[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態の文書フローシステムの概略について説明する。図1に、本実施の形態の文書フローシステムの一例の概略を示す。
本実施の形態において文書フローシステムとは、文書フローを実行するシステムをいう。また、文書フローとは、文書を表す文書情報(ドキュメントデータ)を処理対象として処理を実行するジョブフローをいう。
また、ジョブフローとは、予め定義された一連の複数のジョブの流れ(実行順序)をいう。ここで、ジョブとは、予め定められた機能を実現するためにコンピュータが実行する処理または処理の集まりをいう。
また、ジョブの具体的例としては、入力ジョブ、加工ジョブ、対話ジョブ、及び送信ジョブ等が挙げられる。なお、これらジョブの詳細については後述する。
図1に示す文書フローシステム10は、文書情報入力装置12、文書情報出力装置14、表示装置16、入力装置18、及び情報処理装置20を備えて構成される。
文書情報入力装置12は、例えば、文書読取機能、文書印刷機能、複写機能、ファクシミリ通信機能、及び情報通信機能等を有する複合機等で構成される。ここで、文書読取機能は、文書を光学的に読取ると共に、読取った文書を画像データとして表す文書情報を生成する機能をいう。また、文書印刷機能は、例えば、印刷用紙、プラスティックカード、板、または布等の印刷媒体に、文書情報が表す文書を印刷する機能をいう。複写機能は、文書読取機能により読取った文書を、文書印刷機能により印刷して複製する機能をいう。ファクシミリ通信機能及び情報通信機能は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/InternetProtocol)、またはG3のプロトコル等を用いて文書情報を送受信する機能をいう。
文書情報入力装置12は、文書を表す文書情報を文書フローシステム10に入力する機能を有するものである。具体的には、文書情報入力装置12が上述のような機能を有する場合、文書情報入力装置12は、文書読取機能、ファクシミリ通信機能、または情報通信機能を実行することで文書情報を取得する。次に、文書情報入力装置12は、取得した文書情報を、情報処理装置20の予め定められた共有フォルダに保存する。なお、文書情報入力装置12は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成され、文書作成ソフトウェアが作成した文書情報を入力する構成を採用してもよい。
文書情報出力装置14は、文書情報入力装置12と同様に、例えば、複合機等で構成される。本実施の形態の文書情報出力装置14は、情報処理装置20から受信した文書情報を外部に出力する機能を有するものである。文書情報出力装置14は、ファクシミリ通信機能または情報通信機能を実行することで、情報処理装置20により処理が施された文書情報を、情報処理装置20から受信する。次に、文書情報出力装置14は、ファクシミリ通信機能、情報通信機能、または印刷機能等を実行することで、受信した文書情報が表す文書を外部に出力する。なお、文書情報出力装置14は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成され、情報処理装置20によって処理を施された電子文書を表示するよう表示装置を制御する構成を採用してもよい。
表示装置16は、情報処理装置20で対話処理(詳細後述)が実行される際等に情報処理装置20により制御されて、詳細を後述する各種の情報等を表示する機能を有するものである。表示装置16の具体的例としては、液晶パネル、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、またはCRT(Cathode Ray Tube)等が挙げられる
また、入力装置18は、情報処理装置20で対話処理(詳細後述)が実行される際等に、ユーザ等が詳細を後述する各種情報を入力するための機能を有するのである。入力装置18の具体的例としては、キーボードまたはポインティングデバイス(以下、マウスという)等が挙げられる。
