JP5720529B2 - 移乗ロボット制御装置 - Google Patents

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本発明は、使用者を安全に移動させることができるようにする移乗ロボット制御装置に関する。
本発明で対象としている移乗ロボットとは、使用者を持ち上げる移乗ロボットアームと、移乗ロボットアームが回転可能に連結し、移乗ロボットアームで使用者を持ち上げたまま水平移動できる移乗ロボット移動装置とを備え、使用者をベッドとトイレの間などを移動させる移動装置を指す。例えば、図6に示すような構成を持つものを含む。
図6は、関連する移乗ロボット制御装置を備えた移乗ロボットである。図6において、移乗ロボット600は、移乗ロボットアーム601と、移乗ロボット移動装置602と、を備える。なお図6は、使用者603がベッド604に座った状態である。
移乗ロボットアーム601は、移乗ロボット移動装置602に搭載されたモータ(不図示)により回転駆動する。移乗ロボットアーム601は、使用者603をベッド604から別の場所に移動させる場合には、ベッド604上の使用者603を持ち上げる。また、移乗ロボットアーム601は、別の場所から使用者603をベッド604に移動させる場合には、使用者603をベッド604上に降ろす。
移乗ロボット移動装置602は、移乗ロボットアーム601を駆動するモータと、モータの回転軸に連結した減速機と、移乗ロボットアーム601の回転角度を検出するアーム角度検出器と、車輪などの移動装置と、移乗ロボットアーム601を制御する移乗ロボット制御装置とを備え、使用者603をベッド604と別の場所の間で移動させる。
関連する移乗ロボット制御装置は、上述の仕組みにより、使用者をベッドとトイレの間などで移動させる(たとえば、特許文献1)。
特開2008−073501号公報
関連する移乗ロボット制御装置は、使用者が移乗ロボットの設計において想定していない姿勢で搭乗した場合に、移乗ロボットの安定性が損なわれる問題があった。ここで想定していない姿勢とは、移乗ロボットの使用者が静かに身を任せることを想定している場合において、使用者が身を任せずに乗り出した姿勢や、大きく反り返った姿勢などである。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、使用者が移乗ロボットの設計において想定していない姿勢で搭乗していることを、専用の検出器を使用することなく検出し、移乗ロボットを最も少ない動作で安全な姿勢に移動し停止させることができる移乗ロボット制御装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる移乗ロボット制御装置は、使用者を持ち上げる移乗ロボットアームと、前記移乗ロボットアームを駆動するモータと、前記モータのモータトルクを前記移乗ロボットアームに伝達する減速機と、前記使用者を持ち上げたまま水平移動する車輪と、を有する移乗ロボット移動装置を制御する移乗ロボット制御装置であって、前記減速機に起因するアーム角度の周波数成分であるアーム角度減速機周波数成分と、前記減速機に起因するトルク指令の周波数成分であるトルク指令減速機周波数成分と、に基づいて前記使用者が前記移乗ロボットの設計時に想定していない姿勢で使用している場合に、前記移乗ロボットアームを安全に制御する安全制御器、を備える。
使用者が移乗ロボットの設計において想定していない姿勢で搭乗している場合に、専用の検出器を使用することなく移乗ロボットを安全な姿勢に移動し停止させることができる。
実施の形態1にかかる移乗ロボット制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態1にかかる減速機の歯の剛性の時間変化の図である。 実施の形態2にかかるシミュレーションにおけるアーム角度の時間変化の図である。 実施の形態2にかかるシミュレーションにおけるアーム使用者慣性モーメントの時間変化の図である。 実施の形態2にかかるシミュレーションにおける負荷トルクの時間変化の図である。 関連する移乗ロボット制御装置を備えた移乗ロボットの図である。
実施の形態1
