JP5719970B2 - シンチレーション推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、がいし等の絶縁物におけるトラッキング劣化の前兆現象であるシンチレーションを推定する方法に関する。
変電所のスイッチギア内には、複数の電力機器が設置され、運転されている。その電力機器の運転中に、エポキシがいし等の絶縁支持物の絶縁性能が低下しつつあることを早期に検出するためには、トラッキング(漏電に始まって絶縁破壊に至る現象)の前兆を把握する必要がある。トラッキングとは、絶縁材料の表面において、絶縁抵抗が低下して、漏れ電流が発生するようになり、さらに短絡や地絡によって絶縁破壊に至る現象である。
特許文献1には、放電トラッキングを検出するために、ケーブル端末装置において、接地線電流の高周波成分をトラッキング信号とし、低周波成分を商用信号とした上で、トラッキング信号と、商用信号との比が閾値を超えた場合に、トラッキングが発生していると判断する方法が提案されている。
特許第4319953号公報
しかしながら、特許文献1の手法を、スイッチギア内に設置されている、有機物で構成されるがいし(例えば、エポキシがいし等)に適用しようとすると、次のような問題がある。
(1)スイッチギア内では、複数の電力機器が密集しているために、電気的なノイズが多い。
(2)トラッキング劣化の前兆現象の信号(以下、「シンチレーション信号」という)が漏れ電流に重畳されるときに、漏れ電流の方がシンチレーション信号より大きいことがある。
そして、上記の問題により、接地線電流のS/N比が悪くなってしまい、シンチレーション信号だけを検出することが困難である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、絶縁物のトラッキング劣化を早期に検出することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、絶縁物の表面劣化の前兆現象であるシンチレーションの発生を推定する方法(シンチレーション推定方法)であって、前記絶縁物に電圧を印加するステップと、前記電圧を印加した絶縁物から同じ方向かつ異なる距離にある2個のマイクロホンを用いて、当該絶縁物から発生する音響信号を測定するステップと、前記2個のマイクロホンで測定した音響信号の振動幅がともに所定値を超え、かつ、当該音響信号の振動幅が所定値を超えた各時刻の差が前記2個のマイクロホンの間の距離に応じた時間値である場合に、当該絶縁物において前記シンチレーションが発生したと推定するステップと、を実行することを特徴とする。
この方法によれば、表面の絶縁性が劣化し始めた絶縁物に電圧を印加すると、劣化の前兆現象(シンチレーション)として、放電とともにパチパチという音が発生する。そこで、電圧を印加した絶縁物から発生する音響信号を測定し、測定した音響信号の振動幅が所定値より大きければ、シンチレーションが発生したと推定する。そして、2個のマイクロホンで測定した音響信号の振動幅が所定値より大きくなった各時刻が、マイクロホン間の距離に応じた時間差になっていれば、2個のマイクロホンの各位置の延長線上にある絶縁物でシンチレーションが発生したと推定する。これによれば、絶縁物の表面劣化の前兆現象を確実に把握することにより、劣化を早期に検出することができる。次に、2個のマイクロホンを用いることにより、その延長線上にある絶縁物が劣化し始めていることを確認することができる。そして、音響信号の測定値を用いるので、電気的ノイズが高い環境であっても、感度よくシンチレーションを検出することができる。
また、本発明の上記シンチレーション推定方法で、前記絶縁物において前記シンチレーションが発生したと推定するステップにおいて、前記音響信号の振動幅がともに所定値を超え、かつ、前記各時刻の差が前記2個のマイクロホンの間の距離に応じた時間値である場合に、前記2個のマイクロホンのうち、いずれか一方のマイクロホンと、当該絶縁物との間の距離を取得するステップと、商用電源により前記絶縁物に印加される電圧を測定するステップと、前記一方のマイクロホンで測定した音響信号が前記所定値を超えた時刻から、前記取得した距離に応じた時間値を減算した時刻を、前記絶縁物でシンチレーションが発生した時刻として推定するステップと、を実行し、前記推定した時刻における前記電圧の位相が略90度又は270度であるときに、前記絶縁物においてシンチレーションが発生したと推定することとしてもよい。
