形成の発生を促進または抑制し、融液温度が高い領域から融液温度の低い前記局所領域に向けてデンドライト結晶を複数発現させたり、融液温度の低い前記局所領域から融液温度が高い領域に向けてデンドライト結晶を複数発現させたりすることができるよう、前記Si融液の底部付近に、融液温度が低く大きな過冷却度を有する線状、点状、円状、円周状、円弧状またはそれらのうちの複数を組み合わせた形状よりなる前記局所領域を形成可能に、熱伝導度の異なる材料を幾何学的に組み合わせることにより、前記ルツボ底面からの熱の逃げを局所的に制御できる冷却体を配置した構造を有することを、特徴とする。
また、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置は、成長の初期段階で形成された前記複数のデンドライト結晶の上面を種結晶面として用いてSi多結晶インゴットを成長させる機能を有することが好ましい。
本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置で、前記冷却体は、熱伝導度の高い材料を線状の帯の形、円周状の帯の形、円弧状の帯の形、円状の形、点状の形、またはそれらのうちの複数を組み合わせた形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料を配置した形状を成していてもよい。
本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置は、熱伝導度の異なる材料を幾何学的に組み合わせることにより、前記ルツボ底面からの熱の逃げを局所的に制御できる前記冷却体として、石英などから構成される冷却板などを配置した構造を有していてもよい。
本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置は、成長初期に発現させるデンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御することができる。これにより、Si多結晶の結晶組織を高精度に制御することができ、結晶粒サイズ、結晶粒の配列・分布、結晶粒方位を最適状態にすることができる。さらに、これらの結晶粒で形成するランダム粒界の性格と整合性とをある最適な範囲に入れることにより、整合性の高い粒界性格を有する結晶粒界のみを配向させて、結晶粒界そのものを電気的に不活性にできる。同時に、結晶粒界を適度な間隔に配列させて、結晶粒界を結晶欠陥や不純物を集積するためのサイトとして活用することにより、結晶欠陥や不純物の分布の制御や低減に役立てることが可能になる。このように、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置は、結晶粒内の結晶品質を高め、合わせて結晶粒サイズ、結晶粒方位、結晶粒界性格の精密制御ができ、高品質・高均質なSi多結晶インゴットを製造することができる。
本発明に係るSi多結晶インゴットは、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、デンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御した組織を反映した結晶組織を有することを、特徴とする。また、本発明に係るSi多結晶インゴットは、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、隣接する結晶粒の面方位が近似した結晶組織を有することを、特徴とする。
本発明に係るSi多結晶ウェハーは、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、デンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御した組織を反映した結晶組織を有することを、特徴とする。また、本発明に係るSi多結晶ウェハーは、本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、隣接する結晶粒の面方位が近似した結晶組織を有することを、特徴とする。
本発明によれば、成長初期に発現させるデンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御可能であり、高品質・高均質なSi多結晶インゴットを製造することができるSi多結晶インゴットの製造装置、Si多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハーを提供することができる。