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施例では、まず図1を用いて本発明の移乗ロボット制御装置の機能構成の概要を説明し、次に機能の詳細を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる移乗ロボット制御装置の機能ブロック図である。図1において、移乗ロボット100は、操作入力器110と、移乗ロボット制御装置120と、制御対象130と、を備える。図1において、矢印は信号の流れを表し、太線は機械的な結合を表す。なお、使用者603が移乗ロボット600を使用するものとして説明する。
操作入力器110は、使用者603から入力される所望のアーム角度であるアーム角度指令を、移乗ロボット制御装置120に出力する。
移乗ロボット制御装置120は、使用者603が正しい姿勢で移乗している場合には、アーム角度検出値がアーム角度指令に収束するように制御対象130をフィードバック制御する。移乗ロボット制御装置120は、使用者603が正しい姿勢で移乗していない場合には、安全に停止できるアーム角度に移乗ロボットアーム601を移動させ停止させる。
移乗ロボット制御装置120は、アーム角度減速機周波数成分演算器121と、トルク指令減速機周波数成分演算器122と、パラメータ同定器123と、安全制御器124と、を有する。
アーム角度減速機周波数成分演算器121は、アーム角度検出値の周波数成分のうち減速機に起因する振動周波数成分を演算し、アーム角度フーリエ係数として、パラメータ同定器123に出力する。
トルク指令減速機周波数成分演算器122は、トルク指令の周波数成分のうち減速機に起因する振動周波数成分を演算し、トルク指令フーリエ係数として、パラメータ同定器123に出力する。
パラメータ同定器123は、トルク指令フーリエ係数とアーム角度フーリエ係数に基づいて、移乗ロボットアーム601と使用者603を合わせたアーム使用者慣性モーメント同定値を含むパラメータ同定値を算出し、安全制御器124に出力する。より具体的には、パラメータ同定器123は、移乗ロボットアーム及び使用者の慣性モーメント、移乗ロボットアームの粘性摩擦、クーロン摩擦、減速機の剛性などのパラメータを、アーム角度減速機周波数成分と、トルク指令減速機周波数成分に基づいて同定する。
安全制御器124は、減速機に起因するアーム角度の周波数成分であるアーム角度減速機周波数成分と、減速機に起因するトルク指令の周波数成分であるトルク指令減速機周波数成分と、に基づいて使用者が移乗ロボットの設計時に想定していない姿勢で使用している場合、移乗ロボットアームを安全に制御する。具体的には、安全制御器124は、パラメータ同定値が、ロボットの設計時に想定している範囲であるパラメータ正常範囲に含まれない場合に、移乗ロボットアームを安全な位置で停止させるトルク指令を、制御対象130に出力する。また安全制御器124は、パラメータ同定値があらかじめ設定した正常範囲内である場合には、アーム角度検出値を操作入力器110からのアーム角度指令に収束されるようなトルク指令を、制御対象130に出力する。
制御対象130は、モータ131と、移乗ロボット機構132と、アーム角度検出器133と、を有する。
モータ131は、安全制御器124から入力したトルク指令に従ったモータトルクを発生し、移乗ロボットアーム601を駆動する。
移乗ロボット機構132は、移乗ロボットアーム601と移乗ロボット移動装置602の機構であり、移乗ロボットアーム601はモータ131から減速機を介して伝達された駆動トルク(モータトルクを減速比で除算したもの)により駆動され、移乗ロボット移動装置602は車輪などにより自動又は手動で水平移動する。
アーム角度検出器133は、移乗ロボットアーム601の回転軸に連結し、アーム角度検出値を、アーム角度減速機周波数成分演算器121に出力する。
ここで、移乗ロボット制御装置120はASIC、プログラマブル電子システムなどとして実現することができる。
以下、図1の各ブロックの動作原理を導出し、機能の詳細を説明する。
移乗ロボット機構132の運動方程式は(1)及び(2)と表される。
Figure 0005720529
Figure 0005720529
ただし、(1)及び(2)における記号の意味は以下の通りである。J:アーム使用者慣性モーメント[kg・m]、D:アーム粘性摩擦[N・m・s/rad]、m:使用者質量[kg]、m:アーム質量[kg]、l:アーム長さ[m]、T:アームクーロン摩擦[N・m]、θ:アーム角度[rad]、T:アーム静止摩擦トルク[N・m]、T:駆動トルク[N・m]、g:重力加速度[m/s]。