この方法によれば、商用電源による交流電圧を絶縁物に印加した際に、電圧がピーク値、すなわち、最大振幅になるときに、絶縁物に対するストレスが最大になるので、シンチレーションが発生しやすくなる。そして、交流電圧が最大振幅になるのは、正のピーク値に対応する90度の位相、及び、負のピーク値に対応する270度の位相のときである。これによれば、絶縁物でシンチレーションが発生したと推定される時刻が、90度又は270度の電圧位相に該当する場合には、当該絶縁物におけるシンチレーション発生の推定が確実になったと言える。
また、本発明の上記シンチレーション推定方法で、前記絶縁物において前記シンチレーションが発生したと推定するステップにおいて、前記音響信号の振動幅がともに所定値を超え、かつ、前記各時刻の差が前記2個のマイクロホンの間の距離に応じた時間値である場合に、前記絶縁物の接地線電流を測定するステップと、前記推定した時刻における前記接地線電流の高周波成分の強度を特定するステップと、を実行し、前記特定した強度及びその発生頻度がワイブル分布に従っている場合に、前記絶縁物においてシンチレーションが発生したと推定することとしてもよい。
この方法によれば、シンチレーションは、絶縁物に電圧を印加した際に、絶縁性が弱く、放電が起きやすい箇所で発生する現象であるので、物体に加えたストレスと、そのストレスにより特定の現象が起こる確率との関係を示すワイブル分布(最弱点分布)に従うと考えられる。そして、シンチレーション発生時には、絶縁物の接地線電流が高周波になる。これによれば、絶縁物でシンチレーションが発生したと推定される時刻に、接地線電流の高周波成分の強度を特定し、特定した電流強度及びその発生頻度がワイブル分布に従っている場合には、当該絶縁物におけるシンチレーション発生の推定がさらに確実になったと言える。
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、絶縁物のトラッキング劣化を早期に検出することができる。
がいし1で発生するシンチレーション信号を検出するための装置の構成を示す図である。 (a)はがいし1に印加される電圧の変化を示し、(b)はがいし1の接地線電流の変化を示し、(c)は(b)の破線の部分を拡大したものを示す。 (a)はがいし1の音響信号を示し、(b)は(a)の破線の部分を拡大したものを示し、(c)は(b)を約1msec単位の時間ブロックに区分した際の、各時間ブロックにおける、音響信号の最大値及び最小値の差分を示す。 シンチレーション発生時にがいし1に印加された電圧のピーク強度分布を示す図である。 シンチレーションを検出するための手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係るシンチレーション推定方法は、電圧を印加されたがいしで発生する音響信号を2個のマイクロホンで測定し、測定した音響信号の振動幅が所定値以上であり、かつ、音響信号間にマイクロホン間の距離に応じた時間相関がある場合に、当該がいしでシンチレーションが発生したと推定するものである。そして、シンチレーション発生時における印加電圧の位相が90度及び270度の付近に分布していることを確認する。さらに、シンチレーション発生時における接地線電流の強度分布が弱点破壊の分布(ワイブル分布)になっていることを確認する。
これによれば、スイッチギア内等の、電流のS/N比が悪い環境下であっても、シンチレーション信号を精度よく検出することができる。
≪装置の構成≫
図1は、がいしで発生するシンチレーション信号を検出するための装置の構成を示す図である。がいし1は、スイッチギア内に設置される絶縁支持物であり、シンチレーションが発生しているか否かの監視を受ける対象である。母線2は、変電所から延設され、6.6kVの電力を供給する商用系統(商用電源)である。計器用変圧器(Voltage Transformer)3は、がいし1の上部と、母線2との間に設置され、がいし1が母線2から受ける電圧を測定する(以下、VT3という)。計器用変流器(Current Transformer)4は、がいし1の下部と、アースとの間を接続する接地線に設けられ、接地線に流れる電流を測定する(以下、CT4という)。数年に1回の頻度で定期的に行われる検査において、がいし1に電圧ストレスを印加したときに、がいし1の絶縁性が弱く、放電が起きやすい箇所(弱い箇所)でシンチレーションがランダムに発生する。