情報処理装置20は、例えば、サーバ機またはパーソナルコンピュータ等により構成される。情報処理装置20は、ソフトウェア処理である文書処理を実行する機能を有するものである。文書処理を実行することで、情報処理装置20は、文書情報入力装置12が入力した文書情報に対して、予め定義されたジョブフローに従ってジョブを実行し、ジョブが実行された文書情報を文書情報出力装置14へ配信する。
文書情報入力装置12、文書情報出力装置14、表示装置16、入力装置18、及び情報処理装置20は、互いにインターネット回線等の通信回線19によって情報が授受されるように接続されている。また、情報処理装置20が表示装置16及び入力装置18を備えるように構成してもよい。
次に、図2を参照して、本実施の形態の情報処理装置20のハードウェア構成の概略について説明する。図2に、本実施の形態の情報処理装置20のハードウェア構成の一例を示す。
図2に示す情報処理装置20は、演算部22、記憶部24、入出力部26、及び通信部28を備えて構成される。演算部22は、例えば、CPU(Central Processing Uint)等により構成される。記憶部24は、例えば、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Rabdom Access Memory)、またはハードディスク等により構成されており、プログラム25(詳細後述)が格納される。入出力部26は、例えば、A/D変換器等により構成される。通信部28は、例えば、ネットワークカード等により構成される。演算部22、記憶部24、入出力部26、及び通信部28は、互いにバス29によって情報が授受されるように接続されている。
ソフトウェア処理は、演算部22が記憶部24に格納されたプログラム25を読み込み、読み込んだプログラム25が表すソフトウェア処理の実行手順に従って演算を行うことにより実現される。なお、本実施の形態では、プログラム25は、予め記憶部24に格納されている構成としているがこれに限らず、プログラム25をCD−ROMやリムーバブルディスク等の記録媒体等に記憶しておき記録媒体から記憶部24等にインストールするようにしてもよいし、インターネット等の通信回線を介して外部装置から記憶部24等にインストールするようにしてもよい。
なお、記憶部24には、演算部22によって演算結果を表す情報が書き込まれる。また、必要に応じて入出力部26及び通信部28は、接続する各種の部及び装置との間で入出力または通信する情報を、演算部22が演算対象とする情報または演算した結果を表す情報として入出力または通信する。
次に本実施の形態の情報処理装置20について、具体的ジョブフローの1例を挙げて詳細に説明する。図3に、ジョブフローの定義の流れの概略の一例を、図4に、当該ジョブフローの定義情報の概略の一例を示す。また、図5に、当該ジョブフローを実行する情報処理装置20の機能的構成の一例を示す。
まず、フロー定義Aについて説明する。
図3に示す本実施の形態のジョブフロー(以下、フロー定義Aという)は、入力Aジョブ、加工1Aジョブ、対話ジョブ、加工2Aジョブ、及び配信Aジョブを備えて構成されており、図3に示した流れにそって実行される。図4は、フロー定義Aの概略を記述したものの一例であり、文書情報に対して実行するジョブ、各ジョブを実行する順序、各ジョブで行われる処理、及び処理に際して使用される属性(パラメータ)の名称と属性値を定めるものである。なお、本実施の形態では、このような定義情報は、予め情報処理装置20の記憶部42(図3参照)に記憶されている。
なお、本実施の形態のジョブフローでは、各ジョブにおける各処理においては、文書情報に属性(付加情報)の付加を行える。また、後段のジョブ(処理)では、前段の属性が設定した値を参照して処理を行える。
入力Aジョブは、文書情報入力装置12から文書情報を取得する処理である。本実施の形態のフロー定義Aの入力Aジョブでは、ネットワーク回線19等を介して、文書情報入力装置12から文書情報を取り込む処理を行うように構成されている。また、入力Aジョブでは、図4に定義するように、入力属性というパラメータに対し、属性1及び属性2が設定値(パラメータ値)として設定される。入力属性として何を設定するかは特に限定されず、予め定めておけばよいが、具体的例としては、利用者名、文書作成者名、ファイル形式名、作成時刻、文書名等が挙げられる。