(1)及び(2)の最終項は重力項である。また、アーム静止摩擦トルクT及び駆動トルクTは減速機の減速後の値である。
減速機の運動方程式は(3)と表される。
Figure 0005720529
ただし、(3)における機能の意味は以下の通りである。T:モータトルク[N・m]、k:減速機の歯の剛性[N・m/rad]、δ:接触している減速機の歯の変形量[m]。
減速機の質量はアーム使用者慣性モーメントの一部として近似しているため、(3)において慣性項は現れていない。また、モータトルクTは減速機で減速後の値である。
減速機の歯の剛性は、減速機の回転角度に従って、例えば図2に示すように周期的に変化する。図2は、本発明の第1の実施形態を示す減速機の歯の剛性の時間変化である。図2において、移乗ロボットアーム601側の減速機の歯数がnの場合を仮定している。図2は、減速機の接触比が1.5の場合を示しており、0[rad]において減速機の2組の歯が接触し始め、π/n[rad]において1組の歯のみの接触となり、2π/n[rad]において再び2組の歯が接触していることを表している。
図2に示す減速機の歯の剛性は(4)と表される。
Figure 0005720529
ただし、(4)における記号の意味は以下の通りである。k:2組の減速機の歯が接触している場合の剛性[N・m/rad]。
以下、移乗ロボット制御装置120の動作原理を説明する。
アーム角度減速機周波数成分演算器121は、(5)に基づいてアーム角度フーリエ係数a、a、bを算出する。
Figure 0005720529
ただし、(5)における記号の意味は以下の通りである。ω:フーリエ変換中のアーム速度[rad/s]。
(5)の1階時間微分および2階時間微分は(6)、(7)と表せる。
Figure 0005720529
Figure 0005720529
トルク指令減速機周波数成分演算器122は、(8)に基づいてトルク指令フーリエ係数c、c、dを算出する。
Figure 0005720529
ここで、(5)及び(8)のフーリエ変換に使用するアーム角度検出値とトルク指令のデータの長さは、使用者603が移乗ロボットの設計時に想定していない姿勢となってから、移乗ロボットを安全な姿勢にするまでの安全応答時間に対して十分に短く設定する。このようにデータの長さを設定することにより、使用者603に対して転倒等の危険事象が発生する前に移乗ロボットを安全な姿勢にすることができる。
(3)、(4)、(6)、(7)及び(8)を(1)に代入し、余弦項と正弦項の係数比較により(9)及び(10)が求められる。
Figure 0005720529
Figure 0005720529
ただし、(9)においてフーリエ変換中のアーム角度θの変化は無視し、一定と仮定している。
(9)より、クーロン摩擦推定値は(11)と求められる。
Figure 0005720529
ただし、(11)における記号の意味は以下の通りである。
Figure 0005720529
:クーロン摩擦推定値[N・m]、c:トルク指令の直流項のフーリエ係数。
(10)をm=1、3、5に対して書き換えると(12)が得られる。
Figure 0005720529
(12)をアーム使用者慣性モーメント、アーム粘性摩擦、2組の減速機の歯が接触している場合の剛性について解くと(13)が得られる。
Figure 0005720529
ただし、(13)における記号の意味は以下の通りである。
Figure 0005720529
:アーム使用者慣性モーメント同定値[kg・m]、
Figure 0005720529
:アーム粘性摩擦同定値[N・m・s/rad]、
Figure 0005720529
:2組の減速機の歯が接触している場合の剛性の同定値[N/rad]、a:アーム角度の1次余弦項のフーリエ係数、a:アーム角度の3次余弦項のフーリエ係数、a:アーム角度の5次余弦項のフーリエ係数、b:アーム角度の1次正弦項のフーリエ係数、b:アーム角度の3次正弦項のフーリエ係数、b:アーム角度の5次正弦項のフーリエ係数、c:トルク指令の1次余弦項のフーリエ係数、c:トルク指令の3次余弦項のフーリエ係数、c:トルク指令の5次余弦項のフーリエ係数。