一方、マイクロホンM1及びM2は、1個のがいし1から同じ方向に、かつ、異なる距離だけ離れた位置に設置され、当該がいし1で発生する音波を測定する。そして、マイクロホンM1及びM2が受けた音響信号間において、マイクロホンM1及びM2の間の距離に応じた時間相関があるか否かをチェックし、時間相関があれば、がいし1でシンチレーション発生の可能性があると判定する。また、がいし1に近い方のマイクロホンM1と、がいし1との間を所定の距離に設定しておく。これは、マイクロホンM1における音響信号の測定時刻から、当該距離に応じた時間値を減算することにより、がいし1におけるシンチレーションの発生時刻を推定するためである。マイクロホンM1及びM2は、可搬であるため、がいし1の劣化部位を把握するのに適する。
なお、VT3、CT4、マイクロホンM1及びM2の測定装置には、それぞれ記憶装置及び表示装置が接続されており、各測定値の時間的変化が記憶され、かつ、表示されるように構成されるものとする。また、各測定装置がネットワークを介して1の記憶装置及び1の表示装置に接続され、各測定値の時間的変化が一括して記憶され、かつ、1つの画面に同時に表示されるように構成されてもよい。これにより、検査担当者は、表示装置の画面に表示された各測定値の時間的変化を参照して、シンチレーションが発生しているか否かを判断することができる。
≪各測定値の時間的変化≫
図2及び図3は、各測定装置による測定値の時間的変化を示す図である。図2(a)は、VT3で測定された、がいし1に印加される電圧を示す。図2(b)及び(c)は、CT4で測定された、がいし1の接地線電流を示し、図2(b)の破線で囲まれた部分を拡大したものが図2(c)である。図3(a)及び(b)は、マイクロホンM1で測定された、がいし1の音響信号を示し、図3(a)の破線で囲まれた部分を拡大したものが図3(b)である。図3(c)は、図3(b)を1msec単位の時間ブロックに区分した際の、各時間ブロックにおける、音響信号の最大値及び最小値の差分(振動幅)を示す。
母線2には商用電力が供給されるので、図2(a)に示すように、がいし1に印加される電圧の変化は正弦曲線になり、90度の位相のときに正のピーク値をとり、270度の位相のときに負のピーク値をとる。そして、印加電圧がピーク値になるときに、がいし1にシンチレーションが発生しやすい。そこで、シンチレーションの推定精度を上げるために、シンチレーションが発生したと推定される時刻が90度又は270度の位相付近であるか否かを確認する。
図2(c)の電流変化では、2つの負のピーク値が現れている。そのうち、左側のピーク値はシンチレーションによるものであり、一方、右側のピーク値は電気的なノイズの変動によるものである。このように、接地線電流の場合、シンチレーション信号よりノイズの方が大きくなることがある。これは、スイッチギア内には複数の電力機器が設置されており、接地線電流には、監視対象のがいし1の漏れ電流だけでなく、他の電力機器からの電流も含まれるからである。従って、接地線電流の大小関係を用いてシンチレーションを判別するのは困難であると言える。
一方、図3(b)及び(c)に示すように、1msec単位に音響信号の最大値及び最小値を常時監視しながら、最大値及び最小値の差分が急増した(当該差分が予め設定したしきい値を超えた)場合に、シンチレーションピークと判断する。音速は約340mm/msecであるから、本実施形態の前提として、がいし1と、マイクロホンM1との間の距離を1mとすると、CT4が測定した電流信号にシンチレーション信号が現れてから約3msec経過したときに、マイクロホンM1が音波を捉える。従って、1msec単位で音響信号の最大値及び最小値を観測すると、がいし1でシンチレーションが発生してから約3msec経過したときに、最大値及び最小値の差分が急増する。そこで、シンチレーションの判定精度を上げるために、音響信号の急増時刻より約3msec前における接地線電流を把握し、その電流強度の分布状況を確認する。