加工1Aジョブは、入力Aジョブの実行により取り込まれた文書情報に対して、予め定められた加工を行う処理である。本実施の形態のフロー定義Aの入力Aジョブでは、文書情報が表す画像データ(図6(A)、イメージデータ50参照)からOCR(Optical Character Read)処理を行い予め定められた領域を抽出する(以下、領域OCRという)処理を行い、予め定められた領域の文書に記述された文字を表す文字情報を抽出するように構成されている。加工1Aジョブでは、図4に定義するようにOCR結果出力属性というパラメータに対し、属性3及び属性4が設定値(パラメータ値)として設定される。OCR結果出力属性として何を設定するかは特に限定されず、予め定めておけばよいが、具体的例としては、文書名、ファクシミリ番号、電話番号、メールアドレス、作成者名等が挙げられる。本実施の形態では、具体的一例として、OCR結果出力属性として、領域52(図6(B)参照)から抽出された文字列が属性3に設定され、領域54(図6(B)参照)から抽出された文字列が属性4に設定される。
対話ジョブは、ユーザに情報を提示するとともにユーザから何らかの指示入力を受ける処理を行わせるためのジョブである。対話ジョブが実行されると、フロー定義Aが一端停止され、ユーザの処理待ち状態になり、ユーザの処理が終了すると、フロー定義Aが再開される。具体的例としては、ユーザによる文書情報や設定された属性値の確認処理や、承認処理等が挙げられる。
本実施の形態のフロー定義Aの対話ジョブでは、前段のジョブまでで処理(加工処理等)された文書情報をプレビュー表示する(詳細後述)。ユーザは、表示装置16上でプレビュー表示された文書情報のイメージデータを確認し、正しくなければ、キャンセルする処理を入力装置18により行う。また、ユーザは、設定された属性値(属性1〜属性4)を確認し、後段のジョブ(加工2Aジョブ、配信Aジョブ)を正しく行えることを確認し、正しくなければ、属性値を修正する処理を入力装置18により行う。さらに、ユーザは、確認後、フロー定義Aを再開させる指示を入力装置18により行う。
加工2Aジョブは、文書情報に対して、文書名を付与する処理である。本実施の形態のフロー定義Aの入力2Aジョブでは、図4に定義するように加工1Aジョブで設定された属性3を文書名として文書情報に付与する処理を行うように構成されている。なお、図4の加工2Aジョブに示した「文字列」は、文字列以外の設定値を設定しないよう制限することを表している。
配信Aジョブは、文書情報をファクシミリ(図中では、FAXと記載)機能を用いて文書情報出力装置14に配信する処理である。本実施の形態のフロー定義Aの配信Aジョブでは、図4に定義するように加工1Aジョブで設定された属性4をファクシミリ番号(宛先)として用いて文書情報を配信する処理を行うように構成されている。なお、図4の配信Aジョブに示した「TEL_NUMBER」は、ファクシミリ番号を表す値以外の設定値を設定しないよう制限することを表している。具体的には、「TEL_NUMBER」という制限は、情報処理装置20の使用地域におけるファクシミリ番号を表すために用いられる文字及び文字列で構成される設定値のみを変数に設定するよう制限することを表している。より具体的な例を挙げると、情報処理装置20の使用地域が日本国である場合には、「TEL_NUMBER」という制限は、2つのハイフンと10個の数字以外の文字とからなる文字列以外の値を設定しないよう制限することを表している。
次に、フロー定義Aを実行するための本実施の形態の情報処理装置20の構成について説明する。
図3、4に示したジョブフローは、演算部22が記憶部24に格納されているプログラム25を実行することにより実行される。また、プログラム25の実行により、各ジョブを実行するための図5に示した各機能部が実現される。 図5に示すように、本実施の形態の情報処理装置20は、受付部32、第1加工部34、対話部36、第2加工部38、及び配信部40を備えて構成されている。また、本実施の形態の情報処理装置20は、図4に示した、ジョブフローの定義情報や、注意すべき属性のリスト(詳細後述)等を記憶する機能を有する記憶部42を備えている。
受付部32は、入力Aジョブを実行する機能を有しており、文書情報を取得する処理を行う処理部(図示省略)を備えて構成されている。