パラメータ同定器123は、(11)及び(13)に基づいて、アーム使用者慣性モーメント同定値を含むパラメータ同定値を算出する。
移乗ロボットの設計時に移乗ロボット機構132の解析により、移乗ロボットが安定であるパラメータの正常範囲として、例えば(14)のようなパラメータ正常範囲を規定する。
Figure 0005720529
ただし、(14)における記号の意味は以下の通りである。Ω:パラメータ正常範囲[kg・m]、J min:アーム使用者慣性モーメントの正常範囲下限値[kg・m]、J max:アーム使用者慣性モーメントの正常範囲上限値[kg・m]。
(14)においてアーム使用者慣性モーメントの正常範囲下限値J minとアーム使用者慣性モーメントの正常範囲上限値J maxはそれぞれアーム角度θの関数である。
安全制御器124は、モータ131が(15)に示すモータトルクを発生させるようなトルク指令を出力する。
Figure 0005720529
ただし、(15)における記号の意味は以下の通りである。M:アーム使用者質量[kg]、l:アーム稼働部とアーム使用者重心の間の距離[m]、Tsmax:アーム最大静止摩擦トルク[N・m・s/rad]、g:重力加速度[m/s]。
ここで、アーム使用者質量は移乗ロボットの設計上想定される最も大きな質量の使用者が使用した場合の値とする。また、(15)の3つの場合分けはアーム角度があらかじめ規定した特定の値を通過した時のみ実施してもよい。
安全制御器124は、(15)に基づいてトルク指令を出力することにより、その瞬間のアーム角度においてアーム使用者慣性モーメントなどのパラメータがパラメータ正常範囲を逸脱し、且つアーム最大静止摩擦トルクでそのアーム角度に保持することが可能な場合には、モータトルクを0とする。また安全制御器124は、パラメータがパラメータ正常範囲を逸脱し、且つアーム最大静止摩擦トルクでそのアーム角度に保持することが不可能な場合には、アーム角度を0に収束させるようにアーム角度を制御する。それ以外の場合には、安全制御器124は、アーム角度がアーム角度指令に収束するようにアーム角度を制御する。
このように、本発明によると、使用者が移乗ロボットの設計において想定していない姿勢で搭乗していることを、モーションキャプチャなどの専用の検出器を使用することなく検出し、移乗ロボットを最も少ない動作で安全な姿勢に移動し停止させることができる。
実施の形態2
本実施の形態では、本発明のシミュレーション結果を示す。シミュレーションに用いた数値は以下の通りである。m=70[kg]、m=10[kg]、M=m+m[kg]、D=1×10−2[N・m・s/rad]、k=6.0×10[N・m/rad]、rr=0.3[m]、hr=1[m]、la=0.6[m]、T=100[N・m]、Tsmax=500[N・m]、n=17、δ=4×10−4[rad]、g=9.8[m/s]、T=1×10−3[s]、Tr=500×10−3[s]。
ただし、記号の意味は以下の通りである。rr:使用者の肩幅の半分の長さ[m]、hr:使用者の座高[m]、Tr:安全応答時間(異常が発生してから安全機能により移乗ロボットを安全状態にすることができる最大の時間)[s]。
シミュレーションに用いた数値は、使用者603を一般的な日本人の成人と過程した場合の、使用者603と移乗ロボットに関する現実的な数値の1例である。
図3は、実施の形態2のシミュレーションにおけるアーム角度の時間変化である。図3において、実線は使用者603が大きく姿勢を変えた際に本発明を使用した場合のアーム角度であり、破線はアーム角度指令であり、一点鎖線は使用者603が移乗ロボットの設計上想定している姿勢で搭乗している際に本発明または関連する技術(制御帯域40Hzの位置比例速度比例制御)を使用した場合のアーム角度である。
図3において、アーム角度指令は移乗ロボットが使用者603をπ/6[rad]の第1姿勢まで3[s]までに持ち上げ、4[s]まで第1姿勢に留まった後、π/3[rad]の第2姿勢まで7[s]までに持ち上げ、8[s]まで第2姿勢に留まった後、持ち上げた際と同じ速度で0[rad]の姿勢まで降ろすように設定している。使用者603が移乗ロボットの設計時に想定していた姿勢で搭乗している場合、本発明及び関連する技術を使用したアーム角度は共にアーム角度指令と一致している。一方、使用者603が仰け反るなど移乗ロボットの設計時に想定しない大きな動作をした場合、移乗ロボットが不安定になる可能性が高いにも関わらず関連する技術によるとアーム角度指令通りに移乗ロボットアーム601が動作しているのに対し、本発明によると第1姿勢となった3[s]から0.1[s]後にアーム角度が一定値になり、移乗ロボットが不安定になることを予防していることが分かる。ここで、フーリエ変換中のアーム速度ωは3[s]におけるアーム速度としている。