以上によれば、最初にがいし1におけるシンチレーション発生の可能性を判断する際には、接地線電流よりも音波を測定した方が、シンチレーションとの相関がよく、データ処理が簡単であるので、シンチレーション検出に適していると言える。
≪ワイブル分布について≫
図4は、シンチレーション発生時にがいし1に印加された電圧のピーク強度分布を示す図である。図4のグラフにおいて、横軸はがいし1の印加電圧のピーク強度(mV)を示し、縦軸は各電圧におけるシンチレーション発生の累積頻度(%)を示す。この縦軸の目盛りは、ピーク強度及び累積頻度の関係がワイブル分布になっているか否かの判定を容易にするために、プロットした点が直線上に載るか否かにより当該判定ができるように設定されている。
ワイブル分布は、物体の強度、時間経過による劣化現象や寿命を統計的に記述する確率分布であり、最弱点分布とも呼ばれ、例えば、鎖を引張ったときの力(かけるストレス)と、鎖が切れる箇所の頻度(現象が起こる確率)との関係を示すモデルとして用いられる。そして、シンチレーションは、がいし1に電圧を加えた際に、がいし1の表面のうち、最も弱い箇所で、放電とともにパチパチという音が発生する現象であるので、最弱点分布であるワイブル分布に従うと予想される。
実際に、図4に示すように、VT3で測定された、電圧位相90度付近のピーク電圧(パルス幅 〜100μsec)及びシンチレーション発生の累積頻度についてワイルブルプロットすると、プロットした点がほぼ直線上に載っている。これにより、シンチレーション現象は、弱い箇所で発生し、ワイブル分布に従うという予想が実証されたと言える。逆に言えば、音響信号を用いてシンチレーションであると推定した現象(例えば、推定時刻における接地線電流のピーク強度)がワイブル分布に載っているか否かにより、その推定が正しいか否かを確認することができる。
≪シンチレーション発生の判定手順≫
図5は、トラッキング劣化の前兆現象であるシンチレーションを検出するための手順を示すフローチャートである。本手順は、電力会社の検査担当者が、がいし1に電圧を印加し、マイクロホンM1及びM2の音響信号、VT3の電圧及びCT4の電流を含む測定値に基づいて、電圧を印加したがいし1でシンチレーションが発生しているか否かを判定するものであり、特に、各がいしで発生する音響信号の処理を優先したフローにより、データ処理を簡単にし、判定精度の向上を図っている。なお、検査担当者による判定は、リアルタイムに各測定値データを表示した画面を参照して行ってもよいし、事後に各測定値データの印刷物を参照して行ってもよい。
最初に、検査担当者は、マイクロホンM1及びM2の測定値の変化を参照して、音響信号が急増したか否かを判断する(S501)。詳細には、図3(b)及び(c)に示すように、時間を所定幅(例えば、1msec)のブロックに区分し、そのブロックごとに音響信号の最大値及び最小値を特定し、特定した最大値及び最小値の差分(振動幅)が閾値を超えた否かを判定する。なお、図3(b)の測定データから図3(c)の編集データを生成する処理をコンピュータで行ってもよい。音響信号が急増していなければ(S501のNO)、S501の監視を続ける。
マイクロホンM1及びM2の音響信号が急増していれば(S501のYES)、検査担当者は、急増した2つの音響信号間の時間相関があるか否かを判断する(S502)。詳細には、図1に示すように、マイクロホンM1及びM2は所定の間隔で設けられているので、その間隔の長さ(距離)を音速で除算することにより算出される音波時間の遅れを考慮して、相関係数を算出し、相関係数が所定の閾値(例えば、0.8)以上であれば、正の相関があるので、がいし1で発生したシンチレーション信号であると推定する。音響信号間の時間相関がなければ(S502のNO)、S501の音響信号監視を続ける。
音響信号間の時間相関があれば(S502のYES)、がいし1でシンチレーションが発生していると推定されるが、推定の精度を上げるために、さらにがいし1に係る電圧や電流を用いて、シンチレーション発生の推定が正しいか否かの確認を行う(S503〜S508)。