第1加工部34は、加工1Aジョブを実行する機能を有しており、本実施の形態では、予め定められた領域をOCR処理し、OCR結果出力属性として属性3及び属性4を設定する処理を行う処理部(図示省略)を備えて構成されている。本実施の形態では、詳細を後述する図6(A)に示した文書情報のイメージデータ50に対しいて図6(B)に示した領域52(属性3)、領域54(属性4)をOCR処理し、属性3に「666666666666666」が設定され、属性4に「×××−××××−××××」が設定される。
対話部36は、対話ジョブを実行する機能を有しており、本実施の形態では、対話処理部44、表示制御処理部46、及び再開指示処理部48を備えて構成されている。
対話処理部44は、上述した対話ジョブを実行するための基本的機能を有している。表示制御処理部46は、表示装置16に文書情報及び属性値(本実施の形態では属性3〜属性4)をプレビュー表示させる処理を行う機能を備えて構成されている。本実施の形態の表示制御処理部46は、記憶部42に記憶されているフロー定義Aを解析し、対話ジョブよりも後段のジョブで前段のジョブが設定した属性を参照しており、参照している属性が記憶部42に記憶されている注意すべき属性のリストに含まれる場合は、文書情報中に含まれる当該属性の属性値の表示を強調する処理を行う(詳細後述)。再開指示処理部48は、入力装置18から入力されたユーザの指示に従って、設定されている属性値の修正や、フロー定義Aを再開する処理等を行う。
第2加工部38は、加工2Aジョブを実行する機能を有しており、文書情報対して、予め定められた加工を行い、属性3の属性値を文書名として付与する処理を行う処理部(図示省略)を備えて構成されている。
配信部40は、配信Aジョブを実行する機能を有しており、属性4をファクシミリ番号(宛先)として用いて文書情報を文書情報出力装置14にファクシミリする処理を行う処理部(図示省略)を備えて構成されている。
次に、本実施の形態の対話ジョブにおけるプレビュー表示について、具体的例を参照して詳細に説明する。図6(A)に文書情報のイメージデータの一例を、(B)に加工1Aジョブで実行される領域OCRの領域(属性3及び属性4の領域)の一例を示す。また、図7に本実施の形態のプレビュー表示処理の流れの一例のフローチャートを示す。
プレビュー表示処理のステップ100では記憶部42を参照して、フロー定義を特定する。本実施の形態では、フロー定義Aであることを特定する。
次のステップ102では、記憶部42に記憶されているフロー定義A(図4参照)に含まれるジョブを解析する。なお、本実施の形態では、特に対話ジョブの後段のジョブの解析をジョブ毎に順次行う。全ジョブの解析がまだ終了していない場合は、否定されてステップ104へ進む。ステップ104では、対話ジョブの後段のジョブが使用する属性の属性値を解析する。例えば、加工2Aジョブを解析する場合は、属性3を文書名として使用していることを解析する。また、配信Aジョブを解析する場合は、属性4をファクシミリ番号として使用していることを解析する。
次のステップ106では、解析したジョブで前段のジョブで設定した属性を参照しているか判断する。前段のジョブで設定した属性を参照していない場合は、否定されてステップ102に戻る。一方、参照している場合は、肯定されてステップ108へ進む。本実施の形態では、加工2Aジョブ及び配信Aジョブ共に、前段で設定した設定値を参照しているため肯定されてステップ108へ進む。
ステップ108では、解析した属性が領域OCRにより作成した属性であるか否か判断する。本実施の形態では、文書情報のイメージデータのプレビュー表示上に強調表示を行うようにしているため、領域OCRにより設定された属性値を強調表示の対象としている。そのため、領域OCR以外の加工処理等で設定された属性である場合は、否定されてステップ102に戻る。一方、領域OCRにより作成した属性である場合は、肯定されてステップ110へ進む。本実施の形態では、加工2Aジョブ及び配信Aジョブ共に、前段の加工1Aジョブの領域OCR処理で設定した設定値であるため肯定されてステップ110へ進む。