図4は、実施の形態2にかかるシミュレーションにおける、アーム使用者慣性モーメントの時間変化である。図4において、実線は本発明を使用した場合のアーム使用者慣性モーメントであり、破線はアーム使用者慣性モーメントの正常範囲下限値J minとアーム使用者慣性モーメントの正常範囲上限値J maxであり、一点鎖線は関連する技術を使用した場合のアーム使用者慣性モーメントである。ただし、(13)によって算出したアーム使用者慣性モーメント同定値
Figure 0005720529
は実線で示すアーム使用者慣性モーメントと一致している。
図4において、関連する技術を使用した場合のアーム使用者慣性モーメントはアーム使用者慣性モーメントの正常範囲上限値J maxより大きな値を取ったまま移乗ロボットアーム601が動作し続けていることを表している。一方、本発明を使用した場合、(13)によって算出したアーム使用者慣性モーメント同定値がアーム使用者慣性モーメントの正常範囲上限値J maxを超えたことを判定した3.1[s]以降は、移乗ロボットアーム601が第1姿勢に停止するため一定値に保持されており、移乗ロボットの不安定動作を未然に防止している。
図5は、実施の形態2にかかるシミュレーションにおける負荷トルクの時間変化である。図5において、実線は移乗ロボットアーム601と使用者603にかかる重力に起因する移乗ロボットアーム601の稼働部におけるトルクである負荷トルクであり、破線はアーム最大静止摩擦トルクTsmaxである。
図5が示すように、本シミュレーションの全ての姿勢において、アーム最大静止摩擦トルクTsmaxが常に負荷トルクよりも大きいことが分かる。よって図3及び図4の本発明を使用した場合において、(15)の1つ目の場合に基づいて3.1[s]においてモータトルクTを0[N・m]としている。
本シミュレーションにおいて、アーム角度減速機周波数成分演算器121及びトルク指令減速機周波数成分演算器122が演算に使用するアーム角度検出値とトルク指令を取得する時間は0.1[s]となっており、パラメータ同定器123及び安全制御器124の演算を含めても安全応答時間Trよりも十分に小さな時間であることから、本発明によると安全応答時間内に(15)の1つ目の場合の安全な姿勢に移動し停止させることができることが分かる。
このように、使用者が移乗ロボットの設計において想定していない姿勢で搭乗していることを、専用の検出器を使用することなく検出し、移乗ロボットを最も少ない動作で安全な姿勢に移動し停止させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
上記一実施形態において、アーム使用者慣性モーメント同定値が正常範囲にあるか否かによって安全制御を実施したが、アーム粘性摩擦同定値など任意のパラメータ同定値が正常範囲にあるか否かによって安全制御を実施することができる。また、任意のパラメータ同定値が正常でないと判定された場合、アームの摩擦を利用して最小限の動作でロボットを安全に停止させることができる。
上記一実施形態において、1つの移乗ロボットアームを備えた移乗ロボットの例を示したが、複数の移乗ロボットアームを備えた任意のロボットアームにも適用可能である。
上記一実施形態において、接触比が1.5の減速機を備えた移乗ロボットの例を示したが、任意の接触比の減速機を備えた移乗ロボットに適用可能である。
本発明によると、使用者が移乗ロボットの設計において想定していない姿勢で搭乗していることを、専用の検出機を使用することなく検出し、移乗ロボットを最も少ない動作で安全な姿勢に移動し停止させることができるので、介護ロボット、救助ロボットなど人を持ち上げるロボット全般に広く適用できる。
110 操作入力器
120 移乗ロボット制御装置
121 アーム角度減速機周波数成分演算器
122 トルク指令減速機周波数成分演算器
123 パラメータ同定器
124 安全制御器
130 制御対象
131 モータ
132 移乗ロボット機構