まず、検査担当者は、マイクロホンM1の音響信号からシンチレーション信号の発生時刻を推定する(S503)。詳細には、図1に示すように、がいし1及びマイクロホンM1の間には所定の距離があるので、その距離を音波が進む時間だけ、がいし1におけるシンチレーション信号の発生時刻と、マイクロホンM1における音響信号ピークの測定時刻とがずれる。従って、音響信号ピークの測定時刻から上記時間だけ遡れば、シンチレーション信号の発生時刻となる。音速は約340mm/msecであるから、がいし1と、マイクロホンM1との間が例えば1m離れていれば、上記時間のずれは約3msecであり、音響信号ピークの測定時刻から約3msec前に、シンチレーションが発生したと推定される。なお、マイクロホンM1の代わりに、マイクロホンM2の音響信号及びマイクロホンM2とがいし1との間の距離を用いて、シンチレーション信号の発生時刻を推定してもよい。
次に、検査担当者は、S503で推定した時刻において、がいし1に印加した電圧の位相が90度又は270度の付近か否かを判断する(S504)。詳細には、図2(a)に示すように、がいし1の電圧は、位相が90度のときに正のピーク値になり、位相が270度のときに負のピーク値になり、それらのときにシンチレーションが起きやすい。そこで、VT3の測定値の時間的変化を表示した表示装置の画面を参照して、シンチレーション発生の推定時刻が、VT3の測定値のうち、電圧がピーク値になるタイミングか否かを確認する。
電圧の位相が90度又は270度の付近であれば(S504のYES)、がいし1でシンチレーションが発生したという推定が正しいことを確認することができる。そして、さらなる確認のために、検査担当者は、推定した時刻において、CT4で測定した接地線電流の、5kHz程度以上の高周波成分のピーク強度を算出し(S505)、ピーク強度の分布がシンチレーション信号として妥当か否かを判断する(S506)。詳細には、シンチレーション発生時に接地線電流が高周波になるので、今までの接地線電流の高周波成分のピーク強度を記憶装置に蓄積しておいて、その蓄積したピーク強度及び上記算出したピーク強度の分布を表示し、それらの分布がワイブル分布に載るか否かを確認する。
ピーク強度分布が妥当であれば(S506のYES)、検査担当者は、がいし1でシンチレーションが発生していると推定する(S507)。これにより、音響信号によるシンチレーション発生の推定が正しいことを再確認することができる。一方、がいし1の電圧位相が90度の付近でもなく、270度の付近でもない場合(S504のNO)、又は、ピーク強度分布が妥当でなければ(S506のNO)、検査担当者は、シンチレーション信号を示すとした音響信号はノイズだったと推定する(S508)。そして、S501の音響信号監視に戻る。
≪実施例≫
スイッチギアは、複数のバンクが並列するように構成され、そのバンクごとにがいし1が内設されている。従って、図5の判定手順を実際にスイッチギアに適用する際には、先に各バンクのシャッタを開放し、各がいし1から音波を直接受けることができるようにマイクロホンM1及びM2を順に設置し、S501及びS502の音響信号に関する判定を行うことにより、シンチレーション発生が推定されるがいし1を特定する。がいし1にシンチレーションが発生していれば、マイクロホンM1及びM2を数分間設置しておくことにより、音響信号のピークを検出できるので、バンク(がいし1)ごとに順番に確認していく。そして、上記の特定したがいし1の電圧をVT3(がいし1ごとの測定装置)で測定し、そのがいし1の接地線電流をCT4(スイッチギアで共通の測定装置)で測定し、それらの測定値に基づいてシンチレーション発生を確認する。
なお、各測定値の取得及びシンチレーションの推定の処理をシステム化し、コンピュータで一括して行う際には、バンク(がいし1)ごとにマイクロホンM1及びM2を設置するようにしてもよい。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、がいし1の表面における絶縁劣化を早期に検出することができる。
詳細には、まず、図5のS501に示すように、がいし1から発生する音波を測定し、その音波の振動幅に基づいて、がいし1で劣化の前兆であるシンチレーションが発生しているか否かを推定するので、がいし1のトラッキング劣化を早期に検出することができる。また、音波を用いるので、電気的なノイズが高い環境であっても、高感度かつ高信頼度で検出することができる。また、図3(c)に示すように、音響信号の時間的変化を時間ブロックに区分し、その時間ブロックごとのピーク値を求めて、シンチレーション発生の判定基準となる閾値と比較するので、データ処理を簡単化することができる。