本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置の原理を示す、(a)ルツボ内にSi融液を入れた状態の横断面図、(b)Si融液の底部付近または表面付近の局所的な低温領域を示す平面図である。 本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置の原理を示す、線状の局所的な低温領域に向かうデンドライト結晶の平面図である。 本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置の原理を示す、線状の局所的な低温領域から出発して外に向かうデンドライト結晶の平面図である。 (a)本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置の原理を示す、Si融液の底部付近で発現させたデンドライト結晶の上面を種結晶面として用いて一方向成長を行ったときのSi多結晶の成長を示す横断面図、(b)本発明に関し、Si融液の表面付近で発現させたデンドライト結晶の下面を種結晶面として用いて一方向成長を行ったときのSi多結晶の成長を示す横断面図である。 本発明に係るSi多結晶インゴットの製造装置の原理を示す、製造されたSi多結晶インゴットの斜視図である。 本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置の、熱伝導度の高い材料を円状の形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料を配置した形状の冷却体を示す(a)平面図、(b)縦断面図である。 本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置で、図6に示す冷却体を用いて製造されたSi多結晶インゴットの(a)底面から約1mmの位置で底面に水平に10cm角のサイズで切り出したウェハーの表面組織を示す平面図、(b)底面から約50mmの位置で底面に水平に10cm角のサイズで切り出したウェハーの表面組織を示す平面図である。 本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置の、熱伝導度の高い材料を線状の帯の形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料を配置した形状の冷却体を示す(a)平面図、(b)縦断面図である。 本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置で、図8に示す冷却体を用いて製造されたSi多結晶インゴットの初期結晶組織を示す平面図である。 本発明に関し、異なる成長条件を用いて製造されたSi多結晶インゴットを示す平面図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図10は、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置、Si多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハーを示している。
図1に示すように、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置は、ルツボ1の底面を線状、点状、円状、円周状、円弧状またはそれらのうちの複数を組み合わせた形状に局所的に冷却できるように、ルツボ1の底面からの熱の逃げを局所的に制御できる冷却体などを配置した構造を有している。
ルツボ1の底面に配置する冷却体としては、熱伝導度の異なる材料を幾何学的に組み合わせた材料を用いる。また、冷却体の形状として、熱伝導度の高い材料を線状の帯の形、円周状の帯の形、円弧状の帯の形、円状の形、点状の形、またはそれらのうちの複数を組み合わせた形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料を配置した形状を用いる。
図1乃至図3に示すように、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置は、ルツボ1内に入れたSi融液2の底部付近の局所的に冷却する局所領域2aの過冷却度を変化させて、過冷却度の面内分布を自在に制御可能になっている。また、これにより、デンドライト結晶3の核形成を促進したり抑制したりして、図2に示すように融液温度が高い領域から融液温度の低い局所領域2aに向けてデンドライト結晶3を複数発現させたり、図3に示すように融液温度の低い局所領域2aから融液温度が高い領域向けてデンドライト結晶3を複数発現させたりするよう構成されている。
さらに、図4に示すように、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置は、成長の初期段階で形成した複数のデンドライト結晶3の上面を種結晶面として用いて、Si多結晶インゴットを成長させる機能を有している。これらの構成および機能により、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置は、成長の初期に発現させるデンドライト結晶3の成長方向、配列、配置、分布を制御することができる。また、その成長初期の結晶組織を反映したインゴット組織を有する、高品質・高均質なSi多結晶インゴットを製造することができる。
本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置を使用して、具体的に以下のようにして、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハーを製造することができる。まず、図1に示すように、Si融液2をルツボ1に入れ、ルツボ1内に入れたSi融液2の底部付近に、冷却体や冷却板などにより、周囲より融液温度が低く大きな過冷却度を有する線状、点状、円状、円周状、円弧状またはそれらのうちの複数を組み合わせた形状よりなる局所領域2aを作る。