133 アーム角度検出器
600 移乗ロボット
601 移乗ロボットアーム
602 移乗ロボット移動装置
603 使用者
604 ベッド

Claims (3)

  1. 使用者を持ち上げるように回転軸回りに回転動作する移乗ロボットアームと、
    前記移乗ロボットアームの回転軸に連結しアーム角度を取得するアーム角度検出器と、
    前記移乗ロボットアームを駆動するモータと、
    前記モータのモータトルクを前記移乗ロボットアームに伝達する減速機と、
    前記使用者を持ち上げたまま水平移動する車輪と、
    を有する移乗ロボット移動装置を制御する移乗ロボット制御装置であって、
    前記モータのモータトルクを前記移乗ロボットアームに伝達する減速機を備え、
    前記移乗ロボット制御装置は、前記減速機により減速されて駆動した前記移乗ロボットアームの前記アーム角度の検出値をフーリエ変換することにより算出された振動周波数成分であるアーム角度減速機周波数成分と、
    前記減速機を介して伝達される前記モータトルクを発生させるためのトルク指令をフーリエ変換することにより算出された振動周波数成分であるトルク指令減速機周波数成分と、
    に基づいて前記使用者が前記移乗ロボットの設計時に安全な姿勢として想定していない姿勢で使用している場合、前記移乗ロボットアームを安全に制御する安全制御器と、
    前記移乗ロボットアーム及び前記使用者の慣性モーメント、前記移乗ロボットアームの粘性摩擦、クーロン摩擦、前記減速機の剛性パラメータを、前記アーム角度減速機周波数成分と、前記トルク指令減速機周波数成分に基づいて同定しパラメータ同定値として出力するパラメータ同定器を備え、
    前記安全制御器は、前記パラメータ同定値が移乗ロボットの設計時に前記使用者が安全な姿勢をとっている場合に示す範囲であるパラメータ正常範囲に含まれない場合に、前記移乗ロボットアームを安全な位置で停止させるトルク指令を出力する、
    移乗ロボット制御装置。
  2. 前記パラメータ同定器は、
    Figure 0005720529
    及び
    Figure 0005720529
    に基づいて前記パラメータ同定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の移乗ロボット制御装置。
    但し、(1)及び(2)における記号の意味は以下の通りである。
    Figure 0005720529
    ω:フーリエ変換中のアーム速度[rad/s]、
    n:移乗ロボットアーム側の減速機の歯数、
    :アーム角度の1次余弦項のフーリエ係数、
    :アーム角度の3次余弦項のフーリエ係数、
    :アーム角度の5次余弦項のフーリエ係数、
    :アーム角度の1次正弦項のフーリエ係数、
    :アーム角度の3次正弦項のフーリエ係数、
    :アーム角度の5次正弦項のフーリエ係数、
    0 :トルク指令の直流項のフーリエ係数、
    :トルク指令の1次余弦項のフーリエ係数、
    :トルク指令の3次余弦項のフーリエ係数、
    :トルク指令の5次余弦項のフーリエ係数。
  3. パラメータ正常範囲が
    Figure 0005720529
    である場合、前記安全制御器は、前記モータが、
    Figure 0005720529
    に示すモータトルクを発生するようなトルク指令を出力することを特徴とする、
    請求項2に記載の移乗ロボット制御装置。
    但し、(3)及び(4)における記号の意味は以下の通りである。
    Ω:パラメータ正常範囲[kg・m ]、
    min :アーム使用者慣性モーメントの正常範囲下限値[kg・m ]、
    max :アーム使用者慣性モーメントの正常範囲上限値[kg・m ]
    M:アーム使用者質量[kg]、
    l:アーム稼働部とアーム使用者重心の間の距離[m]、
    θ:アーム角度[rad]、
    θ :アーム角度指令[rad]、
    :アーム静止摩擦トルク[N・m]、
    smax :アーム最大静止摩擦トルク[N・m・s/rad]、
    g:重力加速度[m/s ]
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