ステップ110では、解析した属性が、記憶部42に記憶されている注意すべき属性のリストに有るか否か判断する。本実施の形態に係る注意すべき属性のリストの具体的一例を図8に示す。本実施の形態では、プレビュー表示において強調表示を行いたい、すなわち、ユーザに注意して確認を行わせたい属性をジョブフローの定義とは別に、注意すべき属性のリストとして、記憶部42に記憶させている。なお、本実施の形態では、注意すべき属性とは、もし、後段の処理において誤った属性値を使用してしまった場合に、大きな問題が生じる属性としている。具体的例としては、本実施の形態では、図8に示すように、ファクシミリ番号及びメールアドレスが注意すべき属性とされている。なお、何を注意すべき属性とするかは、予め利用者等により定めておけばよい。
本実施の形態では、加工2Aジョブは、属性が文書名であり、注意すべき属性ではないため、否定されてステップ102に戻る。一方、配信Aジョブは、属性がファクシミリ番号であるため肯定されてステップ112へ進む。なお、このように、フロー定義とは別のリストとして記憶させておくことにより、強調表示させたい属性の設定を行い易くし、柔軟性を持たせられる。
ステップ112では、解析した属性の属性値に対し強調表示を行うために、当該属性の領域情報を保持した後、ステップ102に戻る。本実施の形態では、配信Aジョブの場合、領域54の領域情報を保持する。
一方、ステップ102で全ジョブの解析が終了している場合は、肯定されてステップ114へ進む。ステップ114では、ステップ112の処理により、保持した領域情報を参照し、文書情報のプレビュー表示に保持した領域を強調表示するプレビュー表示イメージデータを作成した後、本処理を終了する。本実施の形態では、注意すべき属性の属性値の強調表示を、注意すべき属性の領域を強調表示することにより行う。強調表示としては、例えば、領域をハイライトする、太線等で囲う、色を変える等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、目立つように(ユーザの注意を引くように)表示させるものであればよい。また、本実施の形態では、このようにOCRを行った領域そのものを強調表示しているが、これに限定されず、注意すべき属性の属性値が目立てばよく、当該領域よりも大きい領域であってもよいし、また例えば、領域全体を表示するのではなく、属性値に下線を表示するようにしてもよい。
本実施の形態における文書情報のイメージデータ50に、属性4の領域54を強調表示するように作成されたプレビュー表示のイメージデータの具体的一例を図9に示す。また、本実施の形態では、表示装置16には、図9に示した作成した注意すべき属性の属性値が強調表示されたプレビュー表示のイメージデータに加えて、設定されている属性値の一覧を別途表示させる。本実施の形態における表示装置16上に表示される画像の具体的一例を図10に示す。
ユーザは、図10示した画像を参照し、後段の処理を行ってよいか(後段の処理が適切に行えるか)を確認する。本実施の形態では、ユーザは、イメージデータ50中に強調表示されている箇所の属性値を確認し、例えば、数字の「8」が正しい値であるのに、「3」と読み取られている場合等、誤りがある場合は、属性値の表示56を用いて誤りを入力装置18から修正指示する。また、ユーザは、確認が終了すると確認ボタン58を用いて確認が終了したこと、すなわち、ジョブフローを再開するよう指示する。
なお、本実施の形態では、ユーザから入力装置18から属性値の修正を指示された場合は、再開指示処理部48により、属性値を修正する。これにより、後段のジョブでは、修正された属性値を使用して処理が行われるようになる。
以上説明したように本実施の形態の情報処理装置20では、フロー定義Aを実行する場合、対話ジョブにおいて、対話部36が文書情報のイメージデータ50を表示装置16に表示させる際に、表示制御処理部46は、記憶部42に記憶されているジョブフローの定義からフロー定義Aであることを特定し、各ジョブを解析し、対話ジョブの後段のジョブ(第2加工ジョブ及び配信ジョブ)が前段のジョブ(入力Aジョブ及び加工1Aジョブ)により設定された属性の設定値を使用しているか判断し、前段のジョブかつ、領域OCR(加工1Aジョブの処理)で作成した属性を使用しており、さらに、当該属性が記憶部42に記憶されている注意すべき属性のリストに含まれる属性であるか否か判断する。本実施の形態では、配信ジョブが加工1Aジョブで設定され、かつ注意すべき属性のリストに含まれるファクシミリ番号として、属性4を使用しているため、表示制御処理部46は、文書情報のイメージデータ50上の属性4に対応する領域54を強調して表示するようプレビュー表示のイメージデータを作成し、表示装置16に表示させる。