この局所領域2aの過冷却度の大きさを、周囲のSi融液2の温度を勘案して1℃から50℃の範囲で調整し、過冷却度の面内分布を自在に制御する。これにより、Si融液2の底面付近において、<112>方向または<110>方向に優先成長するデンドライト結晶3を発現させ、そのデンドライト結晶3の核形成を促進したり抑制したりして、その向かう方向を、図2に示す局所領域2aに向かう方向か、図3に示す局所領域2aから出発して外に向かう方向かを制御する。
こうして発現させた複数のデンドライト結晶3の上面を種結晶面として用いて、図4に示すように、デンドライト結晶3の上面の方位を引き継がせて一方向成長を行い、インゴット全体に渡り結晶方位が{110}面または{112}面に揃ったSi多結晶を成長させる。
これらの一連の操作により、図5に示すように、結晶粒方位が揃い、結晶粒サイズが大きく、そのサイズも揃い、良質な結晶粒界性格を有し、ランダム粒界も少ないといった結晶組織を有するSi多結晶インゴットを製造することができる。
このように、本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置は、ルツボ1内に入れたSi融液2の底部付近において、周囲より融液温度が低く大きな過冷却度を有する線状、点状、円状、円周状、円弧状またはそれらのうちの複数を組み合わせた形状の局所低温領域を作ることができる。このため、周囲の融液温度が高い領域から低い局所領域2aに向けてデンドライト結晶3を複数発現させたり、周囲の融液温度が高い領域に向けて低い局所領域2aからデンドライト結晶3を複数発現させたりすることができる。このとき、デンドライト結晶3の向かう方向は、温度の低い局所領域2aの過冷却度によって自在に制御することができる。
こうして発現させた複数のデンドライト結晶3の上面を種結晶面として用いて、Si多結晶を成長させることにより、隣接する結晶粒の面方位が近似し、結晶粒サイズが大きく、そのサイズが揃い、良質な結晶粒界性格を有するといった結晶組織を特徴とする、亜粒界などの結晶欠陥が少ない極めて良質なSi多結晶インゴットを製造することができる。このSi多結晶インゴットからは、インゴットと同様な結晶組織を有する極めて良質なSi多結晶ウェハーを得ることができる。
本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置により、一方向成長キャスト成長法において、亜粒界などの結晶欠陥が少ない高品質かつ高均質なSi多結晶インゴットおよびSi多結晶ウェハーが得られる。このため、通常は太陽電池特性が低下するインゴットの部位おいても、高効率の太陽電池の作製が期待できる。本発明により、従来から実現が渇望されていた、低コストかつ高効率な太陽電池を実現できるSi多結晶インゴットやSi多結晶ウェハーを作製でき、太陽電池の普及に大きく貢献することができる。
本発明の実施の形態のSi多結晶インゴットの製造装置を使用した、具体的なSi多結晶インゴットの成長条件の実施例を、以下に示す。以下の例では、ルツボ1の大きさを15cm径とし、インゴットの重量を2.5kgとする。
内面に窒化珪素粉末を塗布した石英ルツボ1に、Si原料2.5kgを充填し、製造装置内の所定の位置にセットした後、Arガス雰囲気中で約1450℃に昇温し、Si原料を完全に融解させた。次に、ルツボ1の温度をSiの融点温度近傍まで下げ、さらにルツボ1の底面の中央付近に周囲より約5℃だけ温度の低い領域を局所的に形成した。この局所領域2aは、図6に示すように、熱伝導度の高い材料4aを円状の形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料4bを配置した形状の冷却体を用いて形成した。
これにより、ルツボ1の底面の周囲から中央に向かうように、ルツボ1の底面に沿ってデンドライト結晶3を成長させた。その後、上部が高温、下部が低温となるような温度勾配中でルツボ1を引き下げ、デンドライト結晶3の上面を種結晶面としてルツボ1の底面に垂直な方向にSi結晶を一方向成長させた。ルツボ1中のSi融液2すべてが凝固した後、製造装置内の温度を室温まで下げ、成長を終了させた。
こうして製造された直径15cmの円柱状のSi多結晶インゴットの、底面から約1mmの位置で、底面に水平に10cm角のサイズで切り出したウェハーの表面組織を、図7(a)に示す。図7(a)に示すように、Si多結晶インゴットの底部は、デンドライト結晶3の成長方向と配置と分布とを制御した結晶組織を有している。
製造されたSi多結晶インゴットの底面から約50mmの位置で、底面に水平に10cm角のサイズで切り出したウェハーの表面組織を図7(b)に示す。また、図7(b)中の丸数字で示した各結晶粒の、ウェハー表面に垂直な方向の結晶方位を、表1に示す。図7(b)および表1に示すように、このSi多結晶インゴットから切り出したSi多結晶ウェハーは、インゴット底部のデンドライト結晶3の組織を反映した結晶組織を有している。
このように、製造されたSi多結晶インゴットは、図7(b)および表1に示すように、隣接する結晶粒の面方位が近似した、結晶粒サイズの大きな、太陽電池用Si多結晶ウェハーとして理想的な結晶組織を有している。このような高品質・高均質なSi多結晶ウェハーの結晶組織は、通常のキャスト成長法では得られない。