次に、S502に示すように、2個のマイクロホンM1及びM2で音波を測定し、その測定した2つの音波がピークになる各タイミングの間に、距離に応じた時間相関があるか否かに応じて、がいし1でシンチレーションが発生しているか否かを推定するので、劣化し始めているがいし1を特定することができる。
続いて、S504に示すように、シンチレーションが発生したと推定される時刻が、がいし1に印加される電圧の90度の位相又は270度の位相に対応するか否かを確認するので、シンチレーション発生の推定を確実にすることができる。
そして、S506に示すように、がいし1の接地線電流の高周波成分のピーク強度がワイブル分布に従っているか否かを確認するので、シンチレーション発生の推定をさらに確実にすることができる。
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
(1)上記実施の形態では、がいし1を検査対象にしたシンチレーション推定方法を説明したが、他の絶縁物に本シンチレーション推定方法を適用してもよい。例えば、絶縁体がコーティングされた電線や変圧器等を検査対象にしてもよい。
(2)上記実施の形態では、2個のマイクロホンM1及びM2を用いてがいし1の音波を測定するように記載したが、1個のマイクロホンを用いて、電圧を印加したがいし1から発生する音波を測定し、その音波の振動幅が所定値以上である場合に、シンチレーションが発生していると推定してもよい。これによれば、簡単な装置構成を用いて、がいし1の劣化を早期に検出することができる。
1 がいし(絶縁物)
2 母線
3 計器用変圧器
4 計器用変流器
M1、M2 マイクロホン

Claims (3)

  1. 絶縁物の表面劣化の前兆現象であるシンチレーションの発生を推定する方法であって、
    前記絶縁物に電圧を印加するステップと、
    前記電圧を印加した絶縁物から同じ方向かつ異なる距離にある2個のマイクロホンを用いて、当該絶縁物から発生する音響信号を測定するステップと、
    前記2個のマイクロホンで測定した音響信号の振動幅がともに所定値を超え、かつ、当該音響信号の振動幅が所定値を超えた各時刻の差が前記2個のマイクロホンの間の距離に応じた時間値である場合に、当該絶縁物において前記シンチレーションが発生したと推定するステップと、
    を実行することを特徴とするシンチレーション推定方法。
  2. 請求項に記載のシンチレーション推定方法であって、
    前記絶縁物において前記シンチレーションが発生したと推定するステップにおいて、前記音響信号の振動幅がともに所定値を超え、かつ、前記各時刻の差が前記2個のマイクロホンの間の距離に応じた時間値である場合に、
    前記2個のマイクロホンのうち、いずれか一方のマイクロホンと、当該絶縁物との間の距離を取得するステップと、
    商用電源により前記絶縁物に印加される電圧を測定するステップと、
    前記一方のマイクロホンで測定した音響信号が前記所定値を超えた時刻から、前記取得した距離に応じた時間値を減算した時刻を、前記絶縁物でシンチレーションが発生した時刻として推定するステップと、
    を実行し、
    前記推定した時刻における前記電圧の位相が略90度又は270度であるときに、前記絶縁物においてシンチレーションが発生したと推定する
    ことを特徴とするシンチレーション推定方法。
  3. 請求項又は請求項に記載のシンチレーション推定方法であって、
    前記絶縁物において前記シンチレーションが発生したと推定するステップにおいて、前記音響信号の振動幅がともに所定値を超え、かつ、前記各時刻の差が前記2個のマイクロホンの間の距離に応じた時間値である場合に、
    前記絶縁物の接地線電流を測定するステップと、
    前記推定した時刻における前記接地線電流の高周波成分の強度を特定するステップと、
    を実行し、
    前記特定した強度及びその発生頻度がワイブル分布に従っている場合に、前記絶縁物においてシンチレーションが発生したと推定する
    ことを特徴とするシンチレーション推定方法。
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