このように、文書情報のイメージデータ50上の属性4に対応する領域54を強調して表示するようプレビュー表示されるため、ユーザに、イメージデータ50上のどこを特に注意して確認するべきかを容易に認識させられる。例えば、表示装置16に図10に示した画像が表示されている場合、ユーザに、イメージデータ50上の強調表示された箇所(領域54内)と、属性値の表示56を見比べさせることにより、属性値が適切に設定されているか(後段の処理が適切に行えるか)、を容易に確認させられる。従って、ユーザの確認操作の負荷が低減される。本実施の形態では、配信ジョブで使用するファクシミリ番号を強調表示し、ユーザに確認させているため、配信ジョブにおいて文書情報を誤配信することが防止される。
また、例えば、後段のジョブに使用される属性に対応する複数の領域を全て強調表示してしまうと、特に注意すべき属性の箇所と、それ以外の属性(例えば、多少の誤りが属性値に生じていた場合でも、大きな問題とならないような属性)の箇所との区別がつかなくなる恐れがある。これに対して、本実施の形態では、注意すべき属性のリストに含まれる属性である場合に、強調表示を行うようにしているため、ユーザの確認操作の負荷が低減される。
また、注意すべき属性のリストは、ジョブフローの定義とは別のリストとして作成し、記憶部42に記憶させている。このように別のリストとすることにより、例えば、同じジョブフローを使用する場合でも、文書フローシステム10のセキュリティーポリシーの変更等で注意すべき属性ではなくなった場合等は、注意すべき属性のリストへの属性の登録を変更すればよいため、ジョブフローの定義の変更をしなくてもよく、対応が容易になる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、第1の実施の形態のジョブフロー(フロー定義A)と異なり、対話ジョブを複数含むジョブフローを実行する場合の情報処理装置60について説明する。なお、第1の実施の形態と略同様の構成及び動作については同一符号を付す等し、詳細な説明を省略する。
本実施の形態のジョブフロー(以下、フロー定義Bという)を図11に示す。図11に示すように、フロー定義Bは、入力Bジョブ、加工Bジョブ、対話1ジョブ、配信1Bジョブ、対話2ジョブ、及び配信2Bジョブを備えて構成されており、図11に示した流れにそって実行される。第1の実施の形態と同様に、フロー定義Bは、記憶部42に記憶されている。
入力Bジョブは、第1の実施の形態の入力Aジョブに対応し、略同様の処理であるため、ここでは説明を省略する。
加工Bジョブは、第1の実施の形態の加工1Aジョブに対応しており、第1の実施の形態と同様に、領域OCRを行い、領域52及び領域54の文字情報を抽出し、領域52から抽出された文字列が属性3に設定され、領域54から抽出された文字列が属性4に設定される。
対話1ジョブは、第1の実施の形態の対話ジョブに対応しており、第1の実施の形態と同様に、文書情報をプレビュー表示する。なお、本実施の形態では、次の対話処理を行うジョブ(対話2ジョブ)までの間に行われるジョブで使用される属性値であって、注意すべき属性のリストに記憶されている属性の属性値を強調表示してイメージデータ50のプレビュー表示を作成し、文書情報出力装置表示装置16に表示させるよう制御する処理を行う。
配信1Bジョブは、加工Bジョブで設定された属性3をメールアドレス(電子メールアドレス)として文書情報に付与する処理を行うように構成されている。なお、このようにメールアドレスを設定する場合、例えば、「@」の文字を含まない値を設定しないよう制限するようにするとよい。
対話2ジョブは、第1の実施の形態の対話ジョブ及び対話1ジョブに対応しており、対話ジョブ1と同様に、文書情報をプレビュー表示する。なお、本実施の形態では、対話2ジョブの後に対話処理を行うジョブがないため、後段のジョブで使用される属性値であって、注意すべき属性のリストに記憶されている属性の属性値を強調表示してイメージデータ50のプレビュー表示を作成し、文書情報出力装置表示装置16に表示させるよう制御する処理を行う。