なお、図8に示すように、熱伝導度の高い材料4aを線状の帯の形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料4bを配置した形状の冷却体を用いて、周囲より温度の低い領域を局所的に形成し、他は同じ条件で、Si多結晶インゴットを製造した。このときのSi多結晶インゴットの初期結晶組織を図9に示す。図9に示すように、初期結晶組織では、デンドライト結晶3がほぼ平行に並んでいることが確認された。
本発明に関し、異なるSi多結晶インゴットの成長条件の実施例を、以下に示す。以下の例でも、ルツボ1の大きさを15cm径とし、インゴットの重量を2.5kgとする。
内面に窒化珪素粉末を塗布した石英ルツボ1に、Si原料2.5kgを充填し、製造装置内の所定の位置にセットした後、Arガス雰囲気中で約1450℃に昇温し、Si原料を完全に融解させた。次に、融液上部で温度が低くなるように温度勾配を設定した後、融液表面近傍をデンドライト結晶3が発現する10℃以上の過冷却状態とするとともに、上部からの抜熱を局所的に行うことにより、融液表面の一部に周囲より約5℃だけ温度の低い領域を局所的に形成し、この局所的な低温領域から周囲に向かうように融液表面に沿ってデンドライト結晶3を成長させた。
その後、融液上部で温度が低くなるような温度勾配を保った状態で、製造装置内の温度を一定速度で降下させ、デンドライト結晶3の下面を種結晶面として、ルツボ1の底面に向かう方向にSi結晶を一方向成長させた。ルツボ1中のSi融液2すべてが凝固した後、製造装置内の温度を室温まで下げ、成長を終了させた。
こうして製造された直径15cmの円柱状のSi多結晶インゴットの、上部の表面組織を、図10に示す。図10に示すように、Si多結晶インゴットの上部表面は、デンドライト結晶3の成長方向と配置と分布とを制御した結晶組織を有している。このように、製造されたSi多結晶インゴットは、太陽電池用Si多結晶ウェハーとして理想的な結晶組織を有している。
1 ルツボ
2 Si融液
2a 局所領域
3 デンドライト結晶
4a 熱伝導度の高い材料
4b 熱伝導度の低い材料

Claims (8)

  1. デンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御した成長初期の結晶組織を反映したインゴット組織を有するSi多結晶インゴットの製造に際して、前記Si多結晶インゴットの成長の初期段階において、ルツボ内に入れたSi融液の底部付近の局所領域の過冷却度を変化させて温度または過冷却度の面内分布を制御することにより、前記局所領域における核形成の発生を促進または抑制し、融液温度が高い領域から融液温度の低い前記局所領域に向けてデンドライト結晶を複数発現させたり、融液温度の低い前記局所領域から融液温度が高い領域に向けてデンドライト結晶を複数発現させたりすることができるよう、前記Si融液の底部付近に、融液温度が低く大きな過冷却度を有する線状、点状、円状、円周状、円弧状またはそれらのうちの複数を組み合わせた形状よりなる前記局所領域を形成可能に、熱伝導度の異なる材料を幾何学的に組み合わせることにより、前記ルツボ底面からの熱の逃げを局所的に制御できる冷却体を配置した構造を有することを、特徴とするSi多結晶インゴットの製造装置。
  2. 成長の初期段階で形成された前記複数のデンドライト結晶の上面を種結晶面として用いてSi多結晶インゴットを成長させる機能を有することを、特徴とする請求項1記載のSi多結晶インゴットの製造装置。
  3. 前記冷却体は、熱伝導度の高い材料を線状の帯の形、円周状の帯の形、円弧状の帯の形、円状の形、点状の形、またはそれらのうちの複数を組み合わせた形に面内配置し、他の面内部分には熱伝導度の低い材料を配置した形状を成していることを、特徴とする請求項1または2記載のSi多結晶インゴットの製造装置。
  4. 熱伝導度の異なる材料を幾何学的に組み合わせることにより、前記ルツボ底面からの熱の逃げを局所的に制御できる前記冷却体として、石英などから構成される冷却板などを配置した構造を有することを、特徴とする請求項1、2または3記載のSi多結晶インゴットの製造装置。
  5. 請求項1、2、3または4記載のSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、デンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御した組織を反映した結晶組織を有することを、特徴とするSi多結晶インゴット。
  6. 請求項1、2、3または4記載のSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、隣接する結晶粒の面方位が近似した結晶組織を有することを、特徴とするSi多結晶インゴット。
  7. 請求項1、2、3または4記載のSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、デンドライト結晶の成長方向、配列、配置、分布を制御した組織を反映した結晶組織を有することを、特徴とするSi多結晶ウェハー。
  8. 請求項1、2、3または4記載のSi多結晶インゴットの製造装置を用いて作製され、隣接する結晶粒の面方位が近似した結晶組織を有することを、特徴とするSi多結晶ウェハー。
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