配信2Bジョブは、第1の実施の形態の配信Aジョブに対応しており、加工1Aジョブで設定された属性4をファクシミリ番号(宛先)として用いて文書情報を配信する処理を行うように構成されている。
次に、フロー定義Bを実行するための本実施の形態の情報処理装置60の構成について説明する。
図12には、図11に示したジョブフローを実行するための本実施の形態の情報処理装置60の一例の機能ブロック図を示す。
図12に示すように、本実施の形態の情報処理装置60は、受付部32、加工部62、第1対話部64、第1配信部66、第2対話部68、及び第2配信部70を備えて構成されている。また、本実施の形態の情報処理装置60は、第1の実施の形態と同様に、フロー定義Bの定義情報や、注意すべき属性のリスト(図8参照)等を記憶する機能を有する記憶部42を備えている。
第1対話部64及び第2対話部68は、対話ジョブを実行する機能を有しており、第1の実施の形態と同様に、対話処理部44、表示制御処理部46、及び再開指示処理部48を備えて構成されている。
本実施の形態の表示制御処理部46は、記憶部42に記憶されているフロー定義Bを解析し、次の対話ジョブまでの間に実行される後段のジョブで前段のジョブが設定した属性を参照しており、参照している属性が注意するべき属性のリストに含まれる場合は、文書情報中に含まれる当該属性の属性値の表示を強調する処理を行う(詳細後述)。
第1配信部66は、配信1Bジョブを実行する機能を有しており、属性3をメールアドレス(宛先)として用いて文書情報を文書情報出力装置14等に配信する処理を行う処理部(図示省略)を備えて構成されている。
また、第2配信部70は、配信2Bジョブを実行する機能を有しており、属性4をファクシミリ番号(宛先)として用いて文書情報を出力装置14にファクシミリする処理を行う処理部(図示省略)を備えて構成されている。
次に、本実施の形態の対話ジョブにおけるプレビュー表示について、具体的例を参照して詳細に説明する。図13に本実施の形態のプレビュー表示処理の流れの一例のフローチャートを示す。
プレビュー表示処理のステップ200及びステップ202は、フロー定義Bであることを特定する他は、第1の実施の形態のプレビュー表示処理(図7のステップ100及びステップ102)と略同様の処理であるため説明を省略する。
次のステップ204では、記憶部42に記憶されているフロー定義Bに含まれるジョブを解析する。なお、本実施の形態では、次の対話ジョブまでの間に実行される後段のジョブの解析をジョブ毎に順次行う。すなわち、対話1ジョブでは、対話2ジョブまでの間に実行される配信1Bジョブの解析を行い、属性3をメールアドレスとして使用していることを解析する。また、対話2ジョブでは、後段に対話ジョブがないため、対話2ジョブの後段である、配信2Bジョブの解析を行い、属性4をファクシミリ番号として使用していることを解析する。全ジョブの解析がまだ終了していない場合は、否定されてステップ204へ進む。
次のステップ206及びステップ208は、第1の実施の形態のプレビュー表示処理(図7のステップ106及びステップ108)と略同様の処理であるため説明を省略する。
次のステップ210は、第1の実施の形態のプレビュー表示処理(図7のステップ110)と略同様の処理であるが、本実施の形態では、図8に示すように、ファクシミリ番号及びメールアドレスが注意すべき属性とされており、配信1Bジョブ及び配信2Bジョブ共に、使用する属性が、注意すべき属性であるため肯定されてステップ212へ進む。
ステップ212では、第1の実施の形態のプレビュー表示処理(図7のステップ112)と略同様の処理であるが、本実施の形態では、対話1ジョブでは、配信1Bジョブに対応して領域52の領域情報を保持する。また、対話2ジョブでは、配信2Bジョブに対応して、領域54の領域情報を保持する。
一方、ステップ202で全ジョブの解析が終了している場合は、肯定されてステップ214へ進む。ステップ214は、第1の実施の形態のプレビュー表示処理(図7のステップ114)と略同様の処理であるが、本実施の形態では、対話1ジョブでは、領域52を強調表示するプレビュー表示イメージデータを作成した後、本処理を終了する。領域52を強調表示するように作成されたプレビュー表示のイメージデータを図14(A)に示す。また、対話2ジョブでは、領域54を強調表示するプレビュー表示イメージデータを作成した後、本処理を終了する。領域54を強調表示するように作成されたプレビュー表示のイメージデータを図14(B)に示す。
ユーザは、対話1ジョブ及び対話2ジョブのそれぞれにおいて、イメージデータ50中に強調表示されている箇所の属性値を確認し、第1の実施の形態と略同様にして、入力装置18から指示を行う。
以上説明したように本実施の形態の情報処理装置60では、フロー定義Bを実行する場合、対話1ジョブにおいて、第1対話部64が文書情報のイメージデータ50を表示装置16に表示させる際に、表示制御処理部46は、記憶部42に記憶されているジョブフローの定義からフロー定義Bであることを特定し、各ジョブを解析し、次の対話ジョブ(対話2ジョブ)までの間の後段のジョブ(配信1Bジョブ)が前段のジョブ(入力Bジョブ及び加工Bジョブ)により設定された属性の設定値を使用しているか判断し、前段のジョブかつ、領域OCR(加工Bジョブの処理)で作成した属性を使用しており、さらに、当該属性が記憶部42に記憶されている注意すべき属性のリストに含まれる属性であるか否か判断する。本実施の形態では、配信1Bジョブが加工Bジョブで設定され、かつ注意すべき属性のリストに含まれるメールアドレスとして、属性3を使用しているため、表示制御処理部46は、文書情報のイメージデータ50上の属性3に対応する領域52を強調して表示するようプレビュー表示のイメージデータを作成し、表示装置16に表示させる。
また、対話1ジョブ及び配信1Bジョブの後段である対話2ジョブでは、第2対話部68が文書情報のイメージデータ50を表示装置16に表示させる際に、表示制御処理部46は、記憶部42に記憶されているジョブフローの定義からフロー定義Bであることを特定し、各ジョブを解析し、次の対話ジョブまでの間の(ここでは、後段に対話ジョブが存在しないため全ての)後段のジョブ(配信2Bジョブ)が前段のジョブ(入力Bジョブ及び加工Bジョブ)により設定された属性の設定値を使用しているか判断し、前段のジョブかつ、領域OCR(加工Bジョブの処理)で作成した属性を使用しており、さらに、当該属性が記憶部42に記憶されている注意すべき属性のリストに含まれる属性であるか否か判断する。本実施の形態では、配信2Bジョブが加工Bジョブで設定され、かつ注意すべき属性のリストに含まれるファクシミリ番号として、属性4を使用しているため、表示制御処理部46は、文書情報のイメージデータ50上の属性4に対応する領域54を強調して表示するようプレビュー表示のイメージデータを作成し、表示装置16に表示させる。
このように、対話1ジョブでは、文書情報のイメージデータ50上の属性3に対応する領域52を強調して表示するようプレビュー表示され、対話2ジョブでは、文書情報のイメージデータ50上の属性4に対応する領域54を強調して表示するようプレビュー表示されるため、第1の実施の形態と同様に、ユーザに、イメージデータ50上のどこを特に注意して確認するべきかを容易に認識させられる。本実施の形態では、配信1Bジョブ及び配信2Bジョブにおける誤配信が防止される。
また、本実施の形態では、対話ジョブの後段の全てのジョブを強調表示の対象としているのではなく、次の対話ジョブまでの間に実行される後段のジョブを強調表示の対象としている。次の対話ジョブの後段のジョブで使用される属性の属性値については、次の対話ジョブの際に、確認してもよいため、現在実行している対話ジョブにおいては、特に注意しなくてもよい場合がある。そのため、このように次の対話ジョブの際に確認してもよいものは、イメージデータ50上に強調表示しないことにより、より、ユーザに、どこを特に注意して確認するべきかを容易に認識させられ、ユーザの確認操作の負荷を低減させられる。
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した、文書フローシステム10や情報処理装置(情報処理装置20、60)等の構成、動作、フロー定義(フロー定義A、B)等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更されることは言うまでもない。